2024年6月17日月曜日

パリ市内での車の運転と駐車

  


 私は、フランスに引っ越してきたばかりの頃は、パリ郊外に住んでいて、娘も小さかったので、たまに運転することもありました。なによりフランス人の夫が車が好きな人で、どこへ行くのも車を使いたがり、娘も2歳になるまでメトロはもちろんのこと、電車というものに乗ったことがありませんでした。

 なので、私としては、ほとんどその自覚がなかったのですが、初めて一人で娘をパリに連れていくときに電車で行こうとしたら、なんと娘が電車を怖がって乗るのをためらうという場面に遭遇し、「そういえば、これまでこの子は電車に乗せたことがなかったかも・・」と自分でもびっくりしたくらいです。

 パリに引っ越してきてからは、もちろん、大幅に通勤も楽になり、メトロやバスでどこへでも行けるので、私自身が運転してどこかへ行くということはなくなりましたが、夫は相変わらず、ほんの少しの距離でも車、娘を学校に送っていくのも車、家から徒歩1分のところにバス停があり、職場までバスで1駅というのに、車で通勤しようと職場のあるビルの駐車場を確保するということをしていたくらいなので、本当に彼にとって車なしの生活は考えられなかったようです。

 私は、夫が亡くなってしまった後は、家の車は処分してしまいました。

 パリ市内を車で移動するということは、行った先々での駐車スペースを探し回らなければならないということで、パーキングメーターで駐車料金を支払えば、路上駐車ができるとはいえ、そのスペースを見つけるのに一苦労。しかも、運転は皆、けっこう荒いです。

 そんな労力を考えるくらいだったら、バスやメトロの方が全然ラク。しかも路上駐車のスペースは限られているうえ、ギリギリのところを、よくこんなところに停められるな・・と思うくらいギチギチに停めており、時には、明らかに前後の車にぶつけてスペースを無理矢理こじ開けたような停め方をしている車もあり(車のバンパーはそのためについていると公言する人もいるくらいです)、車が傷ついたり、へこんだりするリスクがあるうえに、車上荒らしや酷いときには、デモの煽りを食って燃やされる危険だってあるわけで、まったくリスクしかないと思うのです。

 身体が不自由であるとか、高齢者を連れているとか、小さい子どもを何人も連れているという以外は、そこまでしてパリに車ででかける意味が私には、わかりません。

 最初にフランスに来た頃は、フランスの車って汚れている車が多いな・・と思い、今では慣れてしまいましたが、やはり日本に行った時には、日本の車って、どれもピカピカに磨いていてきれいだな・・と思うし、傷がついている車を見かけることはあまりなく、そういえば、父などは、車をちょっとでもこすってしまったりすると、すぐに修理に出したり、その傷が目立たないように、ペンキを自分で塗ってみたりしていたので、車の傷に対しては、とっても気にしていたので、フランス人の少しくらいの傷なら全く意に介さない様子を見たら、仰天するだろうな・・などと思います。

 先日、たまたま通りかかった路上で、よくもこの間隔で駐車できたな・・というより、もう衝突したまま駐車している車があって、久しぶりにさすがにビックリしましたが、明らかにもうこれは衝突しているな・・と思う駐車の仕方は、なぜなんだろう?少しは下がって、ほんのちょっとでも前をあけたらいいのに・・と思ったら、他のフランス人がこのままにしておいた方が前の車が出るときに、さらにぶつけられることがないから・・というので、そのマインドに驚いた次第です。

 いずれにしても、私にとっては、こんなもろもろのリスクを負ってまでパリで運転するのは、ゴメン被りたいわけで、私はNavigo(パリ市内のメトロやバスが使える定期券のようなもの)をフルに活用し、毎日、バスやメトロで移動しているのであります。


パリ市内の路上駐車


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