日本についてのニュースをフランスの報道で知ってびっくりすることも時々あるのですが、今回の「東京都のマッチングアプリ」についてもフランスの報道で知ったことのひとつです。
フランスにもマッチングアプリはけっこうあるようで、時にはメトロの広告にズラーッと張り出されていたのを見たこともあり、「こんなの・・メトロにまで広告出すんだ!」と驚いたこともありました。
フランスには、政府がこのようなアプリを立ち上げている例は現在のところはないために、物珍しさとともに、やはりフランスとて、少子化問題は捨て置けない問題のひとつであるため、興味をそそられたプロジェクトであったに違いありません。
このフランスの「東京都のマッチングアプリ」に関する報道では、その背景にあるフランスよりもずっと深刻な日本の少子化問題についての説明が付け加えられており、それはそれで、「なるほど・・」などと妙に再認識させてくれたりもします。
「2023年の日本の出生数は8年連続で減少、日本における死亡者数は出生者数の2倍となった。OECDの報告書によると、日本での法的婚姻外での出生率は依然として約2%と非常に低いため、日本の婚姻率の低下が日本の出生率低下の主要な要因とされている。」
国民の高齢化の加速は、多くの活動分野における労働力不足など、ますます重大な問題を引き起こしている・・と、このアプリ設立の背景を説明。
登録するには、法的に独身であることを証明する書類を提出し、結婚するパートナーを探しているという内容の書類に署名する必要がある。また年収を証明するために納税通知書も提出する必要があり、日本のマッチングアプリでは収入の申告が求められることが多い・・とも説明しています。
また、「日本の女性の多くは一人暮らしを好む」と解説しているのにも、「へっ?」と思います。
日本の出生数の減少を食い止めるため、東京都は今夏、独自の出会い系アプリを開始し、仲人役を務めようとしているが、SNS上では、アプリの開発資金を都民の税金で賄うことに否定的な意見も湧き上がっていると説明。
実際には、どれだけの人が利用するかはわかりませんが、個人的には、プロジェクションマッピングなどよりは、ずっとマシ・・なかなか出会いの機会がない人にとっては、意外にこっそり使う人もいるかもしれないではないか?と思っています。
結婚については、特に積極的に結婚したくない・・と思っているというより、あんまり積極的に考えずにズルズルしてきたら、結婚しなかった・・という人が多い気もするのですが(私の周囲にも多い・・)、だからといって、日本の少子化を食い止めるために結婚しよう!などと考える人もあまりいないだろうし、ほんのちょっとのキッカケがあったらいいかもしれないとも思うのです。
また、親世代の意識の変化も影響しているような気がします。今の親世代(結婚適齢期の子どもを持つ親)はマイルド・・。自分が若い頃に受けた結婚への外圧を考えれば、やっぱり今の若者が結婚しなくなっているのもわかる気がします。
私の親の世代は、やたらと適齢期のようなものを気にする感じもあり、私の母なども、「とにかく、一度でいいから結婚して!」とか、やたらと結婚をせかすようなことを言っていたし、20代半ばを過ぎると、どこからか次々とお見合い写真が回って来たりしていました。
今から考えると、なぜ?そんなに「一度でいいから結婚して!」などと無責任なことを言っていたのか、私にはわからないのですが、いつまでも子どもを結婚させないでおいておくことに、まあ世間体が悪いという風潮があったのだと思います。
しかし、現在、自分が親になって思うことは、娘には、良い人がいたら、結婚してもいいと思うし、できたら子どもを産んで育てるという経験はした方が良いとは思うけれど、「必ずしも結婚しなくても・・むしろ、クズと結婚するくらいなら、結婚しなくていい・・」と思っています。
海外にいるから思うことなのかもしれませんが、とんでもない男につかまって、酷い目に遭っている人もけっこう見てきたからかもしれません。
今の日本に、私のような考えの親が多いかどうかはわかりませんが、少なくとも、私の親世代よりも、世間体が悪いから結婚させなきゃ!と必死になっている親も少なくなっているのかな?とも思います。
東京都マッチングアプリ
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