2025年7月31日木曜日

欧州 × 米国間の関税について、マクロン大統領が沈黙を破った

  


 欧州と米国との間の貿易協定、欧州製品のアメリカへの輸出に15%の関税がかけられるという、どう見ても不均衡な貿易協定が締結して以来、ずっと沈黙を守ってきたマクロン大統領がとうとうその沈黙を破りました。

 週なかばに開催された閣僚理事会において、マクロン大統領は、「これで終わりではない!我々はそこで止まるつもりはない!」と断言しました。

 とはいえ、協定が締結してしまった今、これは、苦しい言い訳には違いなく、マクロン大統領は、同時に「ヨーロッパ諸国は充分に恐れられていなかった・・自由になるためには、恐れられなければならない・・だが、我々は、充分に恐れられていない」と語っています。

 しかし、あくまでも完全な譲歩を認めてはおらず、「これは物語の終わりではない!我々はそこで止まるつもりはない!」と続け、「この合意は、短期的に可視性と予測可能性をもたらすというメリットがある」と述べ、この合意が「フランスと欧州の利益を守る」ものであると指摘し、特に「航空分野を含む一部の主要輸出部門の関税免除」と「我々の健康・環境基準」へのいかなる挑戦も脅かすものではないと断言しました。

 明らかに不利な協定をのまされたにもかかわらず、メリットがあると言い張るあたり、なかなかな苦し紛れの負けず嫌い・・関税15%の貿易協定が締結してしまった以上、これはいかにも苦しいエクスキューズにしかなっていません。

 結局のところ、マクロン大統領は、「欧州はまだ自らを充分な力があるとは考えていない・・自らを充分な大国と認識していない」と認めています。

 まあ、この期に及んで、国家元首としては、「やられた!」とか、「参ったな~」とか、言うわけはなく、これが精一杯だったとは思われますが、なんとしても、フランスだけではなく、欧州全体の話。まとまっているようで、それぞれ違う国の集合体。マクロン大統領の思うようには、事は運ばなかったということです。

 彼が言うように、これが本当に「まだまだ終わりではない」のならば、禍を転じて福と為す・・挽回の道を探ってくれるように期待します。

 これは、輸出する欧州側にも痛手であると同時にアメリカの消費者にとっても痛い話に違いありませんから・・。


欧州製品のアメリカへの輸出に15%の関税 マクロン大統領


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