2025年7月12日土曜日

バター不足とバターの価格の高騰

  



 フランスのスーパーマーケットの棚は、日本のように、いつもいつもキッチリと商品で埋まっているとは限らないので、たとえ、ある棚がガランとしていることがあっても、即、その商品が品不足なのかどうかは、わかりにくいかもしれません。

 逆にたまに日本に行くたびに、日本のスーパーマーケットやコンビニなどは、本当に小さなスペースにものすごい種類の商品がキッチリと陳列されていて、一体、いつ、だれが補充しているのだろうか?とびっくりします。

 例えば、なにかを買いに行って、その棚が空だったりすると、「ちゃんと置いておけば、売れたのに・・」などと思うこともありますが、この品出し?に関しては、長いフランスでの生活においても、あまり進歩はありません。

 そんな中、現在、多くのお店でバターが不足していることが多く見られるようになっているらしく、どうやら、本当にバターが不足しているようです。

 また、不足してくれば、自ずと価格も上昇するのは、当然のことで、バターの価格は、今年に入って、2.1%、2年間で21%も上昇しているのだそうです。

 このバター不足の原因のひとつは、全国的な乳牛の伝染病で、今年は、特に牛乳の生産量が激減したためと言われています。

 そして、もう一つの原因は、気温の上昇によるもので、この暑さ、例に漏れずに乳牛にも影響しているようで、暑すぎると乳牛からの牛乳の生産量も減ってしまうそうで、このため、牛乳の生産が減少し、牛乳からバターを構成する脂肪分を含んだものは、さらに乳量を必用とするため、厳しい状況に陥ってしまうのです。

 このため、在庫は最低水準にあるものの、バターの需要は世界的に増加しているとのことで、価格の高騰は、当然の成り行きであるとも言えます。

 フランスは、世界最大のバターの消費国であるそうで、そんなフランスのバターが不足し、バターを輸入しなければならない状況にまで陥っているのだそうです。

 フランスでは、食卓にのぼるバターだけではなく、まあ、バターを使ったお料理の多いこと。また、クロワッサンやケーキ、クッキーなどのお菓子類にも、もれなくバターが使われているといっても過言ではありません。

 このうえ、世界的にもバターの消費量が増加しているということで、特に中国でのバターの消費量が劇的に増加しているのだそうです。

 個人的には、バターというものは、そこまで使わないので、最近は、贅沢にもエシレバターしか使わなくなっていますが、それも、食品廃棄物防止のための安くなっているお店でエシレバターを見つけたときに買っておいて、冷凍して、小分けにして使っている程度です。

 しかし、一般的なフランス人の家庭にとったら、バターの価格上昇は、けっこう痛い現実で、あんまりお料理をしない人でもケーキやパイは自分で作るという人もいるし、日本人が想像できるバターの消費量を遥かに超えていると思います。

 個人差もあると思いますが、パンにバターを塗って食べるというより、のせて食べる・・そんな感じ。フランス料理のソースなどにも漏れなくバターを使うことが多いです。

 スーパーマーケットの棚に関しても、バターのみならず、チーズやヨーグルトなどの乳製品の種類と量の多さに、やはり、どれだけ需要があるのかがわかるような気がします。

 昔、「私の身体はワインで出来ている」などと言っていた女優さんがいましたが、この棚をみれば、フランス人の身体は、乳製品でできているんだろう・・などと思います。

 最近、あらゆるところに影響を及ぼしている気温の上昇ですが、まさか、バターにまで影響していたとは、驚きです。


バター不足 バター価格高騰


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