2023年1月5日木曜日

WHOが中国にコロナウィルスに関するデータの再提出を要請

  


 中国でのゼロコロナ規制解除に直面して、多くの国が中国からの入国に関して、あらためて感染対策を取り始める中、WHO(世界保健機構)は同国の状況についての懸念を示し、「我々は中国に対し、入院と死亡に関するよりタイムリーで定期的かつ信頼できるデータの提供と、より完全でリアルタイムなウイルス配列の確認を引き続き求めている」と述べました。

 また、同時に入院、重症化、死亡から人々を守るためにブースター接種を含むワクチン接種の重要性を改めて強調し、これは、高齢者や基礎疾患を持つ人など重症化のリスクが高い人にとって特に重要なことであると付け加えています。

 2週間前、国連機関はすでに中国の科学者に、入院患者、死亡者、ワクチン接種についてより明確にするために、ウイルスの詳細な配列データを提出するよう求めていました。中国側は、世界の国々が中国からの入国に対して感染対策を取り始めたことを快くなく感じているようですが、特に現在、中国ではこれだけ感染の流通量が多く、完全なデータが報告されていないのだから、自国民を守ると考えて対策を講じる国があるのは理解できるとしています。

 この感染症が世界的なパンデミックとなってしまった以上、それぞれの国の感染状況を公開するのは、当然のこと、国連世界保健機関にとっては、WHOや世界にとって有用なデータであり、すべての国にその共有を促しています。

 WHOが定期的かつ迅速で確実なリスク評価を行い、それに応じてアドバイスやガイダンスを適応させるためには、このデータは引き続き不可欠であるとWHOは強調しています。

 中国における最近の流行は、主にオミクロンの亜型であるBA.5.2とBF.7によって引き起こされており、これらを合わせると、現地の全感染者の97%以上を占めているとWHOは述べています。このデータは、中国疾病予防管理センターが2,000以上のゲノムを解析した結果に基づいています。

 また、このデータは、他の国からグローバルデータベースに提出された中国からの旅行者のゲノムと一致しており、公開されている配列データには、新しい変異や重要性が知られている変異は指摘されていないとしています。この情報は、火曜日にWHOの技術諮問委員会に中国の科学者が行ったブリーフィングから得られたものです。

 中国は現在、12月初旬に「コビッドゼロ」政策を突然放棄し、過去最悪の感染者発生に直面し、 この前例のない感染の波にもかかわらず、患者数のカウント方法を変更したことで議論を呼んだコロナウィルス関連の死亡者数はほとんど報告されていません。

 しかし、SNSで流されている情報や映像から、中国が発表している現在の数字は、入院や集中治療室の患者数、特に死亡数など、実際の数字とは遥かにかけ離れているものであると見られています。

 感染が拡大すれば、新たな変異種の出現の可能性も高くなり、次なる被害が広がる可能性を孕んでいます。

 また、中国以外では、2022年10月に初めて検出されたオミクロン亜種の1つが、2つのBA.2亜種の組換えであるXBB.1.5であり、国連の世界保健機関によると、この亜型は「米国とヨーロッパで増加傾向にあり、現在、すでに25カ国以上で確認されているといいます。

 とはいえ、フランスなどでは、コロナウィルスは現在は小康状態と言ってもいいかわりに、インフルエンザや細気管支炎などとのトリプル感染症で周囲にもゴホゴホしている人がやたらと多い感じがします。

 とうとう3年経ってもコロナウィルスは収束を見せるどころか、一周回って、再び中国での感染拡大に戻っており、中国の病院の様子などの映像を見ると、また時が3年前に逆戻りしたかと思わせられるような状況です。

 これには、これまで中国がゼロコロナ対策をとってきたために、国民の間に集団免疫ができていないことや、中国製のワクチンの効力が低いことなどが挙げられていますが、現在の変異種に対しては有効な先進国のワクチン(ファイザーやモデルナなど)も、また新しい変異種が登場した場合は脅かされることも考えられないでもありません。

 私自身は2回のブースター接種を済ませていますが、ワクチンの有効性が6カ月程度しか持たないのであれば、またそろそろワクチンをしなければならないかもしれませんが、いい加減、そうそう2~3年の間に何回もワクチン接種をしてワクチン漬けになるのも、さすがに少々、ためらわれるところです。

 パンデミックという事態になってもなお、どうして、こうも協力して協調するということができないのか? ほんとうにウンザリします。


中国コロナウィルスデータ


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