シャンゼリゼのカウントダウンの花火は、2年ぶりということで、当初のパリ市の見込み50万人を大きく上回るどころか、倍の人出で公式発表100万人の人出となりました。
おととしのシャンゼリゼは、イルミネーションはあったものの、後にも先にもこんなことはないくらいの静けさで、観光客というものがほぼいないパリで、しかもシャンゼリゼの沿道の飲食店などは、すべて営業停止状態で、これほど人のないシャンゼリゼのクリスマスはないだろうと思うとそれはそれで貴重な気分でシャンゼリゼを歩いた記憶があります。もちろん花火もなし。
そして昨年は、少しずつパリに観光客が戻り始め、飲食店なども営業を始めたものの、オミクロン株による感染拡大で、クリスマスと大晦日の日を除いて、夜間外出の時間制限などもあったりで、感染防止のために花火は中止されていました。
そんなわけで、今年のシャンゼリゼのカウントダウンの花火は2年ぶりということもあり、花火そのものよりも、その人出のすごさに驚かされるほどで、100万人と聞いて、私などは、シャンゼリゼは100万人収容?可能なのだろうか?などと思ったほどでした。
多分、初めて凱旋門やシャンゼリゼを訪れた人は、想像以上の大きさに驚かれることと思いますが、その凱旋門の大きさとバランスのとれたシャンゼリゼの大通りも、歩道を含めてなかなかなダイナミックな道幅の広さで、凱旋門からコンコルド広場までの距離もけっこうあるので、100万人と言われれば、それも可能なのかな?とへんなところでひっかかったりしています。
常日頃から、パリでのメトロやバスなどを見ていると、フランス人は、人と人との間隔を詰めるということが非常に下手で、特にバスなどは、外から見ていると、もうちょっと詰めてくれれば、まだ乗れるのに・・などと思ったりしますが、早々に「あ~ムリムリ!」と言って、後から乗る人のために詰めてくれるということはありません。
今回のシャンゼリゼの人混みを見ていると、そんな日常を送っているフランス人からしたら、信じられないくらいのギューギュー詰めで、セキュリティーも相当厳しかったようですが、かなり、ギチギチの詰まり具合で、人が将棋倒しになったりする事故が起こらなかったことが不思議なくらいです。
花火自体は、2023年を迎える10秒前のカウントダウン、つまり午前0時10秒前から始まりますが、早い人は、夕方17時頃から並んでいたという人もいて、6時間以上も待っていたことになります。そのガッツもすごいです。
幸いにも、大晦日の夜のパリの気温は11℃という温かさ、真冬にしたら、かなり温かいこの気温も花火の人出をいっそう増やしたような気もします。
シャンゼリゼのカウントダウンの花火には、海外からの観光客や地方から訪れる人も少なくなく、テレビのインタビューなどにもかなり興奮気味に答えていて、誰もが「世界一美しいシャンゼリゼ!」を臆面もなくというか、何のためらいもなく口にするのには、別に異論があるわけではありませんが、これだけ「世界一!」を皆が連発しているあたりもフランスらしいな・・とも思ったりするのでした。
しかし、凱旋門を中心としたシャンゼリゼは美しくデザインされた街で、正直、花火自体は、日本などには、おそらくもっと素晴らしい花火がありそうだと思いながらも、その街全体の絵としたら、ちょっと反則的に美しさを引き立てています。
ライトアップされた凱旋門にレーザー光線まで使い、街路樹のイルミネーションにシャンゼリゼを埋め尽くす人が携帯を掲げて撮影している光がまるでペンライトのように輝いて、彩りを添えています。
「年忘れ」という言葉がありますが、この100万人に埋め尽くされたシャンゼリゼの光景を見ていると、パンデミックも戦争などという問題を抱えている現状を忘れそうになる感じもあります。
しかし、こういう瞬間に皆で喜びを分かち合うということも、おそらく大切なことで、少なくとも、とりあえずは、不安要素が残りつつも、コロナウィルスに関してはある程度、落ち着きを見せている今、2年間の花火中止期間を経て、やっと花火を楽しめるときを迎えたということで、喜びもひとしおだったのではないか?と思っています。
それにしても、この100万人、マスクは持ち込み禁止であったのでは?と思ってしまうくらいマスク率、限りなくゼロに近いです。
シャンゼリゼ年越し花火
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