日本の岸田首相がパリを訪問しているというニュースはフランスではあまり報道されていないようです。私はマクロン大統領が「Cher Fumio・・G7の議長国としてのヨーロッパ訪問の最初の国に選んで頂いたことを光栄に思います・・」というツイートで岸田首相のパリ訪問を知りました。
Cher Fumio, la France est honorée d'être la première étape de votre tournée en Europe. Je vous souhaite mes vœux de succès pour la présidence japonaise du G7. Les défis qui nous attendent sont immenses. Nous les surmonterons, ensemble ! pic.twitter.com/aZpc8eHf07
— Emmanuel Macron (@EmmanuelMacron) January 9, 2023
昼間の時間帯はテレビをつけないのでわかりませんが、夜の時間帯のニュースでは、全く扱われない、まるで存在感が感じられない印象です。
とはいえ、探してみれば、いくつかの報道機関では、ニュースとして取り上げられており、「1年間のG7の議長国を引き受けたばかりの日本の岸田首相が欧州最初の国として、フランスを訪問、アジア太平洋地域の安全保障問題において両国のパートナーシップを強化する意思を示す機会となった」とあります。
岸田首相は10日にローマ、11日にロンドン、12日にカナダの首都オタワを訪問し、13日にワシントンでジョー・バイデン米国大統領と会談する予定。次回のG7首脳会議は、1945年に史上初の原爆を投下された広島で5月に開催される予定。
岸田首相は「東シナ海や南シナ海で力による一方的な現状変更の試みが強まり、安全保障環境が緊迫する中、フランスと、合同軍事演習を含む協力を引き続き推進したい」と述べ、「フランスは自由で開かれたインド太平洋空間を実現するための主要なパートナーです」と力説したとか・・、G7に関しても防衛政策を中心にG7を動かしたい意向が伝えられています。
日本の民生用原子力産業に積極的なフランスは、軍隊と防衛戦略の見直しに着手している日本の軍事産業での存在感を強化する意向だそうです。
今回の岸田首相のパリ訪問で特に注目されたのは、マクロン大統領が岸田首相を修復工事中のノートルダム大聖堂に招待したことで、マクロン大統領が2019年の火災で破壊されたこの場所に海外からの首脳を招いたのは、初めてのことだそうです。
マクロン大統領は「逆境に直面しても再建を目指すという共通の意志の象徴として、今回の訪問は、遺産という観点からフランスの並外れたノウハウを紹介する」と述べており、震災などの災害の多い日本という国には、「復興を成し遂げる国」というイメージが深く刻まれていることを感じさせられます。
2024年修復工事完成予定のノートルダム大聖堂ですが、先日、久しぶりに通りかかって横から眺めたら(中には入れませんが)、想像以上に進んでいなくてビックリしたばかりです。
ノートルダム大聖堂訪問の後は、エリゼ宮で晩餐会が催され、自動車(ルノー・日産・三菱連合)、原子力、再生可能エネルギー、民間航空分野での二国間協力が話題に上がったと言われています。
フランスは現在、年金改革問題で話題沸騰中ということもありますが、岸田首相の訪仏はほぼ年金問題にかき消されて、テレビのニュースに上がらないのですが、報道している新聞等では、「最新の世論調査によると、首相の支持率は3.2ポイント上昇し37.4%となり、一方、政府が想定している防衛予算の倍増には48%が反対(39%は賛成)、このプロジェクトの財源として考えられる増税には71%が反対している」などという彼の日本での不人気ぶりまでを併せて報道しているところは、ちょっと微妙な気分です。
岸田首相パリ訪問
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