2024年8月5日月曜日

問題続出のセーヌ川でのトライアスロン 参加選手が大腸菌感染で入院

  


 最初から物議を醸し続けているパリオリンピックのセーヌ川でのトライアスロンですが、予行演習は何度もキャンセルされ、本当に実施されるかどうかは、ギリギリまでわからず、下手したら、デュアスロンになるかもしれないとまで言われていましたが、ついに、競技が行われる直前の水質検査で衛生基準に達したということで、もはや、かなり強引な形で実施されました。

 参加する選手にとっては、まさに取りやめても、GOサインが出ても地獄の状況だったと思います。もう終わってしまったことは仕方ないけど、選手には、本当にお気の毒なことだったな・・と思っていましたが、案の定、実際に競技に参加した選手からは、「ゴミの中を泳ぐハメになった・・」とクレームが続出していました。

 もう競技は終わったのかと思ったら、まだ混合リレーがあるらしく、再び水質検査とのせめぎ合いが続いているようで、またギリギリまで泳げるレベルの水質に達していないとのことで、再び予行演習がキャンセルされ、実際に実施するかどうかは、直前の水質検査の結果にかかっていると言われています。

 すでにトライアスロン競技が行われた同じセーヌ川での水質検査が再び、基準値に達していない状態というのは、非常に不透明なことで、水質は天候によっても大きく左右されるとはいうものの、数日のうちにそのしきい値を行ったりきたりする状況での競技の実施には、大いに疑問が残ります。

 そもそも、この水質検査の具体的な数値について、オリンピック組織委員会は発表していません。報道機関の質問にも回答していません。

 そこで、民間検査会社が行ったセーヌ川の同じポイントでの特に大腸菌細菌の検出に焦点を当てた水質検査によると、常にデータは変化しているものの、決して推奨できる状態ではないことは明らかで、ワールド トライアスロンは、大腸菌レベルが水 100 ml あたり 500 未満である良好レベルの水質であり、逆に、濃度が 1,000/100 ml のしきい値を超える場合、遊泳エリアの質は低いとされているところ、月曜日には1,553/100 ml だった数値が火曜日に実施された分析では100mlあたり687/100 ml であったと報告していますが、その後にイル・ド・フランスに降った大雨などを考慮して、おそらく、次の火曜日には、大腸菌濃度が 868/100 ml から 2,870/100 ml の間で変動すると予想しています。

 しかし、こんな結果を予測する以前に、先週、パリオリンピック・トライアスロン競技に参加したベルギーのトライアスロン選手が、大腸菌感染症により、入院し、ベルギーのトライアスロンチームから、怒りの声が高まり、抗議の声明文が出ているそうです。

 何も、クレームを入れたいのは、ベルギーだけではないだろうけれど、実際に入院しなければならないほどの体調不良。しかも、アスリートにとっては、体調管理には、日頃から特別に気を使って生活しているだろうに、競技に参加したことで体調を崩し、その後の混合リレーを辞退しなければならない事態とは、大問題です。


 この体調不良を訴えているのは一人ではなく、一回目の競技に参加した他の選手にも胃腸感染症のために混合リレーを辞退する選手が複数人存在していると言われています。

 フランスがセーヌ川にこだわりたい気持ちはわからないでもありませんが、しかし、それは、せいぜい開会式のセーヌ川上のパレードまでで、選手の健康に明らかに危険が及ぶのは、一目瞭然のセーヌ川でのトライアスロンは、やはり、やり過ぎで、もはやこのオリンピックがフランスのためのものであると言われても仕方がない気がしてしまいます。


セーヌ川トライアスロン選手入院


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