2024年8月31日土曜日

8月のインフレ率は3年ぶりに2%を下回る・・を勝手に誤解した・・

  


 「8月のインフレ率は3年ぶりに2%を下回る」という見出しを見て、勝手に「えっ?値下げ??」と勘違いしました。

 しかし、これは価格が下落していることを意味するのではなく、以前よりも上昇のペースが鈍くなっているという意味でした。がっかり・・。

 その後、記事を読み進めるとINSEE(国立統計経済研究所)は今週末、フランスの8月の消費者物価指数が1年間で1.9%上昇したと発表・・とあり、物価上昇率が2%を下回ったというだけで、依然として上昇を続けているというものでした。

 これは価格が下落していることを意味するのではなく、以前よりも上昇のペースが鈍くなっているというだけでした。

 国立統計経済研究所は、主な原因は「エネルギー価格の明らかな減速」にあると説明しており、エネルギーコストは、2023年8月1日から適用された規制電力価格の値上げにより、1年前には7%近く跳ね上がっていたのに対し、2024年8月には1年間でわずか0.5%しか上昇しなかったことによるもの」としています。

 いずれにしても、上昇率が緩やかになったというだけで上昇し続けていることは確か・・一度、上がった値段が下がるということはまずないのがふつうなのです・・まったく甘かった・・。

 以前、ある有名なフランスのブランドの時計部門の人が「スイスフランが上昇したために、値上げをします」と説明していたので(フランスのブランドでも時計はスイスで作っているため)、「それなら、スイスフランが下がったら、値下げするんですか?」と半分嫌みを込めて聞いてみたら、その人は苦笑しながら、「いや、値下げはしません」・・と。

 今回の「インフレ率、2%を下回る・・」のニュースを見て、そんな話を思い出しました。

 残念ながら、一端、上がった物価は戻らないのがふつうなのです。

 しかし、国立統計経済研究所によると、石油製品と工業製品の価格は下落しているそうで、エネルギー価格とかなり近い部門では、価格が下がっているようです。

 これに比べて、著しく上昇したのは、サービスの価格で、1 年間で 3.1%も上昇。これにはパリオリンピックが大きく関わっており、ホテルや交通機関の価格の一時的な値上げがかなり響いていると言われています。

 ホテルや交通機関の値上げならば、3.1%どころじゃなかろーが!と、思うのですが、全体的に、また、年間で平均をとるとこの程度になってしまうのかもしれません。

 これに対して、「一方、家計にとっては、このインフレの上昇率の低下は新鮮な空気の息吹となるはずです。2024年には、賃金上昇率がインフレ率を上回るでしょう!」という楽観的な見方をしている専門家もいないではありません。

 しかし、現在のフランスは、国会の解散と政府の不在によって引き起こされる政治的不確実性が加わり、まことに不透明な近未来にどう考えても、この状態よくないよな~と思うのです。

 普段は、経済問題について、真剣に考えることは、あまりない私でも、生活に直結し、またここ数年は特にめまぐるしく変化する状況は無視しきれない感じになっています。


3年ぶりのインフレ率低下


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