2024年8月11日日曜日

南海トラフ大規模地震 フランスでの報道にどっきりした・・

  


 ここのところ、とかくオリンピックに関する報道に偏りがちな中、日本での南海トラフでのかなり大きな地震について、フランスのニュースで専門家がかなり長い尺をとって、深刻な顔で解説をしているのを見かけて、ギョッとしてしまいました。

 日本でかなり大きな地震があったことは、ネットニュース等で見ていましたが、とかく地震が多い国、被害がそこまで大きくなかったことで、少しホッとしていました。

 しかし、テレビのニュースで見かけたこの日本での大きな地震についての解説には、「ほんとにそうなの?」、「日本の専門家もそんな風に言っているの?」と、少し不安に思いました。

 2011年の壊滅的な地震以来、日本で新しく設けられた「巨大地震警報」が発令されたとのことでしたが、それと同時にこの大地震等の災害に日常から準備や訓練を積み重ねている日本だからこそ、今回の巨大地震ではそこまでの被害が出ずにすんでいるので、それ以外の国であったらば、大惨事になっていたであろうと・・。

 耐震構造の建築物をはじめ、日本の避難訓練などの習慣を地震の被害が見込まれる国や地域では見習わなければならない・・ということがひとつ。

 また、日本人の国民性や地震に慣れているということもあるのだろうが、現地フランス人特派員が語っていたのは、この規模の大きな地震にもかかわらず、日本人はパニックをおこさずに冷静に行動できるということに驚いていました。

 しかし、そのように日本、日本人を称賛してくださる報道には、正直、日本人としては、少々、誇らしい気持ちもしたのですが、この専門家が説明するのは、この地震は、さらに大きい地震がそう遠くないうちに起こる可能性があるということを懇々と深刻な顔で説明するのには、正直、大丈夫かな?と心配になりました。

 この警報の中心となっているのは、日本の東にある長さ800kmの海底断層である南海トラフで、この場所は過去に、マグニチュード 8 から 9 の記録的な地震の起点となっており、南海トラフは「90~200年ごとに」目覚めると言われている。

 南海海溝は東京西部の静岡市と南の九州島の間の「沈み込み帯」に位置し、これは、フィリピンプレートが年間約10センチメートルで徐々に日本の下に滑り込んでいることを意味しており、これは世界でも最も速い速度の1つであり、これによりますます強い地殻変動が生じ、圧力に耐えられなくなると断層が破壊され、地震が発生するようです。

 この場所で最後に地震が発生したのは1946年で、つまり90年~200年という巨大地震の可能性の範囲内に突入しているということで、断層の一部はかなり規則的に破壊され、小さな揺れを引き起こし始めているということで、今回のかなり巨大な地震により、このシナリオが800kmのピットが同時に破断する危険があるという大幅に危険なシナリオに書き換えられたと言っているのです。

 この規模の大地震が1707年に日本史上 2 番目に強力な地震を引き起こしているそうで、つまり、それから200年以上がすでに経過していることになります。

 この壊滅的な地震は依然として予期することが困難で、当局は、それが1週間以内、あるいは長くても1か月以内に起こる可能性があると推定しているため、日本は今回の「巨大地震警報」発令に踏み切ったと説明しています。

 2019年の時点で、彼らはすでに30年以内にこの地域で巨大地震が起こる確率が70%であると予測しており、岸田首相は金曜日、サバイバルキットの作成、原子力発電所の状況確認、電車の速度低下など、いくつかの予防策を講じているそうです。

 この大地震とさらなる大規模地震が起こる可能性を鑑みて岸田首相が予定していた東アジア訪問を取りやめにしたということは、その可能性の深刻さを物語っていると言っているのです。また、このような「巨大地震警報」という国民がパニックを起こしかねない、その警報自体がリスクとなりかねない警報を発令するということは・・と続いたのですが、この辺りは、ちょっと日本人だったら、受け取り方は違うのかも?とは思ったものの、一方では、どこまで本当のことを国民が知らされているのか?とも思ったりして、ちょっと不安な気持ちにもなりました。

 いずれにしても、この地震のような大きなリスクといつも隣り合わせである日本だからこそ、日本に根付いている国民性のようなものも確かにあるんだろうな・・とそんなことを考えさせられたのでした。


南海トラフ大地震


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