オリンピック・ヴィラージュ(選手村)では、選手村の食堂での食材が足りておらずに限られたもののサービスしかできていないとか、盗難被害が報告されているとか、、この暑さの中、冷房がないとか、あまり良いニュースが聞こえてこない気がします。
そもそも、このオリンピック・ヴィラージュを建設しはじめる頃に、その場所にセーヌ・サン・ドニが選ばれたときに、「なぜ?セーヌ・サン・ドニなのか?」と思ったことを思い出しました。
ここがオリンピック・ヴィラージュとして選ばれた理由のひとつは、大きなスタジアムがそばにあるということもあったのでしょうが、もともと治安の悪い地域として有名な場所を選んだのには、オリンピック・ヴィラージュを建設することを機に、この地域を再生したい、オリンピック後にもつながるパリの革新的な環境プロジェクトの一環として見据えていたということもあったようです。
オリンピック仕様のTOYOTAの車がいっぱいあった! |
このサンドニのスタジアムにしても、私はスポーツ観戦などをほとんどしないため、一度、近くを通ったことがある程度なのですが、オリンピックに向けて周辺はきれいに整備されているものの、警察や消防などの電話番号が大きく書かれた看板がやたらと多いことをさもありなんというか、不気味な気持ちで眺めた記憶があります。
パリ市は、今回のオリンピックのための環境整備を将来の街づくりのプロセスの一環としているようなところもあり、結局、ギリギリなんとか実施したセーヌ川でのトライアスロンにしても、セーヌ川の水質向上を数年後には、一般市民が遊泳可能なレベルにしたいという目標があり、はっきりいって、今回は、かなり強引に競技を行ったようですが、セーヌ川の水質向上はオリンピックに間に合ってはいませんでした。
また、オリンピック・ヴィラージュにしても、現在は、お世辞にも決して推奨できない地域に2,000戸の世帯住宅と800戸の住宅を含む2,800戸以上の新築住宅や学生寮、ホテル、学校、緑地スペース、オフィスなどを備えた環境問題にも充分に配慮された近未来都市のような図を描いています。この都市計画完成は2050年と見積もられています。
日本チームもあった!あった! |
つまり、このオリンピック・ヴィラージュ建設はその都市計画の中間地点であるのですが、実際に行ってみると、新しいビルがたくさん建って、現在はオリンピックの幕やのぼりがあがり、選手が利用している宿泊施設には、それぞれの国の旗や幕がかけられているため、華やかに彩られているので、余計に明るいイメージに変わっています。
メトロと一緒ですが、周辺は、どこも新品な感じでピカピカで、落書きもなく、一瞬、「ここ、本当にサンドニ?」とびっくりするくらいです。
選手たちが移動するバスのりば |
とはいえ、入れ物を変えたところで、住民が変わることはなく、現在は厳重警戒が敷かれているため、怪しげな人影などは微塵も見られませんが、この警戒がなくなったら、どうなっちゃうんだろうな?と、思います。
オリンピック・ヴィラージュ周辺はやはり、厳重警戒、警察官も憲兵隊もたくさんいて、一般人はもちろん立ち入ることはできず、エリア内に入る際には、厳重なチェックが行われていますが、そうはいっても、この選手村の中で働いている人も、関係者もたくさんいるわけで、その一人一人は一応、すでに一度身分を確認された証明書で入れるため、肝心な建物内の警備がどの程度にされているのかわかりませんが、残念ながら、盗難等の被害があったとしても、フランスでは不思議な話ではありません。
以前、ガンで闘病中の友人が本当に深刻な病状で入院中、検査の間に病室にしまってあったバッグを盗まれ、お金はもちろん、保険証のカードから銀行のカードから家の鍵まで盗られ、それを届け出ても、「よくあること・・」とあしらわれて、大変な思いをしていたことがあり、私も話を聞いて、なんて酷い話!と腹を立てたことがありました。
フランスは残念ながら、そういう国でもあるのです。今回のオリンピックではテロ対策もあって、市内の警備は超厳重だけど、オリンピック選手村の中までは、不充分だったのかもしれません。
オリンピック選手村
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