今年の夏のパリは、当初、オリンピック効果を目論んで、ものすごい数の観光客を期待して、1年前にオリンピック期間中のホテルの予約が始まった当初は、おそらくパリ及びパリ近郊の宿泊施設が足りなくなるであろうと見込み、それにつれて、パリ市内のホテル価格は、2倍、3倍どころか、10倍以上にも価格が吊り上がる異常な事態になっていました。
ところがオリンピックが近付くにつれて、予約が思ったほど入らず、ホテル業界は、冷水のシャワーを浴びている・・ともっぱらの評判になりました。
実際に、オリンピックのための観客どころか、通常、夏の間に来ていた観光客までもがパリを避け、パリ市民たちも警備のための厳しい規制を避けてパリから逃げ出してしまい、「こんなの見たことない!」と思うほどのどこへ行ってもガラガラのパリになりました。
オリンピックが始まってみると、それでも、オリンピックがけっこう盛り上がり始め、結果的には、ホテルの予約も少しずつ上向きになったようでしたが、結果的にパリのホテルは平均、約85%程度の稼働率になったようです。
これはあくまでも平均なので、人気の地域(つまり価格が妥当であり、許容範囲内であるところ)は、100%超のところもあったようなので、酷いところの結果はあまり公にはされていないと思います。
おかげさまで、オリンピック期間中は大した混乱も起こらず、多少、規制のために不便な思いをしたものの、住民にとっては今までにない7月の空いているパリを楽しむことができましたが、はて?いつもは、フランス人のバカンス本番はなんといっても8月で、オリンピックのために前倒しに7月にパリを去ってしまったパリジャンが8月には戻ってくるのでは?と思っていたのですが、どうやら、あんまり戻っていないようです。
また、もう海外の観光客からも、今年の夏のバカンス先からパリは排除されてしまったようで・・観光客もいつもの夏よりも少なく、オリンピックの警戒も緩和されて、現在のパリは空いています。
オリンピック騒ぎでまったく忘れていたのですが、8月のパリはお店も閉めてしまうところが多く、昨日は、最近、お気に入りのパン屋さんにいったら、9月まで休みと書いてあって、「あ~8月のパリはお店もけっこう閉まっちゃうんだった・・」ということを思い出したくらいです。
オリンピック期間中は、あんなにいた警察官や憲兵隊も大幅に減少しましたが、昨日、メトロに乗ろうと思ったら、警察官の軍団が下りてきて、「えっ?まだ、メトロの中にまで警察官が乗ってるんだ・・」とビックリ!、主要な駅には、まだ憲兵隊等も通常よりは多くの人数が配置されているようです。
まだ、パラリンピックが控えていることから、このオリンピックからパラリンピックへの移行期間も一定以上の警戒体制は保っている模様です。
なんだか、パリでは、オリンピックのボランティアのユニフォームがすごい人気らしく、パラリンピックのボランティアにも応募が殺到しているとか、このオリンピックボランティアのユニフォームがフリマサイトに高額で出品されているとかいう話で、フランスのスポーツメーカーDecathlonが一般向けの商品化を検討しているということです。
昨日もこのオリンピックのボランティアのユニフォームを着た人を見かけたので、「あれ?オリンピック終わったのに、なんであの人、あんな恰好しているんだろう?」と思ったばかりです。
とはいえ、私は、人の少ない8月のパリが大好きで、パリジャンはパリからいなくなり、せいぜいいるのは観光客くらいなものなので、8月には、ぜったいにパリに留まりたいと思っているのですが、今年はその観光客でさえも、少なめというのですから、天国です。
ホテルの価格を吊り上げたり、メトロのチケットも2倍近くに値上がりし、そのうえ、オリンピックのために様々な規制を設けられて自由に動けないとなったら、パリを避けようと思うのは当然のことです。
しかし、住民にとっては、なにはともあれ、これからしばらくの間は静かなパリが楽しめそうです。
8月のパリ
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