2023年8月31日木曜日

夏のバカンスが終わると、続々と発表されるストライキの予告

  フランス人のデモやストライキの激しさは、今さら説明する必要もないくらい有名な話だと思われますが、バカンス(特に夏)を一年のメインイベントの一つとして捉えている(習慣づいている)フランス人にとっては、この時期のデモやストライキは、基本的には、お休みになります。 その年によって、よほどのムーブメントがあった場合(黄色いベスト運動の時やワクチンパスポート反対の時など)には、夏まで引きずったこともありましたが、例年は、わりときっぱり、あっさり、夏の間はみんながバカンスに散っていきます。 ワクチンパスポートの時は、感染拡大予防のために、ワクチン接種を早急に浸透させるために、バカンスを人質にとり、夏のバカンスシーズン直前に、ワクチンパスポートがないと、長距離移動の公共交通機関に乗車できないとかイベント会場に入場できない、外食できないなどの規制ができたために、発表当時は、大変な反対の声が上がり、大きなデモが起こりましたが、結果的には、「あれこれ言っていないで、さっさとワクチンでも何でも打って、バカンスに行きたい!」と思う人が多かったようで、いつの間にか、このデモも鎮まり、何より、ワクチン接種があっという間に進んだという経緯がありました。 ということは、やっぱり、何よりもバカンスファーストの国なわけです。 今年は、年初から、年金問題のデモやストライキ、そして、警察官の発砲事件による未成年者死亡事故をきっかけにしたデモから大きな暴動が起こり続けていましたが、そのどちらも夏まで引きずることはなく、夏のバカンスの期間は大きなデモやストライキはありませんでした。 何よりも、パリは特に、バカンス期間中は多くの住民が出払ってしまうので、あまりストライキをしても、そもそも人が少ないのですから、あまり影響はなく意味もないのです。 そんなわけで、夏のバカンス期間があけて、新年度が始まるとともに、学校や仕事も再開されると同時にストライキも再開されます。下手をすると、夏のバカンス前に9月のストライキの日時の予告をして、バカンスに突入する機関もあるくらいです。本当にちゃっかりしています。 現在、聞いているだけでも、9月7日にSAMU(救急隊)のデモ、8日のラグビーワールドカップ開幕戦(スタット・ド・フランス)の当日のRATP(パリ交通公団)、SNCF(フランス国鉄)のストライキなどが発表されており、今後も続々と出てくるのではないかと予想されます。 日本人からすれば、考えられないほどの長期間の夏のバカンスをとった後に、すっかりリフレッシュして、さあ仕事!と思いきや、ストライキですから、もうある意味、突き抜けているというか、極めているというか、もう見事なものです。 もちろん、こんなことができるのは、一部の企業や機関のことではありますが、夏のバカンスの後のストライキ、これもまた、ある意味、フランスの風物詩のような感もあるくらいです。 来年の夏は、パリでオリンピックが行われるために、確実にいつもと違う夏を迎えることになると思われるフランスですが、一体、どんなイレギュラーなことになるのか?不安なような、楽しみなような気持ちです。 まさか、オリンピックの最中にストライキ?なんてことはないと思いたいのですが、このオリンピックを妨害したい人々がボランティアに紛れ込んでいて、彼らが一斉にボランティアの仕事をボイコットする・・なんていう計画というか、噂もあるのです。 フランス人恐るべしです。バカンス後、9月はストライキ<関連記事>「メトロ6号線の死亡事故 運転手の過失致死起訴に同僚が抗議のデモとストライキ」「年金改革交付後...

2023年8月30日水曜日

福島の放射能汚染水と中国人に対する非難について

   日本が福島原発の処理水を海に放出することを発表した後に、中国がこれを強く非難し、その報復措置として、日本からの水産物全面禁輸を発表しました。日本政府は、この放射能汚染水は、安全性が保たれる希釈措置が取られているものであることを強調しているので、専門家が多くの資料や実験などで検討した結果であるだろうし、それを信頼する以外にありません。 この日本の放射能汚染水の処理について、フランスはどんなにか騒ぐだろうか?と思いきや、遠いこともあるのか、また、原子力発電を日本よりもよっぽど多く活用しているフランスは、他人様のことを言える立場でもないのかもしれないし、国際的な安全性の基準内(国際...

2023年8月29日火曜日

物議を醸すフランスの公立校でのアバヤ着用禁止 アバヤは宗教か?文化か?

  新年度を目前にして、国民教育相ガブリエル・アタルがフランスの公立校における「アバヤ」の着用を禁止することを発表し、物議を醸しています。彼は、これを「国家レベルでの明確な規則とする」としています。 これは、ただちに左翼指導者の怒りを引き起こし、イスラム教徒女性に対する強迫的規則であると、この公立校におけるアバヤ着用禁止を非難しています。 恥ずかしながら、私は、この「アバヤ」という名前を知らず、一瞬、???となりましたが、映像を見ると、当然、見かけたことはある顔以外の全身を覆うアラブの女性の伝統的衣装であることがわかりました。 フランスでは、政教分離の原則に則り、公立校では宗教的な...

2023年8月28日月曜日

フランスでも日本でも、最近、もっぱらよく聞くようになった、けっこうキツい親の介護の話

   以前は、娘の学校の休みの時期、しかも娘を日本の小学校に少しでも体験入学をさせたいなどと思うと、日本が最も暑くて、過ごしづらくて、航空運賃も最も高い夏に日本に一時帰国することに、いささか、憤りを感じてはいたものの、一方では、一年に一度の日本への一時帰国は、やはり、このうえなく楽しみで、両親も年に一度、孫に会えるのを楽しみにしてくれていました。 孫というものは、本当に可愛いものらしく、母も手放しで娘をほめちぎり、まだ元気だったうちは、やたらとどこへでも孫を連れて歩きたがり、多分に気難しく、ケチな父親でえさえも、孫にだけはなにやら様子が違って、やたら気前よく、私も夫も絶対に買い与え...

2023年8月27日日曜日

海外在住者の老後 日日(日本人同士)カップルも帰国しない人が増えているらしい・・

   私は、そんなに日本人の知り合いが多いわけではないのですが、それでも四半世紀以上もパリに住んでいると、少しは日本人の友人(在仏)もいて、まあ、だいたい似通った年頃か、もしくは、私よりも年上の人が多いので、日本にいる親の介護の話とか、仕事を引退してからはどうするとか? そんな話題も少なくありません。 どちらかというと、日本人以外のパートナーを持っている人が多く、また、こちらで、アパートや家を買ってしまっている人は、おそらく、老後もこのままフランスで過ごすつもりなのだと思いますし、もうすでに、引退した生活が始まっている人もいます。 なかでも、独身を通してきた人などは、自分の住まいを...

2023年8月26日土曜日

超人気のセドリック グロレのクロワッサンを買うのは大変 Cédric Grolét Opéra

   ずっと気になっていたセドリックグロレ(Cédric Grolét Opéra)というパティスリーがあって、いつ通りかかっても(といっても、そんなに頻繁に通るわけでもないけど・・)、長蛇の列ができていて、なんだか、いかにもインスタ映えしそうな可愛らしい店構えのお店で、そのうち、ブームが過ぎて、空いてきたら行ってみようと思っていました。 なにやら、ホテル・ムーリスの世界的に有名なスターシェフがやっているお店だとかで、クロワッサンにしても、ケーキにしても、美しく麗しいことこのうえないのですが、食べてみないことには、どんなふうに良いのかもわかりません。 サイトを見ると、予約することもできるのですが、それはケーキだけで、クロワッサンやヴィエノワズリーは、予約はできません。 知人からも、「やっぱり美味しいよ!あそこのクロワッサン!」などと聞いていたのも、私を突き動かすきっかけともなりました。 もうそろそろ、夏のバカンスシーズンも終わりに近づいてきて、ふと、「バカンス期間中の今だったら、そんなに並んでいないかもしれない!」と急に思い立ち、行ってみることにしました。 まだ、午前中だったし、我が家からもそんなに遠くもないし・・と思って出かけたのですが、私の思いつきは、全く甘い考えで、やっぱり結構な行列ができていました。私がお店に到着したのは、11時頃、行列を整理するために張られたロープの先には、「クロワッサン等のヴィエノワズリーは午前中、12時までです」と書かれていたので、私はそれを見て内心、「セーフ!やった~!」と思っていました。  それから行列に並ぶこと約40分、ようやく店内に入れましたが、すでにクロワッサンもパン・オ・ショコラも売り切れで、思いっきりガッカリし、「え~~!売り切れだとわかっていたら、並ばなかったのに~~!先に言ってよ~~!」と思いましたが、これだけ並んで手ぶらで帰るのも悔しく、まだ、かろうじて存在していたヴィエノワズリーの一つである、シナモンを使ったヴィエノワズリーを一つ買って(12ユーロ)、帰ってきました。もはやこの値段、ふつうのヴィエノワズリー一つの値段ではありません。(ちなみにここのケーキも小さい一人用の大きさのケーキ一つの値段の平均は17ユーロというビックリ価格です!) こうなってくると、普段、並んで何かを買い物をしたりすることは、まずない私も、ちょっと意地になってきて、是が非でもクロワッサンをゲットしたくなり、お店で明日の開店時間を確認して、次回は開店時間に行こう!とその日は、家に戻りました。 買って帰ったシナモンのヴィエノワズリーは、想像以上にかなり美味しく、こうなってくると、余計に期待も高まります。 翌日は、開店時間に行ったのですが、すでに、昨日同様の長蛇の列、このような行列に慣れていない私は全くもって、甘かったのです。行列ができるなら、開店時間の前から並ばなければいけないのです。 お店を覗いてみれば、今日はしっかりウィンドーから見えるところに麗しいパン・オ・ショコラが並んでいます。しかし、行列は、昨日以上に凄まじく、私の手前に並んでいた人が行列を時々、整理しにくる男性に、「昨日は、さんざん並んでクロワッサン1個しか買えなかったんだけど、今日は大丈夫?」などと言って、結局、怒って帰ってしまったりしたので、「並んでいるからといって、必ずしも買えるとは限らないんだ・・」と思いながら、少しずつ行列の前に進んでいきながらも、ショーウィンドーに並んでいるクロワッサンを確認しつつ、「まだあるある・・」と思いながら、行列に並んでいる人の様子を眺めながら、ひたすら順番を待つこと約1時間半くらい・・ようやく中に入れて、無事、クロワッサン、パン・オ・ショコラ等、4種類のヴィエノワズリーをゲットしてきました。この4つで31ユーロでした! 高いけど、それなりの感動が・・! 我ながら、ちょっとバカらしいと思いつつも、一応、念願を果たし、まあ、キレイなお金がかかっていそうな包みと紙袋に包まれたパンを持って家に帰りました。 せっかくだからと、クロワッサンとパン・オ・ショコラはちょっとだけオーブンで温めて食べましたが、苦労が報われる素晴らしい味で、ちょっと冷めてからは、むしろ、本来の味わいを深く感じたというのも、皮肉な感じでもありますが、クロワッサンにありがちな、バターの油が染み出してしまう感じがなく、思っていた以上にさっぱりとしていて、それでいて、口の中に入れたときに、鼻から感じる風味までが素晴らしく、思わず一人で「う~ん!納得!」と満足しました。お見事すぎてパンオショコラには見えない また、どこのチョコレートを使っているのかはわかりませんが、パン・オ・ショコラのチョコレートの香りもすばらしく、あっという間にペロッといってしまいそうになりました。あんなにならんだのに、食べてしまうのは一瞬です。 しかし、これだけ行列ができるからといって、クロワッサンだって、ヴィエノワズリーだって、一日中、売っていたってよさそうなところを無理はせず、品質は落とさず、逆に商品価値を上げてしまうあたり、なかなかな手腕、同じ通りの並びにあるPAULには、「クロワッサン3つ買ったら1つおまけ」の看板が立っていて、なんだかちょっとPAULが気の毒な気になったくらいです。 また、紙袋もさることながら、お店のデコレーションもどこから撮っても映えるようにデザインされていて、買い物をする人はほぼ100%写真を撮っていました。 また、このお客さん、どうやら、観光客もかなりの割合で、含まれているようで、数日しかパリにいない僅かな時間をこの行列に割くのか・・と、不思議な気もしましたが、パリに来て、ぜひ、行きたい場所がパティスリーというのも、楽しいことなのかもしれません。 こうしてやってきたお客さんたちが、SNS等で拡散して宣伝してくれるのですから、バカンス中でパリの住民が少ないからといって、お客さんが全然、減らないわけです。 この分だと、当分、この行列はバカンス期間関係なしに、当分、短くなることは、なさそうです。 しかし、また、この行列に並んでまで買いたいかというと、それは御免被りたいところ、パリには、まだまだ、私が食べたことがない美味しいものがたくさんあるのです。 でも、とりあえずは、話題の?大人気のクロワッサンを一度は食べられたことにとっても満足しています。これだけ感動できるクロワッサンもなかなかないかも・・。⭐️...

2023年8月25日金曜日

10年間で半数が退職してしまう公立病院の看護師不足

   公立病院の看護師としてのキャリアをスタートした人々の約半数は、10年後には退職しているという深刻な看護師不足が数字で表れている結果が発表されています。 しかも、この数字には、コロナウィルスによるパンデミックのための退職者は含まれていないということなので、現状は、さらに酷いことになっているかもしれません。 昔、まだ私が日本にいた頃に、3K(きつい、汚い、危険)などと言われる仕事の人出不足が叫ばれていた覚えがありますが、フランスでも、まさに看護師という仕事は、この3Kに当てはまるのではないかと思います。 しかも、慢性的な人出不足のために、個々の仕事の負担が重くなることから、ますま...

2023年8月24日木曜日

人種差別問題はけっこう厄介

    人種差別というのは、非常にデリケートな話題でもあるし、色々な種類の人種差別があるので、ひとくちに語ることはできません。 しかし、人種差別というのは、確実に存在するし、表面的には、差別などないようにふるまっている人々の中にも差別意識というのは、潜んでいる場合も多々あります。 特にアフリカに住んでいた時などは、外地から転勤してきている人々は、ボーイさんやメイドさんなどを雇わなければならないので、自ずと現地の人との間に主従関係ができるわけですが、その現地の人々を雇用するにあたっての対応というか応対というか、その接し方があまりに露骨にかつての歴史を引きずっている感じで、我...

2023年8月23日水曜日

ハードディスカウントショップ・激安店で思う子供のしつけ

   最近、我が家の近所のコマーシャルセンターにACTION(アクション)というハードディスカウントショップ・激安店ができて、想像以上に人気で、結構、繁盛しています。 コマーシャルセンター自体が衰退の一途を辿っていて、どんどんテナントに入っていたお店が撤退して、どこにでもあるH&Mなどの洋服屋さんや、かなり大手のチェーン展開をしている美容院や、子供服のお店や、家電といえば、フランスでは、1強?と思われていたDARTYもなくなり、ついには、マクドナルドまでなくなり、どんどん空きスペースが増えて、「ここ、本当にどうなっちゃうんだろう?」と思っていました。 いくら、家賃を下げてでも、スペースを空けておくよりはマシだろうとは思うのですが、チェーン展開のお店とて、店舗を開けておくことは、人件費もかかり、ストックも抱えるということで、この厳しいご時世、致し方ないことなのかもしれません。 そんな中、このコマーシャルセンターに登場したACTION(アクション)は、ちょっと日本で初めて100均に行った時のような感動の安さで、このインフレのご時世には、ぴったり合ったお店なのかもしれません。 このコマーシャルセンターにはカーフールも入っており、まあ、食料品やそこそこのものは、たいてい揃うので、このコマーシャルセンター=カーフール・・というような感じでもあったのですが、最近は、もしかしたら、ACTIONの方が人が入っているかも?と思うくらい人気で、ACTION目当てで、やってくる人も多い気がしています。 この...

2023年8月22日火曜日

パリのデパート 私はボン・マルシェを侮っていた・・

  私はそもそも、ショッピングというものが、あまり好きではなくて、ましてやデパートで買い物をするなどということは、まずないことで、パリでも滅多にデパートに行くことはありません。 それでも、ごくごくたまにノエルのデコレーションを見がてらだったり、近くまで行った時にチラッと寄るのは、デパートでも食料品売り場くらいなものです。 つまり、私がたまにふら~っと見て歩くのは、ギャラリーラファイエットのグルメ館くらいなもので、本館の方は、グルメ館に行くまでの道すがら、外ではなく、本館の中を通り、名だたるブランド物のお店が並んでいる間を横目で眺めながら、相変わらず、ルイヴィトンはすごい行列だ・・とか、セリーヌは今年、こんな感じの新作を出しているのか・・とか思いながら、本当に通り過ぎるだけです。 パリのデパートといえば、ギャラリーラファイエット、プランタン、そして、サマリテーヌ、ボンマルシェ・・くらいでしょうか? 中でもやはり、知名度が高く、実際に店舗も多いのはギャラリーラファイエットやプランタンですが、その両巨頭でさえも、相変わらずの人出で賑わっているのは、パリのオスマン通りにある店舗くらいなもので、地方都市にある店舗は業績不振でパンデミック後にけっこうな店舗が閉店となり、縮小されています。 そもそもGLFのグルメ館にしても、けっこう良い(値段も品物も)ものが集まっているので、効率よく買い物ができるし、また、これまで知らなかった美味しいものを新たに発見できる場所でもあり、たまに覗いてみようと思うのですが、それも、たまたま他のデパートよりも、場所的に我が家からは行き易いというだけの話です。 先日、たまたまボンマルシェに行く機会があり、「まあ、たまにはいいか・・」くらいの気持ちで、やはりギャラリーラファイエットに行く時のように、グルメ館に行くまでの道をデパートの中を通った方が涼しいし・・くらいの気持ちで本館の方に入ったら、思いのほか、なんとなく、ギャラリーラファイエットよりも、多少、人出が少ないこともあるのか、店内もゆったりとしていて、見やすく、デパート自体のレイアウトやデコレーションを楽しむのであれば、若干、寂しい気もしないでもありませんが、ここはここなりの美しさがあり、なんか、あらためて、「ボンマルシェも悪くないな・・」という気になったのです。 グルメ館の方へ行くと、なんだか、今や、珍しく感じるようになった日本人観光客と数回すれ違い、「あらら、ここには、日本人がいるんだ・・」と思ったと同時に、なんだか、スターのパティシエのお店が全面に出ているギャラリーラファイエットのグルメ館よりも、スペースも広いこともあるのか、品揃えが多く、また、よりお土産に良さそうなものが多くて、なるほど、日本に住んでいる日本人の方がよくパリを知っているんだな・・と感心した次第です。 私が、ちょっと嬉しかったのは、ギャラリーラファイエットのグルメ館からは、なぜか撤退して姿を消してしまったBellota...

2023年8月21日月曜日

数度にわたる殺害予告の末、逮捕・拘留も、釈放され、元パートナーを殺害した男

   今年の1月以来、殺害の脅迫を受けていた女性が予告どおりに殺害される痛ましい事件が起こっています。どうやら、この殺害の脅迫は、けんかや口論の末、「殺してやる!」などという軽口をたたいていたようなものではなく、本気の殺害の脅迫だったことは、脅迫を受け続けていた彼女が警察(憲兵隊)に届け出た際の証言や、彼女が周囲に助けを求めていた緊迫した状況などからも容易に想像することができます。 彼女は5年前に配偶者とともに、パリからギャリアックス(オクシタニー地域圏)の小さな田舎町に転居していました。事件はそこで起こりました。 今年の初めから続いていた元パートナーの殺害予告に6月半ばに彼女は警...

2023年8月20日日曜日

セーヌ川で泳ぐって、感覚的にちょっと勇気がいるかも・・トライアスロンテスト大会水泳中止

   パリの景色には、セーヌ川が映り込む映像も少なくありません。水のある景色というのは、美しいものです。歴史あるパリの建築物や街並みの中に映り込むセーヌ川は美しいパリらしい景色の一つでもあります。 しかし、景色として美しいのと、泳げるような美しさというか、清潔な清い感じとは、また別の話で、セーヌ川で泳ぐかというと、感覚的には、ちょっと尻込みするのがふつうな印象があります。 パリに来たばかりの頃、夏の暑い時期などだと、ところかまわず街中の噴水などでも水遊びだか水浴びだかをする人がいたりすることに、びっくりしたものですが、これと同様? いや、これ以上にセーヌ川で泳ぎ出す人がいたとすれば、「ちょっと大丈夫?」と思ってしまうと思います。 しかし、来年のパリオリンピックのトライアスロンの水泳は、セーヌ川のアレクサンドル...

2023年8月19日土曜日

フランスの学校でのいじめ問題 被害者ではなく、加害者を転校させる法律発令

   8月も半ばを過ぎ、9月からの新年度に向けて、文部科学省は深刻になっているフランスの学校でのいじめ問題にメスを入れる新しい法令を発令しています。 最近は、学校内でのいじめ問題も自殺者が出るほど深刻化しているため、今回の法令では、このいじめ問題から被害者を守る対策の一環として、いじめられている被害者ではなく、加害者の方を学校から追い出し、転校、あるいは、退学の措置をとれるようになることを法的に定めています。 いじめの被害に遭っている子供たちが、不登校になったり、転校をせざるを得ない状況に追い詰められるということは、これまでにも多々、あったと思いますし、いじめられている子供の親にとったら、これ以上のいじめにあって苦しむくらいだったら、学校には行かなくてもいいし、転校させようか?と考えてしまうのは、あり得ることです。 ましてや、いじめの果てに自殺してしまった子供の親にとったら、そんなに苦しんでいたのなら、もう学校なんて、辞めさせたってよかったのに・・と後悔しているに違いありません。 しかし、これは、考えてみれば、おかしな話で、いじめられている人が学校から姿を消し、いじめている側がそのまま学校に残ることは、再び、次の標的を探すことにもなりかねないどころか、充分に考えられることで、本来、学校を去るべきなのは、加害者側の方なのです。 今回の法令では、意図的、ならびに反復的ないじめ行為が他の生徒の安全や健康に危険を及ぼすことが証明されている生徒を別の学校に転校、あるいは退学させることが可能になります。 学校でのいじめに対するこの措置は、被害者である生徒にこの学習環境の変更を強いることを避けるために導入されました。しかし、別の学校に移ったところで、ネットいじめの場合は、学校をまたいで継続される可能性がありますが、別の学校の生徒からのネットによるいじめの制裁は、別に検討中で、追って発表されることになっています。 とりあえずは、去るべきなのは、いじめの加害者側という至極、まっとうなことが、今後は法律のもとに、行われることになるはずで、少なくとも、いじめられている側にとったら、少しは救われるであろうことで、また、どの学校も「いじめ行為をする生徒はいらない!」という頑とした態度をとることができるようになるのは、前進です。 この懲戒規則は2023学年度の初め(9月)から適用され、小学生だけでなく中学生、高校生も対象となります。 ただし、このいじめ加害者追い出しについては、あくまでも、義務教育の場合は、受け入れる学校がある場合の話で、公立学校が自治体に1校しかない場合は、他の自治体がその生徒の入学に同意するという条件でのみ転校が可能になります。 つまり、問題児を引き受けたくない学校は当然、多いであろう中、そのような子供の「たらいまわし」が起こることになります。 また、今の時代、携帯を持っていない、ネットを利用していない子供はいないため、学校内だけのいじめに留まらないことは、明白で、被害者に対する誹謗中傷などのいじめは、あっという間に拡散され、多くの人の間で共有されることになり、単に学校から追い出した程度では、解決にならない可能性も大きいのではないかと思います。 SNSは、いつでも、どこでも簡単に情報を得ることができ、また、必要な情報を拡散できるという面では、大変、便利なものではありますが、悪用された場合の弊害もまた、ここのところ、かなり浮き彫りになってきているような気もするので、この利用についても指導が必要なところもあるし、また、プロバイダーもあらゆる悪用されるケースに対応したサービスを検討していくことが求められていると思います。 フランスでは、毎年、80万人から100万人の子供たちが学校でのいじめの被害者となっていると言われています。フランスの学校でのいじめ加害者に制裁を加える法律<関連記事>「13歳...

2023年8月18日金曜日

好奇心旺盛のフランス人の夫がアフリカで食べた動物がパリの動物園にいた!

   以前に、とっても懐かしい思い出があったパリの動物園のオランウータンに会いに行って、オランウータンのスペースを探しながら(動物園の地図には、なぜか載っていない動物がたくさんある)、水牛とか、獏とか、なんだかオレンジ色っぽい子ザルとか、一目見ただけでは、この動物はなんという動物だかわからないような動物がけっこういて、なんだか、感動ポイントがフランス人とはずれているのかなぁ?と思いつつ、なんだか、今一つ盛り上がりに欠けるかも・・などと思いながら、歩いていました。 それでも、せっかく来たのだから、一応、ここにいる動物はひととおり見て行こうと思って、「これ、何?」と思う動物は、一応、看板を見て、何の動物なのかを確認しながら歩いていると、なにやら、熱帯動物を集めた、歴史を感じさせる、やけにガッチリ作られた石の門構えの建物があり、入ってみると、熱帯動物を集めているだけあって、中の空気は生ぬるく、蒸しっとしていて、ひとつひとつの動物?ごとに、ガラス窓でしきられていて、覗いてみると、なんとヘビやオオトカゲなどの爬虫類・・。 あまり趣味ではないので、早々に退散、しばらくして、鳥類が集まっている場所の一部には、鮮やかなフラミンゴがいたりして、ちょっと救われた気がしたものの、なんだか、「もう!一体、オランウータンはどこだったんだっけ?」と思いつつ、もう少し、動物園らしい?喜びを感じさせてくれる動物はいないものだろうか?と思って歩いていると、その中のひとつに、看板を見て、「ん??これは何と読むのだ?」という動物がいました。 もちろん、全部、フランス語(英語でも書いてあったと思う)で書いてあるので、ましてや、あんまり見覚えがない動物の名前など、フランス語はもちろんのこと、日本語だって、わかりません。 しかし、「AGOUTI」(アグーチ)とたどたどしく読みながら、「アグーチ、えっ?アグーチ??」「アグーチって、もしかして、あのアグーチだ!」と、私は、一人でちょっと興奮していました。 それこそ、感動ポイントがずれていると思いますが、アグーチという名前には聞き覚えがあり、なんとそれは、好奇心旺盛なフランス人の夫とコートジボアール(西アフリカ)にいた時に、その土地の名物料理のようなものが食べたいと、レストランで食べたことがあった動物だったのです。 それは、テーブルに出てきた時には、シチューのような煮込み料理になっていたので、原形をとどめておらず、どんな動物なのか?とレストランの人に聞くと、なにやら、モグラとネズミの混ざったような動物だということで、どちらにしても、食用としたら、あまり気持ちのよいものではないだけに、あらためて、わざわざ調べてみることも、具体的に想像してみることもしてきませんでしたが、この名前だけは、なぜか鮮明に記憶していたのでした。 まさかのパリの動物園で、このアグーチを見ることになるとは、思ってもみないことで、まじまじと見つめてしまいました。 夫は好奇心旺盛で、フランス人はあまり行かない現地の小さい村のお祭りに大使館の現地採用のスタッフに頼んで参加させてもらったり、なんだか、野原のようなところの、「これ、ほんとに石鹸?」と思うような石鹸工場を見に行ったり、タバスキと呼ばれる、イスラム教のラマダンの終わりに行う羊をいけにえに捧げる行事に参加したり、物珍しいものごとには、果敢に参加して挑戦する夫は、現地の人が食べるとい珍しいお料理もぜひにと食べたがって、実現させたのでした。 なんだか、得体のしれないものを食べたがるわりには、胃腸はあまり丈夫ではなく、必ずあとには、必ずお腹を壊すのですが、それでも、夫は大変、満足そうでした。 実際に、現地の人々は、やはり、貧しくて、うちに来ていたボーイさんなどに聞く話では、動物は、ほとんど、どんな動物でも食べるそうで、そういわれてみれば、猫や犬でさえも、あまり外をウロウロしていることはありません。 動物園といえば、アビジャン(コートジボアール)でも、一度、動物園に行きましたが、英語では、アイボリーコースト(日本語で象牙海岸共和国)と言われるくらい、大昔には、象牙の売買で有名だった場所。さぞかし立派な象がいるだろうと思いきや、あんなに痩せた象を見たのは初めてで、なんだか、悲しくなりました。 話は逸れてしまいましたが、四半世紀を過ぎて、あの時、夫が食べたアグーチに会うとは・・、なんだか、私には、「へえ~~?これがあのアグーチ!」「まさに、モグラとネズミの混ざった感じ・・」と、ちょっと感動?しましたが、果たして、ふつうに動物園を訪れた人が何を思うか?不思議な気もしました。アグーチ パリ動物園 コートジボアール<関連記事>「オランウータンと友達になったフランス人」「今は亡き夫の友達だったパリの動物園にいるオランウータンに会いに行った」「亡き夫の誕生日 夫の思い出」「フランス語力ほぼゼロだった私のフランス人外交官の夫とのアフリカ生活」「子供が生まれて思ったことーアフリカでの出産」「アフリカは、アフリカでいい」「MADE...

2023年8月17日木曜日

冷蔵庫が壊れて、慌てて新しい冷蔵庫を買いに行きました・・

   2~3日前から、どうも冷蔵庫があんまり冷えないな・・と思い始めていたのですが、急ぎの仕事があったので、そのうちなんとかしなくちゃと思いつつ、それでも、冷凍庫は動いているので、そのうちなんとかなるか・・と甘い気持ちでいました。 私は、電気系統とか、家電とかに全く弱く、ネットで冷蔵庫が壊れた時の対処法などを調べて、「冷凍庫に霜がたまっていませんか?」とか、「冷蔵庫の裏に埃がたまっていませんか?」など、故障の原因になっている場合があるということを少しずつやってみて、Twitter(X)の皆さまにも教えを乞うたりして、どれをやっても、結局ダメ。 また、悪いことに、パリはちょっと気温が...

2023年8月16日水曜日

母親の命を救った7歳の子供 救急隊員が通話記録をSNS上に公開して正確な通報を啓発

   殺伐としたニュースばかりが多い中、珍しく、ほっこりさせられるニュースです。 目覚めない母親を心配して、救急隊に電話してきた子供とオペレーターの会話をSNS上で公開し、正確に状況を把握して処置を行おうとする救急隊のオペレーターと冷静な子供の応答を公開して、正確で冷静な通報の啓発と頼もしい救急隊の仕事ぶりをアピールしています。 すごく不安で、小さな男の子が救急隊に電話をかけてくるだけでも、大変な勇気のいることであっただろうに、この男の子は極めて冷静で、オペレーターの質問に正確に答え、指示に従って、一つ一つの確認作業をこなしていくのには、聞いているだけでも、思わず、「がんばれ!えらいぞ!」と応援したくなります。[#GoodJob]...

2023年8月15日火曜日

エッフェル塔への相次ぐ爆破予告

   先週末にエッフェル塔に爆破予告があり、エッフェル塔を訪れていた観光客は、正午頃から避難を余儀なくされ、エッフェル塔には、爆発物処理要員が現場に向かったと報じられました。 避難命令は、エッフェル塔の前庭、エッフェル塔内のレストラン、記念碑を含む3回部分に及び、近隣の交通も遮断され、迂回しなければならない大規模な警戒態勢になりました。実際にエッフェル塔が爆破された場合に及ぶ被害を考えれば、当然の避難、警戒態勢とはいえ、来場していた人、前庭にいた人全て避難させるなど、大変なこと、また、その場にいた人にとっては、大変なパニック状態になることは必須です。 来場者全員の避難が終了したのは、午後1時半すぎのことで、けっこう時間がかかるものです。 しかし、これは、結局は、幸い?にも虚偽の爆破予告だったようで、実際にエッフェル塔が爆破されることはなく、午後3時半頃には、警報が解除され、エッフェル塔の公開は再開されました。 全く、人騒がせな爆破予告だ・・と思っていたら、今週になって、再び、爆破予告が届き、またエッフェル塔には、警報が出され、皆、避難。先週末と同じことを繰り返すハメになったようです。 この2つの爆破予告は、jeuxvideo.com(ビデオゲームニュースを提供するサイト)とmoncommissariat.fr(警察及び、行政に関する通報、および相談などができるサイト)に投稿されたメッセージからのもので、「エッフェル塔に爆弾がある(ガラスの向こう側ではない)」、「どうやって知っているかは聞かないでください。確かなことは、エッフェル塔の周囲の地域はできるだけ早く避難しなければならないということです。」というものでした。 特にビデオゲームニュースのサイトからの情報などといえば、少なからず、ゲーム感覚で周囲を騒がせて楽しんでいる愉快犯のような色が濃そうな気がします。 先日の、警察官検が問の際に発砲した事件がきっかけでフランス中に広がった暴動や略奪行為もスナップチャット(SNS)での情報共有により、ついには、一部では破壊・強奪行為の競いあいのゲームのような現象にさえなっており、どうにもゲーム感覚で犯罪を犯すというスタイル?が増えてきている気がします。 とはいえ、爆破予告を疑い、無視するわけにはいかないのは当然のこと、テロ行為が珍しくはない国、駅や空港、電車などでも、たとえ、それが単なる忘れ物であったとしても、不審物発見のために避難・通行止め、電車が不通となったりするのですから、ことさら、予告などがあったりすれば、警戒措置をとるのは、あたりまえのことでもあります。 そういえば、以前、職場に突然、警察官がドカドカと入ってきて、急に「すぐに外に出て、できるだけ遠くに避難してください!」「とにかく早く~~~!早くできるだけ遠くに走って~~!」と大騒ぎになったことがあり、どうしたの?と思ったら、通りの前に止まったバスの中に不審物があるとのことで、だったら、バスごと移動してよ!パリのど真ん中でしょ!と思いながら、わけもわからず、必死で走ったことがあったのを思い出しました。 しかし、度重なる爆破予告にエッフェル塔とて、大変な営業妨害を被っているわけで、そのたびに大勢の警察や憲兵隊が出動するのですから、迷惑千万な話。 パリ検察当局は、この虚偽の予告について、犯罪の脅迫と虚偽の情報の開示の容疑で捜査を開始し、これらの犯罪には...

2023年8月14日月曜日

落とし物を届けに行ったら・・へんな顔をされた・・

  落とし物をしても、日本だったら、見つかる可能性もなくはないと思うし、以前、流行語にもなった滝川クリステルさんの「お・も・て・な・し」の東京オリンピック招致のスピーチの中に、東京は安全な場所だというアピールの中で、「もし、あなたが、落とし物をしても、きっと戻ってきます・・現金の入ったお財布でさえも、年間3000万ドル以上が警察に届けられる街なのです・・」 という話を思い出します。 たしかに、これは、海外から見れば、現金でさえも、そんなに落とし物として届けられるなどということは、ちょっとしたミラクルのような話です。 だいたい、落とさなくても盗られるのが不思議ではなく、しかも、盗られても、気を...

2023年8月13日日曜日

コロナウィルス新変異種 Eris(エリス)出現で再び感染者増加傾向 2週間で24.6%増

   いつ頃からだったか、自分でも記憶にないのですが、恐らく、1年前だったら、熱を出したとか、だるいとか、少々具合が悪いとか体調が悪かったりすれば、「まさか・・コロナウィルスに感染した??」と一番に疑っていたと思いますが、げんきんなもので、コロナウィルスのことなど、すっかり忘れて、もう先日、少々、体調を崩したときには、その前日に行った心臓の検査のせい?だと思っていました。 まあそれも、2日ほどで回復したので、何だったかはわかりません。 街中からはマスク姿の人は、ほぼほぼ見られなくなり、全くもと通りの生活に戻っている中で、コロナウィルスが消え失せたとは思っていなくても、ほぼ...

2023年8月12日土曜日

病気休暇の正当性を認めなかった80歳の現役医師が暴行を受け、顔面7針縫う大ケガ

   まず、この事件の狂暴性以前に80歳で現役で医者を続けている人がいることに驚きました。昨年から今年前半にかけて、フランス中が揉めに揉めた年金問題は、職種によるとはいえ、一般的には、62歳から64歳に延長されるというものだったので、80歳現役、しかも医者というのですから、ビックリさせられたのです。 フランスは、医者不足問題も抱えていて、これから数年の間に医者の25%は60歳以上になり、10年以内にはこれらの人々は引退してしまうため、さらに医者不足が加速することにあなります。 政府は、それらを少しでも緩和させるために彼ら(医者)に定年後も働いてもらうために、定年の年齢を迎えた後は、彼らの年金保険料を免除し、年金をもらいながら、仕事を続け、働いた分だけ給料を得られるシステムを検討することを発表していました。 現在のところ、その法案が可決された話は聞いていないので、定年を過ぎても仕事を続けている医師は、よほどの使命感を持って働いていらっしゃる方であると思います。 この医師は、通常、午前中は、自分の診療所で診察を受けつけ、午後は、在宅治療中の患者、病気休業中の患者さんの自宅を往診してまわり、その後の時間帯は、社会保障と連携する企業の病気休暇中の患者さんをチェックし、その状況について意見を提出する仕事を同時に行っている忙しい毎日を送る、まさに自分の職業に対して情熱を持って取り組んでいる人のようです。 今回の事件は、おそらく、彼の仕事のうちの最後の病気休暇中の患者さんのチェックとそれに対する意見書の作成にまつわる彼の見解に納得しなかった患者が彼を暴行するに至ったということだと思います。 フランスでは、病気休暇が認められれば、基本的には日給の50%~66.66%は、国民健康保険から支払いを受けられることになっており、この病気休暇のための費用は増加傾向にあり、必ずしもそれが正当なものではなく、ずる休みになっているケースも少なくないため、昨今は、医師による病気休暇の正当性のチェックを厳しく行うようにすると言われてはいます。 今回の暴行者は、この病気休暇がこの医者により、正当性がないと判断されたために、激怒し、この医者が作成した意見書にサインを求められた際にその用紙を奪い取るとともに顔に殴りかかり、恐怖を感じて、逃げ出した医者を執拗に追いかけて、その後も暴行を加え、顔を7針も縫う大けがを負いました。🇫🇷...

2023年8月11日金曜日

今は亡き夫の友達だったパリの動物園にいるオランウータンに会いに行った 

  私には、長い間、ずっと行きたかった場所がありました。パリ市内でもあるし、別に行こうと思えばいつでも行ける場所ではあるのですが、なんとなく、行きそびれているまま、もう10年以上は経ってしまっていました。 それは、パリ5区にあるジャルダン・デ・プラント(JARDIN DES PLANTES)の中にある動物園で、よくバスで通りがかるくらいの、家からもそんなに遠くない場所にあります。 ジャルダン・デ・プラント(JARDIN DES PLANTES)の大きな庭園(敷地)の中には、名前どおりの植物園や温室、自然史博物館や植物学の学校などに加えて動物園があります。 ここには、これまでに2回来たことがあって、1回は家族で動物園に、そして、もう1回は、日本から家族連れで来た友人がここの自然史博物館の恐竜を見にやってきました。 私がここにずっと来たいと思っていたのは、ここの動物園の方で、パリには、ヴァンセンヌに1つ、そして、このジャルダン・デ・プラント(JARDIN...

2023年8月10日木曜日

来年のパリオリンピック期間中 パリのホテルの価格が爆上がり!

   私は特にオリンピックが大好きというわけでもありませんが、東京オリンピックが決まって、その後のオリンピックはパリだということが決まった時は、なんと!行こうと思えば、私は、そのどちらも行けるではないか!と、なんだかちょっと自分のゆかりの地?が続けてオリンピックの開催地になったことが、ちょっと嬉しいような気もしたりしたのです。 しかし、その時点では、どちらのオリンピックもまだまだ、ず~っと先のことで、その頃、私はどこでどうしているのやら?とも思っていました。 私は、オリンピックよりなにより、人混みが苦手で、映画館ですら、あんまり好きではないくらいなので、オリンピックに行くということは、あまり現実的ではないとはいえ、なんとなくオリンピックで盛り上がる街の様子などがちょっとだけ楽しみだったのです。 しかし、東京オリンピックは、なんとパンデミックにぶつかり、1年後に延期され、ギリギリまでオリンピック、本当にやるの?という感じで、オリンピックどころか、日本に行くことだけでも容易なことではなくなってしまったことは、多くの人々と同じです。 結局、東京オリンピックはほとんど楽しめなかった(フランスだとオリンピック中継も当然、フランスの選手を中心にした中継なので、日本の選手は、あまり見られないのです)うえに、後から出てくるオリンピック関連の汚職の話にウンザリするばかりでした。 その頃はまだ、次のパリオリンピックの頃には、パンデミックはおさまっているのだろうか?と思っていましたが、現在のところ、ウィルスがなくなったわけではないでしょうが、もうパリはすでに日常生活に戻って、来年のパリオリンピックのカウントダウンが始まっています。 パリオリンピックまで1年を切った頃から、なんと1年前というのに、ホテルの予約が始まっているらしく、しかも、その価格の高騰ぶりがもの凄いと話題になっています。2倍、3倍はあたりまえ、中には5倍、6倍、10倍以上なんていうホテルもあるそうです。 来年のパリオリンピックには、1,500万人~2,000万人の観光客が見込まれており、需要と供給のバランスを考えれば、当然、起こりうることとはいえ、なかなか、あこぎなやり方をしているところもあるようです。 ル・パリジャン紙の報道によれば、例えば、12ヶ所のホテルを、8月5日~6日分の予約料金を2023年と2024年で比較してみた場合、その価格は平均6倍以上になっているといい、酷いところだと、パリ15区のホテルで、今年の夏一泊、90ユーロのところが、来年の夏には、1,363ユーロに値上げしているところまであると言います。 パリ、イル・ド・フランス(パリ近郊)には、13万室以上の客室があると言われていますが、すでに、こんな価格の高騰を招いていて、余程の覚悟で予約に挑まなければならない気配で、中には、予約の段階で全額支払い、キャンセル不可などというのもあります。 オリンピック競技が行われるのは、パリばかりではありませんが、とりあえず、やはり一番人が集まると思われるのは、パリです。 もっとも、パンデミックのあいだ中、本当に痛手を食って、苦境に瀕していたホテル業界ですから、これを機に巻き返しにかかりたい、オリンピックのために、なんとか持ちこたえてきたというホテルも少なくないはずです。 我が家の近所にもホテルがありますが、長いこと、ここが満室らしき気配は見られませんでしたが、この様子だと、オリンピック期間中には、満室になることは、間違いなさそうです。 いつもは、どこか人が少なくなるパリの夏が、そんな大勢の人で埋まるのは、逆にちょっとそら恐ろしい気もして、さぞかし、バスやメトロが混むんだろうな・・などと、どこかに逃げ出そうにも、さぞかし航空運賃も高騰しているんだろうと、とりあえずのこのパリのホテル価格の爆上がりのニュースを聞きながら、来年、どうしよう?と思っています。 パリオリンピック パリホテル価格爆上がり<関連記事>「2024年パリオリンピック始動 シャンドマルスからヴェルサイユ宮殿まで!」「2024年パリオリンピック・パラリンピック マスコットキャラクター フリージュ」「パリオリンピック...

2023年8月9日水曜日

うっかり確認せずに出かけたら、メトロがない!

   ここのところ、バスを利用することが多くて、メトロを使っていなかったので、ついつい、何も確認せずに出かけて、駅に行ったら、今週は工事のためにメトロがなくて、ストライキでもないのに、駅が閉鎖されていて、一瞬、呆然となりました。 私は14号線を使うことが多いのですが、14号線は運転手のいない自動運転のために、他の線がストライキをやっていても、14号線(と1号線)は動いているので、なんだか、今、工事が多いと知りつつ、つい、うっかりしていました。 夜間の工事をずっとしていたのは、知っていたし、一部の駅は全く閉鎖になったのも知っていたのですが、まさか今週は、14号線は全線ストップ。 メトロの代わりにその区間はバスが運行しているのですが、代わりのバスが出ている臨時バス停まで矢印に従って歩き、バス停を探すと(通常の一般の市内バスとは別のバス停)、長蛇の列。さまよい歩いてようやくたどり着いた様子の家族連れの外国人観光客などもいるにもかかわらず、表示はフランス語のみで不安そうな観光客を引き連れて歩くことになりました。 もしも、私が観光客で、土地勘もなく、フランス語もわからなかったら、どれだけ不安だろうか?と思うのです。 代替バスは、とてもメトロの乗客がすべてカバーできる本数ではないため、延々、待たされて、やっと来たバスには、乗り切れない乗客が溢れて、次のバス待ちになってしまう人も・・。 いつもと同じNavigo(定期券のようなもの)や、チケットの料金でこれは、酷いです!そのくせ、昨日、乗ったバスでは、いつまでも発車しないので、何やってるんだろう?と思ったら、検札(コントロール)をしていました。 今の季節は観光客も多いので、逆にキセル乗車は少ないはずだし、チケットのことがよくわからずに、無効になっているチケットを持っていたりする観光客に罰金を払わせるのは、ちょっと違うのではないか?と思うのです。 一年のうちでもパリが一番空いていて、メトロなどもゆったり乗れて、例年なら、ごきげんな季節なのに・・今年はさんざんです。ここ数年は、やたらと工事が多い気がしていましたが、本当にメトロだけでなく、トラムも動いていないところもあるし、どこに行っても工事だらけ。 仕方なく、迂回して、いつもは通らない駅を通ったりして、もうすでに工事が終了したのか、やけにAuber(オーベール)の駅などがピカピカになっていて、ビックリしたり、駅を上がると、ずっと続いているオペラ座の工事もまだまだ続いていて、工事中の壁面のお色直しはしているものの、入口の階段の部分も縮小されていました。 最近は、ちょっと行かないだけでも、パリの中もどんどん変わっていくので、「ほんとうに、パリっていつまでも変わらないんだから・・」と思っていたのは、昔の話で、そういえば、このあたり、久しく来てないな・・などと思うところは、いつのまにか、けっこう変わっています。 普段、色々と出歩くことが多いのですが、やっぱり、知らず知らずのうちに私の行動範囲には、かなり偏りがあり、また、私の出かける先も、いつの間にか変わってきているようです。 とりあえず、夏の間、しばらくは、しっかりメトロやトラムなどがあるかどうか、チェックしてから出かけることにします。 しかし、インフレであらゆる値段が上がっているというのに、そんなことにはびくともせずに、工事は、ガンガン進み、中には、「この間も工事してたばかりで、もうきれいになっているのに、こんなところ、また工事して、この工事、ホントに必要?」などと思うところまであって、少々、恨めしいような気もします。メトロ14番線不通<関連記事>「パリのメトロはマスク率ほぼゼロ」「スリやひったくりや置き引きだけじゃない!パリのメトロに出没するおじいちゃん詐欺師」「パリのメトロ4号線トンネル内ブロックでパニック状態の大混乱」「RER...

2023年8月8日火曜日

最初は不思議だったヨーロッパの人々の公園の楽しみ方が少しわかってきた気がする リュクサンブール公園

   私が最初に海外で生活したのは、ロンドンで、その頃は、私も若く、日本では、東京生まれの東京育ち、日本の他の地域に住んだこともなくて、初めて親元を出た経験でもありました。言葉の違い、文化の違いなどに触れ、見るものすべてが驚きの連続でした。 最初は、街の中を見て歩いたり、人々の様子を観察したりして、慣れない英語での生活にドキドキしながら、知っているはずだった英語をいちいちイギリス英語に直されたりするたびに、直すぐらいだったら、意味はわかっているんだから、いいじゃん!などとバカなことを思ったりしていました。 ロンドンは(パリもだけど・・)、東京に比べるとずいぶんとコンパクトな街で、最初は地下鉄を使って、そのうち、バスで動けるようになると、街の色々なところを自由自在に楽しむことができるようになりました。 ロンドンには、けっこう街中に大きな公園がありますが、その公園に行ったりすると、そこにいる人たちが、公園で寝転んだり、本を読んだり、ピクニックをしたりしている様子がとても楽しそうで、彼らはとてもシンプルに生活を楽しむんだなということが、なんだか、とても衝撃的でした。 それは、パリに来ても同じことで、最初は、彼らはなんで、わざわざ、こんなところで本を読んでいるんだろう?とか、なんで、こんなところにきて、何もせずにただ座って、喋っているんだろう?とか、思いました。喋りもせずにただ一人で座っている・・なんていう人もいます。 パリに来て、長い間、私は、公園どころではなく、仕事と子育てに追われて、公園でゆっくりするなんていう時間的な余裕もまったくなく、仕事が休みの日は、子供のお稽古事の送り迎えや買い物やウィークデーにはできない家事などで忙殺され、バカンスには、パリ以外のところに行ってしまうので、パリの街中、しかも公園を楽しむなどということはありませんでした。 ここのところ、子育ても終わり、時間にも余裕ができて、健康のためにできるだけ歩かなければ・・などと思い始めると、どうせ、歩くなら、少しでもきれいな場所、気持ち良い場所が良いな・・と思い、たまに、パリ市内のきれいな公園(庭園)に行くようになりました。 最近、行くようになったのは、パリ6区にあるリュクサンブール公園で、フランス人がヨーロッパで最も美しい庭園と誇る巨大な公園で、入口だけでも10ヶ所あります。 季節ごとの花は美しく、フレンチな感じとイギリスの感じが混在する庭園と言われており、敷地は、公開されているだけでも部分だけでも...