2024年9月30日月曜日

プリンターのインク

 


 最近は、印刷が必用な書類というものがグンと減って、書類などもPDFで送られてくることも多いし、そのまま保存・・ということが多くなったので、以前に比べれば、家でプリンターを使うことは本当に減りました。

 以前は、紙で提出して手続きをしていたものが、ほとんどオンラインになっているので、今から考えれば、ずいぶんとムダが減ったし、ずいぶん面倒なことをしていたな・・と思います。

 ところが、久しぶりに、いつもはオンラインで済ませられる手続きが何回やっても、「現在はできませんので、もう少し経ってから、トライしてください」と出るので、わざわざ先方に出向いて、お願いしようと思ったら、やっぱりそこでもできなくて、どうやらシステム上の問題だとかで、久しぶりに紙を渡されて、「この用紙に記入して出してください。添付書類も紙で添付してください。」などと言われてしまったので、久しぶりに家のプリンターを使用するハメになりました。

 久しぶりだけど、大丈夫だろうか?と思ったら、案の定、プリンターのインクが切れていて、慌てて近所のカーフールにインクを買いに行ったのですが、まあ、値段が爆上がりしていて、高いこと!

 だいたい、以前から、プリンターのインクの値段というものには、全く納得いかない気持ちで、まったく、なぜ?あんなに高いんだろうか?下手をすると、プリンター本体とそんなに変わらなかったりもするくらいです。

 まあ、そんなにしょっちゅう買うものではないにしろ、量からしたら、ほんの少しのトナーがなぜ?あんなに高いのか?全くどうしてあんな暴力的な価格が成り立つのか?と思っていました。

 久しぶりに行ったカーフールのインクコーナーには、なんと環境保護対応なのか?からになったインクのカセットを入れると1ユーロの金券が出てくるようなマシンが置かれていました。



 これまでも、カーフールのお店の外には、そのような不燃物?特殊ゴミを捨てるゴミ箱があったのですが、金券が出てくるのであれば、なんか少しお得な気分です。そこで、私は、お目当てのインクはその場では買わずに、家に戻ってからのカセットをもって、もう一度、買いに来よう!と思って、そのときは、インクは買わずに他の買い物だけして家に戻ったのです。

 我ながら、たった1ユーロのことで、セコいな・・と思いつつ、まあ、環境問題にも配慮している良いシステムだな・・とも思ったのです。

 そして、同日、他の用事で出かけた先の近くに、そういえば、あの辺に携帯とかパソコン機器や部品などが安く売っているお店がたくさんあるところがあったな・・と思って、寄ってみたら、なんとカーフールよりも同じものが5ユーロ近く安くて、即買いしました。(ちなみにパリ12区のRue Mongalletという通りには、この手のお店が集まっています)




 ケチケチに1ユーロの金券をもらって少しでも安くして買おう!などと、あの時に買わなくてよかったと思いました。

 ネットで探せば、そこそこ安い値段のもないではありませんが、なんといっても、すぐに届くわけではないので、そんなのは待っていられません。最近は、パリでもマシになったとはいえ、以前からのトラウマ的な思いがあり、どうもフランスの配達を信用しきれないのです。

 しかし、セコいようですが、全く同じものがこんなに値段が違うとは・・しかもカーフールがそんなに高かったなんて・・なんとなく、色々なものを一か所で買えるので、便利に使っていましたが・・たまには他を見てみるのもいいかもしれません。


プリンターのインク


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2024年9月29日日曜日

コロナウィルス感染者増加とコロナ&インフルエンザワクチン

  


 体調不良で、どうにもだるくてたまらない日々が続くので、こんなのやっぱり普通じゃないな・・と思い腰をあげて、お医者さんに行ってきました。

 自分としては、ちょっと風邪っぽくもあるけれど、特に咳が出るとか、高熱が出るとかいうことでもなく、とにかく、ひたすらに身体がだるく、朝からとても辛い日がずっと続くので、いよいよ、どこかおかしいのかも? ひょっとして心臓?もしかして肝臓?などなど、以前から、色々と薬を飲みつつ様子を見ましょうと言われている箇所が多数あるので、そのうちのどこかが悪化したのでは? もしそうなら、早いとこ血液検査をしてもらえるように処方箋を書いてもらおう!・・と思っていました。

 いつもお世話になっているかかりつけの先生なので、症状を話して、血液検査のことを頼むと、一応、診察をしてくれてから、「ん~~・・まずは、今、またコロナが流行ってきているから、もしかしたら、コロナウィルスに感染しているかもしれないから、まず、コロナの検査を受けた方がいいわよ!薬局ではなく、ちゃんとラボで検査受けた方がいいわよ!」とまず、PCR検査の処方箋を書いてくれました。

 そして、もし、コロナが陰性だとわかってから、血液検査をした方がいいから・・と血液検査の処方箋も同時に書いてくれました。

 検査に行ってみると、まあ、久しぶりとはいえ、ラボは超満員、ラボなので、必ずしもPCR検査に来ている人だけでなく、他の検査に来ている人も多いとはいえ、こんなにここのラボが混んでいるのは、初めてで、もう待合室の椅子が足りないくらいで、ただでさえ、だるくてしんどいのに、立って待っているの辛いな~と思ったくらいでした。

 私のかかりつけのお医者さんは、現場で見ていて、コロナやインフルエンザなどのウィルスに感染している人が多いことを感じてそのように勧めてくれたのですが、それから少したって、フランス公衆衛生局は、ここ数日の新型コロナウイルス感染症の感染者数の確実な増加について警告を発表しました。

 このフランス公衆衛生局の発表によると、9月16日から22日にかけての1週間で新型コロナウイルス感染症の疑いで緊急治療室に行った後の入院が1,013件とかなりの数字になっています。

 パリは、もうすっかり秋というより、もう冬に近い感じで暖房をいれたくなるくらいの気候で、朝晩の寒暖の差が激しく、ただでさえ、風邪をひきそうな季節に加えて、ウィルスが蔓延するための適温になってきました。

 Ameli(フランス国民健康保険)からは、ついこの間、ワクチン接種のお知らせが届いていて、10月の半ばには、薬局に出回るそうなので、それ以降に受けようと思っています。

 幸か不幸か、私は、コロナウィルス検査では陰性で、コロナウィルスに感染していなかったのは、「セーフ!」という感じではあるものの、私の症状の原因は別にあるわけで、どうもすっきりしませんが、来週にでも、今度は血液検査に行こうと思っています。

 まったく、私も以前と比べると、すっかり検査や医者や薬局に行くことが多くなり、もう高齢者みたいだ・・とちょっと、自分で自分が情けないです。

 しかし、この体調の悪いところに、コロナウィルスにまで感染したら、本当にダブルでダメージをくらうところなので、注意しなければ・・と思っています。


コロナウィルス感染増加 混合ワクチン


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2024年9月28日土曜日

乳製品業界世界市場トップに君臨する仏ラクタリスのフランスでの牛乳回収削減発表の波紋

  


 仏乳製品大手ラクタリスが2024年末からフランスでの牛乳の年間回収量を全体のほぼ9%にあたる約4億5000万リットル削減すると発表し、酪農業界に激震が走り、農業大臣はラクタリスに対し「我が国の食料生産資本を守る」よう呼びかけ、全国牛乳生産者連盟(FNPL)のヨハン・バーベ会長を緊急に迎え、同部門への支援を確約しています。

 ラクタリスは、仏大手乳製品の会社で乳製品業界世界市場シェア第一位に君臨するフランスの乳製品トップの会社です。世界51ヵ国に270ヵ所の生産拠点を展開し、従業員数は8万5000人。150ヵ国で製品を販売している大企業でありながら、同族経営の非上場企業のうえ、社名は製品には表示されていないため、一般消費者の間での認知度は比較的低い会社です。これは目立つことを意図的に避けてきた創業家の方針で、ラクタリス本体は、目立たずとも確実に業績を伸ばし、拡大してきた、なかなか、したたかな企業です。

 実際には、プレジデント(バターやチーズ、クリームなどなど)、ラクテル(ミルク)、ブリデルを始め、スーパーマーケットの乳製品コーナー(フランスはどこもこのコーナーがとんでもなく広いスペース)の多くのスペースは、このラクタリスの製品で占められています。

 非上場ということは、よく言えば会社の方針を貫きやすいということでもあり(よく言えば)、この企業の規模が拡大していくにつれて、その分、その外との摩擦がここのところ目立ってきている気がします。

 2017年から2019年にかけて同社が製造した粉ミルクにサルモネラ菌汚染が発生したことを機に、同社の経営の不透明性についても追及を受けたり、また、2022年には、加重脱税のロンダリング容疑で国家金融検察庁の予備捜査の対象ともなっている。

 そして2024年に入ってからは、(もうそのあとに色々なことがあったので、なんだかずいぶん昔のことのような気もしますが・・)農民たちの大規模なデモが起こり、地方から押し寄せた農民たちが、高速道路やパリ、ランジス市場への道をトラクターで封鎖したり、パリで行われた国際農業見本市で、トラクターを勢ぞろいさせてデモを起こしたり、マクロン大統領と農民たちがほぼ一日をかけて大激論を戦わせたりしたことがありました。

 その口火を切ったのは、このラクタリスと酪農家の間の下限価格設定問題と言われており、ラクタリスと酪農家の間の争いであったとも言われています。

 ところが、今回、ここに至っては、下限価格設定どころか、ラクタリスが買い取る牛乳の量を大幅に減らすというのですから、ラクタリスに依存している酪農家にとっては、さらに深刻な話になります。

 ラクタリスは、フランスで販売される乳製品の50%、輸出用に販売される乳製品の20%、および、バター、粉乳などの乳加工製品の30%のシェアを抱えており、同社は、その一部が加工され輸出される予定の約30%の牛乳余剰によってその決定を正当化して説明しています。ラクタリスにとっては、この輸出部門を費用がかかり不採算な事業であると考えており、牛乳の価値をあげ、フランスの消費者向け製品に再び集中したいとしています。

 今や世界51ヵ国に270ヵ所の生産拠点を抱える企業にとって、原料をフランスから輸出する必要はなく、現地で仕入れた方が合理的であるということです。

 ラクタリスは、この厳しい決定の影響を和らげるために、グループは量の削減が「2024年から2030年までの間で段階的に行われるようにする」として、譲歩しています。

 この削減の第 1 段階では、ラクタリスがフランスの消費者向け製品に再び集中できるようにするために、3 億 2,000 万リットルが対象となります。

 このラクタリスの決定は、非情な気もしますが、この企業も時代の変化に沿って、変化していかなければならず、利益を追求するのは、当然の話でもあります。

 しかし、国全体の将来を考えれば、自給できる産業は、残さなければならないのも現実です。

 ここで、出番になるのは、政府というところなのでしょうが、なんだか、新政府になって以来、なんだかパワーダウンしているように感じられますが、ここで、また酪農家たちの暴動が・・なんてことになったら、大変ですが・・怒りの矛先をラクタリスに向けたところで、その会社にとって、今後、必要のなくなるものを買わないというのは、しごく当然な話なので、なんだかなぁ?と思ってしまいます。

 しかし、成長して拡大していく企業というものは、したたかで、先を見据えて、冷酷にバッサリとした決断を下すものだなぁと感心します。


ラクタリス 乳製品業界


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2024年9月27日金曜日

フランスの妊娠中絶件数が記録的な水準に達した・・

 


 フランスDREES(調査研究評価統計局)は、フランスの自発的妊娠中絶の件数が記録的な水準に達していると発表しました。

 フランスにおける自発的妊娠中絶(中絶)件数は2023年に24万3,623件で、この数字は 2022 年と比較して 3.6% の増加に相当し、1990年以来最高の数字で、1,000人あたり16.8人の女性が中絶を経験している計算になると言います。

 フランスは、その前の段階の「25歳以下の女性への避妊ピルの無料化」や「18歳から25歳までの若者への薬局でのコンドーム無料提供(実際には、社会保障による100%払い戻し)」などの避妊対策も積極的に行ってきました。

 ピルなどの避妊薬に関連する費用は、既に2013年から、15歳から18歳の少女に対して、そして、また、2020年8月からは、15歳未満の子供に対しても国民健康保険で100%カバーされてきました。

 そして、この避妊薬の無料化により、その後5年間の期間を経て、この該当年齢の少女の人工中絶の割合を1,000人あたり9.5人から6人へと大幅に減少させることに成功したとその成果を発表したりもしていたのです。(2023年には、1,000人あたり16.8人という割合に増加している)

 しかし、フランスは、同時に妊娠中絶についても、「中絶の権利」が法律で認められており、2022年には、この法律は、中絶の権利の強化を目的として、中絶へのアクセスを改善するためにいくつかの修正が加えられています。

 この修正された内容の一部には、中絶法的期間を妊娠12週から14週に延長したことや、薬による中絶の規制期限を妊娠5週目から7週目まで延長することなど、少なくとも外科的処置が必用となる前に薬で中絶できるという、中絶へのハードルが低くなったことも、この中絶の増加に繋がっているのかもしれません。

 DREES(調査研究評価統計局)によると、2023 年の中絶の 79% がこの薬によるものであることについても銘記しています。報告書はまた、無月経 12 週間後に行われる後期中絶が病院介入の 9.5% を占めていることも強調しています。

 不妊症に悩む人も多い中、中絶の件数が増加していることは、皮肉なことでもあり、また、決して喜ばしい話ではないと同時に、女性が必要なときに中絶を受けられる自由の結果として、進歩としても捉えなければなければならないと説明しています。つまり、増え続ける中絶件数は、フランスでは中絶へのアクセスが決して妨げられていないことを証明しているというのです。

 このような記録的な数字を前に、女性が中絶を受ける経済的、社会的、家族的背景を理解することが急務であり、悪化し続ける人口動態(出生数の減少と中絶件数の増加)の中で新政府が考慮しなければならない課題であるとしています。

 

フランスの妊娠中絶


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2024年9月26日木曜日

ブローニュの森に埋められた大学生殺害事件 容疑者は OQTF(フランス領土退去命令)を受けていたモロッコ人

  


 今回の事件の被害者となったのは、パリ・ドーフィーヌ大学で「金融経済工学」を専攻していた大学3年生の女の子です。彼女は殺害されたと見られている当日、大学で昼食をとった後、午後2時ごろから行方がわからなくなっており、その日の夜に、家族は捜索願いを提出していました。

 彼女は大学の近くに住んでおり、遺体は大学から数百メートルのブローニュの森で彼女の携帯の位置情報から発見されました。遺体が発見されてから3日後、容疑者はスイスで逮捕されました。

 この容疑者は、22歳のモロッコ人で、2019年にモロッコのパスポートで観光ビザでスペイン経由で、一応、合法的にフランスに入国。当時、彼は17歳でしたが、その後、彼はフランス領に留まる選択をしました。ところが、その2ヶ月後、彼はパリ近郊タヴェルニーの森(ヴァル・ドワーズ県)で23歳の女性を強姦し、有罪判決を受け、懲役7年を求刑され、OQTF(フランス領土退去命令)が出ていました。OQTF・強制退去命令が出たときも、彼はこれに対するいかなる反対も訴えも起こしていませんでした。

 逮捕後、ただちに公判前の拘留で服役が開始されたことを計算に入れたとしても、実際に彼が服役していたのは約5年間でした。彼が受けた7年間の懲役刑は、自動減刑?の恩恵を受け、服役5年で2024年6月に、彼の身柄は行政拘置所(CRA)の管轄に移され、その後、どのような経緯を辿ったのか彼は性犯罪者ファイルFIJAISへの登録の対象となり、今年の9月3日には、ヨンヌのホテルに軟禁と報告義務という一般的な拘置所からの処遇よりも軽いものになっていました。

 その後、彼のモロッコへの送還をめぐって、モロッコ側が一度、フランスが申請を出した書類に対して、この要請は在フランス外国人総局(DGEF)が行うべきであると却下、フランス側は、再び、DGEFから申請を行い、9月6日、モロッコは彼の国外追放を許可しましたが、その時には、この男は、すでに外に軟禁場所から逃亡していました。

 そして、今回の事件が起こったのが、9月20日と見られており、ひと月も経たないうちに、彼は再び、深刻な事件を起こしたことになります。

 だいたいOQTF(フランス領土退去命令)を受けているような危険人物の管理があまりにも杜撰であることは、度々、報じられていることで、なにか事件を起こした犯人が逮捕されると、その人物はOQTFを受けていた人物であったということは、少なくないのが現状です。

 また、この男、本気で逃げようとしていたならば、ちょっと知恵が足りないというか?この女性を殺害した後、被害者のカードで現金を引き出していたり、翌日に遺体を埋めにブローニュの森に戻っていたり、行方を追跡されないように携帯を切っていたにもかかわらず、スイスに着いた途端に携帯のスイッチを入れてしまい、結局は、それで所在地が特定されて、逮捕されたりと間が抜けたことばかりしています。

 しかし、刑期が7年から5年になっていたとしても、OQTF(フランス領土退去命令)対象者であるならば、国外退去するまでの身柄は、しっかり拘束しておいてほしいものです。

 この容疑者と被害者の関係は明らかになっていませんが、ふつうに考えれば、あまり接点がありそうもないのですが、どちらにしても、同じ女の子を持つ親としては、こんな札付きのワルが野に放たれているということは、怒りと恐怖を感じるところです。


OQTF(フランス領土退去命令)


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2024年9月25日水曜日

RATP(パリ交通公団)が掲げる9つの約束と知らなかったサービス

  


 「私たちは、お客様にさらに満足していただくために、一貫した、パーソナライズされた高品質のサービスを提供することに日々取り組んでいます」、「私たちは具体的な9つの取り組みを掲げて絶え間ない動員を続けています!」というRATP(パリ交通公団)の広告をチラッと見て、「こんなの絵にかいた餅になるんだろうな・・」と半ば、あんまり信用せずに読んで行ったら、けっこう知らなかったサービスもあったんだな・・と思ったので、ちょっとだけ書いておくことにしました。

 メトロや RER のプラットフォーム、またはバスやトラムの停留所での待ち時間を短縮する取り組みとして、待ち時間はメトロで3分、RER 中央区間で4分、支線で12分を目途に調整しているそうで、メトロ、バス、トラム、RERを年中無休、1日20時間利用できるようにし、ノクティリアンバスは一晩中、利用可能を実施。

 ここに関しては、待ち時間はともかく、忘れてはならないのは、ストライキ問題で、なんといってもRATPの一番の問題は何かあるたびに先頭を切ってストライキをお客様そっちのけで、高品質のサービスとはかけ離れたことをやるわけで、待ち時間とか、運行時間などの問題ではなく、この期間は運休だったり間引き運転だったり、大変な迷惑を被るので、この問題を一番に解決してほしいところです。

 また、27,000 人の従業員が、身体の不自由な方や障害のある方を歓迎し、サポートするための訓練を受けており、フランス語を話せない方、視覚障害者、聴覚障害のある旅行者を毎日案内しているそうです。

 これに関しては、一度、RATPの職員が視覚障害のある女性を案内して、メトロに乗せるために、駅のホームをエスコートしているのを見かけたことがあり、その女性が下りる駅では、その駅の職員が待機して案内するように手配してあるのでご心配なく・・と伝えているのを目撃したことがあり、ずいぶんと親切なんだな・・と感激したことがあります。

 フランス語を話せない方・・に対しては、最近は、オリンピック効果?なのか、駅によっては、オリンピックが終わった今でも英語で案内してくれる人が待機している駅もあります。

 また、「RATP」のサイト上(仏・英語)では、交通情報や物品を紛失した場合の問い合わせができると言っていますが、これはRATPの問題以前に、メトロなどの公共交通機関で失くしたものが出てくるかどうかは、また別問題です。失くさなくても盗られるのに、自ら紛失したものが出てくる可能性は、限りなく低いです。

 そして、これは知らなかったのですが、駅によっては、傘の貸し出しサービスをやっている駅もあるそうです。

 また、RATPには、カスタマーサービスがあり、年中無休、3424 (無料通話) で利用できるそうです。

 そして、これまたビックリしたのは、RATP ネットワーク全体 (車両とスペース) は毎日清掃および消毒されているのだそうで、そういえば、以前ほど、汚~い!というメトロは見かけなくなった気がします。

 また、さらにビックリするのが、「当社は、すべてのエスカレーターとエレベーターの 95% が正しく機能することを保証します」というところで、これは、正しく機能するために修理中・・というのは、カウントされるのだろうか?とちょっと、いじわるに思いますが、100%と言わないところがなかなかリアルです。

 また、セキュリティに関しては、セキュリティ専門の 1,000 人以上の職員と50,000 台を超えるカメラが駅や車両に配備され、24 時間年中無休で運用される指揮所を通じて操作されているそうで、ジェンダーに基づく暴力や性暴力との戦いのために、特別に職員を訓練しているそうです。

 また、85のRER駅と地下鉄駅にはWIFIを導入しているそうです。

 いずれにしても、RATPのクォリティはオリンピックを機に格段にアップしたのは、事実で、車両はずいぶん新車に切り替わったし、少なくとも期間中はほんとに清潔できれいになりました。

 「やれば、できるじゃん!」とも思いましたが、正直、これが維持できるかどうかは、あんまり期待はしていませんが、少しは、改善されていく方向なのかな?とは思います。

 現在、RATPの社長は、数期前の首相だったカステックス氏で、彼自身、時々なのかはわかりませんが、メトロを利用しているようで、私も一度、見かけて「お~~っ!」となりました。

 あまりにふつうに、一般の乗客に溶け込んで、乗っていらっしゃったので、びっくりしたのですが、こんな風に社長自ら、現状をご覧になっているのかもしれません。


RATPのサービス


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2024年9月24日火曜日

薬局で倒れたおじいさんを見守りながら、なにかあったら、薬局に駆け込もうと思いました・・

  


 体調を崩して、お医者さんに行き、処方箋を書いてくれたので、帰りに薬を出してもらいに薬局に寄ったときのことです。

 小さな人だかりができていて、???と思って覗くと、おじいさんが倒れていて、それをコマーシャルセンターの救助の人々と薬局の人が取り囲んでいました。

 おじいさんは、床に仰向けに転がっていて、苦しそうな顔をしています。でも、どうやら意識はあるようで、「何歳ですか?」とか、「左足をたてられますか?」、「右足をたてられますか?」、「私の手を強く握ってみてください」とか言われながら、指示に従って、そのとおりに身体を動かしていますが、目は閉じたままですが、時々、苦しそうに目を薄くあけています。

 ひとまずは、言っていることは理解しているようで、「はい、83歳です」とか、言われた通りに片足ずつをたてたり、救助の人の手を握ったりしています。

 それでも自分で起き上がることはできないようで、また、下手に動かしてはいけない様子で、まあ、とりあえずは、薬局で倒れたのは不幸中の幸いのようで、応急処置に必要な器具などが揃っていて、ひととおりの質問が済んだところで、救助の人が「救急車を呼びましょう」と判断し、通報していました。

 ものすごく優しく語りかけているにもかかわらず、緊迫感が伝わってくる感じです。

 ここで私が驚いたのは、その救助の人たちも薬局の人たちも、ものすごく優しくて、わりとよく知っている薬局で、いつもの彼女たちも知っているので、日常はどんな感じの人なのかわかっているだけに、いつもと全然違うのも、わかります。

 もちろん、日常だって、親切だし、感じよい人々なんだけど、ベタベタは決してせずに、ほどよいさっぱり感が私は、気に入っているのですが、ここぞという緊急時には、本当に親身になって、めちゃくちゃ優しいところに感心させられたのです。

 これは、多くのフランス人に共通するところで、いつもは、わりと我関せずな感じでさっぱりしているけれど、本当に困っている人、怪我人、病人などには、ものすごく優しいのです。

 いつだったか、わりと人通りが少ないと思われるちょっと郊外の通りを道がわからないので、GoogleMapを見ながら、歩いていたら、歩道と車道の段差でものすごく勢いよく、転んだら、どこで見ていたのか、若い男性2人がどこかからすっ飛んできてくれて、大丈夫?大丈夫?近くの会社で手当できるよ・・と助けてくれました。

 他に数人の女性も駆け寄ってきてくれました。

 その時は、かなり痛かったのですが、痛いよりも恥ずかしさが先にたち、もう早く立ち去りたい気持ちが強くて、「はい、大丈夫です。ありがとうございます!」と言って、早々に立ち去ったのですが、後から考えたら、「すごく優しい人たちだったな・・」と、ちょっと感動したのです。

 また、これが薬局ということで、対応もより的確で、お見事といっていいくらいの対処で、見直しました。

 私は、近所にかかりつけのお医者さんがいるので、いざとなったら、彼女のところに駆け込もうと思っているのですが、このお医者さんよりもさらに家から近く、開店時間も長い薬局の方がとりあえず、駆け込むのには、よいだろう・・などと、倒れたおじいさんを見守りながら、考えていたのです。

 最近、体調を崩しがちな一人暮らしのわが身からすれば、これは、なかなか心強いことです。


フランスの薬局


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2024年9月23日月曜日

逆さはいけない・・

  


 夫が急死したのは、日本にいる母が亡くなった約2年後のことで、母の死から、ようやく立ち直りつつあった私には、本当に辛いことで、「こんなに悲しく辛いことは、もうこれ以上、この世にはないだろう・・」と思いました。

 母が生きていてくれたら、おそらく何をおいてでもかけつけてくれただろうに、そんな母はもうおらず、(父は、そのような人ではない)、日本に行けば、とても優しく親しくしている叔父や叔母たちも、さすがに腰が引けたのか、すぐには、誰も来てくれませんでした。

 それでも、私にはまだ、当時10歳の娘がいたし、娘もそうそう学校を休むのもいけないし、私も仕事があったので、むしろ、夫がいなくなってしまった家に一日中ふさぎ込んでいるよりも、それぞれ、学校や職場に行った方が気が紛れて助かったのです。

 そのうえ、夫の死後にしなければならない公的手続きなどは、山積みで、夫の同僚の人が手伝ってくれたものの、私が直接、提出しなければならない書類などもけっこうあり、また、さすがのフランスのお役所・・その必要な書類をバラバラ、後から追加してきたりするので、(もう!一度に言ってよ!と思ったけど、その時はそんなことを言い返す元気もなく・・)、ひたすら、淡々とその日、やらなければならないことをこなしながら、時を過ごしていました。

 当初から、「でも、娘ちゃんがいてくれて、よかったね・・」となぐさめてくれる人もけっこういましたが、そんなことを思うのは、それからしばらく落ち着いてから言える話で、異国の地で、子どもを一人で育てていかなければならなくなったことは、正直、とても不安なことでもありました。

 しかし、当時は、これ以上悲しいことはもうないだろうと思ったけれど、これ以上悲しいことは、娘にもしものことがあった時ということがあったわけで、そんなことがあったら、今度こそ、本当に私は立ち直れないだろうな・・と思ってしまいます。

 ところが、その子どもに先立たれるということは、全くない話ではなくて、数年前に、「そういえば、彼女、どうしてるんだろう?」と、仕事関係で(あくまで仕事上でのつきあいだけでしたが、)けっこう親しくしていた人に連絡してみたら、なんと、数年前に息子さんを亡くされたそうで、しかも、自ら命を絶ってしまった・・ということで、それ以上は、あまり彼女も話したがらなかったし、深く聞くのも憚られたし、彼女もその時点では、もう受け入れられたからもういいの・・と言っていたので、あまり詳細は聞きませんでしたが、どんなに辛い思いをされただろうか?ということは想像に難くないところでした。

 彼女も私も一人ずつ子どもがいて、顔を合わせれば、息子さんはお元気?などと、お互い子どもの話をすることも多く、男の子を持つママにはありがちな感じで、もう夫よりも息子の方が恋人みたいな感じで、とても可愛がっていたという記憶があり、男の子の親と女の子の親っていうのも、微妙に違う感じなんだな・・と思っていました。私と娘は、どちらかといえば、恋人というより、友だちみたいな感じです。

 その話を聞いて、また数年が経ちましたが、つい最近、友人から、元同僚の一人が息子さんを亡くしたという話を聞いて、正直、驚きました。彼女とはそれほど親しかったわけではないので、直接、話を聞いたわけではないし、あまりここぞとばかりに、連絡を取るのも空々しい感じなので、詳しい事情はわかりませんが、お悔やみのメッセージだけ送りました。

 月並みだけど、「やっぱり逆さはいけないよな・・」と思い、最も痛ましいことの一つだと思いました。

 しかし、この話は別としても、「逆さはいけない・・」とか、「順番が違う・・」とか、言いますが、この高齢社会、親が90や100まで生きていても不思議ではない時代、その「逆さ」もさぞかし増えてることだろうな・・と妙なことも思いました。

 うちは、両親ともに、すでに他界しているので、もう私の実家においては、「逆さ」はあり得ないことですが、親が長生きすればするほど、それは、充分にあり得る話になってきます。

 今の私などの世代での「逆さ」であるならば、その子供の年齢もあまりにも若いことによる悲劇という要素もあると思いますが、親が90歳とか100歳の逆さの場合でも、やっぱり、そんな風に思うのだろうか?と、私は、そんなことにならないように、逆さにならないようにほどほどの年齢でお暇したいと思っています。


逆縁


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2024年9月22日日曜日

やっぱりフランス人の肥満は増加しているような気がする・・

  


 先日、ここ20年間でフランス人の肥満が急増している・・という記事を書いて、それでも、比較的パリはそうでもないかもしれない・・と書いたのですが、あれ以来、でかけるたびに、なんとなく周囲の人々の体型を今さらのように見ていると、やっぱり、肥満気味の人が増えたかも・・と思います。

 まあ、そういう私も人のことを言えるほど、体型をキープしているわけではないので、偉そうなことを言うのも気が引けるところもあるのですが、まあ、中高年以降は、ちょっとふくよかになりがちでも、仕方ない・・とも思うのです。

 しかし、気になったのは、子ども・・小学校高学年くらいから中高生くらいの子どもたちに、この年齢の子どもにしたら、肥満気味の子がけっこう多いことに、あらためて、ビックリしています。

 これまで、周囲の人々の体型など、逆にすごくスタイルがよかったり、素敵な女性などの場合には、「おっ!!カッコいい!!素敵!!」と思って注目したりすることもあるのですが、それ以外の人々の体型など、そんなに気にして見ていなかったので、あまり気が付いていなかったのです。

 加齢とともに代謝が悪くなり、運動量もなかなか心がけていないと、どんどん低下し、太りやすくなっていることは身をもって感じていますが、しかし、お節介おばさんとしては、子どもの頃から、あれだけ脂肪を蓄え始めてしまったら、やっぱり、ヤバいのではないか?と思ってしまいます。

 子どもの成長過程において、たしかに太りやすい時期というのもあるわけで、以前、娘が子どもの頃に、けっこう長い間、バレエをやっていたのですが、バレエというものは、レオタードを着てレッスンをするため、非常に体型の変化がわかりやすいのですが、小学校高学年から中学に入るくらいのタイミングでは、そのレオタード姿が夏の間に一気におばさんみたいになっている子たちがいて、「えっ?あの子たち、どうしちゃったの?」と驚いたことがありました。

 逆に、娘などは、長い間、バレエを続けていたことで(といっても週1回のレッスンだけですが・・)、常に自分の体型の変化に敏感になっていたかもしれません。そもそも娘は、ふつうの人より、運動量が多い・・といえば聞こえはいいですが、スポーツや動くことが好きなタイプで、そのうえ、好みの食べ物なども、フランスにいながら、フランス料理・乳製品が大嫌い・・好きなものはお豆腐や湯葉や高野豆腐やブロッコリーなど、肥満とは程遠い食の好み・・これはスタイルを気にして・・ということではなく、好物がたまたま健康食だったというラッキーなケースでしたが、私も気を付けて、間食などをするのであれば、できるだけ、彼女の好物で少しでも食事がわりになりそうなもの・・と、家の冷蔵庫には、必ず茹でた人参とブロッコリーを入れておき、学校から帰ってきて、お腹がすいたら、娘はこれを抱えて食べる・・と、私が家に帰った時には、もうブロッコリーや人参の入ったタッパーは空っぽになっていました。

 とはいえ、高野豆腐などは、パリでは貴重品、友人や職場の同僚などは、半分子どもが高野豆腐好き・・ということをおもしろがってくれて、日本に行く度に娘ちゃんにおみやげ・・といって、高野豆腐を買ってきてくれたりしました。

 話は逸れましたが、若干の肥満が気になったのは、この小学校から中学生にかけてと、あと、ローティーンの女の子です。ローティーン、ティーンエイジャーの女の子などは、一番体型を気にしそうなところだと思うのですが、これがこちらだとどうも、そうでもない・・。また、そういう子にかぎって、ケーキなどを食べながら歩いていたりする・・その年から、それでいいの??とまた、お節介おばさんは思うのであります。

 こちらは、けっこうおおらかで、おしゃれの仕方も自由なので、この体型でお腹出したファッションする?と思うこともあるくらいなので、それでも若いと健康的で可愛くもあるのですが、この年齢からこんなだったら、おばさんになったら、大変だろうな・・と思ったりもします。

 しかし、パリでは、明らかに、むしろ、30代から40代くらいの年齢の人々が明らかに気を付けて体型をキープしているんだろうな・・という人が多い気がします。

 明らかに美しさの概念が日本とは違うのは、どうやら明らかで、あまり華奢な人はいなくて、あまり魅力的とも感じられず、健康的な感じの方が美しく、また、若い女の子でも、よく公園などで、友だち同士集まって、日光浴していたりするのには、「ああ~~違うんだな~」と思います。

 しかし、基本的には、どう考えても日本と比べて、健康的な食生活のバランスはよくないフランス・・消化機能なども若干の違いがあるのかな?と思うこともありますが、やっぱり子どもの頃から健康的な食生活を身につけさせることも、教育の一つなのかな?と思うのです。そのあたりは日本の方が断然、意識が高いかもしれません。


子どもの肥満


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2024年9月21日土曜日

日本の新しいパスポートについて これまでに比べて最短でも3倍以上の時間がかかるってなんだよ!

  


 「偽造防止対策を強化した新しいパスポートが来年3月から発行されることになりました。これにあわせて、オンラインによる新規申請も可能にして、利便性を向上させるとしています」こんなふうに、日本のニュースには書いてありました。

 外務省によると、現在のパスポートでは、個人情報を登録したICチップが内蔵された厚いプラスチック製のページと顔写真が掲載されたページが別々になっているのを一体化し、特殊なレーザーで印字することで複写ができず、偽造されにくくなるということです。

 一見、というか、パスポートそのものは、精巧なものになるようですが、海外在住者にとっては、ちょっと信じ難い結果に閉口しています。

 というのも、この日本の新しいパスポートは、全て日本国内で作成されるようになるということで、これまで申請から約1週間で受け取れていたパスポートが最短でも3週間はかかるようになるということで、時代の変化に伴い、時短、便利になるところが、3倍以上の時間がかかるようになるという信じられない事態になります。

 こうなってくるとオンライン申請は必須で、さもないと、書類を一端、大使館に提出して、大使館から日本の外務省に送付、日本の外務省でパスポート作成ののち、また、こちらの大使館に送付・・と往復の時間がかかるわけで、相当な時間になりそうな予感がします。

 これと同じようなことをやっているのが、在外選挙登録で、この在外選挙登録をフランスの日本大使館に申請してから、日本の外務省に送られ、そこから、管轄の市区町村に送られるとかで、在外選挙人証を受け取るまでに、3ヶ月以上かかりました。

 来年の3月以降のことなので、具体的にどのくらい時間がかかるのかは、不明ですが、最短でも3週間というのをどの程度に見積もっていいのか?様子をうかがう必要があります。

 海外生活において、旅行でもしない限り、日常では、あまり必要ないパスポートではありますが、実のところは、日本人として、命綱でもあるパスポートです。フランスの日本大使館からは、来年3月からの申請には、交付までに時間がかかるようになるため、「残存有効期限が1年未満の場合には、早めのパスポート切替申請をご検討ください」とのことで、失効の1年前から検討せよ!とは、気が遠くなる気がしています。

 また、大使館には、いつまでもカード払いではなく現金払いが強いられてきましたが、さすがにオンライン申請でカード払いを登録すれば、オンライン上の支払が可能とのことですが、これまた領事館の場合は当面の間、現金のみとのことで、今どき、支払いにカードが使えない公館なんて、全く信じられない話です。

 まったく、なにもかもがスピーディーになり、便利で簡単になってきている現代社会で、この時代に逆行するような不便になる話。偽造しにくいパスポートにしても、もう少し、なんか別の方法はなかったものなのか?と本当にウンザリしています。


日本の新しいパスポート


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2024年9月20日金曜日

2025年1月 イル・ド・フランス鉄道網 均一料金価格導入と価格変更



 イル・ド・フランス・モビリテス(IDFM)は、2025年1月にイル・ド・フランス鉄道網全体で2.50ユーロの単一チケットを設定する予定であると発表しました。

 「このチケットを使用すると、目的地や距離に関係なく、地下鉄、RER、トランシリアンなどのあらゆる鉄道交通手段を同じ料金でご利用いただけます」と、なんだかお得感満載な感じで発表されているものの、パリ市内だけを移動する人にとっては、これまでの2.15ユーロから2.50ユーロへの値上げを意味しています。

 現在の運賃は、パリの地下鉄で 2.15 ユーロから、イル ド フランスの最終目的地に応じて最大 5 ユーロまで異なっていますが、これが移動距離に関係なく2.50ユーロとなるので、イル・ド・フランス内で比較的、長距離を移動する場合は、かなりお得で簡単になります。つまり、2.50 ユーロの最初のチケットは、パリの地下鉄、RER の線の端から端まで、およびすべてのゾーンの郊外電車の全移動に有効になるわけです。

 これにより、イル・ド・フランス・モビリテスは、駅の券売機の行列が大幅に解消されると見ています。

 また、これとは別にバスやトラムの利用に関しては、2ユーロ(移動距離に関係なく均一料金というシステムは同じ)チケットが導入されます。バスの場合、運転手から直接チケットを購入する場合の価格は、2.50ユーロのままの据え置き(できるだけ、この方法でチケットを購入することを避けてもらうためと言っている)になります。

 つまり、これまで、パリ市内ならば、メトロもバスも均一のチケットが利用できていたものが、メトロ用とバス用は、別々に購入しなければならないという意味ではないか?とも思います。このためなのか?これまで販売されていた10枚綴りのチケット(メトロ・バス用)は、廃止されるようです。

 どちらにしても、観光客などにとっては、どうやってチケットを買ったらいいのか?メトロとバスの価格の違いなど、なかなかわかりにくいのではないか?とも思います。今はネットもあるので、事前に調べてくることができるので、ネット情報ありきのことなのかもしりませんが、初めて来る人にとったら、けっこう面倒なことかもしれません。

 しかし、これを全体的に考えれば、パリ市内を移動する乗客が圧倒的に多いわけで、なんだかんだ理由をつけて、結局は値上げの増収ということではないか?と思わないでもありません。

 住民からしたら、だいたい Navigoを持ってしまっているので、細かなチケットの値段などをあまり考えもせず、毎年、必ずNavigoの値段が値上げされるときだけ、「え~~~??」と思うだけで、あとは、もうあまり考えないのが正直なところですが、郊外から時折、パリに来る人、また逆にパリから時折、郊外に行く人にとってはお得になります。

 しかし、イル・ド・フランス・モビリテスは、これらの新料金により交通機関の利用が約1~2%増加すると考えており、不正行為との戦いを強化していくと説明しています。

 この「不正行為との戦い」については、もう少し見直しもしてほしいところで、知らなかったでは済まされずに、容赦なく観光客に対してなども高額の罰金請求を行っているのも、はたから見ていても、少々納得いかない気分。もう少し、観光客にもわかりやすいように、しっかり説明して理解を広める努力もしてもらいたいものです。


イルドフランス鉄道網 均一料金システム


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2024年9月19日木曜日

マクロン大統領解任決議案提出

  


 今週、はじめに、国民議会事務局は、ラ・フランス・アンスミーズ(屈しないフランス)(左派政党)が提出したマクロン大統領解任決議案を受理しました。

 「フランス第5共和政の歴史において前例のない出来事」といわれる大統領解任決議案ですが、実際、長く複雑なステップが必用になりますが、これが成功する可能性はほとんどないと言われています。

 法務委員会のメンバーによって、この提案の議題について検討、採択されるかどうかが決定されます。

 仮に法務委員会を通過したとしても、決議案は「委員会の結論から遅くとも13日目までに議会の議題に組み込まれなければならず、採決は、遅くとも15日目までに行われなければならない」とされています。

 そこでは、国会議員はエマニュエル・マクロンの解任を決定するよう国民議会に招待されるのではなく、共和国大統領の解任を決定できる唯一の管轄権である高等法院での議会に召集されることになりますが、国会議員の3分の2の票を集めなければならないため、ほぼ不可能であると、あまり大々的には報じられていないほど、軽視されています。

 しかし、反政府勢力の間では、この一連の行為は非常に成功したと考えられています。

 これは、今回は失敗したとしても、国民議会事務局がこの議案を受領したことで、火種は灯され、このまま不安定な政権が続いたり、さらに大きな問題が勃発した場合は、この議案のステップが繰り返されることになり、一気に上院まで進む可能性もあり得るという意味でもあり、穏当に運べば、マクロン大統領の任期は2027年までですが、それまでは、マクロン政権は持たないのではないか?という見方をする人も出てきていることも事実です。

 実際に、欧州議会選挙以来の国民議会解散、総選挙以来、内閣が解散したまま首相も1ヶ月ほど決まらず、内閣に至っては、まだ発表されていません。

 このグダグダの間にその内閣組閣にあたって、交渉がスムーズに進んでいないのは明らかなうえに、首相が交渉にあたっている大臣候補の中から、首相が増税政策を告げられたと暴露され、この大臣候補は、「増税する政府に参加したり支持するのは問題外である」と断言。

 世間の目は、一気に増税か否かに注目が集まり、バルニエ首相が増税を望んでいるという噂が、特に大統領陣営で高まり、緊張が高まり、首相の側近が、これに対して、「増税に関する噂は単なる憶測であり、首相は予算状況を分析中であり、今日はいかなる選択肢も決定されていない」と釈明しています。

 現在は、首相が任命されたので、首相が矢面になっているし、実際に彼自身のはっきりとした方針が示されていないままに、このような暴露話までが露見してしまうという、ここ数年には、見たことがなかった惨状が繰り広げられています。

 欧州議会の思わぬ結果により、突如、誰もが驚愕した国民議会を解散して再選挙に臨んだマクロン大統領ですが、欧州議会は欧州議会として、国民議会はそのままにしておけば、こんなグダグダな状況には、ならなかったであろうに・・。

 こんなことを今から言っても仕方ありませんが、これまで、数々の国民の反発を乗り越えてきたマクロン大統領、これから先は、とりあえずは、まず政府陣営を上手く組めなければ、本当に足場が揺らぐことになるかもしれません。


マクロン大統領解任決議案提出


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2024年9月18日水曜日

エアフランス 欧州線の一部で有料機内食試験的導入

 


 エールフランスは、来年1月から、ヨーロッパ内の一部のフライトで有料機内食を試験的導入することを発表しています。

 「これでは、まるで格安航空会社みたいではないか?」と思ったけれど、Figaro紙の報道によれば、これまでの短距離または中距離便での軽食(小さなサンドイッチまたはペストリーと飲み物)は継続され、それに加えて、アラカルトとして、有料の製品が販売されるということらしいです。

 この新しいサービスには、「Buy on Board」(BoB)というなまえがつけられ、これが試験的に導入されるのは、とりあえず、パリ⇔ポルトガル便、パリ⇔ヘルシンキ便なのだそうで、格安航空券のように、全ての機内で提供される食料が有料というのとも、また、違うようです。

 そもそも、欧州内の移動であれば、特に、今回のパリ⇔ポルトガル便ならば、2時間から2時間半程度、パリ⇔ヘルシンキ便でも3時間前後程度の飛行時間なので、とりわけ食事が必用とも思わないので、機内食があろうとなかろうと、あまり不自由は感じないのですが、ここで、アラカルトとして、何を売ろうとしているのだろうか?というのは、ちょっと興味があります。

 格安航空会社の場合は、少しでもコストを削減して、運賃を安く抑えようとしているのだと思いますが、とりあえず、これまでの軽食は継続して、追加のアラカルトを販売することで、格安航空券とは、差別化しているつもりなのか?これにより収益を少しでも上げるつもりなのかは、不明です。

 私は、そこまで格安航空会社に詳しいわけではないのですが、前回、乗ったトランザビア航空では、やはり、機内で食べ物の提供がないことはわかっていたので、空港で買ったサンドイッチ(いつもは買わないけど、その時は、大幅に遅延したために、パリの家に帰ってから食べようと思っていた夕食の時間には、まだイタリアにいたため・・)空港でサンドイッチを買って、持っていました。

 機内で売っている軽食には、あまり食指が動かないうえに高かったので、やっぱりあらかじめサンドイッチを買っておいて、正解だったとおもいました。

 それに比べると、エアフランスの軽食は、まだまだマシなので、本当は、充分だとも思うのですが、まあ、よっぽど、「えっ??それ食べてみたい!」と思うものでも売っているのであれば、買ってみたくなるかもしれません。

 しかし、エアフランスは、格安航空券モデルを明らかに意識していると思われるふしがあります。それは、前回、日本に行った際、直行便でなるべく安いフライトを探していたら、エアフランスだったのですが、「おっ!安い!」と思って飛びついたら、荷物が別料金で、値段はいくらだったか忘れましたが、スーツケース1個につき○○ユーロ・・という感じで荷物料金が、別料金の設定でした。

 まあ、そんなに荷物を持たない人もいるだろうから、合理的な価格設定といえば、言えないこともないのですが、な~んだ・・とちょっとガッカリ・・スーツケース2個分追加するとJALとかANAよりも若干安いけど・・というくらいで、「え~~?そんなに違わないんだったら、ストライキの可能性が低いJALかANAにしておけば、よかったかも~!」という気もしました。

 以前、何度かエアフランスのフライトでは、ストライキにぶちあたり、勝手にフライトを変更されたりしたことがあったので、それ以来、もうその後の変更手続きなどが厄介なので、できるだけ避けていたのです。

 そうそう、エアフランスの一番の問題は、私にとっては機内食ではなくて、ストライキなのですが、それは、フランスの航空会社・・ストライキのリスクは避けて通れません。

 ほんとうのところ、機内のCAさんの応対とか、適度に緩い感じとか、機内食にしても、そんなにひどいこともなく、航空会社としては、私はどちらかといえば、好きなのですが、いかんせん、ストライキに遭遇する可能性が他の航空会社よりも高いということは、リスキーではあります。

 しかし、最近の空港などのストライキを見ていると、やっぱり一番にストライキの影響を受けるのは、ライアンエアーとか、トランザビア、イージージェットなどの格安航空会社からということが多いみたいです(最も、これは空港のストライキの場合ですが・・)。

 エアフランスでは、今後、この試験的なケースで成功した場合は、全線共通のサービスになるそうですが、長距離フライト、ビジネスクラスでは、これまでどおりのサービスが継続される予定です。

 私の記憶にあるのは、エアフランスで短距離フライトに乗ったのは、大昔、ロンドン⇔パリ区間でしたが、まさかのダブルブッキングされ、どうしよう?と途方に暮れていたら、まさかのグレードアップしてくれて、ビジネスに乗せてくれました。

 ビジネスだったので、けっこう良いお食事だったのですが、なんせロンドン⇔パリ線は時間が短いわりには、サービスが遅くて、もう、やたらと慌てて急いで食べなければならなかったのを覚えています。

 そもそも、そんなに機内食には、期待していないし、できれば旅先で美味しいものを食べたいので、なんだったら、機内食はなくして、その分、安くしてくれた方が嬉しいくらいですが、けっこうこのオプション有料機内食は、ルフトハンザドイツ航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、フィンエアー、TAPポルトガル航空などでも導入の動きがあるということで、とりあえずは、この方向で進みそうな気配です。


エアフランス有料機内食


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2024年9月17日火曜日

フランス人はブーランジェリーの蜂は気にしない

  


 私は、ブーランジェリー・・いわゆるパン屋さんが大好きで、どこを歩いていても、一応、とりあえず、どんな感じのお店なのか?覗いてみたくなり、実際、けっこう覗いてみることが多いです。

 たいていは、お店の外のショーウィンドーから覗いて、「あら?ちょっと良さそうなお店かも?」と思ったときには、中に入ってみます。

 ちょっと前に、あまり、ふだんは出向かない地域で、お店の外から「美味しそうだな~~」と思いながら、眺めていたら、ちょうど通りかかったフランス人のおばさんに、「パリには、た~くさん、あるよね!美味しい食べ物が・・」とにっこり話しかけられて、自分でも、「私、よほどものほしそうな顔をしていたのだろうか?」となんだか気恥ずかしくなりました。

 それでも、たいていのお店は、同じようなものを置いているし、欲しいものを全て買っていたら、大変なこと(お金もかかるし、体型も・・)になるので、よっぽど、魅力的だったり、特別な評判だったりしないとそうそうは、買いません。

 近所で、まあまあお気に入りのブーランジェリーもあるのですが、そのお店は、時々、新しいものが登場していたりもするので、通りかかれば、だいたいは、覗いてみます。

 先日、プールに行った帰りに、「運動したし、今日はちょっとお昼も軽めにしたから、なんかヴィエノワズリーの一つでも買おうかな?」と思って、そのお店に入って、ショーケースを見つめて、「さて、今日は何にしようかな?」と品定めをしていたら、その日は、なんだかパン・オ・レザン(渦巻き状のレーズンのヴィエノワズリー)がテリテリしていて美味しそうだったので、今日は、それにしようかな?と思って、さて・・と思って、もう一度、ケースの中を見つめると、パン・オ・レザンにけっこうな数の虫がたかっていて・・よくよく見ると、それは、蜂だったのですが、それにしても・・え~~~???

 これまでマルシェなど、屋外のお店で虫がたかっていたりすることを見かけたりすることはあったものの、今回は、けっこうきれいなお店の店内、しかも、ガラスのケースに入っています。これだけ、たくさんいたら、お店の人が気が付かないわけはなく、完全スルーです。どうやら、甘いものにたかる蜂は全然OKのようです。

 これは季節的なものもあるのでしょうか? 今まで、こんなショーケースの中のパンに蜂がたかっているのなど見たことがなかったので、「えっ?どうしちゃったの?」と、その日は、やっぱり、ちょっと・・いやけっこう抵抗があって、買いませんでした。

 そして、その数日後、また別のブーランジェリーでも同じ現象が・・テリテリのヴィエノワズリーに蜂がいっぱい・・。

 そこでも、お店の人は全然、意に介していないようで、美味しい甘いものに蜂がよってくるのは、むしろ、誇らしいことかのごとく、そのまま放置。

 友人に聞いてみたら、これは珍しいことではないのだそうで、私は、これまで、蜂がたかってもフランス人は気にせず、全然、OKだということを知りませんでした。

 とはいえ、日本人の私は、蜂とはいえ、虫は虫・・。どこから飛んできたかもわからない蜂がたかっているパンは、やっぱり買う気にならないのです。


ブーランジェリーの蜂


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2024年9月16日月曜日

ブリジット・マクロンがトランスジェンダーだという噂をSNS上で流した女性2人に有罪判決

  


 マクロン大統領夫人・フランスのファーストレディであるブリジット・マクロンがトランスジェンダーであるという噂をネット上で広めたとして、2人の女性に対して、名誉毀損の罪で500ユーロの執行猶予付き罰金刑が言い渡されました。

 彼女らは、昨年6月に開かれた裁判の当事者である大統領夫人に8,000ユーロ、弟のジャン・ミッシェル・トロニュー氏に5,000ユーロの損害賠償を支払わなければなりません。

 このSNS上の噂もずいぶん、低俗でタチの悪いもので、そんなの信じる人いるの?と思う内容なのですが、それが、けっこういたようで、この噂はアメリカにまで広がっているということですが、日本ではどうなのでしょうか? そもそも、ブリジット・マクロンがそんなに注目を集めることもなさそうですが・・。

 この問題の発端は、2017年のマクロンの大統領選挙以来、広まり始めたそうで、そもそもはYouTubeでこの二人の女性がまことしやかに、ブリジット・マクロンとその家族の写真を映しながら、彼女が受けたであろう外科手術について、まことしやかに語ったり、彼女の弟が本来の彼女の実家の身分を継いでいるなどという内容だったようです。

 そもそも、彼女はマクロン大統領とは再婚であり、その前の夫との間には、3人の子どももあり、マクロン氏は彼女の教師時代の教え子で年齢差も24歳という、かなりスペシャルなカップル。

 それ自体も、日本だったら、絶対、スキャンダラス過ぎてアウトだろうところをフランスならば、大統領、大統領夫人にもなれるくらいなので、これをさらに打ち負かすスキャンダルをでっち上げようとするならば、「夫人は実はトランスジェンダーだった!」くらいのパンチがないといけないと思ったのか、それにしても、悪質です。

 これを信じる人々がいるということも驚きというか、面白がって噂を広めた人々がいたというのかもしれませんが、あまりにバカバカしくて、スルーするのかと思っていたら、やっぱり訴えていたようです。

 もちろん、本人は出廷していませんが、彼女の弁護士は、「これは勝利ではなく、法の通常の適用であるだけである」と回答しており、つまり、勝ち負けを争うような種類の問題ではなく、法の執行を求めただけということを言っているのだと思います。

 しかし、この罰金が、500ユーロの執行猶予付き罰金と大統領夫人に8,000ユーロ、弟のジャン・ミッシェル・トロニュー氏に5,000ユーロの損害賠償とは、ずいぶん安いものだ・・と思わないでもありません。

 もちろん、金銭目的ではないにせよ、甘いな・・と思うのです。

 冒頭に貼った動画は、ブリジット・マクロンの顔が映っているものがあるかな?と探したら、どうやら、彼女、「エミリーパリへ行く シーズン4」にちょっとだけ出演するようです。

 

ブリジットマクロン トランスジェンダー


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2024年9月15日日曜日

パリオリンピック シャンゼリゼでのメダリストパレード

 


  パリオリンピックは、結果的には、フランスでは想像以上の盛り上がりを見せ、パラリンピック開催時に9月14日にシャンゼリゼでオリンピック・パラリンピックのメダリストのパレードが行われることが発表されていました。

 パレードというので、なんとなくパリ祭のパレードのようなものを想像していたのですが、ちょっと今回は趣が違いました。

 パラリンピックが始まった頃から、凱旋門の斜めに仮スタジオのようなものが設置されており、パラリンピックの解説の中継などは、ここで行っていました。

 このパレードは、どんなものになるのだろうか?と前日の午後にちょっとシャンゼリゼに寄ってみたのですが、まだまだ準備が始まったばかりの感じで、全然、設営は全然できていませんでした。翌日、テレビで見ると、よく一晩であれだけ作り上げたものだと、その素早さにこの手の作業・・パリもずいぶん、手慣れてきた感じもしました。

 今回は、凱旋門の周りにリング状の舞台、そして、シャンゼリゼに少し高さのある白いステージを長く渡した素敵な舞台でした。フランスはこういうデコレーションが上手だなぁ~と思います。

 今回のオリンピック・パラリンピックのセレモニーは徹底的に既存の歴史的建造物やモニュメントを含むパリの街を舞台としてデコレーションして使い、パリをより美しく見せるという方法を最後まで貫き通し、そして、また、さほど大きすぎないパリの街を逆に上手く利用したな・・という気もしました。


 今回は、オリンピック・パラリンピック本番と違って、フランスだけの催し物なだけに、フランス時間を基準にしてプログラムされたとはいえ、それはもうやはり長いこと長いこと・・。パレード自体は、16時頃から始まりましたが、実際に選手たちがパレードが終わり、そして、最後に、凱旋門周囲の舞台で、選手たちにレジオンドヌール勲章あるいは国家功績勲章が授与が終わったのは、20時くらい・・それから、コンサートなどのショーですから、もう長い長い・・。

 最初、パリオリンピック委員会会長のトニーエスタンゲ氏があいさつしたり、しまいには、IOCのトーマス・バッハまで現れたことには、なんかちょっと政治的な嫌な感じがしましたが、このパレードには、7万人の観客が集まったそうで、その大勢の観客もなんだか清々しい笑顔なような気がして、他のスポーツ、例えばフランス人の大好きなサッカーの祝賀パレードなどとは、違ったカラーを感じました。

 これまで知らなかったのですが、オリンピック・パラリンピックでメダルを獲得した選手(今回は187人)には、フランス国家より、レジオンドヌール勲章あるいは国家功績勲章が贈呈されるのだそうで、比類のない国際記録を持つ柔道家のテディ・リネールは、2021年からすでにレジオン・ドヌール勲章を持っているため、1ランク上のタイトルが授与されました。

 今回のオリンピックはパリで行われたので、このようなメダリストのパレードや勲章の授与式が華々しく行われましたが、これまでのオリンピックのものは、どうしていたのか?全然、記憶にありません。

 それでも、この選手たちのパレードには7万人もの人が集まり、嬉しそうにフランス国旗を振っているのを見ると、こんなにも多くの人に喜びを与えるものなんだな・・と、いま一つ、興奮できなかった私は、ちょっと冷めた感じで思います。

 しかし、オリンピックの影響というものは、すごいもので、今年は、私が通っている近所のプールでも子どものお稽古事に水泳をやらせたい!という人が激増したそうで、フランスの水泳人口が増えそうです。

 日本の小・中学校と違って、フランスの学校は、それぞれのプールは持っておらず、期間や時間をずらして、その地区の市民プールを分割で使っています。なので、おそらく日本の学校の水泳の授業時間にくらべて、フランスの学校の水泳授業時間はおそらくずっと短くて、ふつうにしていたら、水泳に接する機会はずっと少ないと思います。

 それが今回、水泳でフランス人の選手が大活躍し、特に一人でいくつも金メダルを獲得したスター選手が登場したために、一気に水泳が再注目の的となったのです。

 ともあれ、これで、本当にオリンピックは終わりです。

 そして、このような舞台が作られたところをテレビで見ると、なんだかシャンゼリゼは実際よりも小さく見えるものだな・・とへんな感心の仕方をしました。


シャンゼリゼ メダリストパレード


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2024年9月14日土曜日

日本製品で海外で是非、売ってほしいもの・・日本の薬

  


 海外在住者にとって、日本に一時帰国するときには、買って帰りたいものが山ほどあって、日本に行く前から、思いつくたびにリストアップして、日本滞在中に欲しいものを買い集めて、持って帰ります。

 私の場合は、その大部分は食料品なので、必ずしも全ての人と同じとは思ってはいませんが、逆に?外国人だって絶対に欲しいだろうし、大々的に日本から輸出して、こちらで事業展開してくれたらいいのに・・と思うものもあります。

 最近、自民党の総裁選挙の答弁などを聞いていると日本の国力が低下したとか、経済を上向きに・・などと話しているのを耳にしますが、まさに海外にいても、海外での日本製品が減ったのは、実感するところでもあります。

 一番、わかりやすいのは家電のお店で、私がフランスに来たばかりの頃、25年くらいまえは、電気屋さんに行けば、SONYをはじめとした日本の製品がずらーっと並んでいて、なんだか誇らしい気もちになったものですが、今は、日本の製品はほぼほぼみかけなくなりました。

 ルーブル美術館などに行っても、大きく日本企業が名前を連ね、ここは日本の美術館か?と思うほど、逆に興ざめな思いをしたくらいですが、それもすっかりなくなりました。

 現在、こちらで、日本企業の名前を頻繁に見かけるのは、TOYOTAくらいなもので、かろうじて、この間のオリンピックの際のスポンサーでもあったブリヂストンくらいでしょうか? あとは、日本食ブームですっかり市民権を得た感じのお醤油 Kikkomanも頑張っている感じ・・あとはマンガ・アニメですが、日本企業!というのかはわかりません。

 でも、日本に行って、ここぞとばかりにフランスに持って帰りたいものは山ほどあり、故人の嗜好で選ぶ食料品は別として、フランスで事業展開したら、きっと売れるだろうな・・と思うものは、薬です。薬といっても、やばい薬ではなく、特に私がいつも買って帰るのは、目薬とかゆみ止めの薬、胃腸薬などなどの簡単な薬です。

 目薬は、日本のように簡単に使用できる目がスッキリするような目薬はなく、また、最近、温暖化の影響で夏に虫さされが増えたにもかかわらず、即効性というか、かゆみが一瞬にしておさまるような虫さされの薬があまり、ありません。

 以前は湿布薬なども買ってかえっていましたが、とにかく、なんというか、薬というか、身体を心地よい状態にする・・程度の薬がなかなかありません。つまり、日本のマツモトキヨシとか、ドラッグストアーにあるような商品があったらいいのに・・と思います。

 薬のため、輸出入の規制があり、難しいのかもしれませんが、最近、日本に行くと、渋谷などには、たくさんのドラッグストアーができていて、免税可能!などという看板を掲げているので、外国人の需要はそれなりにあるのだと思います。

 フランスの薬局は、ビオコスメなどのお店と併設している場合はともかく、日本のようなドラッグストアのようなお店ではなく、処方箋があれば、奥から出してきてくれますが、その多くは同じ薬が横並びにいくつもある、実に退屈なお店です。

 以前は、保険でカバーされるために、薬屋さんやメガネ屋さんは、隆盛だった時期もありましたが、最近は保険にさえも入らない人も増えたためか、メガネ屋さんも数が減ったし、薬局も減少の一途を辿っているそうで、なにか起死回生の手が必用なようです。

 たしかに日本の薬局は、私は、ぜひ、買って帰りたい、目薬や虫さされの薬の他、ヘアカラーや温泉の素からキャットフードまで、欲しいものがたくさんあって、新しいものもたくさんあって、フランスのビオコスメのお店よりもずっと楽しいです。

 日本には、あたりまえのようにあるもので、海外には、ないものが実はまだまだたくさんあるので、そういう製品を作り出している日本の企業は、まだまだ海外に市場を拡大できるチャンスがあると思っています。

 他にも、日本食がこれだけ人気で、おにぎりなんて飛ぶように売れているし、美味しい日本米をバンバン輸出してほしいし、日本の多彩でバラエティに富み、便利な冷凍食品が進出したら、どれだけ人気だろう!などとも思います。

 以前の家電や自動車のように大きなものではありませんが、それでも、まだまだ、あたりまえに日本にあるもので海外に売れるものは、たくさんあると思っています。

 がんばれ!日本!


日本の薬


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2024年9月13日金曜日

ブルーノ・ル・メール財務相の素敵な政界の去り方

 


 フランスにいる以上、ある程度、フランスの政情を知ることは必要なことでもあり、また、フランス人の間では、政治が話題にのぼることも多く、まるで、その知識がないことは、恥ずかしいことだとも思っています。

 たとえ、私には、選挙権がなくとも、フランスで起こる数々の紛争や争いごとなども、政治が関わっていることも多く、その原因を理解しようとすることは必要だとも思っています。

 とはいえ、これだけ、色々なことが起こり、どんどん世の中が変わっていくなか、日々、このフランスの政治、情勢に関わるニュースを追っていくことは、私にとっては簡単なことでもなく、しかし、同時にフランスの政治の動きを見ていると、政治に関心を持つことは楽しいことだとも思うようにもなりました。

 同時に日本の政治の動きも少しは見ているので、それと比較して、色々と考えることもあります。

 とはいえ、フランスの政治に関するニュースなど、私が把握しきれる登場人物は、その時々の大統領、首相、主要官僚などで、とてもその全てを把握しきれてはいません。

 そんな中で、極めて、ミーハー的な観点から、私は、今回、辞任を発表したブルーノ・ル・メール財務相は、なかなか素敵な人だな・・と思っていました。個人的な好みではありますが、これまでフランスの政治家で、素敵な人だな・・と思ったのは、シラク共和国大統領の事務総長を務められていたドミニク・ドゥ・ヴィルパンという方で、ずっと、「カッコいい!あの人が大統領になったら、いいのに・・」と思っていました。

 一度、彼がサンジェルマン・デ・プレで家族と歩いているところに出くわしたことがあるのですが、圧倒的なオーラで思わずその家族全体のたたずまいに見惚れてしまったくらいでした。

 そして、ドミニク・ドゥ・ヴィルパン氏が政界からいつの間にか、姿を消したあとは、このブルーノ・ル・メール財務相がどことなく、雰囲気が似ていて、素敵な人だなぁ~と思っていたのです。

 今回、彼が辞任するというので、彼の経歴を見ていたら、なんと、彼は政界入りした当初、ドミニク・ドゥ・ヴィルパン氏の首席補佐官を務めており、なるほど、なんとなく雰囲気が似ているのは、そういうことだったんだな・・とハッとさせられた思いでした。

 正直、彼の政治的手腕はもちろんのことですが、それよりも、どことなく育ちが良さそうで、賢明で、話し方、立ち振る舞いがとてもエレガントであり、冷静で、という極めて、曖昧な理由です。

 ブルーノ・ル・メール氏は、直近までは、経済・財務・産業・デジタル担当大臣を7年間担ってきました。現在、内閣が解散し、首相はようやく決まったものの、内閣人事は発表されていない現在、多く(約半数)の大臣は留任を希望する中、彼は、22年間の政治の世界に別れを告げ、財務省に別れを告げ、ベルシーの財務省の中庭でスピーチを行い、集まった財務省の人々に感謝を述べました。

 彼は現在、55歳、彼がなぜ留任を望まなかったのかは、名言はしていませんが、    現在の政権・政治の流れに思うことがあるのは、確かで、ここで、ひとまず、息をつき、彼の最初の職業であった大学教授という職に戻り、今度は、最初に抗議したフランス文学だけではなく、政治や地政学などにおいても教鞭をとり、若い学生たちと議論をたたかわし、異なる場所で未来を担う人々の声を耳を傾けることができることをとても楽しみに感じていると語っています。

 彼は、ローザンヌ大学との話が進んでいるとのことで、スイスに永住か?などとの声もありますが、彼自身は、愛するフランスを捨てるつもりはないとのことです。

 現在のマクロン大統領、新しく任命されたミシェル・バルニエ首相の築いていこうとしているものがどんなものなのかは、わかりませんが、彼なりの美学を貫いての決断であったような気がしています。

 彼が辞任するというニュースを最初に見た時は、「えっ?辞めちゃうの?」と思いつつ、大臣という座にしがみつくことなく、自ら周囲に感謝しつつ、別の道を選んだブルーノ・ル・メール氏をやっぱり素敵な人だったな・・と思ったのでした。

 この挨拶を行っている彼の表情は、これまでとは、すでにすっかり変わっている感じで、すっきり、穏やかになっている気がしました。


ブルーノ・ル・メール経済相辞任


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2024年9月12日木曜日

20年間で急増しているフランス人の肥満 揺らぐフレンチパラドックス

   


 フランス公衆衛生局が発表したフランスの過体重と肥満に関する調査によると、過去20年間でフランス人の過体重、肥満が急増しており、これは、過去に例をみない増加傾向であると警告しています。

 これは、身長と体重の割合をもとに計算するBMI(ボディマス指数)を用いたもので、体重(kg)/ 身長(m²)の数字が25~30の場合を過体重、30以上の場合を肥満と定義しています。

 今回、フランス公衆衛生局が問題視しているのは、過体重と肥満以上に関するケースについてですが、BMI 30以上の肥満に関しては、1996年には男性の7%、2016年には14%を超えるまで増加しましたが、その後2017年には13%に戻りました。女性の場合、肥満は増加し続け、 1996年には 6%を下回っていましたが、2017 年には 14%に達しています。

 現在では、フランスでは2人に1人近くが過体重であり、17%が肥満であると言われているのです。

 保健当局は、過体重と肥満が主要な病気(心血管疾患、糖尿病、特定のがん、早期死亡などの非感染性疾患の主要な危険因子)のリスクを構成するものであるため、予防政策を強化する必要があると警告しています。

 肥満の原因は、座りっぱなしのライフスタイルの増加、身体活動の減少、ジャンクフードの増加などが挙げられていますが、貧因、社会的に恵まれない人々の間では、ほぼ4倍、肥満が多いというWHOの報告もあります。

 また、この増加傾向には、男女差が認められ、ある時点で男性の増加は止まり、一定の数字を維持していますが、女性の肥満は、増加し続けているという結果も注目すべき点の一つでもあります。

 この要因として、女性特有の体質的な要素、閉経期に女性に変化が生じる可能性があること、ストレス、内分泌かく乱物質、特定の人々の体重増加につながる生物学的メカニズムもたしかに理由として挙げられることも事実ではありますが、体質的なものは、以前と比べて、特に変化しているとはいえず、女性がより肥満増加傾向にある理由とは認めにくいような気もします。

 これは、フレンチパラドックス(フランス人が、相対的に喫煙率が高く、脂肪が多く含まれる食事を摂取しているにも関わらず、冠状動脈性心臓病にかかることや肥満体型が比較的少ない学説から生まれた造語)などと言われ、比較的高カロリーのものを摂取しているにもかかわらず、肥満が少ないと言われており、私も不思議に思っていましたが、その説は、もはや微妙になりつつあるということです。

 しかし、過体重程度はともかく、極端な肥満体型の人は、あまり見かけない気はするのですが、フランスでも地方に行くと、比較的、ふくよかな人が多い気がする(私の個人的な印象ですが・・)ので、パリジャン・パリジェンヌは、フランスの中では肥満は少ない方なような気もします。

 とはいえ、日本に行ったりすると、特に思うのは、日本人の若い女の子が華奢なこと・・細~い!痩せてるな~!とビックリする反面、こちらでは、食事時間外など、小腹がすいたの?と思われるような時間帯に、若い女の子がクロワッサンなどのヴィエノワズリーなどをかじっているのを見かけることが多くて(決して太り過ぎではないけど・・)、若い女の子が間食にクロワッサンとは・・カロリー気にしないのかな?などと思うことはあります。

 フランスでは、健康に気を付けて!の決まり文句みたいに「1日、5つの野菜、果物を!」と言いますが、日本人の私からしたら、たった5つ??とずいぶん、ハードルが低く思えます。

 しかし、この肥満の増加はインフレも影響しているのでは?とも思います。バランスの良い食事、健康的な食事・・を摂ろうと思うとなかなかお金も手間もかかります。

 ましてや、フランスの美味しいもの、バターやチーズやパン、ヴィエノワズリー、生ハムやフォアグラ、パテなどなど・・もうハイカロリー食品のオンパレードです。そして、これらのものが、比較的、お手頃価格で手に入りやすいものであるということは、やっぱり肥満には絶好の土壌なのです。

 そういう私は、家では、ほぼ日本食とはいえ、面倒になると、ついつい簡単に手に入るものに走りがち・・こうして警告を鳴らしてくれることは、自分への戒めとして、受け止めます。


フランス人の肥満急増


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2024年9月11日水曜日

パリは急激に秋めいてきました・・

   


 数日間、体調不良で家に閉じこもっていた間にパリは一気に秋めいてきて、うっかり半そでででかけたら、もう寒かったです。

 あらら・・ちょっとこれでは肌寒いかも・・と思って、周囲を見渡すと、もちろん半そでの人もいますが、ジャケットやコートを羽織っている人もけっこういて、中には、ダウンを着ている人や、マフラーをしている人までいるので、相変わらず、この衣替えのタイミングの早さはさすがだ・・と思いつつ、いつまでたっても、慣れずに出遅れる自分を情けなく感じます。

 衣替え・・とはいえ、最近の私は、そんなに洋服もたくさん持っているわけでもないので、年中通して、冬物も夏物も、いつも同じように洋服ダンスに入ったままなので、そのどちらもしまい込むということをしていないので、その日、何を着てでかけるか気を付けるだけなのですが、いつも乗り遅れます。

 このあたりは、この変わり目の早さは見事だと思うのですが、春から夏にかけてよりも、夏から秋にかけての方が、なんか先取りがカッコよい感じがします。なんだかこんな時に夏服だとみすぼらしい感じさえしてしまうのは、秋ならではな感じです。

 とはいえ、今は、一番、みんなの服装がマチマチな感じがして、軽装の人からダウンジャケットまで、勢ぞろいで、それはそれでパリらしい感じでもあり、好きなところでもあります。

 衣替えといえば、パラリンピックが終わったとたんに、オリンピックのロゴなどの入ったエコバッグなども、スーパーマーケットから一斉に姿を消して、新しいオリジナルのモデルが出ていたりするのも、スゴ!切り替え早い!とビックリし、そして、なんだか、ちょっと寂しい気さえしてしまいました。絶対に完売はしていないはずなのに、もう少し置いておけば、買う人もいるだろうに・・などと、せこい?ことを考えます。

 まさか、あの売れ残りは、廃棄??

 そして、もう朝は、10℃を切るような気温なので、本当に、一気に秋になった感じ・・で、あわててヒートテックを着始めました。

 9月といえば、残暑が厳しくて・・なんてことも無きにしも非ずなのですが、今年の夏は、いつまでも天気が悪い日が多く、ちょうど、オリンピックの少し前に天気がよくなって、やっと夏らしくなった感じで、かなり暑くてヒーヒーする日が2~3日だけで、酷暑に苦しむことは、あまりありませんでしたが、なんだかいつもより、夏が短かった気がします。

 これから秋から冬に向けて、気温が下がるとともに、日も短くなり、寂しい季節になりますが、最近のこの天気の悪い日が多いようになってくると余計に、フランス人が夏の間のバカンスバカンスといって、太陽を求める気持ちがわかる気がしてきました。

 そうそう・・気温の問題だけでなく、これから冬にかけては日が短くなり、朝、暗いうちから学校や仕事に行って、もう帰る頃には真っ暗という生活になるのです。この極端な日照時間の長短からも、夏の太陽の季節になると、それを満喫すべく、フランス人は躍起になるんだろうな・・と、ちょっと寂しい秋の初めに思います。


パリの秋


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2024年9月10日火曜日

言語のスイッチはキープし続けることができるか?

  


 ここ数日、また体調がすぐれなくて、もう無理は一切しないことにして、あがらわずに、家でおとなしくしていました。家にいればいたで、色々とやることはあるのですが、具合が悪いときは身体を休めなければいけないので、横になって、本を読んだり、ベッドサイドにタブレットをたてて、YouTubeを見たりしていました。

 YouTubeは、時々、どういうわけで出てきたのかわからないものが急に表れたりもするのですが、そんな時、急に、私が子どもの頃によく見ていた「奥様は魔女」が出てきて、ついつい見入ってしまいました。

 私が昔、見ていたのは日本のテレビでの吹き替え版だったのですが、その後、母が仕事で東北新社の方とお仕事をする機会があり、なぜか「奥様は魔女」の話になり、私がこのドラマが大好きだと話したら、ビデオをダビングさせてくれたことがあって、今もずっとそのビデオを大切に持っていたくらいでした。

 思いがけなく、YouTubeにあがっていた「奥様は魔女」は、吹き替え版ではありませんが、私が見たことがないストーリーのものまでたくさんあって、私は、ものすごく楽しく懐かしく、この体調不良の2日間を「奥様は魔女」を見て過ごしました。

 以前、フランスのテレビでも、「奥様は魔女」をフランス語吹き替えでやっていたのを見たことがあったのですが、フランス語版のものは、サマンサの旦那様のダーリンがジャンピエールになっていて、「ジャンピエールってなんだよ!」と苦笑した覚えがあります。

 話は逸れましたが、今、YouTubeにあがっている「奥様は魔女」は、「Bewitched」というチャンネルで見ることができますが、もちろん、英語のままで、まあ、そもそものストーリーを知っているものがけっこうあるとはいえ、英語で見ていても、なんの不自由も感じず、すっと頭に入ってくることが不思議でもあり、なんだか心地よくもありました。

 最近では、当然のことですが、あまり英語を使うことはないので、英語で話しかけられると戸惑ったりすることもあったのですが、なんだか英語がスムーズに理解できることが嬉しくもあったのです。

 そして、ちょっと体調が上向きになって、外に出かけて、自分が思わず英語で話しかけそうになって自分でもドッキリ!・・あらら、この2日間も、家でテレビのニュース等でフランス語は聞いていましたが、英語にどっぷりの生活で、頭が英語になっていました。

 とはいえ、私はそこまでネイティブのように英語が話せるわけでもなく、フランス語にしても同じことで、今は、フランス語が中心の生活ではあるけれど、本を読むのは日本語で、自分で考え事をしたりするのも日本語です。

 娘などは、完全にバイリンガルになっているし、若い時から英語、フランス語、日本語を器用にスイッチングしながら、仕事をしているのは、見事なものだと思うのですが、私は、そこまで器用に切り替えができるわけではなく、かなり意識的にスイッチングしている感じです。

 そこで、ふと不安になったのは、私がもっと歳をとって(あるいはとらなくても・・)、いつまでも、このスイッチングがちゃんとできるだろうか?ということです。

 海外生活で多くの人が不安に思うことの一つは、歳をとって、あるいはとらなくても健康を害したりした場合、長期で医者にかかったりした場合、やっぱり母国語が安心なのではないか?ということがあるように思います。

 実際に、こちらに来てから、日本人の知り合いで末期ガンを宣告されて、日本に引き上げて本帰国した人を数人知っています。

 こちらにいる友人にそんな話をしたら、どっちにしろ、医学用語なんて日本語でもよくわからないんだから、自分の症状を訴えることができれば大丈夫でしょ・・と彼女はかなり楽観的な感じでしたが、入院したりしなくとも、少しずつボケてきたら、そんなスイッチングがいつまでもできるだろうか?と、少々、不安を感じたのでした。

 まあ、そんなことばかり考えて生活しているわけにはいかないので、良いように考えれば、いつも、意識的にスイッチングしているということは、それだけ脳を使っているということで、ボケにくいかも・・などと都合よく考えたりもしています。

 しかし、語学というものは、ある程度の基礎知識さえあれば、継続的にドラマや映画などを見続けることでも、けっこう上達できるものであるだろうな・・とも思います。

 考えてみれば、私が娘にしていた日本語教育の一部は、この日本のテレビのビデオやDVDを見せ続けることで、少なくとも、小学生の間は、テレビは日本語だけしか見せないと決めており、また、子どもの頃は、同じものを(好きなドラマなど)何度も何度も繰り返して楽しんで見れる時期で、娘の日本語教育は、日本のテレビドラマに助けられてきたことを思い出しました。

 なんだか話が逸れっぱなしではありますが、好きこそものの上手なれ・・自分の好きなドラマや映画を習得したい言語でとことん見続ける・・というのは、言語習得の一つの手段かもしれません。


バイリンガル 奥様は魔女


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2024年9月9日月曜日

パラリンピック閉会式も雨・・PARIS 2024

  


 パラリンピックの閉会式をもってPARIS2024 パリオリンピック・パラリンピックは終了しました。オリンピックの開会式も雨、そして最後のパラリンピックの閉会式も雨とは、なんだか、どちらも残念でしたが、ひとまず、そのどちらも大きな事故も事件も起こらず、概ね滞りなく全てが終わったことにホッとしています。

 自分の人生の中で自分の住んでいる場所でオリンピックが開催されることなど、そうそうあることはなく、本来なら東京オリンピック開催の時も日本に行って、そして4年後のパリオリンピックもパリで見よう!と思っていたのですが、残念ながら、東京オリンピックの時は、パンデミックのために無観客のうえ、渡航も簡単ではなく、行けませんでしたが、パリオリンピックは、競技そのものの観戦はしませんでしたが、ひととおりの会場を見て歩き、それなりに、美しくオリンピック・パラリンピックに彩られた街を楽しみました。

 本当だったら、パンデミックのような異常事態であったのですから、東京オリンピックも無観客などでは行わず、いっそのこと、東京オリンピックを2024年、そして、その4年後にパリオリンピックと、ずらして行うようにはできなかったのだろうか?と本当に残念に思います。

 パリの住民にとっては、この PARIS 2024は、決して、この開催期間中だけのことではなく、このために行われたメトロなどの工事のために、ずいぶん長い間、「オリンピックのため・・」という工事が行われてきました。

 特に様々な工事に関しては、通常、フランスに工期というものはあるのか?と思うほど、工期は守られないのがふつうなのですが、このオリンピックのための工事だけは、いかにしてもオリンピックに間に合わせるためにと、必死であったことがうかがえます。

 おかげで、いくつもの路線延長や新車の導入や駅の整備、街の整備などが、いつもとは考えられない速度で進みました。

 オリンピック・パラリンピック期間中は、警備も厳重で、いつになくパリも治安がよく、また、駅や街中もきれいで清潔・・しかも、ボランティアをはじめとする多くの人々がとても親切でフレンドリーで、これがオリンピック期間中だけでなく、ずっと続くといいのに・・と思いますが、あっという間にもとに戻ってしまうことと思います。

 けっこうな雨量の中の閉会式は、大会委員長の挨拶等が長い長い・・雨の中の観客も開会式の大雨に学んだのか、雨合羽のようなものを着ている人が多い感じでした。

 開会式もそうでしたが、もはやオリンピックやパラリンピックのセレモニーというよりは、長い長いショーみたいです。

 フランスのエレクトロニックシーンから24人のDJアーティストが集結し、パリの夜へのオマージュというかたちでショーが構成されました。

 最後にこのオリンピック・パラリンピックを締めくくるオリンピック聖火はチュイルリー公園で最後の飛行を終えると、次回開催地のロサンジェルスに受け渡されました。

 今回のPARIS 2024 パリの様々な場所、コンコルド広場やグランパレ、ヴェルサイユ宮殿まで利用されたことも、とても美しいものでしたが、今回、このために設置されたチュイルリー公園の聖火台となった気球は、想像以上に美しく、これで見納めというのだけは、少々残念な気もします。

 この気球を残してほしいという声も多いようですが、この決定は国に委ねられているものの、元来、長期間維持するように設計されていないということで、これを維持するためには、技術的な問題で今のままでは不可能で、作り変える必要があるようです。

 しかし、これを作り変えるにしても、少なくとも気球のボールだけでも保管しようという声もあるそうです。

 いずれにしても、これで一段落、来週末には、フランスのオリンピック・パラリンピックの選手たちを讃えるパレードがシャンゼリゼであるそうですが、そこでPARIS 2024は終了です。

 ライブでこのオリンピック・パラリンピックを味わえたのは、やっぱり楽しかったけど、お祭り騒ぎがあまり得意でない私としては、やっと終わってホッとするところでもあります。


パリ・パラリンピック閉会式


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2024年9月8日日曜日

マクロン大統領 ノートルダム大聖堂の現代ステンドグラスプロジェクト再始動

  


 2019年4月に起こった火災のために、閉鎖されているノートルダム大聖堂が再開されるまであと3ヶ月という最終段階に入っている中、9月に入って、文化相は、ノートルダム大聖堂の現代的なステンドグラスの窓を創造する責任を負う選ばれた8人の芸術家の名前を発表し、このノートルダム大聖堂の現代ステンドグラスプロジェクト問題が再浮上し、炎上しています。

 昨年12月にマクロン大統領がノートルダム大聖堂の修復工事現場を視察した際に「身廊の南側、セーヌ川側にある6つの礼拝堂に、19世紀のものから現代的なステンドグラスの窓に取り換えてを設置する」「大聖堂の現代的なステンドグラスの窓が「21世紀の象徴」となるように作られる」と発表。

 このプロジェクトはすぐに、文化遺産界や建築界からの大きな反発を引き起こし、国家遺産建築委員会(CNPA)は、40名の専門家委員会を招集し、全会一致で反対意見を表明しているにもかかわらず、政府はこれを全く無視した感じでこのプロジェクトを諦めるつもりは全くない模様です。

 国家遺産建築委員会(CNPA)は、1965年にフランスが署名したヴェネツィア憲章として知られる記念碑や遺跡の保存と修復に関する国際憲章に基づくもので、同憲章は歴史的建造物の修復に関する規則を定め、よく保存されている古い要素を現代の作品に置き換えることを禁じていると説明しています。

 マクロン大統領は、文化遺産の専門家のアドバイスにもかかわらず、ノートルダム大聖堂に現代的なステンドグラスの窓を設置したいと主張し続け、強引に推し進めようとしていると、反発の声は激しくなっています。昨日、X(旧Twitter)のトレンドにマクロンがトップを飾っていたので、首相任命の話かと思ったら、もちろん、その話もあるのですが、このステンドグラス反対の声もかなりあって、なんか、あらゆる場面で彼の強引さが国民に受け入れられていない感じがしました。


 「怪しげなシンボルだらけのオリンピック式典の後、同じ妄想で大聖堂を汚したいようだ!」、「それは歴史的記念碑であり、フランスのキリスト教徒の魂の一部であり、目覚めた悪魔崇拝者の気まぐれのため​​の絵画ではない!」など、かなり辛辣な声が上がっています。

 しかし、このプロジェクトのために実際に火災の影響を受けなかったステンドグラスは機密扱いになっており、これらは、将来建設される大聖堂の歴史を専門とする博物館に展示される予定になっていると言われています。

 この現代ステンドグラスに置き換わるためにはずされたステンドグラスに対して、国家遺産建築委員会(CNPA)は、「こんな不合理は受け入れがたい!これらのステンドグラスは大聖堂建築全体の不可欠な要素として、その場にあるからこその価値であり、他の場所で保存すればよいというものではない!」と怒りをあらわにしています。

 この現代ステンドグラスプロジェクトに反対するのは、国家遺産建築委員会(CNPA)だけではなく、彼らが提出している嘆願書には、15万人の署名が集められています。

 私もこの現代ステンドグラスには、反対、フランスの歴史的建築を現代アートで塗り替えるのは、どう考えてもおかしい話。もしも21世紀の象徴を表現したいのなら、別に作ればよい話で、文化遺産を崩してよいことでもなく、また、何より、国家的文化遺産であるとともに、ノートルダム大聖堂は宗教的な場所でもあり、それに政府が強引に介入するのも異様な気がします。何よりもこんなに多くの専門家の意見を全く無視して・・。

 このステンドグラスプロジェクトだけではなく、最近のマクロン大統領・・突然の国民議会解散や選挙、そして、誰もが想像しなかった首相任命など、どうにも他の意見を無視して独走している感が拭えないことが不安です。


マクロン大統領 ノートルダム大聖堂ステンドグラス


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2024年9月7日土曜日

慈善団体アベ・ピエール財団 新たな性加害発覚で名称変更、記念碑撤廃へ

  


 フランスでの慈善活動の大きな柱の一つとなっているエマウスやアベ・ピエール財団を設立したアベ・ピエールの50年以上にもわたる性加害・性暴力事件が表沙汰になったのが、今年の7月の半ば頃のことでした。

 アベ・ピエールは、貧しい人々の救世主的な存在であっただけに、この性加害・性暴力の犠牲者がこの貧しい人々や子どもたちであったことは、さらに衝撃的な話でした。また、これまでも被害者が訴え出たことが少なからずあったにもかかわらず、この財団内で揉み消しのようなことが行われ続け、公にならなかったことも問題を長期化、深刻化させたとして、大きく問題視され、現在のアベ・ピエール財団の代表は、この問題に対して、激しい怒りを表明し、独立した調査委員会を立ち上げ、問題追及、事態の解明に努めることを宣言していました。

 最初の暴露から、ほぼ2ヶ月後、財団は、さらに17件の新たな被害者の証言が認められ、アベ・ピエール財団の名称を変更し、アベ・ピエールが埋葬されている村、エステヴィル(セーヌ・マリティーム県)にある記念碑を撤廃することを発表しています。

 なんといっても、アベ・ピエールはすでに亡くなっているため、本人を告発することはできませんが、このさらなる17件の証言では、「胸への一方的な接触」、「強制的なキス」、「強制的なフェラチオ」だけでなく、「弱い立場の人への性的接触の繰り返し」、「性的挿入の繰り返し」、さらに「子供との性的接触」などの、なかなか重たい内容で、報告書では、50年近くこの行為が続けられてきたとしており、被害者女性は、子どもから成人までに及び、本人が90歳を過ぎて、車椅子で生活するようになっていた時でさえも続いていたとされています。

 これらの証言によると、被害は1950年代にまで遡り、そのほとんどはフランス国内で起こったことでしたが、時には米国、モロッコ、スイスなどでも被害が報告されているとのことで、もう言葉を失う感じです。

 アベ・ピエール財団、エマウス・フランス、エマウス・インターナショナルは「犠牲者に対する全面的な支援」を再確認し、証言者の勇気に敬意を表し、彼らの味方であることを保証することをプレスリリースで発表、サポートシステムは年末までオープンで利用可能であるとしています。

 しかし、逆に、50年も続いたこの性加害行為に対してのサポートシステムが、年末まで利用可能・・ということは年末にはクローズしてしまうとは、どういうことかと思ってしまいます。

 日本のジャニーズ問題は、今、どうなっているのかわかりませんが、長い間、内部で隠蔽されてきたことや、生前は、やたらと本人を奉りあげるような感じがあったり、その実、本人がやってきたことは、えげつないことこのうえなくて、また、アフターケアーや補償についても、どうにもすっきりしないことまで、なんだかよく似ているような気がします。

 そのうえ、アベ・ピエールに関しては、慈善事業の創始者・カトリックの司祭というのですから、つくづくウンザリさせられる話です。

 それでも、彼の作った貧しい人々を助けるためのこの団体やエマウスなどの仕組みは、今でもフランスの中で機能し続けているもの・・、とはいえ、今となっては、おぞましさしか連想できないこの彼の名前の入った団体名を変更するとのことで、それは当然と思いつつ、これまた、ジャニーズを連想させるのでした。


アベピエール


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2024年9月6日金曜日

ようやく首相任命 史上最年少の首相の後は・・73歳 ミシェル・バルニエ氏

  


 突然の国民議会解散選挙から、2ヶ月間、空席になっていた首相の席。ようやく任命されたのは、史上最年少の首相とは正反対?の1951年生まれの73歳という最近の人事からしたら、かなり年長(第5共和政では最年長)のミシェル・バルニエ氏に任命されました。

 フランスの首相は、大統領によって任命されますが、通常、国会の過半数に属する政党の出身の者が選ばれるのが通例です。大方は、大統領陣営の人間が務めることが多く、任命もスムーズにいくのですが、今回は、選挙の結果、過半数に達する政党が不在となり、そのうえ、過半数には達しないとはいえ、第一党となったのは、新人民戦線(NFP)であり、少なくとも、最大勢力となったこの党から首相が任命されるものと思われていました。

 パリオリンピックを理由になかなか首相任命に踏み切らなかったマクロン大統領は、オリンピックが終わるころには・・と、当初は説明していましたが、オリンピックが終わっても、ずるずると決まらず、新人民戦線(NFP)はルーシー・カステッツという女性を首相に推薦しており、これには、マクロン大統領も依存はなく、エリゼ宮は彼女を首相に迎える準備ができている・・などという報道が流れましたが、結局、マクロン大統領はこの提案を却下。

 その後、次から次へと様々な人の名前が挙がっていましたが、噂ばかりで、マクロン大統領は、口を閉ざしたままで、もうニュースを追うのも疲れてきた・・と思っていたところでした。

 前任のガブリエル・アタル氏が任命された時は、彼はマクロン学校のミルクを飲んで育ったマクロンベイビーなどと言われるほどのマクロン直結の人物で、当時、甘いマスクで人気者だった彼の人気に乗っかり、そのうえ史上最年少の首相ということで、話題を呼びました。史上最年少の首相は、8ヶ月間でその任務を終えました。

 しかし、今回は最年少とか、人気に乗っかるとか、そんな悠長な話が通用するような政情ではなく、考えてみれば、これほどやりにくいタイミングというか立場の首相というのもそうそうない気がします。

 結局、マクロン大統領が選んだのは、第一党の新人民戦線(NFP)でも、マクロンの政党でもなく、議会選挙で最下位だった政党の議員です。

 ミシェル・バルニエ氏は、ここ最近には、あまり前面に出て話題をさらうことはなかった人物ではありますが、1993年にエドゥアール・バラデュール政権の環境大臣として初の大臣職に就き、その後、シラク大統領とサルコジ大統領の下で大臣を3度務めた経験豊富な人物とのこと。

 英国のEU離脱の時には、ブレグジットの交渉担当者として、難しい交渉に臨む非常に難しい仕事が注目されネゴシエーターとしての力量が注目され、今回の任命もそのあたりの能力に期待がかけられたのかもしれません。

 しかし、常識的に考えれば、第一党である新人民戦線(NFP)から、首相を任命するのがまあまあ、妥当なところと思いきや、それをしないことで、当然、新人民戦線(NFP)は「マクロン大統領は議会選挙の結果を公式に否定した!」と真っ向から否定、このミシェル・バルニエ氏本人の評判は、そこそこなのに、この首相任命については、かなり炎上しています。

 とはいえ、首相は大統領が任命することになっているため、首相が任命された以上、その首相を中心に内閣が組閣されていくものとみられます。

 それでも、「マクロン大統領は、独裁を続けようとしている!」とか、「マクロン大統領は「ジュラシック・パークをやっている=化石を探しに行っている」とか、「化石であるだけでなく、政界の化石となった人物を首相に任命した!」などと非難の声も上がっており、73歳で化石扱い・・と、ちょっと啞然としてしまいました。

 もう、話がヒートアップしすぎて、話は2027年の大統領選の話まで出てきて、まだ3年先のことなのに、今後のマクロン政権、どうなっていくのか?全く先が見えないどころか、いつもは、饒舌すぎるくらい国民の前に出て話すマクロン大統領が全く出てこないのは、どうしたことなのか?と思います。


フランス首相任命


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2024年9月5日木曜日

突然の停電の理由

  


 昨日は、午前中に仕事を済ませて、食事してから外出しようと思っていました。

 ところが、仕事が一区切りついたところで、突然、ネットが繋がらなくなり、「えっ??」と焦ったのですが、まあ、ネットがなぜか繋がらなくなることは、そんなに珍しくもなく、しばらく待っていれば、勝手に復旧するので、「またか・・」と思って、余裕で構えており、じゃあ、続きは食事の支度をしてからにしようと思っていました。

 ところが、食事の支度をしようと冷蔵庫を開けてみたら、冷蔵庫の中が真っ暗で、その時、初めて停電していることに気が付きました。

 昼間なので、部屋の電気をつけていたわけでもなく、テレビをつけていたわけでもないので、まさか停電とはすぐには、気が付かなかったのです。

 そこで、ブレーカーが落ちているのか、見て見たら、そういうわけでもなく、特に電気を使っていたわけではなかったので、何で突然、停電したのかがわからず、アパートのどこかで工事でもしているのか?とか、地域の停電?なのか?とそれでも、まだ、少し、様子を見て見ることにしました。

 幸いにも、急ぎの仕事は片付けていたので、焦ることもないか?と思いつつも、停電となると、とりあえず一番、心配なのは冷蔵庫の中身で、今はそんなに暑くないとはいえ、やっぱり、そうそう余裕で構えているわけにもいかず、すぐに管理人さんにSMSを送りましたが、すぐに既読になりません。

 少しベランダの野菜の手入れなどをしたりして待ちながら、それでも連絡がないので、今度は、彼女に直接、電話をして、それでも留守電になったので、メッセージだけ残して、待ちました。

 平日の日中なので、夜までにはなんとかしなければ・・と少々、焦り始めると、やっと、「OK!あと15分で行きます!」と返事がきて、一安心。

 うちのアパートの管理人さんは、とっても感じのよい女性で、これまでも幾度か助けてもらってきました。彼女が来ると、ブレーカーを確認し、キッチンの電源タップコンセントをチェックすると、「たぶん、これだと思う!」と、そのコードを外して、電気をつけてみると、あら不思議、あっという間に電気は繋がりました。

 問題だった電源タップコンセントが古くなり、汚れなどで、危険な状態になると、電気が繋がらなくなるそうで、すぐに、カーフールかルロワメルランにいって、新しい電源タップコンセントを買ってきなさい・・できれば、赤いランプをつけたり消したりできるものの方がよい・・と。Action(アクション)はやめておいた方がいいと・・。つまり、この類のものは安物は避けた方がよいという意味だと思いますが、あまりに具体的に店名を言うので、少々、笑ってしまいました。

 電気製品は、壊れたら、仕方なく買い替えるし、どのくらい使っているか、だいたいの記憶はあるのですが、電源タップのコンセントは、壊れていることに気が付かないので、気をつけないと、火事になったりするから、気を付けて、時々、意識的に取り換えたほうがよいとのこと。

 電気のコードなど、そういえば、もうずっと取り換えていないし、おおもとのコンセントがどこだったかも家具に隠れてわからなくなっているくらいで、慌てて、コードを買いに行って取り換えようとすると、もうそれは、恥ずかしいほど埃だらけで、このタイミングに掃除しないでどうするの?という感じで、2ヶ所のコードを変えるのに家具をずらしたりしながら、大格闘して埃まみれになりながら大掃除。

 彼女のおかげで電気は復旧し、午後半ばの時間には、どうにか、もと通りになりました。

 電気系統などのトラブルには、めっぽう弱く、今までは夫や娘に頼りきっていたのですが、二人ともいなくなってしまったので仕方ありません。

 こうして、電源タップコンセントにも寿命があることをまた一つ、学んだ・・と思い、これからは、定期的に交換し、コンセントの電源まわりも、こんなに埃だらけにならないように掃除しなければ・・と思わせられたのでした。

 この電源タップコンセントというの名前が日本語でよくわからなかったので、ネットで調べてみたら、この電源タップコンセント・・日本のものは、そもそも電源のコンセント自体も小さくてスッキリしていることもあり、実にスマートで便利そうなものがたくさんあって、「へえ~~さすが日本!いいなぁ~」と思いました。

 しかし、それにしても、結果的には大したことをしたわけでもないのに、ハプニングでグッタリ疲れた一日でした。


停電 電源タップコンセント


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2024年9月4日水曜日

治安のよい日本におぼれている娘

  


 フランスで育った娘が日本で就職して、早や2年が経ちました。生まれた時から、日本語はしっかり教えようと、私としては、かなりしつこく娘への日本語教育だけは諦めずにずっと続けてきたので、その日本語も使えて、フランス語も英語も使いながら、現在、彼女が仕事ができていることは、私にとっては、何より嬉しいことです。

 小さい頃から、学校の長いお休みの時には、毎年、日本に連れて行っていたので、ある程度は、日本のことをわかっていたとは思いつつ、日本で生活を始め、しかも日本で仕事をするとなると、フランスとは習慣も文化も違うことがたくさんあり、さぞかし、困惑することもあるかも? そして、日本人の生活に馴染めるのだろうか?と親としては、心配なこともありました。

 彼女の仕事は、リモートワークが多いのですが、会議などで、「「お疲れ様でした・・」と言われるけど、何と答えればいいのかな?ほんとに疲れてはいるんだけど・・」などと聞かれて、「ああそうそう・・それは、挨拶みたいなもので、本当に疲れているかどうかの問題じゃないよ・・お疲れ様でした・・と言われたら、同じようにお疲れ様でした・・と言えばいいよ・・」と答えながら、そういえば、そういった、日常では何気なく使う言葉というか習慣のようになっている言葉があるんだな・・と苦笑した覚えがあります。

 最初に日本で生活を始める時には、家のことやら、最初に生活を始める最低限の手続き等のお手伝いをして・・と思って。一瞬だけ、ついていったのですが、習うよりは、慣れろ・・と言う感じで、彼女は仕事をしながら、そして、少しずつ友人を作りながら、遊びながら、少しずつ日本の生活に慣れていき、短い間に彼女は、転職までして、さらに良い条件の仕事を見つけ、日本での生活を存分に楽しんで、また、しっかり仕事もしているようです。

 彼女とは、たまに電話で話をしますが、そんな時、一応、尋ねることがあるのですが、「最近、なにも失くしていない?」ということで、我が娘ながら、本当にしっかりしている子なのに、なぜか、以前から、物を失くすことが多く、もう「え~~また~~??」ということが、時々、あります。

 まあ、人生の大事な部分がしっかりしていれば、よいのですが、やはり、日本に行っても、たまに思い出したように、「最近は、なにか失くしてない?」と聞くと、まあ、相変わらずやらかしているようで、ため息をつくしかありません。

 ただし、日本の場合だと、それが見つかる可能性が高いため、だいたいは、お財布だったりするのですが、最後に使った場所はどこだったか?を思い出して、聞きに行ってみると、たいていはでてくるため、もう慣れてしまって、最近では、「また、やっちゃった!」と思いつつも、「えへへ・・」くらいな感じになっていて、自分でも全然、焦っていないことに気が付いて、「えへへ・・じゃないよな・・」と自分で自分に突っ込みを入れているのだそうです。

 本当に「えへへ・・」じゃないです。そんなことがまかりとおるのは、世界広しと言えども日本だけ、「もうフランスでは生活できないよ・・」と。フランスだったら、失くさなくても盗られたりして失うこともあるというのに、そんなフランスで育った娘が今や日本の治安モードにどっぷり浸かってしまっているようです。

 もちろん、ふつうに日本人がそんなに娘のように忘れ物などをするというわけではないでしょうが、忘れ物を見つけても、ちゃんと取っておいてくれたり、しかるべきところに届けてくれるという・・こういうところは、日本人の倫理観の高いところです。

 日本の生活にしっかり馴染んでるかと思いきや、そんな慣れ方をしてしまっているとは、まったく想像外の慣れようです。

 私はフランスでも、落とし物を見つけたら、受付等に届けに行くようにしていますが、「えっ?なんで?」というような顔をされることさえあるので、届けたところで、後から探しに来た人の手に渡るかどうかも微妙な気がしてしまいます。まったくそんなフランスで育ったというのに、娘ときたら・・。


日本の治安


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2024年9月3日火曜日

新年度の始まりで開始される制服導入と携帯電話禁止のテストケース

    


 フランスにおいて、ここ数年、話題にのぼっていた小・中学校の制服導入の試験的試みが70校を含む90の施設で開始されているようです。

 2年くらい前に、最初に公立小・中学校での制服導入の話が上がり始めたときには、「フランスの学校で制服?冗談でしょ!」と思ったくらいあり得ないだろうと思っていたことが、あっという間に実現に向けて、とりあえずは試験的にとはいえ、開始されたことに驚いています。

 これは、全国的にこの試験的な試みを行う学校を募集したうえで、学校側の賛同が得られた学校で行われ始めたことで、自治体と州がこの費用を負担しており、保護者には、一切、資金的な負担がかかっていないそうです。

 この制服の組みあわせについては、以前の段階では、多くはポロシャツ、パンツ、スカート、セーターなど比較的ラフな感じと聞いていたのですが、地域によっては、これにジャケット、ブレザーなどが追加されており、一人につき、合計9点の衣服が支給されているところもあるようです。


      


 男女別でもあり、また、季節を考慮しなければならないこともあり、またサイズ合わせなど、また一年の間の成長の過程などもあり、その生徒一人一人用に合わせた制服キットを用意するだけでも大変な予算と労力が必用となり、労力の面は特に、これをフランスの学校の先生がよく了承したな・・とも思います。

 この制服導入のテストケースの運営には、最大50%がコミュニティによって資金提供され、残りは国家が担うことになっており、国の教育機関が発表した費用は制服キット1個あたり(1人当たり)200ユーロと言われています。

 各自治体は、地元のコミュニティと対話しながら、制服を定義し、細かい衣装ひとつひとつは、教師チームと生徒の保護者の間で数回の会議を経て選ばれているそうです。

 このテストケースに参加している自治体は、「学校の制服は単なる規制上の服装ではなく、教育環境においても重要な役割を果たすものでもあり、規律上の側面を越えて高品質の衣服としての紛れもない利点も備えている!」と胸をはっています。

 このテストは、少なくとも2年は継続される予定だそうで、これが成功すれば、2026年には、一般化する可能性があると言われています。

 また、この制服導入とセットのように語られているのが、「学校内での携帯電話使用禁止」の流れで、これには、具体的な予算等は、さほどかからないうえ、ネットによるイジメ問題の深刻化などからも比較的、好意的に受け取られています。

 今や小中学生、特に中学生ともなれば、携帯を持っていない子を探す方が大変なくらいですが、学校に入る際に学校側が携帯を預かり、まとめてロッカーに保管。子どもたちが帰る際に子どもたちに返却するという方法をとる学校が多いようです。

 これには、保護者側も、子どもたちの登下校の際に所在確認ができればよいので、校内にいる間に携帯を使用せずに、学校での授業や他の活動に集中できることは、よいことだ・・と受け入れている人が多いようです。

 携帯電話に関しては、そもそも、10年、いや15年くらい?前までは、そんなものは取り上げるまでもなく、子どもたちは、携帯など持っていないのがあたりまえだったのですから、本来ならば、全然、問題ないはずどころかじゃまなもので、学校にいるときくらい、携帯を覗かずに、授業に集中し、友だちと話したり、遊んだりする時間は、必要だと思います。

 私は、ほぼ日本で教育を受けて育ちましたが、制服のある学校に行ったことがないので、余計に制服というものに、ピンと来ないのですが、とりあえず、これが良いのか悪いのか?試してみるというのは、よいかな?とも思います。


新年度の小中学校制服導入と学校内携帯電話禁止


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2024年9月2日月曜日

オリンピックが終わってもエッフェル塔の五輪マークは据え置きになる?

  


 現在は、パラリンピックが開催中なので、オリンピックで彩られたパリの街は、なんとなくオリンピックムードのまま、なんとなく華やかで、ついこの間、オリンピックが終わって、このオリンピックモードの看板や表示やマスコットなどが消えたら、なんか寂しく感じるかもしれないな・・とちょっと思っていたところでした。

 しかし、オリンピックはオリンピック、いつまでもその特別なデコレーションが変わらないままなのも、それはそれで、また別の新しいもので彩られることが妨げられるので、お祭りはお祭り、期間限定だからこそ、よかったというのもあるだろうな・・とも思っていました。

 ところが、なんとパリ市長が「エッフェル塔に備え付けられた五輪マークはオリンピック終了後も据え置きにする」と発表し、ちょっと驚いています。

 すでにもうIOC(国際オリンピック委員会)の了承を得ているとパリ市長は説明しているものの、これには、賛否両論が起こりそうな気配です。

 そもそも、エッフェル塔はフランスのモニュメントとして、シンボル的な存在です。パリオリンピック開催にあたって、エッフェル塔に五輪マークが設置されたことは、なんら異論はありませんでした。

 しかし、それをオリンピック終了後も残すとなれば、モニュメントとしてのエッフェル塔の姿を変えるということになります。

 私もこのオリンピックにあたって、今しか見られないパリの景色の一つとして、期間限定の特別な姿として、今だけ!と、五輪マーク付きのエッフェル塔の写真を撮りに行ったりもしましたが、まさか、その前のオリジナルのエッフェル塔の方が貴重な姿になってしまったとは・・なんか、少々、残念な気もします。

 また、このアイディアは、観光客にも必ずしも評判がよくはないようで、「現在、オリンピック開催中のエッフェル塔の五輪はいいと思うけど、ずっとこのままのエッフェル塔を見たいとは思わない・・」という意見もあります。

 最終的には、誰が決めるのかはわかりませんが、オリンピックが終わればもう終わり・・と言う方が潔い気がします。



 一方、個人的には、エッフェル塔の五輪マークよりも、チュイルリー公園にできている気球の聖火台の方を残してほしいと思うし、こちらの方は新しくできたもので、何より、とても美しいし、こチラの方が、オリンピックの記念碑として、新たな観光名所になるのではないか?と思っています。

 こちらの方は、国有地であるために、決定権は大統領にあるそうです。


エッフェル塔の五輪マーク


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