2022年7月31日日曜日

森林火災の放火犯は消防士だった!しかも、数年にわたる常習犯だった!

  


 夏になると森林火災が発生するのは、フランスに来てから、毎年のことで、日本では、あまり森林火災の被害をあまり聞いたことがなかったので、こんなに毎年毎年、山火事が起こることが私にとっては、不思議でもありました。

 特にここ数年、地球温暖化による猛暑が続き、異常に森林が乾燥していることも手伝って、一度、燃え始めた森林の火は、瞬く間に広がり、何万ヘクタールも焼けてしまうとか、消火に何日もかかるほどの大規模な火災に発展し、今年の夏などは、テレビのニュースなどでは、いつもどこかの森が燃えている映像が流れ続けていました。

 こんなに度重なる森林火災も、まさに火のないところに煙は立たないわけで、自然に発生することはなく、キャンプの火の不始末や放火が原因であろうと言われていました。

 それが、今年、何件も発生している森林火災のうちの一つ、エロー県(オクシタニー地域圏・モンペリエの近く)で発生した森林火災の放火犯が逮捕され、それが、こともあろうに消防士であったという事実を聞いて、驚いています。

 森林火災後の捜査により、この付近での森林火災での複数の火事の発端で、彼の車が目撃されており、嫌疑がかけられた結果、この37歳の消防士が犯行を自供したということです。彼は20年間も森林消防隊員として勤務していた人です。火を消すはずの人が火をつけていたのですから、もう呆然です。

 彼は犯行の動機を、消火活動を引き起こし、人々から賞賛されたかった(社会的認知を得たかった)・・、抑圧的な家庭環境から逃れ、火災から誘発されるアドレナリン欲しさ、つまり、火が燃えるのを見て、興奮を味わい現実逃避したかったためだったと話しています。

 彼の犯行には、多くの同僚が彼に対する嫌悪感と裏切りを感じていると話しています。それはあたりまえです。命の危険を冒して仕事しているのに、自分達の仲間だと思っていた人が犯人だったなんて・・。

 驚くことに彼は、今年は、短い期間に2回も放火しており、過去3年間に何度も放火したことを認めています。つまり、常習犯だったわけです。

 火が燃える光景は、時に人の心を癒すなどともいわれ、人間の本能にも通ずるところがあり、YouTubeなどでも、「よく眠れる夜通し焚き火」などの映像があったりしますし、キャンプファイヤーなど、みんなで火を囲んで集ったりすることもあります。

 しかし、普通は人に迷惑をかけない範囲内でのことで、ましてや彼の仕事は消防士。当然、火が燃えている場面を目にする仕事ですが、それを故意に起こすことなど決してあってはならないことです。

 フランスでは、デモや暴動などが起こって、何かあるとすぐにゴミ箱が燃やされたり、車が燃やされたり、時には銀行などが燃やされたりすることもあり、火をつける、放火行為はそれほど珍しいことではありません。

 しかし、彼の場合はその火を消すという仕事の消防士、自分で火をつけて、その火を消して賞賛を受けようとする自作自演?は、普通の放火とはまた、別格の問題、極めて悪質です。

 今回の事件は、消防士の採用方法への問題も投げかけています。消防士の採用にあたっては、身体的・精神的な健康診断があり、採用後も年1回の健康診断の受診も義務付けられています。

 彼のように、賞賛を得たいため、火を見て興奮したいために火をつけるという状態は、常軌を逸していますが、彼のような精神状態を健康診断で見抜くことは非常に困難なことです。普通、消防士にそのような欲望があったとしても検査にはそんな欲望は隠して検査に臨みますから・・。

 全国消防連盟は採用時にすべての犯罪記録の閲覧を求めているとしていますが、彼が放火を始めたとしているのは、消防士になって、10年以上経過してからのことです。

 検察庁は、彼の身柄を拘束し、「人を身体的危害にさらす可能性の高い状況で、他人の所有する森林、湿原、低木林または植林地を破壊した」ことについて司法調査を開始しました。

 これらの行為は、15年の禁固刑と15万ユーロの罰金に処せられます。



森林火災放火犯 消防士


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2022年7月30日土曜日

パリ8区の高級レストラン人種差別問題で大炎上

  


 パリ8区のアヴェニューモンテーニュ(高級ブティックが並ぶ有名な通り)にある高級レストランで3人の若い女性が、予約していたにもかかわらず入店を拒否され、人種差別であると訴えて、その模様をTikTokに投稿したことから、この映像は、あっという間に65万回再生され、大炎上し、ついには、出身、民族、国籍に基づく差別で検察庁の捜査が入る大騒動に発展しました。

 この騒動は、ペルーのカクテルと料理のレストランで、レストランの警備員とパリを訪れたモントリオールからの客3人が口論になったことに端を発しています。そのうちの1人がTikTokに投稿した動画には、レストランの入り口で警備員と口論している様子が映っています。

 警備員は、彼女らの服装が「ソワレに適さない」といって、中に入れるのを拒否しています。若い女性3人は、ハイヒールを履いています。彼女らによると、警備員が肌の色を理由に入店を阻んだと訴えていて、ビデオには、服装に関係なく問題なく施設に入ることができた他の白人も映っており、別の黒人カップルはカナダ人の友人3人と同じ理由で入店を拒否されています。

 これが現実だ・・と映像の中で彼女らの一人が叫び、「これが私の初めての人種差別の経験だ」と付け加えています。

 彼女らのSNSでの訴えが異常な拡がりを見せたため、このレストラングループはInstagramとFacebookで謝罪。「私たちは、すべての人に平等、尊敬、寛容、博愛を持って接しております。このようなことが起こったことには、私たちもまた、ショックを受け、この応対をしたサービス会社に雇われた警備員によるこの行為を逆に非難。

「私たちが彼に依頼したのは、泥酔者や薬物を摂取した人の入店を拒否することだけだった」と逆に凶弾し、この応対にあたった警備員を解雇したことを発表しました。

 しかし、この謝罪のコメントには、再び否定的なコメントが殺到し、結局、削除せざるを得ない状況に陥りました。また、解雇された警備員もまた、黙ってはおらず、テレビの取材に答える形で、「自分は上司から、グループの方針に従って、多くのアフリカ人、多くの北アフリカ人を入れてはいけない」と指示されたと語っています。

 これに対してレストラン側も「そのような事実に関する注意喚起が行われたことは一度もなく、情報伝達の不備があった可能性があることをお断りしておきます。」と反論していますが、どちらにしても、映像としての証拠が記録されていることから、誰の判断による入店拒否にせよ、差別が存在することは事実なのです。

 このような騒ぎはこれが初めてのことでもなく、以前に、同じくパリ8区のレストランで、「アラブ系の名前」や「中東から来る観光客(対象国はカタール、アラブ首長国連邦、バーレーン、サウジアラビア)」の予約を拒否し、「アラブとベールの女性」を排除した差別的システムを構築していた」ことが告発されたことがありました。

 その度に、同じような問答が繰り返され、レストラン側はとかげのしっぽ切りをして、言い訳をして、人権擁護団体などが騒ぎ出すのですが、残念ながら、フランスの人種差別問題は根深く、止むことはないのです。

 それが、高級レストランであればあるほど、その傾向は著しいような気もします。

 日本人(アジア人)とて、決して差別されないわけでもなく、入店拒否とまではいかないまでも、末席に配置されがちだという話などもよく聞く話です。

 めげずに、あっちの席にしてほしい・・とか、率直に言えば、解消されることも多々あるので、黙って我慢せずにしっかり意思を伝えるか、予約の際に席の場所を指定などして、できるだけ嫌な思いをしないようにすることもできます。

 いずれにせよ、黙って我慢するということは、フランスではやるべきではないのです。


パリ8区高級レストラン人種差別問題


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2022年7月29日金曜日

ひまわりオイルの次はマスタードがない! フランスのマスタード不足

  


 

 ウクライナでの戦争が始まって、そろそろ半年近くなります。物価がどんどん上昇したり、スーパーマーケットの棚からひまわりオイルに始まって、あらゆる食用オイルが消えたり、出てきたと思ったら、値段が急上昇しているにもかかわらず、飛ぶように売れたりと、今まで見たことのなかった現象が起こっています。

 ここ数ヶ月の間、スーパーマーケットに買い物に行くと、マスタードの棚がガラガラになっていることがあって、最初は、「え??出し忘れてる??」(フランスの場合、そういうこともあり得る)と思ったものの、しばらくすると、また、置いてあるけれど、今度はスカスカで・・、次に行くと「えっ??また、ないの?」ということが続いて、ようやく、今、フランスではマスタードが不足していることに気がついたら、「マスタード不足」という報道が始まって、これからさらに買い占めが始まるのでは・・と案じています。

 フランスで美味しい食べ物といえば、バターやチーズ、生クリームなどの乳製品やパンやお菓子などを思い浮かべる人が多いと思いますが、私がフランスに来て以来、目覚めた食品の一つは、マスタードでもあります。

 色々なマスタードを試してみると、マスタードというものは、それぞれに香りといい、味わいといい、なかなか奥深く、美味しいマスタードに出会うとちょっとテンションがあがります。

 とはいえ、私自身は、普段、家で食事をしている限り、和食あるいは、日本の食卓に近い食事に偏りがちなこともあり、それほどマスタードを使うわけではないのですが、フランス人の夫などは、かなりマスタードを消費します。

 とにかくステーキなどにはもちろんのこと、茹で野菜などにマヨネーズの代わり?と思うくらいにつけて食べ、食後もいじましく、マスタードを舐めたりするのに最初はびっくりしたくらいでした。(なぜか、彼はマヨネーズを身体に悪い食品として、目の敵のように思っているので、マヨネーズも好きな私としては、ちょっとムッとするくらいでした)

 しかし、やはり、食べつけてみると、マスタードというものは、なかなか味わい深いものでもあり、習慣化すると、欠かせない食品でもあります。

 おそらく、フランス人にとって、マスタードは日本人にとってのお味噌とかお醤油のような存在で、普通にそのまま何かにつけて食べる以外にもサラダのドレッシングに使ったり、フランス料理のソースにも結構、使ったりするので、一般のフランス人家庭は相当量のマスタードを消費していると思われます。

 スーパーマーケットに行っても、マスタードの棚は種類がいっぱいで、どれだけフランス人がマスタードを使用しているかが垣間みることができます。考えてみれば、スーパーマーケットにおける場所の割き方をみれば、日本に比べてどれだけ違う食品群に場所を割いているのかで、フランス人の食べ物の傾向がわかります。

 このマスタードもそうなのですが、バター、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品の多さにも驚きますが、チョコレートの多さもまた、驚くほどです。

 今回のマスタード不足の原因は、マスタードシードの不足によるもので、フランスのマスタードはフレンチマスタードといいながら、マスタードシードの9割はウクライナとカナダからの輸入品なのだそうで、ウクライナからのものが入らないばかりでなく、カナダからのマスタードシード(フランスのマスタードの8割がカナダ産のマスタードシードを使用)も昨年のカナダでの干ばつの影響で輸入がストップしてしまったことによるものなのだそうです。

 パリ・マドレーヌにあるフランスを代表するマスタード「アモラ・マイユ社」のメゾン・マイユでは、数量限定販売が始まっており、「1家族につき1瓶のみの販売とさせていただきます」と書かれており、日替わり銘柄はすぐに完売状態。無いとなると買っておきたくなる消費者心理も後押ししているのかもしれません。

 フランス国内では圧倒的に生産量が多いブルゴーニュ地方では、近年停滞していたマスタードシードの生産農家はこの作物を放棄し、より収益性の高い作物への切り替えを余儀なくされていたものの、一転して、このマスタードシードが金を生む産物に代わり、増産体制に切り替えています。

 輸入に頼ることができなくなった小麦やひまわりや菜種などの生産を増加させたのと同時に、また、マスタードシードもフランス国内での生産を増加させる方向に切り替わっています。

 フランスは食料自給率がかなり高い国だと聞いていましたが、それでも、こうやって、食料不足の問題は起こってくるのです。

 パンデミックや戦争などが起こって、流通がままならなくなり、頼るは自国生産、自分たちの食べるものは自分たちで作るということになるのは、どこの国も同じです。本来ならば、気候や得意分野に応じて、世界で協力し合えることが望ましいのでしょうが、この不安定な情勢では、自国自衛は食糧においても同じなのです。


フランスのマスタード不足


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2022年7月28日木曜日

パリ13区にサル痘専門ワクチンセンターオープン

  


 コロナウィルスも収束しないうちに「サル痘」なるあまり聞きなれない病気が騒がれ出したのは、今年5月のことでした。なぜだか、コロナウィルス同様、またヨーロッパを中心に感染が拡大し始めたというニュースに、なんでまたヨーロッパ??と正直、うんざりしていました。

 その後、コロナウィルスの感染が再び急上昇し始め、第7波はいつピークを迎えるのか?などと言っている間に、「サル痘」の方も着実に拡大していたようで、WHO(世界保健機構)は先週末、サル痘に対する警戒体制を最高レベルに引き上げるという発表をしています。

 元来はアフリカ大陸で流行している「サル痘」が5月初旬から報告されている症例はヨーロッパに集中しているのです。

 国際保健規則によると、最高レベルの警戒体制とは「疾病が国際的に広がる可能性があるため、他の国に対する公衆衛生上のリスクを構成すると判断され、かつ国際的な協調行動を必要とする可能性のある異常事態」とされている。WHOがこの警告レベルを使用するのは、今回で7回目です。

 パンデミックの前段階認定のような感じなのかもしれません。

 「サル痘」は、5月以降、で74カ国で16,836人以上の人の感染が報告されています。

 そのうちフランスでは、現在約1,745人のサル痘患者が確認されており、決してヨーロッパ内でも感染者が少ない国ではありません。またフランスのサル痘感染者1,745人のうち、イル・ド・フランス(パリを中心とする地域)は、その約半分の患者がいる最も感染の多い地域です。

 そんな背景もあってのことなのか、欧州医薬品庁(EMA)が先週末に、サル痘の蔓延に対抗するため、ヒトの天然痘に対応するワクチンの使用を承認した直後、今週になって、パリ市役所が運営する最初のサル痘専門ワクチンセンターが、パリ13区にオープンしました。

 HAS(高等保険機関)によると、サル痘の場合は、皮膚や粘膜の接触で感染すると言われており、感染のリスクが高いのは、患者と接触する医療関係者、「男性と性的関係を持つ」男性、「売春をしている人」などが挙げられています。

 パリには、この天然痘対応のワクチン接種ができる公立病院は他にもありますが、予約が取りにくいことから、サル痘専門のワクチンセンターを作り、早急にワクチン接種を拡大する方向に舵をとりはじめたようです。

 サル痘ワクチンに関しては、公立病院は完全に飽和状態で、10月まで待たされるとかで、この新しく設立されたサル痘専門のワクチンセンターだと比較的、スムーズに予約がとれるようです。そもそも、コロナウィルスやバカンス問題でそうでなくとも公立病院の人出不足が深刻なところ、どんどん課題?が増えるのですから、何もかも公立病院で賄おうとするより、専門のワクチンセンターを作った方がきっと、事が進むのが早いのです。

 ワクチン接種に関する処方箋は不要とされており、事前の問診の後、すぐにワクチン接種が受けられるようになっており、またワクチンセンターで直接予約することも可能です。もちろん、Doctolib(ドクトリブ・医療関係の予約システムのサイト)などのネットでの予約も可能です。

 しかし、パリ市議会は、さらにサル痘予防接種のための投与量と人員を増やすため、国に対して「緊急措置」を求めており、先週末に保健省が発表した3万回分のワクチンでは「まったく足りない」と主張しています。

 パリ地域のリスクのある人すべてにワクチンを接種するには、実際には、その10倍は必要だと言われています。正直、このサル痘の感染に関してはコロナウィルスのような不特定多数の感染ではなく、ワクチン接種とはいえ、かなり限られた人々が必要なワクチンだと思っていただけに、このある程度、限定された人々が30万人以上もいるのか?とちょっと別の驚きを覚えたのでした。(まあ、そうかもしれないな・・とも思うけど・・)

 また、ワクチンといえば、「ワクチン反対キャンペーン」を唱える人々もまた、出現する中、パリ市長は、このワクチン接種が必要な人々全てが9月までにワクチン接種を受けられる体制をとらなければならないと 「もっと真剣で迅速な採用システム」を導入するよう政府に求めています。


・Le centre Edison(Centre Vaccination contre Variole du singe) 

   44 rue Charles Moureu 75013 Paris

 月〜金 9時〜18時、土 午前中のみ

  

パリ サル痘専門ワクチンセンター 


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2022年7月27日水曜日

久しぶりの市営プールは夏のバカンス期間でも休まなくなったらしい・・

 


 私にとって、一番、無理なくできる運動は、泳ぐことで、日本に住んでいた頃は、仕事が終わってから、毎日、ジムのプールで1㎞泳ぐのを日課にしていました。ジムで泳いでジャグジーに入ってさっぱりして、飲んで寝る・・という健康的なのか、不健康なのかわからない生活でしたが、それなりの健康を保っていました。

 泳ぐというのは、全身運動なので、どこが痛くなるということもなく、また1日中パソコンに向かっているために肩凝りでガチガチになりがちだったのも水泳のおかげで解消されていました。

 パリに来てすぐは、子供も小さかったので、子供の送り迎えのあるうちは、仕事帰りに泳ぎに行くなどという時間もありませんでしたが、子供の学校がお休みの日は、娘に水泳を教えるために、また、エネルギーに溢れている娘をなんとか疲れさせて夜スムーズに寝かせるために、お休みというと、頻繁にプールに連れて行きました。

 娘が大きくなって、送り迎えもいらなくなると、私の仕事も忙しくなって、どうにもヒートアップしている仕事モードを切り替えたくて、仕事場と家の中間点にあるスポーツジムに入って、仕事帰りに少し身体を動かして、仕上げにサウナかハマムに入って帰るという生活を続けていました。(しかし、それも実際には、時間がなくて、ほとんどサウナかハマムしか寄らないというほぼ、仕事帰りのお風呂屋さん状態でしたが・・)

 しかし、それも仕事を変わった時点で、ジムが通り道ではなくなったために、ジム通いはストップしてしまいました。

 その後、たまに家の近所の市民プールに行くことはあったのですが、夏の間はバカンスで休んでしまうというびっくりプールなうえに、しかも、ここ5年くらいは、ず〜っと工事中で、プールには行くことができませんでした。

 まあ、そうでなくとも、昨年までは、パンデミックのためにどこのプールも閉鎖でしたが、ロックダウンなどで、家にこもりがちの生活で、それを改めようと一念発起して、以前に通っていたスポーツジムに通いなおして、「今度こそちゃんと運動しよう!」と申込みに行ったところ、なんと、そのジムは潰れていて、断念。

 少々、お金はかかるのですが、清潔でワイン蔵をそのまま、うまく残して作ってあるプールなどが小洒落ていて、大変、快適な場所だったのに、パンデミックの煽りをうけて閉鎖になってしまったようなのです。

 残るは近所の市民プール・・でしたが、なかなか工事が終わらず、もう期待もしていなかったのですが、ついに最近、工事が終わり、新しいプールが完成しました!というお知らせが来たのです。

 しかし、最近、少し感染もおさまってきたかな?と思われるフランスの第7波ではありますが、やはり、プールに行くのは、少々怖くもあり、せめて2回目のブースター接種を受けてから・・とワクチン接種を受けて、1週間は待って、ようやく久しぶりのプールに行ってきました。

 あまりに長い工事期間で、結局、トータル何年間閉まっていたのか覚えていないほどですが、少なくとも5年以上は閉まっていたプールです。パリ市のプールがストライキを呼びかけているという話も聞いていて、少々心配していたのですが、このプールはしっかりやっていました。




 あまり期待はしていませんでしたが、さすがに5年以上も工事していたとあって、プールはすっかりきれいになっていました。




 これまで夏にバカンスで閉めていたプールはこの工事終了を機に夏でも閉めなくなったようです。ワクチンも打って、これは今年の夏はプールだ!と、10回分の割引になるパスを購入しようと思ったところ、「じゃぁ、あっちにある紙に記入して持ってきて・・」と言われて、記入して持っていくと、「IDカード、住居証明は?・・」などと言われてびっくり!また、その言い方が久しくお目にかかっていなかったフランス人のお役所に居がちな感じ悪さ・・。

 逆に考えてみれば、最近、こういう感じ悪い人もずいぶんいなくなったものだ・・と思いながら、こっちもムッとしていると、「じゃあ住居証明は今度持ってきてくれればいいから・・」と言われて、10回分パスを購入しました。(1回券 3.5ユーロ、10回パス28ユーロ)

 なにより、工事が終わったばかりとあって、清潔できれい・・更衣室もシャワーもきれいで、ピカピカ・・今日は、そんなに暑くないこともあってか、わりと空いていて、1コースを一人で使うことができて、悠々と泳ぐことができました。




 もう、あまりに長いこと泳いでいなかったので、恐る恐る泳ぎ始めましたが、私の身体は泳ぐことを忘れていませんでした。最初は少々、身体が重く感じ、少し泳ぐと、息切れがしましたが、「泳ぎに来たら、1㎞は泳ぐ」と、なんとなく、自分の中で思い込んでいることもあり、途中でやめるのもなんとなく、悔しいので結局、1㎞泳いで、帰ってきました。




 以前は1㎞20分ほどで泳げたのに、30分以上かかり、体力の衰えを感じましたが、久しぶりに全身を使っただるい疲れが心地よく、少なくとも週1回は、しばらく泳ぎに行こうと思っています。

 心地よい疲れとともに、久しぶりにわんぱくな感じの空腹感も味わいました。

 きれいに仕上がったプールですが、きれいに保つことができないフランスです。今のうちにせいぜい通っておこう・・と思うのです。


フランスの市営プール


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2022年7月26日火曜日

2024年パリオリンピック始動 シャンドマルスからヴェルサイユ宮殿まで!

  


 

 2024年パリオリンピック開催まで、あとちょうど2年となったことからなのか、オリンピックについて様々なことが発表され始めました。

 2020年の東京オリンピックが決定したあとに、2024年のパリオリンピックが決定して、これは、東京オリンピックもパリオリンピックも両方、行くぞ!となんだか勝手にワクワクしたのを覚えています。

 しかし、2020年の東京オリンピックは1年延期された上に、ぎりぎりまで本当にやるんだかやらないんだか・・挙句の果てに無観客開催で、しかも日本入国には、当時、入国後は強制隔離施設での隔離などまであって、オリンピックどころか、日本に行くことさえできませんでした。

 なんだか、東京→パリと続くオリンピックに立て続けに地元??で開催されるオリンピックということでテンションが上がっていたのですが、東京オリンピックがポシャって(私の中では)、なんだか、パリオリンピックに関してもちょっとテンションが下がってしまったような気がしていました。

 パリオリンピック組織委員会は、公式スローガン「Let's open the games wide」と発表し、同時に、各競技の開催場所や日程、チケットの価格などを発表しました。

 パリオリンピックではあっても狭いパリの中で全ての競技ができるわけではないのですが、パリをフルに使ったオリンピックになるようで、サン・ドニに設置される予定の選手村は現在建設中です。あまり治安がよくないところなのに、なぜなのだろう?スタジアムが近いからかな??などと勝手に思います。

 その他、サッカーはニース、マルセイユ、ボルドーなどのスタジアムで行われる他、サーフィンはなんとタヒチで行われるなど、パリからかなり離れた場所で行われる競技もありますが、シャンドマルス(エッフェル塔の前の広場)ではビーチバレー、コンコルド広場では、3x3バスケットボール、BMXフリースタイル、ブレイクダンス、スケートボードなど、グランパレでは、フェンシング、テコンドー、柔道、レスリング、アンヴァリッド(国立廃兵院)では、アーチェリー、そして、ヴェルサイユ宮殿までが使用され、宮殿では、乗馬、卓球、バレーボール、ウェイトリフティングなどが行われる予定です。

  


 販売されるパリオリンピックのチケットは1300万枚の予定で、価格は、100万枚以上のチケットを24ユーロ(約3,300円)で販売し、一般向けのチケットの半数を50ユーロ以下の価格で販売すると発表しています。チケット価格の上限は 950ユーロ(セレモニーを除く)としています。

 実際に買わなかったのでハッキリとはわかりませんが、東京オリンピックの際は、ちらっとチケットを買おうかとサイトを覗いてみて、高くてびっくりしたので、それに比べたら、わりとお値段は高くない気もします。

 2022年12月からパッケージ販売(チケットのセット)の抽選開始、2023年2月パッケージ販売開始、5月単発チケット販売が開始されます。いくつかのチケットをセットにするとお得になるらしいです。

 それでも一番、楽しみなのは、やはりセーヌ川を使ってパレードが行われるという開会式です。しかし、行きたいと思っても結局は、よく見えるのはテレビででもなければ、きっと全体を綺麗にみることはできないのかもしれません。

 しかし、それぞれの競技に関しては、それぞれの競技会場がもう存在だけで美しい観光名所のような場所のため、それらがパリオリンピックのためにどんなふうにセットアップされているのかをみるだけでもなかなか楽しそうです。

 フランスはオリンピックを機会に美しいパリのプロモーションにもしようとしている感じがこれらの競技場所のチョイスからも伺われます。

 一方、心配なことはいくらでもあり、ただでさえ、悪化を続けるパリの治安、ちょっと尋常ではない数のオリンピック関係者と観客を迎えたパリをどう警備するのか?セキュリティだけでも大変な問題、全く想像もつきません。

 また、ここ数年の異常な猛暑を考えると天候問題も気になります。オリンピック期間中につい先日のような40℃超えの猛暑に見舞われることも十分に考えられますし、そのうえ、猛暑の後は、たいてい、大雨と相場が決まっています。大雨でセーヌ川が氾濫ということだって少なくはないのです。

 しかし、私が心配するまでもなく、あらゆることを想定されて準備しているのでしょうから、問題はないと思われますが、私にとって、とりあえず、差し迫っている問題は、この夏の間、特に8月は、このオリンピックのための準備と思われるメトロの駅の改装工事のために、かなりの割合で駅やメトロの運行が閉鎖になったりしていることです。

 別にきれいなのに、いいじゃん・・もっと汚いところ、あるでしょ・・などとブーブー言っています。

 ここ数年、パンデミックをはじめとして、ちょっと前までは想像もつかなかった事態が起こり続けています。しかも、そうそう起こりそうもないことばかり・・。

 東京オリンピックの前までは、4年経つとあたりまえのように次のオリンピックがやってきていた感じがしていましたが、こう度々、予想外のことばかり起こると、無事に晴れやかに行われるパリオリンピックが見られるかどうか、2年後には、どうなっているのか?コロナは終息しているか?戦争は終わっているでしょうか?

 近未来が想像がつかなくなっていることを感じます。


2024年パリオリンピック


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2022年7月25日月曜日

パリ市内、今日から冷房中に扉を閉めないお店は罰金150ユーロ

   


 これまでお店の扉が開いているか閉まっているかということは、あまり意識していませんでしたが、あらためて思い直してみると、パリでは日本のようにお店の扉が自動扉ということが少なく、開店時には、扉が開いたままになっているお店が多かったように思います。

 こんなことをあらためて思い直してみるに至ったのは、今週からパリ市内では、エアコンの効いたお店の扉を開いたままにしておくと、150ユーロの罰金が課せられるという法令が発布されたからで、「パリにおける地球温暖化の影響と、現在の期間におけるエネルギー消費の削減が急務である」ことが理由に掲げられています。

 ただし、「定期的に認可された屋外テラスのあるレストランやパブ」には適用されないという例外もまた同時に認められています。



 地球温暖化は、昨今、夏の間に何回も40℃に迫る気温上昇に見舞われていることからも明らかで、そのうえ、ウクライナ戦争の影響もあり、電力供給が危ぶまれていることもあり、20日の段階で、フランス政府は国民向けにバカンスなど、長期で家を空ける場合には、「無線LANのプラグを抜くこと」や「エアコンの温度を少し下げること」「部屋を使わないときは電気を消すこと」などの具体例をあげて、節電の努力を呼びかけています。

 もともと、パリで、こんなに夏が暑くなったのは、せいぜいここ5年くらいのことで、それまでは、冷房も必要がなく、未だに一般家庭にはエアコンがない家の方が多く、少し前までは、レストランなどでも、わざわざ「冷房完備」などと張り紙がしてあるくらい、冷房は一般的なものではありませんでした。

 しかし、さすがにここ数年はあっという間に冷房のないお店はほとんどないほど冷房は普及していましたが、それでも、そこまで気温が上がる日というのも限られているため、レストランや一般商店は、冷房をつけていても、これまでどおり、なんとなく、これまでの習慣で扉は開いたままというお店が多くを占めていたように思います。

 そういえば、この間、生ハム屋さんに買い物に行った時、お店の扉が閉まっていたため、一瞬、「えっ??休み?」と思ってしまったし、扉の張り紙を見ると「開店中」と書いてあったので、お店に入ると、お店の人が「ボンジュール!」と機嫌よく挨拶してくれたすぐあとに、「扉、閉めといて!」というので、「あれ・・ずいぶんとキッチリしているな・・」「珍しいな・・」となんだか、ちょっと、いつもと違う感じがした気がしていました。

 多分、私も知らず知らずのうちに、お店の扉が開いていなければ、「え??閉まってるの?」と思ってしまい、扉が開けたままになっていることにも、何の抵抗もないことが習慣になってしまっているのです。

 パリには、夏の間は、特に室温の管理にうるさく、◯人以上はお店に入れない・・などというチョコレート屋さんがあり、人間よりもチョコレートが大事にされている・・と思ったこともありますが、これまでパリのお店は当たり前のように冷房が効いていても扉は開けたままというお店が多かったような気がします。

 お店の扉が開いていた方が客足が伸びるというのが、これまでの定説でしたが、これからは、それが罰金付きで禁止されることになります。

 しかし、普通に考えてみれば、自宅で冷房をつける時は、ドアどころか、窓も閉め切るのは、当然のことで、消費電力を考えれば当然のことです。

 これが罰金付きの禁止ということは、マスクの義務化の際同様、かなりきっちりと守られるであろう厳しい法令です。

 このパリ市の冷房に関する法令の発令に次いで、政府・エコロジー担当大臣は、この法令を恒久化し、全国レベルに拡大すること、冷房に限らず、冬の暖房に関しても適用し、同時に街の規模にかかわらず、午前1時から午前6時までの間、電飾広告(広告看板の夜間照明)を禁止することを発表しています。

 この広告看板の夜間照明禁止については、駅や空港(夜間に閉鎖されない特別な場所)を除き、罰金1,500ユーロに設定されるとのことです。

 戦争による電力供給の問題もありますが、この年々過酷になる猛暑に、地球環境問題は、もはや猶予のない問題であるとなると、やはり罰金付きの法令ということになるのが、フランスなのです。フランスでは、罰金のないルールはルールにならないのです。


冷房中閉扉義務 違反罰金150ユーロ


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2022年7月24日日曜日

観光客が戻ってきたパリ 今年のスリ、ひったくりなどの犯罪のトレンド「観光客なりすまし」

  


 パンデミック以来、フランスは、まだ第7波のさなかというのに、ここ2年間、感染対策のために行われていたさまざまな規制もほぼ全て撤回され、夏のバカンスシーズンを迎えて、たくさんの観光客が戻ってきました。

 パリの街を歩いていても、英語はもちろんのことスペイン語だったり、ロシア語だったり、フランス語以外の外国語がずいぶん聞こえてくるようになり、駅などでもゴロゴロとスーツケースを転がして移動している人がけっこういたりして、「そうそう・・パリってこうだったんだな・・」と思わされたりして、それはそれで、なんとなく、日常を取り戻した感じでホッコリさせられます。

 フランスには、なかなかここまでの体型の人はいないな・・と思われるほどのかなりの肥満体型の人も見かけることも観光客が戻ってきたことを感じる一つでもあります。

 今年のパリの観光客の状況は、もはや2019年(コロナ前)の人数を上回っているのではないか?とも見られていて、ルーブル美術館やヴェルサイユ宮殿なども、ものすごい行列で、すっかり日常を取り戻しているようで、戻ってこないのは、日本人と中国人だけ・・などとも言われています。

 パリにとって観光客が戻ってくるのは喜ばしい話なのですが、観光客が戻るとともに、観光客狙いのスリやひったくりなどの犯罪も戻ってきて、また、大変な被害が発生しているようです。

 パンデミックの間、観光客という最高のターゲットを失っていたスリなどの犯罪者にとっては、ここ2年間を取り戻すかのごとく、ここぞとばかりに仕事を再開しているわけです。

 私自身も知らない場所を観光したりしている時には、さぞかしスキがある歩き方をしているのではないかと思いますが、やはり観光客を見ていると、これは狙われるでしょ!と思うことも多いのです。

 ジプシーの子供たちが集団でやってきたり、アンケートを装ったり、わざとぶつかってきたりして、何か落としましたよ・・と声をかけてきたりして、注意を逸らしたスキに仲間がさっとスリをはたらいていったり、定番のスリの手口は数々あるのですが、今年は、どうやら海外からの出稼ぎスリというのが急上昇(急増加)しているらしく、観光客を装ったカップルなどが、観光地(例えば、ルーブルとかヴェルサイユ宮殿やエッフェル塔、レストランやカフェなどなど・・)に観光しているかのごとく入り込み、仕事(スリや置き引きなど)をしているというので、驚いています。

 彼らは自国の言葉(スペイン語だったり、ポルトガル語だったり)で話したり、写真を撮ったりしながら、観光客のふりをしているのですから、同じ観光客だろうということで、どうしたって、油断が生じてしまいます。

 以前は、ごくごくきちんとした身なりの紳士タイプのスリや置き引きが流行した時期もありましたが、今年のトレンドはどうやら「観光客なりすまし」のスリのようです。

 考えてみれば、地続きのヨーロッパで最大の観光地であるパリは出稼ぎしてでも稼げる絶好の場所なのかもしれません。

 せっかくの旅がこのような被害に遭って嫌な気分にならないためにも、パリにいらっしゃる場合は、貴重品は持ち歩かず、華美な服装は避け、まずは、できるだけ狙われないように、万全の体制で観光してください。


パリのスリ ひったくり 観光客なりすましスリ


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2022年7月23日土曜日

リヨンで警察官が群衆に襲われリンチ状態になる恐怖の事件

   


 水曜日の午後7時半頃、リヨンのギヨティエール地区で警察官がスリ・ひったくり撲滅のためのパトロール中のことです。警察官が路上でカップルの後をついていく不審な人物を発見し尾行を開始しました。

 尾行されていた男は、女性が首から下げていたチェーンをひったくるように盗むところを警察官に目撃され、容疑者は警察に追われながら逃走しました。

 逃走はガブリエル・ペリ広場で終わり、警察が本人に尋問を開始しました。その時、事態は一変したのです。警察官の尋問開始直後、警察官は周囲にいた群衆約50人に取り囲まれ、容疑者がこの混乱に乗じて逃走してしまいました。

 群衆に取り囲まれた警察官は、鉄棒で殴られ、催涙ガスや投擲物を投げつけられ、その時のビデオを見ると、リンチさながらのボコボコ状態です。周囲にいた女性も激しく殴打される被害に巻き込まれています。



 群衆が犯人を取り押さえようとするならともかく、群衆が3人の警察官を攻撃するという恐ろしい事件でこの警察官は全治1週間の怪我を負いました。

 警察官が尾行していた容疑者は、18歳のアルジェリア人の男性で、前科十数犯で警察によく知られている人物と見られていて、彼は、過去の司法判断によりフランス領内への立ち入りを禁止されていますが、有罪判決の一環として自宅軟禁状態にあります。

 一方、3人の警察官は省庁間公共交通機関に所属する私服警官だったようで、そのため、警察官だと認識されなかったということも考えられないでもありませんが、しかし、ひったくり犯とそれを尋問する立場の人を見れば、それぞれの立場は誤解されるということも考え難いことです。

 しかも、それがどちらの立場の人だったとしても、50人もの人が鉄棒まで使って暴力行為に走るなど、ちょっとあり得ない話でもあります。

 市民の安全を守るはずの警察に対する暴力が横行する無法地帯状態、警察に対する暴力の悲惨な常態化を警察組合は強く非難しています。また、内務大臣も即座に、「耐え難い暴力の犠牲となった3人を全面的に支持する」と表明、「私の要請により、犯人を逮捕するためにあらゆる手段を動員している。警察官を攻撃することは、共和国を攻撃することだ」と発表しています。

 内務大臣は2020年の段階で、リヨンに年間100人の警察官が増員される(3年間)ことを発表していますが、これは単に警察官の人数の問題では解決できないのかもしれません。

 私服警官がパトロール中に容疑者を特定して、現場を取り押さえて逮捕に踏み切るというタイミングは偶発的なもので、そのために50人もの人がそこで警察官を攻撃しようとして待機していたとも思えないことから、機会があれば、警察官を攻撃してやろうと思っている人々がその近辺にたむろしていると考える方が妥当かもしれません。

 2年前から、リヨンの中心部に位置するこの地区では、暴力シーンが増加しており、昨年から増援が来て、警察の存在感は増していると言われています。にもかかわらず、このような事件が起こるということは、警察官の存在感が増したことにさらに反発感を抱いている人々が機会を狙っていたのかもしれません。

 少し前に、パリで検問のために車を止めた警察官が発砲した事件がありましたが、警察官の高圧的な態度に対して反発をもつ攻撃的な人々が一定数存在しているということは、紛れもない事実のようです。

 この事態に警察組合は、「しっかりとした罰則対応」と「警察官の増員」を求めています。

 いずれにしても、違法行為を取り締まる警察官が攻撃されるということが横行するような状況には、ため息もでません。


リヨン警察官襲撃事件


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2022年7月22日金曜日

夏のソルド(バーゲン)の激しい衰退ぶり

   


 今年の夏のソルド(バーゲン)は、6月22日〜7月19日まででした。

 ここ数年、パンデミックが拍車をかける感じで、年々、このソルドは盛り上がらなくなっているところ、今年はインフレによる全ての物価の上昇がさらに消費者の購買意欲を削いだ形になったと言われています。

 もともと、フランスでは、国が夏と冬のソルド期間を指定するという、摩訶不思議な方法をとっているのですが、これには、20年以上前に私がフランスに来た頃から、奇妙なことをするのだな・・と思っていました。

 私自身は、年齢的なこともあるのでしょうが、あまり物欲がなくなり、(残るは食欲のみ)若い頃のように、あの洋服が欲しいとか、この靴が欲しいとかいう衝動にかられることも極端に減少していて、どちらかというと、持っているものを少しでも処分していこうとしている気持ちの方が強いので、あまり一般的ではないかもしれませんが、正直、今年のソルドが始まった時期も気づかずに、数日してから、たまたま買い物に出掛けて、そういえば、もうソルドが始まっているんだ・・と気がついたくらいでした。

 私の場合はかなり極端なのかもしれませんが、以前は、会社の同僚などが来週からソルドが始まるから、下見に行かなきゃ・・などと言っていて、張り切ってソルドに臨んでいて、実際にソルドが始まった直後に戦利品などを披露したりしていたのをちょっと冷めた目で眺めていました。

 しかし、そんなことをしている人も周囲にはいなくなり、マスコミなどでも以前は、「明日から夏のソルド!」などと報道していたのに、そんなこともなかったようで、今年などは、マスコミが騒いでいるのは、「今年のソルドの売り上げが激減した!」ということのみで、全く、消費者の動向が変化してしまったと言わざるを得ません。

 今年のソルドの集客数は20%低下、売上は10%低下したとかで、それでも売り上げが10%しか落ちていないのか・・とびっくりしたくらいです。

 この一番の原因はネットショッピングの拡大で、ネット上では、ソルド期間などというものは、あまりきっぱりしていないため、いつでも自分の希望する価格帯のものを買い物することができ、何もこの期間を待って買い物をする必要がないわけです。

 例えば、アマゾン(フランス)に関して言えば、2019年から2021年の2年間で、売り上げは68%増と言われています。配送や返品のシステムまでが、かなり簡易化され、素早いので我が家も昨日、注文した電化製品が今日、届き、試してみた結果、機種が合わなかったために即日、返品し、荷物を預かってくれるところに預けてきたら、すぐに返金の通知が届き、これなら、わざわざ店舗に買い物に行くよりも、返品する際でもずっと早くてスムーズでこれでは、わざわざ買い物に行く必要もないなと思ってしまいます。

 これと同じで、例えばネットで洋服などを買ったとしても、これまで試着しなければ、不安で買い物できなかったものなども、一応、買ってみて、家で試着して気に入らなければ返品することも簡単で、むしろ、店舗に行って買い物して、店舗に返品するなどとなったら、人を介す分だけ、お店で長いこと待たされ、ミスも多く、感じも悪く、さぞかしうんざりすることも多かろうに・・などと思ってしまいます。

 また、このソルドの衰退には、leboncoin(ルボンカン)、や Vinted(ヴィンテッド)などのフリマアプリ(フランス版メルカリのようなもの)の急成長もあり、もともと古着や中古品などに価値を見出す文化のフランス人には、もってこいのシステムで、全く使用されていない新品でさえも、出展されているにもかかわらず、一般の市場よりは、破格の値段で買い物ができ、また、値段の交渉や商品の配送、受け取りなどのシステムもかなり配慮されて作られているうえに、ヨーロッパの他の国々ともやりとりができるため、この市場が2021年には、150%増加するという急成長を遂げていることも、ますます一般の店舗のソルドから、客足を遠ざけています。

 私もleboncoin(ルボンカン)、や Vinted(ヴィンテッド)など、両方に登録してありますが、私は不用品を処分するばかり(つまり売るばかり)ですが、確実に売れていきます。

 それでも、世界をリードするファッションの発信地でもあるパリの店舗としては、やはりシーズンごとの流行というものはあり、定期的にソルドのようなもので、その年の在庫を処分していくことは必要なのかもしれませんが、実際に、人気の店舗などは、ソルドなどしなくとも、お店には行列ができていて、どちらにしてもソルドなどというものは、あまり意味をなさなくなっているということで、ましてや国がこのソルド期間を設定するなどナンセンス。

 実際にソルド期間が終わっても、在庫を処分できないお店は、そのまま在庫を抱え込むわけにはいかないので、「特別プロモーション」などと呼び方を変えて、実際のところは、割引を続けています。

 消費者の買い物の仕方が大きく変化していることで、全く意味をなさなくなっているこのソルド期間を国が設定し続けることは、なんだか空虚な感じさえしてしまうのです。

 以前は、夏のソルドの最終週などは、店舗の一部には、秋物が登場し始め、冬のソルドの最終週には、春物が登場し始めていたりしたのですが、現在は、ソルドが終わっても売れ残りの商品を売り続けるしらけた状態。

 よほどの人気店でもない限り、一般の店舗がネットショッピングに対抗するのは、どんどん難しくなっていくのは、確実です。


夏のソルド 売り上げ大幅減少


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2022年7月21日木曜日

フランスの報道機関が指摘する安倍元総理と統一教会についての日本での報道と警察と政府、報道機関の歪み

  


 安倍元総理が襲撃された事件は、フランスでも衝撃的な事件として取り上げられ、フランス時間でほぼオンタイムで、病院に搬送され、心拍停止状態で、その後、死亡が発表されるまでの様子が生中継で放送されていました。

 犯人については、その場ですぐに取り押さえられたことも伝えられ、世界中の首脳がこぞって弔意を示していることまでがセンセーショナルに報道されていました。

 それ以上の詳細については、あまり触れられることはないのかと思いきや、その後の日本でのこの事件についての報道や政治と宗教団体のつながり、そして、警察と日本のマスコミの報道について、かなり辛口な指摘がなされています。

 以下は、仏大手フィガロ紙などに掲載された内容で、なかなか辛辣で興味深いものでした。

 安倍元総理が襲撃された48時間後、日本は議員選挙の投票日を迎え、自民党は安倍晋三が生涯をかけて追い求めてきた憲法改正の可能性に充分な票を獲得しました。しかし、日経新聞が「暗い勝利」と題したように、通常、暴力、特に政治暴力とは無縁の日本における前例のない事件に与党でさえも、しばらく唖然としていました。

 しかし、その後、この事件は犯人の安倍氏殺害の動機によって、思いがけない次元に突入してしまいました。

 日本の警察とマスコミは、「彼は元海上自衛隊員で、母親が財産を投げ打ってまで入信した宗教団体の指導者とその教団を推した安倍晋三を狙い事件を起こした」と発表しました。

 このシナリオは日本という国にとって、非常に恥ずべきことで、この48時間、日本の大手メディアは膨大な人的・物的資源(全国紙5社で9,355人の記者)を導入して、事件の情報収集に当たっており、事件現場にはヘリコプターが飛ばされ、事件現場は模型で再現され、きめ細かく検証されているかのごとく報道されています。

 しかし、堕落したマスコミは、これだけの人的・物的資源を導入が単なる水増しされた動員、導入であるかのごとく、愚かしいニュースを流しています。驚くことに安倍晋三が殺害された翌日、日本の大手5大新聞は全て同じ記事を一面トップで掲載し、書体の大きさも含めて一言一句違わないのは、彼らの共犯関係を裏付けています。

 操作当局は目に見えて置き換えられた「自白」を彼らが認定した同人記者たちに垂れ流し、彼らは真実性や臨場感さえ気にせずに、それをそのまま掲載しています。

 日本の読者は当初、この報道によって、犯人が元海上自衛隊員であったことに無理矢理注目させられ、安倍晋三が無名の宗教団体と繋がっているという誤解を招くような印象を与えられています。

 また、フィガロ紙は、この目に見えて置き換えられた犯人の自白を発表した現在の警察のトップが政府に近いジャーナリストの強姦事件の起訴を不起訴処分にしたことで有名な中村格氏であるという説明の仕方をしています。 

 この宗教団体の名前は、すでに初期の段階から、すでに地元のタブロイド紙や海外の新聞によって明らかにされ、全世界に300万人の信者を持つという統一教会に対して信者に与えている洗脳を批判しているにもかかわらず、選挙が終わるまでは、安倍氏と繋がりがあったと言われるこの特定団体の名前を報じない主要メディアは「卵の殻の上を歩いているようなものだ」と書いています。

 日本における宗教は、伝統的なもの(地元の神道など)、確立されたもの(創価学会など)、「新しい」もの(統一教会や生長の家など)が、日本の政治において控えめながら重要な役割を果たしています。信者を選挙戦の力と献金に動員する能力を持つ彼らは、特に多数派で、特に社交の機会が少ないアノマリー人口が多い都市では、政党の貴重な味方となっているのです。

 この仏紙が書いている「日本の主要メディアが卵の殻の上を歩いているようなものだ」という表現は、もはや日本の主要メディアが報道機関として成り立っていないということを指摘しているのです。

 安倍氏の殺害事件も統一教会の問題とともに、浮き彫りになった日本の報道機関の歪みを指摘しているのです。

 日本では、政治や宗教の話題はどちらかといえば、避けられる傾向にある気がしますが、社会問題を浮き彫りにして、問題提起するのがマスコミの使命でもあります。民主主義とか、言論の自由と言いながら、一見、そのような体をとりながら、まったく違う方向に向かっているということは由々しき問題です。

 フランスでは、少し前にオルペアという高齢者施設での問題を取材したジャーナリストが出した本により、大きな社会問題として掘り下げられ、政府が動き出したということがありました。フランス政府を見ていると、フランス政府は世論の動きを大変、恐れているなと感じることがあります。国民は黙っていないし、マスコミも黙ってはいないからです。

 日本の政府も世論の動きを恐れているからこそ、マスコミを懐柔しているのかもしれませんが、マスコミもまたそれに懐柔され続けているのも本来の役割を果たせないでいるということなのです。取材ができなくなることを恐れて政府や警察に懐柔されている日本のマスコミが本来の役割を果たせずに主要メディアとして存在しつづけているということが、まさに「卵の殻の上を歩いている」というのは絶妙な表現です。

 こちらでの日本についての報道を見ていると、時に、こんな視点から見るのか・・というものもありますが、また時には、日本の報道よりも辛辣に真実を語っていることも多いので、なかなか見逃せません。

 本来は、マスコミと政府のチカラ関係は逆なはずなのです。このような政府と報道機関の歪(いびつ)な関係こそが今回の事件の闇であるのかもしれません。


日本の報道機関 マスコミ


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2022年7月20日水曜日

パリ40℃の猛暑とパリの上空を覆う噴煙のベールの正体

  


 ここのところ、夏の猛暑というか、酷暑は年中行事のようになっていますが、今年は、5月から異常な暑さが始まり、6月の猛暑、そして7月の40℃超えの猛暑と、どんどん夏が長く、厳しくなってきている感じです。

 一昨日にフランスは歴史的な暑さに見舞われるだろうと言われていたと思ったら、次の日はさらにその気温を上回る暑さで、パリでは 40.5℃を記録、体温よりも遥かに暑い気温では、さすがに、この気温で外を歩く気にはなりません。

 我が家にはエアコンはないので、朝の早い時間に家の空気の入れ替えをして、午前中のうちに、その日の分のお料理を簡単に済ませ、頃合いを見計らって、シャッターを下ろして、シャッターのない部屋には、遮光用の板を置き、朝から、戦闘体制で臨みます。

 日本だと午後2時頃が暑さのピークだった気がしますが、フランスでは、だいたい暑さのピークは午後4時頃からです。お昼頃から、じわじわと気温は上がり始め、40℃の気温が数時間続き、午後7時には38℃、午後8時には36℃、午後9時くらいになって、ようやく34℃にまで下がりましたが、本当に日が暮れるのが待ち遠しい1日でした。

 アフリカに住んでいた頃は、ほぼ1年中が夏で、もう、ちょっと眩暈がしそうな日差しに、たまに朝、起きて曇っていると心の底からホッとしたことを思い出します。

 しかし、ここはパリ、いつもは嬉しい日の長さもこの酷暑の中では恨めしいばかりで、日が暮れるのをまだかまだかと待っている感じです。

 パリでは、この数日間の猛暑で、ついに昨日は、焦げ臭い匂いまで充満していると大騒ぎになりました。

 フランスでは、この猛暑の中、あちこちで森林火災が続いており、今年は中でもジロンド県の森林火災は1週間近くも燃え続け、被害を広げ続けていますが、今回のパリでのこの40℃超えの気温の中、パリの一部では薄い煙のベールに覆われ、焦げ臭い匂いが立ち込め始めたという事態にどこかで、火災が起こっているのではないか?と皆が警戒感に包まれました。

 この煙と焦げ臭い匂いの原因は、実際にイヴリーヌ県で進行中の別の森林火災や16区のレストランと17区の車両火災も重なったことも原因ではありましたが、気象学者ギヨーム・セシェによると、パリからは遠く離れた、今夏、最大のジロンド県で起こっている森林火災もこれに関係していると言っています。

 


 ジロンド県の森林火災以来「煙の回廊」が形成され、微粒子のモデルが広範囲にわたり、拡散されているとのことで、火災そのものだけでなく、この大気汚染のために、地域の人々は避難を強いられ、動物園の動物まで避難させられているのです。

 その煙の回廊が、この熱波と上空の寒気の影響で、進行中の火災による微粒子が、イル・ド・フランスまで運ばれてきたという異常気象現象が起こっているというのです。

 このジロンド県とパリの距離を大雑把に説明するとすると、ボルドー(ジロンド県)⇄パリ間はTGVで少なくとも2時間はかかる距離です。このあたりからの火災による汚染された塵煙がパリまでやってくるということは、相当な広範囲でこの火災による大気汚染の被害が広がっているということです。

 一週間以上も火災が鎮火できないのは、なぜかと思ったら、1ヶ所で起こった火災が広がっているだけでなく、複数ヶ所から発生して、それぞれに広がっているということで、これがその地域だけでなく、他の地域にまで及ぶ大気汚染問題にまで発展しているというのには、さらに仰天させられるのです。

 森林が真っ赤な炎に包まれて燃え続け、朽ちて行く様子は、悲惨な映像で、戦争の映像と見間違わんばかりの悲惨さです。

 最近の猛暑のあとは、お決まりのように雷や大雨の被害に襲われますが、今回ばかりは、雷雨でこの火災がおさまってくれないか・・などと儚い期待を抱いてもいるのです。


パリ猛暑40℃


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2022年7月19日火曜日

フランス人は日傘も雨傘もささない

    


 先日、日本の記録的な猛暑がフランスで報道されていて、猛暑に見舞われた日本の映像がテレビで流れていて、皆がこの暑さにもかかわらず、きちんとマスクをして、日傘をさして歩いているのを見て、湿度の高い日本の暑さの中のマスク率にも驚きましたが、もう一つ、自分が日傘というものをすっかり忘れていたことに驚きました。

 フランスでも年々、夏の暑さは厳しくなっていますが、そうだ!日傘というものがあったんだ!とすっかりその存在を忘れていたことにハッとさせられたのです。

 昨日も、前日から、「明日、フランスは歴史上、最も暑い日を迎える・・こんな天気図見たことない!」などと騒いでいたので、警戒していたのですが、翌日はさらに気温が上昇する予報にもうちょっとウンザリしています。

 私がフランスに来たばかりの頃(20年以上前)は、夏に暑い日があっても、ほんの数日のことで、その数日さえ乗り切ればあとは全然、大丈夫だったのですが、ここ数年は、全然、大丈夫ではなくなりました。

 たしか、雨晴兼用の折り畳みの傘がどこかにあったはず・・と思って、家中を探したのですが、行方不明・・こういう探し物は、それが必要なくなった時に、どこかからヒョッと出てくるもので、こうなったら、雨傘でも構わない・・と、ここのところ、折り畳みの雨傘を持って歩き、どうしても太陽の光が避けられない場所では傘をさして歩いています。

 もう気温が40℃近くなってくると、なりふりなどかまってはいられません。この暑さの中で日傘というものをすっかり忘れていた私は、日陰になっているところを探して歩いていたので、日傘をさせば、自分の歩いているところは、とりあえず日陰になるわけで、私はなぜ、こんなに便利なものを忘れていたんだろう?と愕然としたのです。

 しかし、それも考えてみれば、フランスには日傘というものは、ほぼ、存在しない・・たまたまそんなことを考えていたら、初めて日傘をさしている人がいて、びっくりしたくらいでした。

 そもそも考えてみれば、フランス人は日傘どころか、雨でもほとんど傘をささないので、傘を持ち歩くという習慣もなく、よほどの大降りでもなければ、少し待っていれば雨は止むし、そもそも少しくらいの雨なら、濡れても気にしない人が多いのです。

 子供が小さい頃も学校には、危険だからという理由で、傘を持って行くことが禁止で、(どちらにしても送り迎えが必要なので、車で送り迎えをするか、そうでない場合も子供の傘は親が持って帰らなければならなかった)、「えっ??なんで??危険もあるけど、そういうものは、危険がないように気をつけて使うことを覚えなければいけないのに・・」と思った記憶があります。

 子供が小さい頃は、まだまだ私も日本の習慣を引きずっていて、雨が降れば傘をさすもの、雨に備えて傘を持って歩く生活をしていましたが、いつの間にか、私自身も多少の雨なら、傘はささなくなっているので、ましてや日傘の存在などは、すっかり忘れていたのです。

 そもそも日傘に関しては、太陽の光を求めることはあっても、避けることはあまり考えていないと思われるフランス人、太陽が燦々と輝く中で、昼寝をしたり、読書をしたり、日向のテラスで食事したりすることを好むので、わざわざ日傘で太陽の光を遮るという発想はないのかもしれません。

 しかし、雨でも傘をささなかったり、強い日差しの中でも日傘がいらないと思ったりするのも、ヨーロッパの気候の影響もあったわけで、雨が降っても、少し待てば、さっと雨があがってしまうような気候や、暑いといってもさらっとしていて、気温が上がるといってもたかが知れていた以前と違って、ものすごい雨が降り続けたり、40℃に迫る気温の上昇がたびたび訪れるようになっては、フランスの傘事情も変わるのではないか?とちょっとだけ思います。

 少なくとも私は、日傘に関しては、もはやここ数日のように命の危険を感じるような暑さの中では、周囲が日傘をさそうがさすまいが、日傘であろうが雨傘であろうが、なりふりかまってはいられない・・と思っているのです。


フランス人と傘 日傘


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2022年7月18日月曜日

統一教会はこんなところにもあった・・

  


 安倍元総理を襲撃した犯人が母親が統一教会にハマり、家庭が破綻し、悲惨な状況で暮らしてきたことの恨みを殺害の動機としていることから統一教会が注目されていますが、正直、しばらく耳にしていなかった統一教会というなまえに昔のことを思い出しました。

 私がまだ日本で生活していた頃には、けっこう、統一教会やオウム真理教などの問題が大々的に報道されていて、当時、そのような新興宗教に傾倒して行ってしまった人には、私の世代の人は多かったのではないかと思います。

 現在は日本で生活していないので、どのような感じなのかはわかりませんが、よく渋谷の駅などで、「あなたの健康と幸福のために祈らせてください」などと言われて、頭に手をかざして祈られて、じっとしている人を見かけることがよくありました。(これが何の宗教なのかは知りませんが客観的に見て、おかしな光景でした)

 一時、私の友人で、熱心に「自己啓発セミナー」なるものを薦める子がいて、私は実際に大学での勉強に忙しくしていたので、「忙しくて時間がないから・・」と断っていましたが、結構、必死に薦めるので、彼女、大丈夫だろうか?と心配に思ったこともありました。それは純粋に自己啓発セミナーだったのかもしれませんが、新興宗教の入り口には、正体を隠して自己啓発セミナーなどと語っている場合も少なくないのです。

 もともと、私がケチだということが幸いしているのかもしれませんが、異様にお金を要求されるということは、どうにも不可解で、お金を払えば幸せになれるなど、あり得ないこと、ましてや宗教ならば、なおさらのことです。お金で解決できるなら、宗教などいらないのです。

 私は無宗教ですが、宗教があったら、楽だろうな・・と感じることはありました。大学の恩師がカトリックの神父さまでもあり、カトリックの勉強をしたこともありました。しかし、結果的に私は、彼(恩師)のことは信じることはできても、カトリックを信仰するには至りませんでした。そのことを恩師に直接、相談したこともあります。

「私は、カトリックについて、勉強しても、やっぱり信じることができないのです」と話すと、彼は、「大丈夫、信仰は無理するものではないから、必要になれば、その時がいつか来るから・・」と優しく仰ってくださいました。

 宗教、信仰というものは、彼の言うように、無理強いしたりするものではないはずなのです。そんなわけで、私は宗教とはあまり拘らずに生きてきました。

 統一教会といって、思い出したのは、私が初めてアフリカで生活することになった時、日本からパリ経由の飛行機の中でのことでした。パリからアビジャン(コートジボワール)に行く飛行機の隣に座ったコートジボアール人の女性が「あなたは日本人ですか?」と話しかけてきたのです。

 彼女が「私の弟は日本に住んでいたことがあるのよ」というので、「え?なんで?」と言うと、「弟は統一教会のために働いているの・・」と言われてびっくり!コートジボワールの人が統一教会に入っていて、日本で布教の仕事! あらためて、統一教会のネットワークの凄さにびっくりしたのです。

 そして、アフリカでの生活を初めて、しばらくは私は日本人とは全く接点のない生活をしていました。夫はフランス人で、フランス大使館勤務、住まいもフランス人ばかりが住んでいるレジデンスだったし、当時、私はフランス語がほとんどできなくて、大学に通ってフランス語の勉強に必死だったのです。

 しばらくして、夫がJETROの所長さんと知り合いになり、そのご家族と付き合うようになり、一瞬だけアビジャンの日本人社会に足を突っ込んだことがありましたが、当時、コートジボワールに住む日本人は200人程度ということで、大使館などの職員や日本企業からの転勤族、JETRO、JICAなどの国際機関の職員や海外青年協力隊の人、あとは統一教会の人・・というのを聞いて、また仰天しました。

 海外生活で新興宗教の勧誘というのは、結構、ある話ではありますが、しかし、それが西アフリカというあまり日本人のいない場所にまで・・ということにびっくりしたのです。

 私がアフリカで生活していたのは、もう20年以上前のことですが、あれから私はパリに引っ越して、パリでも時々、新興宗教に入っている日本人の話は聞くことがありましたが、統一教会と言うなまえは久しく聞いていませんでした。

 フランスにもフランスの新興宗教がありますが、日本でなぜ、そんなに統一教会がはびこり続け、ターゲットになり続けるのか?は、日本の文化や生活が背景にあるのかもしれないとも感じます。

 もともとヨーロッパはキリスト教の文化で、キリスト教以外にも独自の宗教を既に持っている人も多く、多くの人が無宗教である日本では、それこそ新興宗教が介入しやすいのかもしれません。

 いずれにしても、安倍元総理の事件で、再び注目されている統一教会問題。うやむやにせず、とことん追求を続けてほしいと思っています。


統一教会


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2022年7月17日日曜日

ジロンド県の森林火災とフランス人の災害対応能力

  


 ここのところ、いつテレビをつけても森林火災、森が燃えている映像が流れている気がします。この夏の猛暑の中、フランスの森林火災が、南部、西部を中心にあちこちで発生しています。

 なかでも、先週から火の手がおさまらずに被害を広げているのは、ジロンド県(フランス南西部に位置するフランス本土最大の県)で起こっている森林火災で、最新のデータによると、10,200ヘクタールが焼け、14,100人以上の人々が避難する緊急警戒体制が敷かれています。

 もともとの地域住民に加えて、夏のバカンス期間で、この地域には、多くのキャンプ場もあり、砂丘近くの少なくとも5つのキャンプ場から、6,000人が避難しなければならない大混乱が起こっています。

 この森林火災は同じ地域、数カ所で数回にわたる火災の発生のうえに、密度が高い森林ゆえに消火活動がスムーズに運ばずに往生しているようです。

 この災害の報道の中で、消火活動や避難がスムーズに運ばない理由について語られている場面で、なぜか、日本が引き合いに出されて、このような災害に対して、フランス人は、なぜ日本のように避難ができないのだろうか?と話し合われている場面を目にしました。

 この話し合いを見ていて、やはり、日本は災害が多い国として認知されているのだなぁと思ったとともに、フランス人は日本、日本人を知らないんだな・・とも思いました。それぞれの日常の様子を見ているだけでも、なぜ、日本人にはできて、フランス人にはできないのかは明白なことだと思ったからです。

 日頃、あまりフランスのニュースには上がってこない日本のニュースですが、東日本大震災が起こった時は、さすがにフランスでも特番ができるくらいの大きな扱われ方で、直後にスポーツジムなどで、知らないフランス人の女性から、「あなた、日本人でしょ・・日本のご家族は大丈夫?」などと話しかけられたりしました。

 当時は、津波や地震で避難所に避難している人々の様子なども、フランスで詳しく報道されていたので、そんな映像を見てのことなのか、「日本人は、あんな災害時にも、みんなが譲り合って、きちんと並んで、規律正しく生活していて素晴らしい国民ね・・もしも、あんなことがフランスで起こったら、きっと、フランス人はパニックを起こして、物の奪い合い、殺し合いが起こるわよ・・」と話してくれました。

 これは、パンデミックに関しても言えることですが、もともとフランス人は従順に命令には従わず、災害にも慣れていないうえに、(よく言えば)感情表現が豊かなため、パニックの起こし方も派手で、おさまりがつきにくいのです。

 一方、日本人は規律正しく、我慢強く、従順で、周囲に気遣う人が多いうえに、地震などの自然災害も多いために、日頃から災害に備えている体制がフランスよりもずっとしっかりしています。思い起こせば、日本では、学校でも会社でも定期的に避難訓練というものがあったな・・と思い出します。

 避難訓練などは、バカバカしい・・と思っていましたが、考えてみれば、日本人は子供の頃からの教育で、災害に対する訓練や教育が行われていたのです。バカバカしい・・と思っていたことも、少しずつの積み重ねで日本人には知らず知らずのうちに根付いている日本人からしたら災害時にはあたりまえのようにとる行動もまるで道標のないフランス人にとったら、パニック下におかれたら、大混乱を起こすことになるのかもしれません。


フランス森林火災


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2022年7月16日土曜日

2回目のブースター接種を受けました

  


 フランスのコロナウィルス感染は第7波を迎え、ここ数週間、1日の新規感染者数は週ごとに5万人ずつ増加し、先週はとうとう1日20万人を突破する日がありました。さすがにここまで増加していくと、入院患者数や重症患者数も着実に増加しています。

 私のところには、5月初旬の段階で、国民健康保険から「2回目のブースター接種のおすすめ」メールが届いていました。しかし、その時のフランスの感染の状況は、現在の第7波の波はまだきておらず、 私はきっと、夏のバカンスの時期に感染が拡大するであろうから、秋になって次の波が来る前にしようと、先延ばしにしていました。

 しかし、私が想像していたよりも早い段階で第7波がやってきて、フランスではえげつないほどの感染者の増加を記録しはじめ、やはり、考えていたより早くに2回目のブースター接種をしなければ・・と思い始めていました。

 私には、多少、心臓疾患があり、どうやら国民健康保険のファイルでは、私は感染して重症化した場合にリスクの高い人に分類されているらしく、年齢的には2回目のブースター接種が推奨されている年齢に達してはいないのですが、それでも「ブースター接種、おすすめメール」が来るらしいのです。

 そして、つい先日、2回目の「ブースター接種、おすすめメール」が来て、いつまでもグズグズ迷いながら、感染に怯えているのも嫌になって、2回目のブースター接種を予約していました。

 私が最初のコロナウィルスワクチン接種を受けたのは、かかりつけのお医者さんに相談して、昨年の3月に予約をして1回目のワクチン接種を受けたのがそれから1ヶ月後の4月、まだ、ワクチンについて、かなり不安もあったために、かかりつけのお医者さんにやってもらえば、その後、何か起こっても少しは安心だと思い、彼女にお願いしました。

 2回目のワクチン接種はそれから2ヶ月後の6月、その時点では、もうこれでワクチンはしなくてよいんだろうな・・と思っていたら、ワクチンの有効性は半年後には急激に低下し始めることがわかりはじめ、また、年末にかけて、感染状況が悪化しはじめたこともあって、それから6ヶ月後の昨年12月には、ブースター接種を受けました。

 当時は、このワクチンの有効性の低下が注目され、問題視されている頃で、2回目のワクチン接種から7ヶ月が経過するとワクチンパスポートが無効になることが決まった頃でした。

 この時からは、Doctolib(ドクトリブ)というアプリでその時点で一番早く、できるだけ近い場所でブースター接種が受けられる場所を探しました。その時、ブースター接種を受けたのは、家からバスで15分から20分程度のところにある薬局で、ワクチンパスを提示して、問診票の質問事項に記入することが必要でした。

 今から考えると、その時点では、1日の新規感染者数が6万人を超えた頃で、毎週のように1万人ずつ感染者数が増えていくことに恐怖を感じていて、当時、本当に少しでも出歩けば、すぐに感染者と接触しました!すぐに検査を受けてください!というアラームがくるような状況で、もういい加減、うんざりしていた頃でした。

 しかし、ウィルスが変異するにつれ、ワクチンで感染は回避できないような状況になり、しかし、ワクチン接種率が上昇したこともあってか、感染しても重症化しないケースが増えて、フランスは、「これなら風邪とかわらない、これなら大丈夫感」が高まっていきました。

 感染者数も昨年の12月の時点では、1日6万人で震えていたことを考えると、現在の1日の感染者数は想像もつかないほど増加しているにもかかわらず、世間の一般的な警戒感はダダ下がりのまま、あまり警戒感はありません。

 結果的には、私はこれまで気づかなかったことがあるのかもしれませんが、何度か検査を受けてはきましたが、一度も感染していないので、私が感染して重症化するリスクが実際、どの程度あるのかはわかりませんが、やはり、ある程度のデータをもとにリスクの高い人に分類されている以上、やはり危険があると判断する方が妥当な気がしたまでです。



 何より苦しい思いをしたり、COVID LONG(長期コロナ感染症)や感染後に長い間、後遺症に悩まされるのは嫌なので、もうこうなったら、リスクはできるだけ減らしておこうと思ったのです。

 思い起こせば、最初のワクチン接種の時から比べると、予約もワクチン接種自体も全然、簡単にできるようになって、数日前にアプリで予約を取って、家の近所の薬局に時間どおりに行くと、健康保険のカードとワクチンパスを提示するだけで、2回目のブースター接種は終了しました。今回は、問診票もなく、5分とかかりませんでした。

 ワクチン接種が終了したと同時にすぐに、2回目のブースター接種証明書のQRコードをもらい、それを手持ちのワクチンパスポートに読み込みあっという間に終了です。もちろん無料です。その翌日には、再び確認のためなのか、AMELI(国民健康保険)の私のアカウントには、4回目のワクチン接種証明書がデジタルで送られてきました。

 ワクチン接種から効果が現れるまでは1週間かかるため、この証明書が有効になるのには1週間かかりますが、現在、ワクチンパスポートが必要な場所(医療施設や高齢者施設)に行くこともないので、特に証明書が必要なわけではなく、単に自分が少しは保護された状態にあるかどうかということだけです。

 副反応も現在のところ、大したことはなく、ワクチンを打った腕が少々、痛む程度です。

 厚生省やHAS(高等保険機構)は、第7波のピークを7月末であろうと予想していますが、同時に第8波、第9波も確実にやってくると言っています。

 2回目のブースター接種をしたからといって、感染の危険が回避できるわけではなく、引き続き、私は警戒した生活を続けるつもりですが、やっぱり少しだけホッとしています。

 これで4回目のワクチン接種になりましたが、いつも迷いながらも、結果的には、私のワクチン接種の効果が低下する時点で感染が爆発的に拡大し、副反応に怯える気持ちよりも感染、重症化のリスクに怯える気持ちの方が優ってワクチン接種をしてきました。

 フランスではこれが7回目の波と数えていますが、本当に波乗りのようにワクチン接種をする機会を窺っていることになっています。

 今度こそ最後のワクチン接種・・といつも思っていますが、一体、いつまでやらなければならないのか、わかりませんが、リスクに怯えて行動制限し続けるには長く続き過ぎているパンデミックに、行動を控えて生活し続けるまま、どんどん歳をとってしまうことに、少々、焦りと憤りを感じていることも事実なのです。


2回目のブースター接種 4回目ワクチン接種


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2022年7月15日金曜日

パリ祭のシャンゼリゼの軍事パレード 完全復活とウクライナへのメッセージ

 


 毎年、フランスの革命記念日に行われるパリ祭のシャンゼリゼで行われる軍事パレードは、ここ数年、パンデミックのために中止はされなかったまでも、縮小されたり、観客なしで行われたり、いつもの規模ではありませんでした。

 今年のシャンゼリゼはすっかり通常モードの規模に戻っていました。

 シャンゼリゼの沿道の緑の樹々はフランス国旗に彩られ、凱旋門からコンコルド広場までを華やかな制服に身を包んだ兵士や各高等教育機関の学生など、今年は6,300人、64機の航空機、25機のヘリコプター、200頭の騎馬隊、181台の機動車両が2時間近くかけてパレードを行いました。




 パレードの比較的前半には、トリコロールの噴煙を流しながら飛行機がシャンゼリゼ上空を飛び、我が家の窓からもトリコロールの噴煙がパリの空を舞っていく様子が見えます。

 この数日前にたまたまパリの街を歩いていたら、突如、爆音が聞こえて、驚いて空を眺めたら、このデフィレ(パレード)の予行演習で、結構な低空飛行でその音のもの凄さに驚かされました。



  

 中でも私が最も美しいと思うのは、終盤に登場する騎馬隊で、奥に見える凱旋門を背景にトリコロールのフランス国旗に彩られた沿道の緑の樹々に茶色い馬と紺と赤、ゴールドに光る騎馬隊の調和のとれた洗練された美しさには、いつ見ても感動させられます。

        


 その年によって、登場する戦車、軍用車両(時には警察、消防車両など)は少しずつ違いますが、今年は、遠隔操縦機「リーパー」(空軍機)、陸軍は、新型装甲車「グリフォン」(装甲前面車(VAB)の後継車)と偵察車「ジャガー」を登場させています。

 中には、こんな可愛いワンちゃんまで登場しています。

 


 

 今年のパレードのテーマは「Partager la flamme」(炎の共有)と名付けられ、軍隊と国家のつながり、また現在進行形のウクライナでの戦争におけるヨーロッパの連帯のメッセージも込められ、ポーランド、チェコ、スロバキア、ルーマニア、ブルガリア、ハンガリーの軍隊もパレードを行い、東欧の国々に敬意を表しています。

 パレードの最後には、東京オリンピック・パラリンピックのメダリストが登場し、オリンピックの炎を2024年のパリオリンピックへ繋げるという「炎の共有」のオチ?のようなシーンもありました。

 華やかで美しい、このパリ祭の軍事パレードはフランス人ではない私にとっても、毎年、楽しみな行事で、ひたすら、その美しさに感動し、これを見るたびに、フランスにいてよかった・・などと思うほどなので、フランス人にとっては、何よりもフランスを誇らしく感じる最も華やかな1日なのではないかと思います。

 


 しかし、今年、ウクライナで戦争が始まって、毎日のように悲惨な戦禍の映像が流され、実戦に使われている戦車や大砲などを目にして、これらの軍事装備は本来は華やかにシャンゼリゼをパレードするものではなく、本来は、悲惨な戦場で使われるものであることを複雑な気持ちで見つめていました。

 そもそも、フランスという国の強さをアピールする軍事パレードというものをこの圧倒的な美しさとともに国の誇りとして晴れやかに披露し、多くの人が愛国心を募らせるフランスという国の文化をあらためて、日本とは全く違うものなのだ・・と、これまでと違う見方をした今年のパリ祭でした。

 ウクライナ戦争を機に多くの国で国防費を拡大し、軍事力を強化する方向に進んでいます。自分の国は自分の国で守る体制を作らなければならない状況であることはわかりますが、どうか、これが軍事パレードに留まり、実戦に使われることがないように・・と祈りながら見つめたシャンゼリゼのパリ祭の軍事パレードでした。

    


 夜にはエッフェル塔での花火も完全復活、ウクライナカラーになる瞬間もありました。

   



パリ祭 シャンゼリゼ軍事パレード


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2022年7月14日木曜日

脅威の時差ボケ 私は日本の食材の山を見ただけで時差ボケする

  

娘が運んできてくれた日本食材の一部


 現在、仕事で日本にいる娘が友人の結婚式のためにパリに来ています。ガッチリしている彼女は、少しでも安いチケットと、経由便の長距離フライトを選び、日本からパリまで20時間くらいかけてやってきました。

 前回、私が日本に行った時には、彼女が夏にパリに来ることがわかっていたので、私がパリに戻る時に持ちきれなかった食糧などは、彼女が持ってきてくれることになっていました。

 彼女はパリに来るのには、他にほとんど荷物がなかったために、持てる範囲で、日本で買ってきてほしいものをいくつか頼んでありました。

 7月に入ってからのシャルル・ド・ゴール空港の混乱ぶり、特にロストバゲージが多く出ていることを聞いていたので、荷物には必ず名前と連絡先のついたタグを必ずつけるように、しつこく言い含め、彼女の安否はもちろんのこと、自分の足で動いたり、しゃべったりできない荷物の安否についても、私はかなり心配していました。

 幸いなことに、彼女がパリに到着したのは、最もシャルル・ド・ゴールが混乱していた週末の後であったため、彼女も荷物も無事に到着しました。

 彼女が家に着いて、スーツケースを開けて、荷物を出してびっくり!、山ほどの日本の食糧は、私が頼んだ荷物(ほぼ日本の食糧ですが・・)だけではなく、私の友人や従姉妹や叔母たちが彼女に託けて持たせてくれたものがたくさん詰められていました。

 彼女が持ってきてくれた貴重な日本の食糧を一つ一つ眺めながら、冷蔵庫にしまうものを確認して、一つ一つ冷蔵庫に納めながら、私は軽い興奮状態にありました。自分が日本に行かずともこんなに日本の食糧がやってくるなんて!!!と。

 その日は感激しながら、明日の朝はあれを食べようか?これを食べようか?と考えながら、幸せな気持ちで眠りにつきました。娘は長距離フライトながらも幸いにも飛行機の両隣が空席だったとかで3席使って、飛行機の中でしっかり眠れたから大丈夫・・と意外にも元気で、私が前回日本から長距離フライトで帰仏した時よりもずっと元気でした。

 なんと、2週間近くパリにいるというのに、彼女は数日しか休暇をとっておらず、リモートで仕事するから時差ボケは治さなくてもいいと言い、それでも、到着した日から、夜はさっさと寝て、翌朝、会議の時間に合わせて起きなければ・・と言いながら、さっさと寝てしまいました。

 私はいつもと同じ時間帯に眠りにつきましたが、翌朝、自分で自分にびっくり!別に時差ボケなどしているはずのない私が朝5時過ぎにはなんとお腹が空いて目覚めるという驚きの現象が・・さすがに5時に起きるのは、いくらなんでも早すぎる・・と思いながらも、もう空腹でどうにも眠れず、10分ほどベッドの中でグズグズしていたものの、諦めてさっさと起きて、朝食をとることに・・・。

 朝から丁寧に出汁をとって、お味噌汁を作り、彼女が持ってきてくれた納豆やお漬物、お魚などで、朝からしっかり和朝食をとって、大満足。それにしても、普段、朝はあまりお腹が空かないので、滅多に普通の朝食でさえ取らない私が日本の食材を見ただけでお腹が空いて時差ボケ状態のように早朝からお腹がすいて目が覚めるということに自分で失笑してしまいました。

 本当に時差ボケしているはずの娘が起きてきたのは、私が朝食を取った後、しかも彼女は会議の時間に合わせて仕方なく起きてきたに過ぎず、さほど時差ボケしている様子がないのは、さすがに若いなぁ〜と感心してしまいます。

 私の時差ボケは1日で治ったので、本当の時差ボケではなく、単なる私の食い意地が私を早朝から目覚めさせただけのことでした。

 しかし、彼女はパリに来てからも、日本での会議の時間に合わせて、今日は夜中の1時に起きなければとか、朝7時に起きなければ・・などとやっていますが、私は通常どおりの生活に戻り、寝るのは夜中の1時頃。

 そんな家のリズムに一番、ぐったりしているのは猫のポニョ。私も娘もお構いなしに、それぞれの時間に寝たり、起きたりしているのですが、ポニョにはどうやら、家族の動向を見守らなければという使命感があるらしく、誰かが起きてくれば、一緒に起きて見守ってくれているようなので、私が寝たかと思うと娘が起きてくるのに合わせて、ついていくので、完全に睡眠不足。この私と娘のズレた時間での生活を見守る身としては、かなりお疲れの様子です。

 朝、娘が起きれば、私の部屋に来て、私を起こしはしないけれど、「もう彼女は起きているんだから、もういい加減に起きたら・・」とでも言いたげな様子で待っているのです。

 こんなに献身的に家族を見守ってくれる猫をよそに、食べ物を見ただけで時差ボケする私は、猫以上に動物的なのかもしれません。


時差ボケ


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2022年7月13日水曜日

この猛暑の中、パリ市内のプールがストライキ

  


 今年の夏のバカンスシーズンが始まるとともに、SNCF(フランス国鉄)やRATP(パリ交通公団)の一部、空港公団などのストライキが立て続けに起こり、バカンスに出かけようとする人々を大混乱に陥れています。

 特に空港のストライキによる多くのフライトキャンセルとともに空港に山積みにされた荷物が2週間近く経った今も未だに空港に山積みにされている光景には、荷物を持たずにバカンスに出発させられた人々の困惑ぶりを思うと本当に言葉もありません。

 私が同じ目に遭っていたなら、こんなトラブルに巻き込まれるくらいなら、フライトはキャンセルしていたのに・・と思っていたと思います。

 まさにバカンスシーズンに入るにあたって、最も人々が迷惑する機関が続々とここぞとばかりにストライキを連発している感があります。以前、RATPのストライキが続いてウンザリしていた時にフランス人の知り合いに、「もうこんな時に酷く迷惑だ!」というようなことを言ったら、「ストライキは一番、人の迷惑になる時にやらなければ意味がないじゃない!」とあっさり返されて、「そりゃそうなんだけどね・・さすがにストライキの国で生まれ育った人は根性が座っている・・」と唸ってしまったことがありました。

 そして、今年は公共交通機関や空港に加えて、今度はパリ市の市営プールで7月1日から8月31日までのストライキを呼びかけており、パリ市のホームページによると、パリ市内の42ヶ所のプールのうち、すでに12ヶ所のプールが閉鎖しているそうです。

 特に今週は、パリではすでに6月に迎えた40℃に迫る猛暑が再び襲うと言われている中、バカンスに出かけられないパリ市民にとって、市営プールの閉鎖は、厳しい現実です。

 もともと、フランスでは、日本のようにどこの学校でもプールがあるわけではなく、(というより、むしろ学校にプールがあることは極めて稀)、学校の水泳の授業でさえも、市内のプールに移動して行われているのが普通で、そもそも、市営のプールでさえもそんなに数があるわけではないので、学校やクラス(または学年)ごとに振り当てられる水泳の授業の時間は、そもそもほとんどが屋内プールであることもあり、夏の間に限られたことではありません。

 娘が小学生の頃は、水泳の授業が真冬の寒い時期にあたり、いくらプールは温水プールでも学校との行き帰りの往復で風邪をひいてはいけないと思い、タイツを履かせて出したら、これまた教師から、「水泳の授業のある日は着替えに時間がかかるので、タイツは履かせないようにしてください」などと、信じられない通知があり、仰天したことがありました。

 「ふつう、逆だろ!風邪をひかないように暖かくしてきてください・・だろ!」とフランスの教師はこれだから嫌だ・・」などと思ったことがありました。

 話は逸れましたが、今回の真夏の猛暑時のパリ市内のプールのストライキは、労働時間の増加と休暇の減少に抗議したものだそうです。

 もともと、我が家の近くの市営プールは夏には職員がバカンスに出てしまうために閉めてしまうプールだったうえに、ここ数年、改装中のために何年も閉鎖状態。つい先日、ようやく「改装工事が終わりました!プールが再オープンします!」という招待状が来ていたので、ようやく、プールに行けるな・・と思っていたのですが、私は風邪をひいたりして、ちょっと体調を崩しているうちに、コロナウィルス第7波の感染急上昇に恐れをなして、ちょっとプールに行く勇気はありません。

 しかし、娘が小さな頃には、さんざんお世話になった市営プールです。とにかくエネルギー溢れかえる娘をなんとか夜、あっさりと寝かすためにも我が家にはプールは不可欠で、休みの日には、必ずと言っていいくらいプールに通い続けていました。

 このインフレで生活も逼迫していく中、フランス人が何より大事にしているバカンスも期間を短縮したり、出費を抑えようとしている中、バカンスに出られない人もせめてプールくらいは・・と考えている人々には、大きな痛手です。

 フランスに住みながら、今さら、ストライキやデモにいちいち目くじらを立てているわけにもいかないし、時にはデモなどで声を上げることが必要であるとは思うようにはなりましたが、しかし一方で、多くの人を困らせて、なんとか自分たちの要求を通そうとするやり方は、駄々を捏ねている駄々っ子のような気がやっぱりしてしまうのです。


パリ市 プールストライキ


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2022年7月12日火曜日

青く晴れ渡る空の下のセーヌ川岸 パリプラージュの圧倒的な美しさ

  


 

 夏になると、パリプラージュがセーヌ川沿いに登場するようになってから、なんともう20年近く経っているのだそうです。初めてパリプラージュができた年に親子でどんなものか覗きに行ったのは、まだ娘が小学校に入る前のことだったと思うので、言われてみれば、そのくらい時間が経ったのかなぁと思います。

 パリプラージュは当初はなかなか画期的な試みで、夏に入ってもバカンスに出かけられない人にも身近なところでバカンスを楽しめるように作られたものでしたが、その後、すっかり定着し、パリの夏の風物詩のようなものになりました。




 一昨年は、このパリプラージュに検査場ができた!などというニュースで賑わっていましたが、コロナ禍もずっとパリプラージュはパリに存在し続けてきました。

 ここ数年の夏の暑さはパリでも年々厳しくなっていますが、太陽の大好きなフランス人は、この暑さにもめげず、セーヌ川岸で美しい風景を楽しみながら、夏を満喫しています。




 パリ中心部のセーヌ川岸の風景は、青い空に緑、深い色の水がきらきらと輝き、沿岸に並ぶ歴史ある建物と一体化して、すでにそこにあるだけで絶景なのですが、そこに、その風景を引き立たせるような色のビーチパラソルやデッキチェアなどがきれいに並び、洗練されたリゾート空間はやはりパリならではの圧倒的な美しさです。

 セーヌ川をときおり通っていく観光船も今年は観光客が戻って満席です。

 また、洗練された雰囲気の中にあるスポーツやゲーム、レジャーを楽しむためのものは、なかなかレトロなシンプルなものであったりするところも、ちょっと、フランスらしくて、ほっこりさせてくれます。



 テーブルサッカー、ペタンク、ボルダリング、巨大なボードゲームや屋外図書館、水遊びができるスペースなどなど、これらが全て無料で利用できます。

 また、ポン・ヌフのふもとで毎日10時から12時まで太極拳、ルイ・フィリップ橋で毎週日曜日の10時から12時まで「コーチング・ランニング」、土曜日と月曜日にはスウェーデン・ジムのクラスが開催されます。

  


 また、それらとは少し離れた場所(同じセーヌ川沿い)にあるバサン・ド・ラ・ヴィレットでは、毎日午前10時から午後10時までアクティビティが開催されており、2024年のパリオリンピックを彷彿とさせるカヌー、パドリング、ペダルボート、ハワイアンカヌーなど、ウォータースポーツを楽しむこともできます。(毎週日曜日の午前10時から正午までは、ブレイクダンス教室を開催)




 今年は、イタリア文化(写真、映画、演劇、音楽)にスポットライトを当てる「ドルチェ・ヴィータ・シュル・セーヌ」フェスティバルが開催され、映画などを水辺で楽しむこともできます。

 レジャー・リラクゼーションエリアと称して、ヤシの木や桑の木を増やして、今年はこの計画をさらにグリーン化したとパリ市はアピールしています。

 現在、コロナウィルス第7波が国全体を襲っているにもかかわらず、パリ市役所は今年のパリプラージュ開催をゲージや制限なしに行う予定だそうです。




 今年、久しぶりにパリプラージュを覗きに行ったのですが、平日であったため、さほど混んではいませんでしたが、すでに先週末はものすごい人出だったとのこと。今週のパリは再び猛暑に見舞われるとかで、すでにかなり強い日差しで、私など日傘をさしながら、歩くだけでもヘロヘロで、少しでも木陰を見つけるとホッとするような気分で少し涼んだり、霧状の水が撒かれている場所で涼んだりしながら、それでもパリの圧倒的な美しさを楽しんできました。

 しかし、これだけ暑いというのに、デッキチェアに横たわる人もたくさんいて、炎天下でゲームをしたり、ランチを食べたりとフランス人の太陽好きを目の当たりにして、太陽の光とこの空間を満喫している様子にあらためて驚かされたのでした。




 それにしても、夏の間だけではありますが、ちょっと街中のパリとは違うまた別の美しいパリを味わえる空間、色々、大変なこともあるけれど、なんとなく住んでるだけではありますが、パリが誇らしく思えるような美しい空間です。

 夏の間にパリを訪れる機会があったら、ぜひ、足を運んでみるのも楽しいかもしれません。




パリプラージュ


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2022年7月11日月曜日

シャルル・ド・ゴール空港のロストバゲージの行方

  


 パリ・シャルル・ド・ゴール空港の大掛かりなストライキから1週間経って、空港に足止めを食ったスーツケース約2万個が依然として持ち主の元に届いておらず、空港に山積みにされているようです。

 先週末のパリの空港でのストライキは、多くのフライトをキャンセルさせただけでなく、何万人もの旅行者の荷物を奪いました。荷物係もストライキを起こしていたうえに、荷物積載のシステムダウンが原因だったと言われています。

 今回のシャルル・ド・ゴール空港でのロストバゲージの多くは当然のことながら、最も発着便の多いエール・フランスの便に関するものが多いそうで、エール・フランスは、荷物を積まずに離陸してしまった旅行者に対して、当初は、「1週間以内には、荷物を届ける」と発表していたにもかかわらず、荷物は山積みにされたまま、持ち主の元には届いていないのです。

 そもそも、このハイシーズンに人員不足にストライキ、次から次へと離発着が続く空港では、その日の荷物の処理で手一杯。賃金値上げとともに、過剰労働の緩和を訴えていた空港職員が、残業までして山積みにされた荷物を処理するとは考え難く、また、時間が経てば経つほど、空港に残された荷物の配送先は、旅行先に届けられるべきものなのか?それとも自宅に届けられるべきものなのか?どんどん複雑な要素が含まれてきます。

 平常時のフライトでさえも、荷物が無事届くかどうか?盗難にあったり、スーツケースが壊されたりしていないか?いつも不安を感じるところですが、空港に足止めをくって1週間以上経ってしまったスーツケースに関してはもう不安というより絶望的です。

 エールフランスおよびシャルル・ド・ゴール空港は現在、ロストバゲージ扱いになっている荷物は空港で保管していると発表していますが、スーツケースが何の保護もされずに倉庫の外、コンテナでむき出しになっているものもあることがわかっています。

 これまで、個人的には最も荷物のトラブルが多いのは、イタリアというイメージがあって、ローマからの便でスーツケースの鍵が切られていたこともあったし、サルディニアに行った際は、空港について、やたらと空港内にロストバゲージのコーナーが多くて嫌な予感がしていたら、やはり荷物は同じ便には積まれておらず、必ずしも荷物は同じ便では届かないのは普通というようなことを言われてびっくりし、荷物は翌日ホテルに届けてくれたものの、一晩は着替えもなく不自由な思いをして以来、イタリアに行く際には、もう荷物は預けずに手荷物以外には持たないようにしているくらいです。

 しかし、ここまで大掛かりに荷物が溜まって保管(というより、放置)されている状態には、楽しいはずのバカンスが荷物のクレームを入れることに費やされるストレス満載のものになってしまいます。

 この事態を受けて、エールフランスは、一刻も早くスーツケースを持ち主に返すために増援を動員したことを発表していますが、このロストバゲージの量を考えると、パリ空港組合は、この荷物の山が処理されるには、数ヶ月間かかるはずだと断言しています。

 ということは、バカンスに出かけた人はさすがにもうバカンスを終えて帰ってきたあとに荷物が戻るということです。

 エールフランスは「荷物はすべてこちらに向かっている」と、これ以上荷物の配達の遅延を否定していますが、荷物の保管状況を考えると現実的な解答ではありません。

 すでに、補償問題についての解説が始まっていますが、荷物が遅れた場合、補償を受けることができることが可能で、荷物がない間に生活必需品(衛生用品、下着など)を購入しなければならなかった場合、請求書の提示により航空会社に払い戻しを請求することができます。また、荷物を紛失した場合、乗客1名につき約1,200ユーロを限度として弁償を請求することができます。

 しかし、どちらもクレームを申し入れるのは、書面で21日以内に航空会社宛に申し立てをする必要があるので、この期限を過ぎてしまえば、補償されることはありません。これは、旅行保険などの補償とは別のものなので、もしも、泣き寝入りしたくなければ、航空会社と保険会社との両方の手続きが必要になります。

 航空会社が補償を拒否した場合、民間航空総局(DGAC)にオンラインで苦情を申し立てるか、旅行観光オンブズマン(MTV)に連絡し、解決を図ることができます。

 友好的なアプローチがうまくいかない場合は、裁判を起こし、被った損害の賠償(物の交換、荷物の紛失・破損)を請求することができます。管轄の裁判所は、紛争に関わる金額によって異なります。会社や裁判は2年以内ということです。

 まさに、ここまでくると、完全な戦闘体制、やっぱりフランスで生きていくためには、常に戦闘体制に入る覚悟が必要なのか・・と、ほとほとウンザリします。

 私の場合、飛行機を利用するのは、やはり日本⇄パリ便が最も多く、スーツケースの中身はほぼ食糧、しかも航空便ならではの保存のあまりきかないものなども多いので、もし、今回のようなロストバゲージになり、数ヶ月間も放置されてしまったら、ほぼ私のお宝の食糧は絶望的なことになると思うと、ゾッとしてしまいます。

 それでも、無事に回収できたらまだマシですが、保管?放置されている間に盗難に遭う可能性も大です。今は、海外からの小包も規制が厳しくなり、やたらと税金がかけられるようになっている今、ロストバゲージに泣き寝入りするわけにもいきません。

 本当に今は航空運賃も爆上がりしている上に迂回ルートなどで時間もかかり、そのうえロストバゲージで荷物を受け取るのに数ヶ月もかかるのでは、本当に踏んだり蹴ったりです。


シャルルドゴール空港 ロストバゲージ


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