2022年8月31日水曜日

固定資産税の増税と未申告プールの税金徴収1,000万ユーロ

  毎年夏のバカンスの時期の終わりになると、3,000万人以上の住宅所有者が固定資産税の請求を受け取り、現実に引き戻される嫌な時期を迎えます。 固定資産税などの税金は、毎月、引き落としで支払うこともできますが、毎月、支払っていない世帯に対しては、10月中旬に一括で納めることになります。 今週から固定資産税の納税通知書は、オンライン化されています。お役所仕事は、とかくスムーズに運ばないフランスでも、本当に税務署だけは、しっかり働きます。 価格の上昇は、エネルギーや食料だけではなく、あらゆるものがインフレに直面して、政府もまた、固定資産税の計算の基礎となる地籍上の賃貸価格を3.4%再評価すること...

2022年8月30日火曜日

フランスの物価上昇と年度始まりの100ユーロのインフレ手当

   ここのところ、買い物に行くと、ちょっとギョッとするほど、あらゆるものの価格が上がっているような気がします。普段、具体的に正確な値段を把握していなかったものでも、値段を目にして、「えっ??」とびっくりして、伸ばした手を引っ込める感じで、そんな感じで手を引っ込めていたつもりで買い物しても、最後にレジで、また、「えっ??」そんなに買っていないはずだったのに・・とウンザリします。 かなりボーッとしている私が気付くほどの値上げなので、よっぽどなのだろうと思うし、散財してしまった・・というわけでもないのに、どんどんお金を使っているというのは、ちょっと恐ろしい気がします。 それでも、ヨーロッパの中では、まだフランスは物価上昇率はマシな方だと言われていますが、7月の物価上昇率は、全体で約...

2022年8月29日月曜日

海外在住と日本の家族 独り残された父

    海外に在住することを決めた段階では、私の場合はあまり詳しく後先を考えていませんでした。別に海外に永住すると心に決めていたわけでもないし、もしも私がもう少し思慮深い人間で、後のことまで色々と心づもりをして考えていたら、海外に移住することなどできなかったかもしれません。 しかし、私だけでなく、周囲の家族を含めての、すべての人々の先のことなど想像がつかないことでした。 だからといって、海外に移住したことを後悔しているわけではありませんが、最も困ったことの一つは、日本にいる両親が歳をとっていって、健康を害する場面に直面したときだったような気がします。 娘が生まれて、私がフ...

2022年8月28日日曜日

エアフランスのロストバゲージは45日経っても戻らない上に90日後には捜索も打ち切り

   今年の夏のバカンスシーズンの始まりのシャルル・ド・ゴール空港は、航空会社や空港職員や消防隊員のストライキのためにフライトキャンセルや空港のシステムダウンも重なって大混乱となりました。 特に、飛行機に搭載されないまま出発した人の荷物がシャルル・ド・ゴール空港に置き去りにされ、この期間に出たロストバゲージは3万5千個と言われており、山積みにされたまま放置されているスーツケースに当事者ではない私でさえも、ゾッとしたくらいでした。 シャルル・ド・ゴール空港での出来事のため、当然、一番、被害の多かったのはエアフランスのフライトに関するロストバゲージが大部分だったようで、当初はエアフラン...

2022年8月27日土曜日

フランス 教育革新基金に5億ユーロ投入

   私がフランスで仕事を始めたのは、娘が1歳になるかならないかの頃で、初めての子育て、しかも、まだフランスに来て1年も経たないフランスのこともよく知らない状況で、周囲には、子育ての先輩が結構いて、色々と忠告をしてくれました。 まあ、同じフランスでの子育てといっても、それぞれ、家族構成や生活環境は違い、全てを参考にできたわけではありませんでしたが、私にとっては、大きく2つのことを心に留めていました。 そのうちの一つは、「放っておいたら、日本語はできなくなってしまうから、心して日本語教育には取り組まなければいけない」ということと、「学校は小学校から中学、できたら高校までは、私立に入れ...

2022年8月26日金曜日

「私たちは豊かさの終焉の時を生きている」マクロン大統領閣僚理事会での厳しめのスピーチ

   マクロン大統領が閣僚理事会を開催し、その冒頭で行ったスピーチが衝撃を与えています。 マクロン大統領は、世界を襲っている「一連の危機」を振り返りながら、国際関係の非常に厳しいパノラマを描写しながら、非常にインパクトの強いメッセージを発信しました。 閣僚理事会の席上ゆえ、一応は出席している閣僚に向けての発言ではあるものの、報道カメラが入っている以上、それは、少なからず国民に向けてのメッセージでもあり、同時に国民の不安を煽るものでもありました。 「私たちは豊かさの終焉、不安のない生活の終焉、先行きの見える生活の終焉を経験しており、コストのかからない流動性の終焉を経験している。水のように、ある素材や技術の希少性が再び登場する。私たちは、今、決して自暴自棄にならずに行動を起こさなければならない」そして「私たちは気楽な時代の終わりを生きているのであって、我々の自由というシステムには犠牲が必要かもしれない」とフランス人の反感を最も煽るようなことも、あえて付け加えています。 「この大きな変化に直面し、国民は大きな不安を抱えて反応するかもしれません。このような困難に直面したとき、私たちには待つという選択肢はありません。志を持って国を興し、守るべきものを守り、必要とする人を守らなければなりません。」 「私は真剣さと信頼性を期待します」「このような不安や課題に直面すると、時に何でもかんでも約束したり言ったりしがちです。世界では、人々が望んでいることを言うのが魅力的に見えるかもしれません。彼らが聞きたいことが効果的で役に立つこともあります。」 「しかし、我々はまず、それが有用で、効果的で、公正であるかどうか、あるいは彼らを説得しに行く必要があるかどうかを自問自答することによって、理由をつけなければならない」。...

2022年8月25日木曜日

フランス発の航空運賃 1年間で 43.5%上昇

   フランス民間航空局(DGAC)によると、2022年7月、フランス発の航空運賃の上昇率は、1年前と比較して、すべての目的地を合わせて43.5%に達しました。 1年前と言われても、1年前の7月といえば、フランスでは、まだまだワクチン接種が思うように進んでいかないためにヘルスパス(ワクチンパスポート)の起用が発表された頃で、ヘルスパスがないと、食事にも旅行にも行けないことになり、皆、慌ててワクチン接種に走り、バカンス先でもワクチン接種をできるようになっていました。 1年前のそんな時期でも、フランス人は、負けじとバカンスに出かけていましたが、それでも、やはり、普段は海外に出かける人も...

2022年8月24日水曜日

救急車が電動キックボードに乗ったティーンエイジャー2人を轢き殺す陰惨な事故

   この間は、消防士の森林火災放火事件があったと思ったら、今度は救急車がティーンエイジャー2人を轢き殺すと言う事件が起きて、驚愕しています。 消火活動にあたるはずの消防士が放火し、怪我人や病人を助けるために駆けつける救急車が人を轢き殺してしまうのですから、本末転倒このうえない話です。 月曜日の午後6時半頃、リヨン2区を電動キックボードでバスと二輪車、スクーター専用レーン(一般車道の横のレーン)を走行中だった15歳の少女と17歳の少年が後から猛スピードでやってきた救急車に跳ね飛ばされて死亡しました。 目撃者によると、2人は数メートルも跳ね飛ばされたと言われており、そのスピードがどれ...

2022年8月23日火曜日

日本の国税庁キャンペーン「サケビバ」にはフランス人も唖然

   最近、日本のびっくりするようなニュースをフランスのテレビで知ることが増えた気がします。 つい、先日、フランスのテレビのニュースで日本の「サケビバ」の話を報道していて、かなり、驚きました。 このキャンペーンは、20歳から39歳の若者に向けて、酒類業界の活性化や問題解決に対するプラン、特に若年層の需要に向けた新たなサービスやプロモーションなどを募るもので、国税庁のサイトを見ると、これに応募して、なんかいいことあるのかな?と見ると、参加費無料とあるだけで、何もメリットはなさそうです。アイデアを募集しておいて、参加費無料とは、なんたる上から目線! この「サケビバ」に関して、フランスで...

2022年8月22日月曜日

モンマルトルの丘 サクレクール寺院あたりのガラの悪さにげんなり

  9月に入って、パリの住人たちがバカンスから戻って来れば、また人が多くなるので、公共交通機関や街も空いているうちに、久しく行かなかったところに行ってみようと、ここのところ、パリの街を歩きまわっています。 パンデミックの間は、ロックダウンを初めとして、行動制限があったり、観光客もパッタリいなくなって、潰れるお店もけっこうあったりして、この2年ほどでパリの街は少し変わったような気がしています。 これでは今まであったガイドブックなどは、かなりの改訂が必要かも・・と思ったりしています。 今年は、すでに日本人や中国人などのアジアからの観光客以外は、ほぼコロナ前の人出に戻ったと言われており、観光地と言われる所は、それなりに、結構、賑わっています。 パリに観光に来る方はどこへ行くのか?あらためて考えてみると、「これだけは見逃せない!」...

2022年8月21日日曜日

パリで200以上の黄色い郵便ポストが閉鎖 黄色いポストはパリの景観の一部?

   私自身は、全然、気づいていなかったのですが、パリでは今年の2月以来、200以上の郵便ポストが閉鎖、または撤去されているそうで、最近、ちょっと話題を呼んでいます。 フランス郵政省(P.T.T.) は、この郵便ポストの撤去について、郵便物の盗難被害対策をその理由として説明しています。 2021年には650件以上の盗難被害が報告されているとかで、郵便小包などなら、いざ知らず、ポストに投函される程度の大きさの郵便物の盗難という割の悪そうな犯罪が、どうして、そんなに多発しているのかと思いきや、郵便物から個人情報を集め、勝手にローンを組まれたりするという、なかなかな被害が生じているのです...

2022年8月20日土曜日

検問拒否で、また警察官発砲事件 同乗者死亡・運転手意識不明の重体

   リヨン近郊のヴェニシュー(ローヌ県・フランス南東部にある街)で検問を拒否した車に対して警察官が発砲し、1人が死亡、1名重症に陥る事件が発生しています。 ほんとに、また?と思ってしまう警察官の発砲事件です。 事件が起こったのは深夜0時頃のこと、パトロール中の4人の警察官が、ヴェニシューにあるスーパーマーケット・カーフールの駐車場で盗難届が出ている車を発見しました。 警察官が検問のため、警察車両をおり、対象車に近づくと、運転手は検問を拒否して車を発車させ、それを止めようとした警察官が車にぶつかったものの、車はそのまま逃走しようとしたため、同行していた同僚の警察官が数回にわたって発...

2022年8月19日金曜日

パリ市内観光の新しい移動手段 トゥクトゥクには、ご注意ください

   パンデミック以前には、あまり見かけることのなかった人力車の現代版のようなトゥクトゥクがパリに急激に増加しています。 先日、たまたま美味しいチーズ屋さんがあると聞いて、出かけて行ったら、残念なことにそのお店はバカンス中でお休みで、ふと気付くとエッフェル塔のわりと近くで、滅多にこのあたりには来ないのだから、久しぶりにエッフェル塔まで散歩してこようと思って、てくてく歩いて行ったのです。 近辺は、比較的ゆったりした道で、緑も多く、きれいな街並みで、エッフェル塔など何十年ぶりだろう?と思いながら、歩いていました。 すると、さすがに観光地だけあって、観光用と思われるインスタスポットができ...

2022年8月18日木曜日

猛暑の後は豪雨、洪水 パリの脆さを露呈する異常気象

   ここ数年は、毎年の年中行事のようになった夏の猛暑も、今年は5月から始まり、6月、7月、8月と数週間おきに続き、例年ならば、40℃に迫る暑さが訪れた翌日には、本当にここはパリなのか?と思うほどのスコールのような雨が降ったりして、スッと涼しくなる感じだったのに、今年の猛暑は、一瞬、気温が下がっても、長いこと雨はほとんど降らずに本当の日照り状態で、水不足が深刻になり、作物が育たなくなるだけでなく、原子力発電所の冷却のための川の水位の低下と温度の上昇で、電力供給にまで影響が出ていました。 また、街中でも、パリの街中のあちこちにある、本来は青々としているはずの芝生が黄色くなって枯れ始め、シャンゼリゼの街路樹までが黄色くなりかけていました。 最近、パリで流行りの造花によるカフェなどのデコレーションでさえも、日焼けして、色褪せるほどでした。 それが、先日、猛暑の波が去ったと思ったら、今度は豪雨で、本当ならば、待ちに待った恵みの雨だったはずなのですが、90分間に40ミリ以上の記録的な大雨で、我が家の近辺では、なにやらガラス窓にカチカチ氷の粒があたっているのが聞こえていて、雹まで降っていました。 90分間に40ミリの雨というのは、通常1カ月に降る量の70%をすべて合わせた量だそうです。 パリの街路樹には落雷で倒れた木もあり、何よりも、この豪雨に、街中の水は捌けていかずに、あっという間にパリの街中の道路は川のような状態になり、車もウォータースライダーのように水飛沫をあげて走っていました。La...

2022年8月17日水曜日

日本の統一教会問題の一部始終は海外でも報道されている

    私は海外に住んでいるとはいえ、日本人なので、日本のニュースが気になるので、日本で起こっているニュースはネットなどでチェックするようにしていますが、最近の日本の統一教会問題については、探さなくともフランスでも報道されています。 先日、ネットで統一教会会長の記者会見を見ましたが、考えてみれば、あの記者会見は日本外国特派員協会のもので、海外にその内容が報道されるのも当然のことです。外国特派員協会で行われる記者会見の内容が必ずしも海外での報道に繋がるとは限りませんが、この事件に関しては、安倍元総理大臣の襲撃事件に端を発しているだけあって、その報道のスタートはセンセーショナルで、しかもセクト(新興宗教)という海外においても、決して見過ごすことのできない問題でもあるため、報道は続けられているのです。 この報道はフランスだけではなく、アメリカやイギリスなどでも拡散されていることは言うまでもありません。WARNING:...

2022年8月16日火曜日

日本に住むにあたっての手続き マイナンバーカードと住民票の不思議

    娘の就職にあたって、彼女は初めて日本に住むことになって、生活を始めるにあたっての様々な手続きが必要で、パンデミックのためにしばらく日本に行けずに放置してあった家のことも気になり、彼女が本格的に社会人としての生活をスタートさせる前に、最後に親として手伝ってあげられることがあるかもしれない、保証人などが必要な場面もあるかもしれない・・と手続きについて行きました。 これまで幼少期から度々、日本には連れて行っていた娘ではありますが、日本に住むのは初めてのこと。住民票を入れたり、カードを作ったりと生活していく上で最低限やらなければならないことは、いくつかありました。 私自身、日本から...

2022年8月15日月曜日

バイリンガルになった娘の就職

  日本に行きたいがためにママに公文の宿題を毎日やらされていた頃の娘 子供ができたとわかった時から、私はなぜか、お腹の中の子供は女の子だと思い込んでいて、産婦人科のお医者さんにエコーで診てもらった結果、「手足の長い女の子ですよ!」と言われて、「やっぱり!・・よかった!」と思いました。 名前も、フランスにも日本にも、英語圏にもある名前にしようと前から決めていました。正直、私は名前はひらがなでもいいな・・と思っていたのですが、パパが「日本にはせっかく漢字があるんだから、漢字の名前をつけてあげなければ可哀想だ・・」などと言い出し、そうなると、今度は実家の母が「せっかく漢字にするなら、画数...

2022年8月14日日曜日

日本の未来はもう心配という段階ではなく、絶望的

   平常時には、見過ごしてしまいがちな国の在り方とか、政治などが、非常時になると浮き彫りになってくることをここ数年、特にパンデミック以来、ひしひしと感じています。 ことにパンデミック以来、その現れ方は顕著で、私は日本人でありながら、フランスに住んでいることで、フランスと日本の国の対応を見続けてきました。 フランスはパンデミックが始まる寸前まで、黄色いベスト運動で、国は大荒れで、黄色いベスト運動のデモもパンデミックのおかげで静まったようなところさえあり、もともとは、燃料税に端を発したデモに政府に対する不満が積み重なり、毎週のように土曜日になると起こるデモは、もう週末には、デモが起こ...

2022年8月13日土曜日

不足していたはずのひまわりオイルがダブつき始めた・・

  ウクライナでの戦争が始まってしばらくして、ひまわりオイルがスーパーマーケットの棚から消え始めたのは、4月に入ってからのことでした。フランス人って、そんなにひまわりオイルを使ってたのかな??と思っていたら、ひまわりオイルだけでなく、他の食用オイルも消え始めました。 結局、最後までいつも棚にあったのはオリーブオイルでしたが、これは、ヨーロッパ内での供給が比較的安定しているからなんだな・・と思っていました。 特にそんなに使っているわけではなくとも、なくなるとなると、一応、買っておこうか・・と思うのが心情なのか、ぐんぐんと値上がりしたにもかかわらず、飛ぶように売れていくのですから、お店側としては...

2022年8月12日金曜日

秋には、コロナウィルス第8波が来るのは確実 EUオミクロン対応新型バージョンワクチン確保

   今週もフランスは熱波が襲ってきていて、1日、いや半日でも外を歩いてくると、もうヘロヘロな感じで、もうさすがにマスクどころではないし、マスクをしないでさえも、もう辛いような日差しで、それでも、たまにはメトロの中などではマスクをしている人がいないわけではないけれど、パリジャンはパリにいないし、パリにいる観光客は、それこそもうバカンス気分でコロナの影はほとんど見えなくなりました。 フランスは6月末から7月にかけて第7波を迎えていましたが、その後、順調に感染者数は、減少し、一時は20万人近くもいた1日の新規感染者数も現在は3万人以下にまでになっています。 現在のところ、「ウイルスの感...

2022年8月11日木曜日

パリ シャルルドゴール空港(CDG)でナイフを振り回した男 射殺

  今年の夏のシャルル・ド・ゴール空港は、さんざんなニュースばかりが続いています。 夏のバカンスシーズンの始まりとともに、大規模なストライキにより、大幅なフライトチケットのキャンセル、また 、空港職員のストライキと、荷物積載のシステムダウンというトラブルが重なり数万個に及ぶロストバゲージ放置状態・・と、ろくなことがありません。 だいたい、ただでさえ、ハイシーズンで高価格の時期に加えて、現在の航空運賃は、ちょっと洒落にならないほどの値上がりで、そのうえ、トラブルといえば、ちょっと許せない話なのですが、これでもかというほどにトラブルが続きます。 今回は、シャルル・ド・ゴール空港のターミナル2Fで、朝、刃物を振り回した男に警察官が発砲、射殺という事件が起こっています。CDGの2Fといえば、私も利用する機会が少なくない場所で、(多くの日本行きのフライトは2Eか2Fのことが多い)ぞっとする話です。 考えてみれば、飛行機に乗る場合は、チェックインしてから、通関する過程では、荷物チェックがありますが、空港自体に入るのには、荷物検査はありません。 当日の朝に空港警備員と揉めていたホームレスとみられる男のもとに、国境警備隊の警察官(PAF)が応援にかけつけ、男は、一度、退避させられました。ところが、その後、男は警察官に対して攻撃的、脅迫的になり、国境警備隊の警官(PAF)に腹部を殴られ、逆上し、警察官を殴ろうとした後、自分のキャディからナイフを持って戻ってきたと言われています。 現場を目撃したAFPのカメラマンは、「背の高い男が警察に向かってナイフのようなものを振り回し、警察側からの警告が出たが、彼は警告を無視して前に出て、警官が発砲した」証言しています。発砲は1回だけだったようです。 警察の発表によると、撃たれたのはマルティニークのフォール・ド・フランスの出身だという。テロ発言はしていないことから、彼の行為がテロ行為であったとは見られていません。 パリの街中でも駅でも空港でも、なかなか立派な銃を携帯している警官を間近にみかけることは少なくなく、そばを通りかかっても、何気に、「これ、ほんものなんだよな・・」とチラ見することはあるものの、うっかり話しかけて、妙に誤解されたり不審に思われるのも怖いので、そのまま通り過ぎるのですが、幸いなことに、これが実際に発砲される場面には、これまで直に遭遇したことはありません。 日本でも、警察官は銃を携帯していると思いますが、こちらの警察や憲兵隊の携帯している銃は、長さ50㎝はあると思われる、なかなかな迫力の銃です。(全ての警察官がこのサイズの銃を持っているわけではありませんが・・) 最近、警察官の発砲事件の話を以前よりも頻繁に聞くようになった気がしますが、シャルル・ド・ゴールの空港、しかもターミナル2Fという、必ずしも無縁でもなさそうな場所、しかも空港といえば、屋内で人も多い空間での発砲といえば、周囲は騒然としたに違いありません。 発砲されたのは1発だけで、1発が命中して、撃たれた男は死亡したということなので、周囲に被害は及んでいませんが、これが本当に発砲が必要な事態であったかどうかは、少々疑問でもあります。少なくとも、犯人の動きを止めるだけで、致命的な傷を負わさなければならなかったかどうかは検証する必要がある気がします。 Faisant...

2022年8月10日水曜日

フランス人が日常のトラブルには寛容な不思議

   5年近くも工事していた近所の市営プールがリニューアルオープンして、まだ1ヶ月も経っていません。パンデミックで長い間、できるだけ歩くようには心がけていたものの、運動不足だった私は経年からの体力の衰えをひしひしと感じ、これからはせめて、週に1度か2度くらいは泳ぎに行こうとオープン以来、プールに通っていました。 もともと歩くよりも泳ぐ方が楽な私、身体がほぐれる感じで全身に感じる心地よい疲れにこのところ、順調にプールに通っていました。 この市営プール、以前は夏には職員がバカンスを取るために夏の間はクローズしてしまうプールだったのですが、さすがに長い工事期間を経てリニューアルした後は夏でもクローズにならないことで少しホッとしていましたが、営業時間は昼12時から14時、15時から19時というなんと、昼休みつきというクラッシック?なスタイルです。 この昼休みのあることには、少々、苦々しい思いもあるのですが、まあ、夏、閉めないでくれるようになっただけでも、まだマシというものです。 とにかく、今のところ全てが新しくなってキレイで気持ちよく、ここのところ、自分を奮い立たせてプール通いをしていたのですが、さて、今週も頑張るぞ!と出かけたところ、なんと、プールには、人手不足のために臨時休業のお知らせ・・8月の間、期日指定で、週1〜2日、お休みの日が指定されて張り紙がされていました。 出かける前に、え〜と午後からの時間は何時からだったっけ?とサイトで営業時間を確認して、現在は開いているのを確認して出かけたのに、まさかの休みで、ムッとして帰ってきました。ちょうど、私と同様、プールの入り口で張り紙を見て、呆然としていた若い男性も「ズッ・・」と呟いて、帰っていきました。 そして、その翌日、今日こそはやってるよな・・と意気揚々と出かけて、午後の時間帯に一番のりの勢いで出かけていき、さすがにこの暑い中、夏休みのバカンス中ということもあり、子供連れも多い中、プールの前には人だかりができていました。 ところがオープンの時間になったら、何やら中から再び張り紙を貼る職員が・・「えっ??まさか、また休み??」と思いきや、その女性が貼り出したのは、「子供用プール閉鎖」の張り紙・・、周囲の子連れのお客さんからは、「4年以上も工事してたのに、また??」という声が聞こえてきたものの、関係ないお客さんは、なだれ込むようにプールへ・・。 「すみません」とか、「ごめんなさい」でもなく、「冷房してるから、扉を開けっぱなしにはできないんだから!」、「いいわね!子供用のプールはクローズよ!」とがなりながら、職員の女性はプールの中に消えていきました。謝らずにまさかの逆ギレ・・最近はあまり見かけなくなったクラッシックなフランスの接客を久しぶりに見た思いでした。 それでも、子供用のプールは私には関係はなく、さっさと私は淡々と泳ぎ始め、一応、1日のノルマにしている1キロを泳いで、さて、ゆっくりシャワーを浴びて、そろそろ帰ろうかな?・・と思っていたら、何やら、周囲のみんなも引き上げる様子。午後の営業時間が始まって、わずか30分ほどのことです。 特に場内アナウンスがあるわけではなく、どうやって、知らされたのかはわからないのですが、とにかく、その日のプールは閉鎖になって、全員が追い出される様子で、皆がシャワーを浴びて、帰り支度を始めだしました。 私としては、どちらにせよ、自分が泳ぐだけ泳いで、もうさっさと帰るつもりにしていたので、別によかったのですが、皆がしぶしぶとプールを追い出されて帰っていくのは、なんだか気の毒な感じでした。 なぜ、急に営業時間帯に閉めることになったのか?と聞いても、フランスお得意の「プロブレム・テクニック、詳しいことは知らない」という回答。「明日はやっているの?」と聞いても、「わからない・・」と両方の手のひらを返して肩をすくめて首をかしげるフランス人お得意のジェスチャーでの回答。 プールの出口では、その日の分のチケットの払い戻しの代わりに次回の分のチケットをくばっていたので、私ももらって帰ってきて、なんだか、一応、泳いだので、なんか得した気分でしたが、他の人々は、まだろくに泳いでもいないのに、帰らなければならないのに、さほど怒る様子もなく、おとなしく帰っていくのでした。 以前から私が不思議に感じているのは、とかく自己主張が激しくて、黙って引き下がらないフランス人が、こと日常のこのようなトラブルに対しては、さほど腹を立てる様子もなく、おとなしく引き下がることで、職場などで、「日本人は黙って我慢するからダメなんだ・・」とかいって、焚き付けられたりもするのに、なぜ、日常のトラブルに対してはこんなにあっさりと引き下がるのだろうか?と思うのです。 度々起こるストライキや、電車が止まって、急に線路の上を歩くハメになったりしても、猛烈に怒りだしそうなところ、案外、騒ぎにもならずに、それはそれと受け入れて、再び電車が動き出すのを待ったり、淡々と他の線に乗り換えていったりするのです。 逆に我慢強いはずの日本人の方がとかくサービスなどに関しては、ほんの些細なことで、腹をたてて、クレームをつける人がいたりするので、フランス人が日常のトラブルに関しては、寛容なことが不思議です。 どうにも、フランス人と日本人では腹を立てるポイントが違うようで、フランス人が日常に多発するトラブルにいちいち腹をたてないのは、まぁこんなもんだ・・という慣れもあるのか、また、逆に、「お客さまは神様」の本当に行き届いたサービスが日常の日本では、ほんのわずかなこともお客さまは許してくれないのかもしれません。 逆に今の日本の統一教会と政治家の繋がりなどの問題を見ていると、フランスだったら、大変な暴動が起こるだろうと思われるのに、日本人はもっともっと怒っていい!と思うのに、暴動などは起こっていないのも、フランス人から見たら、それはそれで、不思議なことかもしれません。フランスの日常トラブル 怒りのポイント<関連記事>「フランスで生活していく術 トラブル満載の日常を生き抜くために・・」「パリのメトロのプロブレム・テクニック」「やたら謝る日本人と謝らないフランス人に見る厳しい日本社会と緩いフランス」「...

2022年8月9日火曜日

干ばつが引き起こす牛乳価格の高騰と品不足

   今週から再び、気温の上昇が見込まれ、さらなる干ばつ被害が広がると見られているフランスでは、今度は、牛乳の価格の上昇および、品不足が心配されています。 この夏の熱波以前からのウクライナ戦争により、牛の餌代が上がり、燃料費が2倍、肥料費が3倍になっている中、フランスの牛乳の価格はさほど上昇しないままに抑えられてきました。 しかし、戦争によるインフレに加えて、この干ばつは、酪農家にとっては、ダブルチョップの災難で、全国農業組合連合会(FNSEA)は、今後の牛乳の生産と供給について警笛を鳴らしています。 雨も降らず、草も枯れる。そして、青草がないということは、夏場はいつも外にいる牛の放牧地がないということです。ただでさえ高い飼料価格に悩まされ、牛を抱えている酪農家にとっては差し迫った危機の異常事態なのです。 そのため、酪農家は現在、通常、冬に備えて蓄えている飼料を家畜に与えるハメになっており、2022年から2023年の冬の間、多くの農家が牛を養えるのかが懸念される事態となっているのです。 牛乳だけでなく、バター、クリーム、チーズ、ヨーグルトなどなど、フランス人の食卓にとって、欠かせない乳製品の元となる牛乳価格が高騰したり、牛乳が不足するという事態は大変、深刻な事態で、すでにシードの輸入が滞って欠品が目立ち、価格が爆上がりしているマスタード不足どころではない危機が訪れることになってしまいます。 現在、秋から冬にかけて牛に与えるはずの飼料や牧草を使用していまっているということは、秋には、多くの酪農家が家畜に与える食料が不足する可能性があるということなのです。2022年から2023年の冬の間、多くの農家が牛を養い続けることができるのかという問題は、かなり緊急な対処が必要な深刻な問題なのです。 そのため、彼らは皆、経費を補い、セクターの存続を確保するために、価格の値上げを望んでいるのです。ミルクを作るには飼料が必要で、主に牧草とトウモロコシが必要ですが、今年はあまり育っていません。そのため、今年の秋から冬にかけて、牛を飼い続けることができなければ、牛乳が不足する恐れがあるのです。 恒久的に牛を生産しつづけている酪農家にとって、母牛を失うと、3年間は子牛を生産する能力を失うことになるのです。この負のスパイラルを止めるためにも、酪農家は国の支援を求めています。つまり、今、なんとかしないとこの牛乳問題は少なくとも3年間は続くことになってしまうのです。 フランスの牛乳価格は、他のヨーロッパの生産者、特にドイツやオランダの牛乳価格よりも20%安いと言われています。 全国農業組合連合会(FNSEA)は、このフランスの低い牛乳価格の値上げを求めると同時に、国には、農家が飼料を購入できるような援助を受けられる災害基金があるはずだ・・と援助を求めています。 パンデミック、戦争の影響から、燃料費の高騰から始まって、インフレ、あらゆるものの価格の上昇が続いていますが、フランス人にとってのガソリンともいうべく乳製品の値上がりは、それこそかなりの家庭での痛手になりそうです。 こんな話が出始めたら、今度は牛乳の買い占めが始まりそうです。フランスで売られている牛乳の多くは、常温保存が可能なものが大部分を占めるため、ある程度の期間の買い置きが可能です。 そういえば、今日、買い物に行った時、いつも私が買っている牛乳がなかったのは、もうすでに、買い占めが始まっているせいだったのかもしれません。私はそんなに乳製品をとる方ではありませんが、少なくとも、この状況で価格が上昇しないことは考えづらいと思うと、今のうちに少し買い置きしておこうか??などと思ってしまうのです。牛乳価格高騰 牛乳不足 干ばつ<関連記事>「ひまわりオイルの次はマスタードがない! フランスのマスタード不足」「フランスでの日常の食料品の買い物...

2022年8月8日月曜日

公共交通機関でのベビーカー問題について

    日本の公共交通機関で「ベビーカーが邪魔だ!畳め!」と言って、ベビーカーを蹴飛ばしていった人がいた・・とかいう話がSNSで出回っていて、あらためて、自分の子供が小さい頃のことを思い返してみると、私は子供を連れてベビーカーで公共交通機関に乗ったことはなかったように思います。 たった一度、思い当たるのは、アフリカから引越してくる際のことです。夫は先にフランスに到着していて、一人で赤ちゃんだった娘を連れて、アフリカからパリに来た時のことで、空港で飛行機に乗る時にベビーカーは預けました。 その時は、ブリュッセル経由の飛行機だったのですが、ブリュッセルまでの飛行機が遅延して、経由便の飛...