2025年10月31日金曜日

行く先々でトラブルに遭遇・・友人とのトラブル続きのパリ観光

  


 ものすごく久しぶりにヨーロッパに来た友人と彼女が行きたいところをピックアップして、少しずつ廻ることにしていますが、この日は、彼女は自分の好きなミュージシャンのアルバムのジャケット写真の表紙に使われている場所で写真を撮りたい!ということで、まったくベタな話ですが、エッフェル塔が全景で見える場所=トロカデロ(シャイヨ宮の正面)に行くつもりで出かけました。

 ところが、6号線の一部が工事中のため、思っていたとおりのルートが利用できずに急遽、ルートを変更。パリ・リヨン駅経由で乗り換えて、目的地へ・・。

 ところが、パリ・リヨン駅で改札を通ろうとしていたところに、浮浪者のような人がウロついて、他人が改札を通ったあとに紛れて改札を通ろうとしていた様子はなんとなく見ていたのですが、近くにいた人が「ポケットに気を付けて!」と大きな声で注意してくれた時点で、この浮浪者が改札を他人と同時にすり抜けるのと同時にスリを働こうとしていたことが、発覚。慌てて、友人の袖をつかんで、「この人が通るのを待ってからにした方がいい・・」とストップ。

 結局、この人は、別の人と一緒に改札をすり抜けて行きましたが、友人はぞっとしたらしく、「なんなの?怖い!パリ!」とドキドキしてしまったようでした。

 そして、今度は無事に電車に乗ったと思ったら、今度は検札官が3~4人でやってきて、「チケット拝見!」と・・。友人曰く、「本当にこんな感じで検札が来るんだ!威圧感半端ない・・」と、またまたドキドキ・・。

 さらに、ようやくトロカデロに着いたと思ったら、なんとこの日はフォーラムをやっているので、終日通行止めの進入禁止とのこと。「え~~?楽しみにしてきたのに、なんで~~?」とまたショック。

 そして、気を取り直して、フレンチのレストランでランチをして。なんとなく、トラブル続きの本日の気分を変えられたのかな?と思って、ヤレヤレ・・と清算を頼みました。すると、持ってきたレシートは、なんだか?思っていたよりも、ずいぶん高い・・。おかしいと思ってよくよく内容を確認してみたら、どうやら、私たちの分のレシートではなく、別の人の分のレシートと間違えて持ってきたようでした。

 「これ、間違ってます・・私たちのものではないのでは?」とレシートを突き返すとウェイターさんは一旦、戻って確認すると、「すみませんでした。こちらでした・・」と。危うく高い請求分を支払うことになるところでした。

 「まったく、パリってのは、全てにおいて、気が抜けないところだね・・」といいつつ、超有名なカフェでお茶していこう・・とカフェのテラス席へ・・。

 しばらくすると、ホームレスがテラス席に座っていたお客さんに向けて、お金をせびりに来たところで、お店のスタッフた数名、すっ飛んできて、追い払ってくれたのですが、その追い払い方が容赦ないというか、なんだかすごい勢いと迫力。

 歴史あるカフェだけに、お店の品格と信用を落とさないための措置だとは思いますが、なんだか微妙な気持ちになりました。

 一日を振り返って、結局のところは、何一つ被害に遭ったわけではないのですが、すんでのところで何度危ない、危うい目にあったことか・・と。

 ふだん、私が一人で出歩いている時には、そうそう一日にこんなにトラブルに見舞われることは少ないことですが、そのひとつひとつを振り返ってみれば、どの出来事もパリでは起こり得ることには違いなく、やっぱり注意が必用なことばかりかもしれません。


パリ トラブル


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2025年10月30日木曜日

久しぶりに行った シャルティエ(BOUILLON CHARTIER)が激混みしていてビックリした

  


 日本から来ている友人のリクエストで、「このレストラン!行ってみたい!」という写真を覗いたら、「BOUILLON CHARIER」で、久しぶりに出かけました。

 ここは、庶民的でありながらも、レストランの中のつくりが、ちょっと古き良きフランスの時代を彷彿とさせる雰囲気があり、王道というか、定番フレンチのメニューが単品から気軽に頼めるお店です。

 日本からパリに来た人には、けっこう喜ばれるお店です。なんといってもお値段がお手頃価格で、この円安の現在でも、まあまあ許容範囲・・というか、ヘタをすると、ファストフードだって、もっとかかってしまうのでは??と思うほどです。

 いつ、行っても変わることなく、いつでも混んでいるのですが、今回は、これまでにない混みようで、お店に着いたのはお昼時12時半くらいではあったのですが、とにかく行列が何重にもなり、他のお店の前を超えて道をはみ出るほどの並び方。

 現在、フランスはバカンス期間中で家族連れのお客さんなどもけっこういることもあるのか、こんな行列、初めて!というほどでした。


 延々の行列・・といっても、お店の中はけっこう広いので、回転は悪くなく、もっともっと永遠に待たされるのかと思いきや、行列が最後の直線コースに入った(お店の正面が見える位置)ところまで進んだ時点で、前には4~5人の家族や人数の多いグループばかりが並んでいたためなのか?「お二人ですか?では、お先にどうぞ・・」と最後の最後に30人抜きくらいで急に前に進めて、並んだのは結局、30分~40分くらいでした。

 店内は、あまりギューギュー詰めに座席を詰めて置いていないので、一端、入ってしまえば、ほぼ満席ながらも、そこまで混んでいる感じがないのもこのお店の良いところです。

 今回は、超忙しい時間帯のウェイターのおじさんたちのあまりの機敏な働きぶりと嫌な顔ひとつしない、しかも間違いなく正確で素早い対応に思わず、目を見張ってしまいました。



 このお店のウェイターさんたちは、一人一人は、そんなに若い人はむしろほぼほぼいなくて、中年以降のおじさんばかり、黒を基調にした制服とエプロンに身を包み、皆、ものすごく誇り高く働いている感じがとてもいいな・・と思いました。


地鶏のローストと牛タン


 一見、あまり年配の人がやらなそうな仕事ではありながら、「なまっちょろい小坊主には、この仕事なんか務まらないだろう・・」とでも言っているような、プロの仕事人・・そんな感じがしました。

 

生クリームたっぷりのシュークリーム

 お料理はいつものように美味しかったし、完璧?でしたが、そんなウェイターのおじさんたちの心意気を妙に感じてしまった今回のレストランでした。

 なんといっても、このお値段、この日はメイン、デザート、コーヒーをそれぞれ食べて、一人、15ユーロくらいでした。今どき、パリでこんな値段でそこそこの食事ができるところって、そうそうありませんから、混んでいるのも当然です。

 しかし、並ぶ価値はあります。


シャルティエ(BOUILLON CHARTIER)


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2025年10月29日水曜日

観光客の観光客用のパリのメトロ・バスのチケットについて

 


 友人がパリにやってきて、パリに滞在中の移動のために使うチケットは、どんなチケットを買ったら良いのだろうか?と、ちょっと迷いました。

 私がこちらで日常的に生活するために使用しているNavigo(パリ市内を利用できる定期券のようなもの)は1ヶ月分をチャージするのがふつうなので、その他のNavigoについてよく知りませんでした。

 本当は、空港で1週間分パリで使えるチケットを買ってしまったら、ラクかな?と思っていたのですが、空港のチケットを売っているマシンへ行って、いざ、買い進めようと思ったら、観光客用の「Forfait Paris Visit」(パリ観光パッケージ)というものしかなくて、それが、1日分29.90€、2日分44.45€、3日分62.30€、5日分76.25€となんだかふつうのNavigo(1ヶ月 88.80€ )に比べて、めちゃくちゃ割高なのにビックリ!ちょっとあまりに高いんじゃない?とちょっと引いてしまいました。

 ネットで調べていたところ、たしか、短期用のパスには、Forfait Semaine (1週間用のパッケージ)というものがあったはずなのに・・と思って聞いてみたところ、このForfait Semaineをチャージするためには、まず、パリ市内のメトロの駅でカード(Le Passe Navigo Découverte)(ディスカバリー・パスナビゴ)を作る必要があるそうで、まずこのカードを作らなければなりません。しかし、このカードを作るのは、意外にも簡単です。

 このカードを作るためには、本人の顔写真が必用ですが( 2.5 cm*  3cmくらいの小さめ・・あまり写真の正確なサイズはうるさく言われませんが大きすぎるとカードに貼れないのでダメだと思います)、写真が必用というだけで、写真さえあれば、メトロの駅の窓口でこのカード(Le Passe Navigo Découverte)(ディスカバリー・パスナビゴ)を作りたい・そして、「1週間分をチャージしてください」と頼めばその場ですぐにできます。5分でできます。

 このカードをまず作る(5€)と、その後、このカードにチャージできます。そうすると、1週間分(Zone 1~5)が31.60€でチャージできます。なので、最初はカード分5€を加えると36.50€かかりますが、その後、追加するときには、1週間分31.60€でバスもメトロも乗り放題になります。

 いわゆる一番買いやすい「Forfait Paris Visit」(5日分)を買うよりも安い金額でメトロもバスも乗り放題のカードが手に入るのでお得だと思います。

 あまりメトロやバスを使わない方には、必用ないのかもしれませんが、ふつうに自分でバスやメトロなどの公共交通機関を利用してパリを観光して歩くには、こちらの方がずっとお得なのでは?と思います。

 また、バラでバスやメトロのチケットを購入したり、チャージしたりする場合は、バスとメトロのチケットは料金も違い、パスも別々のものになるので、ややこしく、よく、バスの中で観光客が、運転手さんに、「これはバスのチケットじゃなくて、メトロのチケットだから、別に、今、携帯で払えるから今ここでチャージして・・」などと言われているのを目にすることも多々あるので、けっこうややっこしく、そんな光景を見かけるたびに、「じゃあ、携帯持ってない人はどうすんのよ!」と思います。

 「だったら、もっとわかりやすく表示しておけよ!」と思いますが、バス停などに、そんな表示をしてあるのは、あまり見かけたことはありません。

 それで、正しいチケットを持っていないときに、検札にあたれば、観光客でも容赦なく罰金をとられるので、まず、正しいチケットを確保しておくことをおススメします。

 このLe Passe Navigo Découverteは、どこの駅でも発行できるのかどうかはわかりませんが、とりあえず、駅の窓口に行く必要があります。

 友人は「パリって物価が高いんだね~」と驚いていますが、とりあえず、交通費もなかなかバカになりませんから、少しでも自分の滞在にあった、お得なチケットを見つけることは、けっこう大切かもしれません。

 ちなみに1週間分のカードは、月曜日から日曜日までとなっています。


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2025年10月28日火曜日

CDG空港で電車が不通になって大変だったけど、お兄さんがとても親切だった話

  


 日本から友人が来てくれるので、彼女も久々のヨーロッパというので、「じゃあ空港まで迎えに行くよ!」と空港まで出向きました。といっても、私は車を持っているわけではないので、電車で行って、一緒に電車で帰るだけなのですが、それでも、久しぶりに会える友人に少しでも早く会えて、電車の中でもぺちゃくちゃおしゃべり出来たら楽しい・・そんな呑気な気分でした。

 ところが、飛行機は定刻よりも早くに到着し、通関もスムーズでわりと早く出てこられたまではよかったのですが、いざ、さて、家に帰ろうか・・となったら、空港からの電車(RER B線)が不通になっていました。まさにフランスあるあるです。

 空港でのチケット売り場にいたお兄さんに、「どのくらい動かないの?」と一応、聞いてみると、「RERは17時半までには動くと言っているけど・・(その時点ではあと30分くらいな感じだった・・)」との回答も、そんなの絶対にあてになるはずはありません。

 「となると、タクシー以外になにか選択肢はありませんか?」と聞くと、自分のスマホを出して、スラスラと調べてくれて、「このバスに乗って、ここまで行って、その先はこれがいいんじゃない??・・」と教えてくれました。

 それなら、バスでもいいや・・と思ったのが甘かった・・。そりゃそうです。RER B線が動かないのですから、バスの混雑ぶりは恐ろしいほどです。すでに一台がギューギュー詰めになっているのに、まだ出発せず、しかもバスに乗れなかった人の山がもう一台でも、恐らく乗り切れないだろうと思われるほどの黒山の人だかり・・。しかも、次のバスが出るのはさらにその40分後・・。

 もうバスは諦めて、タクシーで帰ろう・・となって、タクシー乗り場に行くと、こちらもけっこうな人・・それでも、タクシーの運転手さんが出てきて、「パリまで100ユーロはかかるよ!今日は・・」と意味不明の警告。

 「今日は電車が動いていなくて、人も多いから、100ユーロはかかる・・」と言い張ります。定額料金なはずでしょ!と言っているのに、ぼったくる気満々・・。

 もうそれでは、空港バスでオペラまで行くか・・と一回、空港に戻り、チケットを買おうかと思っていたところに、最初にバスを教えてくれたお兄さんがいたので、これまでの経緯を説明して、「どうしよう!」と泣きついたら、「じゃあ、Uber頼めば・・」と・・。

 でも、私は、「アプリも入れてないし、Uber なんて使ったことないから・・」といったら、私の携帯でサラサラとUber の予約をしてくれました。

 若い、おそらく20代の移民らしきお兄さんでしたが、嫌な顔ひとつせず、ロクに携帯も使いこなせないおばさんのために、「これは、こうして・・運転手に連絡取りたい場合は、ここを押して・・」と、ウーバーが来るパーキングの場所までちゃんと教えてくれて、あまりの親切に感動してしまいました。

 お兄さんは空港の職員のようでしたが、こんな親切な空港職員、初めて会いました。

 そんなわけで、友人とともに、タクシーよりも格段に安い値段で無事に家に帰ってくることができました。

 なんだか、腹を立てたり、慌てたり、お兄さんの優しさに感激したり、忙しい1日でした。


CDG空港からのタクシーとUber


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2025年10月27日月曜日

麻薬密売のための隠れ蓑になっている店舗の拡大

  


 ヨーロッパ1が明らかにした警察の報告書によれば、食料品店、ケバブ店、理髪店、ネイルサロンなどの店舗の新規開店が麻薬密売に端を発する大規模なマネーロンダリング計画の隠れ蓑として機能していると警告しています。

 全国的に拡大しているこの怪しい現象は、当局の深刻な懸念を引き起こしています。

 シャルルヴィル・メジエール(フランス北部アルデンヌ県)、市内中心部郊外にある夜遅くまで営業している食料品店(何でも売っている小さなスーパーマーケットのような、営業時間が長い点ではコンビニのようでもある・・けど日本のコンビニとは全然違う)は、今年の夏に開店したばかりでしたが、ここが麻薬取引の拠点であることが判明し、店長に有罪判決が下っています。

 2025年6月に開店したばかりのこの店は、すでに近隣住民から不審な活動が多く見受けられることから、懸念を持ち、市当局に通報していました。

 市民からの通報により、この食料品店では、警察がまず店長の身元確認を行った後、店内を捜索しました。現場捜索の結果、押収された品物には合計500グラムを超える大麻樹脂と大麻草のほか、コカイン、ヘロイン、秤、携帯電話、包装袋、数十箱のタバコ、香水瓶、衣類などが含まれていました。

 この品目を見ると、まるで違法販売の物品の倉庫みたいな感じです。

 シャルルヴィル・メジエール検察庁はこれらの事実を公開し、「警察の拘留下において、この食料品店の店長は、これらの品物の所有権を認めている」ということです。

 この食料品の店長は、麻薬取締法(CRPC)に基づき、麻薬の使用、所持、取得の罪で起訴され、懲役10ヶ月と携帯電話の没収と800ユーロの罰金を言い渡されたそうです。

 しかし、お店でこんなもの扱っておいて、懲役10ヶ月と携帯電話の没収と800ユーロの罰金だけって、ずいぶん甘くない?と思うのは私だけでしょうか?

 パンデミック以来、パリでもたくさんの店舗が潰れて、新しい店舗に入れ替わっている感はあるのですが、まさか、ケバブやネイルサロンなど、一見、あまり警戒感を感じないような店舗にまで、この麻薬密売組織が絡んでいる可能性が拡大しているなんて、本当に恐ろしいことです。

 地域にもよるのでしょうが、この手のお店などが新規開店した場合、ちょっと疑ってかかって用心するのは、ありだな・・と思うのでした。


麻薬密売の隠れ蓑の店舗拡大


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2025年10月26日日曜日

RER C線の暴行男から被害者女性を救い、動画まで撮影して犯人逮捕に貢献したのは勇敢な女性

  


 友人がパリに行くという話をしたら、同僚のカナダ人から、パリは危ないから、メトロなどの公共交通機関に乗るときには、「バッグを前に抱えたりして、充分、気をつけなきゃダメだよ!」と言われたという話を聞いて、苦笑してしまい、「今は、そこまでだとは思わないけど・・、まあ、気を付けるに越したことはないけど・・」という話をしたばかりでした。

 数日前にRER C線の中でブラジル人の若い女性が車内で襲われ、暴行を受けたというニュースがSNS上で出回っていました。

 普段、私は、ほとんど郊外線に乗ることはないのですが、せいぜい、郊外線を利用するといえば、空港に行く時くらいのもの(しかもオルリー空港はメトロ14号線で行けるようになったので、シャルルドゴール空港に行くとき乗るRER B線)です。

 しかし、ふだんは、ほとんどパリ市内から出ることはない私にとって、郊外線というものは、乗るたびに、パリをちょっと出ただけで、いきなり景色が変わる・・グッと開けていない感じの空き地の多い、のどかなエリア・・つまり田舎に突入することに驚かされます。

 私は、東京で生まれ育ったので、東京都内だけでもずっと広いし、たとえ、都内を過ぎても、しばらくは、ビルが建て込んでいるエリアが続くので、すぐにのどかな景色に変わるパリ郊外というものに、驚かされるのです。

 そんな途中の駅では、ほぼほぼ降りることはないのですが、人の量も警備の人数もパリとは全然、違います。

 今回のRER C線での暴行事件は、この拡散された動画に出ている時間を見ると、夜の8時半頃でしたが、若いブラジル人の女性が暴行被害を受けているところに、近くに居合わせた乗客の女性が介入して、被害者を救い、それだけではなく、諦めて去っていく犯人を動画撮影していました。

 たまたま近くに居合わせたのが女性だったのかもしれませんが、そこが男性ではなく女性だったということにもスゴイな・・私だったら、同じようにできただろうか?と思ってしまいます。

 この勇敢な女性は、この被害者女性が被害届を出すのを手助けして、一緒に動画を警察にも渡していました。

 被害者の女性は、唇を噛まれ、引っ掻かれ、殴られ、性的暴行を受けたと被害の様子を語っています。

 そこに割って入っていくのは大変なことですが、結果的には、また別の女性がこの様子を見つけて悲鳴をあげたことで、この男は暴行を諦めて、動画をとっていることについて、脅迫しながら、逃げていきます。

 なんと勇敢な女性なんだろうか!と感服しますが、この勇敢な女性は、「何もしないで見過ごすという選択肢はなかった」とインタビューに答えています。

 なんと、この映像のおかげで、数日後、男は逮捕されました。犯人は、26歳でエジプト国籍を名乗っているということです。

 現在は、この男、警察に拘束されていますが、他にも余罪があると見られており、この人物の他の被害者についても捜査が進められているそうです。

 内務省によれば、公共交通機関における性的暴行は2016年と比較して86%増加しており、特にイル・ド・フランス地域では、性的暴行の加害者における外国人の割合が極めて高く、2024年に記録された性的暴行の62%は外国人によるものであったと言われています。

 友人に、「パリは別に、そこまで危なくないよ・・」と言った言葉、撤回しなければなりません。必ずしも、こんな勇敢な女性がどこにでもいるわけではないですから・・。


RER C線の暴行被害 救世主は女性乗客


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2025年10月25日土曜日

ガレージに5年間監禁されていた45歳の女性 加害者は・・

  


 ときに、こんなことってあり得るの?と思うような犯罪というものが起こるものですが、まさに、今回の事件は、そんな事件のひとつだったのではないか?と思います。

 事件は、サン・モルフ(ロワール・アトランティック県)で発生しており、ナント検察庁は、2名の容疑者を「拷問ならびに蛮行を伴う誘拐」の罪で起訴しました。

 被告らは、40歳の女性を自宅のガレージに監禁し、劣悪な生活環境を強いるとともに、彼女の金銭と社会保障給付金を横領したとして告発されています。

 また、さらに驚きなのは、この被告人たちが、60歳の介護士とそのパートナー(82歳)の二人という決して若くないというか男性にいたっては、はっきりいって、高齢者だということです。

 ナント地方検事局によると、被害者は、「当初は、女性とアパートで暮らしていたが、その後、庭のテントに泊められ、男性が家に住み始めた瞬間から庭のガレージに閉じ込められていた」と証言しています。

 事件現場となっていた家に住んでいた男性(容疑者の一人)は、「彼女がガレージにいるのは知っていたが、彼女とは全く話をしたことはない。今となっては、深刻な事態だったと理解している」とマスコミの取材に対して答えています。

 「今となっては・・」と、言えるのかどうか・・なんといっても被害者が監禁されていたのは、5年間という決して短くない期間です。

 彼の証言によれば、彼の同居人である女性と被害者の女性は、主従関係にあり、二人は喧嘩になり、それがエスカレートしてしまったとのこと。しかし、5年間の監禁とはやはり常軌を逸しています。

 被害者の女性は、捜査官に対し、「普段はガレージで生活し、ガレージの中にあるデッキチェアで寝て、鍋とビニール袋で排泄し、食器用洗剤が混ざったお粥のようなものを食べていた」、「時折、庭に出ることができたものの、時には、一日中、雨や寒さの中にいることもあった」、「恒久的に暴力を受けていた」と証言しています。

 時折、庭に出ることができた時以外は、ガレージのドアは外側からコンクリートブロックで塞がれていたといいます。

 裁判所は被告人2人が被害者の金銭と社会補償金を横領した疑いについても言及しています。検察の捜査によれば、2022年以降、「被害者の生活の痕跡は残されていない」とされ、彼女の銀行口座は、彼女の生活が突然、混乱したことを示しており、最後の彼女の銀行取引履歴は、被告人への送金が最後になっている事実を確認しています。

 彼女自身は特別な監視下にあったわけではなく、もはや携帯電話の契約も切れていたために、事務手続上、彼女は失踪した人物とみなされていました。

 10月半ばの夜、監禁されていた女性は、監視の隙をついて、屋外の囲いから逃げ出し、隣家の家のドアをノックして助けを求めました。その時の彼女はほとんど裸の状態で、低体温症で非常に弱った状態だったそうです。

 5年間、劣悪な環境で監禁されていた彼女は、虐待を受け続け、身体は漂白剤で洗われ、食事には、食器用洗剤や混入され、薬物を投与され、体重が50㎏も減少していたと言われています。

 隣人に助けを求めた時の彼女は、錯乱状態だったそうです。

 しかし、なぜ?こんなことが起き得るのか?監禁された当初は40歳であった女性も今では45歳。とはいえ、相手は、あまり若くない相手、体力的には、彼らよりも勝っていただろうに・・逃れるチャンスもあったのでは?とも思われますが、詳しい状況は不明です。

 異常なことに、この加害者の方は、事態の深刻性をあまり認識していなかった様子というのですから、さらに異様な話です。


ガレージに5年間監禁されていた女性


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2025年10月24日金曜日

インフルエンザワクチンとコロナワクチン あっという間に済ませました

 


 もうずいぶん前に、「インフルエンザの予防接種を受けて下さい」とご招待状のようなものを頂いていて、これまでは、かかりつけのお医者さんに相談してから、決めていたところ、もう今年は、自分の体力にまったく自身がなくなっていることもあり、考えるまでもなく、直接、薬局にそのご招待状を持っていって、ワクチンをもらってから、お医者さんへ行きました。

 私が今年は、なんとなく、ワクチン接種を急いだのは、近々、友人が日本から来ることもあって、ワクチン接種したあとは、逆に一時的に熱を出したり、体調を崩したりすることもあり得るので、その前に済ませたいということもあったのです。

 インフルエンザの予防接種をしてもらった際に、今年は、コロナのワクチン接種はどうなっているんですか?と尋ねたら、「もうやっているわよ!こっちの方も絶対にやっておいた方がいいから、予約、入れときますか?でもインフルエンザワクチンとは最低48時間あけないといけないから・・この日でどう?」と言われて、予約してありました。

 



 パリは急激に寒くなってきていることもあるのか?かかりつけのお医者さんによれば、インフルエンザの患者さんもコロナの患者さんも激増しているとのこと。「早く両方とも済ましておくに越したことはないからね・・」と言われて、素直に従いました。

 今年のコロナウィルスの新しい変異種には「フランケンシュタイン」なる名前がつけられていて、感染力も高いとは聞いていましたが、同時にそこまで重症化する確率は高くはないということでしたが、やっぱり体力的に自信がなくなっている私としては、やっておいた方が安心・・インフルエンザにしても、コロナにしても、かかって苦しい思いをしたくないという気持ちが年々強くなっています。

 フランスでは、保険証のカード(Carte VItal)を通じて、診察記録、投薬記録、また検査の記録、今回のようなワクチン接種の記録が全て残り、自分自身でもその記録がオンライン上で確認できるようになっているので、そのあたりは、助かります。

 おそらく、その情報からまだ高齢者の仲間入りはしていないと思われる私のところに日常の通院記録や投薬記録を参考に、インフルエンザの招待状が来ているのではないかと思われます。

 コロナが全盛の頃は、もうワクチン接種の予約をしてから実際にしてもらうまでも大変で、しかも、どこに行くにもワクチン証明書を持ち歩いていたことを思えば、ずいぶんと簡単になり、昨年は、それでも、ワクチンカードとかいうものをもらって、これから、毎年、これ、コロナのワクチン接種をするときは、これを持ってきてね・・と言われていたのに、今年、そのカードを出したら、「もう毎年、あたりまえのようにやるものだから、もうカードもいらないわ・・」とあっさり言われてビックリしました。

 これでとりあえず、冬に向けての準備は完了した・・そんな気持ちになっています。

 

インフルエンザワクチン コロナワクチン


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2025年10月23日木曜日

サルコジ元大統領収監の波紋 刑務所は大変そうだ・・パリ14区 ラ・サンテ刑務所

  



 とうとう元国家元首であるサルコジ元大統領がパリ14区にあるラ・サンテ刑務所(Céntre Penitentiaire de Paris La Santé)に収監されました。最後のギリギリまで、なんだかんだいって、結局、入らないんじゃないの?とも思っていたので、やっぱり衝撃的で、想像以上の大騒ぎになっています。

 なんといっても大統領だった人が刑務所に入ったのですから、その日のトップニュースは、この話題で持ち切りでした。

 彼が収監されたのは、午前10時という比較的早めの時間で、その日は、彼は16区の家を夫人と手を繋いで出てくるところから、家の近くに集まった支援者たちと短い時間を過ごした模様、そして、警察の車両に先導されて、彼の乗った車が刑務所内に入っていく様子まで報道されていました。

 彼の入った刑務所は、パリ14区の本当にふつうの住宅街のような場所にあり、高い塀(といっても、私が想像していたほどには高くはない)とその上に鉄線がはられていますが、はす向かいには、小・中・高校が一緒になったノートルダム系の私立の大きな学校があります。

 パリ市内にある刑務所はこの1ヶ所だけだそうですが、あまり広くないパリ、サルコジ氏の住む16区からは、たぶん、車で10~15分程度の距離ではないかと思われますが、ただでさえ地価が高騰しているパリで、かなりのスペースをとり、それなりのセキュリティも必要な刑務所、ここにある必要あるの?と思わずにはいられません。

 そういえば、刑務所というもの、フランスだけでなく、私は、日本でも見たことがなかったので、なんとなく、すごく特別な場所にあると思い込んでいただけに、「こんなにふつうの場所にふつうにあるものなの?」とビックリしました。

 サルコジ元大統領は、刑務所では、受刑者たちから熱烈歓迎を受けたようで、独房の部屋からは、サルコジ氏がやってくると、「ようこそ!刑務所へ!」「サルコジが来た!」とひやかしのかけ声?が上がっていたというのですから、なかなかな盛り上がりぶりです。

 おそらく退屈であろう刑務所で、サルコジ元大統領が入ってくるということは、またとないイベントだったのかもしれません。



 彼が入ってくるということで、その日の関係者や家族の面会は全てキャンセルさせられたり、彼の独房は、隣の独房を使って24時間体制で2人の看守?が彼を守るのだそうで、刑務所側の対応もなかなか大変そうです。

 その日の他の受刑者たちの面会が全てキャンセルされたにもかかわらず、24時間も経たないうちに、夫人であるカーラ・ブルーニが面会を許されたということで、これはこれで、また、「特別待遇だ!」、「受刑者間の平等な扱いについての疑問」が湧き上がっています。

 「通常、家族の面会申請には、膨大な時間がかかり、多くの障害があるもので、翌日に面会の許可が下りることなどは、絶対にない・・通常は2~3週間はかかる」という弁護士の証言もあります。

 そして、サルコジ元大統領の刑務所での最初の一夜には、刑務所内では、受刑者たちがTikTokでのライブ配信を通じて、サルコジ元大統領を侮辱、脅迫したということで、受刑者3名が拘留されたそうです。

 すでに刑務所に入っている受刑者を拘留って?妙な話ではありますが、こういうことが起こりかねないことを憂慮して24時間体制で彼だけのための看守がついていると思われるのですが・・。

 とにかく、彼の収監は、刑務所内でも大変な出来事のようです。


サルコジ元大統領の刑務所 パリ・ラ・サンテ刑務所 パリの刑務所


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2025年10月22日水曜日

日本の新首相就任に対するフランスの報道の中で気になったこと

  


 フランスは、自国の政情が不安定であることもあるのか?日本の新首相が就任したことは、そんなに大きくは、報道されてはいません。とはいえ、無視するほどでもなく、一応の報道機関では、「初の女性首相就任」とか、「保守派の高市氏が首相就任」とか、報じられていますが、そんな中に「日本における外国人弾圧」、「移民、マスツーリズムへの敵意を隠さない人物」などと報じているところもあって、ちょっとギョッとしました。

 そもそも、はっきり言って、今のフランスが日本の新政府にそこまで興味がないのは、わからないでもないのですが、そんな場合は、ざっと概要を解説する当たり障りのない感じの記事であることが多いのですが、「外国人弾圧」などという過激な言葉使いには、少々、驚かされました。

 また、「日本初の女性総理の誕生はたしかに歴史的な出来事。しかし、これは、よりフェミニスト的な政権の到来ではないことに注意しなければならない!」と述べ、「妻が夫の姓を名乗る義務を維持しようとしているし、彼女の新政権で女性閣僚はたったの2名しか任命していない」

 「彼女は筋金入りの国家主義者であり、非常に右翼的な選挙活動を経て、党首に就任した」

 「最優先事項に移民対策、管理強化を掲げている」とし、「全く異なる文化や出自を持つ人々の入国を認めている政策」を見直す意向。

 移民反対の闘いと日本人のアイデンティティ喪失への懸念は、長きにわたり世界から孤立してきた歴史を持つこの島国において、ほぼ全員が抱くもの。今日、外国人居住者の割合は、日本列島のわずか3%に過ぎず、フランスは9%です・・。

 私の印象では、フランスの外国人居住者は9%しかいないの?もっといるでしょ・・と思うのですが・・。

 また、「新首相は移民問題を批判しているだけではなく、彼女は観光客にも攻撃をしかけています」、また「新首相は中国に対して非常に敵対的であり、中国人観光客を潜在的なスパイと呼んでいます」、また、「近年、政治的に非常にデリケートである靖国神社を何度も参拝しており、明らかに中国を刺激する態度をとっています」など、明らかに危険視している指摘がなされています。

 日本が外から見て、とかく「内向きの国」として見られがちなところを、これからさらにそれが、ますます強化されていく、というか、逆戻りしていく印象を持たれてしまっているのかな?と感じました。

 私は、フランスでの報道に全て目をとおしたわけではないし、これは、特に気になったものを紹介したまでですが、こんなふうに受け取られている一面もあるのだな・・となんだか、見過ごせない気がしたのです。


高市早苗首相就任


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2025年10月21日火曜日

ルーブルだけではなかった 国立自然史博物館等 フランスの美術館・博物館での盗難事件

  


 パリ・ルーブル美術館の強盗事件がセンセーショナルに報道された後、過去、といってもそれほど昔ではないフランスの美術館での盗難事件があらためて注目を集めています。

 実はルーブル美術館強盗事件よりも1カ月ちょっと前の9月16日パリ5区にある国立自然史博物館(Musée National Histoire Naturelle)では、金塊5個が盗まれるという盗難(強盗)事件が起こっていました。

 犯人は非常口から侵入し、月曜日の閉館後も館内に潜み、深夜に鉱物展示室に入り、バーナーとアングルグラインダーを使って防護展示ケースを切断して金塊5個を強奪。

 博物館側は、セキュリティシステムは完全に機能していたとしていますが、それならなぜ?犯人はその場で捕らえられなかったのかが、疑問です。

 盗まれたものは、金塊だったこともあり、被害額も出しやすく、約60万ユーロと言われています。

 当初、捜査当局は、犯罪集団による犯行とみて捜査を開始していましたが、博物館の防犯カメラの映像を分析したところ、夜間に現場にいたのは、黒い服を着て、帽子をかぶり、ベールで顔を覆った女性1人のみでした。この女性は、金塊を盗むために木製のドアをこじあけて、強盗後に現場で発見された警備員をバーナーで襲った模様です。

 その後、この捜査は継続されていましたが、どうやらこの女性がバルセロナ空港で逮捕され、逮捕時の彼女の所持品からは969グラムの金が発見され、分析の結果、これは、パリの国立自然史博物館から盗まれた金塊の一部であることが判明しました。

 逮捕されたのは、30代の中国人女性ということですが、この人物、既に同様の状況下で窃盗を犯し、他のヨーロッパ諸国の裁判所での逮捕歴があり、この女性に対しては、欧州逮捕状が発行されています。

 真夜中の博物館でたった一人で強盗に入る女性。昔、ナイトミュージアム?(題名はよく覚えていないけど)というような映画がありましたが、まさに、この自然史博物館は、大きな動物のはく製がたくさんあって、なんだかその映画を彷彿とさせる・・真夜中には、ちょっと怖い気もしますが、その中で約6キロの金塊を盗んで逃げるというスゴイ話です。

 また、さらにその少し前の9月3日から4日にかけての夜、リモージュのアドリアン・デュブーシュ国立美術館では、国宝に指定されている磁器製の花瓶1個と皿2枚が盗難に遭っています。

 夜中の3時頃に警備員が迅速に警報を鳴らしたにもかかわらず、まんまと3点の国宝は盗まれ、この国宝3点は、推定650万ユーロと言われていますが、こちらの方は、依然として、発見されていませんし、犯人も捕まっていません。

 ここ数ヶ月の間にもう3ヶ所も盗難(強盗)被害に遭っているフランスの美術館・博物館、金塊はともかくも国宝級の美術品を一般人がそんなに簡単に捌けるものとも思えず、特別なルートを通じて、誰かの手に渡っていると考えるのがふつうです。

 しかし、ルーブルの方は、強盗事件から、一夜あけて、もうすっかりこの事件が有名になり、この強盗が侵入した窓は、観光客の撮影スポットになっているという話です。

 美術品というものは、けっこう盗難の憂き目に遭っているものだ・・モナリザだって、かつて盗まれたことがあったんだ・・などという話をテレビでしています。


フランスの美術館・博物館強盗事件


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2025年10月20日月曜日

ルーブル美術館に強盗が・・ ウソみたいなホントの話

  



 つい先日、あまりお天気が良くなかった日に、お散歩がてらに久しぶりにルーブル美術館にでも行ってみようか・・とのんきに出かけたところ、あまりの混雑ぶりに、そのまま、引き返し、チュイルリー公園を散歩して帰ってきたばかりでした。

 夏休みのバカンス期間中は予約なしには、入れないということでしたが、9月からは、予約なしでもOKということだったのですが、予約の有る無しにかかわらず、長蛇の列で、時間を決めて予約しているはずなのに、どうしてこうなってるんだろうか・・疑問に思っていたところでした。

 そんなルーブル美術館に日曜日の朝に強盗が押し入り、美術品8点が7分間の間に盗まれ、その日は一日休館になったという事件が話題になっています。

 そもそも入場するだけでも簡単ではないルーブル美術館に押し入り、あっという間に美術品を盗み出すという、まるで映画のストーリーのような話。報道の中には、「ルーブル美術館に華々しい強盗!」などと見出しをつけているものもあります。

 事件は開館直後の9時30分から40分の間に起こったそうで(ルーブル美術館は午前9時開館)、犯人はトラックに積まれたチェリーピッチャーを使って工事を装って、窓を割って外部から美術館内に侵入。工事作業員を装うために、黄色いベストを着用していた模様というのですから、念が入っています。

 強盗犯は王室の宝石コレクションと王冠ダイアモンドを収蔵するアポロンギャラリーの一室に侵入し、ナポレオンやフランス国王の展示品をターゲットとし、ティアラ、イヤリング、ネックレスなどの8点が盗まれました。

 彼らが盗んだのは、実はもう1点あったのですが、ウジェニー皇后の王冠が美術館付近で破損した状態で発見されたそうで、ルーブル美術館によれば、これは、「ナポレオン3世の妻の王冠で、皇帝の王冠の典型的なもので、1,354個のダイヤモンドと56個のエメラルドで飾られているものだとのこと」、しかし、それを逃走中に落としていってしまうなどというところまで、なんだか映画のストーリーみたいな気さえしてしまいます。

 幸いにも怪我人はなかったようですが、事件発生当時に既に入館していた来場者たちは、安全のために避難させられ、美術館はその日は終日閉館となりました。

 ルーブル美術館は、午前10時半頃に「特別な理由により休館」すると発表。来館者向けの通知には、安全上の理由とされており、当日の予約はすべて返金されるとしています。

 内務大臣は、ルーブル美術館の特別臨時休館は、捜査のための痕跡と証拠を保全があると説明し、盗賊鎮圧旅団(BRB)が文化財密売取締中央局(OCBC)と共に事件を担当すると発表。また、パリ検察庁は、「組織的窃盗」と「陰謀犯罪」の捜査を開始しています。

 現在のところ、判明しているのは、強盗犯は1~2台のTMAXスクーターに乗って現場(現在工事中の現場)に到着、その後、ナセルと呼ばれる小型の牽引車を使って窓際に陣取り、小型のチェーンソーあるいはグラインダーを使って窓を破壊して侵入したということ。

 このチームは予め綿密な偵察を行っており、非常に経験豊富でなんといっても7分間という短時間に美術品を強奪し、逃走したようで、実際に強盗に侵入したのは3~4人とみられています。

 なんといっても、よりによって世界一観光客が多いと言われるルーブル美術館に強盗が侵入し、こんなに簡単に美術品が強奪されてしまうとはフランスの恥だ!という声もあります。

 強盗事件の後には、たいていはおおよその被害額が発表されますが、ここまでの美術品となると、金額の算定が非常に困難で歴史的遺産として非常に価値の高いもの・・としか今のところは伝えられていません。

 ふだん、美術館に行くと、やたらとセキュリティーの人が多いな・・とも思うのですが、このように侵入されては、防ぎようもない気もします。なにせ、広いですから・・・。

 しかし、美術館職員によれば、このところの緊縮財政により、180~190人のセキュリティが減らされたばかり・・との話もあり、(だからといって、早朝に外から入られては無理な話)緊縮財政の煽りがこんなところにも・・と思ってしまいます。

 なにしろ、セキュリティというのは、目立たない仕事で何も起こらないのが当然で、なにか起こったときだけ注目されてしまう、なんだか損な役割なんだな~とつくづく思います。


ルーブル美術館に強盗


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2025年10月19日日曜日

S&P グローバル・レーティング フランスの格付け格下げ

   


 フィッチに続き、S&P グローバル・レーティング(旧スタンダード&プアーズ)は、フランスのソブリン格付けをAA-からA+に引き下げました。

 これは、フランスの財政に関する不確実性が高いことを理由としており、格付けは「高品質」から「平均以上の品質」に変更されたのです。

 この格下げに関し、ローラン・レスキュール経済相は、「これは透明性と責任を求める声であること」を認め、「この不確実性を無視することはできない」と語りました。

 S&Pは、プレスリリースの中で、今回のフランスの格付け決定の主な要因は、「年金改革の停止」であることを明かし、「年金問題は、フランス財政の長期的な悪化の主要要因のひとつである」と見ており、「この改革の後退は絶対に避けるべき一線である」と警告していたため、当然の結果であるとも見られています。

 また、S&Pは、フランスの政情不安にも焦点を当てており、政情不安は財政再建の可能性に大きな不確実性をもたらしており、財政再建は予想よりも時間がかかると見ています。

 さらに、S&Pは、この政情不安とそれに伴う不確実性が成長を阻害していると考えています。来年の成長見通しも1%に下方修正しています。

 この決定が市場に与える影響は、即時にフランス国債の金利が急騰する可能性は低いと見る見方もありますが、中長期的には問題となる可能性があります。

 フランス国債の金利がさらに上昇した場合、それに伴って公的債務による国債債務による政府予算への負担も増加する可能性もあり、具体的には、利払いに充てられる数十億ユーロが引き続き増加し、教育、防衛、司法、環境問題への有益な支出が損なわれることになります。

 しかし、今回のS&Pの格付け格下げは、既に投資家が認識していることを単に確認しているだけのことであるとも言えます。

 年金問題、財政悪化、政情不安は、それぞれが混ざり合って、悪循環に作用していますが、財政赤字削減の政府の予算案、長いこと定まらずに、何回も短期間で退任する首相、政府、今回は年金改革を一時停止することで、ようやく首相不信任案を一端回避できたものの、これがいつまで続くのかも不透明で、そのうえ、大手各付け会社からは、「年金改革停止を主要因」とする軒並み格下げの烙印を押されています。

 年金改革の停止をしなければ定まらない政府と年金改革停止でさらに悪化する財政。

 その結果、さらに国債の金利の上昇から、ますます赤字増大。

 これはフランス政府に対する圧力となる可能性もあり、国の利益のために、財政健全化を可能にする予算を策定するために、誰もが妥協し、譲歩しなければならないということを警告されているとも言えます。

 ちなみに、この格下げとなった「A+」という格付けは、スペイン、日本、ポルトガル、中国と同等の格付けなのだそうです。


フランス S&P 格下げ


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2025年10月18日土曜日

警察官も出動する騒ぎになったマルセイユのギャラリーラファイエット閉店クリアランスセール

  


 ギャラリーラファイエットがマルセイユの2店舗を閉店することを発表したのは今年1月初旬のことでした。それから、半年以上が経過し、いよいよ閉店を目前に控えて、閉店するマルセイユのギャラリーラファイエットでは、在庫処分のクリアランスセールがスタートしました。

 ふつうの在庫処分とは違って、この2店舗のクリアランスセールは店内の棚にある商品と在庫の全てを処分することが目的なため、一部のブランドでは、一部の商品もしくは全ての商品を回収し、自社ブティックや他の店舗で再販売することを選択していますが、とはいえ、デパート全体に残る商品は数万点にも及びます。

 靴やコート、ランジェリー、美容製品、家具、あらゆる種類のテキスタイルまで、デパートまるまる空っぽにするわけですから、もの凄い商品数です。

 それを処分するためには、割引もふつうのセールに比べて、思い切りもよく、最大80%引きまでというかなりの割引率になるために、多くの来客が見込まれていました。混雑を予想して、店舗は警備員の増員など、セキュリティを強化して臨んでいたはずでした。



 しかし、見込みは全然、甘く、実際にこの閉店セールが開始された水曜日には、予想以上の大勢の人が押し寄せ、現場は大混乱に陥り、大勢の来客というよりも群衆が押し寄せ、乱闘の末に、強盗未遂事件までもが発生し、警察官が出動する大騒動になり、予定よりもずっと早い時間で閉店となり、翌日の開店も正午過ぎになりました。

 事態の深刻さに鑑み、警察官が現場に派遣され、衝突と暴力行為を鎮圧するために介入、警察官が軽傷を負っています。

 業績不振のために閉店するお店に制御不能なほどの来客で埋め尽くされるというなんという皮肉な話。大勢の来客に慣れていなかったのか?それとも、特別な割引にお客さんたちが熱狂・興奮しすぎていたのか?いずれにしても、哀しい話です。

 私はマルセイユのギャラリーラファイエットには行ったことがないので、どのようなお店なのかはわかりませんが、そもそも、ほんの一部の例外を除いて、やはりデパートというものは、今、ほぼほぼオワコン(この言葉自体ももうひょっとすると使われていないのでしょうか?)なのかもしれません。

 先日、たまたま、パリのギャラリーラファイエットに行って(実際に行ったのはグルメ館の方で、本館の方は、ちょっと中を通って、相変わらず、ドームがきれいだな・・と眺めただけですが・・)ここだけは、いつ来ても、すごい人だな・・と思ったばかりです。

 パリのギャラリーラファイエットは、その例外に入るのかもしれません。


マルセイユのギャラリーラファイエット閉店セール大混乱


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2025年10月17日金曜日

メトロ10号線で運行を開始した新車両 MF19とパリの鉄オタくんたち

 


 未来の地下鉄車両がメトロ10号線で運行を開始するというので、ちょうど、その日は予定がついたこともあって、運行開始当日に、野次馬根性で見に行ってきました。

 私は特別、電車にもメトロにも興味があるというわけでもないのですが、「未来の地下鉄」とか、「将来的にはこの新世代の車両がパリの地下鉄路線の半分を占めることになる」とかいうので、どんなハイテク?どんな新車?と気になったのです。




 あとになってわかったことですが、この車両、まだ、あんまり本数も多くなく、当面は午前9時から16時まで、走行区間も10号線のほんの一部(ポルト・ドートゥイユ駅とラ・モット・ピケ・グルネル駅間)だけだそうで、何時にその車両がやってくるのかもわからず、まあ、見れたら、ラッキー!くらいの軽い感じでした。




 個人的には、以前RER E線がサンラザール駅まで開通した頃に見た、なんだかキラキラした感じなのかな?と思っていましたが、技術的なことはわかりませんが、わりとふつう。

 やっぱり私みたいな野次馬がけっこういると見えて、けっこう車内も混んでいたので、実感できなかったのかもしれませんが、大きく、これまでの他線の新車と思われるものと、そこまで大きく変わった感じはありませんでした。




 しかし、さすがに乗ってみると、新車の匂い(電車にも新車の匂いっていうものがあるのですね・・)、なんとなく、プラスチックというか、なんかケミカルな感じの匂いがしました。

 行く先の表示の電光掲示板が今までよりも広く、長く、おそらく見やすくできているんでしょうが、今のところ、「Bienvenue ligne 10」(10号線にようこそ)としか表示されていませんでした。




 細かいところは、なんとなく、ポールなどが全体に丸みを帯びている感じ、窓が大きいこと、ドアが幅広なのが特徴的かな?と思います。携帯のチャージができたりするUSBポートがところどころにあるのは、他の車両にも既に登場しているので珍しくはありません。

 正直、日頃、10号線というのは、ほぼほぼ乗る機会がないため、これまでの車両というものを知らなかったのですが、帰りに折り返しの電車に乗ってみたら、なかなかな年季が感じられ、椅子の布は擦り切れ、落書きを消した形跡があったりと、まあまあ汚くて、なるほど・・と思いました。

 なにせ、ふだん、ほとんど行ったことがない駅なので、折り返しはどこ?とまず出口を上がっていくと、駅の窓口に小さな人だかりができていました。のぞき込めば、何やら、大きな紙のようなものを配っていて、パリの鉄オタくんたちが、集結しています。

 さきほど、ホームでも写真を熱心に撮っている人たちがいて、パリにも鉄オタくんっているんだな・・と遠巻きに眺めていたのですが、思いがけずに彼らの固まりの中になんとなくすっぽり入ってしまうかたちになりました。

 駅の窓口では、新しい車両の紙の模型とステッカー、クッキーなどを配っていて、「せっかくだから、私も欲しいな・・」と並んでいると、近くにいた男の子が「これ欲しいんでしょ!ひとつどうぞ・・」と分けてくれました。

 すると、周りにいた男の子たち、そして駅員のおばさんまでもがクッキーやステッカーも欲しいでしょ・・とMF19のマーク入りのクッキーを出してきてくれました。




 きっと、鉄オタくんたちにとったら、またとない貴重品をこんな見ず知らずの野次馬おばさんにまで分けてくれるなんて・・ととっても感動しました。

 私は、これまで日本でもフランスでも鉄オタくんと呼ばれる人々に接したことはなかったので、初めて、ちょっとだけお話しましたが、彼らがとっても優しい目をした人たちで、優しいのは目だけではなく、本当に優しくて、しかもとても繊細そうで、(余計なお世話ですが・・)この人たち、こんなに優しくて普通の社会を渡っていけるのだろうか?とちょっと思いました。

 ちょっとこれまで出会ったことのない独特な世界観を持った不思議な雰囲気(決して悪い意味ではない)の人々でした。

 彼らの情報によれば、この新車両の中には、1台だけ、茶色いおタカラ車両があるそうで、残念ながら、その日は、もう運行は終了して車庫入りしているとのこと。

 せっかくだったら、そのレア車両も見てみたかったのに残念でした。

 でも、正直、この日、私は、未来の新車両を見れたことよりも、ふつうに生活していたら、絶対に接点がありそうもない、この鉄オタくんたちと、ちょっとだけでも触れ合えたことが感動的な1日でした。


メトロ10号線 MF19


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2025年10月16日木曜日

携帯3個持ってパリに来ている娘 私たちは、携帯に縛られている?

  


 娘はお年頃にもかかわらず(関係ないかもしれないけど・・)、どこに行くのもとても荷物の少ない人で、日頃、ふらっとでかけたりするのには、バッグも持たず、に手ぶらで出かけることが多く、旅行に出かけるにしても、非常に荷物はコンパクトで、私が若い頃に比べたら、考えられない身軽さ・・これじゃ、男の子みたいじゃん!と思わないでもありません。

 しかし、今回、娘がパリに来るのには、パソコン2台、携帯3台とそれに伴う充電器等々、電子機器が彼女の少ない荷物のかなりの割合を占めています。

 もっとも、彼女がパリに来るときには、私があれこれと、主に食料品をあれ買ってきて、これ買ってきて!と頼んでいるので、結局は、申し訳ないことに、恐らく、私の食料が大部分を占めるのですが、パソコン2台に携帯3台には、ちょっと驚きます。

 そもそも、パリに来ても、仕事をするから、こうなるのかもしれませんが、パソコンも携帯もそれぞれ会社用と自分用のそれぞれ1台。そして、携帯に関しては、自分の携帯ですら、フランスの携帯と日本の携帯と会社の携帯。

 まったく、しょっちゅう何か忘れ物をしたり、落とし物をしたりする娘がよくも携帯3台も持って失くさないものだと母としては、それだけでも感心するところです。

 しかし、携帯というもの、依然として私は、しっかりと使いこなせているとは言えないし、どちらかといえば、好きではないのですが、携帯がないとか、繋がらないとなると、途端に不安になってしまう状態でもあります。

 私は携帯は1台しか持っていないので、日本に行った時には、SIMカードを買って(今はe-simが使えるようになった)利用しているわけなのですが、この外国に行って、携帯のwifiが繋がるようにしなければ、いられない!とけっこう焦ってしまうことに、そういえば、少し前までは、そんなものなかったのにな・・と思わないでもありません。

 とはいえ、今は、携帯でなんでも情報を得ようとすることに慣れてしまっている今、街中の観光客を見渡しても、地図を片手に歩いている人など、すっかり見かけなくなっているし、人から道を聞かれることもめっきり減った気がします。

 反面、それだけ、携帯に縛られているような・・そんな気がしないでもありません。

 今度、バカンスに出るときには、思い切って、携帯をオフにして・・などと思わないでもありませんが、もはや、そんな勇気はなくなっているのです。


携帯電話


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2025年10月15日水曜日

新?首相 セバスチャン・ルコルニュⅡ 年金改革の停止を提案

  

 

 すったもんだの挙句にフランスの首相は、在任期間の最短記録を更新したと言われたセバスチャン・ルコルニュ首相が再任し、そんな経緯から、彼の新政権はルコルニュⅡ(ルコルニュⅡ世)などと呼ばれています。

 今回は、一応、組閣も終了し、各大臣の任命も行われています。

 とはいえ、来年度の予算審議を控えて開催される16日に開催される国民議会をまえに、ルコルニュ首相は、先制攻撃というか、防御というか、議員に対し今後のロードマップを説明しました。

 なにしろ、怒りに湧き上がっていた議員たちが予算を決めるよりも何よりも、そのまえに政府を倒す気満々で、国民連合(右派)と一部の左派は、首相の不信任動議の採決を行おうと手ぐすねを引いて待っている状態です。

 今回の彼の首相再任にあたっては、一度は自ら首相を辞任し、それが受理され、公にも首相再任は考えていないと宣言したうえでの、まさか・・いや、やっぱり・・の再任。生半可なことでは彼はこの火中の栗どころではない厳しい要職を受けるにあたって、マクロン大統領は、彼に全権を与えているという噂もあります。

 この期に及んでも、絶対に他党派に首相の席を与えなかったマクロン大統領もなかなかな根性だとも思いますが、首相の再任命の前日、各党派のトップを大統領官邸に呼ぶメールが夜中の2時くらいの時間に届いたと各リーダーが明かしており、さすがのマクロン大統領も相当、悩みに悩んだ末の選択だったと思われます。

 とはいえ、今回のルコルニュⅡの先制攻撃ともいえるスピーチは、とりあえずの政権転覆をなんとかして回避するためなのは、明白で、彼は自らの再任について、「フランスには予算が必用だからこそ、私は大統領の任命を引き受けた」と説明しました。

 生半可なことでは納得しそうもない議員たちを前に、彼はなんと、暴動騒ぎまで起こして決定した「年金改革の停止」を提案。これは、社会党が長いこと求め続けてきたことです。

 そして同時に、年金改革をごり押しして通した憲法49条3項を放棄することを約束。つまり禁じ手はもう使いませんという宣言です。

 年金改革に関しては、具体的には2023年の年金改革を2027年の大統領選挙まで停止、2028年の退職年齢の引き上げは2028年1月までは行わず、保健期間についても据え置きの2028年まで170四半期のままとなります。

 この年金改革の停止により、「2026年に4億ユーロ、2027年に18億ユーロ」の費用がかかることを付け加えたうえで、これにかかる費用は、貯蓄によって補填される必要があるため、「社会パートナーとの合意に基づく年金と労働に関する会議」の場を設けると発表しました。

 そもそも各党派はもちろんのこと、国民の最も関心の高い年金改革問題について、大きく譲った提案に世間も驚いています。

 また、難しいと言われている予算案(特に赤字削減問題)については、支出削減を継続することは急務であるとしつつも、「本質的に改善可能」であると断言。社会保障や税務における不正行為への対策を強化することで他の節約も実現するとし、また、中小企業への減税に加え、一部の超大企業を対象とした的を絞った例外的な増税を実施。税の最適化を規制する措置を提案することを発表しました。

 その他、もろもろ、細かいこともあるのですが、それはここでは省略させていただきますが、彼は、ここでちょっとしびれることを宣言しています。

 それは、「国家予算と社会保障予算に関する討論はここ(国民議会)で行い、ここで決めるものであり、決して財務省が決めるものではない!私自身が規範を示す!」と、「日本の国会でも言ってよ!」と思うようなことを堂々と宣言しています。

 そして、「会議が終結すれば、政府は合意を法律化する」と明言。

 たしかに、ハッキリさせなければ、この混乱は繰り返され続けることになります。

 それでも、まだ、この彼の提案が受け入れられるかどうかは、まだ定かではないだけでなく、彼自身の不信任動議の行方もまだ、わかりません。

 しかし、年金改革の停止を提案した時点では、社会党からは拍手が沸き起こったというのですから、一筋の光が見えてきた気もしないではありません。

 若干39歳の首相ですが、個人的には、思っていたよりもずっと頼もしい感じがしてきました。


年金改革停止


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2025年10月14日火曜日

サルコジ元大統領 10月21日パリ・ラ・サンテ刑務所へ収監決定

  


 サルコジ元大統領に懲役5年の実刑判決が下って約2週間、予定どおり、サルコジ元大統領は、国家財務検察庁(PNF)からの召喚状を受け取り、その日程と場所を告げられました。

 元大統領は、判決を不服として控訴したものの、仮執行猶予付きの拘禁命令により、収監されることになります。

 彼が収監されるパリ・ラ・サンテ刑務所は、パリ14区にあり、6年前に全面改装されて、2019年初頭に再開したばかりの比較的、新しい刑務所で、脆弱な立場にある人々の安全を確保するために隔離された「脆弱者区画(QPV)」があることで知られています。

 これまでにもピエール・パルマード、ベルナール・タピ、パトリック・バルカニーといった著名人も受けいれたことでも有名な場所でもあります。

 刑務官によれば、いかなる人物も優遇措置を受けることはないとのことではありますが、元国家元首ともなれば、刑務所側が優遇というよりも、中での争いごとを避けるための配慮が必用になることは言うまでもありません。

 とはいえ、彼は、他の受刑者と同様に、個人収監通知書、つまり比較的個人的な質問票への記入を求められました。内容は、「うつ病ですか?」、「監視すべき自殺の危険性はありますか?」、「治療や投薬が必用な依存症はありますか?」などの質問です。

 彼が入るのは、9平方メートルの個室。ベッド、ワードローブ、シャワーに加え、テレビと冷蔵庫も利用可能(利用料を支払った場合のみ)。他の受刑者と同様に、週3回の面会室と24時間利用可能な携帯電話の利用権が与えられますが、利用できる電話番号は裁判所が許可した番号に限られます。

 それでも、刑務所内で携帯もテレビも冷蔵庫も利用可能とは、驚きです。

 ただし、個室から出ることは元大統領という立場場、制限を受けるとのこと。このいわゆる社会的脆弱者区画では、1日に2回、専用の中庭に出て、他の受刑者と会うことなく独りで過ごすことができます。

 これは、携帯電話を持ち込んだ他の受刑者がサルコジ氏の動画を撮影したりするリスクを避けるためとしています。

 しかし、サルコジ元大統領は、収監後、ただちに彼の弁護団は、釈放を求める申し立てを請求することができるようで、審査は最大で2カ月以内に行われるというので、彼がノエルまでには、出られる可能性もあり得るという見方もあります。

 この申し立てに対して、70歳以上の高齢者は減刑の恩恵を受けられる可能性が高いともいわれているものの、これは、最終的な有罪判決が下された場合に限られます。しかし、サルコジ元大統領は、控訴しており、6ヶ月以内に再審が開かれる予定になっているため、この控訴がこの申し立てを遮るものになる可能性もあります。

 しかし、なんとかして、逃れるかと思っていましたが、とにかく一度は、お入りになることになりそうです。


二コラ・サルコジ元大統領 パリ・ラ・サンテ刑務所


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2025年10月13日月曜日

認知症ってそんなに急激に悪化してしまうものとは驚いた・・

  


 イタリア旅行中に、従姉妹にLINEで、脳天気にイタリアの美しい海や現地で食べた美味しいものの写真などを送っていたら、「バカンス満喫中に悪いんだけど、ママの体調が急激に弱って、ここ1週間くらいで急に歩けなくなってしまって、トイレにさえも一人で行けなくなってしまって、入院させたところで、バタバタしています・・」という返事が返ってきて、なんだか申し訳ない気持ちになってしまいました。

 実は、今回、娘がパリに来るときに、従姉妹には、一緒に来ない?などと、誘っていたのですが、「ママを長期間、2日以上、家に一人で置いてくることはできないから、ちょっと無理だな~」と言っていたのです。

 今年の夏頃から、叔母は、急激に弱り始め、その時も、従姉妹によると、「もうほとんど、一日中寝てばっかりいるの・・」と言っていたのですが、まだ、その頃は、食事は自分で取れるし、思い出したように起きてきて、食事する・・けど、トイレなどは、自分で行っている」という話だったのです。

 それが9月に入ってから、急激に弱ってしまって、とうとう一人で歩くことができなくなり、もう一日、何回もトイレに連れて行くだけでも大変になってしまって、そんな一週間が過ぎて、とうとう音を上げて、入院することになったのです。

 90を過ぎている叔母ですが、とても社交的な明るい性格で健康そのものの人でした。

 ところが、この入院によって、10日くらいの間にあっという間に認知機能が低下してしまったらしく、そのまま同じ病院に入院させておくことが不可能になり、介護施設探しに奔走した結果、ちょうど今月オープンしたばかりの施設に入ったばかりとのこと。

 ずっと家で介護してきた従姉妹にとっては、何よりも、このあまりに急激な母親の認知機能の低下が何よりもショックだったようで、「ほんとに、こんなに急激に悪くなっちゃうものなの?」とその事実が受け入れがたいことのようで、今まで、「どんなことがあっても家を動きたくない!死ぬまでこの家にいる!」と言っていた叔母も、もう自分がどこにいるのかも、ほとんどわかっていない様子だとのこと。

 最初に、歩けなくなってしまって病院に入院した時には、まだまだ自分で携帯で電話してきたり、持って行った差し入れを自分で食べていたりもしたようなのですが、1ヶ月の間に、もうすっかり、介護なしには無理な状況になってしまったらしいのです。

 まだ施設には入ったばかりらしいのですが、これがまた、費用が1ヶ月40万円程度かかるということで、大変そう・・。でも、もうお金には代えられないし・・とのことでしたが、当然のことながら、誰もがそんな金額を払えるわけではないし、やっぱり老後は大変なのだなと実感した・・一方、でも、お金持ちっているものだな・・まさに入ってくるご老人たちの身なりも全然、違うもん・・昨日、入ってきたおじいさんなんて、ハットにステッキ姿で現れた・・と感心していました。

 上には上がある高級介護施設ですが、これが区の特別養護介護施設だと、費用はだいたい半額以下・・だけど、2年待ちとかなのだそう・・。それは無理な話でしょう。

 従姉妹にとっては、この1ヶ月、激動の1ヶ月だったようですが、ずーっと母親と二人暮らしだった彼女には、新しい生活にまだまだ慣れなくて、別居生活をしていると思うようにしている・・と言いながらも、日々、母親のところに行っては、一生懸命、話しかけたり、面倒をみたりして、なんとか回復してくれないか・・と頑張っている模様。

 しかし、今の状況では叔母が自宅に戻ることは絶望的な感じで、それも辛くてたまらない様子でした。

 老いて、弱っていく家族の状況を受け入れることは辛いことです。


認知機能の急激な低下



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2025年10月12日日曜日

娘との旅行で・・・Googleってこんなに便利だったのね・・

  


 こんなこと、今さら書くのもデジタル世代の人にとったら、つまらない当然の話なのかもしれませんが、どうにもデジタル機器に苦手意識が拭いきれず、実際に、上手く使いこなせていない私にとっては、娘と旅行していて、彼女が自由自在にGoogleのあらゆる機能を見事に使いこなしている様子には、毎度のことながら、驚かされます。

 行く先々の地図は、もちろんのこと、オンタイムのあらゆる情報が入ってくるのは、今の旅行には、素晴らしく便利な機能です。

 今回のイタリア旅行では、車を借りて、移動したのですが、携帯を車のナビに繋いで、道にも一切、迷うことがなく、また、その時の渋滞の情報から、警察がどこで、検問をしているだとか、今、事故が起こったから、道を変更した方が良いですよ!とか、そんなオンタイムの情報が入ってくるので、すごいもんだと、驚くばかりです。

 娘に、「日本で運転するときも、Googleのお世話になっているの?」と聞くと、日本だと、Googleをナビにしている人は、ヨーロッパほど多くないから、利用者からの情報も少ないから、これほどの精度には、ならないのだとか・・。まあ、日本は日本で別のナビがいっぱいあるけどね・・とのこと・・なるほど・・です。

 ちょうど、高速道路を走っていたときに、大きな事故に遭遇し、ちょうど、渋滞がはじまりかけ?くらいのところで、その情報が入ってきたので、私たちは、横道に逸れたのですが、隣に見える高速は、全く動かない状態になっていて、皆、諦めて、車を降りて、歩いたりしていたりするのが見えました。

 10分ほど走ったところで、高速道路でかなりの大型トラックが横転しているのが見えて、すれ違いにチラッと見えただけですが、まだ、トラックの中の人を救出している最中で、炎天下の中、この渋滞にまともにハマってしまっていたら、大変なことになっただろう・・とゾッとする思いでした。

 また、行く先々でのレストラン探しも娘がGoogleで探してくれるのですが、このチョイスがこれまた素晴らしく、私など、同じ画面を見ても、一体、どのお店を選んだらいいのか全くわからないのですが、彼女の勘は天才的で、本人曰く、値段と点数とあとは、写真で選んでいるというのですが、今回の旅行も1つもハズレはありませんでした。

 イタリアなので、そうそうハズレはないと思うのですが、それにしても、差はあるわけで、あまりにたくさんあるレストランで、ちょっと繁華街を外れたような場所にあるお店でも、娘の選ぶお店は見事に賑わっていて、味も確かなのです。

 そうなってくると、もう海外旅行でも携帯は必須のアイテムなので、その代わりに地図というものを持つ必要もなく、ガイドブックですら、必用ないわけです。

 どおりでパリでもガイドブック片手に・・という旅行者もあまり見かけなくなったはず・・。私は、知らず知らずのうちに、なんだか取り残されている感がします。

 私は娘のおかげで、かろうじて、そんな時代の変化を垣間見てのっかることができていて、その恩恵にもあずかれているわけですが、同時になんとなく自分が情けない気もしてくるのでした。


Google Googlemap


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2025年10月11日土曜日

セバスチャン・ルコルニュ首相再任 大混乱中の政治・・フランスにしても、日本にしても・・

  


 フランスでは、昨年の欧州議会の選挙の右派が大勝を果たした頃から、政治の混乱は激しくなり始めました。これに危機感を感じて誰もが驚く突然の国民議会解散と総選挙で、マクロン大統領にとっては、さらに悪い状況に陥り、大統領の派閥が議会の過半数を失うどころか、第一党でさえもなくなってしまいました。

 それからというもの、首相が決まっては、ほぼほぼ、何もできないまま辞任・・ということが続き、昨年末も、今年度の予算案が決められないままに、年を越すという最悪の事態を迎え、それからも、また数人首相が交代し、現在は、次期首相の指名が誰になるのか?とずっとテレビなどでも、喧々囂々と激しい討論が続いています。

 日本にしても、自民党が国会での過半数を失って以来、外から見ていても、なんか、似たような状態だな・・と思っていますが、日本とフランスは政治の仕組みも違い、フランスは、首相といっても、大統領の下にいる立場。そして、その首相は、大統領が任命するというかたちなので、現在、もっぱら、非難の的になっているのは、マクロン大統領です。

 当面の差し迫った課題は、来年度の予算をまた年内に決められなくなること、そして、その予算案に際しての財政赤字をどうやって縮小していくか?何を削るのか?ということなのですが、インフレが進み、生活が苦しくなっている国民が悲鳴をあげているという意味ではフランスも日本も同じことです。

 一般市民というか、国民の立場からすれば、国の言われたとおりに高い税金をきちんと払い、まじめに働いて、生活しているというのに、お金が足りなくなったから、おまえたちの補償を減らすとか、先延ばしにするとか、さらには、余計に税金を徴収するとか・・横暴といえば、横暴なはなしです。

 これまで、赤字が累積されるまで、放っておいたのは、政治家で、ウクライナなどの他国には、気前よく大金を投じて、フランスの場合は、ド派手なオリンピックなどまでやっておいて、自分たちが使うお金を見直したらどうなんだ!と思うのも当然の話です。

 フランスに関して言えば、もう話はどんどんこじれていくようで、これがカップルとか、夫婦などだったら、しばらく距離をおいて、冷静に見直そう・・などと言うことになりそうな気もしますが、国の政治となれば、待ったなしです。

 少なくとも、年に何回にもなる首相交代劇で、政府が停止状態になるたびに、国の政治は中断状態。今回の首相交代劇に関しても、9月の初めに就任して、組閣が26日間も据え置き状態の挙句に組閣発表の直後に辞任。約1ヶ月間は、またフランスの政治はストップ状態です。

 先日の辞任するセバスチャン・ルコルニュ首相は、来週の月曜日が予算案を年末までに決める時間的リミットだと言っていましたが、これも絶望的な感じです。

 すったもんだの挙句に辞任したセバスチャン・ルコルニュ首相が首相に再任されたということで、また大論争が起こりそうです。


セバスチャン・ルコルニュ首相再任


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2025年10月10日金曜日

南イタリアのビーチの若者たちになんだかホッコリさせられた・・

  


 パリは9月の記録的な寒さを記録しているというのに、南イタリアは、9月下旬というのに、まだまだ泳げるくらいの気温で、当然、ビーチも真夏の賑わいほどではないにせよ、日中は、パラソルがないとちょっときついくらいの陽ざしで、けっこうな人が水着姿で子どもを遊ばせていたり、ビーチに寝転んで読書していたり・・とそれぞれが太陽の光と海を楽しんでいました。

 今回、私が訪れたプーリア地方・・イタリアの東側・・イタリアをブーツで例えるとちょうどかかとの部分にあたる地域で、私は、なんといっても美味しい食べ物(特に魚介類)はもちろんのこと、美しい海を見たい・・美しい海を眺めていたい・・と思っていました。

 このあたりの海岸線には、無数の美しいビーチがあって、車でちょっと走ると、次々とビーチがあって、本当に、このあたりだったら、ひとつずつビーチをめぐっても、相当な日数がかかると思われます。

 ビーチも場所によって、様々で、多くは砂浜のビーチなのですが、そのビーチの手前は、ちょっと珍しい感じの少し赤っぽい(オレンジっぽい)色の土が続いていて、ちょっとどこか、かつて、私がいたアフリカの土地(アフリカ・・私のいたアフリカはもっと赤っぽい土でしたが・・)を彷彿とさせる感じもありました。

 その赤土には、たくさんのオリーブの木が植わってて、これまで見たことのない種類の美しい景色でした。

 その無数にあると思われるビーチは、場所によって、差があるものの、そこそこ人がいて、人が少なめ(ハイシーズンにはいっぱいなんだろうけど・・)だな・・と思われる場所には、地元の人っぽい若者たちが、本当に日常の延長なんだろうな・・という感じに、遊びに来ているのも、なんか羨ましい光景でした。




 そのビーチには、海に沈む夕日が見たい・・ということで出かけたビーチだったのですが、地元の若者たちが戯れていて、サッカーボールを蹴っているかと思うと男女がビーチに並んで座って、何やら黙々と、それぞれが下を向いて、雑誌?とペンを持って、一生懸命にやています。

 そもそも私は、この暑い場所で読書したりするのもよくわからないのですが、ビーチでサングラスをして本を読んでいるという人はけっこう多いのです。しかし、そういうのは、どちらかといえば、年配の人が多くて、こんな若者たちがビーチで何をやっているんだろう?と、妙に目にとまったのです。

 よく見てみると、彼らは、「SUUDOKU」をやっているらしく、かなり熱中してやっています。しかも、それぞれが、小さな雑誌のような「SUUDOKU」本を持って・・。

 この「SUUDOKU」、10年くらいまえ?いや?もっと前かもしれない・・は、フランスでもけっこう流行っていた時期があって、メトロの中などで、よく、この「SUUDOKU」本を筆致にやっている人をよく見かけたものです。

 今は、携帯ばかりで、紙の本でさえも読んでいる人がずいぶん減ったし、久しぶりに見たな・・「SUUDOKU本」そんな感じでした。

 なんだか、ビーチでこの「SUUDOKU」に夢中になったり、ビーチでボールを蹴ったりして遊んでいる南イタリアの地元の若者たちに、妙にアナログな感じで、なんだか妙にホッコリさせられたのでした。

 なにもビーチでやらなくても・・とも思うのですが、逆に考えれば、彼らにとっては、ビーチがそんなに特別な場所ではないということで、とても羨ましい感じがしました。


SUUDOKU


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2025年10月9日木曜日

辞表提出済みのセバスチャン・ルコルニュ首相がインタビューで語ったこと

 

    

 史上最短記録を樹立したセバスチャン・ルコルニュ首相に対して、マクロン大統領からは、2日間の間に最終交渉を行い、国の安定のための綱領を定める責任を課せられていました。

 この48時間の間、フランス国内は政界のみならず、世論も荒れに荒れ、各政党がここぞとばかりにマクロン大統領を攻め立て、もはや内閣というよりも、「大統領辞任」を求める声が強くなり、これまでマクロン大統領の腹心と言われていた人々からも、彼を否定するような発言が飛び出し、特にマクロン大統領を支持しているわけではない私でも、ちょっと見るに堪えない惨状となっていました。

 これまでも、「マクロンやめろ!」の声は、けっこう上がっていたのですが、今回ばかりは、なかなか真実味が増してきたような気がしたのも事実です。

 こんな混乱状態の中では、誰と誰が会ったとか、何を話したか?とか、憶測に過ぎない話なども、盛沢山に出没するわけで、全てを真に受けてはいけないと思っていましたが、そんな中、エリザベス・ボルヌ(元首相)が年金改革を一時停止にしてはどうか?というような発言をしたため、また、それが新しい火種になったりもしていました。

 年金改革案を49.3条(首相の権限において、採択せずに法案を通すこと)を発令して、大暴動まで起こして、通した年金改革です。「自分たちの身が危うくなれば、あんなに強引に押し通した年金改革でさえも、あっさり取り下げるのか?結局は、自分が可愛いだけじゃないか!」などの声もあがって、これがまた逆効果になったのです。

 そして、48時間が経過する間に、辞表を出しておいて、結局は続投するのではないか?とまで言われたセバスチャン・ルコルニュ首相は、夜のニュース番組で、この48時間と今後の展望を語りました。

 彼は、予定どおり、首相は辞任すると断言。今後48時間以内に次の首相が任命される予定であると発表しました。彼は今日までの48時間の間の各政党の党首との話し合いから、「複数の政党が共通予算案で合意する用意があると考えている」、「特に左派政党はフランスの安定と予算を望んでいるが、条件を付けている」、「とても困難な状況ではあるが、道はまだ開けている」と大統領に伝えたことを説明しました。

 首相は「党派的な思惑によって、政権構成は行き詰っている」と認め、ほんの14時間で終わった自分が行った組閣に関しては「いくつかの点を見落としていた」、「政権構成に関して一つ後悔があるとすれば、それは、次期大統領選への野心とは無関係なチームでなければならなかった」と告白しています。

 実際に、そう遠くはない2027年の大統領選挙が今回の政治的混乱に無関係ではないことは、今回の騒動を批判して声を挙げている政治家の面々を見ても思い当たる発言がけっこうあります。

 彼は、自分がもう首相を辞任しているということからか、どこかスッキリした顔つきでもありましたが、予算案は月曜日に提出されると話しています。

 しかし、その前の大問題は、48時間後に任命されるであろう首相が一体誰なのか?どの党派の人物なのか次第で、また、問題はぶり返されることは確実。

 また、マクロン大統領の陣営を置いたのでは、問題は繰り返され続けることは確実です。


セバスチャン・ルコルニュ首相


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2025年10月8日水曜日

新型コロナウィルス感染急増と新たな変異株「フランケンシュタイン」

  


 秋の深まりとともに、今年も新型コロナウィルスの感染者が増加する季節になってきたようです。9月の最終週のデータによると、この9月末の1週間の新規感染者数は、33,461人を記録しているそうです。

 これは人口10万人あたり50人の感染率です。

 このコロナウィルス感染の急増により、フランス国内の薬局では先週1週間で15万個の検査キットが売れに売れ、現在、セルフ検査キットが品不足に陥っているそうです。セルフ検査キットの中で最も売れているものは、子どもと高齢者用の検査キットとのこと。

 今回の新型コロナウィルス感染の急増には、「フランケンシュタイン」というニックネームを持つ新型変異株が大きく影響していると言われています。

 欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると、この新たな変異株は、9月初旬に記録された感染者の80%以上を占めていました。

 この新たな変異株の学名は「XFG」で「フランケンシュタイン」というのは、ニックネームのようなもので、2つのオミクロン亜変異株が融合したため、「フランケンシュタイン」と呼ばれています。

 つまり、2つの異なる変異株が融合して出来上がった変異種であることから、人間の身体の一部から作られた、あの有名な架空の生き物を彷彿とさせるハイブリッドウィルスということでこのニックネームがつけられたようです。

 このフランケンシュタインは、感染力が非常に強いものの、危険性は高くないと言われてますが、専門家によると、ここ数週間、高齢者施設で依然として感染拡大が確認されており、重症化による入院も増加しているということで、高齢者や化学療法を受けているガン患者、慢性的な肺、心臓、腎臓の感染症など健康上の問題を抱え、感染リスクが高い人は、一層の注意が必用だと警告しています。

 しかし、フランス公衆衛生局は、今回の新型コロナウィルス感染の流行は、ワクチン接種キャンペーンの開始を早めるほどではないという判断を下し、ワクチン接種キャンペーンは、従来の予定どおりの10月14日から、インフルエンザワクチン接種と併せて開始すると発表しています。

 一時は、少し具合が悪いと「もしかして?コロナ?」と不安に思ったものですが、そんなことはすっかり忘れていました。しかし、忘れた頃にやってくるコロナウィルスとインフルエンザ・・という感じになっています。

 キャンペーンが始まったら、ワクチン接種に行ってきます。


新型コロナウィルス感染急増 新型変異種フランケンシュタイン


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2025年10月7日火曜日

セバスチャン・ルコルニュ首相 辞任 史上最短の在任期間 フランス政府の危機

 

         


 こんなに政局が急速にガタガタと崩れていくものかと、フランス人ではない私でさえも、驚愕する事態がフランスでは起こっています。

 前首相のフランソワ・バイルー氏が辞任して、24時間も経たないうちに任命されたセバスチャン・ルコルニュ首相は、首相任命から、なんと組閣人事発表まで26日もかけて、ようやく10月5日(日)の夜に内閣人事が発表されました。

 私は、そのニュースをなんとなく、サラッと眺めて、明日、じっくり見てみよう・・と思っていました。

 ところが、その14時間後の月曜日の朝、今度は、突如、首相が辞表を提出して、マクロン大統領がそれを受け入れたというビックリニュースが飛び込んできて、「なんなの?これは?どうなってるの?」とビックリした次第です。

 この1ヶ月未満という記録的なスピードでの首相辞任は、当然、国全体を揺るがす大騒動になっており、朝早くに発表された首相辞任のニュースで株価は急落。SNS上だけでなく世論が大炎上しています。

 この首相のスピード辞任、特に組閣人事発表からの速攻辞任には、組閣人事に対する各政党や世論からの大反発によるものと見られており、この組閣人事の構成が前政権からの引継ぎ、つまり大統領陣営がかなりの割合で含まれていること、特にブルーノ・ル・メール氏(長年、マクロン政権で財務相を務めてきた人物で国防・軍事に関しての経験はないらしい)の国防相という人事への反発であるという声も大きいと言われています。

 ブルーノ・ル・メール氏に関しては、マクロン政権がかなり崩れ始めた頃に、自ら財務相を辞任し、どこかの大学の教授として、若者と意見をかわしつつ、フランスの将来について考える・・というようなことを言っており、私としては、まことに清々しい引き方だ・・と感心していたのですが、さらに混乱した状況において、なぜ、政界に復帰することを了承したのでしょうか? 彼は、今回の人事を受け入れるにあたって、「政府に参加するという私の決断は専ら使命感から下したものでした。私の決断が一部の人々から、理解不能で虚偽で不相応な反応を引き起こしていることを承知しています」と述べていました。

 とにかく、この組閣人事発表から、首相退任による組閣取り消しにより、前日の夜に任命された大臣たちは、公式に任命が交付されているために、何もしない14時間のおかげで、各自(大臣たち)が3ヶ月間の給与28,000ユーロの給与が支払われることになり、この任命の総費用だけでも、約50万ユーロかかることなども、報道されています。

 あまりの世間の怒りに慌てているマクロン大統領は、辞表を受け取ったものの、セバスチャン・ルコルニュ首相に対して、2日後の夜までに最終交渉を行い、国の安定のための綱領を定める責任を委任したと大統領府は発表しています。

 ここまでグダグダになって、今さら解決策などあるのだろうか?と思ってしまいますが、今後、しばらくは、離せなくなりそうです。

 今回の首相に関しては、「来年度の予算を通すまでに何人の首相が必用か?」などと嫌みな見出しの報道などがされていましたが、冗談ではなくなってきました。

 1ヶ月未満で職を放棄してしまった新(前)首相に対して、国民の反発もさぞかし強かろう・・と思いきや、世論調査によると4人のうち3人のフランス人は、セバスチャン・ルコルニュ首相の辞任は正しかったと答えているそうです。


仏首相 1ヶ月未満のスピード辞任


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2025年10月6日月曜日

バスの検札がやっぱり物々しくて・・

  


 パリ市内では、バスやメトロなどの公共交通機関のコントロール(いわゆる検札)に遭遇する機会は珍しくありません。先日、バスに乗ったら、まず、チケットをチン!とチェック?する機械が壊れていて、何回かやってみても、赤いランプがついて、ブーッという音が鳴って、一瞬、「どうしよう?」と思って、運転手さんの方を見たのですが、運転手さんは、知らん顔をしているし、次に乗った人もまた、チケットを機械にかざすと、ブーッとなっていて、「あ~これは、機械自体が壊れているんだから、しょうがないよね・・」と思って、そのままバスの中に進もうとしました。

 それにしても、運転手さん、機械が壊れているのは、彼はもうわかっているんだったら、なんか、説明してくれればいいのに・・と思っていたら、そのあとにすぐにバスの入口と出口から検札軍団(5人くらいのいかつい男の人たち)が乗ってきて、チケットのチェックが始まりました。

 あいかわらずの物々しさ・・すごい威圧感だな・・「ただでさえ、ちょっとバス待たされたのに、これで、また時間がかかる・・こんなのやってたから、バスがなかなか来なかったんだな・・」と思いつつ、それでも、自分はチケットをチェックしてもらって、そうそうに、奥の方の空いていた席に座って、「早く、検察なんて終えて、さっさと出発してくれ・・」と思いながら、なんとなく、様子を伺いながら、待っていました。

 いつものことながら、検察軍団は、5~6人が1組になって、動いているのですが、メトロの駅などならば、スペースが広いので、さほど威圧感もないのですが、狭いバスの中だと威圧感がハンパありません。

 それでも、ふつうにチケットをもっていれば、正当に乗車しているわけですから、文句のつけられようもなく(実はチケットは持っていても、チン!と機械に通していなければ、罰金対象になります)、怖いこともないのですが、小心者の私は、チケットを持っていなくて、詰問されているのを見るだけでも、ちょっとビビってしまいます。

 その時は、中学生くらいの男の子と女の子ひとりずつ(一緒にいたわけではなく、別々に乗っていた)がチケット不携帯で違反切符を切られていました。

 男の子のほうは、わりと素直に身分証明書を出して、おとなしく?従っていたのですが、女の子の方が、少々抵抗したらしく、そのままバスの中で尋問が開始。

 少し離れたところにいたので、詳しい内容は聞こえてこなかったのですが、フランス語で話していたので、地域の学生なのだと思いますが、検察官の方が女の子に向かって、「バスに乗るのは、初めてじゃないだろう?」というフレーズだけでしたが、彼女は一体、ナント言い訳をしたのでしょうか?

 しかし、大男たちに囲まれて、責められ続け、しばらくすると、彼女は、半べそをかき始めました。その間、バスは停車したまま、10分経ち、15分経ち・・と時間が経つにつれて、今度は、乗客の方が怒り出して、「自分たちは、仕事中なんだ、こんなに待っちゃいられない!その子と一緒におりて、続けろ!」とバスの中から怒号が湧き始めましたが、検察官の方は、「この先でランデブー(アポ)が入ってる!それに彼女は未成年なんだ!」とよくわからない説明。しかし、ついに乗客の怒号に負けて、検察官とその女の子は、一緒にバスを降りて、ようやくバスは発車しました。

 そもそも、キセルをしたその子が悪いのは、当然なのですが、その検察官たちも、臨機応変に対応ということがすんなりできないものなのか?そんなにすったもんだしてバスを20分以上も停めてしまうことに何の呵責も感じないのか?と、ちょっと、そっちの方に疑問を感じてしまったのでした。


バスの検札


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2025年10月5日日曜日

SNCFを装った「ストライキ後の払い戻し」請求の詐欺メール

  


 まったく、ぼんやりしていられない世の中・・度重なるストライキの挙句に、そのストライキによる払い戻しを装った詐欺メールが横行しているらしいのです。

 ここのところ、新年度になってから(9月から)の度重なるストライキには、皆が少なからずうんざりしているところだと思いますが、今回はSNCF(フランス国鉄)のサイトを装ったホンモノのサイトにそっくりなビジュアルに作られており、詐欺サイトの指示どおりに画面を進めていくと、個人情報、特に銀行の情報がごっそり盗まれる仕組みになっています。

 今回は特にサイトがほぼほぼ、SNCFのホンモノのサイトとそっくりに出来上がっているため、非常に巧妙にできていますが、一部の列車が運休となった9月18日のストライキに関して、ユーザーに29.99ユーロの補償を提示するメールのようです。

 「9月18日の混乱により、29.99ユーロの払い戻しが可能です」とこんな感じです。

 詐欺メールの送信者は、SNCFを装い、標的のユーザーに個人アカウントで払い戻しの詳細を確認するように促してきます。

 その後、ユーザーはリンクをクリックするように促され、SNCF Connectのオンラインチケット購入プラットフォームを巧妙に模倣したサイトへと誘導されます。

 一見すると、このメッセージは、まるで疑いようのないSNCFからのメッセージに見えてしまいます。SNCF Connect(詐欺メール)のデザインは、ホンモノのSNCFと同じデザインで出来ているのです。

 送信元「nrp@sncf.fr」は確かに信憑性があり、内容もユーザーの名前も綴りも間違いなく伝えてきます。

 メッセージには、約束された払い戻しの詳細は個人アカウントで直接確認できると書かれており、「手続きは迅速かつ安全です」と豪語し、リンクをクリックするように促してきます。

 リンクをクリックするとSNCF Connect のウェブサイト(模倣して作られた偽物)にリダイレクトされ、ご丁寧にロボットではないことを確認するためのキャプチャーコードの入力が求められます。

 そして、払い戻し確認のため、個人情報とクレジットカード番号の入力を求められます。詐欺師は、データに直接アクセスし、データが盗まれてしまいます。

 ホンモノのSNCF Connectは、これらの詐欺メールが横行していることに対して警告を発しています。

 偽物を見分ける方法として、送信者のアドレスを注意深く確認するように呼び掛けています。通常ホンモノのメッセージには、@mail.sncfconnect.com、@mail.sncf-connect.com、@info.sncf.com、@connect.sncf、@info.sncf-voyageurs.comといった識別子が含まれています。これらの識別子で終わらないアドレスの場合は、警戒が必用だと言っています。

 私の場合は、「ん??なに?このメール?」と思った際には、そのままそのリンクをGoogleなどで検索してみます。すると、だいたい、詐欺の警告が出ているので、それですぐに削除してしまいます。

 一番簡単な方法です。

 しかし、さんざん、ストライキで迷惑していて、イラついているときなど、「払い戻し!」などというメッセージがきたら、ついうっかり「そりゃそうよ!返してもらわなきゃね!」などと乗っかってしまいかねない気もします。

 まったく、ストライキで足止めを食って痛めつけられ、その後にそれを補償してもらうための詐欺にひっかかるなんて、まったく二重に痛めつけられることになります。

 ほんとに皮肉なことですが、この種の詐欺師などは、ほんとよく気が付くし、よく働くな・・と感心してしまいます。


SNCFストライキ後の払い戻し詐欺


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2025年10月4日土曜日

超ファストファッションSHEIN 今度は百貨店へ進出

  


 超ファストファッションの象徴的な存在であるSHEIN(中国)が仏婦人服ブランドPimkie と業務提携したことで、業界に大激震が走り、Pimkieはフランス衣料品業界から除名処分を受け、業界からは、「悪魔との共謀!」とまで言われて、大バッシングを受けていますが、今度は、そのSHEIN・・ソシエテ・デ・グラン・マガザン(SGM)との独占提携を発表し、フランス国内の百貨店(最初は、6店舗)に店舗をオープンすることを発表しています。

 ソシエテ・デ・グラン・マガザン(SGM)・SGMグループはギャラリー・ラファイエット7店舗やBHVを保有およびフランチャイズしています。

 今回のSHEINの店舗がオープンするのは、SGMの傘下?にあるギャラリーラファイエット(リモージュ、アンジェ、ディジョン、ランス、グルノーブル)とパリのBHVです。

 この物理的な店舗の出店(元来は、オンラインによる販売のブランドのため)は、とりあえずは、試験的に6ヶ月間ということになっているようですが、一時的なポップアップではなく恒久的なものになる予定です。

 実際の店舗のオープンは11月ということになっているらしく、どのような価格帯の商品が陳列されるのかはわかりませんが、これまでの、いわゆる百貨店のどちらかといえば、高級品を扱っている店舗構成を見ても、その中にどのように同化させるのかはわかりませんし、品質が多少悪かろうと、低価格であるからこそ売れに売れ、フランス国内では2,300万人の消費者を抱えているSHEINがどのように?この百貨店の中に入っていくのか?いけるのか?は、大いに見ものであると思われます。

 しかし、一方では、その百貨店自体も、業績は不調続きで、ここ数年でフランス国内のギャラリーラファイエットが何軒、クローズしたか覚えていられないほどで、パリのギャラリーラファイエットこそ、観光客の動員でそこそこ、生きながらえていますが、この百貨店側からしても起死回生のチャンスを狙っているともいえます。

 こうなってくると、もうこれは、繊維業界、衣料品業界だけに留まる話ではなくなってきます。

 しかし、パリのBHVなどを例にとってみれば、あれだけの一等地に店舗を構え、テナント料を払い、またスタッフも雇って、あれだけの低価格の商品を売ることでお店を存続させていくのは、並大抵のことではないとも思われ、ただ、パリのBHVにも出店しているという、そのブランド自体のイメージの格付けを上げるような目的のためで採算度外視してもよいのなら、あり得ることかもしれません。

 このSHEINのフランスでの物理的な店舗の展開については、やはり、同業他社の小売業からは、すでに悲鳴も上がっており、フランス全国衣料連盟(FNH)も同様に憤慨し、「1860年創業の老舗でパリを代表する百貨店でもあるBHVのような店が、ファッションの最悪な商品に頼ることに同意していることは、とても残念なことで、想像力とプロ意識の欠如を露呈している」とまたシビアな意見を発表しています。

 また、この件に関しては、パリ市長も「パリは略奪的な多国籍企業の安易なショーケースになるつもりはない!」全面的に反対の意見を公表しています。

 今回SHEINがオープンする店舗のひとつでもあるリモージュ市は、プレスリリースでこの店舗のオープンに対しては、強く反発し、反対の署名運動まで開始されています。

 今後、ますます大論争が盛り上がりそうなフランス国内でのSHEINの店舗展開は、まだまだフランスのファッション業界に激震を起こし続けそうな気配・・11月にBHV内の店舗がオープンしたら、見に行って来ようと思います。


SHEIN フランス国内の百貨店に進出


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2025年10月3日金曜日

子どもを性的虐待から守る新システム正式稼働開始 子どもに関わる仕事に携わる人が提示しなければならない証明書

  


 すでに政府により、2024年9月から6つの県で試験運用され、2025年3月からは他の23県でも運用が開始されている「児童との就労に危険とみなされるプロファイルの特定」により、子どもを性犯罪者から守るシステムが10月1日から正式にスタートしました。

 これにより、幼児・児童に関わる仕事に就労する(ボランティア等も含む)ためには、採用時および、その後、定期的にこの「優良証明書(Attestations d'honorabilité)」の提示が義務付けられます。

 具体的には、この証明書は、当該者に犯罪歴がなく、性暴力犯罪加害者自動登録簿(FIJAIS)に登録されていないことを証明するもので故意に就労を妨げるものではなく、子どもを犯罪・特に性加害、性暴力から守ることを目的としています。

 フランスでの求人に応募する場合、児童に関わる仕事ではなく、一般の企業であっても、犯罪歴がないことを証明する証明書の提出を求められる(これもオンラインで簡単に取得できるようになっています)ことがありますが、今回のシステムでは、児童施設等の子どもと関わりのある仕事に就労する場合には、この証明書(子どもと共に過ごすことが不適切と考えられるような犯罪歴等がないこと)の提示が義務付けられるようになるということです。

 この証明書発行のためのオンラインプラットフォームが既に稼働を始めており、試験運用も含めて、これまでに34万2000件の証明書を発行しているということで、このうち、1,700人以上の申請者が証明書の発行を拒否されており、そのうちの80%が児童保護の仕事に従事していたという恐ろしい事実も明らかになっています。

 DGSC(児童社会サービス総局)は、この証明書の発行が拒否された就労者に関しては、雇用主は、「個人的な理由による解雇手続き」を行わなければならないとしています。

 このシステムは、児童保護サービス(ホームスタッフ・ファミリーアシスタント)および幼児ケアサービス(保育士・チャイルドマインダー)に勤務する専門家とボランティアもスクリーニングを受けることになります。

 この制度は教育者、家族介護者、保育士だけを対象としているわけではなく、性暴力のかなりの割合が未成年者によって行われることもあるため、家族介護者の家庭で暮らす13歳以上の青少年もスクリーニングの対象になっています。

 また、児童性的虐待画像を所持していたことにより、有罪判決を受けた者も多く、これは、特にこの類の画像を所持している者が実際の虐待行為に及ぶ確率が高いためと説明されています。

 このシステムで全ての性暴力から子どもを守り切れるものではないとは思いますが、特に再犯率が高いと言われる性暴力に関する犯罪から子どもを守るには、必用なスクリーニングではないかと思われます。

 また、児童養護施設などに関しては、家庭環境に恵まれない子どもが集まっているために、擁護施設であると同時に、悪質な人物からターゲットにされやすい場所にもなりやすい場所でもあるため、そのような場所での就労者のスクリーニングは慎重に慎重を期すべきであるのではないかとも思われます。

 国立児童保護庁もこの制度は、とても有意義であると説明しています。

 

児童に関わる仕事に携わるための証明書

 

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