2023年7月31日月曜日

日本にいる親友からの訃報

   昨日、日本にいる親友から訃報が届きました。 訃報というものは、それがある程度、予測できているものでさえも、やはり突然のように感じられるのは、人の命の重さゆえのことかもしれません。 彼女のお母さまの具合が悪く、ガンが見つかった時には、大きな病院での手術と化学療法を勧められたものの、高齢ということもあり、かかりつけのお医者さんと相談のうえ、緩和療法の道を選択していました。積極的な治療はせずに、最期まで家で穏やかに過ごさせてあげたいと、かかりつけのお医者さん、訪問看護師さん、ケアマネージャーさんたちとチームを組んで、彼女は仕事のかなりの部分をリモートに切り替えてもらって、お母さまと...

2023年7月30日日曜日

パリのおススメ ハンバーガーレストラン シュワルツ Schwartz's

  なんだか、最近、やけにハンバーガー屋さんが増えて、なんだかあちこちで見かけるようになったなぁ・・と思い始めてから、なんとなく、私のハンバーガー屋さん巡りが始まりました。 マクドナルドやバーガーキングやクイックなどの大手ハンバーガーチェーンは、以前からも、安定の人気で、やはりパリといえどもファストフードの王道を行く感じで、パリ市内だけでも、比較的新参のファイブガイズ(Five Guys)なども含めて、これらのチェーン店は100店舗近くが存在しています。 ところが、最近、やたらと目につくのは、これらのチェーン店とは別にハンバーガーのレストランがポツポツといつの間にか増えていて、クチコミなどをみれば、ずら~っと並ぶハンバーガー屋さんの多いこと多いこと・・。 そんな中、いくつかのお店を廻って、今のところ、私が一番気に入っているのは、マレ地区にあるシュワルツ...

2023年7月29日土曜日

エッフェル塔のふもとで27歳の女性が5人の男に強姦された事件 真夜中のエッフェル塔は危険

   エッフェル塔はパリを訪れる観光客にとっては、シンボル的な存在の場所の一つでもありますが、犯罪多発地域、特に観光客をターゲットにした犯罪が最も多い場所の一つでもあります。 もう、何度も同じような事件が起こっているので、今さらのような気もするのですが、今回は、27歳の女性が5人の男に強姦されるという痛ましい事件が起こっています。 この女性は、メキシコからの観光客で、午前1時頃、お酒に酔って一人で歩いているところを襲われています。酔っぱらって、夜中の1時に女性一人でふらふら歩く・・しかもエッフェル塔のふもとで・・となれば、言葉は悪いですが、これは、襲ってくださいとお願いしているのも同じというか、あまりに警戒心がなさすぎです。 残念ながら、パリは女性が酔っぱらって夜中に一人でふらふら歩けるような場所ではないし、ことさら、エッフェル塔近辺などは、もう自殺行為に近いです。 しかし、これは、このような犯行に及ぶ輩たちの手口でもあり、彼らはかよわい女性や言葉が上手く通じずに少し心細い思いをしていたりする女性観光客に近付き、アルコールの席に誘い、飲ませることから始めます。 また、言葉が通じない観光客の場合、泣き寝入りしてしまい、訴え出ない可能性が高いことも彼らは計算しています。 今回の事件に関しては、この被害者のメキシコ人女性は、5人から暴力的に強姦されたことを警察に訴え出て、すでに2人の男が逮捕・拘留されていますが、残りの3人は、まだ捕まっていません。 たしか、ニュースになっただけでも今年の2月頃にも同じような強姦事件が起こっています。 これらの多発する事件を受けて、一部の政治家(右派)は、夜中のシャン・ド・マルス公園を閉鎖することを求めています。 かねてから、提案されてはきたものの、実現していないシャン・ド・マルス公園の夜間閉鎖問題に対して、これらの政治家は、「パリ市民とパリへの観光客の安全のために、これは早急に決定すべきこと!パリ市長がこの決定を下すまでに、いったい、どれだけの性的暴行や犯罪が発生し続けると思っているのか!」と息巻いています。 あまり脅すようで恐縮ではありますが、エッフェル塔近辺は、強姦、暴力事件だけではなく、スリ、置き引き、ひったくり、強盗、詐欺、ぼったくりなどのありとあらゆる犯罪が報告されている場所でもあり、無法地帯、狂暴地帯であるという人もいます。 来年のオリンピックを見据えて、この地域の治安を確保するために、昨年5月に移動警察署が配置されてはいますが、どうやらそれでは充分ではないようです。 本来ならば、夜のエッフェル塔を眺めながら散歩・・など、ロマンチックで素敵な感じもしますが、とんでもない話。 非常に残念なことではありますが、せっかくの旅行を台無しにしないためにも夜のエッフェル塔には近づかないのが賢明です。エッフェル塔...

2023年7月28日金曜日

頭蓋骨の一部除去の青年の登場で暴動後、再浮上する警察の暴力行為

   警察官の発砲事件による未成年が死亡した事件を機に起こった暴動は、瞬く間に全国に広まり、一時、手がつけられない状況で、全くどうなることかと思いましたが、その後、かなり時間がかかったものの、どうにか鎮静化して、落ち着きを取り戻しています。 しかし、一方では、今回の暴動を沈静化するために動員されていた警察官による狂暴な行為が露見し始めており、マルセイユで警察官にLBD(Lanceur de balles de défense)(防御ボールランサー)発射隊による襲撃を受けて、重症を負った22歳の青年が脳に損傷を受けて襲撃から数回の手術を受けたのちに、頭蓋骨を一部除去された姿でマスコミの前に登場しました。 頭の一部が歪な状態になった彼の姿は、衝撃的で、ショッキングでもあり、そのメッセージにもインパクトがあります。 この事件であらためて注目されたLBDは、「電気パルスピストル」(PIE)...

2023年7月27日木曜日

アラン・ドロンの子供たちが同居している日本人女性に告訴状提出のゴタゴタ劇

   アラン・ドロンといえば、かつてはイケメンの代名詞のような存在で、映画にあまり詳しくない私でさえも、その名前は知っていたし、昔の映画の面影をなんとなく、記憶していました。 私がフランスに来たばかりの頃なので、おそらく20年くらい前のことだと思いますが、そのころはあまりテレビを見ない生活ではありましたが、年末の番組にアラン・ドロンが出演していて、「えっ?アラン・ドロンってこんな風になっちゃったの??」と思った記憶がありました。 美しさを全面にして、出ていた人ほど、ギャップは激しいし、また映画などでしか彼を見たことがなかった私にとっては、その番組がトーク番組だったために、なんだか余計にイメージが壊れた気がしたのかもしれません。 そんなアラン・ドロンについて、今月の初旬頃だったか、彼の子供たちがアラン・ドロンと同居している女性に対して、告訴状を提出したという話が世間を賑わせていました。現在、彼が同居している女性は日本人の女性らしいという噂は聞いていましたが、数日にわたっての報道で、その女性について、いちいち「オリジン・ジャポネーズ」をつけるので、なんとなく、余計に気になる気がしていました。 彼の子供たちの告訴状は、「モラルハラスメント」と「彼の飼っていた犬に対する虐待」というなんだか、抽象的なものではありますが、要は、彼女(アランドロンと同居していた女性)と子供たちの関係が上手くいっておらず、子供たち曰く、父を家族、親戚、友人たちから孤立させようとし、電話やメッセージ、郵便物などを彼女がコントロールし、彼らが会いにくるのを妨げようとしている。彼女の態度は、高圧的で脅迫的である・・」などと言うもので、なんだか、家族内のゴタゴタでそんなに世間が騒がなければいけないことかな?と思っていました。 父親に会いたいならば、その旨を話し合って、その機会を作るようにすればよいものをその話し合いさえできないほど、子供たちとその女性の関係性が悪化しているということなのでしょうか? 実際のところは、わかりませんが、どのようなことであるにせよ、アランドロン本人が一喝して、話し合えばいいことで、それができずにこんなことになるということは、彼自身がかなり、弱っているということに他ならないのだと思います。 この女性は、彼のスタッフとしても長く働いてきた女性であり、長い間、友人関係にあったようですが、その関係性が徐々にパートナーのような形に変化していったものと言われており、また、彼が脳卒中で倒れた後は、彼の介護をして、支え続けてきたようで、特に脳卒中を患ったのちは、彼のメッセージやスケジュールを管理したりすることは、必然であったような気もします。 実際に彼の世話をしてきたのは、彼女で、子供たちが何を口を挟むことがあるのか?二人の関係性に彼自身が不都合や不快さを感じているならば、同居関係を解消すればよい話なのに、子供たちが口を出すのも、おかしな話で、結果的に彼自身も子供たちの告訴状に名前を連ねることになっているのが、彼自身の弱さの表れでもあるのか?不可解でもあります。 彼が最後に公の場に姿を現したのは、2019年のカンヌ国際映画祭での、長年の彼の功績をたたえた「名誉パルムドール」受賞の際で、この時の彼のスピーチなどは、かなり自分の人生の締めくくりを意識したものであったことは印象的でもありました。 このアランドロンの子供たちからの告訴状を受け、この女性は弁護士を介して39ページにもわたる反論と説明を提出しており、「彼の子供たちとは複雑な関係にあったことは認めたうえで、子供たちは父親の恋愛関係の存在は決して受け入れなかった。子供たちの心配は、彼の財産に関わることであり、年老いた父親の世話を全くしてこなかった彼らとは異なる特別の立場で自分は存在している」と説明しています。 また、彼女のこの訴えに対して、子供たちは、別の告訴状を準備中で、まさに金銭的な話で、「アランドロンの口座から数万ユーロが引き出されている件について」と言われており、話がまた複雑なことになっています。 フランスでは、婚姻関係とは別の事実婚のような関係も認められているものの、この公的に曖昧な関係がどのように扱われるのか?財産や介護など、色々な問題も孕んでおり、泥沼化している感じではありますが、どちらにせよ、この子供たち、それぞれに独立していながら、どうして、そんなに親の生活に口を出すのか?父親の華麗な経歴を汚してしまうことを考えないのだろうか?と思ってしまいます。 現在、87歳の彼がどのような状態でいるのかはわかりませんが、結局は、子供たちの告訴により、彼はより孤独な老後を送ることになりそうで、まさに映画になりそうな話です。しかし、最後の映画にしては、寂しい話でもあります。アランドロン 告訴状<関連記事>「日本に帰っていった娘 親離れ・子離れ」「フランスの高齢者施設オルペア...

2023年7月26日水曜日

いろいろなバカンスの過ごし方

   ある世論調査によると、今年はフランス人の60%はバカンスに行かないという話も聞こえてきたりして、これが、インフレの影響を受けてのものであるとか、年金改革問題で、各所、けっこうなボリュームでストライキをしていたために、結果的にその家庭の財政をひっ迫させ(ストライキをしている日数の分は、給料が支払われない)、バカンスの予算が削られる、または予算が取れないなどというケースもあるのだとかいう話が聞こえてきています。 そのわりには、肌感として、やっぱりパリの人口は、バカンス期間中は減っているような感じがするのですが、その代わりに、いつもは見かけない組み合わせの家族連れをあちこちで、見かけます。 今日、バス停でバスを待っていたら、小学生くらいの女の子から、小さい子は、まだバギーに乗せられている子まで含めた見事に女の子ばっかりの4人の孫を連れたパピーとマミー(おじいちゃんとおばあちゃん)がいて、どうやら、彼女たちを連れて、これから動物園にでかける様子。 マミーの方は、カジュアルではあるけど、ストライプの襟付きシャツにソフトニットを合わせた、ちょっと、小洒落た格好をしていて、女の子たちもおそらく普段、学校に行く服装とは違う、いかにも年配の女性が好みそうな上品な服装をしていて、そういえば、実家の母もワンピースにエナメルの靴、髪型はルノワールの絵に出てくる女の子のような前髪だけを束ねてリボンをつける・・感じの服装をうちの娘にもさせたがっていたなぁ・・などと思い出しながら、どこか遠くにバカンスにでかけなくても、こういうパピーやマミーとのお出かけも、そんな服装も含めて、きっと良い思い出になるんだろうな・・と、なんだかあったかい気持ちで眺めていました。 メトロの中でも家族連れと思われる人たちをけっこう見かけ、パリにバカンスに来ている家族というのもいるんだな・・と思ったり、ランチを食べに入れば、どこか、ちょっとよそよそしい感じの中高生くらいの娘2人とパパとか、お年頃のこのくらいの女の子はダイエットを気にしてか?フライドポテトは残すんだな・・と思ったり、息子と2人連れで、お昼から、ゆったりワインなんか飲んじゃってるパパとかの子連れとはいえ、どことなく、男同士の感じとか・・いつもは見かけない感じの組みあわせの人々を見かけて、やっぱり、みんな、いつもとはちょっと違うことしてるんだな・・と思います。 かと思うと、パパもママも働いている人のためにある...

2023年7月25日火曜日

夏の間だけアルバイトしている若い子は素直で可愛い

   パリは、今、夏のバカンスシーズンまっさかりで、バスやメトロなどは、バカンス仕様のタイムテーブルになっているうえ、どこもかしこも工事中がやたらと多く、メトロやトラムなども一部区間は閉鎖・・とかになっている場所も多く、夏の間はちょっと街がすいてくるのは、まずまず嬉しいのですが、少々、動きにくくなる感もあります。 特に8月半ば頃になると、閉まってしまうお店などもあるため、少々、寂しくもあるのですが、この期間のよいところは、皆がバカンスに出ている間に学生などの若い子がアルバイトで働いていて、その様子がほんとに一生懸命で素直で可愛いところです。 フランスでは、日本のように、通年を通して...

2023年7月24日月曜日

亡き夫の誕生日 夫の思い出

   そういえば、昨日は亡き夫のお誕生日でした。もう彼が亡くなって、ずいぶん経つので、お祝いをすることもありませんが、なぜか、命日よりも、お誕生日を思い出すのはなんだか不思議なことです。 しかし、正直、だんだん年齢を重ねていくと、見送った人も増えてきたので、誕生日に加えて、どんどん、命日が増えてきて、そういえば、〇月だったな・・くらいで、命日の方はあんまり正確には覚えていません。 それに比べて、お誕生日の方は、両親や家族、友人なども、若い頃に覚えたことだからなのか、いつまでも、わりとちゃんと覚えています。 これが、もしも日本にいたら、何周忌とかいう法要があったりして、記憶として植え...

2023年7月23日日曜日

スリやひったくりや置き引きだけじゃない!パリのメトロに出没するおじいちゃん詐欺師

   残念なことにパリのメトロは安全ではありません。スリやひったくりなどは、日常的なことで、置き引きに至っては、もう自分から、荷物から手を放してしまったのですから、もうこれは、彼らからすると、どうぞ持って行ってくださいと言っているようなもので、自分で手離してしまった方が悪いといわざるを得ないようなところがあります。 ましてや落とし物や忘れ物などをしても、まず、見つかることはなく、以前に知人のフランス人が日本に旅行した際にタクシーにお財布を忘れたら、お財布が見つかっただけでなく、ご丁寧にタクシーの運転手さんがホテルまで届けてくれたと「日本というのは、なんという国(よい意味で)だ? ど...

2023年7月22日土曜日

97歳 視覚障害女性の家賃滞納のための立ち退き問題

  フランスにおける居住権というものは、まことに厄介なもので、スクワット(空き家などに勝手に侵入して居すわるのっとりのような行為・不法占拠)などの問題もしばしば耳にしますが、この行為自体は、不法であるというのに、彼らを追い出すのは、生易しいことではありません。 今回の話は、賃貸の話ですが、シャラント・マリティーム県(ヌーベル・アキテーヌ地域圏(フランス西部)で、2017年以来、家賃未納のために家主が法に訴える手段をとりはじめ、2019年3月にラ・ロシェル裁判所、その後2020年11月にポワティエ控訴裁判所での裁判を経て、裁判所は所有者に有利な判決を下していました。 裁判に時間がかかるのは、珍...

2023年7月21日金曜日

私の私的な外出の大半は食べることが目的 最近のマイブームは、モンパルナス駅

  私の父は、大変、食べ物にうるさい人で、また、味覚が鋭く、舌が肥えていて、そのうえ、大変、わがままであったので、母は父の食事の支度には、ものすごく神経を使っていて、牛肉なら、ここの店、魚なら、ここの店、佃煮は、ここ、餃子の皮はここの・・などなど、食材を買い集めるだけでも、なかなか大変なことで、食卓に出てきても、口に合わないものだと、お皿を遠のけて、箸もつけずに不機嫌さを丸出しにするような人だったので、私は、どんなものでも、家族が楽しく食事ができればいいのに・・と思っていました。 夫と出会ったときには、何を出しても「美味しい!美味しい!」と感激してくれる人だったので、「やっぱり家族が楽しく食事できる家庭が幸せだな・・」と思いつつも、そのうち、「この人、ほんとに、味、わかっているんだろうか?」、「わかってないな・・」、「これはこの人には、もったいないかな・・」などとさえ思うようにもなっていました。 しかし、悲しいかな、父の味覚の鋭さと好みは、怖いくらい娘に隔世遺伝しており、娘は、本当に味覚が鋭く、また、好みも父の好みと似ていて、なんだか、いつまでも父に憑りつかれているような気もしていました。 一方では、そんな父のおかげで、結果的に、私も弟も食育は優良な?教育を受けてきていたわけで、また、美味しいものに向かう姿勢などは、我が家のDNAではないか?と思われる執着ぶりで、結果、弟は食品関係の会社に就職して、けっこう頑張っています。 私自身についても、日常の食生活、食材の調達などを、あらためて、考えるてみると、生活の場がパリということで、特に日本食などを作ろうと思うと、1ヶ所で欲しい食材が揃わないということもありますが、結局は、少しずつの買い物を、これは、あそこ、あれなら、あそこ・・と、結局は母と同じようなことをしていることに気付き始めました。 家のすぐ近くにカルフールがあるので、たいていのものは、そこで間に合うといえば、間に合うのですが、定期的にアジア食材を扱うタンフレール、パリストア、KIOKO食品、パン屋さんは2~3軒くらい、その他にお気に入りの生ハム屋さん、ケーキ屋さん、チョコレート屋さん・・などなど、私はなんで?こんなにいつも食べ物を買い廻っているんだろうか?と苦笑してしまいます。 ラファイエットグルメなどに行けば、かなり色々なものが揃っているとはいえ、同じものでも値段も若干高めだったり、やはり、それぞれのお店に行った方が、新しいものを見つけたり、お店の人に色々と教わったりもするので、楽しいのです。とはいえ、ラファイエットグルメも時々は覗いているのですが・・。 そのうえ、美味しそうなレストランがあるといえば、飛んでいくので、私の私的な外出は、ほぼ食べることが目的の外出がほとんどです。 最近、その外出先に加わったのがモンパルナス駅で、ここには、ブレグジットのためにパリ市内の多くの場所から姿を消してしまったM&S(マークスアンドスペンサー)(イギリスのスーパーマーケットがあり(ここでは、マフィンなどのパンや紅茶、クッキーなどを買います)、ヨーグルトファクトリーというアイスクリーム屋さんがあり、ボルドーのカヌレ屋さん La...

2023年7月20日木曜日

電気料金の値上げは当分、止まらないらしい・・

   つい、この間、電気料金の請求書が来て、金額を見て、「えっ?また上がった?」と思ったばかりでした。 私は、細かい値段について、「え~~?高~い!」などと、言ったりするわりには、一度、払ったものについては、すぐにその値段を忘れてしまう、よく言えば、根に持たないタイプではあるのですが、電気代に関しては、過去にあった EDF(フランス電力)の桁を間違えられて引き落とされた事件以来、自動引き落としを取りやめたままで、いちいち請求書を確認してから、ネットで振り込むようにしています(以前はいちいち小切手を書いて送っていた・・)。 そんなわけで、電気料金に関しては請求書が届き、また、この請求書は、ごくごくたまに必要になる住居確認の証明書として必要になることもあるため、保管してあったりもするので、なんとなく、他の支払いに比べて、否応なしに、その金額には、センシティブなところがあります。 (電気代の引き落とし間違いの時には、その間違って引き落とされた金額を返金してもらうのに、一言の謝罪すらなく、挙句の果てに逆ギレされて、おまけにえらい時間がかかるというすごく嫌な思いをしたのです) しかし、「え~高い?」と思った金額よりもさらに、「8月1日から政府は電気料金の10%値上げを発表」という知らせを聞いて、また、ビックリ!、いったい、どこまで上がるのかと思いきや、これは当分続くようで、来月の10%値上げに続いて、2024年2月、8月、2025年1月に着々と17%ずつ上がっていくという話もあります。 半年ごとに17%増とはかなりショッキングな話です。 それでも、現段階では、フランスの電気料金はヨーロッパでは最低の部類に入ると政府は胸を張っており、これは電気料金に対して、政府が拠出している電力シールド(値上げから国民を守る政策)のために、これだけの値上げに抑えられているのであり、これまで実際に国民が支払うべき電気料金の43%を政府が負担していたものを約37%に引き下げることによるものとしています。 政府は、景気回復の兆し(といっても、一部だとは思うけど・・)とともに、この電力シールドを段階的に廃止していく方針です。 経済分析評議会(CAE)は、裕福な世帯からはこのシールドを早々に撤廃し、最も不安定な人々への援助を強化するように勧告しています。裕福な世帯からすれば、電気料金の値上げくらいは、大した痛手ではなく、最も不安定な人々への援助が強化されれば、彼らの助けにはなりますが、結局、一番痛手を被るのは、中流階級かもしれません。 しかし、電気料金などの値上げは、結果的に全ての料金に反映されるものでもあり、インフレは止まらないということになります。 また、今回、そして、今後の電気料金の値上げには、風力発電所や太陽光発電所の強化のための工事資金も含まれており、これらの工事費は、電力消費者の請求書の一部によって賄われています。...

2023年7月19日水曜日

パリのメトロはマスク率ほぼゼロ

   この間、久しぶりに日本にいる友人と電話で話していて、「日本はまだ、けっこうマスクしている人がいるんだよね~」という話を聞いて、びっくりしました。 もう、はっきり記憶にもないくらいなのですが、私も多分、春ごろまでは、一応、マスクは持ち歩いていて、メトロやバス、つまり公共交通機関が混んでいたりするとマスクをつけたりしていたこともあったのですが、正直、彼女と話をするまでは、いつのまにかマスクのことは、すっかり忘れていました。 パリはすっかりバカンスモードに入り、観光地をのぞいては、「やっぱりみんなバカンスに出ているんだな~」と思うくらい、人が減ってきた気がしますが、路線にもよるので...

2023年7月18日火曜日

2024年から運転免許証がスマホに取り込めるようになる!

   フランス政府は、現行の運転免許証に加えて、2024年には、デジタルの運転免許証がスマホに取り込めるようになると発表しました。 なにかと、トラブルの多い車の検問ではありますが、この検問の際の運転免許提示をスマホに取り込んだ運転免許証で提示することが可能になります。運転している時に車を停められると、まずは、免許証の提示を求められるのが普通ですが、この際の免許証不携帯というケースが少なからずあって、このご時世、特に若者は、スマホを持たずに出かけるということも考えづらいので、携帯に取り込んでおけば、いつでもどこでも忘れることなく、提示できるようになるわけです。 スマホに取り込んでおけば、紛失ということもないわけで、免許証自体は、大切に家に保管しておいて、スマホだけ持っていればいいわけで、大変、便利になります。 このスマホに免許証を取り込むには、アプリをダウンロードする必要がありますが、スマホの種類にかかわらず、どんな機種にも対応できるようになっているので、難しいことではありません。 これまでにも、ヘルスパス(ワクチンパスポート)の時なども、アプリをダウンロードして、そこにワクチン接種済証明書を読み込んで、スマホで提示したりしていたこともあったので、免許証の場合もそんな感じなのかな?と思います。 また、このスマホ免許証の場合は、これまでの交通違反の履歴などのデータや、残りのポイントなどにも自分でアクセスして、確認できるようになるそうで、これまでの免許証よりも、さらにグレードアップする感じです。 また、この交通違反に関して、政府は同日、麻薬やドラッグを使用して運転した場合は、自動的に免許停止の措置をとることを発表しています。現在、フランスで起こっている自動車による事故の5件に1件は薬物使用者によるものであると言われており、また、薬物使用による自動車事故による人身傷害事故、死亡事故に関しては、これまでの「過失傷害罪」や「過失致死罪」から、「路上傷害罪」、「路上殺人罪」というカテゴリーを創設し、他の不本意な傷害事故とは区別し、より重罪であることを区別できるようにするとしています。 そもそも、運転免許以前に違法である薬物使用で事故をおこせば、免停になるのは、当然のことだと思いますが、もはや、飲酒運転についてではなく、薬物使用運転について言及しなければならなくなっているほど、薬物が蔓延しているということには、フランスの麻薬当の薬物問題の深刻さを思い知らされます。 アルコールに関しては、フランスでは、血中アルコール濃度が...

2023年7月17日月曜日

ガンの余命宣告は残酷か否か

   私にとってのごくごく近い家族は、祖父母はもちろんのこと、両親も夫も、すでに他界してしまっているので、娘をのぞいて、もう誰もいません。私の年齢だと、さすがに長寿国、日本だけあって、私の友人たちも、両親のどちらかは、まだ健在・・とまではいかなくても、健康上、様々な問題はありつつも、どちらかはまだ残っているという人が多く、「だんだん大変になってきた~」などという話を聞いても、介護できる親がいることを羨ましく思う気持ちもありました。 しかし、反面では、家族を見送る辛さや悲しみを思い出すと、私は、もうあんな思いをすることはないんだな・・と、ちょっとホッとするというか、そういう過程も私は...

2023年7月16日日曜日

RER B線でホームから突き落とされた女性死亡

  もともと、RER B線(パリ市内も通るパリ郊外線)は、あまり治安のよいイメージではありませんでしたが、今年に入って同じ路線で、2回目の死亡事故が起こったというので、ちょっと、ウンザリしています。 この路線は、CDG(シャルルドゴール空港)に行く際に利用する路線で、以前は早朝や夜遅かったりすると、列車内で襲われて荷物を奪われたりする危険があるので、空いている場合は、できるだけ、孤立しないように人のいる車両に乗った方がいいとかいう話は、よく聞いた気がします。 ところが、今回の事件は、祝日の朝、9時半頃、パリ14区のシテ・ユニヴェルシテール駅のホームに立って、電車を待っていた52歳の女性がいきなりすごい勢いで線路に突き落とされ、駅に入ってきた電車にはねられて死亡するという恐怖の事故が起こりました。 検察によると、ホームに突き落とされた女性は、一度、立ち上がったものの、電車の急停車が間に合わずに、轢かれてしまったという残酷なもので、被害者の恐怖はもちろんのこと、現場を目撃してしまった人にとっても、かなり衝撃的な場面であったに違いありません。 犯人の男は、その場からはすぐに逃走しましたが、その日の午後3時40分頃に、ヴィトリー・シュル・セーヌ(ヴァル・ド・マルヌ県)のスーパーマーケットで万引きをして捕まっており、その際に朝、RER...

2023年7月15日土曜日

2024年のパリ祭のパレードとオリンピックの融合

  心配されていた今年のパリ祭のシャンゼリゼでのパレードは、ほぼ、いつもどおり滞りなく行われました。なぜか、この日はいつもお天気にも恵まれる感じで、いつもながら、フランス人でもなく、ただフランスに住んでいるというだけの外国人の私でさえも、フランスを誇らしく感じる日でもあります。 凱旋門を背景にシャンゼリゼの緑の街路樹には、トリコロールのフランス国旗がたなびく絶好のロケーションの中、その中央を隊列を組んで行進してくる様子は、やはり、何度、見ても、ため息が出るほど美しい光景です。 このパレードはシャンゼリゼ以外にはあり得ないように思ってしまいますが、なんと、来年のパリ祭のパレードのルートは、パリオリンピックのために、ヴァンセンヌとナションの間を通るルートに変更されることが発表されました。 2024年のパリオリンピックは、7月26日に開会されますが、このパレードのルート変更は、現行のパレードの終着点となっているコンコルド広場がスケートボードなどの新しい都市スポーツ分野の会場となるためと言われています。 しかし、来年の、このパリ祭のパレードの中には、聖火リレーが組み込まれる予定になっているそうで、オリンピック聖火は7月14日にパリに到着し、2日間かけて、パリ1~20区の全ての区を廻ります。 オリンピック聖火はシャンゼリゼはもちろんのこと、...

2023年7月14日金曜日

パリ祭・革命記念日に向けてエリゼ宮に届く大統領殺害予告と切断された人間の指

   今年のパリ祭・革命記念日は、ちょっと信じられないほどの勢いと暴力性をもった暴動が起こった直後ということで、いつにない警戒体制を敷いていることは、政府が7月14日を前後して動員、配置している警察官や憲兵隊などの数や、交通規制、輸送規制、花火に関する規制などで、うかがい知れるところでもあります。 市町村が公的に行う花火や催し物などに関しては、禁止されているわけではありませんが、危険回避のために、自粛、自主規制で取りやめにしている地域もあります。 にもかかわらず、前日の夜には、かなり大きな花火もあがっていて、例年ならば、さほど気にはしていないものの、なんだか気のせいか前日にしては、かなり音が大きい気がして、なんだか、少々、不安な気持ちになってしまっているのも事実です。花火の音を聞いて、ちょっと不安にもなるあたり、やっぱり普通ではありません。 これだけピリピリしながら迎えるパリ祭というものも、今まであまり記憶にないのですが、エリゼ宮には、マクロン大統領殺害予告や、そのうえ、なんと「切断された人間の指が届く」という前代未聞の事件も起こっています。 マクロン大統領の殺害予告をしたのは、23歳の男性のようで、ビデオゲームサイトで、「パリ祭の日にシャンゼリゼを攻撃するためにカラシニコフを購入するつもりだ!」と投稿しており、また、「イスラム教徒、ユダヤ人、黒人、同性愛者」といった少数派を攻撃したいとも宣言していました。 彼のこのネット上の発言から、複数のネットユーザーの通報により、この男性はすでに逮捕されているようで、逮捕時には、ナイフで警察に向かいかかるという、非常に反抗的で狂暴な態度であったうえに、彼の車の中からは3本のナイフが発見され、また押収された彼のパソコンからは、ターゲットを検索していた履歴が発見されました。 RMCによると、容疑者はアルジャントゥイユ(ヴァル・ドワーズ)在住で、自らを「国家主義者」と称しているということです。 そして、もう一つ驚かされる、エリゼ宮に郵便で届けられた手紙が添えられた「切断された人間の指」に関しては、すぐに警察の捜査が開始され、当局によると、指先は手紙に署名した人物のものであり、すぐに犯人は特定されましたが、彼は精神疾患を患っている患者で、すでに適切なサービスによって治療中であると発表されています。 どう考えても、ふつうではないやり口も、精神疾患を患っているということで、理解できる気もしてしまいそうになりますが、「すでに適切なサービスによって治療中であるという点については、治療中であるとはいえ、このような奇行に走るのですから、治療の効果はいかばかりなのか?と疑問にも思うし、決して安心できるものではありません。 これらの件に関しては、エリゼ宮をはじめとして、マクロン大統領本人もコメントを控えており、不穏な雰囲気が広がることを恐れて、事件を大々的に騒ぎ立てることを控えています。 しかし、このような事例が続いているからこそ、今回のパリ祭の警戒がいつもよりも厳しいピリピリしたものになっているのも頷けるような気がします。 また、年金問題で暴動が起こった時も、100日後までには、夏前までには、フランスが乗り越えていかなければならない道と方策を示していくと話していた約束は、その時点では、パリ祭の日に行われる大統領演説で語られるであろうと皆、思っていたものの、今年の演説はパリ祭の日には行われないことがエリゼ宮から前もって発表されており、数日後にあらためて、行うとしています。 このフランス国民が歓喜し、興奮する行事の日は、あえて、あらたな火種となりかねない演説は日をずらして行うということも、この社会全体がなんとなく不安定で、情勢不安の中、いつでも爆発しかねないものをフランスが抱えているという現れなのかもしれません。 大統領殺害予告と切断された人間の指<関連記事>「マクロン大統領の支持率...

2023年7月13日木曜日

娘と私の友人の不思議な関係

   娘が日本で仕事を始めて、1年半くらいが経って、その間、2回フランスに一時帰国?していますが、そのたびに、日本に住む私の友人たちとの間の伝書鳩のようなことをしてくれています。 私も日本を離れてから、もう20年以上経つので、もともと、そんなにたくさんいなかった友人もさらに限られて、わりと頻繁に連絡をとったりしている友人は、今では、そんなに多くはありません。 とはいえ、この20年ほどの間に一時帰国するたびに会っていた友人たちとは、両親が存命中だったころから、母はすでに心臓の具合があまりよくなかったために、娘を両親に預けて、私1人が友人に会いに出かけるということもできずに、友人に会う...

2023年7月12日水曜日

騒音被害の苦情を言いに行った75歳の男性が殴る蹴るの暴行を受けて死亡

   フランス北部の街ヴュー・コンデ(パ・ド・カレー地域圏)で、夜中の騒音を注意しに行った75歳の男性が14歳から18歳の複数の男性に殴る蹴るの暴行を受けて死亡するという痛ましい事件が起こりました。 事件が起こったのは、先週のことでしたが、数日間、危篤状態が続いていたこの被害者の男性が死亡したことから、殺人事件となってしいました。 ご近所トラブルの中でも騒音問題は大小含めて、珍しくない問題ではありますが、この騒音問題がきっかけで殺人事件にまで発展する話は、幸いなことに?これまではあまり聞いたことがありませんでした。 事件は夜中に起こったことですが、この被害者は路上に倒れているところ...

2023年7月11日火曜日

暴動後、パリ祭に向けて、いつにない警戒ぶり 花火の販売・輸送禁止

   暴動後、といってよいのか? もう完全におさまったのかはよくわからない今回の暴動は、おそらくフランスの今年の10大ニュースに入ると思われる大変な出来事でした。 この暴動の火種がおさまったのかおさまらないのか、まだよくわからない現時点で、フランスは一年に一度のパリ祭・革命記念日の祭典を控え、いつも以上に警戒を強めています。 そうでなくとも、例年、パリ祭の夜には、フランスの光と影の部分が同時に表れる日で、華々しいシャンゼリゼのパレードや花火などが打ち上げられる、その華やかな光景と同時に、一方では、必ず怒りをぶちまけて、車を燃やしたり、ふつうの花火とは違う攻撃的な花火(花火迫撃砲)などの応酬が起こったりするのは、珍しくはないことです。 そんなパリ祭を数日後に控えたフランス政府は、この革命記念日までの個人への花火の販売、輸送、使用を禁止する法令を発令しました。 また、ボルヌ首相は、「この花火禁止と同時に大規模なセキュリティ手段が配備される」と発表しています。 今回の暴動に関しての後始末がまだまだつかないうちから、次の暴動対策をとらなければならない政府も気の毒といえば気の毒ではありますが、このフランスにとっての一大イベントの一つであるパリ祭が暴動の再燃になることだけは、なんとしても避けなければなりません。 逆に言えば、今回の暴動で暴徒たちは、この暴動の起こし方、やり方の多くを学んだとも言えるわけで、ここで、彼らの行動を完全にブロックし、今もくすぶっている今後の暴動の火種を消し去り、また、今回の暴動で使われたツールが流通することを避けなければならないのです。 また同時に、今回の暴動により車などを燃やされたりした個人に対しては、「被害者保証基金」を通じて補償される予定で、政府首脳はまた、若い暴力加害者の家族に制裁を加える可能性も検討、「既存の法的枠組みが十分でない場合は、必要に応じて法律を変える」と強気の姿勢を示しています。 こうした暴動を起こした人に対する制裁・罰則の強化も、おそらくは、再発予防になると思います。 そして、今回の暴動で使用されたツールの一つであったインターネット(SNS)に関しても、先日、マクロン大統領の「私たちは、おそらく、緊急時(暴動発生時)は、SNSを規制するか、遮断する立場にある」という発言から、よもやネット切断?と物議を醸したりもしましたが、実際のところは、完全にネットを遮断するというのは、現実的な話ではなく、「位置情報などの機能を停止する」、あるいは、「特定のプラットフォームの機能を停止する」ことを検討していると言われています。 とりあえず、近々に、この暴徒たちを興奮させかねないパリ祭まで、あとわずか数日、検討しているというよりも、もうこのネットに関する件はある程度は水面下では決定しているものだと思います。 しかし、暴動のツールとして使われているとすれば、仕方ないとは思いつつ、先日、暴動に巻き込まれて、コマーシャルセンター内に閉じ込められ、わけのわからない出口から避難するように追い出され、何の誘導もなしに次の駅まで歩かなければならなかった身からすると、その時、なんとか、知らない次の駅まで歩いて行けたのは、ネットの位置情報サービスのおかげであり、こんな時にこそ欲しいサービスでもあるのです。 例年ならば、パリ祭を控えた今頃の時期は、パレードの予行演習の兵隊さん街を制服姿で歩いていたり、飛行機がパリの上空を隊列を組んで飛んでいく様子が見える、なんだかワクワクするような時期でもあるのですが、今年は警戒の話ばかりで、なんだか、パリ祭でさえも、これまでのようには、おこなえなくなっていることをとても残念に思うのです。花火の販売・輸送禁止<関連記事>「手がつけられなくなっているフランスの暴動に巻き込まれて、しばし、お店に閉じ込められた・・」「大惨事となっているフランスの暴動とSNSの関係」「子育ての恐ろしさ やっぱり親の責任は大きい」「度を越えている暴動と信じられないほどの穏やかさが共存しているフランス」「2020年...

2023年7月10日月曜日

夏休み・夏のバカンス短縮で不公平は是正できるか?

   日本で生まれて、日本で育った私にとって、海外で生活していれば、否応なしに感じるのは、文化の違いですが、その中でも「バカンス」に関しては、感覚が大きく違うものの一つでもあります。 なんといっても、フランス人のバカンスは長い! 私はフランスに来て、ちょうど1年後くらい、娘がちょうど1歳になるかならないかくらいの時に仕事を始めたので、フランスで学生生活を送ったことはありませんが、代わりに娘の長い夏休みやその他の時期のバカンス(学校のお休み)の多さには、つくづく辟易してきました。 ヨーロッパの人は大胆に長期間のバカンスをとるということは、なんとなく知ってはいましたが、実際に体験してみると、なかなか大きな違いです。 職種によっても違うかもしれませんが、普通に会社務めをしている場合、約1ヶ月間の有給休暇は仕事を始めて、1年後からとれるようになっていますし、当然の権利として考えています。 日本の会社で長期間の有給はとりにくいとか・・有休を消化しきれないとかいうのは、フランス人にはそれこそ、逆に意味のわからないことだと思います。 しかし、それ以上に学校のお休みは長いし、多いし、夏は2ヶ月強、その他、約1ヶ月おきくらいに2週間くらいのバカンス(トゥーサンやノエル、冬休み、イースターなど)があり、おまけに小学校までは、水・土・日が休みです。 あまりにお休みが多いので、一度数えたことがありましたが、これらのお休みの合計は1年のうちの約3分の1に相当します。つまり、自分の有給休暇だけでは、なんとかできるはずもなく、子供の長い学校のバカンス期間(特に夏)をどう都合をつけるかは、大変な問題だったのです。 夏休みの場合、多くのフランス人は、子供の長いバカンスの半分は、子供をパピーやマミー(おじいさん、おばあさん)のところに行かせて、半分は家族でバカンスへ・・という家庭が多い気がしていましたが、それができない我が家はもっぱら、コロニー(スポーツなどを体験させてくれる合宿のようなもの)のお世話になり、むしろ、コロニーをやっていない時期に私はバカンスをとるようにしていました。 学校のお休みとコロニーとをパズルのように組み合わせて予約をして(また、この予約がかなり前から必要)埋めていく作業は、私の仕事の都合でバカンスをとれる時期が限られていたこともあって、母子家庭だった我が家にとっては常に頭の痛い問題でした。 それが、最近、マクロン大統領が学生間の不平等を是正し、また日常のキツ過ぎる授業日程を緩和するために、授業を年間を通じて、より適切に分散するために、夏の学校のバカンス期間を短縮したいと言い始めました。バカンス期間が長いだけあって、日常の学校の授業は、小学校から16時半まで、エチュード(宿題や補修の時間(希望者のみ)も含めれば18時までと長いのです。 特に送り迎えが小学校が終わるまでは必要なフランスで(高学年になれば、必須ではないものの、一応、多くの家庭では送り迎えをしている)、これは、共働きが多い親の都合に合わせてくれているのかとも思いますが、子供によっては、かなりキツい日程かもしれません。 子育てが終わってしまった我が家にとっては、「遅いよ~今頃・・」という話なのですが、特にこの長期間のバカンス期間に旅行や文化、スポーツ活動をする財力に乏しい家庭の子供たちの不公平感を是正するという考え方には、少々、疑問を感じます。 とにもかくにもバカンス期間が長すぎるという意味では異論はないのですが、バカンス期間を短縮することで、不公平感を是正できるというのは、あんまり納得できません。 そもそも、それぞれの家庭、様々な事情があるのは当然のことで、そもそもは世の中は公平ではないものだし、公平というものは、なかなか測りきれるものでもありません。 むしろ、何かあるたびに不公平だとか騒ぐ方が私には抵抗があります。バカンスが長いにしろ、短いにしろ、平等に与えられているのは時間で、その時間をそれなりにどのように有意義に子供に過ごさせるかは、必ずしも経済的なことに依存するばかりではありません。 むしろ、フランスは援助の手を辿っていけば、現時点でも結構な援助が受けられるようになっています。 結局は、全ての問題が格差社会の問題につながっているような気もするのですが、バカンス期間を短くしたとて、これが緩和されることはなく、もっと別の問題なような気がします。 また、このバカンス短縮問題は、逆に言えば、長いバカンス期間を享受している教職員組合からは、ブーイングが必須であろうし(一般的に、教師は低賃金で、バカンスが長いということが取り柄と言われている)、観光関係者連盟(CAT)もバカンス期間が短縮されれば、それだけ、短い期間にバカンス客が集中することになり、価格の高騰を招きかねないとの見解を発表しています。 これだけ多くの人が長期間にわたり、バカンスに出て、お金を使うフランスでは、観光産業は決して侮れない金額、200億ユーロが動く産業で、GDPの13%を占めていると言われています。 これまで、過去の大統領、サルコジ政権、オランド政権などの時にもこの夏のバカンス短縮の声は上がっていましたが、結局のところ、現実化はしませんでした。 短縮するどころか、「フランスはヨーロッパの中でも夏休みが最も少ない国の一つ」、アイルランド、ポルトガル、ラトビアなどは13週間休む・・など、ホントかウソかわかりませんが、そんなことを言いだす人までいます。 どちらにしても、フランス人にとって、重要な位置を占めるバカンス問題、増やすならともかく、短縮となれば、そんなに簡単なことではありません。夏休み 夏のバカンス短縮計画<関連記事>「フランス人の金銭感覚 フランス人は、何にお金を使うのか?」「バカンスを何よりも優先するフランス人 フランスに...

2023年7月9日日曜日

フランス国家安全保障名目でTikTok停止の危機 6ヶ月間の最後通告

   「フランスでTikTok廃止?」というニュースを聞いて、ようやくおさまりつつある今回の暴動劇にもTikTokが利用されていたせいなのか? それにしても、リアクションが早いな・・と思っていたら、この話は、もっと前から調査が続けられていたものでした。 フランス上院調査委員会は、4ヶ月間にわたる調査と専門家、研究者、学者、政治指導者、TikTok側のフランスの代表らとの約30回の公聴会を経て、ソーシャルネットワークの利用と個人データの利用に関する報告書の結論を発表しました。 この報告書によると、現在、フランスでのTikTokのユーザーは特に低年齢層に爆発的に浸透しており、11歳~13歳の45%がTikTokに登録していると言われています。SNSは大変、便利なツールであると同時に、多くの時間を人々から奪います。 「なかでもTikTokは、非常に中毒性が高いアルゴリズムを有しており、ユーザー、主に子供や十代の若者たちを何時間も画面上に留めておく」と報告されています。 また、中国で誕生したこのサービスは、中国当局との強力な連携の上に成り立つものであり、ユーザーに関する情報がアルゴリズムファイリングを通じて全て中国当局に収集されていることに対する懸念も報告されています。 もう...

2023年7月8日土曜日

ノートルダム大聖堂の今 工事中でも、とにかく見せる姿勢

   パリのノートルダム大聖堂が炎に包まれたのは、2019年4月のことでした。考えてみれば、あれはまだ、パンデミックの前のことでしたが、突如、火に包まれて建物の尖塔と身廊、聖歌隊席、翼廊を覆う屋根全体が焼失する前代未聞の大火災でした。 この大火災は、当時、ノートルダム大聖堂着工850周年のプロジェクトの一環として行われていた改修工事中のことで、その日は夕方、ノートルダムが火災!というニュースにテレビは生中継でその姿を映し出し、炎はすぐにおさまると思いきや、一向に火の勢いはおさまることはなく、ついには、尖塔部分が崩れ落ちる光景は、充分に衝撃的で、また、近隣の住民や信者さんたちが大聖堂から少し離れた裾野にひざまづいて祈る姿は、ノートルダム大聖堂の悲惨な姿とは対照的に、人々が真に祈る姿というものは美しいな・・などと不謹慎なことを思ったりしました。 ノートルダム大聖堂はパリのというよりもフランスの歴史的な文化遺産の一つで、12世紀から13世紀にかけて造られた建築物で、世界遺産にも登録されており、世界中から寄付を募って、復興工事が始まりましたが、焼け残った部分の安全性を確認しながら、一部は、外したりしながらの修復工事のために、大変な時間と労力がかかっています。 幸か不幸か、パンデミックのために、観光客は一時、ストップしたものの、工事自体もストップした期間があり、なかなか大変な道のりを歩んでいます。 しかし、現在のパリはすっかり観光客も戻り、場所によってはものすごい人でもあり、パリの一大観光地であるノートルダム大聖堂も工事中でも観光客を迎え入れる準備が整いつつあり、現に、中には入れないにもかかわらず、大勢の観光客が訪れています。 もう、かなり前からですが、工事中のノートルダム大聖堂には、囲いができており、もちろん中には入ることはできませんが、その囲いの壁面には工事の様子をパネルにしたものと説明書きがフランス語と英語で書かれています。そのパネルだけでも、けっこう別の意味で見応えのあるものでもあり、こんな状態でも「見せる」姿勢を崩すことはありません。 つまり、現在は残された原形とともに、工事そのものを見せるように工夫がされています。また、これはわりと最近だと思いますが、大聖堂の正面には、大きな階段のようなものが設置されていて、そこには大勢の観光客が座って、工事中の大聖堂を眺められるようになっています。  ノートルダム大聖堂の周囲を一周すると、裏側は、足場が組まれ、網がはられているため、全くの工事中で中はほとんど見えませんが、周囲には、こんなにあったのか?とおもわれるほどの、いわゆるお土産屋さん、観光客目当てのレストランなどは、全てオープンしています。 中が一般公開されるのは、2024年の予定、できればパリオリンピックに間に合うようにということだったので、あと1年あまりですが、「間に合うんだろうか?」と思っていたところに、今回の暴動で、フランスには、他にも修復しなければならない場所が増えてしまいました。でも、考えようによっては、工事中のいつもとは違うノートルダム界隈の景色は、今しか見られない景色でもあり、また充分に鑑賞に堪えられるようにきれいにカッコよく整えられています。 ノートルダム大聖堂 パリ<関連記事>「岸田首相のパリ訪問 海外首脳として初めての工事中のノートルダム大聖堂訪問」「一日にして、フランス中のヒーローになったバックパックの男」「パリの老舗アイスクリーム屋さんといえば、ここ!サンルイ島 ベルティヨン...