2022年5月31日火曜日

フランス人ジャーナリスト ウクライナの戦地で取材中に撃たれて死亡

   週明けの月曜日、フランスBFMTV(フランスのニュース専門チャンネル)のジャーナリストがウクライナ東部のセベロドネツクでBFMTVの取材中に榴散弾に当たって死亡しました。彼はBFMTVに入社して6年目の32歳のフランス人フォトジャーナリスト、ウクライナ戦争勃発以来、ロシアの侵攻を取材するためウクライナに赴き、2回目の任務で走行中の車両がロシアの爆撃の標的になり、首を撃たれて致命的な傷を負って死亡したということです。 彼はパートナーのマキシム・ブランドシュテッターとともに、できるだけ前線に近い東部での紛争を取材していました。当日も彼は民間人の避難を記録中にロシアの榴散弾で首を撃たれたとのこと。 BFMTVの局長によると、「彼は熱血漢ではなく、冷静着実に勤務を遂行してきた人で、この戦場という危険な取材において、彼は任務の一分一秒を秤にかけて行ってきた」と彼の行動が決して無謀な行動ではなかったことを語っています。 彼に同行していた同僚も脚を負傷して、すぐにフランスに送還されることになっています。Journaliste,...

2022年5月30日月曜日

サッカー ヨーロッパチャンピオンリーグ決勝戦 試合よりも話題沸騰のスキャンダル

 サッカーのヨーロッパチャンピオンリーグの決勝戦、レアル・マドリード対リバプールの試合が先週末にパリ北部郊外サン・ドニのスタッド・ド・フランスで行われました。 結果は1対0でレアル・マドリードが勝ち、史上最多14回目の優勝を飾りました。 しかし、フランスでは、決勝戦にフランスが残っていなかったこともあるとは思いますが、試合以上に試合開始までの会場での大混乱の模様について、欧州の周囲の国(特にイギリスとスペイン)で、この大混乱へのフランスの警察の対応が「行き過ぎ、やりすぎ、完全に管理不足、大スキャンダルであると報じられている」と問題視されていることをに注目が集まっています。 ヨーロッパでのサッカーの試合、しかもチャンピオンリーグの決勝戦といえば、それに集まってくるサポーターたちの熱狂ぶりは、身の危険を感じることもあるほどのイベントで、前日には、在仏日本大使館から、「ヨーロッパチャンピオンリーグの決勝戦がスタッド・ド・フランスで行われるため、熱狂的なサポーターによる破壊行為や衝突を避けるため、多数の警察が出動する予定になっており、思わぬ騒動が発生する恐れがあるので、今週末、特に夜間の外出の際には十分に注意してください」とお知らせが来ていました。 以前、私が、ロンドンにいた頃に一時、障害者施設でスタージュをさせていただいていたことがあり、その中にいた悲しいほどハンサムなイギリス人の青年が半身不随で車椅子生活、まともに話もできない状態で、施設の方に事情をうかがったところ、サッカーの試合を見に行って、熱狂するサポーターの暴力でこのようになってしまったという話を聞いて以来、ますますヨーロッパでのサッカーの試合には、警戒感を強めるようになりました。 一面では、あんなに熱狂できることが羨ましいような気もするのですが、とてもあの爆発的な熱狂ぶりには、ついていけません。ヨーロッパの人々が全て同じではありませんが、どうにも熱量の違いを思い知らされます。 今回のスタッド・ド・フランスでの騒動は、多くの警察が警戒する中、何千人ものイギリス人サポーターがチケットを持たずに、あるいは偽チケットで入場しようとしたことから起こったもので、これらの観客をチェックするために入場ゲートを一旦、閉じたところ、一部のサポーターがボルダリングのように壁をよじのぼって侵入しようとしたりする騒ぎになったのを機に、警察は催涙ガスまで使用して、かなり強硬なやり方で騒動を沈静化しようとした模様で、パリ警察は、スタジアムへの無謀な侵入者は「難なく」退散させたと、むしろ得意気に発表したものの、その場にいたチケットを持っていたにもかかわらず入場できなかったサポーターの怒りは大変なもので、また、その場の模様を撮影していた人も大勢で、映像はSNS上でもあっという間に拡散され、このパリ警察の強引な対処法やスタジアムの管理問題を恥ずべき光景、恐ろしい・・衝撃的だと非難しています。 フランスでは、頻繁におこるデモやデモが暴徒化した場合に催涙ガスや放水車などが出動するのは、もはや珍しくない光景ですが、これらをサッカーの観戦のために集まった人に同じ対応をするのは、妥当であったのかどうか、いくら相手が興奮状態であったとしてもチカラで押しのけようとするのは、やり過ぎの気もします。 リバプールのサポーター組合は、この大会を運営するUEFAに対して、ファンの安全をないがしろにしたと述べ、フランス警察が「無差別」に催涙ガスを使用したことを「強引」だと非難する声明を発表し、翌日には、イギリスの文化・スポーツ長官が「何が悪かったのか、なぜそうなったのか、公式な調査を開始するようUEFAに要請する事態にまで発展しています。 しかし、一方では、勝者スペインサッカー界の重鎮であるアルフレッド・レラーノ氏は、リバプールと「チケットを持たない野蛮人の大群」を糾弾し、「スタジアムのゲートでスキャンダルを起こし、大惨事につながる可能性が十分にあった」と厳しい意見を述べています。 フランスの報道の一部では、なんとこの日のチケット2万枚分が偽チケット、あるいはチケットなしで入場していたとも言われており(スタッド・ド・フランスの収容人数は8万人)、このチケットについても大きな問題があったとも言われています。 この日の夜、パリ警察は、このスタジアムで105人を逮捕、39人が身柄を拘束しています。楽しんで観戦するはずのサッカーの試合でこの騒ぎには、閉口してしまいます。 何より私が驚いたのは、自分自身がこのような催涙ガスが使われるような騒動になっている映像を見ても、あまり驚いていない自分自身で、「あっ・・また・・」という感じで、フランスの日常の物騒な光景を見慣れてしまっていることです。サッカーヨーロッパチャンピオンリーグ決勝戦 スタッドドフランス<関連記事>「フランス人の熱量」「フランス人のサッカーへの熱量」 「フランス対ドイツのサッカーチャンピンオンシップの決勝戦」「花火は禁止でも車は燃えるフランスの年越し」「自由の輸送団(Convoi...

2022年5月29日日曜日

マクロン大統領、今度はドイツのショルツ首相と共にプーチン大統領との電話会談

   これまで、ウクライナ戦争の危機が起こって以来、定期的に粘り強く一人でプーチン大統領との会談に臨んできたマクロン大統領は、昨日は、ドイツのショルツ首相とともに、プーチン大統領との80分にわたる電話会談を行ったことをエリゼ宮が伝えています。 マクロン大統領とショルツ首相は、プーチン大統領に対して、「できるだけ早く、ウクライナのゼレンスキー大統領と真剣に直接交渉し、紛争の外交的解決策を見出し、「戦争のいかなる解決策も、ウクライナの主権と領土の一体性を尊重しつつ、モスクワとキエフの間で交渉されなければならない」と強調したと伝えています。Avec le Chancelier Olaf Scholz,...

2022年5月28日土曜日

6月からの日本入国水際措置緩和について 外国人観光客受け入れ再開

   先日、世界経済フォーラムが2年に1度を目処に世界117カ国を対象に行った調査により、観光資源や、交通インフラの利便性や自然や文化の豊かさなどが評価され、2007年の調査以来、初めて日本が1位になったというニュースに日本の観光産業が世界に認められたと、日本人として、とても嬉しく思いました。 ちなみに、2位はアメリカ、3位スペイン、フランスは4位でした。 海外に住んでいても日本が世界的な評価を受けることは、「ほらね・・そうでしょ・・」と誇らしい気持ちなのです。しかし、2年に一度ということは、このパンデミックで日本がほぼ鎖国状態だった期間以来の調査。ちょっと複雑な思いがないこともありません。 しかし、パンデミックで観光がストップしてしまう前までは、フランス人も本当に日本に行く人が増え、2年前までは、日本行きの直行便などは、乗客のほとんどがフランス人だらけというちょっとびっくりするような状態になっていました。 しかし、パンデミック以来、日本の水際対策措置により、外国人は外国人であるというだけで、ほぼ完全シャットアウト状態が続き、この制限の仕方もいかがなものか?と思ってきました。 もっとも、この間、日本人でさえも、日本への入国制限は厳しく、その時の感染状況によって、出発前のPCR検査に加えて、日本の空港到着後の検査、そして強制隔離施設での隔離、公共交通機関使用禁止、その後の自宅隔離期間などが義務付けられていて、日本に行くのはとてもハードルが高い期間が続きました。 ようやく日本到着後に隔離がいらなくなったのが、今年3月に入ってからで、その後も外国人の日本入国は、原則認められていませんでした。 それが、ようやく6月10日から、日本も外国人観光客を受け入れることを発表。それぞれの国や地域を青、黄、赤に区分して、地域ごとに入国条件を区別しています。 日本への観光客が期待できそうな国(欧米、アジア、豪州など)は、ほぼ全て青に区分されています。もちろんフランスも青です。 青に区分された国からの入国に関しては、ワクチン接種の有無に関わらず、72時間前の陰性証明書などの書類は現状通りに求められるようですが、入国時の検査は行われません。 赤の国からの入国は3日間の強制施設での隔離、黄の国からの入国は7日間の自宅等施設での隔離(3日後に検査をして陰性の場合はその後解放)が求められます。水際対策強化に係る新たな措置に基づく...

2022年5月27日金曜日

2022年パリ・クロワッサンコンクール優勝のお店 Carton カルトン

   ここ数年、毎年、行われるパリのバゲットコンクールで優勝したお店には、必ず行って、食べてみるのが楽しみの一つになっていましたが、パリにはクロワッサンコンクールというものもあることを、私はついこの前まで知りませんでした。 パリの街を歩いていて、あるブーランジェリーのショーウィンドーに堂々とパリクロワッサンコンクール優勝と掲げられているのを見つけて、あら、クロワッサンコンクールもあるんだ!と思ったのですが、その日、たまたま、そのお店はお休みで、そのクロワッサンは買えないまま、また、クロワッサンのことは忘れていました。 しかし、つい先日、2022年のクロワッサンコンクールの記事を見つけて、「あ〜これこれ!今年こそ行こう!」とクロワッサンを買いに出かけたのでした。   フランスでパンといえば、やはり主食とも言えるバゲットがやはり王様、一番、大量に消費されるパンで、クロワッサンは、パンではなく、ヴィエノワズリーと別の分類をされるものです。 このヴィエノワズリーの王道は、クロワッサンで、その他、パン・オ・ショコラ、パン・オ・レザン(レーズン入り)、ショッソン・オ・ポム(りんご)などは、たいていどのブーランジェリーにもある定番のヴィエノワズリーで、卵やバター、生クリームなどを使ったパリパリとした幾層にもなったパイのような生地を軽くふわっと焼いたものです。 毎朝、焼き立てのクロワッサンを食卓で・・などということをしている家庭は少ないと思いますが、お休みの日の朝など、夫がとても得意そうに、クロワッサン買ってこようか?などと、さぞかし私たちを喜ばせようとしてくれているのだな・・と感じることがあります。 バゲットにしても同じですが、クロワッサンにしても、あまり買い置きができるものではなく、やはり焼き立てのものが美味しいので、たとえば、朝、出勤の途中にカフェでクロワッサンとコーヒーで軽く朝食をとって・・とか、また、以前、私の通勤途中の駅構内にパン屋さんがあって、朝はクロワッサンを焼くバターの香りが駅に広がっている・・という駅構内に広がるバターの香りに、まだ、フランスに来たばかりの頃は、これが立ち食いそばのお出汁の匂いだったら、どんなによかっただろうに・・などと思ったこともあります。 しかし、フランスでの生活も長くなり、クロワッサンの焼けるバターの香りもまた、このうえもなく、幸福感を覚えるものにもなりました。 でも、一方では「クロワッサン=カロリー爆弾」の印象が拭えないのも事実でもあります。 一般的にクロワッサン100gあたりのカロリーは424kcal程度と言われていて、軽くてあっという間にたべてしまうクロワッサンがこんなカロリー!!と認識してからは、そうそう気軽に食べることを躊躇ってきました。 ただし、「美味しいものには、カロリーは関係ない」ことは私の中の勝手な掟。パリで一番美味しいクロワッサンと言われれば、カロリーは無視。とはいえ、クロワッサンを買うと入れてくれる紙袋に染み出すバターにはちょっとした背徳感を感じるのですが、今回のクロワッサンでは、それほど油が染み出してきていませんでした。 今年のクロワッサンのチャンピオンだけあって、このクロワッサンは大ぶりで堂々とした出立ち(9cm×16cm)、表面がつやつやしています。 買ってきたクロワッサンを一瞬だけオーブンで温め直し、また、蘇ってくるバターの香りを楽しみつつ、やさしくちぎって、遠慮なくサクッと一口・・サクッとした歯触りの次にしっとりしたやわらかい食感とそこはかとなく甘い香りが口の中で広がります。 思ったよりもバター感がしつこくなく、軽く2〜3個はいけてしまいそうな危険な軽さです。美味しいものの条件の一つに、私は後味の良さがあると思うのですが、このクロワッサンは、後味が非常にすっきりしています。 気にしないといいつつ、このクロワッサンの重さを計ったら、1つ73gだったので、1つあたり約309kcalことになります。 このブーランジェリー、まことに危険なお店で、他にも美味しそうなケーキやサンドイッチがたくさんで、大変な誘惑と戦うことになりましたが、今回はとにかくクロワッサン!と自分に言い聞かせて、ケーキは写真だけでガマンガマン・・また別の機会にすることにしました。 昨年、行ったバゲットコンクール優勝のパン屋さんなどは、堅実な街のパン屋さんという感じでしたが、今回のクロワッサンNo1のお店は、やたらと目移りするお店の規模も少し大きめのお店でした。🥐Le...

2022年5月26日木曜日

ストライキに遭遇して見知らぬ人と駅まで歩くハメになった・・ストライキには腹を立てないフランス人

   今週、フランスは、木曜日が祭日(Assension 昇天祭)で、金曜日を挟んで、土日がお休み、このような場合はポンする・・(橋をかける)といって、金曜日も休んで4連休にする人が非常に多く、なんか、連休モードになります。 学校でさえも金曜日はポンで休み・・となってしまうところも多いので、夏には長いバカンスをとるフランス人にとっては、4連休など、なんのことはないと思いきや、この連休を利用して、本格的なバカンスのウォーミングアップがわりに、近郊にキャンプにでかけたりする人やスーツケースをごろごろ転がしている人も見かけます。 この連休に入ってしまう前に(土日・祭日はバスなども休日運行...

2022年5月25日水曜日

冷凍ピザの次はサラミソーセージにサルモネラ菌 真剣にどうにかしてほしいフランスの食品衛生管理

   現在、フランスでは、急速に進むインフレで購買力の低下をどのように克服するか?が盛んに論じられています。ウクライナ戦争に連動したエネルギーや農業原材料の高騰によるインフレは、2022年には基準値の5%を超える可能性があり、フランスの食費は2022年末までに一人当たり月224ユーロ(約3万円)上昇すると言われています。 つまり、年間、一人当たり合計2,963ユーロ(約40万円)増加するということですから、かなり深刻です。 私などは、かなり大雑把な人間なので、買い物の際に、商品ひとつひとつの値段をよほどのことがない限り、覚えていないので、安くなっているものを買い、この値段だと高いから買わないとか・・このくらいなら、いいか・・程度なので、今のところ、インフレを痛烈に感じてはいないのですが、それでも、買い物に行くと、お肉が高くなったなぁ〜とか、レジで支払いの段になって、合計金額を見て、「あれ?こんなに買ったっけ?」と感じることが増えているのは事実です。 このように5%物価が上昇すると予告されていれば、5%程度、消費を抑えるように心がければよいか・・と考えるのが普通で、この消費低迷を回避するために、フランス政府は、食品バウチャーの発行を検討しているそうです。 しかし、実際には、ヨーロッパの食品メーカーは2021年に入ってから14%値上げしたのに対し、食品流通業者は6%の値上げにとどまっているのだそうで、この政府が発行すると見られている食品バウチャーの発行とともに、さらに値上げに拍車がかかるとも考えられます。 それでも、フランスは食料品に関しては、自国で賄える割合が高い国ではありますが、実際に流通しているものは、フランス製のものばかりではなく、むしろ、価格が低いものは、他国から来ているものが多く(基本的な食料品)、輸送価格の高騰から、この差が縮まりつつあります。 しかし、先日、発覚した冷凍ピザの食中毒死亡事故の様子などを見ているとフランスの食品にも懐疑的になってしまうな・・と思っていたら、今度は、大手スーパーマーケットチェーン・カーフールで販売されていたサラミソーセージに重大な食中毒の原因となるサルモネラ菌が検出され、商品の回収を呼びかけるというニュースを聞いて、愕然としています。#RappelProduitSaucisson...

2022年5月24日火曜日

日本の友人と話が噛み合わなくなってきた・・日本とフランスの感染対策観念とマスクの効用

   ここのところ、日本の友人とLINEなどで話をしたり、メッセージを送り合ったりしていると、なんだか、ちょっと私は日本の感覚と違ってしまっているかもしれない・・と思うことが、度々あって、ちょっと、自分は、気が緩んでしまっているのかも・・と、ちょっと戸惑いを覚えながらも、やっぱり違和感を感じずにはいられないことに少しモヤモヤしています。 それは、友人が、「週末に外食の約束をしているのだけど、感染状況次第では、日にちを変更しようと思っている・・」という話をしていたことで、「えっ!?感染状況次第で外食もやめてしまうの?」とちょっとびっくりしてしまったことで、逆に私は、日本人の感染対策へ...

2022年5月23日月曜日

全仏オープンテニス ローランギャロス平常モードで開幕 ロシア選手は出場するか?

    フランスで毎年、行われる国際的なイベントの一つとして、毎年5月に開催される全仏オープンテニス・ローランギャロスがあります。 パンデミックのために2020年には、5月開催を延期し、さらに感染状況が悪化した9月に開催したり、昨年は、感染対策が厳しくとられる中、例年どおりの5月に開催されました。 今年の全仏オープンは、マスクの義務化もワクチンパスも撤廃された例年どおりの大会を取り戻しています。観客も100%入ります。2年間のパンデミックの規制がこの大会では全て、取り払われ、まだ、始まったばかりというのに行列ができています。 ローランギャロス観戦は、もともと感染対策以外の警備も厳しいことで知られており、荷物のチェックもうるさく、持ち込めるバッグの大きさ(15ℓ以下)から、禁止項目は、アルコール飲料やヘルメット、応援用の旗のサイズや楽器類から、セルフィースティックまで詳細にわたっています。 さんざん、感染対策用の規制ばかりを見慣れてきた身としては、逆にこのようなセキュリティーのための規制が新鮮に感じてしまうのは不思議です。 感染対策への規制が撤廃され、ほぼほぼ平常が戻ってきている雰囲気の中、今年は、新たな問題が登場しています。それは、ロシア、ベラルーシからの選手の出場可否についての問題です。 これについては、世界中でロシアに対する様々な経済措置がとられる中、大会開催前から、物議を醸してきましたが、今回の2022年の全仏オープンテニス大会では、今年3月9日の時点で欧州連合をはじめとする36カ国のスポーツ大臣の共同宣言の署名文書に沿ったものとして、ロシア・ベラルーシの選手が中立的な旗の下で競技に参加することを認めています。 この共同声明によると、ロシア・ベラルーシの選手に関しては、出身国に関するいかなる表示もしないという厳しい中立性制度を尊重しなければならないとされています。このため、ロシア・ベラルーシの選手は出場は許可されているものの、国旗、国歌の掲揚は禁止されています。 実際にローランギャロスの出場選手のリストを見ると、世界ランキング2位のダニール・メドベージェフ選手や、世界ランキング7位のアンドレイ・ルブレフ、同8位のアリナ・サバレンカはロシアの国旗を掲げることが許されず、各選手の国旗が記されているスペースはブランクになっています。   出身国に関するいかなる表示もしないという厳しい中立性制度を尊重しなければならないというのは、こういうことなのか・・と思わせられます。 この大会ディレクターのアメリー・モーレスモは、「これは非常にデリケートな問題で、正しい判断が何かはわからない。しかし、国としての代表選手の場合は出場できないが、個人として中立な立場をとる者の出場は制限しない。しかし、これらの選手がメディアを通して、プーチン寄りの発言をした場合には、必ず制裁をとる」としています。 また、FFT(フランステニス連盟)会長のジル・モレトン氏も「すべては進化している」とし、ロシア人選手のプーチンに対する立場について、「我々は、一人ひとりの家庭の事情に余計に左右されることを知っているので、個々の個人的な状況の詳細に踏み込むつもりはない」と語っています。 これに対して、6月に開催が予定されているイギリスのウィンブルドン大会では、すでに「ロシアが自らの利益のためにイベントの成功を利用しないように、また選手や家族の安全のためにロシア・ベラルーシからの選手を排除する」決定をしているようです。 全仏オープンとウィンブルドン、2つの大きなテニスの国際大会で、異なる選択をしたフランスとイギリス。 本当にこの状況で何が正解なのかは、わかりませんが、とりあえず、私は、全仏オープンに関しては、フランスらしい選択をしたような気がしています。全仏オープンテニス2022...

2022年5月22日日曜日

パリで一番、美しいスターバックス Starbucks Boulevard des Capucines

  外観はそんなに特別でもないスタバの正面入り口 カフェ文化が根強くはびこるフランスで、スターバックスが出来始めた時には、一体、どの程度、広まるものかとも思いましたが、スタバは今やどこでも見かけるほどにグングン拡大していきました。たしかに美味しいとは思いますが、だいたい、いつも行列していて、並ぶのが大嫌いな私は、滅多にスタバには行くことはありません。 最近は、他のお店でも見かけるようになりましたが、かつてはあまり一般的ではなかったチーズケーキやドーナッツやマフィンなどがあるので、お菓子目当てに行っていたことはあります。 とはいえ、パンデミックで多くのお店が閉店に追い込まれたりしたものの、パリでもスタバは健在、パリのほとんどの区にスタバは存在し、パリ1区にいたっては、ちょっと数えただけでも8店舗もあります。 今回は、パリ2区にスタバとは思えないようなスタバがあるというので、これは是非、行ってみたいと思って、覗きに行ってきました。 オペラ通りから歩いていくと、オペラ通りにも1軒、こちらの方は、そんなに特別感はありません。それでも、ここも大抵、いつも行列ができています。 今回のお目当てのスタバは、もっとオペラ座に近いキャプシーヌ大通り(Boulevard...

2022年5月21日土曜日

ヨーロッパで相次いで症例が報告されているサル痘がフランスにも上陸した

    これまで聞いたことがなかった「サル痘」(Monkeypox)という病気が、ここ数日でヨーロッパで広まっているというニュースを聞いて、ギョッとしています。 正直、また、ヨーロッパを中心に感染拡大・・と思ったら、カナダやアメリカ、オーストラリアでも、症例が報告され始めて、これは、欧州だけではないらしいことがわかりました。 もともと、西アフリカの風土病であったサル痘がアフリカ大陸の外で拡大するケースは稀なことで、WHO(世界保健機構)は、このサル痘に関する緊急会議を召集しています。 しかし、私が以前、西アフリカにいた時、サル痘なんて、聞いたことありませんでした。あの時は、とにかくマラリアが怖くて・・夫は数回、マラリアにかかって苦しんでいました。 この病気(サル痘)は、最初の段階で、発熱、頭痛、関節や筋肉の痛み、リンパ節の腫れなどの症状が現れ、第2段階では、水疱を伴う発疹ができ、多くの場合、顔から始まり、手のひら、足の裏、性器など体の他の部分に広がるとのこと。特定の治療法はないようですが、天然痘のワクチンが有効であるとも言われ、大多数の患者は隔離され、自然に回復するとされています。しかし、一方で、一部の疫学者の間では、「サル痘の死亡率はコロナウィルスよりもはるかに高い」と警告しています。 今回のサル痘の蔓延は、5月6日にイギリスで確認されたのを皮切りに、5月14日以降、ヨーロッパでは、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、イタリア、ベルギーでの症例が報告されており、とうとうフランスでも、5月20日に、イル・ド・フランス地方で初めてサル痘の患者が確認されたと、保健当局とSanté...

2022年5月20日金曜日

フランスでよくある「2個買うと2個目半額」の罠

    スーパーマーケットに買い物に行くと、「ー50%!」とか、表示されていて、「うわっ!」と思うと、よく見ると「2つ目が半額」・・などというのが、よくあります。この2つ目半額というのが、出始めた頃は、その「2つ目が・・」というところをちゃんと見ずに、半額だと思って1個だけ買ってきて、実は定価のままだったりしたことがよくあって、特に夫は、このあたりの注意力が欠如していて、何度も同じ過ちを繰り返していました。 この「2個目は半額」というのが出始めて以来、敵もさるもの、「2個目は40%引き」とか「3個目は無料」とか、手を変え、品をかえ、さまざまな試みをしているものの、大家族でもない限り...

2022年5月19日木曜日

フランス 5月の記録的な熱波

   ここ数年、フランスの夏の猛暑は毎年のことで、珍しいことではなくなってきました。 私がフランスに来た頃、20年くらい前は、夏の間、暑い日があってもせいぜい2〜3日のことで、湿度も低いせいか、夏は断然、フランスの方が過ごしやすいと思っていましたし、建物自体が木造ではないため、外が暑くても建物の中に入ると、冷房がなくとも、すっと涼しい感じでした。 年間を通して、あっつ〜 い!と感じる2〜3日のためにエアコンを買うこともないし、実際、一般家庭にエアコンのある家はほとんどありませんでした。 フランスでも、日本のエアコンのように壁面に取り付けるものも、もちろんないことはありませんが、それ...

2022年5月18日水曜日

カンヌ国際映画祭開幕セレモニー サプライズゲストはウクライナのゼレンスキー大統領

   パンデミックのために2020年には、開催が延期されたり、今ひとつ盛り上がりに欠けていた2022年カンヌ国際映画祭が開幕し、久しぶりにコロナ前の人出に沸き、ようやく取り戻したこの国際的なイベントの盛況ぶりに、カンヌの街、ホテルやレストラン、映画関係者は、祝祭ムードに包まれていることで喜びに湧いています。  昨日、今年が75回目にあたるこのカンヌ国際映画祭の開幕セレモニーが行われ、レッドカーペットが敷き詰められた会場は、満席状態、華やかな服装にマスク姿はもうどこにも見当たりません。 煌びやかにセレモニーが始まって、まもなく、司会の女性に、「今日はスペシャルゲストが登場します」と紹介されて、スクリーンに登場したのには、なんと、ウクライナのゼレンスキー大統領、これには、会場も一斉に立ち上がり、彼は大きな拍手で迎えられました。"C'est...

2022年5月17日火曜日

フランスに女性新首相エリザべス・ボルヌ現労働相が就任

   マクロン大統領の再選が4月24日に決定して以来、新内閣の組閣について、長いこと発表されないままでしたが、特に首相の選出については、注目されてさまざまな憶測が流れていました。 しかし、大統領選直後にJDD(Le Journal du Dimanche)が行った世論調査によれば、国民の74%が次期首相には女性を任命してほしいと思っているという結果が発表されていたので、もしかしたら、次期首相は女性なのかも?と思っていました。 74%といえば、マクロン大統領の支持率よりも多い数字、この世論を無視するわけはないと思っていましたが、数日前から新首相予想に上がっていた数名も女性ばかりでした。 昨日までのカステックス首相が首相に就任したのは、2年前の7月のこと、エリゼ宮での首相交代のセレモニーの記憶もそんなに遠いものではありません。パンデミックの第一波を乗り切ったばかりの頃で、前フィリップ首相の辞任により、突然、登場した感じでした。 彼が最初に現れた時は、その経歴からも、かなりのエリートであることは歴然としていたものの、彼の南仏訛りのきついアクセントやどこか冴えないスーツ姿に、フランスの首相としてどうなの?みっともない・・などという声もあがっていました。 しかし、結果的に首相に就任してからの彼の言動は、アクセントはそのままでしたが、暖かい人間味あふれる感じや誠実さ、そしてどこかコミカルな印象を与える人柄(決してウケを狙っているわけではないし、本人大真面目なのに、どこかコミカルという感じ・・)が、常に論理的で、口が立ち過ぎて、どこか反感を持たれるところのあるマクロン大統領のマイナス面を見事にカバーする役割を果たしていたように思います。 首相退任後にまず何をしますか?という記者からの問いに、「家でペンキ塗りをする所がある」と答えたとかで、家でのペンキ塗りもしっくりきそうなほんわかした人柄です。 実際に、パンデミックの感染悪化、テロ、暴力事件などの問題が起こるたびに、現地に出向き現地の人々声に耳を傾け、誠実に応対する姿勢をこの2年間、度々、報道で目にしてきましたが、これまでの首相の出張記録回数の新記録を樹立していたそうです。 新旧首相の挨拶では、お互いに向ける言葉の中でそれぞれを"Tu"...

2022年5月16日月曜日

お客様を招く時の簡単フレンチレシピ

  日本にいた頃は、友人に会ったりする時は、「飲みに行こう!」とか、これが食べたければ、あのお店に行こうとか、外食が多く、あまり友人を家に招くということはしませんでした。 しかし、フランスに来て以来、仲良くなった友人には、「家においでよ!」と友人を家に招くことが増えました。私の場合、子供が小さい頃などは、子供を連れていくのでは、ゆっくりできないし、ましてや子供を一人で家においていくわけにもいかなかったので、自ずと友人に家に来てもらって、ゆっくり飲んだり食べたりしたかった・・ということが主な理由なのですが、フランスの場合は、外食が高いこともあり、仲良くなると、「家においでよ!」となることが日本よりも多い気がします。 私の場合、お客様によって、メニューは変えているのですが、日本食を特にリクエストされない限り、フランス人のお客様の場合は、材料が手に入りにくいこともあり、また、本当にその味をわかってもらえそうもないので、いわゆる日本の洋食のようなもの、ドリアとか、トンカツとか、唐揚げとか、オムライスとか、比較的、彼らの好みに合いそうなものを作ります。 日本人の場合は、和食っぽいものを作ることも多いのですが、飲む人(ワインだけど)と、飲まない人でも、メニューは変わってきます。 先日、家にいらしたお客様は日本人でしたが、近々、日本に帰国されるという方々だったので、それでは和食というのも、なんか、しらける気がして、ちょっとフレンチもどきのものを用意しました。 お酒はあまり強くないので、たくさんは飲めないけど、ワインも好きです・・ということだったので、一応、ワインも用意(というか、ワインだけは、けっこうたくさんあるので、その中から選ぶだけですが・・)。 お客様がワイン好きだというだけで、なんか、ワインでかなりごまかせる気がして、気が楽になります。 できるだけ、出来立てのものをお出ししながら、私も一緒に食べたいので、とりあえず、つまめるものを探し、今回はアーティーチョークを茹でておき、少しずつちぎって食べられるように冷やしておきました。 アーティーチョーク用のソースは、バルサミコ酢にガーリックパウダー、マスタードちょっととお醤油ちょっとを混ぜただけの簡単なものです。 そして、アントレがわりにブリック、マッシュポテトにバター、生クリーム、茅乃舎の野菜だしを少しまぜたものをブリックの皮に包んで焼くだけです。あらかじめ包んでおいて、食べる直前に焼くだけで済みます。 サラダは、レタスやマッシュルーム、人参、きゅうり、トマトなどをドレッシングで和えただけの簡単なもの。 そして、帆立貝とエビを使ったお魚屋さんに教わったちょっとフレンチなレシピ。名前は知りませんが、フランスのお魚屋さんが教えてくれたので、フレンチだと勝手に思っているのですが・・なかなか簡単で美味しいお料理です。 エシャロットのみじん切りをバターで炒めたところに、小ぶりの帆立貝(私はピカールのものを使っていますが)とエビを入れて、軽く塩胡椒して火を通し、そこに生クリームとマスタードを少々、最後にコニャックで香りづけしてできあがりの簡単なメニューですが、ちょっと、プロっぽい感じにできるわりには、簡単なメニューです。 最後にお肉、お肉は軽く塩、コショウ、おろしニンニクを塗って焼き、お好みの焼き具合に火が通ったところで、一旦、あげて、フライパンに残った肉汁に、みじん切りにしたネギ、おろし生姜、おろしニンニク、お醤油、みりん(無ければちょっとだけお砂糖)、ちょっとだけごま油、ちょっとだけお酢を混ぜたものを入れて、少しだけ煮詰めます。 焼いたお肉をザクザクと切って、この肉汁入りのソースをかけて出来上がりです。ちょっと、普通のステーキとは違う変化球バージョンな感じが気に入っています。 デザートには、コンテ(チーズ)とコーヒーゼリーにイチゴを添えたものを用意しました。フランスだとゼリーというものは、ほとんど売っていないので、日本人のお客様には喜ばれます。 なんか、作りながら、自分も食べて、飲んで、おしゃべりも楽しくて、写真を撮るのを忘れてしまいましたが、次回、お客様をする時には、忘れないようにして、また、別のメニューもいつか、ご紹介したいと思います。ただし、分量などは、適当なため、正確にはお伝えできません。 あまり強くないので、そんなに飲めない・・とおっしゃっていたお客様でしたが、結局、3人でワイン3本飲みました。 今回のお客様は、ちゃんと家に帰られましたが、我が家のソファーはよほど寝心地がよいと見えて、ソファーで寝てしまう方も結構おられます。 昔、日本で「突撃、となりの晩ごはん」という番組がありましたが、人の家の食事って、なかなか興味深いものです。 フランスにいるゆえ、材料等が偏りがあるかもしれませんが、ちょっとでも参考になれば、幸いです。 上に添付した写真は、最後の最後に「あ!写真撮ってなかった!」と気付いてギリギリ最後に撮ったお肉のメニューです。簡単フレンチレシピ<関連記事>「ヌーベル・キュイジーヌが嫌いなフランス人の夫」「フランスのホームパーティー」「フランスの学校のキャンティーン・給食」「フランス人のこだわり」「娘のフランス人のDNAが活性化するとき・・生ハムの塊が消えた・・」「フランスでの日常の食料品の買い物...

2022年5月15日日曜日

海外で暮らしていると日本ではきっと会わなかったであろう人に出会う

   海外で長く生活していると、日本からの客人をお迎えすることがあります。今は亡き母も一度、友人とパリに来てくれたことがありました。その後、叔父夫婦、従兄弟が新婚旅行で来てくれたこともあったし、パリの大学と交流のあった大学教授の叔父(現在は退官しています)などは、 在任中は毎年のように学生を連れてパリに来ていました。 この叔父は、どちらかというと私にとっては、その度に叔母が用意してくれる大量の日本食を運んでくれる宅配便のような存在でした。 その他、親友も一度、弟、叔母二人、従姉妹たちやその友人など、思い起こせば、これまでずいぶんたくさんの人が来てくれました。 家に泊まってくれた人もいれば、友...

2022年5月14日土曜日

日本一時帰国の後遺症 マイおにぎりブーム

    コロナ禍、戦禍の中、日本に一時帰国して、フランスに戻って、あっという間に約1ヶ月が経ちました。今回の一時帰国は3週間弱のつもりでしたが、長距離フライトを甘く見ていて、思っていたよりも滞在期間は短くなりました。 そのうえ、日本到着翌日に娘が機内濃厚接触者になったと通知が来たために、ほぼ、最初の一週間は外食もできずに、「せっかく日本に来たのに外食もできないなんて!」と不満たらたらでした。 今回は、長距離フライトのせいだったのか、結局、時差ボケも日本滞在中はずっと治ることもなく、次から次へと用事が立て込み、スケジュールはキツキツになり、体力的にも限界を感じていました。 しかし、だ...

2022年5月13日金曜日

冷凍ピザ死亡事故に見るフランスの食品衛生管理

   すでに事件は3月に起こっていたようですが、大手食品メーカーの冷凍ピザから、溶血性尿毒症症候群(HUS)と毒素産生性大腸菌(STEC)の感染症が56件確認されたことから、このピザを製造している工場には、3月の時点で2度の徹底的な衛生検査が行われ、4月1日には、この工場でのピザの製造は禁止されていました。 これらの検査により、食品衛生管理のレベルが悪化していることが明らかになった」と報告が上がっており、特に、「ネズミが存在し、害虫の侵入を防ぐ効果的な手段や食品活動に適応した害虫駆除が行われていないこと」、「製造、保管、通路エリアのメンテナンスと清掃が行われていないこと」などが指摘されています。 この冷凍ピザはフランスのスーパーマーケットなら、どこでも売っている有名なメーカーの製品。決して、激安の怪しげな商品ではありません。 これまでに2人の子供がこのピザを食べて死亡しており、この事件は、5月に入って、パリ検察庁に捜査が移管されました。この司法捜査は、「過失致死罪、14人に対する過失傷害罪、人や動物の健康を害する製品に関する偽装、食品に使用される食品が偽造または破損して健康を害する展示または販売、健康を害する製品を市場に出して他人を危険にさらす容疑」で行われています。現段階では、同ブランドのFraich'upシリーズのみが懸念されていると、検察庁は発表しています。 その後の捜査でこの食中毒は合計75件発生しています。その大半が子供で、そのうち2人が死亡。この捜査がパリ検察庁の手に渡ったことで、再びこの騒動はクローズアップされ、このピザを食べて死亡した子供の両親などの証言も報道されています。  冷凍ピザはフランスでは、かなりポピュラーな存在。フランスでは共稼ぎの家庭がほとんどのため、仕事が終わって、帰宅後に簡単に食べさせることができる冷凍ピザの買い置きをしている家庭は多いのです。しかも、みんなが大好きな食品です。 その冷凍ピザを食べて、まさか子供が死んでしまうとは・・想像もつかない悲劇です。しかし、以前、この工場で働いていた従業員の証言や公開された映像からは、ちょっと信じられないほどの不潔な状態には目を覆いたくなる酷い状況です。 しかし、私の日常で食品工場を目にする機会はないものの、ネズミに関しては、もともとあまり驚かないフランス人、以前、働いていた会社(食品関係ではない)にもネズミ駆除の薬を置きに来る人が定期的に出入りしていましたし、大きなゴミ箱を回収に来ていた時にゴミ箱からネズミが出てきたのをたまたま目撃して、私が悲鳴をあげたら、ゴミ収集の人に、「ここは、どこだと思ってるの?パリだよ!」と笑われたこともありました。 また、食品を扱っているお店に勤めていた知人が仕入れたキャラメルの袋がネズミに食いちぎられた跡があり、メーカーにクレームを入れたら、「ネズミも食べたがるほど、美味しいってことだよ!」と言われたと驚愕していたことがありました。食品の管理状態をさほど気にしていないことがうかがわれます。 しかし、一方では、パリでレストランをやっている知人によると、食品衛生の検査は、とても厳しく、店内、厨房にいたるまで細かくチェックされ、冷凍してある食品の状態まで厳しくチェックされ、改善命令が出るとこの改善が確認されるまで、営業停止になってしまう・・ものすごく厳しい・・という話も聞いたことがあります。 しかし、今回、問題が起こったのは、食品工場、このような状態のまま放置されている場合もあるということが驚愕です。 このピザを食べて被害に遭っているのは、ほとんどが子供ですが、いずれも大腸菌を原因とする溶血性尿毒症症候群(HUS)と診断されており、ピザを食べて数時間後に腹痛を起こして救急車で運ばれて、あっけなく亡くなってしまったとのこと。 冷凍食品とはいえ、火を通して食べるものでありながら、こんなことが起こりうると思うと恐怖でもあり、それを食べさせてしまった親の後悔の念も計り知れません。 私自身もたまに、焼くだけで簡単に食べられる冷凍ピザを利用することがありますが、この映像を見てしまったら、しばらく冷凍ピザは食べる気がしなくなりました。冷凍ピザ食中毒死亡事故<関連記事>「パリで食べられる世界一のピザ PEPPE...