2024年2月29日木曜日

パリオリンピックのセキュリティ情報が盗まれた セキュリティ情報のセキュリティ

   一昨日の夜、テレビのニュースを見ていたら、速報が表示され、「パリオリンピックのセキュリティ情報が盗まれた」と書いてあったので、「なんで?ハッキングにでもあったの?」と思いました。 そのうち、詳細が報道されると思っていましたが、その日の夜は、そのニュースに関しては、それ以上は、報道されることはありませんでした。 翌日になって、この「オリンピックのセキュリティ情報盗難」については、それがその情報が入ったパソコンと2本のUSBキー入りのバッグが盗まれたということであったということがわかりました。 このバッグの持ち主はパリ市役所に勤める56歳のエンジニアで、彼はパリ北駅からクレイユ(オワーズ県パリ北部)行きの電車に乗りましたが、彼の乗っていた電車が遅れたために、電車を乗り換えようとした時に、車内上部の棚においていた彼のバッグが盗まれていることに気付いたと言います。要は彼は置き引きに遭ったのです。 そもそも、そんな重要な情報が入ったものを電車の棚に置くなど、信じられないことではありますが、人間、ふと気が緩むということはあり得ることではあります。しかし、そのような重要なセキュリティ情報を外部に持ち出せるということ自体が、セキュリティの甘さのような気もします。 私は、あまり郊外電車に乗る機会がないので、電車の棚というものは、ふつうパリのメトロ内にはないので、荷物を置いてしまう誘惑?はないし、やはり、パリで自分の手から荷物を放すということは、ちょっと怖くて想像がつきません。 このバッグを盗んだ人が、単なる置き引きで、パソコンが入っている感じのバッグとして盗んだだけであったのか?そのような重要情報が入ったことを狙って盗んだのであるかは不明ですが、この報道がされた時点で、自分が盗んだパソコンとUSBキーには、重要な情報が入ったものであったことは、わかったはずです。 悪く考えれば、パリオリンピックの安全を脅かそうと企てている輩には、高く売れる情報だと考えるかもしれません。 パリオリンピックに際しては、パリ市はこのために2,000人の市警察官を動員する予定にしており、オリンピックの交通に関するセキュリティ情報が含まれていると言われています。 翌朝、パリオリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会​​長は、これらの文書の盗難について慎重な姿勢を示し、「パリ市からの確認は得られていないので、自分の意見を表明する前にこの情報が確認されるのを待ちたい」としながらも、「情報はオリンピック期間中のパリの交通に関する注意事項であり、機密性の高いセキュリティ情報に関するものではない」としていますが、言い訳じみている気もします。 このオリンピック組織委員会会長の「機密性の高い情報ではない」という発言に対し、サイバーセキュリティの専門家は、そのようなデータの盗難に伴うリスクを説明しています。 「盗難の被害者になることは誰にでも起こり得ることで、その人を責めるつもりはありませんが、これは非常に深刻なことです。盗難の背後に誰がいるのかはわからないので、標的型攻撃であると言い切ることはできません。しかし、この事態に接し、私たちは、すべての計画の見直しプランを確認する必要があります」 「このような事態には、最悪のシナリオを想定する必要があり、これを盗んだのが、犯罪ネットワークのメンバーであれば、それを売ろうとするであろうし、現在、戦争を起こしている国がオリンピック期間中に攻撃をしかけよう必死になっていることは、公然の秘密です」  「この場合の問題は、USBキーだけでなくパソコンも盗まれたことです。...

2024年2月28日水曜日

パリのメトロは乗客に病人が出ても停車しない?

   イルドフランス交通の規制当局であるIDF(イルドフランス)モビリテスの社長ヴァレリー・ペクレス氏は、「今後は、地下鉄の交通を妨げないよう、今後、車内で病人が出た場合に地下鉄を停車しない」と発表し、またRATP労働組合の反発を呼んでいます。 一瞬、ギョッとする話ではありますが、停車しないというのは、長時間停車しないという意味で、病人を最寄りの駅でおろして、駅で対応するということです。 これまでは、例えば、車内で気を失ったりする人が出た場合のために、病人を動かすこと自体がリスクになることがあり得るために、基本、病人には、触れずに救急隊の支持を待つ間、電車を停めて、待機す...

2024年2月27日火曜日

マクロン大統領が農民たちに約束した農産物の「下限価格設定」に立ちはだかるもの

   すったもんだの挙句に開催されたパリのサロン・ド・アグリカルチャー(国際農業見本市)の初日、大反発する農民たちに一人で立ち向かって話し合いの場を設けたマクロン大統領がその場で農民たちに約束した内容の一つに「農産物の下限価格設定」があります。 この模様は、全国放送で生中継されていたため、これは、全国民に向けて大統領が約束、公言したことになります。 この下限価格設定の概念は、もう長い間、農業団体が要求していることで、13年間にわたり、俎上(そじょう)に上っては、却下され続けているものであるようです。 この下限価格の設定は、農業収入を保護し、農民たちに不利益を与えずに保護するためのも...

2024年2月26日月曜日

いじめを苦に自殺した娘の両親 いじめに加担した教師と2人のクラスメイトを告訴

    いじめの犠牲者となった少女が自らの命を絶ったのは、2019年のことで、彼女は当時11歳でした。前年から始まっていた学校での彼女への嫌がらせに彼女の両親は、何ヶ月もの間、学校とも掛け合い、救いの手を差し延べようとしていました。 しかし、この状態は改善されることなく、両親は娘を転校させましたが、彼女は再び、嫌がらせの標的となり、ついに彼女の心は折れて、最悪の事態に至ってしまいました。 学校でのいじめや嫌がらせの被害者が陥る、「いじめを両親が学校に相談する」→「学校は、満足な対応をしない」→「子供を転校させる」→「転校先でも嫌がらせを受ける」→「心が折れる」→「最悪の選択をしてし...

2024年2月25日日曜日

サロン・ド・アグリカルチャー(国際農業見本市)の開催初日は大混乱 歴史的見本市

   普段は、日中はテレビはつけないことにしているのですが、前日のパリの街中でのトラクターの行進がなんとなく気になっていて、テレビをつけてみると、なんと、マクロン大統領が農民たちに囲まれるカタチで、議論をしているところでした。 日本語で言う「膝と膝を突き合わせて・・」という表現には、ちょっと甘い感じ・・皆、立っているので、図式だけ見たら、大統領を農民たちが取り囲んで吊るし上げているように見えなくもありません。 マクロン大統領が当初、この日に予定していた農民たちとの大討論会は、環境保護団体や大量流通団体をも巻き込んだことから、農民たちの大反発をくらい、大討論会は、立ち消えに...

2024年2月24日土曜日

農民たちの怒りにマクロン大統領が再び火をつけた

   毎年、年に一度、パリで行われるサロン・ド・アグリカルチャー(国際農業見本市)の開催が近付いてきて、農民たちの怒りの火がまだくすぶり続けているどころか、あちこちで、未だ火が燃え続けているというのに、今年のサロン・ド・アグリカルチャーは、どんな顔をして開催するのだろうか?とずっと思っていました。 この見本市は、サロン・ド・ショコラなどが開催されるのと同じポルト・ド・ヴェルサイユ・エクスポ(パリ15区)で行われ、フランス各地から、牛や豚などから、多くの野菜やチーズ、ワインなど数多くの農業製品が集結するフランス人なら知らない人はいないほどの有名な催し物です。 当然、数々の展示物(動物も含めて)と、それらを展示販売するために多くの農業、農業製品・そしてその製造に携わる人もやってきているわけです。 毎年、この催事中、そこそこの問題は起こっているのですが、今年は、数ヶ月前から農民たちの怒りの激しい抗議運動が起こっており、そして、それが収束していないなか、無事に済むはずはありませんでした。 そもそも、農民たちが抗議運動の動きを一時、弱めていたのも、このサロン・ド・アグリカルチャーを再抗議のタイミング、きっかけと考えてタイミングを定めていたことも想像に難くありません。 そんな農民たちの動きを考えてのことなのか? 政府は、この農業見本市の開催当日の朝に、FNSEA(全国農業経営者組合連合会)との討論会の場を設けることを発表していました。 しかし、政府は、この討論会に、環境保護団体「レ・スールヴェモン・ドゥ・ラ・テール」や大量流通団体を招待したことが、農民たちをさらに怒らせる結果となり、肝心のFNSEA(全国農業経営者組合連合会)は、「政府は農民たちを挑発した!」とこの討論会への参加を拒否。 農民たちをなだめるつもりが、逆に丸め込もうとしていると受け取られてしまったのです。実際に、今回の問題の図式を考える限り、農民たちが訴える問題は、環境問題対応のために農民たちに課せられている厳しい規制や、その規制を守らない海外からの輸入品を大量流通団体が販売することで、価格破壊が起こり、フランスの農家が生産しているものが正当な値段で売られていないことが問題なわけで、政府は、農家が反発を感じている人々(つまりは、農家にとって敵のような人々)で取り囲み、まさに丸め込もうとしている感じが透けて見えるメンバーの集め方でもあります。🚜...

2024年2月23日金曜日

ほのぼのする光景 パピー・マミー(祖父母)と孫の時間

   現在、フランスでは、子供の冬休みのバカンス期間のためか、街に出ると、孫らしき小さな子供を連れたおじいちゃん・おばあちゃんの姿を見かけることが多いです。 この間、市営プールに行ったら、孫を連れてきていると思われるおじいちゃん、おばあちゃんたちがけっこうたくさんいて、「あら~こんなにたくさん孫連れの人たちがいるのを初めてみたな・・」とちょっとびっくりしました。 フランスの学校は、ついこの間、ノエル(クリスマス)のバカンスが終わったばかりというのに、1ヶ月後には冬休みのバカンス、そして、またその1ヶ月後には、パック(イースター)の休みのバカンスがそれぞれ2週間ずつ、そして、ちょっと...

2024年2月22日木曜日

オリジン・フランス フランス産のラベルには注意しなければならない

  先月からのフランスの農民たちの大規模な抗議運動は、一時ほどの騒ぎではなくなったとはいえ、未だに続いています。 農民たちが高速道路を数週間にわたりブロックし、一時は、食料品等の配送が滞り、スーパーマーケットに空の棚ができるような事態にまで発展。農民たちがテレビのニュース討論番組などに登場して、農家の厳しい状況、惨状、数々の不均衡で不平等な流通や特にフランス国内農家に課せられている厳しい規制に比べて、輸入品に対する規制があまく、ゆるゆるで、汚い覆面を覆って、彼らの農業製品の占める場所を侵食している状況などを語っていました。 これまで、そんな話は、全く知らなかったので、私もそんな現状を聞きながら、そんなことになっていたのか?それは酷い・・と感じ、多くの国民も彼らの激しい抗議運動には、どこか寛容な目で、「なにかがおかしい・・」と彼らに共感を寄せ、彼らの行動を容認するような目で見ていたような気がします。 政府は農民たちの悲痛な叫びに耳を傾け、彼らの要求にこたえる回答をいくつか提案し、彼らの抗議運動は、少し縮小したものの、到底、それが彼らにとって充分に納得いくものではなく、未だ、彼らの怒りの炎はくすぶり続け、あちこちで、抗議運動は続いています。 そんなことがあってか、私も最近は、買い物に行くと、心の中に、「やっぱり、フランスに住んでいる限り、フランスの農業製品を買うべきだな・・」などという気持ちが芽生えているせいか、やたらと、トリコロールのマークがついたものが目に付くようになり、実際にこのマークのついた製品が増えたようにもなり、野菜や果物でも産地をよく見るようになり、消費者にもそういう人が増えた気がします。 しかし、この農民たちに指摘された一部である輸入品への規制に関して、政府が食料品の原産地などに関するチェックが開始され、・政府は約1,000の商業施設に調査に入ったところ、このトリコロールのついた「Origine...

2024年2月21日水曜日

フランスの公立校の制服導入は、難航の兆し

   フランスの公立校(小・中・高校)で制服を導入するため、まずは、2024年度の新学期から試験的導入を開始すると発表され、思っていたよりも、この制服導入について、早く動き出そうとしていることに驚いていました。 なぜならば、これまで四半世紀以上もフランスで生活してきて、およそフランスの学校には、制服のイメージが結びつかないものだったからです。 それが、2年くらい前に、なぜかブリジット・マクロン(マクロン大統領夫人)が「フランスの学校にも制服があったらいい・・私の学生時代には・・」なんていうことを語ったというようなことが、話題にのぼり、「おいおい・・失礼ですけど、いつの話ですか?」なんていうことを思ったのですが、まさか、そんな話が本格的に制服導入という方向に進んでいくとは、その時には、微塵も思っていませんでした。 このブリジット・マクロンの政府内の影の力というか、発言の威力、影響力というのも見過ごせない気もしています。 フランスの学生は、学校にもよるのでしょうが、概して、みんなラフで自由な服装で、かといって、そんなに奇抜だったり、派手だったりすることもなく、また、学校自体も日本のような始業式とか終業式はもちろんのこと、入学式とか卒業式もなく、いつのまにか、始まって、いつのまにか終わっているという味気ないというか、よく言えばさっぱりしています。 そんな中、制服導入の話が昨年あたりから、急激に具体的に進みだし、政府は、まずテストケースとして、100校を集めるとし、このうち87校がこのテストケースに参加することになっていると発表しましたが、内情は、このテストケースでさえも、集めるのに苦労しているようで、このテストケース参加募集の期限が2月15日だったものを結局のところ6月末まで期間を延長しています。 つまり、期限内に試験的でさえ制服を導入してみるという学校が100校も集まらなかったということなのです。 そもそも、これが実験段階とはいえ、「理事会と学校評議会の同意、そしてもちろん地方自治体の同意が必要で、それらのハードルを越えられない学校が多い=つまり、反対意見が多いということなのです。 だいたい、この制服導入には、「格差社会の差別を抑制し、帰属意識を高めることを目的」としていますが、「制服で差別が解消されるわけではない」ということをみんながわかっているわけで、それ以上に自由な服装を縛られることを嫌っている・・「そんなことで差別が解消されると思うなよ!」というような気持ちが表れているような気がします。 現在、進められようとして提案されている制服は、制服といっても、いわゆる日本にある制服ではなく、ポロシャツ、セーター、ズボンといったごくごくシンプルなもので、よく言えば活動的ではあるのですが、あまり、若い子たちが着てみたいと思いそうなものではありません。 そもそも、みんなが同じでなくてよい、違った個性を認め合うところが、フランスの良さのような気が私はしているのですが、そこそこの国費を投じて制服?というのが、そこにお金使うの?という気もします。 そして、個人的には、この制服導入に際して、学校側の仕事が増えることも、学校側が受け入れない理由の一つではないか?とも思っています。とにかく、フランスの公立校の教師は、少しでも余計な仕事が増えることを拒否する傾向があり、新年度が始まる前にそれぞれの生徒が買い集めなければならない文房具やノートやファイルなどのリストが配られて、それぞれが用意するのですが、こんなにまとまった量であれば、学校側が注文して揃えて、後からお金を徴収すればいいのにと思うのですが、そんなことですら、学校側はやらない・・余計な仕事を増やしたくないのです。 フランス人お得意の「それは私の仕事ではない」というやつです。 制服が導入されれば、それぞれの生徒のサイズに合わせて、注文をとり、服が小さくなったとか、破れたとかいうたびに、学校側が対応しなければなりません。 それを「格差による差別の抑圧」など、もっともらしいことを言われても、私たちの仕事には、制服の管理などという仕事は入っていない・・と、さも言い出しそうなことのような気がします。 まあ、とりあえず、やってみるのは、よいかもしれませんが、このテストケースにさえも学校が集まらないというのは、そこのところは置いておいて、集まった学校での結果をもとに、強行的に制服が導入されるのか? 一部では、国歌を歌うことを推奨するとか、入学式とか卒業式を取り入れようとか、どちらかというと、引き締めにかかっているような感じのするフランスの学校教育。 とりあえず、何かを変えるということには、大変な国民の圧力が存在するフランスで、政府が思っていたようには制服は簡単には受け入れられそうもない感じです。フランス公立校の制服導入<関連記事>「フランスの学校での制服 2024年春から試験的に開始」「物議を醸すフランスの公立校でのアバヤ着用禁止...

2024年2月20日火曜日

ストライキラッシュ 今度はエッフェル塔がストライキ

   ストライキは、フランスのお家芸のようなものとはいえ、ここ最近のあちこちでのストライキには、「どうなっちゃってるの?」と思わずにはいられません。 まあストライキがあることが通常運転のようなところはあるものの、年明けからのRATP(パリ交通公団)、SNCF(フランス国鉄)、学校、農民たちの抗議運動などなど、大げさながら、もう黙っているのは損とばかりにストライキのお知らせが後を絶たないのは、ちょっといつにないストライキラッシュのように感じています。 子供の冬休みのバカンス期間をめがけてSNCFが行った大規模なストライキのために、少なくとも15万人に被害が及んだという騒ぎのあと、ようやくまともにTGVが動き出すらしいという話を聞いたと思ったら、今度はエッフェル塔がストライキ。 まあ、エッフェル塔に関しては、一般市民というか、住民の日常生活に影響はあまりないものの、やはり、依然として子供の冬休みのバカンス期間中なことに代わりはなく、国内の観光客もいるわけです。 なんだかこのストライキが目白押しの中、なんだか、エッフェル塔はパリ(フランス)の象徴的存在なだけに、そのストライキもシンボリックな気がしてなりません。 観光客の数もパンデミック前の状態に戻るどころか、それを越す勢いだったはずなのに、エッフェル塔がなぜ?ストライキをしなければならない状況に陥っているかは、その運営に何やら、問題がありそうです。 エッフェル塔の職員CGT(労働組合)は、このストライキを「記念碑の維持管理上の問題と、市会計が認めていないにもかかわらず自治体が徴収する手数料の増額」、「エレベーターの近代化、通常、定期的に行われるはずの修繕工事や塗装工事ができていない」、「30年以上も放置されている床やエレベーターの改修は、絶対的に不可欠なことであることにもかかわらず、...

2024年2月19日月曜日

ミスターフランス2024 今のフランスのイケメンはこういう感じ

   ミスフランスに比べると、注目度は低いものの、ミスターフランスというコンテスト?は、1993年から行われています。 ミスフランスとは、独立したものであるとしつつも、このコンテストの審査委員長は、元ミス・フランス大会の看板人物であったジュヌヴィエーヴ・ド・フォントネー(帽子を被った女性といえば、彼女の姿が思い浮かぶ人も多いだろうと思われる)の息子、ザビエル・ド・フォントネーが務めているので、あまり説得力がない説明でもあります。 今回、ミスターフランス2024に選ばれた男性は、ミスター・ローヌ・アルプのシャルル・スタンパー氏が優勝しました。 国際ビジネスの修士号を取得したばかりの青年は23歳で、身長1.79メートル、体重74キロで、現在は、自動車メーカーの営業担当として働いています。 仕事以外の時間には、フィットネスジムに通い、スキーもたしなむスポーツマンとのことで、スポーツに取り組むことにより、学生時代に受けたいじめ被害から抜け出したことを告白しています。 また、彼は動物愛好家でもあり、ボランティア活動にも参加しており、この「ミスターフランス」のタイトルを動物愛護家としての活動にも利用したいと述べています。👑...

2024年2月18日日曜日

想像以上だったSNCF(フランス国鉄)のストライキに対する国民の怒り

   日頃から、普段は感情を激しやすいフランス人がストライキに関しては、比較的寛容だという印象が私にはありました。 ストライキやデモなどは、本当にいつもどこかがやっているイメージですが、日本で生まれ育った私にとっては、フランスに来たばかりの頃などは、ちょっと信じがたい気持ちで、怒りまくっていて、「まったく、信じられない国だな・・」と呆れていました。 しかし、そのたびに怒り狂ってばかりもいられず、怒るのにもエネルギーがいるため、このストライキをどうしたら、回避できるのか?を工夫するようになりました。 一番困ったのは、娘の学校のストライキで、そのたびに預かってもらえる場所を探し回らなくても済むように、ストライキのない私立の学校に入れ、私だけでなく、娘自身も安定した(というかストライキをやらないというふつうのことなのですが・・)学習環境が保てたことは、本当によかったと思っています。 バカンス時の長距離移動に関しては、時間短縮の意味もあって、たいてい飛行機で移動することが多かったので、これまでSNCF(フランス国鉄)のストライキの被害にあったことはありません。 それでも、バカンス時に定期的に行っていたのは、日本ですが、やはり一番、ストライキの被害に遭う確率が高いのはエアフランスで、ストライキのために勝手に帰国便を直行便から経由便に変更されたり、また、空港に着いたら、交通機関全て(電車もバスもタクシーもない)がストライキで身動きがとれなくて、途方に暮れ、いつもお願いしている運転手さんに慌てて電話して、会社の車が出払ってしまっているなか、奥さんの車で迎えに来てくれた・・なんてこともありました。 というわけで、それ以来、飛行機を予約する際は、私は、できるだけエアフランスは避けるようにしています。 今回のSNCFのストライキでは15万人に被害が及んだということで、多くの人は、長距離、長時間がかかる長距離バスサービスに流れたようです。 なかでも、今回はパリ⇔ボルドー間に最も影響が及んだということで、予定されていた便の3分の2がキャンセルになったとのこと、一時、娘がボルドーにいたこともあり、娘は、このパリ⇔ボルドー間のTGVを頻繁に利用していたこともあり、他人事とは思えない気持ちでした。 しかも、乗客が怒っているのは、そのキャンセル手続きが厄介なこと(自動的に返金されない)や、それでもまだ、返金されるのは、良い方で、返金されるのは一部だけだったり、次回の購入時の割引券で済まされたり、あるいは、まったく返ってこない・・なんていうのもあるらしく、そりゃあ、怒るのも当然のことです。 この次回購入時の・・という返金の仕方は、パンデミックの際にキャンセルになったパリ⇔ロンドン間のユーロスターでやられたことがあり(娘がこの時期、ロンドンに留学予定だったのが、出入国禁止になったためにキャンセルになった)、その時は、次回のチケット購入時のクーポンという形での返金?でしたが、いつ次に行く機会ができるかもわからないのに、そのクーポンは使用期限付きで、「これじゃ、返金しませんってことじゃない!」と大いに憤慨した記憶があります。 楽しいはずのバカンスが楽しいどころか、その往復のすったもんだだけで疲れ果ててしまうのですから、もうSNCFはできるだけ使わないようにしよう!と思うのは、当然のことです。 政府は、環境問題を考慮して、移動はできるだけ飛行機や車は使わず、電車に切り替えよう!などと言っているけれど、その電車でこんな思いをさせられるのは、ゴメンだ!と思うのは、当然です。 フランスは、ストライキやデモをする権利というものをとても尊重していますが、これはちょっとどうにかしてもらわないと困ります。 子供が小さい頃は、子供の学校のバカンスにあわせて、バカンスに行かざるを得ず、当然、その期間は、ハイシーズンになるため、移動のためのチケットも、宿泊施設も高くなり、おまけにストライキに遭遇する確率も高いわけで、その全てのリスク?デメリットを受け入れざるを得なかったのですが、今は子供の学校のバカンス期間は避けるようにしています。ストライキ<関連記事>「SNCF(フランス国鉄)大規模ストライキ 50%のTGVがキャンセル」「RATP(パリ交通公団)2月5日から...

2024年2月17日土曜日

人の味覚はそれぞれなので、自分の好みに合うものを見つけるのは簡単ではない

  私が日本に行く時は、半分くらい(もしかしたら、それ以上かもしれない)は、食べることが目的なので、当然、もの凄い勢いで食べまくるのですが、前回の一時帰国の際は、我ながら、これまで以上の興奮ぶりで、もう満腹中枢が壊れたかと思うくらい、食べまくりました。 日頃から、YouTubeやInstagramなどで、「これ最高!」などと紹介されているものをチェックしていて、「日本に行ったら食べたいものリスト」に書き足しています。 日本に到着するやいなや、日本の場合は、すでに慣れ親しんでいるお店やすでに知っているもので、どうしても食べたいものが、すでにたくさんある中、その新しく食べてみたいものリストから漏れずに食べて帰ろうとするために、色々と買い物に走ったり、お店に食べに行ったりします。 今回、多分、何かのYouTubeで、「成城石井の焼売がすごく美味しい!」と言っているのを見て、娘に話したら、「成城石井なら、会社の入っているビルに入ってるから買ってきてあげるよ!」と言ってくれたので、ものすごく期待して食べると、「うん、美味しいけど、べつに・・」という感じで、ちょっとがっかりしたという話を隣に住んでいる従姉妹に話したら、「うん、成城石井の焼売は特別感はない、焼売だったら、小洞天のが美味しいよ!」と買ってきてくれました。なるほど、さすがに、長い付き合いだけあって、好みが一緒で、この焼売には大感激でした。 すると、今度は、肉まんの話になり、肉まんなら「維新號」の肉まんが美味しい!という情報を得て、「維新號」の肉まんを探して歩くことになり、それまでの間に会った友人や叔母たちに聞いても、たしかに「肉まんなら維新號!」と口を揃えて言うので、何が何でもそのみんなが絶賛する肉まんを食べたくなり、さんざん探してようやく渋谷でゲット。 大変、満足でした。 フランスに戻って、しばらくは、日本から持ち帰ったもので満足して、フランスの食品が色褪せて見えていたのですが、結局、ないものねだりをしても仕方ないので、また、フランスでも、美味しいものを探して歩くことを再開しています。 しかし、フランスでは、日本ほどは、感激できるドンピシャのものを見つけるのは簡単ではなく、X(旧Twitter)やYouTube、Instagramなどで紹介されているお店に食べに行ってみたり、持ち帰れるものは買ってきたりしているのですが、どうにもハズレが多く、あんなに絶賛している感じだったのに、全然、大したことなかった・・とガッカリすることもしばしばです。 そんなお店に行ってみると、フランス人のユーチューバーらしき人々が撮影している場面に遭遇したりすることもあるのですが、「まあ、悪くはないけど、フランス人の好みなのかな?」、まあ、人の味覚はそれぞれなので、必ずしも私の口には合わず、「まあ、美味しいけど、また来るか?って言ったら、そうでもないかな・・」というところが多く、やっぱり自分の好みのものは、自分で探さなければ・・とそのたびに思うのです。 特にフランス人のインスタなどだと、ノリも良くて、ついついその気になってしまうのですが、なかなかハズレも少なくありません。 彼らがウソをついているわけではなく、単に好みが合わないだけの話、私も時々、ブログでパリにある私が美味しいと思ったお店や食べ物を紹介していますが、必ずしも万人向けかどうかはわかりません。 必ずしも有名なお店だったら美味しいというわけでもなく、パリの場合は、特に外食は、決して安くもないし、お店の雰囲気やサービス、そして提供される食べ物が総合的に値段相応のものであるかどうか?そんな感じで私は、美味しいものを探し歩いています。 それにしても美味しいものを探すのは日本でもパリでも楽しいのです。おいしいもの探し 味覚<関連記事>「私の私的な外出の大半は食べることが目的 最近のマイブームは、モンパルナス駅」「ずっと食べてみたかったバター Au...

2024年2月16日金曜日

SNCF(フランス国鉄)大規模ストライキ 50%のTGVがキャンセル

   ここのところ、毎日のようにSNCF(フランス国鉄)のストライキはどうなるのか?というニュースをやっていますが、週末に入り、やはりストライキはかなりの規模で決行されるようです。 今年の子供の学校の冬休みは、先週末から地域によって1週間ずつズレる形で(それぞれ2週間ずつ)3月まで続きますが、このストライキは2週目の週末から突入する模様です。 このストライキという脅しを受けて、SNCF経営陣は、2022年末の合意では、2023年にコントローラー200人を追加雇用する規定であったものに加えて、乗務員の特別賞与を年間600ユーロから720ユーロに増額、コントローラー200人を含む無期契約の鉄道労働者1,100人を追加採用することを発表しています。 これらの提案に加え、SNCFは、不動産市場が高騰している地域に住む鉄道労働者向けの住居手当も提案しています。 そもそもSNCFやRATPなど鉄道関係の仕事は給与はともかく(決して少なくもない)、福利厚生が一般の企業に比べると格段に条件がよく、このうえ、なにか気に入らなければ、できるだけ多くの人が迷惑を被る機会を狙ってストライキをすれば、どんどん要求が通っていくことには、常々、憤りを感じるところです。 今回は、このバカンス期間を目掛けて、TGVの約半分の便がキャンセルされると言われており、足止めを食う人々は大わらわです。 特に冬休みというのは、スキーに出かける人々、しかも子供だけで田舎のパピーやマミー(おじいさんやおばあさん)の家に行かせたりする予定にしている人も少なくなく、その交通手段が絶たれてしまうわけですから、大変なことです。 だいたい、子供の学校のバカンスが多すぎるフランスでは、たとえ、自分のバカンスが1ヶ月近くとれたとしても、それで子供の学校のバカンス期間をカバーできるはずもなく、私も1年の子供のバカンス期間をどう調整をつけるかには、本当に苦労していました。 思い起こせば、冬休みのバカンス期間は、娘はたいてい、スキーのコロニー(合宿のようなもの)に行かせていたので、それは、長距離バスであったために、その発着場所であったポルトドヴェルサイユか、ベルシーなどに送って行って、2週間後に迎えに行くというのが恒例であったため、SNCFのストライキに左右されることはありませんでした。 SNCFは、このストライキのためにキャンセルになったチケットに関しては、無料で変更するか、全額返金すると言っていますが、このバカンス期間の予定を滅茶苦茶にされた場合は、たいてい、チケット以上のお金がかかることは必須。なんなら、そのために余計にかかった費用も負担してもらいたいところです。 最近では、私も、時には抗議運動やストライキも必要だとも思うようにもなったのですが、このSNCFやRATPのストライキに関しては、どう考えても、ストライキなしに交渉、解決していく道を考えてもらいたいと思うのです。 だって、当然、得られるはずの利益を返金しなければならないのですから、大損害のうえに、結局、要求はのむことになるのですから、だったら、その前になんとかした方がいいのに・・と単純に思ってしまうのですが、甘いのでしょうか?SNCFストライキ<関連記事>「いろいろなバカンスの過ごし方」「子供のために使うお金 フランスのコロニー(子供の合宿・サマーキャンプ)」「年金改革交付後...

2024年2月15日木曜日

運転免許証がスマホに取り込めるようになった・・

   もう、どんどん時代は進化して、スマホなしには生活できないようになってきていますが、逆に「スマホ一つさえあれば、なんでもできるようになってきた・・」という方が前向きな捉え方かもしれません。 今や、スマホで支払いもできるようになったため、現金を持つ必要がなくなり、Navigo(メトロやバスのチケット(定期券)も身分証明書もスマホに読み込めるようになり、ついに運転免許証もスマホに読み込むことが可能になりました。 今まで、お財布の中に入れていた様々なカードはお財布ごと必用なくなりつつあり、スマホさえ持てば、済むようになりつつあります。 私は個人的には、どちらかといえば、アナログ人間で、このスマホの操作は億劫で苦手で、いつも娘にバカにされながら、教わりながら、少しずつ取り入れざるを得なくなってきています。 フランスでの、この証明書類のデジタル化が想像以上に進んでいることを一番、目に見えて感じたのは、コロナウィルスがまだまだ蔓延しつつ、ロックダウンが解除されていく過程で、ワクチンパスポートがないと、出かけられなかったり、レストランに入れなかったりするようになった頃のことで、かなり高齢の人々でさえもスマホにワクチンパスポートを読み込んで提示していた時に、こんなおじいちゃんたちもスマホをちゃんと使えるんだな・・と驚いたのです。 このようなシステムは、使用方法が簡単であり、且つセキュリティーがしっかりしていることが最低必須条件ではありますが、今回の運転免許証は、これまでに、すでに存在していたfrance-identite.gouv.fr/の中に、運転免許証を追加できるようになったという感じです。 この証明書関係を読み込むためのアプリをインストールして、そこから簡単に読み込むことができます。フランスの古い運転免許証は、ピンクの紙でできた、それこそ、なんで?こんな大きいの?というようなものでしたが、最近発行されている運転免許証は、ICチップ入りの銀行カードサイズのものに移行しています。 現段階で最も簡単にスマホに読み込めるのは、このICチップ付の運転免許証ですが、近々、この古いピンクの免許証も電子ID(身分証明書)を取得済であれば、読み込み可能になります。 この運転免許証のデジタル化、スマホ読み込みが急がれたのは、検問の際の免許不携帯があまりに多いこと、そして、罰金の未回収があまりに多いために、その場で罰金支払い請求が行われるようになって、その場で罰金切符を発行し、その後の追跡がしやすくなることも大きな目的の一つであると思われます。 しかし、逆に悪い方向で考えれば、スマホを失くしたり、盗られたりしたときには、大変なことになるわけで、この治安の悪いパリでは、スマホを盗られたりすることも珍しくはないわけで、やっぱり、二の足を踏んでしまうところはあります。 ペーパーレスの次は、カードレス・・時代はどんどん進化していき、アナログ人間はついていくのが大変です。デジタル運転免許証フランス<関連記事>「2024年から運転免許証がスマホに取り込めるようになる!...

2024年2月14日水曜日

日本の治安が悪化している・・とフランスでは報道しているけど・・

   「日本で驚くべき犯罪件数の増加!」というフランスの記事をみつけて、正直、半分は「おまえが言うな・・」という気持ちもあったのですが、反面では、ちょっとショックでもありました。 なぜなら、これまで日本はとにかく「治安がよい」ことで有名な国であって、このような犯罪件数の増加を海外から取り上げられるなど、およそ、「らしくない」ことであったからです。 「2023 年に日本で発生した犯罪および犯罪は 70 万件を超え、前年比 17% 増加」、これを精査すると状況の悪化がさらに明確に現れ、窃盗20%増、殺人と性的暴行は30%増、誘拐と人身売買40%増となっています。 「この事実には、日本国民自身も、日本が安全な国であると考えている人の割合が10~20年前には80~90%であったものが、64%にまで減少していることからもわかります」とあります。 また、「今年に入ってから1,500回以上の地震で壊滅的な被害を受けた能登半島で被害を受けた家屋への略奪が相次いだことにも垣間見える」としています。 そして、この記事では、この日本の治安の悪化の原因の一つには、困難な経済状況にあると説明しています。「物価の高騰にもかかわらず賃金が上がっていない」、この物価と賃金の差による貧困化が、強盗や万引きの増加につながっており、この困難な経済状況は、カップルや家族内の関係にも緊張をもたらします。...

2024年2月13日火曜日

未成年の少女2人に売春を強要した3人が逮捕

   日本から、パパ活とか、立ちんぼとかいう話を漏れ聞くことがあり、驚いていましたが、フランスでも、未成年者の売春行為は社会問題になりつつあり、なかでも未成年者に対する売春強制行為の件数は過去 4 年間で 6 倍に増加していると言われています。 この売春行為には、様々なケースがあるようで、今回のケースは、未成年の少女たちを誘拐してアパートに監禁し、売春行為を強要していたという残酷なものでした。 被害に遭ったのは、15歳と17歳の少女で、パリ19区のアパート内に監禁され、売春を強要されていました。この少女たちは、家出していたそうですが、1月半ば過ぎに父親に「自分は今、誘拐され、監禁さ...

2024年2月12日月曜日

小さな子供に生乳チーズを食べさせてはいけない

   ローヌ地方(フランス南東部)でモルビエ(生乳チーズ)を食べた2人の少女(1人は7歳、もう1人は生後18ヶ月)が大腸菌による感染症を引き起こし重篤な状態に陥っていることがわかりました。 この感染症は成人にとっては重篤になることはほとんどありませんが、小児では重篤な症状を引き起こし、死に至る可能性もあると言われています。 この事件を受けて、当局は子供の食事に関して予防策を講じることを推奨しています。 この細菌は反芻動物の消化管に存在し、その肉や牛乳を汚染する可能性があり、溶結性尿毒症症候群(HUS)を引き起こす可能性があります。 溶血性尿毒症症候群(HUS)は、成人にとってはそれほど危険ではありませんが、虚弱体質の人、特に高齢者や5歳未満の子供にとっては危険であり、場合によっては死に至る可能性があります。...

2024年2月11日日曜日

パリオリンピックのメダルの特別感 デザインは高級ジュエリーブランド「ショーメ」が担当

   開催まで半年を切ったパリオリンピック2024の各競技で授与されるメダルのデザインが発表されました。 これまで私は、オリンピックメダルのデザインなどについては、あまり注目したことはありませんでしたが、なるほど、これほどオリンピックにとって象徴的な存在のもの、こだわりをもって作られるのは、当然といえば、当然です。 パリオリンピック組織委員会の発表によると、今回のオリンピックメダルは、パリオリンピックのプレミアムパートナーであるLVMH傘下の高級ジュエリーブランドの「ショーメ」がデザインを担当し、パリ造幣局が製造します。 このメダルのデザインに関しては、非常に特別な注文であったために、「ショーメ」の内部においても極秘裏に進められ、この件について知らされていたのは5人だけだったと言われています。 「ショーメ」のデザインというだけでもインパクト大なのですが、このデザインには、他にもパリオリンピックならではの特別な意味が込められています。 メダルの表側には、フランスを想起させる六角形にパリ...

2024年2月10日土曜日

現在フランスで起きているMe too ラジオ番組人気司会者の性加害告発続々浮上

   昨年の11月に、ある女性が2014年から2022年にかけて、彼女に対して性的暴行行為を行ったとして人気ラジオ司会者を告発しました。彼女は現在25歳ですが当時は16歳の未成年でした。 番組の場で彼女を見つけた司会者は、オーディションをするといい、彼女をスイスに来るように呼び出し、彼女は、姉夫婦とともにスイスに出向きました。 待ち合わせたホテルの階下で姉夫婦とともに待っていた彼女に司会者は、部屋でテストを行うといって、姉夫婦には待っている間、でかけてくるようにと薦めます。 彼は部屋に入り、座って話を聴くように促した後、すぐに彼女の隣に立つと、ズボンを数インチ下げ、彼女にオーラルセックスをするように要求し、「これがラジオの世界のやり方。あなたに何ができるか見せてください。」と言い、彼女は恐怖でそれに応じてしまいました。 当時、この司会者は42歳、彼女はまだ16歳でした。彼女は恐怖に打ちひしがれたにもかかわらず、その後、彼女は、数回にわたり、違う場所(車の中など)で被害を受け続けます。彼女は声をあげられなかったのです。 それ以来、彼女は自らの命を絶とうとし、何度か入院したと述べ、今も「抗うつ剤と夜眠るための薬を服用している」と告白しています。 この告発以来、この司会者は番組降板。弁護士を通じて、「これらの主張は完全に虚偽である」、「これらの重大な根拠のない中傷的告訴に対して検察に告訴する」と発表しています。 当然、このスキャンダルに対して、マスコミが殺到し、当初、匿名告白していた彼女の身元も割れてしまい、今度は、彼女に対してのネット上での心ないバッシングを受け始め、彼女はそのバッシングとも戦うハメになりました。 SNS上には、どこから流出したのか、WhatsApp(日本でいうLINEのようなもの)メッセージのスクリーンショットが公開され、炎上しています。SNS上の炎上は今やテレビにまで飛び火し、彼の過去の番組でのちょっと理解しがたい番組内での性的な蛮行を遡って、あらためて伝え始め、彼のプロダクション全体がそれを助長するような体制であったのではないか?とも言われ始めました。 その後、彼女の告発を受けて、それ以来、「彼女に勇気をもらった・・実は私も・・」と他の3人の告発者が登場し、告発状を提出していますが、この人気司会者は、「自分こそが被害者である」と、最初の告発を行った彼女やSNS上で彼を誹謗中傷した者、また彼の出演を打ち切ったラジオ局に契約不履行を訴えています。 そして、先週、また、新たな告発者が表れ、彼は追い詰められています。 それぞれ、知り合いでもない犠牲者があちこちから続々と登場することで彼は追いつめられつつあり、検察は捜査を開始することを発表しています。 少なくとも彼は人気者のスターで、相手をしてくれる女性は大勢いたであろうに、なぜ、嫌がる女性、しかも未成年にまで手を出していたのか? しかし、日本で今、騒がれている性加害スキャンダルとも相似する点がいくつもあり、こういう性加害に及ぶ男性には、共通するところがある・・性加害を受けた被害者が告発するには、時間がかかり、この手の犯罪に時効のようなものを設定するのはおかしいな・・と思うのです。 告発されたこの男性は、事実を否定しており、「無実の証拠もある」と公言していますが、彼は今のところ、それを裁判を理由に公表していません。Me...

2024年2月9日金曜日

フードウォッチが名前を挙げたチープフレーション警告食品

   フードウォッチは、消費者が健康上のリスクがなく、信頼性が高く透明性のあるラベルが付いた高品質の食品を提供される権利を求めて運動を行っている消費者保護団体で、このフードウォッチは、2 年間で 20% 以上の食料インフレが進む中、平たく言えば、コスト削減のためにレシピを変更し、材料の質を落としたり、量を減らしたりしつつ、且つ値上げをしている食品メーカーの特定商品について、警告を発しています。 これをチープフレーション(チープとインフレーションの造語)とか、シュリンクフレーションと呼びます。 つまり、同じものを食べているつもりでも、中身は変わっている・・しかも、値上げされているのにもかかわらず・・という、ハッキリ言って、知らないうちに騙されているものを買わされているという現象です。 なんとなく、そのブランド名や商品名、パッケージなどは、今までどおりなので、同じものを買ってしまっているのに、実は中身は違うものになっている・・ということです。 メーカーにとっては、ピンポイントに名指しされてしまえば、大変な営業妨害でもありますが、いつのまにか、以前よりも低品質の材料や配合になっていることがわかるのは、消費者にとっては、ありがたいことでもあります。 フードウォッチは、フルーリー・ミションのすり身スティック、マイユ・マヨネーズ(ユニリーバ・グループのブランド)、ミルカ・チョコレート(モンデリーズ)、シェネルのリエット、アフターエイト...

2024年2月8日木曜日

パリオリンピック開催時に予想される住民が迷惑すること

   もうここ数年にわたり、ず~っと、メトロがあちこち工事のために、ちょくちょく閉鎖になったりして、特に昨年からは、もう未だかつてないほどに、工事のための閉鎖が多く、すでにかなりウンザリしています。 夏の間も1ヶ月強、工事のために閉鎖していたのに、「また~?」、「まだ~?」と本当に信じられません。この間、駅に張り紙がしてあって、何気に眺めたら、「2月は、ほとんど真っ赤で閉鎖ではないか!」ということに気が付いて、「もう、これなら、今月のNavigo(定期券のようなもの)、返金してよ!」と思いました。 2月は、子供の学校のバカンス(冬休み・・だいたいノエルのお休みもあるのに、冬休みまであることでさえ、前々から疑問に思っている)にあわせてのことだとは思うのですが、この時期にバカンスに出る人は、そんなに多くはありません。 だいたい全線同時に工事できるはずもなく、少しずつずらして、できるだけ市民に迷惑をかけないようにとか、考えないんだろうか?と憤然とします。そうでなくても、度々、ストライキだのプロブレムテクニックだのと、まともに動かないことも多いのです。 そんなメトロだけでなく、イル・ド・フランス地域(パリを含むパリ近郊地域)全体に及び、車の通行制限や、道路の封鎖、市民の公共交通機関の利用や駐車場から買い物にいたるまで、けっこう面倒な呼びかけが始まっているのには、さらにウンザリです。 パリを覆う環状道路には、すでに新しい電子標識が用意され、「パリ2024車両承認済み」と表示されています。...

2024年2月7日水曜日

社会を映し出す若者の自殺の増加と傾向

   2月5日は国が定めた自殺予防デーであることをこのニュースで知りました。フランス公衆衛生局がこの日を記念して発表したデータから、「過去 10 年間に見られた18歳から24歳の生涯にわたる自殺念慮と自殺未遂の大幅な増加」が注目されています。 フランスは「ヨーロッパ諸国の中で自殺率が最も高い国の一つ」であるとも言われています。 今回フランス公衆衛生局が発表したデータの中で、最も顕著は変動が認められたのはこの18歳から24歳の若い女性の自殺、あるいは自殺未遂の大幅な増加で、+32%増という驚異的な数字を記録しています。 この若者の自殺・自殺未遂件数の増加は、そもそも不安定な年頃で、潜在的な危険をはらんでいたところに、後から思い返せば一時的ではあったものの、この数年間に人との関わりが途絶えたパンデミックの期間が影響していると言われていますが、その人口動態、家庭環境などを見ると、明らかに格差社会が影響していることもわかります。 例えば2022年には、10歳以上の75,803人が自殺未遂や自傷行為により入院。そのうち64%が女性であり、また、その内訳は、圧倒的に貧しい家庭の子供に偏っているというのも、社会的に生きづらいことを浮き彫りにしているとも言えます。 裕福な家庭の子供が自殺しないというわけではありませんが、この両カテゴリーを比較すると、貧しい家庭の子供の自殺願望は裕福な家庭の子供のほぼ2倍であったようです。 また、この社会的格差がより顕著に表れているのは、45歳から49歳の女性にも見えることでもあり、この年代の貧因層は、そうでない女性の3.5倍とさらに、その差は広がります。 これらのデータは、男性、女性の差に加えて、「非常に顕著な社会的勾配」をも示しているという、ある意味、社会の生きづらさの縮図のような気もします。 一般的にフランスなどは、女性が強いイメージがあり、閣僚などにも相当数の女性の顔が並んではいるものの、その実、社会的立場は一般的には、女性が弱い立場に立たされているということが見えます。 このような社会だからこそ、政府は敢えて、女性を大臣に据えて、いかにも差別がないように取り繕っているのではないか?と懐疑的にさえ思ってしまいます。 また、さらに驚くことには、18歳から24歳の間で、生涯を通して行われた自殺企図は、前回のデータに比べて50%増、生涯の自殺未遂率は12.8%と10人に1人以上が自殺未遂を起こすということで、これは大変な話です。 若いこの年頃は少なからずデリケートで繊細で、傷つくことも多い年頃で「死んでしまおうか?」、「死にたい・・」などと思ってしまうこともあり得るのだとは思いますが、しかし、自殺未遂とはいえ、実際に行動を起こすまでには、なかなか至らないのが普通だと思っていましたが、そうでもなくなっているようです。 10人に1人が自殺を企てるって、どう考えても正常とは思えません。 親にとって、子供に先立たれることは何より辛いこと、ましてやそれが自殺となれば、なおさらのことです。しかし、前述したデータから見るに、この急激に増加したと言われる18歳から24歳と45歳から49歳の女性はの層は、だぶる気もして、もしかしたら、同じ家庭に帰属しているのかもしれない・・、あるいは、同時に同家庭から犠牲者が出なくても、この年齢層の貧しい家庭が最も危険をはらんでいると見えるような気もします。 どちらにしても、社会の歪のようなものが、この最も弱い立場の人々に表れてくることが残酷な現実でもあります。若者の自殺<関連記事>「10年間で2倍に増加した子供への向精神薬の投与」「13歳...

2024年2月6日火曜日

最近のマイブーム パリのヴィエノワズリーの美味しいお店

   フランスに来て、もういい加減、かなり長くなり、本当に今さらではあるのですが、最近、私はとてもパンが好きになりました。 スタンダードにバゲットを買うことが一番多いのですが、最近はふつうのバゲットではなく、バゲットトラディションを買うことにしています。若干、ふつうのバゲットよりは高いのですが、ほんの20セントくらい高くなるだけで、全然、クォリティが違うので、まあ、ちょっとだけ贅沢といっても、さすがにバゲットとなると、たかがしれているので、まあ、そんなに大量に食べるわけでもなく、まあ、これくらいはいいかな?と思っています。 さすがにパリはどこへ行ってもパン屋さんは多く、通りかかったパン屋さんは、最初は外から様子をうかがって、良さそうだと思うと、特に買う予定がなくても、とりあえず、必ず入ってみるようにしているのですが、おもいのほかパンやケーキが並んでいるウィンドーは華やかでフワッとしたバターとパンの香ばしい香りに包まれて幸せな気分になります。 最近は、気のせいか、クロワッサンやパンオショコラがやけに立派になり、またヴィエノワズリーの種類も増えた気がして、ついつい誘惑にかられます。 昨年、セドリック・グロレのクロワッサンが食べてみたくて、延々並びましたが、たしかに美味しかったのですが、さすがに毎度毎度、あんなに並ぶ気もせず、また、ちょっと値段もいくらなんでも・・というくらいに高いので、そうそうリピートする気にはなりません。 昨年、一時期、ギャラリーラファイエットグルメに入っていた(期間限定)パン屋さん(     PANADE)のヴィエノワズリーがとても美味しかったので、そのお店に行ってみたら、なんと、ラファイエットグルメとは、同じものが全然、安かったりして、ちょっと嬉しくなって、ごきげんにいくつか買ってきました。 そのお店のヴィエノワズリーのパイ生地は、ちょっと大げさに言えば、エッジが立っているというか、パイ生地をしっかり感じられ、パイ生地好きの人にはおススメです。 また、昨年、サロン・ド・ショコラに出店していたお店で魅せられたヴィエノワズリーが気になっていて、パリ市内のお店(LAURENT...

2024年2月5日月曜日

国内農業で禁止されていた農薬チアクロプリド 輸入品にも適用へ

   食料品への添加物や農薬などは、もう表示されていることを信じるしかなく、現品を見たところでは、ほとんどの場合はわからないし、一つ一つの添加物や農薬などへの詳しい知識もないので、例えば、この農薬が禁止されていると言われれば、「それは怖いな・・」と思うくらいしかありません。 たしかに有機栽培の野菜や果物などは、「味も濃くて美味しいな・・」などとも思うのですが、それくらいしか、私にはわからないのです。 しかし、添加物にしても農薬についても、腐るはずのものが腐らず、虫を殺してしまう薬なわけで、人間の身体にはよくないのは、当然のことです。 普段はあまり意識していなくても、やけにすぐにカビが生えてしまったりしまう食品に遭遇すると、「あ~あ・・もったいないことしちゃった・・」と思うと同時に、これは、添加物が使っていないんだな・・と少々ホッとするところもあります。 今回の農民たちの怒りが爆発した騒動から、農民たちの要望に入っていた輸入食料品の農薬規制について、ガブリエル・アタル首相は、問題となっていた農薬チアクロプリドを使用した食料品の輸入を禁止することを発表しました。 このチアクロプリドという農薬は、散布することで害虫の神経系の異常興奮を引き起こし殺虫するというものらしいのですが、これが、人間にとっても内分泌かく乱物質であることが確認されたために、フランスでは、2018年から使用が禁止され(翌年、欧州連合圏内でも禁止)されていました。 しかし、このチアクロプリド(日本では、バリアード、エコファイターなどの製品名)は、未だアメリカなどでは多く使用されており、特にブラジルやアルゼンチンなどの南米諸国ではかなり使用されている農薬で、それが低価格でフランスに輸入され続けていたのが実情だったのです。 フランス国内、欧州連合で禁止した時点でなぜ?輸入品に対しても規制しなかったのかは、まことに不合理な話、きれいごとを並べて国内だけ規制しておいて、輸入品には、お咎めなしというザル規制であったわけで、今回、農民たちが騒がなかったら、一般国民には、知る由もなかった話で、結果的に、この危険とされる農薬を使用して効率よくできる海外からの野菜を安価に仕入れることで、国内の農家の首を絞めることになっていたおかしな話です。 しかし、輸入食料品の農薬規制に関しては、トレーサビリティー(食品の生産についての情報や流通経路などの情報を消費者が確認できる仕組み)について、複雑な管理を徹底する必要があり、簡単な話ではないようですが、だからといって、人体に有害とわかっている農薬を国内(欧州内)で使用する方向に逆もどりしてよいはずはなく、輸入食料品であっても、国民の身体に害を及ぼすと確認されている農薬を使用したものをそのままなし崩しにしておくのはお門違いで、何としても、しっかり管理してもらわなければなりません。 ガブリエル・アタル首相は、これを「セーフガード条項」、「ミラー措置」として、輸入食料品に欧州の農家に課せられているのと同じ規則を遵守することを義務付ける仕組みの一部として、他の欧州の国に先立って、フランスは、実行していくと説明しています。 私自身も今回の農民たちの騒ぎがなかったら、ずっと知らなかったことで、やっぱり、声をあげること、社会運動は時には必要なことなのだろうと思います。 しかし、この薬品を製造しているのは、ドイツの多国籍企業バイエルであり、ドイツは自国(欧州)で禁止している農薬を世界に向けては販売し続けていることは、もう一つ納得のいかない話でもあります。チアクロプリド 農薬使用禁止<関連記事>「農民たちの怒りが巻き起こす波紋」「フランスの農民たちの悲痛な叫びに見える社会のバランス」「美食の街・リヨンの学校キャンティーン(給食)の肉排除メニューの波紋」「フランスでの日常の食料品の買い物...

2024年2月4日日曜日

早朝のパリ・リヨン駅でのナイフとハンマーによる襲撃事件

   パリのリヨン駅は、パリの中では比較的、大きな駅で、どこかに行く時に通過する時に通るくらいなのですが、かなりの割合で、警察官はもちろんのこと、けっこう長いライフルのような銃を肩にかついだ憲兵隊なども警戒にあたっていて、こんなライフルかついで警戒する必要があるのかな?と思いつつ、威嚇の意味なのかな?、とか、その憲兵隊がけっこう若い青年だったりするのに、なんだか物々しい武装のわりに、あどけなさが残るような感じがアンバランスだな・・などと、少し遠巻きに眺めながら、余計なことばかり思っていました。 しかし、昨日の早朝にナイフとハンマーを持った男が旅行者を襲ったというニュースを見て、やっぱり、残念ながらこんな警戒は必要なのだと思いました。 事件は土曜日の朝7時半頃、地下に位置するパリ・リヨン駅のRER...