2024年10月31日木曜日

フランスの刑務所受刑者数過去最高の新記録

  


 法務省は、フランスの刑務所の受刑者数は、前月の7万8,969人に対して、7万9,631人で刑務所の収容密度は127.9%、14の施設では+200%と新記録を樹立したことを発表しました。フランスの刑務所は慢性的な過密状態から抜け出すどころか、ますます悪化の一途を辿りつつあり、現状では、通常収容が間に合わずに、床には3,810枚のマットレスが敷かれている状況であるとも伝えられています。

 「刑務所は崩壊しつつある!刑務所の規制メカニズムを早急になんとかしなければならない!」と言われ続けていますが、この過剰収容状態は受刑者だけでなく、刑務所職員でさえも虐待している状況であると叫ばれています。この状況は非常に高い自殺率、医療機能不全、社会復帰任務の確保の不可能、再犯防止と安全の観点からも悪循環のスパイラルから抜け出せない状況であると言えます。

 欧州評議会が6月に発表した調査結果によると、フランスは刑務所の過密化に関して欧州で最も悪い国の一つで、キプロス、ルーマニアに次いで3位となっています。

 最近、話題になった凶悪事件からも、刑務所内から、逃亡計画を組織して、裁判のために移送中に刑務官を射殺して逃亡したりする事件や、SNSによる殺人依頼により、未成年の少年たちが殺し合いの手先として雇われ、命を落としたりする事件など、刑務所にいながらでも、なんでもできるのではないか? 一体、フランスの刑務所の中ってどうなっているのだろうか?と思っていました。

 つまり収容者数が多すぎて受刑者を刑務官が管理しきれていないということだと思いますが、フランスはやたらと人権などを主張するために管理がさらに難しくなっているとも考えられます。

 しかし、絶対的に犯罪者がいかに多いかということが基本にあり、そもそも、日本などに比べて、よほどの危険人物としてマークされている人以外は、簡単な犯罪では、なかなか刑務所には、入れてもらえない?狭き門である印象がありますが、にもかかわらず、収容しきれないほどの囚人で刑務所が溢れかえっているということは、全く恐ろしいことです。

 時々、凶悪な暴力的な事件で、実は刑務所から出たばかりの人間だった・・などという話は少なくない気がするので、一定数、隔離しておいてくれないと危険な人物というのは存在するような気がします。

 これに対して、日本の刑務所には、どのくらい受刑者がいるのだろうか?と調べてみたら、2024年5月のデータでは、40,308人が刑務所に収監されているとのことで、日本の人口が1億2,375万人であり、フランスの人口(6,654万人)に比べて2倍近くであることを考えれば、受刑者数は格段に少ない数字です。

 しかも、詳しいことはわかりませんが、フランスだったら、絶対に刑務所入り?できない?ような犯罪者でも日本では、収監されるようですから、やっぱりどれだけ治安が良いか?(フランスと比較するのも失礼かもしれませんが・・)ということは明白であるような気がします。

 フランスの国立刑務所の総管理者は、拘留者が刑務所の過密状態、多くの施設の老朽化、不足など原因が特定されている不当な拘禁条件に直面し、監督者の数が不足していることを定期的に指摘しており、2023年の年次報告書の中で、「私たちの社会は多くの点で古代の体罰に似た行為を容認している」と記し、これは国家の放棄だと指摘しています。

 やっぱり、フランスの治安の悪さってハンパないんだなと再実感させられます。


フランスの刑務所受刑者数過去最高の新記録


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2024年10月30日水曜日

ツナ缶の水銀汚染スキャンダルの衝撃

  


 「缶詰マグロは100%水銀汚染・絶対に食べてはいけない!」とか、「水銀汚染されたツナ缶の健康上の危険は何ですか?」など、ツナ缶水銀汚染スキャンダルの話題が炎上しています。

 これは、海洋防衛NGO BLOOM(ブルーム)が、18か月にわたる調査を経て発表した報告書の中で訴えているヨーロッパ 5 か国 (ドイツ、イギリス、スペイン、フランス、イタリア)で販売されているツナ缶についての危険性の話です。

 このNGO は「ヨーロッパ 5 か国 (ドイツ、イギリス、スペイン、フランス、イタリア) の148 個のツナ缶を無作為に選択し、独立した研究所で検査させたところ、100% が水銀で汚染されていた!」というもので、そのうち、約1割は、欧州連合で認められている水銀含有量基準 (1 mg/kg)を大きく超えていたと報告しています。

 そもそも、この欧州連合認可の水銀含有基準ですら、マグロに関しては、タラやイワシなどの他の魚の基準(0.3 mg/kg)よりもかなり高く設定されています。

 この水銀汚染は何十年も前から知られていました。大気中に放出された水銀は海洋で発見され、その後魚の体内で発見されます。NGOは特に、「マグロを調理すると水は蒸発するが、水銀は残るため、高濃度の水銀が含まれているにもかかわらず、黙認され続けてきたことを指摘しています。

 問題は、基準が最終製品ではなく生のマグロに対して定められていることを指摘しており、したがって、「缶詰には新鮮な魚の切り身よりも2〜3倍濃度の水銀が検出されることになる」と説明しています。

 フランスでは、1 人当たり年間平均 4.9 kg のマグロを消費しているそうで、日本のように一般的に生のマグロのお刺身などが流通しているわけでもないし、魚屋さんに、マグロはあるには、あっても、けっこう高価で、そこまで買っている人をそんなに多く見かけるわけではないので、フランス人が食べているマグロの大部分はツナ缶なのではないか?と思います。

 特に最近は、インフレで全ての食料品が高騰しているためにタンパク質を補う手段の一つとして、ツナ缶などを利用する人も増えていたかもしれません。

 この水銀の危険性については、特にツナ缶に限ったことではありませんが、国家食品・環境・労働衛生安全庁(ANSES)も健康勧告の中で明記しており、水銀は、海洋に存在し、人体に用意に吸収される毒で、子宮内での子どもの発育中および幼児期に特に危険です。具体的には、「マグロ、カツオ、タイ、スズキ、アンコウ、オヒョウなど、高度に汚染されている可能性が高い魚の摂取を制限することを推奨しています。こんな警告、この騒動で初めて知りましたが・・。

 また、WHO(世界保健機構)も水銀について、「海洋では、水銀が細菌と混ざり、さらに有毒な誘導体であるメチル水銀に変化し、このメチル水銀は神経系に有毒で、神経障害や行動障害が観察される可能性がある」と指摘しています。

 私はそこまでツナ缶を爆食しているわけでもなく、この年齢になるまで、一応、無事に生き残ってきたので、そこまで神経質になる必要もないとは思いますが、このNGOは少なくとも、この制限値を超える魚の販売を禁止するセーフガード条項を導入することや、学校の食堂、保育園、老人ホーム、病院、産科病棟などの施設での使用を禁止するように求めています。

 しかし、これを販売している業者やスーパーマーケットなどにとっては、売上げ激減に繋がる大スキャンダルです。

 この種のスキャンダルが出るたびに思うのは、食事は偏らずに色々なものを食べるように心がけることが、危険を回避することに繋がるな・・と思うのです。


ツナ缶水銀汚染問題


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2024年10月29日火曜日

最近、パリでやたらとクッキーが目につくようになった・・

  


 暇さえあれば、美味しいものを探して歩いている私ですが、パリには、たくさん美味しいものがあるとはいえ、やっぱり一番お手軽で、一番美味しいのは、パンやヴィエノワズリー、ケーキなのではないか?と思い至るところもあり、もっぱらブーランジェリーやパティスリーなどを巡り歩いているのです。

 そもそもブーランジェリーやパティスリーはさすがに店舗の数も多く、食品店の多い通りなどだと、一つの通りにブーランジェリーは何軒もあったりして、それこそピンキリとはいえ、一般的なレベルは高く、思わぬおタカラ(美味しいもの)を見つけたりもするのです。

 以前(といっても、私がまだパリに来たばかりの20年以上前の話ですが・・)は、ブーランジェリーといえば、だいたい、どこへ行っても同じようなものしか売っていなくて、たいていは、パンは別としてもヴィエノワズリー(クロワッサン、パンオショコラ、ショッソンオーポム、パンオレザンなど)とりんごや梨、季節の果物のタルト、フラン、ベニエ(揚げパンみたいなものでたいていチョコレートクリームなどが入っている)、パリブレスト、エクレア、ミルフィーユなどで、「まったくフランス人はいつも同じものばかり食べていて、飽きないのかな?」などと思ったものでした。

 それがここのところ、ケーキの種類もグッと増えました。そして、もうひとつ、特に目につくようになったのは、どこのブーランジェリーやパティスリーに行っても、必ずクッキーが置いてあるようになったことです。

 駅のパン屋さん(クロワッサンなどのヴィエノワズリーに加えて、サンドイッチや簡単なケーキ類を売っている)などにも必ず、大ぶりなクッキーが並んでいるのです。

 いくら大ぶりとはいえ、1枚3ユーロ程度なので、なんとなくクッキーにしては、高いな・・コスパ悪いし、クッキーなら自分で焼ける・・などとケチな根性が頭をかすめるため、これまで、このようなクッキーを買うことはありませんでした。

 しかし、次第にパリ市内にもクッキー専門店というものが増えだして、「えっ??クッキーだけで、成り立つの?」と思ったりしていました。

 先日、たまたま、別のお店に行こうとしていた時に、このクッキー専門店のひとつをみかけて、全然、買うつもりはなく、クッキー専門店ってどんな感じなのかな? いくらくらいするのかな? どんなクッキーを売っているのかな?と覗いて見ていたところ、お店の人が味見してみますか?と言ってくれたので、「えっ?うれしい!!ぜひぜひ!」と、クッキーの試食をさせてもらいました。



 全然、期待せずに、おもむろに口に入れてビックリ!クッキーだからサクッといくものかと思ったら、表面は、乾いているのですが、中はしっとりフワッとしていて、私のこれまでのクッキーの概念を打ち砕くものでした。

 これまで日本でもイギリスでもアメリカでも、クッキー専門店などには、行ったことがないので、他の国のクッキーというものがどういうものなのかは知らないのですが、この表面は、乾いているけど、中はしっとり、むしろ、半生タイプみたいな感じが新鮮で、思わず、一つ買っていきたくなりました。

 考えてみれば、最近、人気になっているクルッキー(クロワッサン+クッキーの合体バージョン)のクッキーの部分もこのしっとりタイプのクッキーで、つまり、フランスに伝統的に存在するクロワッサンにさえも合体させてしまうほど、なぜかクッキーは今、パリで人気なのです。

 今のところ、そんなにたくさんのクッキー屋さんを知っているわけではありませんが、どうも、パリのクッキー屋さんの大ぶりなクッキーは、表面が乾いていて、クッキーの形ですが、中身は、しっとりしていて、どちらかといえば、ケーキにも近いようなものが多い気がします。

 偶然とはいえ、また、ひとつ見つけてしまった私のグルメターゲット・・。私はつくづくダイエットとは無縁のようです。



パリのクッキー専門店


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2024年10月28日月曜日

日本の選挙結果に関するフランスの報道

  


 今回の日本の衆議院選挙の結果は、深刻な日本の経済状況などからも、とても気になっていたし、自分自身も在外投票にも行ってきたし、とても気になって、少しずつ発表されていく当選・落選の行方をネットでずっと見守っていました。

 結果は自民・公明の大敗という結果でしたが、だからと言って、すぐに政権交代して、ガラッと日本が変わるというわけでもなく、まだまだ目が離せない状況が続きそうです。

 そして、フランスでは、今回の日本の選挙はどんな風に報道されているのかな?と、一応、目を通してみました。

 「自民党は2009年以来、ほぼ前例のない過半数を大幅に下回る結果となった」、「自民党と連立していた公明党もまた大幅に議席を失い、連立でさえも、過半数に満たない大敗に終わった」とまず事実を説明し、これに至った原因として、金融スキャンダル、統一教会問題などを挙げています。

 それに加えて、石破茂氏は、「公平、公正、誠実な党として新たな基盤で再スタート」したいと明言したにもかかわらず、総裁就任直後に、早期解散選挙を宣言し、夫婦別姓の可能性やキャピタルゲイン課税の強化など、当選以来いくつかの問題で方針を転換したことに加えて、裏金議員への偽装非公認・非公認としながら、裏で2,000万円を援助していたことがスクープされたことなどを挙げています。

 この内容は、ほぼ日本で報道されている内容と同様のものですが、一部、この偽装非公認の2,000万円問題のスクープ記事元が朝日新聞となっていることが奇妙でした。(日本では、赤旗のスクープだと言っていましたが・・)

 特にこの2,000万円問題は、購買力を侵食する持続的な価格高騰が有権者の不満を煽っているにもかかわらず、野党の激怒と有権者の怒りを引き起こすには十分だったと説明しています。

 自民・公明の連立政権を維持するには、より広範な連立を構築するよう努める必要があり、これは明らかに行動能力を制限することに繋がり、政府は麻痺する危険があり、日本では、不確実性と政治空白の時代が始まると見ています。

 また、この選挙結果は、このシナリオに慣れていない金融市場をパニックに陥らせる可能性があるとアナリストが警告しています。

 まったく、さんざんな書かれようですが、事実なので仕方ありません。

 ただひとつ、好意的に評価されていたのは、「今回の選挙で選出された女性の数は、これまでの2009 年の記録である 54 名を上回り、70 名でした。今回の選挙に立候補した女性は 314 名で、全候補者の 23.4 % に相当します。この結果により、日本は2024年に世界経済フォーラムが定める男女平等ランキングで146位中118位と順位を向上させることになるだろう」という点だけです。

 また、フランスの報道には、記載されていませんでしたが、私が特にショッキングだったのは、相変わらずというか、ほぼ記録的な投票率の低さということで、これは、本当に深刻な問題だと思います。

 日本で生活していて、日本経済や暮らし向きなどなどが悪化していることは実感しているだろうに、にもかかわらず、選挙に行かないという無責任というか、無関心というか、ちょっと○○なのか? 文句は言っても、最低限の投票という義務を果たさないのは、本当に意味がわかりません。

 フランスならば、こんな低い投票率は大スキャンダルです。

 よく知らないとか、よくわからないとかいう人がいますが、知らないなら、知る努力をしなければいけないし、今はそれこそネットだってなんだって、いくらでも情報はあります。必ずしも正しい情報ばかりではありませんが、数を見ていれば、どれが本当だろうか?ということは、見えてくるものです。

 日本の失われた30年は、たしかに政治家に一番の原因がありますが、この投票にさえ行かない国民にも大きな責任があります。


衆議院選挙についてのフランスでの報道


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2024年10月27日日曜日

パリで美味しいクスクスが食べられるお店 Le 404 と La mosquée

  


 日本でどの程度、「クスクス」というものが食べられているのかわかりませんが、私が初めて、クスクスを食べたのは、考えてみたら日本で、しかもフランス人の家庭に招かれたときのことで、「クスクスパーティーするからおいでよ!」と・・。当時は、「クスクスってなに?アフリカの食べ物だよね・・珍しいものが好きなフランス人なんだな・・」などと思ったような記憶があります。

 クスクスは、小さな粒状のパスタみたいなもので、これを蒸してバターやオイルでパラパラにしっとりさせて、これにシチューのようなものをかけたり、サラダのように野菜と混ぜたりして(フランスではタブレと呼んでいますが・・)食べます。

 フランスに来る前に私たちは、2年間西アフリカのコートジボアールに住んでいた時期があったので、それこそ、クスクスの本場、マルシェでもテイクアウトで食べられるクスクスが売っていたし、クスクスだけではなく、似たような形状のアチェケ(原料はキャッサバ)というものもあったりして、こちらはクスクスよりも若干モッチリしていますが、似ていて、主食というか、肉・野菜などのシチューのようなものや魚料理などと一緒に食べたりします。

 形状的には、お米よりも細かくて食べやすいために、アフリカの人は、赤ちゃんにもこれを食べさせたりして、離乳食のようにもしていたので、アフリカで生まれた娘には、赤ちゃんの頃からこれを食べさせたりもしました。

 アフリカにいた頃は、家にお料理をしてくれるボーイさんがいたので、クスクスを作ってもらうだけでなく、作り方を教わったりもしました。

 それこそ、地方や家庭によって、材料も様々なのですが、多くはトマトベースでお肉、様々な野菜やひよこ豆などを入れる、栄養的にもとてもバランスの良い食事だと思います。

 そして、フランスに来て、ビックリしたのは、フランス人にとって、このクスクスはかなりポピュラーで一般的なお料理で、これってフランス料理だった?と思うほど、よく食べられている食品で、もしかしたら、日本で言うカレーのような位置づけのお料理かもしれません。

 以前は、もっとたくさんクスクスがファストフードのような感じで安価に食べられるお店が多かったような気がしますが、気が付いてみれば、時代の変化かこのお手軽な感じのクスクス屋さんはずいぶん減ったような気がします。

 以前は、お金のない学生などは、今日もクスクスでいいね・・なんて言っていたと思うのですが、このクスクスの位置は、ケバブやハンバーガーに置き換わったような気がします。

 私自身、自分でも作れるので、何も外でクスクス食べなくてもいいかな?とあまり、外でクスクスを食べようとも思わなかったのですが、ここ最近、クスクスの美味しいお店・・というのを見つけて、立て続けに行ってみたら、けっこうボリュームもあって、スパイスなども自分で作るのとは一味違ったり、またお店の内装がちょっとオリエンタルな感じで素敵だったりしたので、ちょっとご紹介したいと思います。

 ひとつは、Le 404 というお店で、入口はけっこう地味だけど、中に入ると素敵な空間が広がっているお店。クスクスだけでなく、ケフタやタジンなど、モロッコ料理?全般、けっこう有名なお店らしいです。気候の良い時期ならテラス席のある中庭も気持ちよいです。




 もうひとつは、 La mosquée モスケというだけあって、もっと大規模な空間で、もっと異国情緒溢れる空間でハマムなども併設しています。ただ、場所的に、ちょっと行きづらいかもしれませんが、なかなかゆっくり、ゆったりできます。猫ちゃんがウロウロしていたりして、となりの席にやってきたりするのもご愛敬です。






 どちらもボリュームたっぷりで、お店の人も至極感じよく、デザートなどもアラブならではのお菓子が山盛りになっているので、(ただデザートまで食べるお腹の余裕がなくなる可能性大ですが・・)そんなところも楽しいです。

 どちらもお値段は、比較的、良心的な価格。パリでのランチとしたら、ごくごくふつうのお値段ですが、かなりボリューミーですので満足できると思います。

 なにも、パリでクスクス食べなくても・・と思うかもしれませんが、クスクスはほとんどフランス人の国民食といってもいいくらいポピュラーな食事・・フレンチに飽きたら、ちょっとトライしてみるのも、楽しいかもしれません。


🌟  Le 404            69 Rue des Gravilliers 75003 Paris 

🌟  La mosquée     39 Rue Geoffroy -Saint-Hiliare 75005 Paris


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2024年10月26日土曜日

久しぶりのオルセー美術館 予約なしでも、あんまり並ばずに済んだ・・

 


 いつでも行けるのに、結局、なかなか行かない場所のひとつに美術館などがありますが、その行かない理由に大行列が嫌だ・・という理由があります。ルーブル美術館にしてもオルセー美術館にしても、なんとなく、いつも、ものすごく行列しているというイメージがあって、あの行列に並ぶのはなぁ~~と思ってしまいます。

 もっとも、最近は、ほぼ予約制で事前にネットでチケットが買えるようになったので、予約していけばよいのですが、それさえも、お天気の悪いことの多い最近では、事前に予約しておいて、その日は大雨・・なんていうことになったら嫌だ・・という全くのわがままで予約するのも躊躇われるのです。

 私は、あまり絵画や美術品に詳しいわけではないのですが、やはり美しいものに囲まれた空間は、心が満たされるような気分になるものです。

 娘が小さい頃に一時、娘が美術館にハマったことがあり、やたらと美術館に行きたがるので休みの日になると度々、美術館へ通ったこともあったりしたのですが、それ以来、一度、ロックダウンの明けたすぐあとに、今なら、ルーブルガラガラだよ!という話を聞いて、すっ飛んで行ったことがあったくらいで(本当に、あの時は、もう二度とあんなことはないと思うくらい空いていて、ほぼほぼ人のいないルーブルを堪能しました)、その後は、ほとんど美術館には、行っていませんでした。

 それが、急に思い立って、「そうだ!今日はオルセーに行ってみよう!予約していないけど、ダメならダメでいいわ・・お散歩がわりと思って行ってみよう!」と思い、出かけたのでした。

 ルーブル美術館は、恐ろしく中も広いので、見て歩くのも大変だけど、オルセー美術館は、そこそこ、そんなに抵抗なく歩いて回れる範囲内、しかも、あんまり絵画に詳しくない私でも、「ああ~これ見たことある!この絵は、ここにあったんだ!」と思うような絵がけっこうあるので、楽しみやすいのです。

 予約していないのだから、ある程度の行列は覚悟していたものの、ほぼ予約制になったからなのか?行列は思ったほどでもなく、15分ほど並んで入れました。これくらいなら、全然OKです!




 要は、まず入場するために行列するのは、荷物チェックのために並んでいるのであって、わりと、行列もどんどん進みます。

 今は、観光客だけでなく、トゥーサンのバカンスのために子ども連れの家族もけっこういて (全てのパリの国立美術館は25歳以下の子ども、若者は無料)、そういえば、夫が存命中、休みといえば、娘をミュゼ(美術館や博物館)に連れ歩いていたことを思い出したり、後ろに並んでいた年配の女性がこのバカンス中のミュゼ巡りの予定を今日はオルセー、明日はケ・ブランリー、その次は・・などと、とうとうと語っているのが聞こえてきたりしました。









 こんなにすんなり入れるなら、少しは勉強してから来るんだったな・・などと思いつつ、自分のペースで好きに美術館内を廻る時間はなかなか心地よいものです。




 オルセーの中のレストランはなかなか悪くないという話だし、カフェもちょっとおしゃれな感じでお値段もそこそこで、市内のレストランやカフェと比べても、そんなに高すぎることもなく、かなり賑わっていました。

 最近は、オルセーといえば、その絵画や彫刻とともにシンボル的になっている時計のシルエットが撮れるインスタスポットもなかなか賑わっていて、ああ~これだったか・・と見てきました。


 家からも30分くらいで来れるし、そんなに並ばなくてもいいんだったら、もっと頻繁に来てもいいな・・と思いながら、芸術の秋だ・・などと、一人ごちて気分よく帰途につきました。

 ちょうどオルセー美術館の正面には、レジオン ドヌール勲章博物館もあります(こちらは、大人も入場無料です)。

 行くまでは、なんとなく億劫でも行ってみるととてもよいところは、なんかジムみたい・・とか思いながら、こういうものは、気負わず、リラックスして日常と違う空間に身をおく、とても良い場所だな・・などと思いつつ久しぶりの美術館を楽しんできました。


オルセー美術館


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2024年10月25日金曜日

ノートルダム大聖堂に入場料5ユーロは有りか?無しか?

  


 2019年に発生した大火災から、5年間の再建期間を経てパリ・ノートルダム大聖堂は、12月7日に公開を再開する予定になっています。再公開まで2ヶ月を切るタイミングで、文化大臣がノートルダム大聖堂入場を有料にすることを提案し、賛否両論の嵐が巻き起こっています。

 彼女が提案しているノートルダム大聖堂入場料5ユーロは、年間訪問者数が1,500万人にも及ぶパリ・ノートルダム大聖堂には、年間7,500万ユーロ(約118億円)をもたらすことになります。この入場料による収入で「宗教遺産を保護する大規模な計画」に資金を提供することが可能となり、「ノートルダム・ド・パリはパリとフランスのすべての教会を救い、それは素晴らしい象徴となる」と説明しています。

 フランスでは、特定された約5万の礼拝所のうち、5,000の宗教的建造物がその持続可能性への懸念を引き起こしており、緊急の介入が必要な状態にあると言われています。

 一方、フランス司教会議は、「これらの祈りの場所へのアクセスは無料でなければならない、アクセスに価格を設定することは、それを観光目的と商業目的に歪めることに等しい!この提案は、フランスで施行されている法律に反するものである!」と主張しています。


 政教分離に関する1905年以来の法律は、ノートルダム・ド・パリなどの歴史的建造物に分類される教会や大聖堂へのアクセスは「無料」のままでなければならないと規定しており、この法律の第 17 条には、「建物の訪問および機密の動産の展示は公開され、いかなる税金や料金も発生することはない」と書かれています。

 パリ・ノートルダム大聖堂は宗教的施設であると同時に多くの観光客が訪れる場所であり、この5年間も、たとえ、入場できないことがわかっていても、たくさんの観光客が常に集まっていました。

 観光客にとって、5ユーロという金額は、決して、他の観光施設に比べて高い価格?設定ではないと思いますが、それが祈りの場でもあり、宗教施設だということには、多少、引っ掛かりを感じないでもありません。

 しかし、カトリック教会全体を救うために資金が必用であるということで、その資金集めをするためであれば、入場料を取る(信者からはとらないそうですが・・)ということも、理解できないではありませんが、それを政府が提案し先導するということには、抵抗を感じます。

 パリ・ノートルダム大聖堂は、1905年に制定された法律以前に建てられたため、国家の所有物であり、カトリック教会が譲受人であると規定されています。所有者であるとはいえ、政教分離の立場からいえば、国が介入しすぎることは、いかがなものかと思います。

 ただでさえ、ノートルダム大聖堂の改築に関しては、火災での被害を逃れたにもかかわらず、マクロン大統領が「現代的ステンドグラスプロジェクト」などと、現代的デザインのステンドグラスに置き換える方向で国家遺産建築委員会(CNPA)(15万人の嘆願書も添えている)の大反対を無視して進めようとしている経緯などもあり、どうにも政府が先導しようとしているイメージが強いのです。

 政教分離というのは、けっこう大切なことだと思うのですが・・。

 

ノートルダム大聖堂入場料5ユーロ


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2024年10月24日木曜日

感情的に子どもを叱ったり怒鳴ったりするのは、逆効果だと思う

 


 今、パリの学校はトゥーサンのバカンス期間に入っていて、バスやメトロなど街中でやたらと子ども連れの人々を見かけます。

 プールなどに行ってもおじいさんやおばあさんが孫を連れてきていたり、特に孫と祖父母の組みあわせを微笑ましく見ています。

 この間、バスの中でおじいさんとおばあさんが孫娘を連れて乗っていて、5~6歳くらいの女の子がやたらとカラフルなあやとりを持って遊んでいて、「うわぁ・・今のあやとりってこんなにカラフルできれいなんだ・・ちょっと長めなんだな・・ていうか、フランスにもあやとりあるんだな・・うちの娘はやっていなかったな・・」などなど思いながら、微笑ましく見ていました。

 あやとりで何を作るのかな?と思っていたら、なんだかマジックみたいなしかけで突っ込んだ手がいつの間にかはずれるというトリックをやってみせるのをおばあさんではなく、おじいさんがやたらとごつごつした手で一緒に相手をしてあげているのが微笑ましい感じでした。

 この夏休みとノエルの中間にあるトゥーサンのバカンスは比較的、親は仕事をしていて、子どもと一緒にバカンスをとる人は少ないのかな?とも思いますが、このおじいさんやおばあさんと過ごす短い時間もけっこう良い時間なのではないか?とも思います。

 かと思うと、小さな子どもを4人も連れたママがメトロにいて、なんだか、やたらと子どもを叱りつけていて、ところが、それが全く説得力がなく、子どもはあまり言うことを聞きません。だいたい、やたらと大きなバギーを狭いメトロの真ん中に斜めにど~んと置いて、もう少し隅に寄せるとかしたらいいのに・・子どもを叱りつけながら、自分はなにやら携帯をいじっています。

 まだ、幼稚園に行くか行かないかくらいの子どもたちなので、言うことをきかない子もいるでしょう。普段はあんまり見かけませんが、そういえば、パリに引っ越してくる前に住んでいた家の近所に、こうやって、四六時中、子どもを叱りつけている親がけっこういたな・・と思い出しました。

 だいたい、そういう親は、「早くしなさい!黙りなさい!静かにしなさい!」など、おんなじことをかなり感情的な𠮟り方をして、どなりつけているのですが、そんな様子を見かけると、「あなたの方がよっぽどうるさいんですけど・・」とこっそり思っていました。

 そのうち、メトロの中で、子どもがふざけ出したら、「Ça va pas la tête ?」(サ・バ・パ・ラ・テットゥ?」(頭おかしいんじゃない?みたいな意味です)と怒鳴って、びっくり・・内心、「サ・バ・パ・ラ・テットゥって久しぶりに聞いたな・・しかも、子どもに大声で、しかもメトロの中で怒鳴る??」と思っていました。

 感情的に怒鳴って子どもを叱る親の子どもは、概して、むしろ、全然、言うことを聞かないような気がします。最近は、小さい子どもと接することもないし、当然、そのくらいの子どもを持つママともパパとも接点がないので、よくわかりませんが、普段は、こういう親子はあまり見かけない気がしています。

 うちの娘は、パパがとても厳しく・・というか、滅多に怒らなかったけど、怒るととても怖かったので、聞き分けがなくて、困ったという記憶はほとんどなく、私もたいていのことには、うるさくは言わなかったけど、ダメなことはダメと絶対にグラついたりしなかったので、やけに諦めよく、考えようによっては、要領よく、無駄に駄々をこねるようなことはしない子どもでした。

 うちには、娘が一人だけだったので、これが2人~3人といたら、また違っていたかもしれませんが、賢明な家庭の子どもは、子どもが2人いても、3人いても、そんなに激しく公共の場で子どもを叱りつけたりしない気もします。それ以前に、子どもは、もうすでに公の場での振る舞いを心得ている感じで、叱りつけるまでもなく、きちんとしています。

 むしろ、娘が小さい頃に日本で水族館に連れて行ったときに、子どもがあまりに聞き分けがなく、うるさいのにビックリした覚えがあるくらいです。しかし、これも、かなり昔の話なので、今はどうなっているのかわかりませんが、私としては、親は、四六時中、くどくど口うるさく叱らずに、ここぞというときに、落ち着いて言い聞かせる方が効果的な気がしています。

 やっと夏休みが終わって、ようやく学校が始まって落ち着き始めたと思ったら、またバカンス・・トゥサンのバカンスが終われば、またしばらくすると、今度はノエルのバカンスです。子どもが小さい頃は、本当にこのバカンスに追いまくられて大変だったな・・と、今はそんな子どもたち、親たち、おじいさん、おばあさんを見ながら思い出すのです。


子どもの叱り方


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2024年10月22日火曜日

「1990年代の日本の軌跡を辿る中国経済」という記事

  


 先日、仏レゼコー紙に掲載されていた「1990年代の日本の軌跡を辿る中国経済」という記事を見つけて、あらためて、1990年代からの日本経済の失敗が紹介?されていることに、愕然とする思いでした。なんか身内同士で悪口を言い合うのはまだしも、外野から言われると傷つく・・そんな気持ちでした。

 その記事によると、「多額の債務、不動産バブルの崩壊、人口の高齢化、成長の鈍化、デフレの蔓延、米国との緊張を悪化させる重商主義(重商主義は、国家の輸出を最大化し、輸入を最小化するように設計された国家的な経済政策)、そして消費よりも投資に基づいた経済モデル。 2024 年の中国には、1990 年代初頭の日本と、いくつかの厄介な類似点がある・・」と始まります。

 「日本は、長年にわたる過剰債務によって生じた不動産バブルの崩壊後、長期間のデフレと低成長を経験している・・一方、中国の公的債務と民間債務の総額はGDPの245%に達しており、30年前の日本よりも高い水準にあり、中国の労働人口は減少に転じており、2050年までに総人口は2億人減少すると予想され、中国の人口動態の変化は、やはり日本よりも早いと見られている」

 「中国経済において輸出は依然として重要であり、かつての日本のように米国からの保護主義波の圧力を受けている・・不動産バブル崩壊後の中国の家計の不信感が貯蓄を促し、内需の圧縮が起こり、経済全体を弱体化させているにもかかわらず、供給側政策を実践し続けている・・しかし、歴史上、GDPに占める消費の割合が増加せずに先進国の生活水準に達した国は例がない」

 「輸出と投資だけでは経済を永久に推進するのに十分ではなく、これを続ければ日本と同様の罠に陥る危険があり、ほとんど進歩していない生活水準に留まり続けることになる」とエコノミストが強調しています。

 しかし、1990年代の日本と現在の中国を明確に区別できる点もあり、現在の中国のGDPは、30年前の日本を上回っており、何よりも、中国は国家が経済分野全体を支配しているということで、為替レートは当局によって設定されており、これにより人民元の過小評価が維持される。したがって、日本に起こったことは中国には起こらない。

 1985年に日本はドル安と円高を目的とした米国および欧州諸国とのプラザ合意に署名し、その結果日本の輸出の活力が低下したが、中国は政府が大手銀行と金融セクターの大部分を管理しており、資本規制により貯蓄の国外流出が防止されているという事実により、中国は、そのディリジスト・モデルが生み出す過剰投資や不良投資に関連する損失を経済主体に配分することができるようになっているが、日本のような自由主義経済には当てはまりませんでした。

 「最近の不動産部門の粛清はその一例で、10月に発表された再建計画では、大手銀行の資本増強が計画されておる、政府は不動産部門の統合を推進することで、不動産リスクを小規模銀行から大規模銀行に移している・・したがって、中国は経済の「日本化」を回避する可能性を秘めていると思われる」

 「多額の債務、輸出に依存したモデル、高齢化、成長の鈍化」最後に再び、このワードを羅列して、「1990 年代の日本に似ている地域がもう 1 つあり、それはヨーロッパです」と締めくくっています。

 私もそんなに経済について詳しいわけではないので、ご丁寧に説明してくれてありがとう・・と半分、嫌みというか、自虐的な思いで読みながら、この記事に一貫して書かれていることは、日本がこの30年間の失敗経済・失敗政策のモデルのように使われていることで、いかに日本がダメであったか? 経済の「日本化」=経済の失敗という意味で引用されているわけで、事実だから仕方ないとはいえ、つくづく情けない気持ちになりました。


経済の日本化


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2024年10月21日月曜日

サノフィ・ドリプラン売却問題に政府が介入 Bpifrance(フランス公的投資銀行)の役割

  


 フランス最大手製薬会社「サノフィ」がフランス人がもっとも利用している薬「ドリプラン」等の一般市販薬部門の子会社の株式をアメリカのファンドCD&Rに50%売却することが発表され、ほぼ、合意に達したというニュースは、かなり衝撃的に取り扱われていました。

 サノフィは、この株式売却に関して、「より収益性の高い医薬品に注力したい(同社の主力分野である免疫学での治療法の開発を優先したい)」という方針によるものであるという説明をしていましたが、これは、フランスの大企業(正確には、ドリプラン等の一般市販薬部門は子会社になっている)とはいえ、一民間企業であり、国が介入できる問題ではないと思われてきました。

 この薬はパラセタモール(鎮痛・解熱剤)で、実際には、すでに国内で生産されている量は減少していて、その生産は海外で行っているために、いざというとき(パンデミック時など)に薬が不足して、国内に入ってこないような事態が起こったために、今後は、国内生産に切り替えていくと発表していました。しかし、この発表をしたのは、一方的に政府が発表しただけで、それに対してのサノフィとの話し合いが水面下で行われていたのかどうかは、不明です。

 しかし、今回のサノフィのドリプラン等の子会社売却で、フランス国内にあるドリプランを製造していた工場等は大騒ぎ・・しかし、子会社株の50%が売却される以上、収益性を追求して・・というのであれば、現状が継続されることは考えにくいと思われてきました。

 その後、もう為す術もなく事態を見守るしかないと思いきや、このドリプラン問題について、経済財務大臣(フランス政府)は、突然、このサノフィの子会社の株式を取得するために、サノフィ、アメリカのファンドCD&Rの間で「三者合意」に達したと発表しました。

 すでに話がまとまりかけていたサノフィとアメリカのファンドCD&Rとの間によく割って入れた・・というか、なんらかの計画ありきで、投資するつもりであったこのファンドCD&Rが同意したな~と思うのですが、これまた政府もよく割って入れたな・・と驚いています。

 フランス政府は、この株式取得をBpifrance(フランス公的投資銀行)を通じて行うことも同時に発表しています。

 このBpifrance(フランス公的投資銀行)は、フランス経済の原動力であり、ビジネス創出に対する支援やマネジメントに必要なパートナーシップ、投資を行っているところで、協調融資、共同投資、自己起業家コミュニティ、地域、フランス 2030、DGE、DG Trésor、CDC、省庁などとパートナーシップを組んで国を動かすことを可能にしているメカニズムを持っていると公表しています。

 つまり、今回は、政府はBpifranceを通じて、「雇用、生産、投資」に関する国の要件を確実に遵守することを目的として、株式を取得し、この会社の取締役会に参加し、介入することができるようになるということで、このドリプランの国外退去?の防波堤になることができるとしています。

 しかし、このサノフィ・ドリプランに関する報道は、二転三転しているので、今後もまた、ビックリ展開があるかもしれませんが、国民の健康を守る(必要な薬品の国内生産を確保)という約束を必死に政府が守ろうとしている姿勢には、すごいな・・と思ったのです。

 このビックリ展開は、このBpifranceが取得する株式はたったの2%とのことで、これでは、大きな影響力はないのでは?と再び、不安の声が上がっています。


ドリプラン Bpifrance(フランス公的投資銀行)


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2024年10月20日日曜日

自動車と自転車の接触事故から逆ギレした車の運転手が被害者男性を轢き殺した事件

  


 こういう事件があると、自動車というものは、ほんとに凶器になり得るものだ・・とあらためて恐ろしくなります。

 パリでは、パンデミックの前後から自転車利用者が急増し、道幅の広い大通りなどの車線には、ふつうの自動車道(バスレーンが別にあるところもある)に加えて、自転車用のレーンが設けられているところが増えました。

 私がパリに来たばかりの頃は自転車というものは、あくまでもスポーツというかレジャーのひとつで、車に自転車を積んで、自転車は郊外で乗るもの・・というような存在でしたが、現在は移動手段の一つになっています。

 以前は街中で、日本のように自転車で気楽に買い物などができたらいいのに・・とずいぶん思いましたが、自転車はかなりしっかりした鍵をかけておかなければ、あっという間に盗まれるので、その鍵を持ち運ぶのが重くて億劫で、自転車はずっと諦めていました。

 しかし、環境問題や感染症の問題等をきっかけに自転車利用者が急増し、パリ市内にもVelibというレンタルサイクル(ポイントポイントで乗り捨て可能)が急速に拡大してどこに行ってもみかけるようになり、それだけ自転車事故も増えているようです。

 今回の事件は、自転車道を自転車で走行中、車に割り込まれて転倒したところから始まります。本来ならば、そこで、割り込んだ車の運転手が車から降り、転倒した被害者の容態を確認し、容態に応じて対応するのでしょうが、ここでこの2人は口論になり、腹を立てた被害者が車のボンネットを叩いたのをきっかけに、加害者側がヒートアップして、自動車に乗り込み、車を再スタートさせ、あっという間にこの被害者を轢き殺したというのですから、恐ろしいことです。

 しかも、さらに驚くことに、この車を運転していた男は、17歳の娘をどこかに送っていく途中で娘を車に乗せていたというのですから、さらに驚きです。

 事件が起こったのは、平日の午後5時45分頃、パリ8区のマルゼルブ大通りですから、当然、その場に居合わせた目撃証言は多数あるわけです。

 しかも、この被害者の男性は、よりにもよって、都市を自転車に優しいものにする協会など、多くの都市計画プロジェクトに参加していた意欲ある善良な27歳の若者とのことで、彼が守ろうとしていたものが原因で命を落とすことになってしまったことは、あまりにも皮肉です。

 一時、パリには、自動車、自転車に加えて、キックボードというものが激増し、あまりの危険にパリ市民投票を行った結果、レンタルキックボードは追放され、あっという間に姿を消しました。

 しかし、依然として残る自動車、自転車、歩行者の安全な共存については、未だ問題が残されています。

 パリ市内は、車も多く、渋滞も多いため、そんなに高速で走ることはできないために、ふつうに走行していれば、そこそこの接触事故はあったとしても、そんなに深刻な事故には至らないのがふつうだと思いますが、これが、自動車と自転車と歩行者とが同時に存在するとなると、また話は別で、そもそもルールはあっても守らないのがふつうのフランス人。歩行者とて、信号が赤でも車が来なければ、平気で車道を渡るし、今回のように自動車が自転車レーンに割り込むようなことがあっても、不思議ではない気がします。

 今回の問題は、口論の末、逆ギレした自動車を運転していた男が車を凶器にして、殺人事件を起こしたことで、この男は、ただちに逮捕されています。

 週末、パリ・レピュブリック広場では、数百人がデモを行い、「自動車による暴力」の停止を要求し、自転車運転者と自動車運転者の間の同居を平穏にする措置を要求しています。

 しかし、最近はひたすら歩いている歩行者の私としては、この自転車レーンを走っている自転車もけっこう危険な場合もあり、自転車に乗っている人も気を付けてもらいたいなと思っています。


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2024年10月19日土曜日

クルッキー(クロワッサン+クッキー) の元祖 Maison Louvard メゾン・ルヴァール

  


 今、クロワッサンの進化系バージョンの「クルッキー」が人気急上昇ということで、これは一度、食べてみたい!と思い、この元祖「クルッキー」のお店に行ってきました。



 これは、クロワッサンにソフトタイプのクッキーをプラスしたもので、発売当初は1日30個ほどの売り上げだったものが、現在では、同店舗で1日1,800個は売れているとのことで、このお店は、けっこう大きめなブラッスリーと併設されていて、ブーランジェリーの部分は、小さい間口のお店で、そんなに人気で現在、パティスリー界のトレンドとも言われているものの発祥地としては、小さいブーランジェリーです。




 このクルッキー人気は、SNS(特にTikTok)で拡散され、現在では、ロンドン、ニューヨーク、シンガポールなどにもこのクルッキーレシピが広まっているのだそうです。

 このクルッキーが誕生したのは2022年のことだそうで、これを考案したルヴァール・パティスリーのトップパティシエ、ステファン・ルヴァールは、世界中がコピーするようになってこそ本物だと胸を張っているのだそうです。

 最近はSNSでの情報拡散の方が先行されるのか、こうなってくると、逆にパリジャン紙などが後から取材に来て追随するようになり、このパリジャン紙に掲載されたものや、テレビで紹介された模様などが店頭に飾られてもいます。

 このクルッキー、テイクアウトだと1個5.9ユーロ、ブラッスリー内で食べる場合は7.1ユーロと値段が異なります。

 私は、今回、このクルッキーともう一つ、クッキー+ブラウニーの「ブルッキー」を買って帰りました。



 食べる前に軽くオーブンで温めて食べるとより美味しくなります。

 ふつうのクロワッサンがだいたい1個2ユーロ程度であることを考えれば、けっこうお高めなお値段ではありますが、まあクッキーの部分もあることだし、こうなってくると、もう一つのケーキみたいな感じでもあるので、そう考えれば、まあまあ許容範囲内ではあります。

 ブルッキーの方は、さらに少々お値段が上がり、テイクアウト6.9ユーロ、イートインだと8.1ユーロです。

 とにかく、かなりのボリュームでちょっと一度に食べきってしまうのは、罪悪感がありますが、よく言えばお得感もあります。

 個人的には、できれば別々に食べたい気もしますし、私はどちらかといえば、ブルッキーの方が好みでした。

 しかし、クロワッサンだけでもかなりのカロリーのところを、そこに大胆にもソフトクッキーがつけ足されているのですから、カロリー爆弾であることには、違いありません。

 しかし、これだけ話題になり、世界中に広まったクルッキーの元祖のお店・・やはり、一度くらいは試したいではありませんか?


🌟Maison Louvard   11 rue de Châteaudun, 75009, Paris

クルッキー


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2024年10月18日金曜日

在外投票に行ってきました!

   


 私のフランスでの生活も四半世紀を超え、その前のアフリカにいた期間やイギリスにいた期間を加えれば、ほぼ30年・・つまり、最近、よく言われる「失われた30年間」の間、私は海外で過ごしていることになります。

 この間のことは、私は、日本で生活していないために、日本の生活を実感することはありませんが、だいたい一年に一度か二度、帰国するたびに、「えっ??」と感じることの変遷で「失われていった30年間」を「そういえば・・」と思い返すことができます。

 フランスに来て、当初は、もちろん、フランスでの生活に慣れないこともあり、多くのことに戸惑い、何もかもが時間がかかり、なにかミスをされても、ぜったいに謝らないフランス人に腹の立つことばかりでした。そのたびに、「ここは日本じゃないんだから仕方ないよな・・」と自分をなだめたり、久しぶりに日本に帰国した際にスーパーマーケットのレジで「これ、ちょっと傷んでいるから(ブロッコリー)変えましょうね・・」などと申し出てくれて、あまりの親切さに「え~~なんて親切なの~~?」と悲鳴をあげてしまったことを覚えています。

 それから数年経った頃から、やけに年配の男性が、工事現場の交通整理や駐車場などで働いているのが目につき始めて、あまり深くは考えずに「どう考えても、年配の人がする仕事じゃないだろうに・・日本はこんなに高齢者が働かなくちゃいけないんだろうか?」などと思うことが増えました。

 フランスでの生活は、日本とは逆に、IT化がどんどん進み、多くの手続き等がラクになり、今まで人を介するからこそ起こっていたミスも格段に少なくなり、ストレスも軽減してきて、逆に日本に行くと、「なぜ?銀行にこんなに行列?」とか不思議に思ったり、マイナンバーや保険証などのことで揉めている日本を見ていて、フランスは、いつの間にかすんなりと保険証カードなども、すべて切り替わって何の問題もなく、とっても便利になったのに・・など、「フランスにできることがなぜ?日本でできないの?」(来仏当初は日本にはできてもフランスには無理だろうと思ってあきらめることが多かったため・・)と思うことが増えてきました。

 以前は家電のお店などに行くと、目白押しに並んでいた日本製品もすっかり姿を消しています。

 フランスは依然としてダメダメなところもありますが、たしかにこの間にフランスが進化している部分が日本では、抜け落ちているのでは?と思うことはけっこうあります。

 フランスでは、概して日本という国は、アジアの中では、飛びぬけて良く見られている国で、イメージもかなり良い方だと思いますが、それはフランス人の中にある日本のイメージであって、その実態について、あまり一般の人々は知ろうとはしていないところは、幸いなことだと思ってしまうこともあります。

 でも、さすがに、日本が絶対にこのままではいけない!と私は思っているわけで、これは、海外にいてもできる在外投票は絶対にしなければならない!と強い使命感のような思いで、日本大使館に在外投票に行ったのです。

 在外投票ができるということ自体はありがたいですが、このためには在外選挙人登録証が必用で、この申請には、かなり時間がかかります。この在外選挙人証とパスポートかフランスでの滞在許可証等の身分証を提示すればできます。




 この間、大使館は、9時半から17時まで昼休みはなしで投票ができるそうです。通常の大使館の業務もぜひ、昼休みの閉館は是非、やめてほしいです。今どき昼休みってそんなことありえる?と思います。平日しかやっていないのだから、せめて昼休みの時間しか行けない人だっているのです。

 脱線しました・・。

 そして、この在外投票のための本人確認はともかく、そのために用意された用紙や封筒を何重にも使って、2段階チェックされ、最後には立ち合い人のサインとやらが加わります。そして、なんだかうやうやしく投票用紙を金庫みたいな保管場所に入れてもらうのですが、これ、今の時代にこんなやり方?と思わずにはいられません。

 当然、会場には、こんなに人員が必用?と思うほどの人が待機しています。これを全世界の日本大使館でやっているのでしょうか?

 ちなみにフランスの在外投票(海外在住のフランス人の在外投票)は、今年からネット投票が可能になっており、しかも在外選挙登録などというものは必要なく、現地で在留届を出していれば自動的に選挙に投票することができるのです。

 在外投票に来て、ますます日本は変わってほしいと、より実感した次第です。


在外投票


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2024年10月17日木曜日

カフェのテラス席がムートンで覆われる季節

  


 フランス人は本当にテラス席が好きで、特に気候の良い時期、夏などは、パラソルがあったりもするけれど、それでも陽の当たるテラス席で太陽を浴びながら食事をしたりカフェやちょっとしたドリンク類を飲みながら、ひたすら喋っている人もいれば、悠々とひとりで新聞を読んだり読書したりしている人もいます。

 暑い夏の間なども店内なら、冷房が効いているのに、それでも、多くの人は、テラス席を選ぶので、テラス席は満席でも店内は人もまばら・・なんてこともあります。なので、テラス席を潰してしまったら、かなり売上げは激減してしまうのではないか?と思うし、テラス席を工夫することは、とっても大切なことなのです。・・といっても、どこも似たり寄ったりの場合が多いですが・・。

 私などは、暑くもなく、寒くもなく、天気もよくて・・などの好条件が揃えば、テラス席もよいけれど、どちらかというと、店内の方が落ち着くな・・と思ってしまう方です。

 テラス席にも色々あって、お店の外のスペースギリギリなところに小さめのテーブルがわりとぎっしりと並んでいて、しかも歩道との境目がこれまた狭くて、車の通りもけっこうあったりする場所などだと、人の行き来も煩わしいうえ、こんなに埃と排気ガスを吸いながら、それでもテラス席がいいの??などと思ってしまいます。 

 私などは、暑くもなく、寒くもなく、天気もよくて・・などの好条件が揃えば、テラス席もよいけれど、どちらかというと、店内の方が落ち着くな・・と思ってしまう方でしたが、場所にもよりますが、行き交う人の様子を眺めながら、ゆったりした時間を過ごすのもなかなか楽しいものだ・・とも思うようになりました。

 テラス席にも色々あって、お店の外のスペースギリギリに小さめのテーブルがわりとぎっしりと並んでいて、しかも歩道との境目がこれまた狭くて、車の通りもけっこうあったりする場所などだと、人の行き来も煩わしいうえ、排気ガスを吸いながら??などと思ってしまうのですが、それでもテラス席が好きな人が多いです。

 冬になってくると、テラス席用の暖房が入りますが、これ・・本来は2021年に環境問題からテラス席用の暖房が禁止になったはず・・だと思っていたのですが、本当に消滅していない気がしています。


 この間、パリ市内を歩いていたら、カフェのテラス席に早々にムートンが敷かれているカフェがあり、そういえば、ここあたりのカフェは、冬になるとムートン敷くんだったな・・と思って、周囲のカフェも覗いてみると、やっぱり違う色のムートンが敷かれていました。



 考えてみれば、近くのカフェでこれをやられたら、どうしてもムートンが敷いてある方に座りたくなるのは、心情だと思うので、負けじと周囲のカフェもムートンを敷き始めるのはわかる気がします。

 こんなフカフカムートンには、ついつい、なんとなく腰をおろしてみたくなる誘惑にかられます。今はまだ、そこまで本格的な寒さではありませんが、外で暖房をつけ、ムートンを敷いてでもテラス席を盛り上げようとしているのがパリらしいところです。

 

テラス席のムートン


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2024年10月16日水曜日

フランスの国民的スターサッカー選手キリアン・ムバッペの大スキャンダル

  


 全ては、スウェーデンの複数の日刊紙の「フランスのスター選手キリアン・ムバッペがストックホルムのホテルでの強姦と性的暴行の捜査対象になっている!」という記事から始まっています。

 2024年からパリ・サンジェルマンからレアル・マドリッドに移籍しているフランスの国民的スターサッカー選手は、体調を整えるための準備として、レアル・マドリッドから休暇が割り当てられ、彼のスタッフらとともにストックホルムに滞在中でした。

 ストックホルムの日刊紙の報道によると、事件が発生したと言われる10月10日の夜、ムバッペはストックホルムのレストラン「シェ・ジョリー」で数人のグループと一緒に食事をした後、数人とクラブ「V」へ向かったと言われています。その夜、告訴状にある強姦事件が発生したと見られており、同紙は「被害女性が治療を求めた後、土曜日に警察が告訴状を受け付けた」とされています。

 スウェーデンの日刊紙は、名指しで報道していますが、スウェーデンの警察は、「サッカー選手の強姦・性的暴行事件の捜査が進行中であること」は認めているものの、該当する人物の名前については、明らかにしていません。

 この国民的スター選手の大スキャンダルは、瞬く間にSNS上でも拡散され、フランスのテレビのニュースでも大騒ぎになっています。ムバッペ本人は、すぐにX上で反応し、これがフェイクニュースであることを訴え、また彼のスタッフは、著しい誹謗中傷・事実と異なる内容の拡散に関しては、断固として、法的手段に訴えることを発表しています。

 このニュースが疑わしいのは、この報道が出たタイミングが彼と古巣のPSG(パリサンジェルマン)との間の金銭問題の公聴会が予定されていた前日というタイミングであったことで、こんなにピンポイントで、これまでほぼノースキャンダルであった彼の大スキャンダルが噴出するものかどうか?ということです。

 ちなみに、PSGとの金銭問題は、彼がPSGに対して未払い賃金やその他のボーナスとして5,500万ユーロを要求している一方で、PSG側は、彼が1ヶ月間チームから離れた後にボーナスの一部を放棄することで合意していたと主張しているものです。

 彼の弁護士は、「彼は決して、一人で行動することはなく、そもそも容易に彼に近付ける者はおらず、あり得ないことである」と一喝して否定しています。

 このような大騒ぎになって、逆に彼に名誉棄損や誹謗中傷などで訴え返された場合、想像もつかないほどの損害賠償を請求されることになると思いますが、それだけの覚悟があってのことだとしたら、大変なことです。

 どうにも、報じているのがスウェーデンのマスコミということで、今一つ、細かなところがわからないのですが、フランスの国民的スターのスキャンダル・・早く無実が証明されてほしいです。


ムバッペ 大スキャンダル


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2024年10月15日火曜日

サノフィ・ドリプラン等の一般消費者向け薬品部門売却に見る企業の収益性と国の関係

  

 サノフィはフランス最大手の製薬会社・多国籍企業で、フランス人なら知らない人はいない「ドリプラン」の会社です。サノフィという名前は知らなくとも「ドリプラン」を知らないフランス人はいないといっても過言ではないほどのフランス人にとっては国民的な薬を作っている会社です。

 ドリプランはいわゆるパラセタモール・鎮痛・解熱剤です。

 具合が悪ければ、「とりあえず、ドリプラン飲んどけ!」というほど・・ドリプランは有名な薬で、ドリプランを置いていない薬局は恐らくフランスには存在しないと思います。

 コロナウィルスが大流行した時も、医者にかかっても、特定の治療薬はなかったため、結局、「ドリプラン飲んどけ!」で終わりだった・・と嘆いている人は多く、また、この時期、ドリプランが国内で品不足になり、政府も「今後は、必要最低限の薬品、パラセタモール等は、国内生産を増やすようにする」と宣言していました。

 それが、サノフィが消費者向け薬品部門(ドリプラン等)をアメリカのファンドCD&Rに売却する意向を発表し、ドリプランが消える??とアメリカに買われる?と大騒ぎになっています。

 フランス国内にあるサノフィのいくつかの工場の従業員は、ストライキを起こして騒ぎはじめ、経済産業大臣はノルマンディーにある工場を訪問し、ドリプランは引き続きフランスで製造すると約束して従業員をなだめましたが、会社側が買収交渉を行っている中、政府がこの約束をできるというのが、理解できません。

 このサノフィの一般消費者向けの薬品部門は、それなりに収益があるとはいえ、サノフィCEOの「より収益性の高い医薬品に注力したい(同社の主力分野である免疫学での治療法の開発を優先したい)」という方針により、同部門の売却が進められていると言われています。(ただし、売却といっても、50%を売却ということらしい)

 国民の公衆衛生の使命を伴う根本的な産業であるだけに政府が口を出そうとするのは、当然のことではありながら、結論としては、国にはそれを止める権利はなく、現在の法律で決められている範囲内で、とりあえず、従業員の補償を確保することは可能で、フランスでの雇用と生産を維持するために 3 年から5 年の補償と猶予期間が設けられるであろうことは、予想できますが、そもそも会社がこの部門を切り捨てようとしているのは、フランス国内で低コストの製品を生産するほどの利益は出ていないからこそ売却に踏み切ったわけで、政府が口をはさめることではありません。

 買収する側の会社からしても、収益性が低いからと売却されたものをこのままの形にとどめておくことは考えにくいのは、当然のことです。

 そもそも、すでにサノフィは約100ヵ国で10万人以上の従業員を抱える多国籍企業で、もはやフランスを含む欧州以外からの売り上げが70%以上を占める巨大な企業。さらなる収益性を追求していくために、収益性の低い部門を切り捨てるのは、企業としての今後の展開を考える方針は理解できないではありません。

 規模は違いますが、先日、起こったラクタリス(乳製品製造企業)のフランス国内での牛乳回収削減とも類似性がある問題で、国内の酪農業を守ろうとする国と企業、そして、今回のサノフィの企業の収益性を追求するためのアクションと国民の公衆衛生を守ろうとする国の立場、収益性を追求しつづける企業と国の産業や国民の安全を守ろうとする立場は、相容れないのでしょうが、今後、政府はどう対応していくのでしょうか?


ドリプラン サノフィ


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2024年10月14日月曜日

物議を醸す盗難防止ボックス入りの板チョコ

  


 大手スーパーマーケットチェーン店モノプリ MONOPRIXが板チョコを盗難防止ボックスに入れて陳列したことが物議を醸しています。

 ここ1年でスーパーマーケットにおける万引きが14%増加したと言われており、内務省も万引きが増加傾向にあり、この現象は、インフレとともに悪化していると発表しています。

 一般的にスーパーマーケットの盗難防止装置のロックやチケットなどは、比較的高価な商品(アルコール類や電子機器類に関するもの)につけられていたり、ボックスの中に隠されて設置されたりしているのがふつうで、あまり高価なものを買わないので、私には、あまり縁がなく、しかも、これがついていると、外してもらったりするのに、手間取ったり時間がかかったりすることもあり、むしろ、買うのをやめてしまったりもします。


 

 しかし、今回、物議を醸しているのは、これがなんとチョコレート・・しかも、ごくごくふつうの板チョコで、それほど高価なものでもない、せいぜい2ユーロ~4ユーロ程度のもので、「いくらなんでも、ちょっと大げさなのではないか?」との声が上がっています。

 このために手間暇かけて、逆に商品が値上がりしてしまうのでは?と人々の関心はそちらの方に向かっています。

 現在のところ、これを実施しているのは、マルセイユにある1店舗での試みだそうで、この店舗では、実際に板チョコの万引きが増加しており、その被害額は月あたり500ユーロ(約81,500円程度)に相当するそうで、チョコレートの単価から単純に計算すると、月あたり、170枚近くの板チョコが盗まれていることになるので、この単体だけからみると、かなりの被害とも言えます。

 同様の取り組みは海外でも実施されており、英国ではチーズやバターに盗難防止アラームが設置されているケースがあったり、アメリカでは洗濯洗剤の容器がチェーンで保護されている場合もあるとも報道されていますが、板チョコを盗難防止のケースに入れて陳列するというのは、どうにも割に合わなさそうな気もします。

 しかし、さすがにチョコレート好きの国民だけに、万引きの多い商品のベスト5にはチョコレートが入っているのだそうで、最近のトレンドとしては、電動歯ブラシの詰め替え用ブラシが急上昇中なのだそうです。

 この万引きの増加の波の最初のきっかけは、セルフレジの拡大で、これは、当初から、「こんなのフランスで通用するのかな?」と私でさえも思ったくらいだし、実際に買い物をしていると、そんなに厳しくチェックされている実感もなく、一応、セキュリティの人がいたり、出口には、レシートのバーコードを通すようになっていたりするのですが、一応のお決まりの行程というだけで、それがどの程度、効果的な工程になっているのかは甚だ疑問です。

 そして、その後の波が加速したのは、インフレが原因とされているようです。

 そもそも、少々の万引きくらいでは、警察も呼ばずに商品の分のお金を払っておしまいというのが多分、大半なのではないか?と思い、この扱いがとっても軽いです。

 もっとも、治安が悪すぎるので、こんなことにまで対応していたら、警察はパンク状態になるだろうというのは、悲しい現状です。

 今回のこの店舗の盗難防止入りの板チョコは、これだけ話題にのぼったということで、「店側が警戒を強めている!」という警告の意味合いが強いのだとは思いますが、なんとも情けないというか、ここまでしなければならないのか?と暗澹たる思いです。


盗難防止ボックス入り板チョコ


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2024年10月13日日曜日

平均寿命はどこまで延びるか?

  


 INSEE(国立統計経済研究所)の発表によると、2023年のフランスの平均寿命は、男性で 80.1歳、女性で85.8歳に達し、2022年と比べると、かなり明らかに伸びています。

 実際に、マスコミで報道される有名人の訃報などを見ても、けっこう長生きしたんだな・・と思うことも多いし、先日、亡くなったアラン・ドロンも88歳でした。周囲の友人・知人のご両親なども、90歳を超える両親がパリで2人で暮らしているのを毎週、身の回りの世話をしに行っているとか、自宅に引き取っていた義母が100歳を超えて、ついに亡くなったとか、明らかにこの平均年齢を遥か超えるほど長生きしている話を聞くことがあって、この平均寿命は、あくまでも平均であって、それよりも長生きしている人もたくさんいます。

 現に夫は57歳で亡くなってしまったので、彼のように早く死んでしまう人も統計には組み込まれているために、平均寿命が80~85,8ということは、すごく長生きの人もけっこういるということです。

 しかし、長寿国としては、日本には、まだまだ及ばないフランスではありますが、この平均寿命が延び続けているのは、一体、どこまで、いつまで続くのか?その場合は、どうなるのか?ということもINSEE(国立統計経済研究所)は予測しています。

 彼らの予測では、2070 年には女性の寿命は90歳、男性で87歳に達し、100歳以上の高齢者が27万人になると予測しています。しかし、一方では、この平均寿命の延びは、鈍化していることも事実で、これまでの寿命の延長は、予防や治療に加えて、生物学的老化を遅らせる技術の進歩であり、これには限界があり、遠からずピークに達するということも述べています。

 日本とフランスを比べてみると、新型コロナウィルス感染が恐ろしく拡大したりした経緯を見ても、公衆衛生管理は日本は断然、優れているし、食生活を中心とする生活習慣などから見ても、どう考えても日本の方が長寿国である理由は明らかであるような気がするので、前向きに考えれば、フランスはまだ伸びしろがあるのかな?とも思います。 

 しかし、寿命が延びることは、喜ばしいことである一方、いわゆる健康寿命というものは、必ずしも最期まで続くわけではないので、個人差があるとはいえ、周囲の様子を見ていると、80歳を超える頃になると、明らかに大きな変調が表れるような気がして、本来の寿命というものは、せいぜい80歳程度なのではないか?と思うこともあります。

 私の両親は、母は平均寿命には遠く及ばず、父はほぼ平均寿命どおりくらいに他界しているので、それ以上の高齢になった場合を目の当たりにはしていませんが、この健康寿命を超えてもなお生きていることが幸せなのだろうか?と、最近、私は、寿命そのものよりも健康寿命や、むしろ、そこそこのところで死ねなかったらどうしよう?という不安の方が大きいです。


フランスの平均寿命


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2024年10月12日土曜日

バルニエ政権が発表した2025年度4,000人の教職員削減

   


 新政府の来年の予算案作成について、600億ユーロの赤字を是正することから、あらゆる部門で削減、削減・・と緊縮財政の中身がひとつひとつ取り上げられつつあり、その中には、公務員削減という項目もあり、なるほどね・・と思っていましたが、まさかの教育部門の削減には、少々、驚いています。

 個人的な印象ではありますが、フランスは、比較的、子どもの教育や若者支援に対して積極的なイメージもあり、実際に教育に力を入れようとしてきたように感じていたので、まさかの教職員削減とはビックリしたのです。

 しかし、実際には、うちの娘は小学校から高校までは私立の学校に通っていたので、公立の小中学校の現実は、正直、よく知りません。ただ、周囲の諸先輩の方々から、再三、小学校からは私立に行かせた方がいいと激しく勧められたということは、公立校での不具合がわかっているから・・という逆説的な見方をすることはできます。

 ここ数年のマクロン大統領をはじめとした政府の方々の発言などを見ていると、とにかく子どもの教育に力を入れて真剣に取り組んでいくということを話しておられたので、まさかの教職員削減ということには、驚いたのですが、実のところは、ここ数年、4,000人とまではいかなくとも、2023年(1,500人)と2022年(2,000人)にすでに削減されていたようです。

 政府側は、この削減を少子化による学生数の減少を主な理由に挙げていて、2024年学年度開始時点で学生数はすでに8万3,000人減少しており、2025年には97,000人減少し、今後この学生数の減少はさらに加速するはずであるとしています。

 なるほど、そう言われてみると、学生の数が減れば、クラスを縮小したりするのは、当然、合理的な判断でもあり、この削減で最も影響を受けるのは、幼稚園、小学校部門で、4,000人のうちの3,155人がこの部門に関する削減のようです。

 そう考えてみると、少子化がもっと進んでいる日本の学校はどうなっているのだろう?と心配になりますが、子どもが減れば、教師の数が減るのは、当然といえば、当然なのかもしれません。

 とはいえ、この4,000人の教職員の削減については、CFGT(フランス民主労働総同盟)の事務局長や中等教育組合である Snes-FSU の会長らは、「公立学校を犠牲にするバルニエ政府は、価値がなく、無責任だ!スキャンダラスな案件だ!」と反発の声が上がっています。

 この教職員とは恐らく別なのですが、フランスの小中学校では、別に削減できるのではないか?と思っていることがあって、日本の学校ではあたりまえのようにある「掃除当番」や「給食当番」がフランスには、ないことです。つまりお掃除のために雇っている人員が多いということです。

 自分たちが使っている教室くらいは、自分たちで掃除すれば、よいだろうと思うのに、これが、お掃除の人が別にいて、生徒たちは、学校でお掃除はしません。キャンティーンも教室で食事するということはないので、食事する場所に移動して食事するので、自分たちで給仕したりすることもありません。

 これは、文化の違いでもあるので、簡単には変えられないのかもしれませんが、私は、日本の学校の「掃除当番」などの習慣は、決して悪くないことだと思っています。

 実際に、娘が小学生の頃、日本の学校に夏休み前の期間に一時入学させて頂いたときも、「決してお客さん扱いせずに、掃除当番や給食当番などもさせてください」と日本の学校の先生にお願いしたくらいです。

 しかし、考えてみれば、少子化ということは、こういうこと・・・で、子どもが減って行けば、教職員も過多になる・・ということで、なんと悲しいことかなとも思います。


フランス4,000人教職員削減


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2024年10月11日金曜日

タトゥをしているフランス人が増えた

  


 私は、健康のため、定期的に運動することを心掛けています。以前は、勤務先から家に帰る途中にあったジムに会員登録していて、仕事と家に帰る途中の切り替えの場として、ほんの短い時間でも、軽く身体を動かしたり、泳いだり、サウナやハマムに入ったりしていました。なかなか清潔で心地よい空間だったので、かなり気に入っていました。

 ところが、そのお気に入りのジムはパンデミックの間に潰れてしまい、その後は、最低でも週1回はプールに行くようにしていました。

 プールに行けば、最低1㎞は泳ぐことにしていたので、とりあえずはガシガシとわきめもふらずに泳いでいました。

 ここのところ、少々、体調が悪いため、ひたすらガシガシと泳ぐのは、半分くらいにして、あとは、水の中を歩いたり、水中でストレッチやヨガのようなことをして、身体をほぐすようになり、なんだか高齢者に片足を突っ込んでいるような気がしつつも、体調が回復したら、元のように泳ごうと思いつつ、水中でのエクササイズも悪くないと思い始めています。

 ひたすら、泳いでいる時とは違って、このようにエクササイズなどをしていると、自然と周囲の人々の様子が目に入るようになり、何気に人を観察することになり、そんななか、「えっ?フランスって、こんなにタトゥーをしている人が多かったっけ??」とちょっとビックリしています。

 日本ほど、タトゥーがタブーな感じはないとはいえ、プールの職員の男性なんて、ほぼほぼ全員にタトゥーが入っている感じ、大小さまざまだし、どちらかといえば、色褪せた感じもするような色でもあります。

 そこで、ちょっと調べてみたら、確かにフランスのタトゥー人口は、ここ10年で約2倍になっているそうで、フランス人の約20%がタトゥーを入れているのだそうです。

 そして、もっと驚くのがタトゥーを入れているのは、男性よりも女性の方が多い(女性21%に対して、男性17%)というデータです。また、年齢層から見ると18~35歳(29%)が最も多く、タトゥには、中毒性のようなものがあり、思い切って、一度入れると、もう一度行きたくなるのだそうです。

 プールで目につくのは、ひたすら、男性のタトゥの方が多いのですが、実は女性の方が多いとは、意外でした。

 フランスにはタトゥーパーラーが約4,000軒以上もあり、驚くことに、このタトゥ市場は、年間2億ユーロ以上にもなるのだそうです。一度、シャトレのあたりを歩いていて、このタトゥーパーラーを見かけたこともあるのですが、私が気が付かないだけで、実はもっとたくさんあるみたいです。

 私は、まったくこれをやりたいと思ったこともないし、逆に、痛いだろうにな・・とか、一度入れてしまって、飽きないのかな?などと、思いますが、これは、アイデンティティの表現のひとつであると説明するものもあり、また、タトゥーの永続的な性質が安定をもたらすという見方をする人もいます。

 日本では、「入れ墨お断り」とする温泉やっ公衆浴場などがあるそうですが、海外でこれだけタトゥー人口が増え、またそういう人々が日本を訪れることもあるだろうに、そういう場合はどういう対応をしているのかな?と、思います。


タトゥー


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2024年10月10日木曜日

雨の日がグッと増えたパリ さすがのフランス人も傘をさす

 


 最初にパリに来た頃は、フランス人は雨でも傘をささないのに驚きました。ちょっとの雨で、少々、濡れるくらいは気にせず、サッとフードを被って小走りに通り過ぎていきます。

 そんな、妙な習慣も、気候が影響していることで、たいていの雨は、サッと降って、サッとやんでしまうことが多かったので、ちょっと軒先で雨宿りしていれば、そのうちやんでしまうような雨が多かったのです・・以前は・・。

 それにしてもフード付きのコートにしても、コートが濡れることには変わりないし、コートが濡れるのも嫌だし、気持ち悪いので、私は、いつも折りたたみの傘を持ち歩いていました。ある日、うっかりバスの中にお気に入りの折りたたみの傘を忘れかけて、バスを降りた途端に忘れたことに気付いて、走り出したバスを慌てて追いかけて、ドンドンドアをたたいて、バスをとめ、運転手さんに頼んで、ドアを開けてもらって、「傘を置き忘れました!」と私が置き忘れていた傘をちょうど自分のバッグに入れようとしていた女性を見つけて、「それ!私のだから!」と取り戻したことがありました。

 まあ、置き忘れた自分が悪かったのですが、「傘、ささないくせに、欲しいんだ・・」とその時は、思ったものです。

 しかし、私もこちらの生活に慣れるにしたがって、折り畳みの傘でさえも持ち歩くのが億劫に感じるようになり、できるだけ、フードのついたコートを着ることが多くなり、多少の雨なら気にしないようにもなりました。

 娘の学校でも、小学校低学年までは、傘は危険だからという理由で学校に持ち込むことは禁止で、どちらにしても、小学生のうちは、学校には、送り迎えしていたので、雨が降っている場合は、親が子どもの傘を持ち帰り、お迎えの時にまた、傘をもってお迎えというカタチをとっていました。

 傘は考えようによっては、先が尖っているし、危険と言えないこともありませんが、危険のないように使うことを学ばせたっていいじゃないの?とも思いましたが、要は、学校で傘の管理をするのが学校側の仕事を増やすことになるため、その危険のあるものの持ち込みは禁止して、できるだけリスクは減らすということだったのでしょう。

 とはいえ、大人でさえも、そんなに傘を持ち歩かずに、ちょっとの雨くらいは、フードをかぶって済ませるくらいなので、傘というものは、なければないで、そんなに問題のあるものではなかったのかもしれません。

 ところが、最近は、気候変動?なのか?めっきり雨の日が増えて、しかも、一日中雨‥という日も少なくなくなりました。

 今年に入ってからは、本当に雨の日が多く、夏の初めもいつまでもお天気が悪く、いつになったら、夏らしい晴天がやってくるのだろうと思った記憶もあるし、皆さま御存知のとおり、パリオリンピックの開会式もセーヌ川沿いの開会式というのに、けっこうな雨・・その後、オリンピック開催中は、比較的晴天に恵まれたものの、ここのところ、また毎日のようにお天気が悪く、雨の日が多く、昨日も一日中雨、しかもけっこうな量の雨と風で、参りました。

 さすがにここまで雨が一日中降るようになると、さすがのフランス人も傘をさすようになってきて、「やっぱり、これだけ、降ってたら、傘さすよね・・」と思いながら、わりとぼろい傘でも平気でさしているフランス人の背中を見ながら思います。

 折りたたみの傘にしても、ふつうの傘にしても、不器用な人が多いのか?きれいに傘を畳んでいる人はあまりみかけません。

 そういえば、これまであまり見かけなかった傘立てもたまには、最近ではたまに見かけるようになって、昨日、ラボに検査の結果を取りに行って、濡れた傘をどうしよう?と思ったら、傘立てらしきものがあって、その傘立てと思われるものに刺しておくのではなく、折り畳み傘を畳まずにのせる感じでおいている傘があったので、あらら・・と思って、その隙間に置かせてもらいました。

 RATP(パリ交通公団)では、駅(メトロ)によっては、傘の貸し出しサービスもやっているとか・・やっぱり、この気候の変化に伴って、さすがのフランス人にも本格的に傘は必需品になりました。

 春夏秋冬にかかわらず、お天気さえよければ、最高の景色のパリですが、こう雨ばかり続くとなんだかフランスのイメージも変わってきます。

 おしゃれなものがたくさん生まれるパリですが、次第におしゃれな傘がたくさん生まれる日も来るかもしれません。


フランス人と傘


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2024年10月9日水曜日

14歳の殺し屋と50ヶ所をメッタ刺しにされ、生きたまま焼かれた15歳の被害者

  


 つい先日、SNSで雇われた14歳の殺し屋が刑務所に服役中の雇い主からの通報により逮捕されたという事件がありましたが、この原因ともなった、その数日前に起こった殺人事件は、さらに残酷なものであったことがわかってきました。

 その両方の事件には、マルセイユ3区ベル・ド・メのムーラン・ド・メ市での取引地点を争うDZマフィアと「ブラック・クラン」との間のクラン抗争の一端であり、そのどちらもが、人を殺害するという極めて深刻な事柄にもかかわらず、かなり現場の指示が杜撰で、先日の14歳の殺し屋によるVTC運転手殺人事件も、本来のターゲットはVTCの運転手ではなく、別にいた模様で、被害者のVTC運転手は、明らかに巻き添えを食って殺害された模様です。

 その前に起こっていたと言われる殺人事件の被害者は15歳の少年で、なんと、この少年もSNSで募集され、敵対する勢力のメンバー宅の襲撃と放火を2,000ユーロで請け負っていたとのことで、友人を伴い現場に向かったところが、逆に反撃にあい、拳銃をもっていたことから、逆襲を受けナイフで50ヶ所以上刺され、生きたまま焼かれるという(解剖結果により判明)残虐的な方法で殺害されてしまいました。

 この2つの事件は、関連しているものでありながら、もともとの目的?とは少しずれた対象に対して発生しており、また、実際の抗争者たちは、彼らではなく、彼らは単にお金で殺人等を請け負ったがために、巻き込まれて殺された駒の一つにすぎないわけです。

 このような危険な依頼に対して、その広告がSNSで出されようと何だろうと、彼らが、今や麻薬密売などだけではなく、殺人でさえも請け負ってしまう・・そして、失敗すれば、いとも簡単に殺されたり、雇い主からの通告で逮捕される・・。しかも、それが14歳、15歳という極めて低年齢であることは、信じがたいことですが、現在起こっている現実です。

 しかし、いずれにせよ、この問題の根幹にあるものは、麻薬・覚せい剤等による巨大マネーであり、それに銃器売買や人身売買などで雪だるま式に巨大な勢力になり、その勢力争いのために起こる殺人事件・・そして、その駒となりお金目当てにいとも簡単に殺人を請け負い、結果的には、自身が殺される未成年です。

 この勢力争いの中心となっている地域は、北部地区からマルセイユ市中心部の3区に移り、ヨーロッパで最も貧しい地区の一つであるベル・ド・メ地区に移動しつつあると言われています。

 つまり、麻薬による巨大マネーを握っている勢力が狙っているのは、最も貧しい地域の人々で彼らは最も貧しく、弱い立場の人々を食い物にし、その貧しい者同士を抗争の駒として使っているという悲しい現状なのです。


犯罪の低年齢化


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2024年10月8日火曜日

電気料金は値下げでも電力税は値上げ

  


 よく選挙前の公約違反などと言いますが、フランス政府は、今年、前半の国民議会選挙まえに、明らかに選挙対応という感じで、当時の財務相は、「2025年2月電気料金10%~15%値下げ」を発表していました。

 あれから、政府が交代しているとはいえ、首相や財務相がかわったところで、同じマクロン政権下にあるフランス政府です。

 ただ、首相が交代して以来、どうにもこうにも来年度予算の作成にあたっては、増税に次ぐ増税のお知らせばかり・・。今度は、電力に関わる2種類の税金・CRIM(限界賃貸料負担金)とTICFE(国内電力消費税)の引き上げを検討していると言われています。

 このCRIM(限界賃貸料負担金)は、電気料金の高騰を受けて2022年に導入されたもので、卸売価格が一定の基準を超えた場合に発電事業者が生み出す超過収入の一部を回収することを目的としていました。 CRIM は当初、2022 年 7 月から 2023 年 12 月までの期間限定で実施されていましたが、2024 年末まで延長され、それが再度、延長が検討されるということのようです。

 そして、TICFE(国内電力消費税)に関しては、2021年末のインフレ危機(エネルギー危機)の対応として、フランス政府がとった関税シールドの話を抜きにしては、語ることができません。

 この関税シールドは、2021年以来のエネルギー危機により、グングン上昇していったエネルギー価格から国民を守るためとして施行されたもので、この値上げに政府が介入することで、国民のショックを和らげていると政府は再三、主張してきました。実際に、「他の欧州諸国の価格を見よ!フランスは政府が介入しているために、近隣の欧州諸国ほどには、値上がりはしていないはずだ!」とフランス政府は、声をあげていました。

 しかし、政府が介入して、他の欧州諸国よりは値上がりを抑えてきたとはいえ、着実にエネルギー価格は上昇していたのですから、国民からすれば、それほど恩恵は感じにくかったと思います。

 そして、この関税シールドは、段階的に元に戻していく方向で動いていましたが、ここへきて、一気にこのエネルギー危機の前の状態に戻し、税率を引き上げる方向で検討中ということらしいです。現在、若干、エネルギー価格が値下がりしてきたとはいえ、2021年末から比べれば、格段に上昇しているエネルギー価格に以前と同様、あるいは、それ以上の税金がのせられるということは、なかなかショッキングなことです。

 また、それに併せて、電力生産者に向けての税率が上昇すれば、それは、結局のところ、そのまま、消費者への販売価格に転嫁される可能性が高く、消費者はダブルで被害?を被ることになります。

 我が家の電気代の請求書は2ヶ月に1回やってきますが、もう電気代などは、もう否応なしに、言われた金額を支払うしかなく、あまり細かくは詳細は見ていないのですが、なんだか、細かく、どんなことに電気を使用しているか?とその割合などを記載してくれてたりもしています。

 しかし、ある時、気付いたのは、実際の電気料金なら、そんなに高くないのに、税金が含まれたトータルの金額になると、こんなに違うの?と思うくらい違って驚いたことがあります。えっ?電力消費税ってこんなに高いの??と。

 フランスの場合、一般的なお買い物等の消費税に関しては、内税になっているので、表示は税込みの価格なので、実際にあまり税金を支払っている実感がないままに支払っているのですが、電気料金の場合は、その内訳がわかりやすく表示されているだけに、なんとなくダメージが大きいです。

 いずれにせよ、選挙前には、電気料金値下げを約束したものの、その値下げが開始される前(値下げは来年の2月からの予定)から、(値下げはするものの、・・)税金はあがると言われてみれば、なんだか騙されたような感じがしてしまうのも否めません。政府としたら、危機時にかなりの援助をしたにもかかわらず、今となっては、あまり感謝もされていなかったどころか、さらに、ここで増税では、実際以上に印象が悪くなった結果を生んでしまった気がします。


フランス電力税増税


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2024年10月7日月曜日

2024年フラングランプリ最優秀賞受賞のブーランジェリー ラ・ポンパドール LA POMPADOUR

  



 毎年、バゲットコンクール、クロワッサンコンクールなど、様々なコンクールがあるパリで、今一つ、盛り上がりにかけえる気もする「フラン」のコンクールですが、この「フラン」というお菓子は、たいていフランスのブーランジェリーには、必ずある定番のお菓子で、かなりのポピュラーな存在のものです。

 ベースはカスタードクリームでこのカスタードクリームをタルト生地にのせて焼いたもので、そのお店のクォリティーを知るには、そのシンプルな素材ゆえに、フランを食べてみれば、そのお店のレベルがわかるような気もしています。

 最近、私は、ブーランジェリーが気になって仕方なく、気になっっているブーランジェリーには、できるだけ行ってみるようにしているので、なんとなく、このお店は良さそうだ・・という勘が働くようになりました。

 とはいえ、パリには、星の数ほどあるブーランジェリー、まだまだ奥が深いです。




 先日、今年、フラングランプリで優勝したお店があるというので、行ってみたら、これが、見事に感動的なお店でした。なんといっても、パンにせよ、ヴィエノワズリーにせよ、ケーキ類にせよ、種類が豊富でどれもこれも美味しそうで、ちょっと、久しぶりに興奮しました。・・パン屋で・・。



 とりあえず、そのグランプリ受賞のフランは買うとして、どれかもう一つくらいは絶対に食べてみたいし、できれば、パンかヴィエノワズリーの一つでも・・と、ショーケースの前を行ったり来たりとずいぶん悩みました。

 結局、さんざん悩んだ挙句に、ナチュールのフランとサントノーレ、オラニエ、クルミやレーズンなどのドライフルーツ入りのパンを買ってきました。

 当然、フランは、シンプルな味で美味しかったのですが、それよりも感動したのは、ここのサントノーレで、このサントノーレに使われている生クリームの部分がマスカルポーネのクリームで、これが超絶美味しく、シューの部分のカラメルもカリカリで香ばしく、ちょっと感動ものでした。



 これは、しばらく通って、もう少し、色々な種類のものを食べてみようと思っています。

 日本では、この「フラン」というお菓子。今一つ、マイナーな気がしますが、逆にこのブーランジェリー良さそう!というお店に行ってみて、ここのお店のスペシャリテは?と聞いてみたりすると、「どれもこれも美味しいけど、以前にフランコンクールで優勝したことあるから、フランかも?」などと言われたりすることもあり、実際に食べてみると、とっても美味しく、他のものも、けっこうレベルが高いので、フランの美味しいブーランジェリーは、他のものも、おしなべてレベルが高い・・ような気がします。

 コンクールで優勝したからといって値段が吊り上がったりすることもなく、いわゆる日本でも有名なようなパティシエのお店などと比較すると、ごくごくふつうな一般的なお値段であることも魅力的です。



 今回、買ってきた他のものも全て「大あたり!」で、かなり大ぶりなオラニエやドライフルーツ入りのパン(味見してみたいからと3切れだけ切ってもらうというセコい買い方をしました・・)もちょっとオーブンであぶってバターを薄く塗って、甘味と塩見を楽しみながら頂きました。これは、けっこうズッシリしていて、食べ応えがありました。

 今後、しばらくは、このお店に通うことになりそうな気がしていますが、それでも、まだ知らないお店にもたくさん行ってみたいところがあるので、そのどっちを取るべきかは、悩ましいところです。

 しかし、我ながら、平和な悩みです。


LA POMPADOUR 

110 Rue de la Tour 75016 Paris 


2024年フラングランプリ最優秀賞 ラ・ポンパドール  


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