2024年10月10日木曜日

雨の日がグッと増えたパリ さすがのフランス人も傘をさす

 


 最初にパリに来た頃は、フランス人は雨でも傘をささないのに驚きました。ちょっとの雨で、少々、濡れるくらいは気にせず、サッとフードを被って小走りに通り過ぎていきます。

 そんな、妙な習慣も、気候が影響していることで、たいていの雨は、サッと降って、サッとやんでしまうことが多かったので、ちょっと軒先で雨宿りしていれば、そのうちやんでしまうような雨が多かったのです・・以前は・・。

 それにしてもフード付きのコートにしても、コートが濡れることには変わりないし、コートが濡れるのも嫌だし、気持ち悪いので、私は、いつも折りたたみの傘を持ち歩いていました。ある日、うっかりバスの中にお気に入りの折りたたみの傘を忘れかけて、バスを降りた途端に忘れたことに気付いて、走り出したバスを慌てて追いかけて、ドンドンドアをたたいて、バスをとめ、運転手さんに頼んで、ドアを開けてもらって、「傘を置き忘れました!」と私が置き忘れていた傘をちょうど自分のバッグに入れようとしていた女性を見つけて、「それ!私のだから!」と取り戻したことがありました。

 まあ、置き忘れた自分が悪かったのですが、「傘、ささないくせに、欲しいんだ・・」とその時は、思ったものです。

 しかし、私もこちらの生活に慣れるにしたがって、折り畳みの傘でさえも持ち歩くのが億劫に感じるようになり、できるだけ、フードのついたコートを着ることが多くなり、多少の雨なら気にしないようにもなりました。

 娘の学校でも、小学校低学年までは、傘は危険だからという理由で学校に持ち込むことは禁止で、どちらにしても、小学生のうちは、学校には、送り迎えしていたので、雨が降っている場合は、親が子どもの傘を持ち帰り、お迎えの時にまた、傘をもってお迎えというカタチをとっていました。

 傘は考えようによっては、先が尖っているし、危険と言えないこともありませんが、危険のないように使うことを学ばせたっていいじゃないの?とも思いましたが、要は、学校で傘の管理をするのが学校側の仕事を増やすことになるため、その危険のあるものの持ち込みは禁止して、できるだけリスクは減らすということだったのでしょう。

 とはいえ、大人でさえも、そんなに傘を持ち歩かずに、ちょっとの雨くらいは、フードをかぶって済ませるくらいなので、傘というものは、なければないで、そんなに問題のあるものではなかったのかもしれません。

 ところが、最近は、気候変動?なのか?めっきり雨の日が増えて、しかも、一日中雨‥という日も少なくなくなりました。

 今年に入ってからは、本当に雨の日が多く、夏の初めもいつまでもお天気が悪く、いつになったら、夏らしい晴天がやってくるのだろうと思った記憶もあるし、皆さま御存知のとおり、パリオリンピックの開会式もセーヌ川沿いの開会式というのに、けっこうな雨・・その後、オリンピック開催中は、比較的晴天に恵まれたものの、ここのところ、また毎日のようにお天気が悪く、雨の日が多く、昨日も一日中雨、しかもけっこうな量の雨と風で、参りました。

 さすがにここまで雨が一日中降るようになると、さすがのフランス人も傘をさすようになってきて、「やっぱり、これだけ、降ってたら、傘さすよね・・」と思いながら、わりとぼろい傘でも平気でさしているフランス人の背中を見ながら思います。

 折りたたみの傘にしても、ふつうの傘にしても、不器用な人が多いのか?きれいに傘を畳んでいる人はあまりみかけません。

 そういえば、これまであまり見かけなかった傘立てもたまには、最近ではたまに見かけるようになって、昨日、ラボに検査の結果を取りに行って、濡れた傘をどうしよう?と思ったら、傘立てらしきものがあって、その傘立てと思われるものに刺しておくのではなく、折り畳み傘を畳まずにのせる感じでおいている傘があったので、あらら・・と思って、その隙間に置かせてもらいました。

 RATP(パリ交通公団)では、駅(メトロ)によっては、傘の貸し出しサービスもやっているとか・・やっぱり、この気候の変化に伴って、さすがのフランス人にも本格的に傘は必需品になりました。

 春夏秋冬にかかわらず、お天気さえよければ、最高の景色のパリですが、こう雨ばかり続くとなんだかフランスのイメージも変わってきます。

 おしゃれなものがたくさん生まれるパリですが、次第におしゃれな傘がたくさん生まれる日も来るかもしれません。


フランス人と傘


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