2024年10月14日月曜日

物議を醸す盗難防止ボックス入りの板チョコ

  


 大手スーパーマーケットチェーン店モノプリ MONOPRIXが板チョコを盗難防止ボックスに入れて陳列したことが物議を醸しています。

 ここ1年でスーパーマーケットにおける万引きが14%増加したと言われており、内務省も万引きが増加傾向にあり、この現象は、インフレとともに悪化していると発表しています。

 一般的にスーパーマーケットの盗難防止装置のロックやチケットなどは、比較的高価な商品(アルコール類や電子機器類に関するもの)につけられていたり、ボックスの中に隠されて設置されたりしているのがふつうで、あまり高価なものを買わないので、私には、あまり縁がなく、しかも、これがついていると、外してもらったりするのに、手間取ったり時間がかかったりすることもあり、むしろ、買うのをやめてしまったりもします。


 

 しかし、今回、物議を醸しているのは、これがなんとチョコレート・・しかも、ごくごくふつうの板チョコで、それほど高価なものでもない、せいぜい2ユーロ~4ユーロ程度のもので、「いくらなんでも、ちょっと大げさなのではないか?」との声が上がっています。

 このために手間暇かけて、逆に商品が値上がりしてしまうのでは?と人々の関心はそちらの方に向かっています。

 現在のところ、これを実施しているのは、マルセイユにある1店舗での試みだそうで、この店舗では、実際に板チョコの万引きが増加しており、その被害額は月あたり500ユーロ(約81,500円程度)に相当するそうで、チョコレートの単価から単純に計算すると、月あたり、170枚近くの板チョコが盗まれていることになるので、この単体だけからみると、かなりの被害とも言えます。

 同様の取り組みは海外でも実施されており、英国ではチーズやバターに盗難防止アラームが設置されているケースがあったり、アメリカでは洗濯洗剤の容器がチェーンで保護されている場合もあるとも報道されていますが、板チョコを盗難防止のケースに入れて陳列するというのは、どうにも割に合わなさそうな気もします。

 しかし、さすがにチョコレート好きの国民だけに、万引きの多い商品のベスト5にはチョコレートが入っているのだそうで、最近のトレンドとしては、電動歯ブラシの詰め替え用ブラシが急上昇中なのだそうです。

 この万引きの増加の波の最初のきっかけは、セルフレジの拡大で、これは、当初から、「こんなのフランスで通用するのかな?」と私でさえも思ったくらいだし、実際に買い物をしていると、そんなに厳しくチェックされている実感もなく、一応、セキュリティの人がいたり、出口には、レシートのバーコードを通すようになっていたりするのですが、一応のお決まりの行程というだけで、それがどの程度、効果的な工程になっているのかは甚だ疑問です。

 そして、その後の波が加速したのは、インフレが原因とされているようです。

 そもそも、少々の万引きくらいでは、警察も呼ばずに商品の分のお金を払っておしまいというのが多分、大半なのではないか?と思い、この扱いがとっても軽いです。

 もっとも、治安が悪すぎるので、こんなことにまで対応していたら、警察はパンク状態になるだろうというのは、悲しい現状です。

 今回のこの店舗の盗難防止入りの板チョコは、これだけ話題にのぼったということで、「店側が警戒を強めている!」という警告の意味合いが強いのだとは思いますが、なんとも情けないというか、ここまでしなければならないのか?と暗澹たる思いです。


盗難防止ボックス入り板チョコ


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