暇さえあれば、美味しいものを探して歩いている私ですが、パリには、たくさん美味しいものがあるとはいえ、やっぱり一番お手軽で、一番美味しいのは、パンやヴィエノワズリー、ケーキなのではないか?と思い至るところもあり、もっぱらブーランジェリーやパティスリーなどを巡り歩いているのです。
そもそもブーランジェリーやパティスリーはさすがに店舗の数も多く、食品店の多い通りなどだと、一つの通りにブーランジェリーは何軒もあったりして、それこそピンキリとはいえ、一般的なレベルは高く、思わぬおタカラ(美味しいもの)を見つけたりもするのです。
以前(といっても、私がまだパリに来たばかりの20年以上前の話ですが・・)は、ブーランジェリーといえば、だいたい、どこへ行っても同じようなものしか売っていなくて、たいていは、パンは別としてもヴィエノワズリー(クロワッサン、パンオショコラ、ショッソンオーポム、パンオレザンなど)とりんごや梨、季節の果物のタルト、フラン、ベニエ(揚げパンみたいなものでたいていチョコレートクリームなどが入っている)、パリブレスト、エクレア、ミルフィーユなどで、「まったくフランス人はいつも同じものばかり食べていて、飽きないのかな?」などと思ったものでした。
それがここのところ、ケーキの種類もグッと増えました。そして、もうひとつ、特に目につくようになったのは、どこのブーランジェリーやパティスリーに行っても、必ずクッキーが置いてあるようになったことです。
駅のパン屋さん(クロワッサンなどのヴィエノワズリーに加えて、サンドイッチや簡単なケーキ類を売っている)などにも必ず、大ぶりなクッキーが並んでいるのです。
いくら大ぶりとはいえ、1枚3ユーロ程度なので、なんとなくクッキーにしては、高いな・・コスパ悪いし、クッキーなら自分で焼ける・・などとケチな根性が頭をかすめるため、これまで、このようなクッキーを買うことはありませんでした。
しかし、次第にパリ市内にもクッキー専門店というものが増えだして、「えっ??クッキーだけで、成り立つの?」と思ったりしていました。
先日、たまたま、別のお店に行こうとしていた時に、このクッキー専門店のひとつをみかけて、全然、買うつもりはなく、クッキー専門店ってどんな感じなのかな? いくらくらいするのかな? どんなクッキーを売っているのかな?と覗いて見ていたところ、お店の人が味見してみますか?と言ってくれたので、「えっ?うれしい!!ぜひぜひ!」と、クッキーの試食をさせてもらいました。
全然、期待せずに、おもむろに口に入れてビックリ!クッキーだからサクッといくものかと思ったら、表面は、乾いているのですが、中はしっとりフワッとしていて、私のこれまでのクッキーの概念を打ち砕くものでした。
これまで日本でもイギリスでもアメリカでも、クッキー専門店などには、行ったことがないので、他の国のクッキーというものがどういうものなのかは知らないのですが、この表面は、乾いているけど、中はしっとり、むしろ、半生タイプみたいな感じが新鮮で、思わず、一つ買っていきたくなりました。
考えてみれば、最近、人気になっているクルッキー(クロワッサン+クッキーの合体バージョン)のクッキーの部分もこのしっとりタイプのクッキーで、つまり、フランスに伝統的に存在するクロワッサンにさえも合体させてしまうほど、なぜかクッキーは今、パリで人気なのです。
今のところ、そんなにたくさんのクッキー屋さんを知っているわけではありませんが、どうも、パリのクッキー屋さんの大ぶりなクッキーは、表面が乾いていて、クッキーの形ですが、中身は、しっとりしていて、どちらかといえば、ケーキにも近いようなものが多い気がします。
偶然とはいえ、また、ひとつ見つけてしまった私のグルメターゲット・・。私はつくづくダイエットとは無縁のようです。
パリのクッキー専門店
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