2024年10月30日水曜日

ツナ缶の水銀汚染スキャンダルの衝撃

  


 「缶詰マグロは100%水銀汚染・絶対に食べてはいけない!」とか、「水銀汚染されたツナ缶の健康上の危険は何ですか?」など、ツナ缶水銀汚染スキャンダルの話題が炎上しています。

 これは、海洋防衛NGO BLOOM(ブルーム)が、18か月にわたる調査を経て発表した報告書の中で訴えているヨーロッパ 5 か国 (ドイツ、イギリス、スペイン、フランス、イタリア)で販売されているツナ缶についての危険性の話です。

 このNGO は「ヨーロッパ 5 か国 (ドイツ、イギリス、スペイン、フランス、イタリア) の148 個のツナ缶を無作為に選択し、独立した研究所で検査させたところ、100% が水銀で汚染されていた!」というもので、そのうち、約1割は、欧州連合で認められている水銀含有量基準 (1 mg/kg)を大きく超えていたと報告しています。

 そもそも、この欧州連合認可の水銀含有基準ですら、マグロに関しては、タラやイワシなどの他の魚の基準(0.3 mg/kg)よりもかなり高く設定されています。

 この水銀汚染は何十年も前から知られていました。大気中に放出された水銀は海洋で発見され、その後魚の体内で発見されます。NGOは特に、「マグロを調理すると水は蒸発するが、水銀は残るため、高濃度の水銀が含まれているにもかかわらず、黙認され続けてきたことを指摘しています。

 問題は、基準が最終製品ではなく生のマグロに対して定められていることを指摘しており、したがって、「缶詰には新鮮な魚の切り身よりも2〜3倍濃度の水銀が検出されることになる」と説明しています。

 フランスでは、1 人当たり年間平均 4.9 kg のマグロを消費しているそうで、日本のように一般的に生のマグロのお刺身などが流通しているわけでもないし、魚屋さんに、マグロはあるには、あっても、けっこう高価で、そこまで買っている人をそんなに多く見かけるわけではないので、フランス人が食べているマグロの大部分はツナ缶なのではないか?と思います。

 特に最近は、インフレで全ての食料品が高騰しているためにタンパク質を補う手段の一つとして、ツナ缶などを利用する人も増えていたかもしれません。

 この水銀の危険性については、特にツナ缶に限ったことではありませんが、国家食品・環境・労働衛生安全庁(ANSES)も健康勧告の中で明記しており、水銀は、海洋に存在し、人体に用意に吸収される毒で、子宮内での子どもの発育中および幼児期に特に危険です。具体的には、「マグロ、カツオ、タイ、スズキ、アンコウ、オヒョウなど、高度に汚染されている可能性が高い魚の摂取を制限することを推奨しています。こんな警告、この騒動で初めて知りましたが・・。

 また、WHO(世界保健機構)も水銀について、「海洋では、水銀が細菌と混ざり、さらに有毒な誘導体であるメチル水銀に変化し、このメチル水銀は神経系に有毒で、神経障害や行動障害が観察される可能性がある」と指摘しています。

 私はそこまでツナ缶を爆食しているわけでもなく、この年齢になるまで、一応、無事に生き残ってきたので、そこまで神経質になる必要もないとは思いますが、このNGOは少なくとも、この制限値を超える魚の販売を禁止するセーフガード条項を導入することや、学校の食堂、保育園、老人ホーム、病院、産科病棟などの施設での使用を禁止するように求めています。

 しかし、これを販売している業者やスーパーマーケットなどにとっては、売上げ激減に繋がる大スキャンダルです。

 この種のスキャンダルが出るたびに思うのは、食事は偏らずに色々なものを食べるように心がけることが、危険を回避することに繋がるな・・と思うのです。


ツナ缶水銀汚染問題


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