2023年4月30日日曜日

クープ・ド・フランス フランスカップの決勝戦はサッカー以外のレッドカードとホイッスル問題でゴタゴタ・・

  サッカーをこのうえなく愛するフランス人にとって、クープ・ド・フランス(フランスカップ)の決勝戦といえば、大変な盛り上がりを見せるところです。 今回の決勝戦は、ナントVSトゥールーズの試合となり、おそらく大変に盛り上がっているのだとは思いますが、サッカー以外のことで、ごたごたして、試合以外のことばかりに注目が集まる妙な決勝戦となりました。 現在のフランスは人が集まる場所には、鍋を叩いたりする抗議行動が発生することが多く、今回のこのフランスカップの決勝戦には7万8千人の観客が予想されていたために、この場で抗議行動がヒートアップすることが、かなり過剰に警戒されていたようで、当日、決勝...

2023年4月29日土曜日

メトロ6号線の死亡事故 運転手の過失致死起訴に同僚が抗議のデモとストライキ

   先週の土曜日に起こったパリのメトロ6号線の死亡事故は、ちょっとあり得ない、いや絶対あってはならない悲惨な事故でした。降車時にコートがドアに挟まってしまった乗客の女性がそのまま発車してしまったメトロに引きずられて身体の一部がホームと線路の間に挟まれて死亡してしまった事故でした。 この事故直後にアルコール・薬物検査を受けた運転手は陰性の結果が出ていますが、今週末にこの運転手が「過失致死」の罪で起訴され、拘留されたことにRATP(パリ交通公団)6番線の同僚およびエージェントが怒って抗議のデモ・ストライキを行いました。 デモの当日、メトロ6番線が止まったのは半日ほどだったようですが、...

2023年4月28日金曜日

割引、おまけ、それ、あげます・・最近の私のお買い物と食生活

  マルシェで買ったイチゴとメロンとおまけの生姜 全部で6ユーロ 最近の私の食生活はベジタリアンというわけではありませんが、野菜や果物を多く摂るようになりました。もともと、どうしてもお肉が食べたいというタイプでもなく、家の近所にマルシェが立つようになってからは、ことさら新鮮な野菜が比較的お手頃価格で手に入るようになったことが大きいかもしれません。 我が家の近所にはカーフールという大きなスーパーマーケットがあるのですが、インフレのためか、以前のような勢いがなくなり、また、あからさまな値上げぶりと並んでいる商品も若干減り、魅力が一段と欠けた気がして、いつもいつも同じような商品に飽き飽き...

2023年4月27日木曜日

ファミリーサイズ詐欺 大量パッケージは安いとは限らない

   フードウォッチ(Foodwatch)(消費者保護団体)の調査によると、ファミリーサイズなどの大きなパッケージの商品は実は既存のサイズのものよりも、割高の価格で販売されているケースが少なくないことを警告しています。 一般的な消費者の心理としては、ファミリーサイズや大きなパッケージで同じ商品が大量に入っている場合、当然、お得で割安な印象を受けてしまうので、このファミリーパッケージは思わぬ落とし穴で、「ファミリーサイズ詐欺」などとも呼ばれています。1⃣Chez @CarrefourFrance à Vannes, les pâtes fraîches Gnocchi à Poêler...

2023年4月26日水曜日

医者の予約がとれない! 病院・検査機関にインフレは関係なし

  加齢につれて、例にもれず、私もお医者さんにかかる機会が増えている残念な現実ですが、フランスの場合は、お医者さんと検査機関、薬の処方と全て分業体制なので、ちょっと風邪をひいたり、簡単な疾病の場合は、かかりつけのお医者さんで済むので、薬の処方箋を書いてもらって、薬局に薬を取りに行く程度のことで、大した手間ではないのですが(それでさえ、慣れるまでは面倒くさいな・・と思いましたが・・)、もう少し、厄介な病気の場合は、まずは医者に行ってから、必要な検査の処方箋を書いてもらって、それから、それぞれの検査機関に検査をしに行って、そのうえで、検査結果を持って、専門の医者にかかるということになる...

2023年4月25日火曜日

日本人なのに日本語がほとんど話せない海外育ちの従弟の子供

  娘が日本で就職して、あっという間に1年が経ちました。彼女が生まれてから、私は彼女の日本語教育には、ことのほかしつこく、根気よく、かなり労力を費やしてきました。 フランスで生活しつつ、私は彼女とは日本語だけで会話を続け、ある程度の年齢までは、家にいるときは、日本語のテレビ(ビデオやDVDなど)しか見せず、小さい時は、日本語の単語のカードを作って遊みたばせてみたり、毎晩、寝る前には、日本語の絵本の読み聞かせを続け、会話だけでなく、日本語の読み書きもできるようになってほしかったので、日本語をできるだけ億劫に感じることがないように、フランスの学校に通い始める前に、2歳になるかならないか...

2023年4月24日月曜日

パリのメトロ6号線でコートがドアに挟まって死亡事故 

  私が初めてパリのメトロに乗ったのは、はっきりと記憶にはありませんが、ずっと昔に旅行でパリに来た時のことだったと思います。あの時はフランス語も全くわからなかったし、外国の地下鉄だし、治安も悪いというし、なんか、やたらと緊張した覚えがあります。 あれから数十年経って、パリのメトロもずいぶん進化し、特にここ数年はオリンピックの準備なのか、やけに工事も多く、きれいになった駅も多く、車両も新車になったりしてずいぶん様変わりした感じがしていました。 しかし、実際には、路線によって、整備のされ方はずいぶんと差があることも事実で、駅のホームと車両の間にドーム型のガードやそれと同様のガード(もう一つのドアみたいな感じのものなど)がつけられていたり、ピカピカの新車の車内に次の駅の表示が出るようになったり、冷房車が増えたり、中には携帯の充電までできる車両もあったりして驚かされるのですが、一方では相変わらず、ハンドルを手動で回して自分でドアを開ける車両が今でも使われていたり、ついこの間も車両とホームの間がやけに広く空いていて(多分、4号線だったと思う)、ボーッとしておりたら、足を踏み外してしまったり、間に挟まってしまったりしそうで危ないな・・と思ったばかりでした。 パリのメトロは、「次は○○駅~~」というようなアナウンスもなく、なので、大げさな言い方をすれば、電車は勝手に来て、勝手に去っていくという感じなので、うっかりすると乗り過ごしてしまいかねません。 また、一応、ホーム全体を監視するカメラが数か所には備え付けられているものの、日本のように電車の発着時の安全の確認をする駅員さんもいません。 こんな感じに慣れてしまうと、日本に行ったときは、なにもそんなに言わなくてもいいのに・・などと、至れり尽くせりの日本のサービスをちょっとうるさいように感じてしまうことすらあったのですが、やっぱりあれは必要なことなんだな・・と、今回のような事故を聞くと、今、あらためて感じています。  事故が起こったのは、土曜日の午後4時頃のことで、パリのメトロ6号線がベル・エア駅(パリ12区)を出発しようとした時に起こりました。家族連れの45歳の女性がメトロを下りようとした際にコートがメトロのドアに挟まり、それに気が付かないままに発車したメトロに引きずられて身体の一部が車両の下敷きになり、死亡してしまったという大変、悲惨な事故でした。 この女性はこの時、夫と子供が一緒だったそうなので、ごくごく普通の土曜日のお休みの日に家族で出かけた先の思ってもみなかった事故により、一瞬のうちに死亡してしまったのですから、一緒にいた家族は呆然自失だったことでしょう。 パリのメトロは、現在のところ、1番線と14番線だけが運転手のいない自動運転になっていますが、この6番線には運転手がいて、事故を起こしたメトロの運転手さんは、当然のことながら強いショックを受けているそうです。 6号線は地下鉄とはいえ、地上に出ている部分もあったりで、セーヌ川を渡る陸橋の上を走る部分もあり、エッフェル塔が見えたり、パリの街を眺められたりもする線でもあるのですが、それだけに駅も車両とホームのガードなどがない駅も多く、このような事故が起こってみれば、危険と言えば危険でもあります。 メトロの車両のドアがコートを挟んで人を引きずるくらい強力に閉じるということには、改めて驚きですが、コートと言わないまでも、慌てて乗ったり降りたりする際にバッグが挟まってしまって周囲の人が手でこじ開けている様子は、そういえば、時々、みかけることはあります。 バッグが挟まった場合などなら、逆にドアがきっちりと閉まらないために、その隙間に手を突っ込んでこじ開けるということも可能なのですが、コートの場合は、周囲の人もそのことに気付かなかった可能性も考えられます。 どちらにしても、ちょっと信じられない悲劇的な事故ですが、発車の際の安全確認を十分にしていないという意味では、このような事故はいつでも起こりうる話なのかもしれません。 一応、警察は運転手に対して、薬物、アルコールの検査を行ったそうですが、陰性だったようです。 メトロといえば、スリやひったくりなどに注意しなければいけないと思ってきましたが、ドアに挟まれないようにも気を付けなければなりません。 こういう事故が起こると実はこんなこともあった・・という話が出てくるのが常ではありますが、1週間前にもRER(パリ郊外線)...

2023年4月23日日曜日

フランス人はどんな権利も主張する 驚愕の「失踪する権利」

   フランス人は、ことごとく権利を主張する場面が多いような気がしますが、なにかにつけて、権利があるとか、権利がないとか言う言い方をするし、かと思うと、「それは私の仕事じゃない!」「それは私のミスじゃない!」とこの言い方をするというか・・そんな彼らの姿勢に慣れるまでは、「この人たち、最悪だ・・何かというと、権利を主張するくせに、いざとなると、責任逃れだ・・」とウンザリしていました。 しかし、「まぁ、そんなもんだ・・また出たよ・・」とか思うようになってからは、合理的といえば合理的?はっきりしていてわかりやすいということもでき、また、このようなことをいう傾向にある人というのも、ある程度...

2023年4月22日土曜日

黄色いベストの次は鍋 フランスで起こっている鍋騒動

   今回の年金改革問題に関する抗議運動は、なにかと前回の大きな社会的な騒動となった黄色いベスト運動と比べられることが多く、あの時は、もっと期間も長く、暴力的で破壊行為が過激だったなどとも言われていますが、今回の年金改革問題も、大きな動きになり始めてから早や3ヶ月以上が経過し、強引なカタチではありましたが、法案が交付されてなお、抗議運動は止むことはありません。 今週に入って、マクロン大統領が実際に地方の街を廻り始めたことから、今のところ、逆にこの問題を盛り上げている感もあります。 このマクロン大統領の地方行脚の際に、群衆が抗議の意味を込めて鍋を叩きながら集まり、詰め寄った人々に向けて、マクロン大統領が「フランスを前進させるのは鍋ではない」と言ったことから、どうやら今回の抗議運動のシンボルが「鍋」になりつつあり、早くも「鍋革命」とか・・・と言われ始めています。 エロー県では、マクロン大統領の訪問を考慮して、当日、鍋を持って集まることが禁止され、知らずに鍋を持ってきた人々は鍋を没収されるという憂き目にあい、さらに彼らの怒りを増長させています。 問題にされているのが、「鍋」というものだけに、どこか牧歌的というか滑稽な印象もあるのですが、それくらい暴力的ではない抗議方法であるとも思うので、こんなことまで禁止してしまうのもどうかと思わないでもありません。 黄色いベスト運動の時は、そもそもは燃料税に関する問題で、フランスの家庭ならどこの家庭にも1つや2つはあると思われる黄色いベストが抗議運動のシンボルとなり、目立つこともあり、黄色いベストというシンボルは大いに前回の抗議運動に貢献したと思われます。 前回の黄色いベストのように、このような運動にはシンボル的なものの存在は大きな力を発揮するので、今回の「鍋」は、視覚的には目立つものではありませんが、「強力な音」を発することでその存在感と抗議する者たちの連帯感を生むものになるかもしれません。🇫🇷...

2023年4月21日金曜日

険しい道を歩むマクロン大統領 それでも彼のハートは折れない

   年金改革法案が交付された数日後、国民の前で演説を行ったマクロン大統領はその翌日から、アルザスを皮切りに地方行脚を始めています。意を決して?行われた今回の彼の演説も、「一方的な停戦要求」ととられた感が強く、あまり好意的に受け取られはしませんでした。 リベラシオン(仏・日刊紙)が最近発表した世論調査によると、質問された人の 4 分の 3 が、主に選出された役人が現実から切り離されていること (74%) と、マクロン大統領の権力行使があまりにも権威主義的であること (54%) のために、民主主義は不健康であるという結果を発表しています。 これまで3ヶ月以上、ほとんど表舞台には、現れなかったマクロン大統領には、行く先々で、停電をおこされたり、これでもかというブーイングがあがって、国民はお鍋を叩きながら、「マクロン大統領辞めろ!」の大合唱。 マクロン大統領を迎える地域は大変な警戒ぶりではあるものの、全く一般市民を遮断して護衛するというわけでもなく、集まってきた人が直接、話をできる場面もあるところが、フランスなのだな・・と思うものの、その大部分は、ブーイングでマクロン大統領にとっては、なかなか厳しい状況であることは明白です。 それでも、マクロン大統領は、「このようなバッシングは初めてのことではない・・黄色いベスト運動のときは、むしろもっと酷かった・・」なと矮小化しようとする発言もみられ、これだけ嫌われても折れないハートは凄いな・・などと妙な感心をしてしまいます。普通の人なら、こんなにたくさんの人に嫌われるのは、耐えられません。 行く先々でマクロン大統領と一般市民の言い合い・せめぎあいの様子が流されたりしていますが、苦し紛れ?に彼が発言したことを抜粋されて流されているので、そんな会話ばかりではないと思うのですが、鍋を叩きながらブーイングの意を伝える国民に対して「フランスを前進させるのは鍋ではない!・・私がやろうとしていることは、フランス人がより良い生活を送り、子供たちの未来を築くことで、...

2023年4月20日木曜日

派手にぶざまに転んだら、周りの人たちが、とっても優しかった・・

   以前、会社で階段から落ちて、数ヶ月も仕事を休むハメになって以来、私には階段が少し怖くなって、特に階段は、気を付けて下りるようになっていました。そうでなくとも、日頃の運動不足のせいもあるのか、はたまた年齢のせいもあるのか、転んだり、怪我をすることが増えています。 何よりも痛い思いをするのは嫌なので、自分でも、ちょっとカッコ悪いな・・と思うくらい注意深くなっているのです。だからといって、動かないでいると、ますます弱っていくので、できるだけ歩くように、そして少しでも運動をして鍛えるように心がけているのですが、鍛えるつもりでやっていた縄跳びで、転んだわけでも何でもないのにもかかわらず...

2023年4月19日水曜日

史上最悪と言われるブイトーニ冷凍ピザ食中毒事件の賠償には守秘義務が課せられている

   史上最悪の食品スキャンダルと言われた2名の死亡者を含む75名の犠牲者を出したブイトーニの冷凍ピザ食中毒事件から約1年、事件の被害者家族(63家族)とネスレ・フランス(ブイトーニのピザ工場の親会社)との間でようやく合意に達し、ネスレ・フランスは、被害者に対して相応の賠償金を支払うことで合意に達しています。 63家族全体の弁護を請け負っている弁護士は、この事件の賠償金として、2億5千万ユーロの支払いをネスレ・フランスに対して要求していました。 この賠償金の支払いは、医学的評価に従い、公平な方法で、損害の深刻さとそれぞれの状況を考慮に入れ算定されていると言われており、被害に応じて中には数十万ユーロに達するものもあると言われています。 しかし、この金額については、メディアを含めて絶対的な守秘義務が課せられており、この同意に関しての内容や金額については公表されないということです。 死亡した子供2人の人生はもとより、重度の溶血性尿毒症症候群(HUS)に感染した数十人が生涯にわたる障害を負ってしまったのですから、とりかえしがつかないこととでもあり、相応の賠償金の金額は生半可なものですまされるものではありません。 しかし、未だ一部の家族は同意を拒否しているそうで、完全な合意に至ったわけではありません。 この事件後に、以前に工場で働いていた職員が公開した大腸菌入りピザを生産していた工場の不潔な映像が流出しましたが、ちょっと信じがたいレベルの不潔さで、この工場の生産ラインはストップされ、一旦、再開したものの、長くは続かずに工場は閉鎖に追い込まれています。 私自身も、たまに冷凍ピザを購入することもありますが、あの映像を見た後は、ブイトーニのピザだけは手がのびることはありません。 しかし、一応、一段落がついたのは、民事訴訟の部分で、ネスレ・フランスには、まだ刑事訴訟が控えており、パリ検察庁が、「不随意殺人」と「不随意傷害」について司法捜査を継続しているものの、まだ起訴されてはいません。 当のネスレ・フランスの広報は、「民事訴訟では、友好的な合意が通常であり、刑事訴訟を回避することなく民事訴訟を終わらせる」、今回の事件も「そのプロセスに従っている」「妥当な時間内に犠牲者とその家族の宥和に貢献するために、友好的な補償プロセスをとることを決定した」とかなり事務的な発表をしているあたりは、あまり好印象は持てません。 これだけの事件を起こしておいて、好印象もないとは思うのですが、当初からネスレ・フランスの対応には、誠意というものが感じられず、食品会社における食中毒という致命的な危機対応は明らかに充分なものではありませんでした。 あくまで推測ではありますが、一部の家族の同意が得られていないというのは、このあたりも影響しているのではないか? もっとも甚大な被害を被った家族からしてみれば、賠償金の金額だけでなく、このような姿勢もまた納得がいっていなのではないか?と思ってしまいます。 一般大衆からしてみれば、喉元過ぎれば・・となってしまうかもしれませんが、消費者側からしたら、あのような不潔な食品工場が存在しえたということも恐怖であり、冷凍ピザにかかわらず、食品を扱う場所での衛生検査なども徹底する方向に進んでほしいものです。ブイトーニ冷凍ピザ食中毒事件 賠償金 守秘義務<関連記事>「冷凍ピザ死亡事故に見るフランスの食品衛生管理」「冷凍ピザの次はサラミソーセージにサルモネラ菌 真剣にどうにかしてほしいフランスの食品衛生管理」「冷凍ピザ食中毒死亡事故から1年 ブイトーニのコードリー工場閉鎖へ」「ネスレ...

2023年4月18日火曜日

マクロン大統領の演説がどうにも、しっくり響かなかった理由

  ここ3ヶ月以上、揉めに揉めている年金改革法案が憲法評議会の審査を通過て、ついに決定した後、マクロン大統領が月曜日の夜8時(20時)に国民に向けての演説を行うことが発表されていました。 彼の演説は、パンデミックや戦争問題の時などは、比較的頻繁に行われていましたが、こと年金改革問題に関しては、これだけ国中が混乱しているにもかかわらず、長い間、彼はこのような演説の機会を持つことはありませんでした。 3月に一度、ジャーナリストをエリゼ宮に招いてインタビューに答えるという形で話をしたことがありましたが、時間帯も午後1時(13時)と多くの人がオンタイムで見られる時間帯ではなく、また、インタビューに答えるとしながらも、ジャーナリストの質問を遮って自分が言いたいことだけを言うという・・「だったら、何でインタビュー形式をとったの?」と言いたくなるような不快な気分になりました。 このインタビューの放送でマクロン大統領は国民の怒りの火に油を注ぎ、この直後のデモを一段と盛り上げてしまった感じになりました。 今回の演説に関しては、もうすでに法案が決定してしまった今、前日から、「マクロン大統領は一体、何を話すのだろうか?」という話でもちきりでしたが、「今にいたって彼が言えることはないだろう・・これ以上に国民の怒りを増長させることを言いかねないのではないか?」と期待というよりも心配されていました。 果たして、彼は演説の中で、「今回の年金改革が国民に受け入れられていないことは、招致していますが、この改革は国民全体の退職後の生活を守るためにはどうしても必要なことでした」と述べました。 「何カ月にもわたる協議にもかかわらず、組合との合意を見つけることができなかったことに関しては後悔している、これらの教訓から学ばなければならない」と話し、「あまりにも多くのフランス人にとって、物価の上昇に直面して、もはや十分な生活を送ることができない仕事に直面した怒りや、特に若者によって表明された社会正義と民主的な生活の刷新に対する要求に耳を傾けないままでいることはできない」と語りました。 このへんまでは、まだ、なんとなく聞けていたのですが、この先、「なので、フランス人がよりよい生活を送ることができるためのプロジェクトを立ち上げたい・・」と話し始めてからは、「協和秩序の改革」、「不法移民の取り締まり強化」、「公共サービスの改善(病院の救急サービスなど)」などについての取り組みを始めるとし、話し合いのための扉は開かれているとし、7月14日(革命記念日・パリ祭)を目途に最初の評価を下してほしいと話しはじめ、途中からは、なんだか煙に巻かれた感じでわけがわからない感じになりました。 言っていること、ひとつひとつは、間違っている話ではないとはいえ、どうにも腑に落ちない、今、国民が聞きたかった話ではなかっただろうに・・と思いました。 実際には、すでに、この演説を聞く耳も持たずにパリの街には火があがりはじめていたことには、この暴力行為に走る人々は、火をつけたり、破壊行動そのものが目的なのではないか?と思ってしまう側面もありますが、同時に彼らは「もう、今さら何を言おうとおまえのことは信用していない」と考えていると見ることもできます。 つまり、全てが決まった後になって、「扉は開かれている」などと言われても、それは順序が違う話で、これまでマクロン大統領自身は直接、話し合いの場に応じることはなく、国民議会も通すことなく、強引に法案を決定して、圧倒的に優位な立場にたってから、ようやく話し合いを始める・・(しかも年金問題そのものではない)というのは、簡単に言えば、ずるいやり方という印象をもってしまいます。 挙句の果てに年金問題以外のプロジェクトを掲げて、とりあえずの評価の期限を7月14日に設定するというのは、時間稼ぎをしていると思う見方もされています。 どちらにしても、マクロン大統領にとっては、年金改革法案はすでに決まったものであり、それ以外の問題について滔々と話すあたりは、どうにも国民との認識のズレを感じてしまいます。 年金改革をしなければ成り立たないので、その代わりのところで国民の生活が少しでも改善されていくように取り組むという点では、なんらおかしな話ではないのに、どうにもスッキリしないのは、なぜなんだろうか?と思ってしまいます。 マクロン大統領の側からしたら、どうしても年金改革が譲れないとしたら、他のことを改善することくらいしか言いようがないのに、ストレートに説得力をもって伝わってこないのは、言うべき肝心な何かを言っていないという気がします。 ここ数ヶ月、国内外を問わず、言うべきことを言わず、言わざるべきことばかりを言っている気がするマクロン大統領ですが、時間稼ぎをしているとすれば、まず、国民が話を聞いてくれるようになるまで、なんとか別のきっかけをみつけるしかないような気がしてしまうくらい、マクロン大統領の話からは説得力がなくなっているような気がしています。マクロン大統領演説<関連記事>「火に油を注いだマクロン大統領35分間のインタビュー」「年金改革デモ・ストライキのため、英チャールズ国王のフランス公式訪問延期へ」「マクロン大統領の風刺フレスコ画消去要請」「マクロン大統領ゆかりのレストランが燃やされる!...

2023年4月17日月曜日

パリのメトロの中は日本よりも携帯を眺めている人が少ない気がする

   日本に一時帰国して、地下鉄など電車に乗ってびっくりするのは、まず電車自体がピカピカできれいで清潔なことです。パリのメトロも最近、オリンピックに向けてお色直しをしているのか、ずいぶんきれいになったり、新車になったりして、かなり近代化された車両を使っている線もあるのですが、清掃の仕方が雑なのか、それを清潔に保てないので、新車でも、すぐにピカピカな感じは失せてしまうような気がします。 そんなメトロに慣れてしまっていると、日本の電車は眩しく感じられるほどです。 そして、もうひとつ、日本で驚くのは、電車に乗っている、ほぼ全ての人が携帯電話を見ていることです。日本に行く時には、通勤時間帯は避けて移動するので、あまり混雑している電車に乗ることがないせいもあるのかもしれませんが、概して、みんながお行儀がよく、おとなしく、人の迷惑にならないように同じように下を向いて携帯を眺めているので、視線をあげていると、ちょっと戸惑いを感じる気がしないでもありません。 正直なところ、最近、私は少々、携帯に疲れており、無ければ不便だし、なんとなく不安な気にさえなるのですが、四六時中、Twitterを覗いたり、ニュースを見たり、LINEをしたりして、画面を眺めていることに疲れてきたのです。 自分が携帯を眺めているときには、気が付かなかったのですが、いざ携帯を眺めるのをやめてみると、パリのメトロの中は、日本の電車の中ほど携帯を覗いている人が多くはないことに気が付いたのです。 そうやって周りを見回していると、色々な人が色々なことをしていて、それを観察しているのは、なんだか楽しいのです。バスなどになれば、窓の外の景色を見ている方がなんだかずっと楽しくて、携帯なんか覗いているのがもったいない気さえしてきて、精神衛生上も良いような気がするのです。 そもそも、パリ市内でメトロやバスに乗っても、そんなに長距離を移動するわけではないので(郊外線だとまた違うのかもしれませんが・・)、すぐに乗り降りするのに、携帯を覗いている間もないこともあるかもしれませんし、パリのメトロの車内は、日本の電車よりも狭く、座席の配置の仕方なども違って、効率よく人を詰め込めるようにはなっていないので、ちょっと混んでくると携帯を見ているのも邪魔になりそうな気もします。 そもそも、数年前(といっても7~8年前くらい?)までは、携帯をメトロやバスなどで取り出すのは危険だと言われていた時期もあり、「車内での携帯の扱いには盗難事件を引き起こす原因となるので注意しましょう」などと張り紙がしてあったくらいです。 実際に、会社の同僚などには、メトロの中で携帯を見ていたら、下車していく人にいきなりひったくられたり、道を歩いていて殴られて携帯を取られたなんてこともあったくらいで、もしかしたら、なんとなく、そのころの名残りもあるのかもしれません。 私自身は、危険だというより、ただ、なんとなく携帯を持っていれば、つい覗いてしまうような、携帯に縛られている感じに疲れて、周囲の人や景色をあらためて眺めてみたら、意外に楽しいという発見をして、なんだか感受性を生に刺激してくれるシンプルなことをこれまで携帯によって、失っていたような気がしているのです。 それでも、この間、メトロの中に携帯の充電用のプラグがついている車両をみつけて、「すごい!便利になってる!」と感激したものの、そんなに長い線でもないのに、どれだけ充電できるのかな?...

2023年4月16日日曜日

年金改革交付後 ストライキ・デモの次はオリンピックを盾にする動き

   嵐のような国民の反対をよそに憲法評議会が年金改革を承認(一部を除いて)したその日の夜のうちに、マクロン大統領は年金改革を正式に交付しています。 もちろん国民の怒りが鎮まるはずもなく、当日は無許可のデモがフランス中で起こり、次なるデモの予定やストライキの予定が次々と予告、発表され続けています。 この国民の怒りをどのように鎮めるつもりなのか? 現段階では鎮めるというより、沈めるという印象が強いのですが、マクロン大統領は月曜日の夜に、久しぶりに夜8時(20時)にテレビで国民に向けて、今一度、この年金改革の必要性について演説する予定になっています。 そもそも憲法49.3条に則り、国民議会の採決なしに首相の権限で通した年金改革に加えて、たった9名のメンバーによって構成されている憲法評議会で決定されてしまった憤りと怒りは、法律に則っているから・・ということでは、国民を納得させられるものではありません。 一つの節目を迎えると思われていた、この憲法評議会の決定は、ストライキやデモや暴動を鎮めるものとはならずに、これまでの抗議運動だけでは立ち行かなくなっていると見たのか、今度は、SNS上で、ハッシュタグ「#PasDeRetraitePasDeJO」(引退なしオリンピックなし)が拡散しはじめ、トレンドの上位に上がってきています。 つまり、今度は日常生活だけでなく、約1年後に迫ってきた2024年のパリオリンピックの妨害を企て始めたのです。 数年前からパリは、オリンピックに向けて、あちこち工事が続いていて、その工事も、これからの1年で工事も大詰めを迎えようとしていますが、この工事の建設現場などにも大規模な封鎖とストライキを呼び掛けています。❌🇫🇷...

2023年4月15日土曜日

年金改革法案が憲法評議会通過 パリだけでも1万人の警察・憲兵隊配備 パリの街の警戒ぶりが凄かった・・

   49.3条により、国会で採決をとらずに採択された年金改革について、憲法評議会の決定が4月14日に下されることになっていたので、もしも、これが正式に決定されれば、また大変なことになるだろうと思っていました。 この憲法評議会の決定次第とはいえ、後になって考えれば、憲法評議会を通過することは、ほぼ確実なことではあったのです。 結果はこの日の夕方に発表されることになっていたので、夕方から夜にかけては、また大変なデモが起こることは容易に想像できることでした。 私はその日、日本食材の買い物に出かけて、ランチをしてから、また別の場所に行くつもりでいました。日本食材店の多くは、問題の憲法評議...

2023年4月14日金曜日

パリでお花見 緑の芝生の中にあるソー公園の八重桜(Le parc de Sceaux)

   パリ(正確にはパリ近郊)でお花見といえば、ソー公園(Le parc de Sceaux)が有名だという話はよく聞いていましたが、この時期、日本人をはじめ、アジア人がおしかけるというので、あまりの人混みを思い浮かべていて、これまで20年以上もパリに住んでいるのにソー公園のお花見には行ったことがありませんでした。 昨年のお花見の季節は久しぶりに日本にいたので、日本の桜を楽しむことができたのですが、日本の場合はこんなに街の中に桜ってあったかしら?と思うほど、特にお花見のために公園などに出かけなくとも、桜の木は東京の街の中、あちこちに存在し、また、ほんの短い桜の季節の桜の花が組み込まれることを計算にいれてデザインされているかのごとく作られている東京の街に、やっぱり街に溶け込んでいる桜は美しい・・日本の桜はいいな・・と感じ入ってきたのでした。 パリはお花の多い街ではありますが、日本のような桜は少なく、あまり街中では桜を楽しむという感じではありません。 これまで公園のお花見というと、どうも日本の「桜の木の下で宴会」というイメージがあったのも、これまでソー公園のお花見に行かなかった理由の一つでもありました。 しかし、昨日はパリの街中はまたデモで、どこで足止めを食うかもわからない感じで街中には出たくないと思っていたところ、たまたま...

2023年4月13日木曜日

噂話好きな知人にうんざりしている・・

  1ヶ月くらい前に、買い物に行った際に偶然、昔の同僚二人にばったり会いました。彼女たちは、私よりも一回り以上?年齢が上で、ちょっと世代も違う感じで特に親しくしていたわけではありませんでしたが、職場で顔を合わせれば、普通に話はするくらいの感じで、私がその会社に在職していた間に彼女たちは同時にではありませんでしたが、それぞれ、時間差で定年退職していきました。 とはいえ、こちらの学校のこととか、子供の教育のことなど、すでに子育てがほぼ終わっていた彼女たちには、色々と教えてもらったりもしましたし、彼女たちにとっては、娘は、孫のような存在で、会社に娘を連れて行ったりすると、娘を散歩に連れ出...

2023年4月12日水曜日

自分はやっぱり日本人だなぁと思うこと・・

   妙なもので、自分が日本に住んでいる時には、自分が日本人だと意識することはほとんどありませんでした。しかし、おかしなもので、海外に住んでいれば、あらためて自分は日本人なんだなぁ・・と感じることは少なくありません。 海外にいると、一般的にアジア人はわりと一括りにされる感じもあり、日本と中国の区別があいまいな人もいるし、圧倒的に中国人が多いせいかもしれませんが、マルシェなどのお兄さんなどには、「ニイハオ!」などと声をかけられて(相手にしてみれば、決して悪気はないとは思うのですが・・)、思わずムッとして、「私、日本人です!」などと、わざわざ訂正してしまったりすることもあります。 やはり、とりわけ、食事などは、私が一番、自分が日本人だと感じる部分で、パリの街を食べ歩きしたりするのも楽しいし、とても美味しいのですが、しばらく続くと、どんなに美味しいものを食べていても、次第にゲッソリしてきてしまいます。 高価な星付きレストランが美味しいのはあたりまえだし、肩が凝るし、予算オーバーになるので、私は、手ごろな値段で美味しいレストランを食べ歩くのが好きで(おまけに雰囲気が良ければ言うことないのですが)、これは!と思ったレストランにはできるだけ行ってみるようにしているのですが、しばらくこれを続けていると、結局、家で食事がしたくなって、「もう、本当に簡単にごはんとお味噌汁とお漬物にふりかけだけでもいい・・どんな外食よりも、本当はこれが一番美味しいんだな・・」などとしみじみしてしまうのです。 最近、よく食べ歩きをするようになったのは、一時、ロックダウンなどで、ほとんど外食できなかったりした反動もあり、また、この間にお店もずいぶん、入れ替わったりもしているので、それも楽しかったりもするのです。 しかし、結局は家で食べる白いご飯とお漬物・・みたいなものが私にとっての最高のごちそうであるのです。 長年、海外生活を続けているうちに、こちらで手に入る食材を工夫して作る和食っぽい食事に彩りを添えるために、最低限の薬味のような野菜、紫蘇や三つ葉、小葱、山椒などはベランダで育てるようになり、また、これらは、前年にこぼれた種が春になると芽が出て育ってくれるようになっているのは大変うれしいことです。 今は山椒の新しい芽が出てきている時で、ちょっと触ってみたら、それはそれは強烈な香りで、思わず鰻が食べたくなりました。しかし、家には鰻はなし・・。しかし、摘んでも摘んでも出てくる春の香り、これはもったいないと、急な思いつきで、自己流でおいなりさんの酢飯に山椒の新芽を混ぜてみたりして、今日は、それはそれは満足したランチになりました。 こんなささやかなことですごく満足するあたり、私はやっぱり日本人だなと思う瞬間です。 また、最近、日本食ブームのフランスで、冷凍食品や日本食などがスーパーでも見られるようになり、それなりにアレンジされて作られて、パッケージの写真には、その食品にお箸が添えられていたりするのですが、かっこつけているつもりか、丼の上に置かれたお箸は交差しておかれていたりします。  そんなお箸の置き方が妙に気になって仕方がなかったり、どことなくおさまり悪い気持ちが拭えなかったりするのにも、日本人だな・・と思う瞬間です。 おまけに上に添付した怪しげな...

2023年4月11日火曜日

マルセイユでの大規模な爆発事故 夜中にこんなことあり得る?

  土曜日から日曜日の夜の午前 12 時 46 分、マルセイユ市内中心部で激しい爆発事故が起こり、この爆発のあった建物1棟は完全に崩壊したとともに、がれきの下で火災が発生し、その両隣にあった建物が午前7時頃になって、引きずり倒されるようにして倒壊するという大惨事が起こっています。 爆撃でも受けたのかと思うほどのちょっと目を疑うくらいの惨事です。 近隣住民の証言によると、爆発当時から朝にかけて、強いガスの臭いがしたという声が多数あがっており、少なからずガスが起因しているとは考えられているものの、爆発の具体的な原因については、現段階では不明と発表されています。 この事故がおこった地域は、旧市街で、建物自体も老朽化の監視対象になっていた建物ではなく、一体、なぜ、こんなに悲惨な事故が起こったのか疑問でもあります。 今回の事故では、消防隊、救急隊が非常に迅速に駆けつけて、救助作業にあたり、それからは昼夜たがわずに救出作業が継続されていますが、少なくとも、おおもとの爆発が起こった建物は、映像を見るにつけても、もうほとんど粉々の状態で、がれきをさらに崩さないように、警察犬を使いながら、下に人がいないかどうか確認してからの作業になっているとのことで、非常に時間がかかっているということです。 この事故が起こった時間帯(午前1時近く)からしても、爆発から建物が倒壊するまでの時間がどの程度あったかわかりませんが、いずれにしても、寝ていた人も多いであろうし、迅速に避難することが可能であったとは思えません。 月曜日の夜の段階までで、遺体は6体発見されていると報告されてはいますが、この惨状を見ても犠牲者が6人で済んでいるとは、とても思えないほどの倒壊ぶりです。 しかし、実際の爆発から、朝になって隣の建物が倒壊するという長時間にわたる事故は、考えるだけでも恐ろしく、近隣の200人が学校や体育館などに避難している状況です。 結局、爆発のあった建物と両隣の建物がほぼ、全壊しているわけで、パック(イースター)の祝日のまっさ中のこの悲惨な事故はマルセイユ市民を震え上がらせています。 このような救出作業は1時間遅れるごとに、生存者を発見する可能性が低下するといわれていますが、2日経った現在は、どうやら犠牲者を探す段階に入っているようです。 遺体の身元確認も簡単なことではなく、どうにか命からがら避難した人でさえも、自分を証明するIDカードも何もない状態で、生きていても、自分の証明ができないとパニック状態に陥っている人もいます。 また、倒壊した建物の中には、Airbnbとして貸し出されていた部屋もあったと言われており、犠牲者が外国人の場合は、その身元確認は一層、困難になると言われています。 この手の災害になると、必ず引き合いに出されるのが日本の災害に対する対応で、このような事故は、長いことトラウマを引きずることになり得る、日本の災害対応に学ぶことがたくさんあるなどと述べているジャーナリストもいます。 また、悲惨な現場の状況や救出作業、避難状況などが多く伝えられているものの、その原因については、深く掘り下げられてはいませんが、この皆が寝静まっている時間帯になぜこんな爆発事故が起こるのかは、とても疑問であり、この事故がテロのような、故意におこされたものであったのか、全く不慮の事故であったのかどうかの検証には至っていませんが、一応、検察は「故意ではない傷害事件」として捜査を開始しているようです。Comme...

2023年4月10日月曜日

12歳の少女を襲ったパリのメトロの痴漢は、あっさり釈放

   もうずいぶん前の話になりますが、日本の電車では、痴漢に遭ったことがありました。日本で通勤していた頃の話で、あの日本のギューギュー詰めの満員電車の中では、身をかわすのも大変で非常に嫌な思いをした覚えがあります。 それに比べれば、パリのメトロで日本ほどの満員電車というのは、非常時(ストライキで間引き運転になったりしている時など)を除いて、経験したことがなく、きっとパリのメトロには、そんなに痴漢行為に及ぶ人はいないんじゃないかな?と勝手に思っていました。 それほどギューギュー詰めに混んでいるわけでもなかったら、周知される可能性も高く、痴漢行為に及ぶ側もハードルが高いわけで、また、こ...

2023年4月9日日曜日

フリマサイトVinted(ヴィンテッド)(フランス版メルカリ)でコカインの転売をしていた男逮捕

   インフレが続く中、フランスでは、ディスカウントショップが急成長し、ともに業績を伸ばしているのは、Vinted(ヴィンテッド)というフリマサイト(日本でいうメルカリのようなサイト)で、ここ数年、フランス国内だけでなく、利用者はベルギー、スペイン、イタリアなどの国の人々とも取引ができるようになり、ますます業績を伸ばしています。 例にもれず、私もこのサイトをもう数年にわたって、利用しており(私の場合、もっぱら家の不用品を売るだけで買いませんが・・)、以前は提携店に荷物を届けに行っていたものが、多くの場合は、人を介することなく、指定のロッカーで、バーコードを読み込んで、荷物を置いてくるだけで済むようになり、より簡単で便利になりました。 私にしてみれば、断捨離の一環で、それを写真に撮って、載せておくだけで、売れたと通知が来れば、梱包して送るだけで、ちょっとしたお小遣い稼ぎになるので、大変、喜ばしいサービスで、日本のメルカリのように手数料なども取られないので、メルカリよりも割が良い気がしています。 もともと、中古品に対してあまり抵抗がなく、倹約家(ケチともいう)でもあるフランス人の間では、このようなサービスにはもともとポテンシャルがあり、ルボンカンというサイトも有名ですが、最近は、ヴィンテッドのサイトの方がサイト自体が簡潔で便利にできているので、こちらの方が圧倒的に人気になってきている気がしていました。 このように、時代の潮流にのって、利用者が拡大していけば、必ずよからぬことに利用する人が出てくるものですが、案の定、このヴィンテッドのサイトを利用して、コカインを販売していた男が逮捕されたというニュースを聞いて、なるほど・・と思ってしまいました。 たしかに直接、人と会って荷物を渡すわけでもなく、しかも広範囲の人に物が売れ、料金は、自動的に自分の口座に振り込まれるのですから、他のものとセットにして転売すれば、かなり発見されるリスクは少ないわけです。 どのようにして、この男の犯行に目がつけられたのかはわかりませんが、逮捕後の家宅捜索では、様々な薬物(コカイン300g、大麻樹脂315gなど)が押収されたほか、4,300ユーロの現金、拳銃、ライフル、12個のカートリッジが押収されたと言われています。 この男は、1年半にわたってVinted(ヴィンテッド)でコカインの転売を行っていたと自供しているようですが、自宅で発見された薬物に加えて、普通、家に置いておくにしては、高額の現金や拳銃やライフルなどの武器まで発見されたということは、Vintedでの販売は彼の商売の一端に過ぎなかったような気もしています。 それにしても、薬物と武器は、ここでもセットで、薬物の密売には武器が不可欠なものとなっていることを認めざるを得ないような気がしています。 当然、現在、彼のサイトはすでにクローズされていますが、他のものに紛れて、コカインの販売を行っていたことは間違いなく、現段階では、サイト上で彼と取引のあった10人が尋問を受けたと言われています。 1年半にわたる販売履歴はサイトでは確認できるものの、そのどれにコカインが含まれていたのかを特定するのには、かなり時間がかかることになりそうです。 Vintedには、一応、取引の際に相互に評価をつけるシステムになっていて、自分が取引する相手が信用に足る人であるかどうかの判断基準の参考にできるようにはなっていますが、顧客側とて、まさかこの評価にコカインのことを明記するはずもなく、たとえ他のものを買ったとしても、他にヤバいものを売っている人だった場合は、大変なことになってしまうこともあり得るということです。 まあ、特別なケースだとは思いますが、買い物をする場合は、注意しなければならないかもしれません。 便利になると、何かそれを利用して悪事を働く人がでてくるのは、これに限ったことではありませんが、私としては、けっこう身近に利用しているサービスなだけに、(今日もいらないTシャツが売れてロッカーに置きに行ったばかり)なんだか、ざわざわする感じがしたのです。Vinted(ヴィンテッド)コカイン販売<関連記事>「最近フランスに繁殖するハードディスカウントショップ アクション Action」「フランス版メルカリ ヴィンテッド...

2023年4月8日土曜日

マクロン大統領とボルヌ首相の不協和音

   年金改革問題は一向にけりがつかないどころか、迷走状態のまま、反発がやまない状態の中、マクロン大統領は、中国を訪問するため、3日間フランスを離れていました。出発前に、彼はマスコミの取材の前に側近を通じて「フランスの民主主義の危機」を否定し、年金改革には、明確な権限があることを強調し、止まない暴力行為に懸念の意を表していました。 引き続き、高圧的な態度を全く崩さないうえに、相対する国民の暴力を非難するという最悪のシナリオです。 もはや、彼の発する言葉にいちいち腹を立てるというよりは、もうすでに怒りは頂点に達している感じで、彼の発する一言一句に怒らないまでも、どうにも彼の発言はいちいち神経を逆なでするようなことばかりで、あれだけ「口が上手い」というか、お話が上手だった以前の彼からしたら、最近の彼から出る発言は、まるでシナリオライターが変わったのではないか?と思ってしまうほどです。 それに対して、マクロン大統領の留守を守るボルヌ首相は、ここにきて、「物事を急がないように細心の注意を払う必要があり、物事を休ませる必要があり、組合の面目を潰すべきではなく、...

2023年4月7日金曜日

マクロン大統領ゆかりのレストランが燃やされる! 11回目の年金改革反対デモ

  今年に入ってから、公式には11回目のデモが、色々な意味で盛大に行われました。CGT(全国組合連合)の発表によると 200 万人、当局の発表によると 74万人の人がデモに参加しました。 パリだけでも、少なくとも11,500人の警察、憲兵隊がデモの警備にあたる中、今回はプラスイタリー(イタリア広場)が集結場所として選ばれました。集結場所はプラスイタリーでも、そこに到達するまでにデモ隊は、抗議の声を挙げながら、パリ市内をあちこち行進していくわけで、その途中で、様々な摩擦が生まれるのは毎度のことです。 今回は、パリ6区にある有名なブラスリー「ラ・ロトンド」付近でデモ隊の一部と警察の衝突が起こり、レストランの赤いテントに発火筒が投げつけられ、赤いテントが燃え上がる火災が発生しました。MANIFS...