2024年8月31日土曜日

8月のインフレ率は3年ぶりに2%を下回る・・を勝手に誤解した・・

   「8月のインフレ率は3年ぶりに2%を下回る」という見出しを見て、勝手に「えっ?値下げ??」と勘違いしました。 しかし、これは価格が下落していることを意味するのではなく、以前よりも上昇のペースが鈍くなっているという意味でした。がっかり・・。 その後、記事を読み進めるとINSEE(国立統計経済研究所)は今週末、フランスの8月の消費者物価指数が1年間で1.9%上昇したと発表・・とあり、物価上昇率が2%を下回ったというだけで、依然として上昇を続けているというものでした。 これは価格が下落していることを意味するのではなく、以前よりも上昇のペースが鈍くなっているというだけでした。 国立統計経済研究所は、主な原因は「エネルギー価格の明らかな減速」にあると説明しており、エネルギーコストは、2023年8月1日から適用された規制電力価格の値上げにより、1年前には7%近く跳ね上がっていたのに対し、2024年8月には1年間でわずか0.5%しか上昇しなかったことによるもの」としています。 いずれにしても、上昇率が緩やかになったというだけで上昇し続けていることは確か・・一度、上がった値段が下がるということはまずないのがふつうなのです・・まったく甘かった・・。 以前、ある有名なフランスのブランドの時計部門の人が「スイスフランが上昇したために、値上げをします」と説明していたので(フランスのブランドでも時計はスイスで作っているため)、「それなら、スイスフランが下がったら、値下げするんですか?」と半分嫌みを込めて聞いてみたら、その人は苦笑しながら、「いや、値下げはしません」・・と。 今回の「インフレ率、2%を下回る・・」のニュースを見て、そんな話を思い出しました。 残念ながら、一端、上がった物価は戻らないのがふつうなのです。 しかし、国立統計経済研究所によると、石油製品と工業製品の価格は下落しているそうで、エネルギー価格とかなり近い部門では、価格が下がっているようです。 これに比べて、著しく上昇したのは、サービスの価格で、1...

2024年8月30日金曜日

フリージュの着ぐるみを着る俳優たち

   先日のパラリンピックの開会式では、舞台上にもあがり、そのパフォーマンスが思わぬ話題を呼んだりして(残念ながら、テレビでは放映されなかったため、余計におタカラ感が生まれたかも?)、注目された今回のオリンピック・パラリンピックのマスコットキャラクターのフリージュくんたち。 私は開会式でダンスしているのを見て、「さぞかし暑くてしんどいだろ~な・・」と思って見ていました。 マスコットキャラクターとして発表された当初は、一体、これのどこが可愛いいのか?と賛否両論だったこのキャラクターも一年の間にすっかり定着、浸透し、ぬいぐるみから、Tシャツや帽子からあらゆるオリンピックグッズに登場し、キャラクターとしては大人気で、街を歩いていても、Tシャツを着ている子どもたちや、グッズを持っている人々を想像以上に多くみかけるようになりました。 私もなにか記念に一つくらいは欲しいかな?と思って、マグカップを一つだけ買いました。 しかし、キャラクターグッズだけでなく、パリでは、もう登場すれば、スターなみの人気のこの着ぐるみを着た動くフリージュくんたちはオリンピックでは33体、パラリンピックでは、22体活躍しているそうです。 私もオリンピックが始まる少しまえに、偶然、シャンゼリゼにいるこのフリージュくんたちに遭遇し、なんだか思いのほか興奮して、一生懸命、追いかけてしまいました。 このフリージュの着ぐるみを着て活動しているのは、俳優さんたち(男女ともに)なのだそうで、常にマネージャーが同行し、装備やタイミングを管理し、相棒の着替えを指導し、群衆の中を移動し、写真を待つ列を管理しているのだそうです。 このフリージュを演じていた一人の女優さんは、「当初は批判されましたが、今ではオリンピックの冒険において最も象徴的なキャラクターとなり、人々が遠くにフリージュを見つけると、幸福感に駆られ、誰もが私たちに向かって突進してくるようになりました!」と人々に歓喜を呼び起こしていることに喜びを感じています。 また、このフリージュの目となり活躍しているマネージャーを務めた青年のミッションは、フリージュに寄り添い、どこにでも目を向け、周囲の観客の流れを管理し、子供を押しつぶさないように、観客の飲み物、食べ物、化粧品で衣装を汚さないように、あるいはフリージュ自身が落ちないように注意することで、大変な体力と緊張を要するものであったと語っています。 また、彼自身は決して目立ってはいけないわけで、実際、私がフリージュに遭遇したときも、そのような人がそばにいたことは、気が付きませんでした。 そして、実際の着ぐるみ?は、それほど重くないそうですが、視界と聴覚が低下、目や口を通してメッシュ効果があり、着装した感じはバックパックに似ており、体の周りで膨らませると、それでもかなり堂々としたものになるので、動き回るにはその体積を理解する必要があります。 暑さに関しては、若い女性は、長時間、振りつけどおりに踊った後は、頻繁に汗をかくとしても、耐えられる程度のものだそうで、これは実際には小さな送風機のおかげで空気で膨らむフェルト生地が使用されているため、内部に大きなスペースが残っているのだそうです。とはいえ、その送風機をもってしても、ある程度は熱がこもるであろう着ぐるみを着るのは楽なことではなかろうに、思わぬ人気ぶりに暑さも厭わない・・そんな感じなのかもしれません。 空港、駅、各競技大会の会場や、観光スポットなど、ありとあらゆるところに彼らは神出鬼没に登場し、多くの人々から写真撮影を求められています。 小さな子どもたちは、もちろんのこと、大人の観光客も、皆が彼らと写真に写りたがり、その度にポーズをとって撮影に応じます。中でも、けっこう意外に写真撮影の希望が多かったのは、警察官など警備にあたっていた人々だそうで、「子どもや孫たちのために・・」と写真撮影を求められたそうです。 このオリンピックを支えた警察官たちもバカンス期間中に働いた記念写真としては、絶好のものだったかもしれません。 日本だったら、そんな記念写真を撮影していたら、警察官たるものが職務時間中に何ごとだ!などと言いだす人がいそうですが、このおおらかで緩い感じが私は好きです。 日頃、事件などが起こったりして、警察官の個人情報!などと騒いで、警察官等の撮影は、絶対にいけない!などと言われているものの、意外にも、この警察官たちと写真撮影したがる観光客もいるようで、また、それに嬉しそうに彼らが応じているのも、なんか微笑ましい気もしました。 この小さなフリジア帽にスポーツを通じてフランス革命の使命を伝えたかったというこのマスコット・・革命なのかはともかく、人気は上々なようです。 フリージュの着ぐるみ<関連記事>「2024年パリオリンピック・パラリンピック マスコットキャラクター フリージュ」「パリオリンピック...

2024年8月29日木曜日

パラリンピックの開会式は晴れ

   恥ずかしながら、私はこれまでパラリンピックの開会式というものを見たことがありませんでした。どちらにせよ、見るといってもテレビで見るだけなのですが、それさえも、今回のパラリンピックの開会式は私にとって初めて目にするものでした。 開会式直前の時間にテレビをつけると、これまでオリンピック仕様だったスポンサーのコマーシャルはあたりまえですが、全てパラリンピック仕様のコマーシャルに切り替わっていて、それぞれのスポンサーのコマーシャルも興味深く拝見しました。 パラリンピックの開会式当日は、オリンピックの開会式と違って晴天に恵まれたものの、31℃というパリにしたら、けっこうな暑さで、その日にバスに乗って出かけたら、冷房もなくむんむんの暑さで、かなり厳しい暑さでした。 当日、パラリンピックの開会式のパレードが行われたシャンゼリゼやコンコルド広場近辺には、近寄らなかったので、どの程度の警備であったのかは、わかりませんが、オリンピックの時に比べると、範囲も限られるので、そこまでのことではなかったと思います。 今回、オリンピックにしてもパラリンピックにしても屋外での開会式にこだわり、セーヌ川上のパレードほどではありませんが、シャンゼリゼの上から下まで歩くというのも、パレードではなくともなかなか時間がかかるものです。 全体的には、パリ祭の感じに近いので、オープニングにトリコロールの噴煙を撒きながら飛んでいく飛行機の様子がテレビで映ったので、あわてて、窓の外を覗くと、遠くに青、白、赤の噴煙が見えて、任務を終えた8機の飛行機が家の近くを通って帰って行ったので、手を振ってみるという子供じみたことまでしてしまいました。 選手のパレードは20時から始まって、最後のフランスチームまでが出揃ったのは22時とすでにもう2時間。夜になってもけっこう気温が高いため、オリンピックのマスコットの着ぐるみを着て踊り続けている人などは、さぞかし地獄の暑さで大丈夫かい!とか一人で思いながら、見ていました。 この選手入場が始まるときに、「アルファべティックフランセーズの順番で入場します」と解説が入ったので、「フランスのアルファベットってなに?」と思ったら、どうやら、国の名前がフランス語名のアルファベット順というこらしいです。 日本はどちらにしても「J」なので、中盤くらい・・日本は白いコスチュームで品よく、選手たちの表情も穏やかでとても好印象でした。オリンピックの時は、ほぼほぼ一瞬しか映らなかったけど、今度はしっかり見れて良かったです。 なにせ、パラリンピックの開会式など初めて見たので、パラリンピックも、ものすごくショーアップされている感じが、こういうものだったのか・・と新鮮な気持ちと、オリンピックの開会式のように、また何かやらかすのではないか?とちょっとドキドキしながら見ました。特にパリオリンピック・パラリンピック組織委員会会長が「アムールと革命の国へようこそ!」と挨拶したのですから、なおさらのことです。 参加している選手をはじめ、周囲のボランティアなどの様子を見るに、オリンピック以上にお祭り感があって、ボランティアの人々も踊り続けながら選手を迎えていたのには、頭が下がる気がしました。 22時15分くらいにようやくショーのオープニング、それからお偉いさんたち?の挨拶などが続き、それから本格的なショーが始まるのですから、とにかく長い長い・・。 時間どおりには、いかないところは、むしろ、フランスの通常運転ですが、実際に開会式が終わったのは、予定をかなりオーバーした23時50分頃でした。 しかし、やはりパリの中心、凱旋門からシャンゼリゼ、コンコルド広場、そしてエッフェル塔までがライトアップされて画角に入る景色は美しく、むしろ、セーヌ川の開会式よりも見やすく、わかりやすかったのではないか?とも思います。 今回、セレモニーが行われたコンコルド広場のオベリスクがトリコロールをはじめ、様々なライトアップがなされて、こんな風にもなるのか?と新鮮な気がしました。 式典の終わりにはチュイルリー公園が装飾の一部となり、水盤の照明が点灯し、聖火が点火され、気球が上がっていく様子は幻想的でとても美しかったです。これでようやく終わりかと思ったら、そこからは、コンコルド広場にはまるでディズニーランドの花火みたいな色合いの花火があがりました。 オリンピックの成功により勢いづいて、パラリンピックチケットの販売は、250万枚のうち200万枚がすでに売れているという状況になっているとかで、このうち20万枚は、9月2日の新学期開始までの期間に学童に割り当てられるそうです。 合計...

2024年8月28日水曜日

夏のバカンスが終わると・・フランス人は・・

   8月も残りわずかとなり、バカンスに出かけたパリジャンたちが戻ってくる・・つまり、メトロも混み始めるし、渋滞も戻ってくる・・と覚悟していたのですが、少しずつは戻ってはいるのでしょうが、まだ閉まっているお店も多いし、いつもほどには、メトロの混雑や道路の渋滞もまだまだ本格的には戻って来ておらず、どうやら、みんなギリギリまでバカンスを楽しむつもりなのだな・・と感じています。 今年はオリンピックがあったり、まだまだこれからパラリンピックが控えていることもあり、パリジャンのバカンスのとり方もイレギュラーだったとは思いますが、とはいえ、学校が始まり、フランスでは9月からが新年度の開始なので...

2024年8月27日火曜日

テレグラム社長逮捕報道で疑問に思うこと

   このニュースを私が知ったのは、マクロン大統領のXのポストで、「テレグラム社長の逮捕は、進行中の法的捜査の一環として行われたものであって、これは決して政治的な決定によるものではありません」というもので、「えっ?テレグラム社長の逮捕ってなになに?」というか、「テレグラム社長って誰だれ?」とこの件に関しての報道を探し始めました。 今回の主人公?テレグラム社長は、パーヴェル・ドゥーロフという若手の起業家で、テレグラムのメッセージングの創始者であるロシアの億万長者のようです。 先週末にアシスタントとボディーガードとともにアゼルバイジャンへから帰国した39歳の起業家は、フランス憲兵隊に伴われて、フランス警察による取り調べのため、ル・ブルジェ空港で逮捕されたとのことです。 世界中に視聴者を持つソーシャルネットワークの管理者の逮捕は、フランスでは初めてのことで、彼が逮捕されたのがテレグラム社の社長としてだったのか、個人として逮捕されたのかは明らかにされていないものの、しかし、フランス当局には、彼のプラットフォームで盛んに行われている違法行為に関連するいくつかの捜査で彼を尋問する理由があると言われています。 テレグラムは新しい会社ですが、これまでにもフランスでは数々の話題に上がってきました。例えば、バタクラン攻撃の際、テロリストが攻撃の準備のためにテレグラムで通信していたことが発覚したときなどは、かなり話題になりました。 新しい会社ながら、注目されるのは、その躍進の速さで、あっという間にこのプラットフォームには現在、世界中で約10億人のユーザーがいると言われており、ヨーロッパでは4,100万人がこのプラットフォームを利用しており、来年にはニューヨーク証券取引所でのIPOを計画しているそうです。 彼はいわゆる自称リバタリアンであり、最大限主義的な意味での表現の自由の支持者であり、検閲に反対し、個人のプライバシーの権利を擁護し、読まれずにメッセージを交換する自由を保証することを目的としてこのテレグラムのメッセージングサービスを行っています。当然、これが麻薬密売、児童ポルノ画像、リベンジポルノ、フェイクニュース、武器販売、テロリズム、詐欺などのさまざまな違法行為にとって重要な通信手段にもなってしまい、国家間、特に戦時下にある現在、双方の通信手段としても利用されているようで、彼の逮捕が政治がらみのものではないか?という疑問が湧いたのもわからないではありません。 しかし、彼の逮捕は未成年者保護局からの捜索令状の対象であるとも言われており、同組織はプラットフォーム上での児童ポルノコンテンツの拡散を懸念して、2023年から調整していた予備調査により組織犯罪、詐欺、テロリズムに対する謝罪、サイバーハラスメントなどのいくつかの犯罪に対する広範な司法調査が開始されることになったという話もあります。 一方で、彼の逮捕で問題になっている一面というのが私は、気になっています。彼は、サンクトペテルブルク生まれのロシア人でありながら、彼は3年前にフランス国籍を取得しています。ここまでならば、そこまで不思議な話ではないのですが、彼のフランスでの国籍取得名は、ポール・デュ・ローヴという名前で、しかも不可解な条件のもとであると言われている点です。 しかし、調べてみると、フランス国籍を申請する際に、正当な理由があれば、出生証明書に記載されている姓名の変更をも申請できることになっています。その正当な理由の中には、侮蔑的であると認識されているため、受け入れるのが難しい姓名である場合、また、メディアで有名になり、悪い評判を持っている場合・・というのもあります。 しかしながら、彼のようなケースの場合、結局は、元の名前で出ているわけで、この名前を変えて国籍申請した意味がよくわかりません。 いずれにせよ、今回の彼の逮捕は、たとえハイテク億万長者であっても、法を超越する者はいないという見せしめ的なものもあるのではないか?という声もあります。テレグラム社長逮捕<関連記事>「「捕食者の巣窟」と呼ばれる危険なオンライン・チャットサイト」「欧州連合...

2024年8月26日月曜日

日本を褒めてくれるのは、いつでも嬉しい

    先日、買い物から帰ってきたら、家のエレベーターの入り口あたりで、アパートの住民の女性に呼び止められました。 彼女は同じアパートの住民の女性で、顔見知りとはいえ、顔を顔を合わせれば、挨拶をする程度で、実際に彼女が何階に住んでいるのかも、どんな家族構成なのかもよく知らないような感じなので、特にアパートで何か問題があったりした場合(そんなことも、まずないけど・・)くらいしか話をすることは、ありません。 一応、ああ同じアパートに住んでいる女性だな・・という認識はあるという程度です。 私が現在、住んでいるアパートは、私たちが引っ越してきて以来、20年くらいの間に、考えてみれば、ずいぶ...

2024年8月25日日曜日

ラ・グラン・モットのシナゴーグでのテロ 深刻化する反ユダヤ主義

   ラ・グランド・モット(モンペリエとニームの間あたりの都市)のシナゴーグ(ユダヤ教の会堂)の前で2台の車両が放火され、うち1台の車には、ガスボンベが入っていたため、車は爆発炎上するという惨事になりました。 内務相は、フランスの全知事に対し、「ユダヤ教の礼拝所の前での警察の静的な駐留を直ちに強化する」よう要請し、国家対テロ検察局はテロ暗殺未遂事件の捜査を開始しました。 ガブリエル・アタル氏(首相を辞任しているものの、次期首相が未だ定まらないために、任務を留任中)はこの事件を「反ユダヤ主義的攻撃」と表現し、「私たちは絶対的な悲劇を免れた」と宣言したものの、「この襲撃者からは決意が極めて強いことが感じられる」と語りました。 「もし当時シナゴーグが礼拝者でいっぱいだったら、最初の数分で人々が建物から降りてきて、おそらく多くの犠牲者が出ていただろう」とも付け加えました。 しかし、思うに、襲撃者はむしろ、人の集まっていない時間帯を選んで警告の意味で爆発を起こしたとも考えられ、絶対的な悲劇を免れたのではなく、襲撃者は、むしろ、そのように計画をしたのではないかという気がしないこともありません。 車内のガスシリンダーが爆発した衝撃で突き飛ばされ、地面に投げ飛ばされた市の警察官1人が負傷し、モンペリエ大学病院の緊急治療室に搬送されていますが、生命に別条はなく、夕方には帰宅できたと言われていますが、近隣住民の証言によれば、建物が倒壊するのかと思ったほどの爆発と火災だったようで、犠牲者が出ていないとはいえ、衝撃の大きさは計り知れません。 容疑者は指名手配されていますが、パレスチナ国旗を掲げている姿が監視カメラで撮影されており、明らかに反ユダヤ主義の抗議の意味を明確にした攻撃であることは、明白です。 ここのところ、次期首相をはじめ、選挙後の内閣がなかなか組織されずに大統領と各党の間で不穏なムードが続いていますが、この反ユダヤ主義行為に対する非難は全会一致であり、左から右まで、政治家全員が列をなして、深くショックを受けたユダヤ人コミュニティに対する今回の攻撃を非難しています。 このように、即刻の対応が必用な事件が次々と起こるのですから、一刻も早く、内閣はしっかり結束してほしいものです。 それにしても、反ユダヤ主義の事件は明らかに増加しているようで、つい先日もパリのメトロの中で暴言を浴びた女性が危険を感じて、告訴状を提出したことから、大小併せて、反ユダヤ主義の事件がかなり増加していることが公になったばかり。 今回の事件は、その中でもテロとして捜査が開始される規模の大きな事件が起こってしまったわけで、今から考えれば、オリンピックの時のここまでする?という警戒ぶりや、イスラエルの選手団だけは、24時間体制で警備がついていたという話などにも頷けてしまうような気がします。 指名手配されている今回の事件の容疑者は、現在のところ逮捕されていませんが、たとえ、この人物が逮捕されたとしても、その反ユダヤ主義の裾野はかなり広いものと思わずにはいられません。反ユダヤ主義テロ<関連記事>「パリのメトロ9号線の車内で侮辱された女性が告訴状提出」「最大級...

2024年8月24日土曜日

コカ・コーラとシュウェップスのプラスチック微粒子混入問題

   Acting for the Environmental (APE) (住みやすい地球を求める声を広めることを目的として環境保護を支持する市民動員のためのフランスの団体)が行った調査結果によると、現在、販売されているコカ・コーラ オリジナルの 1 リットルボトルとシュウェップス インディアン トニックの 1.5 リットルボトルから6種類のプラスチックの微粒子が発見されたことを公表し、消費者が無意識にマイクロプラスチックを飲むことは容認できないと考えており、「これは厳格に規制されていないため、フランス当局はこの問題を取り上げ、公衆衛生と環境保護の優先課題とすべきだ」と訴えています。 このActing...

2024年8月23日金曜日

アラン・ドロンは日本での驚異的な人気を誇りにしていた

   アランドロンの訃報が聞こえてきて以来、アランドロンに関する逸話が続々と語られているなか、アランドロンが日本で驚異的な人気があったということについての話があったので、少し興味深い気がして読みました。 実のところ、アランドロンの全盛期、日本で最も人気のあった頃を私は知らないのですが、それでも、なんとなく美形の代名詞のように語られている感じは知っている・・それくらいだったので、当時の日本でのアランドロン人気について、彼の没後にフランスで語られているのを見て知るという、不思議な感じでした。 私の記憶にはなんとなく彼の全盛期のイメージの面影があったので、フランスに来たばかりの頃、初めてフランスのテレビ番組(なんかのトークショーのような番組だったと思う)で彼を見かけて、あまりの変貌ぶりに驚いた記憶がありますが、それも20年くらい前の話、今から考えれば、あの時は、まだまだ良い方だったのです。 ある、フランスの番組でのインタビューで、「あなたは、世界的なスターですが、とりわけ日本では驚異的な人気があることについてどう思いますか?」などと尋ねられたりもしていて、彼はフランスでも日本で驚異的な人気を得ていることが有名であったことがうかがえます。 フランスでは、一時、彼はフランスよりも日本での方が人気があると言われることもあったようで、また、彼自身も自分を「日本における生きる神」のような存在であることを公言することを好んでいたとも言われています。 彼自身はインタビューの中で、自分が日本で人気がある理由について、「日本人にはある種の白人に対する憧憬のようなものがあり、それに自分の美貌と理想的な男性像、映画の成功が重なった結果であり、人々は私の手に触れるだけで、私が指にキスするだけで、大きな喜びを感じている・・」というようなことを語っています。 これだけ冷静に聞くと、ちょっと小馬鹿にされているというか、鼻もちならない嫌みな感じがしないでもありませんが、彼はまた、映画「太陽がいっぱい」の成功によって、その容姿と神秘的で野心的な側面だけでなく、哀しく孤独で冷笑的でもある暗い側面が、敗者を励ますことを好む日本の観客にとって非常に魅力的に映った結果でもあると、日本人の国民性も考慮した分析もしています。 彼は日本での人気を映画の興行だけではなく、ビジネスとしても充分に活用し、1970代には、日本で販売するフレンチ...

2024年8月22日木曜日

新千歳空港でハサミ紛失のための欠航・遅延についてのフランスの報道

  「日本では、ハサミの紛失後、空港が数時間麻痺した!」というニュースの見出しに驚きました。というより、このことがフランスで複数の報道機関で取り上げられていることに驚いたのです。 「先週末、日本の新千歳空港の国内線の出発待合室にある店舗からハサミが紛失し、数時間フライトが中断されました。合計 36 便が欠航し、200 便以上が遅延しました。日本では、ハサミの紛失後、空港が数時間麻痺したのです」と報道内容の大枠はこんな感じです。 この事件により、空港では数時間にわたる捜索が行われ、その結果、36便が欠航し、201便が遅延し、出発ラウンジの乗客は再び保安検査を受けることを強制されたと報じています。 考えてみれば、空港では、国内線、国際線に関わらず、保安検査場で手荷物や金属探知機などを通されて、最近では時には、靴まで脱ぐように命じられたりすることもあったりもして、窮屈な思いをすることも多いですが、一方、空港内にある店舗やレストランなどでは、ハサミだって、ナイフだってあるのですから、この新千歳空港の保安当局が懸念したように、テロリストがこれらのハサミを入手し、飛行機内で武器として使用するという可能性は、考えられないこともない話ではあります。 飛行機が定刻どおりに出ないことは、むしろ、日本よりも海外の方が多いような印象がありますが、今回の新千歳空港の件のような理由でフライトが遅延、またはキャンセルになったという話は聞いたことがありません。 この事件?の発端は、出発待合室にある店舗から「ハサミ紛失」の警報が発せられたことによるものだと言われていますが、そもそも、日本の空港の店舗には、ハサミ等の凶器になり得るものを紛失した場合には、届け出なければならないというマニュアルがあるのでしょうか? だとしたら、かなり徹底した管理体制をとっているところは、さすがに日本、すごいな・・と思うのですが、おそらく、フランスなどの空港内の店舗でもし同様の紛失事件が起こったとしても、そんなに大騒ぎをしないのではないか?というより、そんなに厳重に管理をしていないのではないか?と思ってしまいます。 だからこそ、今回の新千歳空港の事件がこんなに報道されているのだろうと思うし、それが良いとか、悪いとかのジャッジは報道の中ではしていません。 むしろ、今どき、ハイジャックのような割に合いそうもないことをやらかすことも少なかろうと思う反面、テロや諍いが世界中で起こっているなか、まったく危険性がないとも言えないし、今回の報道では、むしろ、その手があったか!と思いついてしまった人がいそうな気もしないでもありません。 空港運営者は声明で「店舗従業員の適切な使用、保管、管理体制の欠如が原因で事件が発生したと認識している」とし、謝罪したそうですが、この夏休みの最も多くの人が交通機関を利用する時期に、フライトをキャンセルされた人々からしたら、お金を返してもらうだけではおさまりのつかない思いをしているのではないか?と思います。 結局、ハサミは、翌日、同店舗内で見つかったそうですが、大した人騒がせなことです。非難ごうごうなことはもちろんですが、一方では、...

2024年8月21日水曜日

パラリンピック開会式はコンコルド広場で・・パレードはシャンゼリゼ

  ついこの間、シャンゼリゼのあたりに行った時、オリンピックのフラグなどは、そのままだし、オフィシャルグッズショップなども、まだ相変わらず、盛況で、まだパラリンピックもあるからなんだろうな・・とぼんやりと思っていました。 そして、凱旋門の脇あたりが工事中で、なにやら、ステージのようなものを作っている模様で、あらら・・パリ祭も終わったし、オリンピックも終わったし、パリ祭もとっくに終わっているし、こんなところにステージを作って何をやるんだろう?と思っていました。 帰ってきて、調べてみたら、どうやらパラリンピックの開会式はコンコルド広場が会場となり、選手たちは、シャンゼリゼをパレードするんだそうです。 開会式会場がコンコルド広場で、パレードがシャンゼリゼとなれば、まさにパリ祭の時のような感じが予想され、選手たちは、シャンゼリゼをおりてきて、コンコルド広場に集結する感じになると思われます。 この間、シャンゼリゼからコンコルド広場の方を眺めたら、その向こうにあるチュイルリー公園のオリンピック聖火のために設置された気球がまだ、そのままになっていて、あれ?あの気球は、このまま記念碑のようにずっと据え置きになるのかな?などと思っていましたが、どうやらパラリンピックのためのようです。 でも、シャンゼリゼからも見える光り輝く気球は美しく、またチュイルリー公園の方から見ても気球の向こうにシャンゼリゼ、凱旋門が見える景色はなかなか幻想的で美しいので、このままずっと残したら、パリの名所のひとつになるのでは?とも思います。 夏のパラリンピックをパリで行うのは初めてのことだそうで、このパラリンピックの開会式にもまた、付加価値をアピールしている感があり、シャンゼリゼ通りとチュイルリー公園の間にあり、国会議事堂やグラン...

2024年8月20日火曜日

戻ってきたRATP(パリ交通公団)の検札官とバスのチケット

   パリオリンピック期間中は、 パリ市内のバスやメトロで全くチケットのコントロールの検札官の集団を見かけることはありませんでした。おそらく、オリンピックのための駅の警備や案内係等のために多くの人員を割かなければならなかったのと、混雑時の混乱を避けるためではなかったかと思われます。 パリオリンピックの開会式の一週間ほど前から、パリのバスやメトロの料金は、通常の倍近くに値上がりしましたが(月額、年額のNavigo(定期券のようなもの)購入済みの場合を除く)、このオリンピック料金は、オリンピックが終わった現在もまだ続いています。 パラリンピックを控えているということもあるのでしょうが、...

2024年8月19日月曜日

アラン・ドロンの訃報 「サムライは死んだ・・」

           ここ数年、アラン・ドロンについては、彼の子どもたちどうしの家族のいざこざばかり(父親の治療をめぐって弁護士を介して衝突したりしていた様子)が大きく報じられてきました。 本当のところの真相はわかりませんが、かなり彼自身がすでに心身ともに正常な状態ではなかったようで、最後には彼の財産等も含めて、司法監督下におかれていました。 彼がフランスの映画界における偉大な存在であることは当然、知っていましたが、その度に流れる、彼が公に姿を現した2019年のカンヌ映画祭の名誉パルム賞を受賞した時の様子には、すでにかなり痛々しい印象を受けました。 子どもたちが彼の人生の最後の数年に寄り添ったパートナーを追い出し、その後は子供たちの間で諍いを起こす様子は、カンヌ映画祭で見た痛々しい彼の様子を考えるに悲惨としか言いようのない感じが...

2024年8月18日日曜日

WHOが最高レベルの世界的警戒を発令した今回のサル痘はどのくらい危険なのか?

   数日前にWHO(世界保健機構)が「サル痘」に関する最高レベルの世界的警戒を発令したというニュースは聞いていました。しかし、まあ、そのうちおさまるでしょう・・と、正直、あまり関係ないような感じもしていて、そのままスルーしていました。 ところが、このサル痘の世界的流行のニュースはフランスでは、けっこう引き続き報道し続けていて、なんだか不穏な気がしてきました。そもそも毎日毎日、いくらでもあるニュースの中で、特にテレビのニュースの時間枠は限られており、そのニュースに毎日のように食い込んでくること自体、ふつうの話ではありません。 今は、バカンス中で多くの人々が世界中、あちこちの国を行き来することもあり、このような感染症が拡大する危険性は高いかもしれません。 特にオリンピックの後、パラリンピックを控えているフランスにとっては、まだまだ世界中から人が集まる場所でもあり、特に警戒しなければならないことなのかもしれません。 サル痘は2022年にも流行し、その後、今年、再流行の波を迎えており、始末の悪いことに、今回流行しているのは、以前のサル痘よりも新しいクレード...

2024年8月17日土曜日

フランスの新首相候補の女性 ルーシー・カステッツ 

   オリンピックムードの盛り上がりで、一時の騒ぎが嘘のように搔き消されてしまった感のあるフランスの首相任命、新内閣の組閣問題がそろそろ、取り上げられるようになってきました。 そういえば、マクロン大統領は、ガブリエル・アタル首相からの辞表は受理したものの、オリンピックを滞りなく行うことにまず注力するということで、首相の任命はオリンピックの終わる頃に発表するとしていました。 そして、フランスでは、大いに盛り上がったパリオリンピックのために、国民のこの内閣組閣への関心も少し逸れた感じもあり、マクロン大統領自身もオリンピック後半になってくると、中継されている試合の会場には、「えっ?マクロン大統領また来てる?」と思うほど足しげく、オリンピックの試合会場に姿を見せており、私が言うのも何なのですが、「仕事してる?」と思うほどでした。 そして、オリンピックは一応、無事に終了して、一息ついたかと思われるようになった今、ようやく、そういえば、首相はどうなった?とばかりに首相任命問題が取りざたされ始めました。 どうやら、フランスの次期首相は、ルーシー・カステッツという女性を第一党となった新人民戦線(NFP)が推しており、マクロン大統領もこれに依存はないようで、8月23日には、各会派の議長や党指導者らをエリゼ宮に招き、話し合いを行ったうえ、首相任命の運びとなるようです。 このルーシー・カステッツという女性は1987年生まれの37歳(さすがにガブリエル・アタル氏には負けますが、やはり若い!)、パリ科学院(通称シアンスポ)、国立行政学院に学び、上海のフランス総領事館(文化武官補佐)勤務を経て、世界銀行のマネーロンダリングおよびテロ資金供与対策部門のコンサルタント、秘密金融回路、マネーロンダリング、テロ資金供与との戦いを担当する諜報機関である...

2024年8月16日金曜日

パリのメトロ9号線の車内で侮辱された女性が告訴状提出

   オリンピック期間中は平和だったかに見えていたパリのメトロの中で、一人の男がユダヤ人の女性及びその家族を攻撃する暴言を吐き、つばを吐きかけるという事件が表沙汰になりました。 事件は、早朝のメトロ9号線の車内で起こり、一人の男がユダヤ人に向け反ユダヤ主義的攻撃を続けていたところ、この女性は、恐怖を感じつつも、勇敢にも携帯で撮影しながら、「黙りなさい!やめなさい!と言いながら、この男が暴言を吐き、彼女たちを攻撃し続ける模様を撮影し続け、警察に苦情を申し立てる!」とその言葉どおりに彼女は本当に警察に告訴状を提出しました。 イシー・レ・ムリノー警察署(オー・ド・セーヌ)はこの女性からの...

2024年8月15日木曜日

オリンピックの終わった8月のパリはいつも以上に空いている

   今年の夏のパリは、当初、オリンピック効果を目論んで、ものすごい数の観光客を期待して、1年前にオリンピック期間中のホテルの予約が始まった当初は、おそらくパリ及びパリ近郊の宿泊施設が足りなくなるであろうと見込み、それにつれて、パリ市内のホテル価格は、2倍、3倍どころか、10倍以上にも価格が吊り上がる異常な事態になっていました。 ところがオリンピックが近付くにつれて、予約が思ったほど入らず、ホテル業界は、冷水のシャワーを浴びている・・ともっぱらの評判になりました。 実際に、オリンピックのための観客どころか、通常、夏の間に来ていた観光客までもがパリを避け、パリ市民たちも警備のための厳...

2024年8月14日水曜日

クロスボウの矢を頭に受けた女性が危篤状態

   パリオリンピックが終わって、堰(せき)を切ったように凶悪事件が報道され始めて、残念ながら、通常モードのフランスが戻ってきたことを実感しています。 最初に目にしたのは、ヴィルジュイフ(ヴァル・ド・マルヌ県・イル・ド・フランス・パリ近郊)の寺院で、32歳の女性が頭に矢が刺さった状態で発見されたというもので、またその犯行に使用された凶器(武器)がクロスボウという私にとってはあまり聞きなれないもので、調べてみたら、「西洋で用いられた弓の一種、洋弓銃」というものらしく、その凶器に使われたものが、耳慣れないものであることは、余計に不気味に感じられるものでした。 被害者は発見後、頭に矢が貫...

2024年8月13日火曜日

38℃に怯えて過ごした一日

   もう数日前から、来週の初めには、38℃まで気温が上昇すると聞いていて、身構えていました。最近、体力にめっきり自信をなくしていることもあり、これはもう無駄な抵抗はやめようと、この日は、出かける予定は入れずに終日、家にこもっていることにしていました。 出かけた先には、最近では大抵は冷房が入っていることがほとんどではあるものの、そこへ到達するまでの炎天下の路上を歩くことも、もう恐怖に近く、公共交通機関も必ずしも冷房車ばかりとは限らないのがパリなので、もう無駄な抵抗はしません・・という気持ちでした。 この間、暑いときに、プールに出かけて泳いでいる間にめまいを起こして、立ち上がれなくな...

2024年8月12日月曜日

やっと終わったパリオリンピック 

   今回のパリオリンピックが始まる直前までは、フランス人にとっては、突如として行われることになった選挙の方に注目が傾きがちで、また、パリでは数々の警備のための厳しい交通制限などが続いて、パリを脱出してしまった人も多く、また、観光客でさえも、通常よりも少なくなるという事態になって、オリンピックはあまり盛り上がらないのでは?とさえ疑いを持つほどでした。 しかし、いざ蓋を開けてみれば、お祭り好きのフランス人。また、かなりフランスの選手がメダルを獲得したりして、日々、盛り上がりを見せてきました。 まず、どうしても貫きたかったらしいセーヌ川での開会式は、けっこうな雨のうえ、演出な...

2024年8月11日日曜日

南海トラフ大規模地震 フランスでの報道にどっきりした・・

   ここのところ、とかくオリンピックに関する報道に偏りがちな中、日本での南海トラフでのかなり大きな地震について、フランスのニュースで専門家がかなり長い尺をとって、深刻な顔で解説をしているのを見かけて、ギョッとしてしまいました。 日本でかなり大きな地震があったことは、ネットニュース等で見ていましたが、とかく地震が多い国、被害がそこまで大きくなかったことで、少しホッとしていました。 しかし、テレビのニュースで見かけたこの日本での大きな地震についての解説には、「ほんとにそうなの?」、「日本の専門家もそんな風に言っているの?」と、少し不安に思いました。 2011年の壊滅的な地震以来、日本で新しく設けられた「巨大地震警報」が発令されたとのことでしたが、それと同時にこの大地震等の災害に日常から準備や訓練を積み重ねている日本だからこそ、今回の巨大地震ではそこまでの被害が出ずにすんでいるので、それ以外の国であったらば、大惨事になっていたであろうと・・。 耐震構造の建築物をはじめ、日本の避難訓練などの習慣を地震の被害が見込まれる国や地域では見習わなければならない・・ということがひとつ。 また、日本人の国民性や地震に慣れているということもあるのだろうが、現地フランス人特派員が語っていたのは、この規模の大きな地震にもかかわらず、日本人はパニックをおこさずに冷静に行動できるということに驚いていました。 しかし、そのように日本、日本人を称賛してくださる報道には、正直、日本人としては、少々、誇らしい気持ちもしたのですが、この専門家が説明するのは、この地震は、さらに大きい地震がそう遠くないうちに起こる可能性があるということを懇々と深刻な顔で説明するのには、正直、大丈夫かな?と心配になりました。 この警報の中心となっているのは、日本の東にある長さ800kmの海底断層である南海トラフで、この場所は過去に、マグニチュード...

2024年8月10日土曜日

9月14日オリンピックアスリート シャンゼリゼ祝賀パレード

   もうすぐ終わろうとしているパリオリンピックにおいて、未だかつてないほどのメダルを獲得しているフランスチームの功績を讃え、みんなで祝おうと、マクロン大統領は、パリオリンピック・パラリンピック競技大会終了後の9月14日土曜日にシャンゼリゼ大通りでフランス選手のパレードを行うことを発表しています。 このパレードは、具体的には、パリ2024大会組織委員会(COJO)、フランス国家オリンピック・スポーツ委員会(CNOSF)、フランスパラリンピック・スポーツ委員会(CPSF)パリ市との連携組織で行われるとエリゼ宮は説明しています。 エリゼ宮・広報の説明によると、「大会の成功に貢献した人々、言い換えれば、さまざまな関係者らとともにシャンゼリゼ通りをパレードする」ということになっているので、ひょっとしたら、このパレードには、この大会を陰で支えたボランティアなども参加することになるのでは?とも考えられます。 実際には多くのパリジャンがオリンピックから逃避してバカンスに出かけてしまいましたが、9月になれば、フランスは新年度が始まっているタイミングでもあり、実際のオリンピックが行われた時とは違う顔ぶれがこのパレードを訪れることになるのかもしれません。 以前はオリンピックではありませんでしたが、シャンゼリゼはスポーツの勝利を祝う伝統的な場でもあり、1998年にフランスで開催されたサッカーワールドカップでフランスチームが優勝したときには、盛大なパレードが行われ、50万人もの人が集結したという記録もあります。14...

2024年8月9日金曜日

最近、バスやメトロで気になって仕方ないこと

   バスやメトロの中で小さい子ども連れを見かけると、なんかホッコリした気分になります。なんか、可愛い子どもがニコニコしていると、こっちまでニッコリしてしまい、なんか暖かい気持ちで見守る気持ちになり、小さい子どもの様子をなんとなく目で追ってしまいます。 特にベビーカーに乗っているくらいの小さな子どもだと、可愛くて仕方ありません。 しかし、最近、気になって仕方ないのは、そんなベビーカーに乗っているくらいの小さな子どもが携帯でアニメのようなものを楽しそうに見ていたりするのをわりと頻繁に見かけるようになったことです。 そんなの他人の子どもなんだから、よそのおばさんがお節介に言うことでもな...

2024年8月8日木曜日

パリオリンピックのメダリストへの報奨金

    フランスにいると、あたりまえだけど、オリンピックもフランス人の選手が中心に報道されるので、日本人の活躍がほとんど見られないので、最初は少し見ていても、そのうち飽きてきて、結局、オリンピックはどうでもいい感じになって、結果的にあまり競技は見ないようになってしまうのですが、今年は、やはり、自国開催ということで、かなりオリンピックの報道が多く、また、フランス人がメダルを結構とっていて、その度に、ちょっと引くほど報道している人たちがフランス人選手のことをかなり興奮して褒めたたえるので、最初は微笑ましい気持ちで見ていたのですが、そのうち、もうちょっとおなかいっぱいな感じで、もういい加減、ゲッソリしてきてしまいました。 長いこと、フランスに住んでいるので、フランスを応援する気持ちも少しはあるのですが、やっぱり日本を応援したいあたり、私は日本人だな・・と思う瞬間でもあります。 なので、オリンピックの競技というものは、ほとんど関心がなくなってきてしまいました。 もう今回のオリンピックは、色々な制限が開会式の1週間以上前から始まっていたこともあって、いつも以上にオリンピックが長く感じられ、もうそろそろ終わってよ・・と心の中では思い始めています。 まあ、私がお願いするまでもなく、あと数日で終わるのですが、結果がほぼ出揃ってきたところで、今日は、オリンピックのメダリストへの報奨金の話がニュースに出ていました。 メダリストへの報奨金の話は大昔に、けっこう貧しい国だったりすると、選手を鼓舞するために多額の報奨金を出すらしいという話を聞いたことがありましたが、フランスでも、選手への報奨金が支払われるそうです。 金メダル8万ユーロ(約1,280万円)、銀メダル4万ユーロ、銅メダル2万ユーロだそうです。報奨金とはいえ、なんとなくオリンピック=お金というのは、いまひとつ、すっきりしない印象もないでもありませんが、今年のパリオリンピックでは、水泳で一人で4つの金メダルをとったレオン・マルシャン選手は32万ユーロを受け取ることになる!という報道でした。 フランスはこのオリンピックのメダリストの報奨金を東京オリンピックの時(金メダル6万5千ユーロ、銀メダル2万5千ユーロ、銅メダル1万5千ユーロ)よりも大幅に値上げしています。 これらの報奨金は選手のみならず、選手を支えた経営陣(チーム)にも選手と同額の金額が支払われる(これまでは、選手の半額だった)そうです。 この報奨金は、11月中旬までに直接、スポーツ相とオリンピック委員会から支払われることになっています。 ちなみに日本はいくらくらいなのかな?と思って見たら、日本オリンピック委員会から支払われる金額は金メダル500万円、銀メダル200万円、銅メダル100万円だそうで、その他は各スポーツ毎に、その○○スポーツの協会から異なる額が支払われたり、全くなしのスポーツもあるそうで、一番報奨金が高いのはゴルフなんだそうです。 私は個人的には、オリンピックというスポーツがお金で換算されるようで、興ざめな気もするのですが、そんなのはきれいごとなんでしょうか?パリオリンピック...

2024年8月7日水曜日

自分の体調に自信がなくなった・・

   学生時代はけっこうスポーツを続けてきて、「体力だけは自信があります!」というのが、唯一、私が誇れるところだったのに、ここ数年でとみに体力に自信がなくなってきて、具体的にも、検査の結果が悪くて再検査、再々検査でドキドキしたり、結果、しばらく薬を調整して様子をみましょうとかいう箇所が増えて、実際にもすぐに体調を崩したりすることが増えました。 若い頃は、身体にいい食べ物・・とか言われるだけで、なんとなく「マズそう・・」などと思ってしまうあまのじゃくな性格だったのに、最近では、やたらと食べ物にも気をつけるようになり、野菜を多く摂るように心がけたりするようになりました。 先日、久しぶり...

2024年8月6日火曜日

フランス人同士でもパリジャンの悪口をいいたがる・・

  たまにイベントなどの催し物が行われるなど、駅でポスターを見かけたりするたびに、「ヴェルサイユ、きれいだよな~、今度行きたいな~」と、度々思うのですが、いざとなると、結局は行かないのがヴェルサイユです。 そんなに遠くはないし、行こうと思えば、いつでも行けるのですが、なんとなく億劫で、ヴェルサイユに最後に行ったのは、母がフランスに来てくれたときに夫が車で連れて行ってくれたのが最後なので、もう10年以上、いやそれ以上も前のことになります。 今回はヴェルサイユ宮殿でもオリンピック競技をやっているということで宮殿がどんな風になっているのか? 思い腰を上げるチャンスだと、オリンピック期間中に一度は行こうと思っていました。 なんだかグズグズしている間にあっという間にオリンピックも終わってしまいそうで、せっかく行くならお天気の良い日がいいと、思い切って行ってきました。 とはいっても、競技を観戦するチケットも取ってないし、炎天下で競技を観戦する気にもならないので、なんとなく雰囲気を味わいに行くだけなのですが、まあ久しぶりに訪れるヴェルサイユ宮殿はやっぱり美しくて、もっと頻繁に来てもいいのかも・・などと思いながら、歩きました。 他の場所と同じように警察官やボランティアがたくさんいるのですが、なにせ宮殿の敷地内は広くて、それでも木々の緑のグラデーションや彫刻などを楽しみながら歩けるので気持ちよいお散歩になりました。 と、同時にヴェルサイユに行くのに、拡張されたRER...

2024年8月5日月曜日

問題続出のセーヌ川でのトライアスロン 参加選手が大腸菌感染で入院

   最初から物議を醸し続けているパリオリンピックのセーヌ川でのトライアスロンですが、予行演習は何度もキャンセルされ、本当に実施されるかどうかは、ギリギリまでわからず、下手したら、デュアスロンになるかもしれないとまで言われていましたが、ついに、競技が行われる直前の水質検査で衛生基準に達したということで、もはや、かなり強引な形で実施されました。 参加する選手にとっては、まさに取りやめても、GOサインが出ても地獄の状況だったと思います。もう終わってしまったことは仕方ないけど、選手には、本当にお気の毒なことだったな・・と思っていましたが、案の定、実際に競技に参加した選手からは、「ゴミの中を泳ぐハメになった・・」とクレームが続出していました。 もう競技は終わったのかと思ったら、まだ混合リレーがあるらしく、再び水質検査とのせめぎ合いが続いているようで、またギリギリまで泳げるレベルの水質に達していないとのことで、再び予行演習がキャンセルされ、実際に実施するかどうかは、直前の水質検査の結果にかかっていると言われています。 すでにトライアスロン競技が行われた同じセーヌ川での水質検査が再び、基準値に達していない状態というのは、非常に不透明なことで、水質は天候によっても大きく左右されるとはいうものの、数日のうちにそのしきい値を行ったりきたりする状況での競技の実施には、大いに疑問が残ります。 そもそも、この水質検査の具体的な数値について、オリンピック組織委員会は発表していません。報道機関の質問にも回答していません。 そこで、民間検査会社が行ったセーヌ川の同じポイントでの特に大腸菌細菌の検出に焦点を当てた水質検査によると、常にデータは変化しているものの、決して推奨できる状態ではないことは明らかで、ワールド...

2024年8月4日日曜日

サン・ドニのオリンピックパークにドッキリ!・・選手村とは全然違う本当のサン・ドニ

   先日、サン・ドニのオリンピック選手村のあたりを見に行って、「ほんとに、これがサン・ドニ???」と思うほど、きれいなビルやきれいな街に仕上がっていてビックリしたばかりでした。 しかし、一方では、現在は、ほぼほぼオリンピック関係者が占領しているうえに、ものすごい警戒で、この人たちがいなくなって、本来の住民が戻ってきたら、どうなるのだろうか?と懸念のようなものも同時に抱いていました。 このオリンピックが始まってから、たまに駅のホームなどで「LE PARC DES JEUX」(オリンピックパーク)の広告が出ていて、なんか、屋外の緑の中の絵がなんか魅力的な感じで、オリンピック開催中、一...