2021年10月31日日曜日

夏時刻・冬時刻はなぜ、なくならないのか?

    1970年代に起こったオイルショックから、主にエネルギー消費の節減のために導入されたサマータイムの制度はフランスでは1976年から採用されています。 しかし、サマータイムの導入から時が経過し、実際のエネルギー消費の節約は、0.5%〜2.5%と、大した節約にはなっておらず、むしろ、健康や事故に対するリスクの方が高く、この年に2回の時刻の変更を失くすという方向で欧州連合では議論が進められ、毎年のように、「これが最後のサマータイム・・」などと言われ続け、本来ならば、欧州連合は2021年に夏時間と冬時間の終了を予定していました。 2018年には、欧州連合はこの慣行を終わらせることに...

2021年10月30日土曜日

医療介護者・看護士不足のための病床閉鎖の増加

    科学技術評議会によれば、現在、フランスの公立病院の病床は医療介護者・看護士の不足から、その20%あまりが閉鎖状態に追い込まれていると言われ、このことに対する早急な対応が求められています。 これは、もちろん今回のパンデミックにより極端に労働条件が悪化したことが引き金を引いてはいますが、そもそもこの問題はコロナ以前からの長期にわたる問題であったことが問題を根深くしています。 そもそも、医療介護士・看護士の仕事は、「きつい」「汚い」「危険」の3Kと言われる職業でもあり、敬遠されがちな上に、フランスの医療介護士(看護士)の給与は他のヨーロッパ諸国と比較してもかなり低水準。   EU...

2021年10月29日金曜日

フランスの食品廃棄物救済アプリ Too Good To Go 

「Too Good To Go」で3.99ユーロで購入した「PAUL」のパン  最近、環境問題の一貫として、食品廃棄物の問題が取り上げられ、スーパーマーケットなどでも賞味期限間近、または、廃棄処分になっている食料品を食品廃棄物防止の黄色やオレンジ色のラベルが貼られて、大幅に値段を下げて、売られるようになりました。 これは政府の「アンチガスピヤージュ(無駄廃止)」の呼びかけによるもので、大きな成果を上げてきました。 そして、ここに来て、食品廃棄物を減らし、それをアプリを使って、利用できるサービスがフランスでは急拡大しています。 それは「Too Good To Go」という携帯アプリで、自分の希望する地域の食料品を扱う店舗で、その日に売れ残る商品を大幅な割引価格で購入することができるシステムです。「Too...

2021年10月28日木曜日

パリで見つけた美味しいお蕎麦屋さん あぶりそば Abri Aoba

  フランス産の鴨の鴨南蛮そば フランス人は鴨が大好き  お寿司、ラーメン、うどん・・今やパリで和食のお店は珍しくなくなりましたが、そんな中でもあまり見かけないのがお蕎麦屋さんです。 私はお蕎麦が大好きで、日本で仕事をしていた頃は、お昼というと週2〜3回はお蕎麦というオヤジのような生活をしていました。 パリに来てからは、そもそもお蕎麦屋さんには全く期待をしておらず、ずいぶん前にサンジェルマン・デ・プレの方にお蕎麦屋さんができたという話を聞いたのですが、あまりの高価さに覗いてみる気にもならず、パリでお蕎麦といえば、家で乾麺を茹でて食べるというくらいでした。 しかし、先日、「何か美味しいものは・・・」と探していたら、パリにもいつの間にかあったではありませんか? なんと、ミシュランのビブ・グルマン(Bib...

2021年10月27日水曜日

眞子さまのご結婚報道で見えるフランスの日本という国の見方

  「日本の眞子内親王の物議を醸す結婚」「眞子内親王は長い論争の末に結婚した」「眞子内親王の結婚式が帝国の伝統を破る理由」「眞子内親王は4年間の論争の末、ついに婚約者と結婚する」「4年間待った後、眞子内親王はついに結婚しました!」こんな見出しで、フランス大手各紙は眞子さまのご結婚を報道しています。 フランスでのこの結婚に関する報道は、概ね以下のとおりです。 天皇陛下の姪にあたる眞子さまは、一般人の小室圭氏と結婚しました。この結婚は婚約発表の3ヶ月後に、夫となった小室圭氏の母親が400万円(3万ユーロ)の返済を拒否したことが公になって以来、日本では物議を醸し続けてきました。 このスキ...

2021年10月26日火曜日

フランスでの婦人科検診 子宮頸がん検診

    毎年のように婦人科検診の通知が来ていたにも関わらず、ずっと放置したまま、ここ数年は、それにロックダウンなどが重なり、できる限り、病院には行かないことにしていたため、これまで私がフランスで婦人科検診に行ったのは、23年間でたったの一度だけでした。 もうそれは、10年以上も前のことだったので、記憶も朧げで、ひたすら不快で痛かった記憶しかなく、そのうちの一つは乳がん検診だったと思うのですが、大してありもしない胸を無理矢理機械で挟んで、レントゲン?を撮ったのが、もう悲鳴をあげるほど痛くて、「これは、検査で病気になりそう!」などと思い、「もう一生やりたくない!」と思ってしまったのです。 以来、検査の通知が来ても、ロクに中身も見ずに、捨ててしまうことはないものの、なんとなく気にしながらも、いつか、時間的にも、精神的にも余裕ができたら行こうと、束のように通知が溜まっていき、そのうち、もう封筒を見ただけで、「あっ!これは婦人科検診の通知だ!」とわかるくらいになり、通知に添えられている手紙にも「あなたは、ここ何年も検診を受けていませんが、検診を受けることはとても大切なことです」などと記載されるようになり、歳を重ねるにつれて、普通に生活しているだけでは健康を保てないことを痛感しつつあり、少々、不安を覚えるようにもなってきました。 先日、いつも薬を処方してもらう、かかりつけの医者のところに行ったときに、ついでに届いていた通知を持っていって、相談したところ、「それは、やらなきゃ!前回は、いつやったの?」と言われ、「もういつだったか覚えていないくらいずっとやっていない・・」と言うと、「そんなはずはない!絶対、5年以内にはやっているはず・・」などと断言されて、なんだかそれ以上はもう言い返すのも憚られて、婦人科を紹介してもらったのでした。 彼女が知っているお医者さんなら、少しは安心か・・と自分に言い聞かせて、予約を入れて、数十年ぶりに婦人科検診に行ってきたのでした。 婦人科検診、(今回の通知は子宮頸がんの検診)は、厚生省(公衆衛生局)が2018年に開始した子宮頸がんプログラムの一環で、その通知を持って行けば、検査は無料でやってくれます。 このプログラムは、25歳から65歳の全女性を対象としており、子宮頸がんの早期治療を行い、死亡率を減らし、また情報のフォローアップとケアの質を向上させることを目的としており、全ての女性が全国の子宮頸がん検診への平等なアクセスを保証しています。 年齢に応じて、3〜5年に一度の検査が推奨されていますので、これに応じて、この間隔で通知が送られてくるものと思われます。(私の場合、ずっと受けていなかったので、毎年のように送られてきていたのだと思います) この通知を受け取ったら、地域の婦人科に予約を取り、検診票を持参して、検診を受けます。この検査の実施の記録と結果はこのプロジェクトを担当する地域ガン検診調整センター(CRCDC)に送信されます。 この検診に関しては、通知と健康保険カート(Carte...

2021年10月25日月曜日

燃料費の急激な高騰のためにフランス政府が緊急に支払う100ユーロのインフレ補償手当

    パンデミック以来、ロックダウン等により、停滞していた経済が想像以上の速さで回復しつつあったフランスで、今回の燃料費を始めとする物価の急激な上昇は、見過ごすことができない問題として急浮上してきました。 日常生活に直結するこの急激な物価の上昇にフランス国民がおとなしくしているはずはありません。 すでに、先週末には、夏以来、続いてきた「ヘルスパス反対」のデモとともに、黄色いベスト運動が、この燃料費・物価の上昇に対するデモを開始しています。 フランス政府はこれを棄ておけない状況であると判断し、カステックス首相は、このインフレに対応する措置として、「月収2,000ユーロ(約26万円)...

2021年10月24日日曜日

フランス政府からの3回目のマスクの無料配布

   左から1回目、2回目、右端が3回目に配布されたマスク パンデミック以前から、日本からの観光客にマスクをしている人を見かけるにつけ、フランス人から、「なんで?日本人はマスクをしてるの?」と半ば嘲笑的に言われることがありました。「別に、みんながマスクをしているわけではないけど、衛生的に気遣っていたり、花粉症の場合なんかもマスクをするかも・・」などと、適当な返事をしながら、ちょっとバカにされている気分であまり気持ち良いものではありませんでした。 医療従事者や特別な仕事以外には、マスクをする習慣がなかったフランスで、マスクは病気を連想させ、美観?を損ねるため、個人的には、パ...

2021年10月23日土曜日

海外での在外選挙投票には、事前に在外選挙登録が必要 そしてそれは2ヶ月もかかる

   パリの日本大使館はここから歩いて7分程度のところ これまで私は、「在外選挙制度」というものがあることを知りながら、なんとなく忙しさにかまけて、日本の様子もよくわからないし・・やり方もわからないし・・と、なし崩しに、ここ20年以上も選挙の投票はせずに過ごしてきてしまいました。 このパンデミックや日本の様子を見るにつけ、私も日本国民として、少しでもできることはしなくては・・と思うようになり、近々、日本で選挙があるのを機に、「在外選挙」の投票をしてみようと思い立ったのでした。 総務省の在外選挙制度についてのホームページ(総務省・在外選挙制度について)もありますが、具体的に必要な書類...

2021年10月22日金曜日

日本のテレビ・情報番組の視聴者からの質問捏造問題を見て感じたこと

    日本の大手テレビ局の情報・報道番組が視聴者から寄せられた質問を捏造していたことが話題になっていて、さもありなんな話だと思いました。 この場合、番組が取り上げたい問題に関して、「視聴者から寄せられた質問」として、あたかも視聴者の多くが同じ疑問を抱いているかの如く扱うから、こういったありもしない質問を捏造することに繋がるのであって、恐らく、その方が説得力があると報道する側が考えており、演出の一つの方法で、また、そのようなことが常態化していることから起こるわけで、取り上げたい問題に対して、率直に報道すれば問題はないものの、妙な話だとも思います。 また、これがなぜ公に暴露されてしま...

2021年10月21日木曜日

今、パリで人気のうどん屋さん 喜心 Kisin

   一番人気の天ぷらうどん うどんと天ぷらは別皿盛り パリで人気の日本食屋さんといえば、恐らく軒数でいえば、圧倒的にお寿司屋さんだと思いますが、あまりにお寿司は広まり過ぎて、中国人経営のチェーン店展開のような、なんちゃってお寿司のお店が大半を占め、もはやお寿司は珍しくもなくなり、むしろ日本人の視点から見ると、本物のお寿司屋さんを見つけるのが難しくなりました。 次に人気なのは、ここ数年で人気を不動のものにしたラーメン屋さんで、その拡大ぶり、人気ぶりは目を見張るものがあります。どのラーメン屋さんも食事時には必ず行列ができ、お店によっては、ちょっとこれがパリ?と思うほどの行列ができています。 そして、その中に、ちらほら姿を現し始めたのが「うどん屋さん」で、恐らく、パリに最初のうどん屋さんができて久しいですが、国虎屋、十兵(Jubey)、浪花-YA、など、どれも、日本食屋さんが立ち並ぶパリ1区のオペラ界隈・サンタンヌ通り近辺に集中していました。 中でも私のお気に入りは国虎屋さんで、うどんの本場四国のうどんが美味で、出汁も天ぷらなども、恐らく日本にあるうどん屋さんにも全く引けを取らないクォリティーで、何回か通ったことがありました。(ただし、お値段は若干高めです) そして、最近、周囲の友人やSNSなどで大絶賛されているうどん屋さんがあり、ぜひ、行ってみたいと思い、足を運んで見たのです。   喜心(Kisin)というそのお店は、日本食レストラン街(パリ1区)とはちょっと離れたパリ8区、シャンゼリゼからそう遠くない場所にあり、ミシュランにも掲載されている名店です。 九州産の小麦粉を100%使用しているという手打ちの麺は、喉越しも良く、こしもあり、透明な出汁は、軟水で北海道産の昆布と築地和田久の鰹節を使用して取られており、一口、口にすれば、化学調味料などは一切使われていない丁寧な出汁であることがすぐにわかります。 透明でさっぱりしていながらも、しっかりした味わいが感じられる出汁です。 店内にはうどんを手打ちしている様子の写真が展示されている   こじんまりとした店内は30席ほどですが、店内装飾なども華美ではないものの、しっとりとした日本を感じられるもので、使われている食器などからも、このお店の配慮が行き届いていることが、そのひとつひとつに感じられます。  うどんがつかみやすいように切り込みが入れられたお箸 例えば、お箸も割り箸などは使用しておらずに、お箸が得意ではないフランス人への配慮からか、お箸の先にはうどんがつかみやすいような切り込みが入っており、うどんが入っている器も表面は小さめながら、底が深めでたっぷり入るわりには場所を取らず、冷めにくい配慮が感じられます。 提供されているメニューひとつひとつに加えて、細部にわたる配慮、全てにお店の本気度が伝わってきます。  一番人気は天ぷらうどんのようでしたが、天ぷらもさっくりカラッと揚がっていて、うどんとは別皿に天つゆ、大根おろし(鬼おろし)と生姜が添えられています。天ぷらもたっぷり、種類に富み、えびが2本とオクラ、かぼちゃ、モロッコインゲン、紫いも、ズッキーニ、マッシュルームなどが盛られており、メニューにはサラダかお漬物(カブや人参、きゅうり、枝豆など)が混ぜられた酢飯のご飯か白米が選べるようになっています。 サラダのドレッシングもお醤油ベースのゆず風味です。 店内に入ってすぐにカレーうどんの注文が入っていたのか、店内にスパイシーなカレーの香りが漂っており、一緒に行った娘はお店に行く前から「胡麻坦々うどん」を食べる!と決めていたにもかかわらず、カレーの誘惑に負けてカレーうどんを注文しました。 しかも、それに加えて揚げ餅入りという炭水化物の揚げ物トッピングという魅惑的なメニュー(牛カレー揚げ餅うどん)を楽しみました。カレーはさほど辛さはありませんが、(フランス人は辛いものが苦手)、充分にスパイスの香りがたち、手打ちうどんともよく絡む絶品。  その上、サイドメニューを酢飯のご飯という炭水化物オンパレードのラインナップでしたが、不思議と(恐ろしくもありますが)ツルツルッと、軽々と彼女の胃の腑に消えていきました。 これでお値段もカレーうどん(揚げ餅・チーズが選べる)が19ユーロ、天ぷらうどんが20ユーロとクォリティーと内容・量のわりにはお手頃で、人気の理由が伺えます。      ラーメン屋さんにしても、うどん屋さんにしても、いつも行くと思うのですが、麺をすするという文化のないフランス人が器用に音を立てずに麺類を食べる様子も、そして、けっこうお箸を上手に使う人が多いのも日本人としては、嬉しい光景でもあります。 もちろん、ナイフやフォーク(隣の人はナイフとフォークで天ぷらを切りながら食べていました)なども用意されており、頼めば出してくれます。 しかし、フランスは、もともと小麦粉文化の国、うどんがフランス人に受け入れられないわけはありません。 日頃から美味しいものがあれば、すっ飛んでいって食べてみたいという衝動に駆られる私ですが、今回のこの「喜心」は、そんな数々のお店の中でも大ビンゴでした! お持ち帰りメニューもありましたが、思い止まりました。 パリ うどん 喜心 Kisin⭐️喜心(Kisin) ...

2021年10月20日水曜日

ミスフランス運営会社・番組制作会社へフランスフェミニズム団体が訴訟状提出

    1920年にモーリス・ド・ワレフによって「フランスで最も美しい女性」というタイトルで始まった「ミスフランス」は、世界で最も歴史のある美を競うコンテストの一つです。 1987年からは、この決勝戦の模様がテレビで生放送されており、芸術、スポーツ、メディアのパーソナリティで構成される審査員の投票によって、優勝者が選出され、この者には、その年の「ミスフランス」のタイトルが付けられます。 ミスフランスの候補者は、まずフランス本土と海外の地域の代表に選ばれる必要があります。この中からさらに、スタイル、シルエット、スピーチ、行動、および一般的な文化的な教養についてのテストなどに従って、参...

2021年10月19日火曜日

ナイトクラブでのコロナウィルス感染状況の実験に希望者殺到

  17日、パリではANRS(Agence National de recherches sur le sida et les hépatites virales・エイズとウイルス性肝炎に関する国立研究機関)の支援により、AP-HP(Assistance Publique Hôpitaux de Paris)がパリの2ヶ所のナイトクラブ・ディスコでのコロナウィルス感染状況の実験を行いました。 すでにナイトクラブは、ヘルスパスの提示義務ならびに通常の75%入場者制限という感染対策のもとに再開されることが許可されていますが、この閉鎖空間でのリスクがどの程度リスクを伴うものであるのか、また、この制...

2021年10月18日月曜日

意外に注目されないフランスのマスタードの魅力

   マイーユのラベルを彷彿とさせる黒を基調とした洒落た店構え 我が家のフランス人の夫は、なぜかマヨネーズを目の敵のようにしています。まぁ、体型上、ダイエットの敵であることは、言うまでもありませんが、それにしても・・と思うほど、なぜか敵視しています。 私自身はマヨネーズは大好きなのですが、フランスのマヨネーズは概して酸味が足りず、今ひとつこれ!というマヨネーズがなく、どうにか辿り着いたマヨネーズはマスタード風味のマヨネーズ(Mayonnaise à la moutarde)というものでした。 体型を気にしてマヨネーズを使わないにしては、他の食べ物(チーズやバターなどなど)の食べ方を見ていると、非常に矛盾を感じるのですが、食事をする上であまり必要を感じていない上にそんなものでカロリーを摂取することが許せないのかも知れません。 その代わりと言ってはなんですが、彼はマスタードを非常に良く使います。肉や魚にはもちろんのこと、茹で野菜などにも欠かすことはありません。 そんな彼と暮らし始めた頃は、食卓には必ずマスタードが置かれ、何にでもマスタードをつけるのを見て、「この人、変わってるな〜」くらいに思っていたのですが、よくよくフランスでの生活に慣れていくと、ビストロやカフェなどの食事の際には、マスタードが登場することがとても多く、フランス人にとって、マスタードは日本のお醤油やお味噌などのような国民的な存在であることに気付かされました。  フランスのスーパーのマスタードコーナー そうしてマスタードを食する機会が増えてみると、マスタードというものは、なかなかに味わい深いもので、日本のからしとも違い、独特な風味と酸味があり、なるほど色々な食材に合わせることができる優れた調味料であるとも言えます。 あらためて、スーパーマーケットなどでマスタードのコーナーを見ても、そこには、膨大な種類のマスタードがあり、また国民食でもあるだけあって、比較的、安価でもあります。 フランス人のマスタードの年間消費量は一人当たり、年間1キロとも言われ、やはりその人気・・というより彼らの食生活に根付いている底力を窺い知る事ができます。 また、フランス料理を作る時などにも、マスタードは重用され、簡単に済ませたければ、マスタードに生クリームを加えるだけで、簡単なフランス料理のソースらしくなります。 個人的には、エシャロットのみじん切りをバターで炒め、マスタードと生クリームを混ぜてちょっとブランデーを垂らしたりしたマスタードソースが気に入っていますが、これを手間を省いて、一気に他の食材と合わせてしまいます。 ...

2021年10月17日日曜日

黄色いベスト運動シーズン2 黄色いベスト運動再開の動き

    フランスで黄色いベスト運動(Gilets Jaunes)が始まったのは、2018年11月のことでした。そもそもは、燃料税の増税に端を発したデモであったために、車に関連する蛍光色のベスト(フランスでは車内に蛍光色のベストを常備することが法律で義務付けられています)が安価で入手が容易であるために、この抗議運動のシンボルとして選ばれ、以来、燃料税のみならず、「生活費の高騰」、「政府の税制改革による中産階級への圧迫」、「富裕層に対する連帯税の再導入」さらには、「マクロン大統領の辞任」までもを要求するデモに発展しています。 2018年に始まった黄色いベスト運動は、度を重ねるごとに過熱...

2021年10月16日土曜日

3回目のワクチンを拒否するとヘルスパスが無効になるかもしれない

  ヘルスパスの適用から一気にワクチン接種率が上昇したフランス。このおかげで、現在、感染状況も落ち着きを見せ、日常生活を取り戻しつつも安定した状況を保っています。 しかし、1日の新規感染者数は5,000人前後から下がることはなく、引き続きウィルスが確実に存在し続けていることを示しています。そんなフランスの次なる課題は、2回目のワクチン接種から6ヶ月経過すると、その効果が減少することが多くの専門家の研究で明らかにされている今、3回目のワクチン接種をどのように浸透させていくかにあるようです。 現在のところ、フランスでは、9月から、2回目のワクチン接種が終了して6ヶ月以上経過した65歳以...

2021年10月15日金曜日

フランスでは知らない人に話しかけられる確率が高い私

   フランス人、特にパリジャン・パリジェンヌはツンとしていて、お高くとまっているイメージがあるかもしれません。たしかにそういう感じの人もいるにはいますし、同じフランスの中のフランス人同士でも、パリジェンヌ・パリジャンは感じが悪いと評判が悪いのも事実です。 しかし、実際に生活していると、そうでない人も多く、あくまで私は日本(東京)と比べてのことですが、パリでは、知らない人に話しかけられることが多いのです。 最近は、Googleのおかげで随分と減りましたが、私は実によく道を聞かれることが多かったのですが、実のところは、私は、大変な方向音痴で、特別よく知っている場所は別として、方向感覚...

2021年10月14日木曜日

ワクチン未接種の医療従事者は医療従事者全体の0.6%

    医療従事者のワクチン接種が正式に義務化された9月15日から約1ヶ月が経過しました。 7月からヘルスパスの起用が開始され、食事に行くにも、美術館や映画、コンサート、長距離の旅行などなど、フランスではヘルスパスがないと身動きが取れない状態になり、「義務化」という言葉は使わないものの、ワクチン接種はほぼ義務化されたようなものでしたが、医療従事者はきっぱりとワクチン接種は義務化という言葉を使って義務化されました。 この医療従事者のワクチン接種義務化はかなり厳しい措置を伴うもので、ワクチン接種をしないと給与が支払われない状態になるというもので、ここでは、解雇という言葉は使わないものの...

2021年10月13日水曜日

フランス2022年1月から野菜や果物のプラスチック包装禁止

   フランス政府は、2022年から、現在使用されている野菜や果物のプラスチック包装を禁止することを発表しました。 この法令により、フランスでは、ねぎ、ズッキーニ、なす、ピーマン、きゅうり、トマト、カリフラワー、ジャガイモ、人参、玉ねぎ、かぶ、りんご、梨、バナナ、オレンジ、キウィ、みかん、グレープフルーツ、メロン、パイナップル、マンゴー、柿などの青果はプラスチックの包装で販売することはできなくなります。  ただし、例外として、1.5㎏を超える容量の青果については、引き続きプラスチック包装で販売が可能であり、まとめて販売すると劣化リスクが高い完全に熟した果実、春頃収穫される赤い果実(いちごなど)も例外に加えられています。 罰則・罰金がなければ規則ではないようなフランスならではで、この義務を順守しなかった場合、罰金は15,000ユーロ、1日当たり1,500ユーロの罰金が課せられる可能性があります。 店舗にもよりますが、現在、果物と野菜の約37%がプラスチックのパッケージで販売されており、これはプラスチック消費量の45.5%にあたります。 日頃、買い物をしていても、フランスではもともとスーパーマーケットなどの野菜なども計り売りが基本で、自分で選んだ分量の野菜を袋に入れて、専用の計りにかけて、出てくる金額とバーコードが表示されたステッカーを袋に貼り付けて買い物をするので、そこまでプラスチックを使っているとは思ってもみませんでした。 しかし、考えてみると、自分で必要な分だけ自分で選んで買い物をする野菜や果物の他には、マッシュルームやバナナ、比較的、安くまとめて売るために、プラスチックを使用した包装もたしかにあるのです。それだけ、プラスチックについて無意識に利用していたことを今さらのように思い知らされます。 日本へ行くと、野菜などもプラスチックで適量に仕分けされ、買い物も簡単に済むのに・・などと思っていた私は、自分の環境問題への認識不足を感じます。 もっとも、日本はゴミの収集もフランスとは比べ物にならないくらい徹底しているので、食料品がパッケージされていたトレイなどもきれいに洗って回収されているので、日本はまた別のアプローチの仕方なのかも・・と思ったりもしますが、フランスのゴミ収集・処理の現状を見れば、日本のような回収作業はほぼ不可能なので、こういったかなり強行的な手段に出るのも致し方ないのかもしれません。 この禁止は、使い捨てプラスチックを排除するというフランスとヨーロッパの方針の一環で、政府はこの試みにより、年間10億以上の不要なプラスチックの削減に役立つことになると見積もっています。 フランスでは、レジ袋というものもなくなって久しく、使い捨てのプラスチック製の食器や綿棒やストローなど、いくつかの商品は販売できなくなりました。 しかし、この措置は果物や野菜の包装に完全に終止符を打つものではありません。包装は、プラスチックに代わる解決策として、木製のものや段ボールの使用、また野菜や果物の貯蔵方法についても検討の余地があるとしています。 それにしても、ここ1〜2年でのスーパーマーケットでの環境問題に対応する規制は、次から次へと進み、レジ袋がなくなって以来、野菜などの計り売りの際に使われていたビニール袋は全て紙袋になり、食品廃棄物を減らすために賞味期限ギリギリもしくは切れているもの、見るからに危うい野菜などが食品廃棄物防止のラベルが貼られて販売されるようになり、レシートを廃止する動きから、今度のプラスチック包装禁止の法令です。 地球温暖化が進み、洪水などの被害が多発している中、このような環境問題への取り組みは必須で急務であるとはいえ、先日もマクドナルド・フランスのペットボトル廃止から生じたマクドナルドの水問題が沸騰したばかりですが、スーパーマーケット・食品業界が優先事項として特にターゲットになっている感じが否めないことも確かです。 それだけ日常に直結するものであり、消費量も多いことからだと思いますが、これに対応していく業界側も悲鳴をあげています。 変化を嫌うフランス人が変化していくことを余儀なくされている・・地球環境問題は、急務であることをひしひしと感じさせられる、ここ数年の変わり様なのです。フランス 2022年1月からプラスチック包装禁止<関連記事>「マクドナルドの水が呼び起こす大論争...

2021年10月12日火曜日

フランスの小・中学校(高校) 私立進学へのススメ

  子供の教育は、もちろん、その家庭に一番の責任があることは言うまでもありませんが、子供の通う学校も大きくその子の人生に影響してきます。 どの国にも社会的格差は存在しますが、フランスはその格差がかなり大きく、子供の頃から通う学校によって、まるで世界が違います。そのどちらに行くか、人生の別れ道の違いは最初は小さいものでも、年齢を重ねるとともに大きくなっていくのが、恐ろしいほどです。 我が家の近所にも、小学校、中学校、高校ともにいくつかの公立の学校がありますが、たまに近所を走っているバスに乗ったりすると、子供たちのバスの中での立ち振る舞いや言動で、大体、どこの学校の生徒なのかが見当がつ...

2021年10月11日月曜日

パリジャンの84%は自分たちの街が汚れていると思っている でも自分たちが汚しているとは思っていない

   パリの街並みはやはり美しいです。しかし、街並みは美しくても清潔であるかと言えば、そうでもありません。 JDD(Le Journal du dimanche)の行った世論調査によれば、実際にパリの住民の84%は自分たちの街が汚れていると考えており、73%が清潔さとその維持に不満を感じていると答えています。 パンデミックにより、数回のロックダウンを経て、一時はパリの街も至るところが消毒され、人出が極端に減少し、飲食店も閉鎖されたことから、その間は清潔さを保っていました。 しかし、ロックダウンが解除され、ワクチン接種が進み、ヘルスパスの起用により、人々がほぼ以前の日常と同じように街に出始めると、再び街の清潔さも失われ、不衛生な日常が戻ってきました。 日本人がイメージするおフランスのイメージのパリはシャンゼリゼやサンジェルマンデプレなどのごく一部であり、さすがにそんな場所はキレイに保っていますが、東京に比べれば、決して広いとは言えないパリにも、目を疑いたくなるような不衛生な場所が少なくありません。 日常が戻ってきて、駅の臭いトイレも戻ってきました。トイレだけが臭いならまだしも(それさえも信じがたいのですが)、駅の周辺までもが臭くなるのは、これが先進国なのか?と疑いたくなります。 私が時々、通るパリ・リヨン駅なども駅・構内に入るとそこはかとなく漂ってくるアンモニアを含む不快な匂いが戻りつつあることを感じています。 パリの地下鉄オペラ・オーベール駅も臭い駅として有名な場所です。 これらの匂いが駅に戻ってきたということは、人出が戻ったことが原因ではありますが、同時に駅での清掃、消毒作業がパンデミックが始まった頃のようには、もはや行われていないということでもあります。 また、このパンデミックをもってしても、フランス人の衛生観念は、改善されていないということでもあります。 パリの街中には、多くのゴミ箱がありますが、たくさんあるゴミ箱も利用する人はまだマシですが、そのゴミの捨て方も酷いのです。逆に日本(東京)に行ったことのあるフランス人は、ゴミ箱の少なさに驚いています。(ゴミ箱が少ないのにゴミが落ちていないこと) また、住宅街の家庭が排出するゴミなどは、ある程度は分類されて、住宅施設ごとに纏めて管理人が出すのが普通ですが、引っ越しの際の大量の粗大ゴミが出されていたりすると、そこから掘り出し物を探すのか?近隣住民が寄ってきてゴミが大散乱していたりします。 パリ市は実に街を清潔に保つために年間5億ユーロを費やしているにも関わらず、パリの住民が不満に感じるほどにしか、その成果は上がっていないのです。 このパリという街を清潔に保つことに目を瞑り、改善しようとしていないパリ市に抗議して、この日曜日にはPlace...