「これまで使い捨てと言われていたサージカルマスクは洗って何回も使うことができる!」そんな話がフランスでは、出回り始めました。
3月のロックダウンの頃には、フランスには、マスクは国民に行き渡るほど在庫はなく、政府までもが、「日常生活を普通に送るぶんには、マスクは必要ない」などと言っていたし、医療関係者や基礎疾患などのある人以外は、マスクを買うことはできませんでした。
私は、「マスクは必要ない」などということは、どう考えても信用できず、した方がいいに決まっていると思っていましたが、当時は、これ幸いとマスクをせずにいた人も多かったと思います。
しかし、さすがにコロナウィルスに関する情報が出回るにつれ、大量のマスクが輸入され、また、ルイ・ヴィトンやサンローランなどの大手ブランドまでもがマスクを作り始め、マスクはした方がいい・・から、しなければならない・・義務化へ・・となっていきました。
ロックダウンが解除になった5月の時点では、マスクは今の数倍の値段で、それでも皆が奪い合うようにマスクを買い求めていました。
長期にわたり、マスクを着用しなければならないことから、市からも洗うことのできるマスクが配られました。市から我が家に送られてきたのは、白いマスクではなく、無地の紺色のマスクでした。
マスク嫌いのフランス人は、マスク=病気を連想させる嫌なイメージがあるために白いマスクを嫌い、自分で工夫して柄物の生地を使って、マスクを作る人も増えました。メトロなどに乗っていると、それぞれのマスクを見ているだけでも、なかなか色々なバリエーションがあって楽しめます。
しかし、やはり一番出回っているのは、使い捨てのサージカルマスクです。
これまでもみんなが本当に使い捨てをしていたかどうかは、怪しいものですが、(街中にポイ捨てはしてある・・)通常は4時間使用後には、廃棄することが前提の使い捨てマスク、いくら値段が下がったとはいえ、毎日毎日、4時間おきにマスクを交換するのには、かなり費用も嵩みます。
それが、ここへ来て、フランスの消費者団体が市販の使い捨てマスクを数種類テストしたところ、「サージカルマスクは60℃の洗濯機で洗浄可能で、その後、乾燥、アイロンをかけることで10回は使うことができる」「洗浄後も一般の人が日常生活で感染を回避するのに十分な効力を維持している」と発表したのです。
もともとフランス人は洗濯物をお湯で洗濯する習慣があり、家庭の洗濯機でも温度設定ができるようになっています。また、アイロンをかけるのも一般的に習慣化している家庭が多いです。義姉などは、洗濯をした後にTシャツから下着までを丁寧にアイロンかけをしているのを見て、びっくりしたことがありました。
この「使い捨てマスクが洗える」という話の信憑性がどのくらいなのかはわかりませんが、これまで4時間で捨てていたものが10回も使えるという話は朗報に違いありません。
実のところ、マスクの在庫が圧倒的に足りなかった時点で、マスクのリサイクルのために、グルノーブル大学病院では、今回の消費者団体が行ったものとほぼ同じ実験を行っており、ほぼ同じ結果を出していたのです。
この情報がこれまで出回らなかったのは、フランスの公衆衛生高等評議会が検査不十分として、この大学病院の研究結果を取り上げず、引き続き、使い捨てマスクは使い捨てることを推奨し続けてきたのです。
しかしながら、洗えるマスクでさえ、どの程度、洗っているかも怪しいところ・・もし、洗えるマスクを洗ってアイロンをかけてまで、感染回避を心がけるのであれば、それだけでも、フランス人にしたら、大きな進歩だと思うのです。
<関連>
「ロックダウン解除に向けて、圧倒的にマスクが足りないフランス」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/05/blog-post.html
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