2020年11月3日火曜日

ロックダウンが耐えられないのはフランスだけではないらしい

   

オーストリアで起こったテロの模様


 フランスで、ロックダウンによる抑圧に耐えかねて、次から次へと暴力的な事件が起こっていると思ったら、スペインなど、他のヨーロッパ諸国でも、ロックダウン反対のデモや暴動が起こっているようで、ロックダウンに耐えられないのは、フランスだけではないのだと、驚いています。

 思えば、ヨーロッパでは、これまでも、マスクの着用でさえ、反対のデモがいくつも起こっていたので、ましてやロックダウンとなれば、それも当然あり得る話なのかもしれません。

 そして、昨日、オーストリアで起こったのは、デモというより、もはやテロ・・銃などの武器が使われ、死傷者まで出て、もはや、フランスで起こっているイスラム教などの宗教がらみのものなのか? はっきりとしたことは、現在のところは、わかっていません。

  オーストリアでは、ロックダウン前日の夜の出来事で、最後の自由な夜を楽しむ人がレストランやカフェのテラスには大勢いて、突然の街中での銃撃にパニック状態になりました。

 銃撃は、時間差を置いて、数カ所で起こった計画的と思われる犯行で、その犯行の性質から、単なるロックダウン反対の動きとは、考えにくいのですが、いずれにしても、パンデミックによる混乱に乗じたものではありそうです。

 さすがに、ここまでのテロ行為には、ヨーロッパ中が大騒ぎで、マクロン大統領はもちろんヨーロッパ各国の首脳は、ヨーロッパとしての協力体制をとるという声明を直ちにそれぞれが発表しています。

 ヨーロッパ全体でのコロナウィルス感染第2波で混乱の最中に、それぞれ感染をなんとか阻止しようと躍起になって対応に追われる中、反発は、あらゆる形で表れ、もはや、このような事件は、いつどの国で同じことが起こってもおかしくないような状況なのです。

 フランスでは、ここ1ヶ月の間にいくつものテロが起こっていますし、昨日もトゥーサンのバカンス明け、ロックダウン中に再開した学校も先日、テロにより殺された教師の追悼から始まったと思ったら、また今度は、それに反抗する一部の学生が、教師に向けて、硫酸を投げつけて逮捕されたり、波乱含みの学校再開となりました。

 ヨーロッパは、コロナウィルス感染第2波に見舞われ、続々とロックダウンに踏み切り始め、感染者も急増し続け、混乱状態にありますが、この社会的な混乱状態がさらに、暴力的、攻撃的な輩の感情に火をつけています。

 また、表現の自由についての講義を担当した教師がテロにより殺害されたことに端を発したマクロン大統領の発言により、イスラム教国の多くで反フランスのデモやフランス製品の不買運動などが、かなり過激な形で広がっています。

 マクロン大統領は、テロ行為は絶対に許せない、フランスでは、表現の自由は認められるべきもので、表現することは、我々の権利でもある。表現の内容に関して、フランスは抑えつけることはできない。内容に関して、反論があるならば、あくまで話し合いをするべきだと言っているのです。

 このマクロンの発言は、フランスらしい、あくまで自分たちの権利を全面に主張するやり方、その表現により、傷つく人々への歩み寄りや思いやりが、まるで感じられません。もちろん、だからと言って、テロ行為が正当化されることは絶対にありませんが、彼の発言の仕方は、間違いなく、多くの人の怒りに火をつけています。

 今は、何よりもコロナウィルスの感染をどうにか抑えなければならない時、多くの人の感情に火がつきやすい状況。

 今、ヨーロッパで起こっているテロの全てが同じ目的のものかどうかは別として、此の期に及んで、自分の権利を全面に出した主張で人の怒りを煽ることは、どう考えても得策ではありません。

 コロナウィルスは宗教や思想は関係なく、すべての人を襲う、今のところ、向かうところ敵なしの強敵なのです。

 人間同士が争っている場合ではないのです。



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「ロックダウン中のDV 心理学的に強い強制への反発心 ストレスに弱いフランス人」

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