2020年11月22日日曜日

グローバルセキュリティー法に反対する数千人規模のデモ

                                           

Place du Trocadéro à Paris ce samedi 21 novembre, manifestation pour le droit d'informer


 これがロックダウン中の光景であることに驚かないわけにはいきません。土曜日にデモがあることは、前日からわかっていましたが、まさかこれほどの人出とは・・・。

 この人たちの外出許可証の理由は、どの欄にチェックしてあるんだろう? と思って姉妹います。外出許可証の外出理由の中には、「デモに参加」なんていう項目もないし、まさかの「健康を維持するための運動」???なのでしょうか? クソ真面目にそんなことを考えている私は、日本人なんだな・・なんてことを思います。

 しかし、デモ自体が一応、警察に届出が出ており、許可?されたものである以上、参加する人もOKということなのでしょうか? フランスに住んで、もう20年以上経ちますが、本当にフランスという国は、未だによくわかりません。

 このデモは、20日(金)の国会において、グローバルセキュリティー法の第24条が採択されたことによるもので、これに異議を唱える数千人の人がパリ・トロカデロ広場に集まりました。

 グローバルセキュリティ法の第24条は、国民を保護する立場である警察や憲兵隊を保護するために、彼らを撮影する(顔や身分を明かすもの)ことを禁ずる法律で、これに違反した場合は、1年間の懲役と45,000ユーロの罰金を規定しています。

 たしかに彼らが撮影され、それが悪意を持って拡散されることによる危険もありますが、逆に、人種差別とみられる警察の横暴な振る舞いなどが表面化したりすることもあります。この法律が容易に認められ難いのは、当然です。

 いずれにせよ、表現の自由を声高に訴える国で、この種の法律の採択は、物議を醸すのは、必須。

 このロックダウン中の、しかも感染がおさまるか否かの瀬戸際のようなタイミングにわざわざ国民を刺激する法律をどうしても急いで採択したことの方が解せません。明らかにデモが起こるであろう採択を今、国会でするのはどういうつもりなのか?と思うのです。

  

デモの終盤、警察とデモ隊の衝突

 実際に、このデモ自体も取材しようとする人と警察との間に衝突が起こっています。

 国民を守るはずの警察を守るための法律が、さらに、衝突を起こし、感染も拡大させる悪循環の最悪のシナリオです。

 数千人がデモに集まり、警察と市民が戦う様子を見ていると、ロックダウンどころか? この人たちは、今、何と戦っているのだろう??と思います。

 今、まず、戦うべきは人と人ではなく、コロナウィルスなのです。


<関連>

「ロックダウン解除・第二ステージの幕開けは、2万人規模のデモというフランスの惨状」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/06/blog-post_3.html

「ロックダウン解除・抑えきれないデモとレストラン・カフェの営業制限の矛盾」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/06/blog-post_7.html


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