2022年4月30日土曜日

馴染みの運転手さんがコロナで人生がすっかり変わってしまったという話

   我が家は、たいていのところには、バスかメトロで用が足りるために、家の車も処分してしまい、自分で運転することもなくなり、運転するといえば、たま〜に旅行に出かけた時に旅先で車を借りて運転するくらいで、旅行さえも、ここのところ行っていないために車とはほぼ無縁の生活をしています。 一時は、娘が大きくなって、運転免許をとったら、また車のことは考えようと思ってはいたものの、免許はとりかけたものの(学科試験だけは取っている)、パンデミックのために、彼女自身の学業の予定なども大幅に変更せざるを得なくなったり、技能教習がキャンセルになったりしているうちに取り損ね、しまいには、自転車などでもやた...

2022年4月29日金曜日

大統領選挙後のスケジュールとフランス国民が望む女性首相の擁立

   マクロン大統領の再選から、数日経って、新しい内閣の人事が早々に発表されるのだと思っていたら、マクロン大統領の2期目の正式な就任は5月14日ということで、じっくり地固めをするため、マクロン大統領は新体制の選択と決定に時間をかけることにした模様です。 昨日、臨時にエリゼ宮に召集された閣僚理事会は、現政府の最後の理事会になるものと思われていましたが、政府のスポークスマン・ガブリエル・アタル氏は、「この理事会が最後ではなく、政府は、国にとって現在のすべての問題に関して必要な決定を下し続けるために活動している」と発表し、周囲を驚かせました。 とはいえ、今回のエリゼ宮での昼食会を含んだ会合は、多くの特別感を含んだもので、閣僚が勢揃いし、エリゼの中庭が閣僚の到着に合わせて特別に開放され、庭園に隣接するテラスでは豪華なビュッフェも用意され、選挙後初の閣僚会議...

2022年4月28日木曜日

フランス人に花粉症が増えた

    フランスの花粉マップ 今年はやたらとなぜか、周囲で花粉症に悩まされている人の話を耳にするようになりました。以前は、フランスでは、こんなに花粉症の話を聞かなかったのになぁ・・と不思議に思っています。 我が家は母方の親族はこぞってアレルギー体質で、私もしっかり、その体質を引き継いでいて、母も私も叔母たちも春先は特にクシャンクシャンとくしゃみが止まらず、ティッシュを手放せない状態が続き、酷い時には、もうこの時期は外に出られないとまで言い出す者までいたくらいでした。 私が最初に海外に出たのは、イギリスで、イギリスには花粉症はないのか?と聞いたところ、当時はそれほどでもなく、その後のアフリカでは花粉以前の問題で、アレルギーも全くあらわれず、フランスに来てからは、もっぱら、花粉というよりは、埃とかハウスダストに悩まされることはあっても、花粉症には、それほど悩まされることはありませんでした。 一方、かなり前に、いつもは夏に一時帰国していたものの、夏には、娘の学校の入学問題があって、夏には帰れない年があって、それなら、4月のお休みの際にと、4月に一時帰国したことがあって、その時は、私の花粉症の最悪の時期で、くしゃみや鼻水だけでなく、花粉症に起因して、喘息のような症状になり、呼吸も苦しくて、せっかくの一時帰国時に丸一日寝込んでしまうという苦しい思いをしたことがあって以来、もう春に日本に行くのはやめようと思ったくらいでした。 しかし、今は亡き母が「花粉症などのアレルギーも年齢を重ねていくと、どうやら身体がアレルギーに対して大きく反応しなくなるらしく、自然とおさまっていくわよ・・」と言っていたとおりに、ここのところ、私はあまり花粉症に悩まされることはなくなってきました。 今年もそんなことはすっかり忘れて、春に日本に一時帰国したというのに、花粉症の症状はまったく起こりませんでした。入国の際の書類や検査、そして、入国後の隔離問題などに直面して花粉症のことなど忘れていたくらいでした。 ところが、パリに戻って以来、ここのところ、やたらと周囲に「花粉症だ・・」と嘆いている人が増えたことを意外に思っています。  今日、買い物に出かけて、レジで並んでいたら、近くにおしゃべり好き?なおじいさんがいて、別の女性に、「なんだ、おまえ、いつまでマスクなんかしてるんだ・・」と店内でマスクをしている人にケチをつけているのを見かけて、耳を傾けていたら、その女性は、「ここのところ、花粉症なのよ・・ほら・・」とマスクをずらして、真っ赤になった鼻を見せていました。 「うわっ!マスクをしている人にイチャモンつけている人が出てきた!」と思ったと同時に、「はて、また、花粉症の人だ・・」とも思ったのです。 その後、そのおじいさんは、「花粉症」というあまり聞きなれない話題になったことからか、それ以上、その女性のマスク着用に言及することはなく、自分は今は引退していて、かつてはずっとルノーで働いていて、1年前からガンを患っている・・などという身の上話を始め、マスクに対するイチャモンは、おしゃべり好きのおじいさんのほんの話のとっかかりであったことが判明し、ちょっとホッとしたと同時に、いつまでも喋り続けることに、ちょっとうんざり・・。 しかし、もしも、これから、マスクをしていて、イチャモンをつけられたら、「花粉症なんで・・」というのは、ちょっとした逃げ道になるかな?とも思ったりしたのでした。 そして、家に帰ってしばらくすると、近所に住む知人が、「ちょっとポニョ(我が家の猫)が喜ぶものがあるから、明日、行ってもいい?」という電話。電話口で、鼻声なので、「どうしたの?...

2022年4月27日水曜日

大統領選挙フィーバーで見たノーマスクにビズーのフランスの日常の復活

    日曜日の大統領選挙の結果は、今後5年間のフランスの将来のかかった重大なもので、十分に注目すべきことでしたが、この盛り上がりぶりを見て、私には少なからず気に掛かることがありました。 それは、マクロン大統領の当選が決まって、エッフェル塔近くのシャン・ド・マルスに約3,000人ほどが集まった集会の模様でした。屋外とはいえ、これだけの人が集まり、歓喜の声を上げる中、誰もマスクをしていない・・。 マクロン大統領当選の晴れやかな場面でのマスクは興ざめであることに違いはありませんが、マスクどころか、フランスでは、かつては日常の挨拶であったビズー(頬と頬を交互に合わせての挨拶)も...

2022年4月26日火曜日

マクロン大統領再選の世界の反応と投票結果の分析

    マクロン大統領が再選されて、正直、ホッとしています。現在のこの世界情勢で極右政権に傾くことは、外国人として生活している在仏邦人としては、穏やかならないものがあります。 また、ロシアによる侵攻から始まったウクライナ戦争が一向に終息の兆しが見えない中、ヨーロッパが結束を強めなければならない中、その中心になって動き始めていたマクロン大統領の存在は、ヨーロッパ全体としても非常に重要な存在であり、もしもマクロン大統領が失脚すれば、ヨーロッパとしての結束が揺らぐ可能性もあり、ロシアに対しても、つけ込む隙を与えかねないことになりかねない結果に陥る危険を孕んでいたと思います。 大統領選挙に向けて、服装から発言まで、ソフト路線に切り替えていたマリン・ルペン氏も、その根本に持つ思想については、疑問が多く、ロシアとの金銭的な繋がりなども指摘されていたこともあり、私個人の意見ではありますが、そのソフト路線が仮面のように見えてしまっていました。 実際に大統領選挙直前にドイツ・スペイン・ポルトガルの首脳が内政干渉とも言える異例の声明を発表し、マクロン指示を表明したことや、ウクライナのゼレンスキー首相が「マクロン大統領との良好な関係を失いたくない」と発言したり、周囲の国々からもマクロン大統領を支持する声が上がっていました。 マクロン大統領が満点であるとも思えませんし、実際にマクロン大統領に投票した人のうちの42%は、マクロン大統領に投票したのは、とりあえず、マリン・ルペン氏を阻止するために投票したという数字も出てきています。 年齢層や地域によってもかなり大きく意見が分かれているようで、高齢者と若者には、比較的マクロンを支持するものが多いとか、中間の労働者層にはルペン支持がおおいなど、どちらに投票したかという分析がなされていて、自分の住む地域や周囲の人々がどんな意見を持っている人なのか? この大統領選挙は、そんなことを再確認する機会でもあったかもしれません。 しかし、ともかくも、フランス国内の状況だけでなく、世界との関係性においては、やはりマクロン大統領でよかったと思っています。 そんな世界の期待どおり、マクロン大統領は「我々は警戒を怠らず、ヨーロッパとして、同盟国として団結し、非欧州の地域大国を含むすべての大国と対話を続け、国連内で、ロシアに対して明確なメッセージを送るべきだと思う」と強調し、「しかし、同時にエスカレートしてはならない」と語りました。 「我々は停戦と平和のための努力を続けているが、特にロシア側のいかなるエスカレーションの試みにも屈することがあってはならない。」、ウクライナ・ブチャでの大量虐殺の痕跡と見られる映像が世界中に流れて以来、プーチン大統領との連絡が途絶えている中、早ければ今週中にも彼に電話する機会があるだろう」と語っています。Le...

2022年4月25日月曜日

マクロン大統領 再選 数年ぶりの満面の笑み

  ウクライナでの戦争勃発のために、いつもよりも選挙期間が短く感じられたフランスの大統領選挙でした。 マクロン大統領が前回の大統領選挙に当選して、大統領に就任して以来、本当にこれでもかというほどの災難続きの5年間でした。黄色いベスト運動による激しいデモや暴動は長い間続き、その後もテロ、そして、パンデミック、さらにロシア侵攻によるウクライナ戦争と人の一生にこんなことが何度も起こり得るのか?というような出来事が立て続けに起こりました。 今年はフランスの大統領選挙という年の初めは、1月にはフランスでは爆発的な感染の増加を記録し、若干、それが下がり始めたと思ったら、今度はロシアとウクライナの戦争の危機。 マクロン大統領は、この大統領選挙の選挙戦の予定をこのために大幅に変更せざるを得なくなり、立候補は確実とされながらも公示直前まで立候補を表明しないままに選挙戦が開始されました。 しかし、結果的には、ウクライナ戦争の悲惨な戦況のために、選挙に関する報道は大幅にカットされ、ほぼほぼ直前までは、選挙報道は通常よりもずっと抑えられ、その間、ロシア・ウクライナ双方の間に立ち、電話会談等を続けてきたマクロン大統領の活躍が前面に表れている時期も少なからずありました。 大統領選挙投票用紙 マクロン大統領は立候補の公示を表明する前から、本命と言われてはきましたが、一時は、対立候補の極右マリン・ルペン氏が追い上げを見せ、最後まで結果はわからないと言われてきました。 フランスの大統領選挙当日は、日本のような出口調査の結果は公表されず、投票時間である8時から19時(都市によっては20時)までで、その間に投票状況が公表されることはありません。 そして、いきなり結果が発表されるのが、20時で、19時まで、あるいは20時まで投票が続いている段階で、どのように集計しているのかはわかりませんが、20時の段階で、各局が同時にマクロン58.40%、マリン・ルペン41.60%と公表し、マクロン大統領の再選を発表しました。 ここ2ヶ月間ほどは、ほぼウクライナ戦争に偏った報道でしたが、この日ばかりは選挙一色の報道。 結果が発表される数時間前から、マクロン大統領の支持者はエッフェル塔近くのシャン・ド・マルス広場に用意されている巨大スクリーンと舞台を見守り、結果発表とともに大歓声が上がりました。 マクロン大統領がシャン・ド・マルスに登場したのは、21時30分頃、満面の笑みを浮かべて第九のBGMとともに、夫人と手を繋いで周囲を一般市民と見られる子供や若者たちとともに歩き、その後、夫人と2人で登壇しました。 壇上に上がったマクロン大統領は、本当に数年ぶりに見る晴れやかな笑顔で、「Merci...

2022年4月24日日曜日

国民健康保険カードCarte Vitalを利用した詐欺と日本のオレオレ詐欺

   最近、フランスでは、IT化が進み、これまで、いちいち出向かなけれなならなかった用事が携帯やネットで済むようになってきています。そんな中、ここ数ヶ月の間にSMSを使った通称カートヴィタル(Carte Vitale)国民健康保険カードの詐欺被害が発生しているようです。 フランス国民及び、フランスに在住する者は、この国民健康保険に加入していますが、この国民健康保険には、緑色のICチップ入りのカードが使用されており、そのカードによって医療は管理されており、ある意味、命綱とも言える大切な存在です。 医者にかかる時、医者が処方してくれる処方箋による薬をもらいに行く時など、また、今回のパンデミックなどでは、PCR検査を受ける時などもこのカードが活躍しました。 また、このカードにより、かなり個人個人の健康に関するデータが把握されており、既往症や病歴や年齢などに応じて、必要な予防接種や検査などのオファーが届いたりもしています。 しかし、このカード、定期的に更新手続きが必要で、時々、その更新手続きをするようにという通知が届きます。更新手続きといっても、薬局などにおかれている専用の機械でチャージするだけで完了するごくごく簡単なものです。もちろん無料です。 ところが、最近、このカードの更新手続きを装った詐欺が多数発生しており、現在フランスで2番目に多い詐欺なのだそうです。その手口は、契約者の携帯電話に、カードの更新や更新を促すメッセージが届き、リンクをクリックすると、「国民健康保険」のサイトとよく似たサイトが表示されます。そして、新しいカートヴィタルを送るために、住所を聞かれるのです。 しかし、それを受け取るためには、数ユーロを支払わなければならない。その後、詐欺師は「支払いはお客様のクレジットカードで支払うことができます」と誘いかけます。詐欺師は84セントを支払うようにという話でしたが、数百ユーロが引き落とされるという被害が続出しているようです。 中には、なかなか巧妙な手口を使う場合もあり、詐欺師は、被害者に銀行員のふりをして電話をかけてきて、「あなたは、こんなところに住んでいて、こんな銀行のカードを持っている、こんな人です」と自分を信用させるための情報をすでに持っていて、さらには、銀行カードの不正利用を逆に彼ら自身から伝えることで、被害者を安心させようとするようです。 SMSと電話を巧みに利用する新手の詐欺です。フランスにお住まいの方は、くれぐれもご注意を! 健康保険がメッセージでカートヴィタルの更新を依頼することはなく、カードの更新は薬局で完全に無料で行われるもので、決してネット上で行われるものではありません。 その他、フランスでは、最近、荷物の受け取りに関するSMS上での詐欺を目にしたことがありますが、私の場合、荷物を受け取る予定はなかったために「ん??」と不審に思ったので、調べてみると案の定詐欺であるということがわかりました。 不審に思ったら、その文面をそのままコビーしてググれば、詐欺被害の情報が出ていますので、調べてみた方がよいかもしれません。 そういえば、先日、日本に一時帰国していた際に、私は初めて自宅の電話で「オレオレ詐欺」らしき電話を初めて経験しました。日本のオレオレ詐欺は、ずいぶん昔から聞いたことはあったのですが、実際にその電話に出たのは初めてでした。 電話に出ると、若い男性の声で、「あ〜俺・・」、家の固定電話ですから、勧誘などの電話以外は、だいたい知っている人からしかかかってきません。たまたま弟と連絡をとらなければならない要件があった私は、一瞬、弟だと思い、「あ〜○○!」と弟の名前を言いました。 しかし、どうも、声が少し若いようで、いや、でも国際電話(弟は海外にいる)だからなのかな?と一瞬思ったものの、どうにもおかしい・・「え〜ほんとにあなたなの?」というと、「そうだよ・・」と、「今、どこにいるの?」「仕事中だよ」「仕事中ってどこよ?」ここまで言って、相手が適当な日本の地名を言えば、絶対に違うことがわかると思ったのです。 そこまで来て、相手はそれには答えずに「やだな〜疑ってるの?」とばかり、繰り返すだけ・・これが本当に弟ならば、疑ってるの?などとは言いません。結局、相手は要件を伝えないままに諦めたようで、電話は切ってしまいましたが、「オレオレ詐欺ってほんとにオレオレって言うんだな・・」などと思ったものの、若い人がこんなことを昼日中に必死にやっていることが情けなくて、とても嫌な気持ちになりました。 しかし、これほど有名な詐欺も、もう私が海外に出る前からあった話ということは、もう20年以上も前からあったこと。凝りもせず、こんなことが続いているということは、それなりに騙されている人がいるということです。 最近は、日本のATMにも、そのような被害に気をつけてくださいなどという張り紙もあり、少しまとまった金額の現金を窓口でおろそうとすると用途などもうるさく聞かれると叔母などが嘆いていました。 フランスの場合も日本の場合も少しの隙をついて、騙そうと企む人は後を絶たないようです。見慣れないものを見かけたら、まず疑ってかかることが、必要なのかもしれません。Carte...

2022年4月23日土曜日

フランス司法当局 カルロス・ゴーンに国際逮捕状発行

    夜、テレビをつけたら、カルロス・ゴーンがインタビューに答えているところでした。 ウクライナでの戦争開始以来、ニュースの大半は戦争関連の話題に切り替わり、一時は大統領選挙さえも、一掃されていました。さすがに現在は、大統領選挙が目前に迫ってきて、選挙関連の報道が増えましたが、まさか、このタイミングでカルロス・ゴーンが登場するとは思ってもみませんでした。 彼が日本から逃亡したのは、2019年の年末のこと。当時は、思いもよらない逃亡劇にフランスでも盛んに報道され、年明け早々にレバノン到着後に彼が世界中のマスコミを集めて行った記者会見なども生放送で報道され、ドキュメンタリー番組まで作られていました。 当時は、フランス人の知人から、「日本、逃げられてやんの・・」みたいな嘲笑を受けたりしてムッとすることもありましたが、その後、まもなく起こったパンデミックにより、彼についてのニュースもすっかり影を潜めていました。 この間、一度、彼のフランスの税務当局が彼のフランスでの資産を差し押さえたというニュースが流れたこともありましたが、当の本人はレバノンにいるままで、話題がそれ以上、盛り上がることもなく、すっかり忘れていました。 それが、ここへきて、このウクライナ戦争と大統領選挙の間に、「フランス司法当局がカルロス・ゴーンに国際逮捕状を発行した」というニュース。 フランス司法当局の判事は、すでに2度、ベイルートを訪問し、カルロス・ゴーンの尋問を5日間にわたって行っていました。しかし、その内容が報道されることはなく、彼がレバノンにいる限り、如何ともし難い状態なのだと思っていました。 これまで、フランス司法当局には、レバノン当局にカルロス・ゴーン氏への「告発通知」(フランスでは起訴に相当)を求めるか、あるいは逮捕状を発行するかという選択肢があると言われてきました。...

2022年4月22日金曜日

ドイツ・ポルトガル・スペイン首脳が異例の声明発表 フランス大統領選挙はもはやフランスだけの問題に留まらない

   フランス大統領選挙目前の最終候補2人の直接対決の討論会の翌日、ドイツ・ポルトガル・スペインの首脳が仏ル・モンド紙面で、フランス大統領選挙に際して「民主的な候補」の選択を求める声明を発表しました。 ドイツのオラフ・ショルツ、スペインとポルトガルのペドロ・サンチェスとアントニオ・コスタの政府首脳は木曜日にル・モンド紙に掲載した記事で、フランス大統領選挙の第2ラウンドで、名前は出してはいないものの、エマニュエル・マクロンへ投票を行うよう暗に呼びかけています。  同紙によると、彼らは「フランス国民が直面している選択は、フランスと欧州のすべての人々にとって極めて重要である」「ヨーロッパ共通の価値を守ることができる主導者が必要である」と述べています。(以下 声明内容) 「ヨーロッパは時代の転換期を迎えています。歴史を塗り替えようと、ウラジーミル・プーチンはウクライナとその国民に残忍な攻撃を開始しました。マリウポリ、ブチャ、クラマトルスクの映像は、ヨーロッパの最も暗い時代を思い起こさせます。しかし、プーチンの侵略はさらに進んでいます。彼は、欧州の平和秩序の最も基本的なルールを破りました。血塗られた過去に何度も行ってきたように、力による国境線の引き直しを行わせないためにヨーロッパ全体の連帯が必要な時です。この戦争は、フランスと私たちの国が守る価値観、すなわち民主主義、主権、自由、法の支配の秩序を揺るがすものです。」 「我々の国も同様にポピュリストや極右の政治家は、現在は、ロシアから距離を置こうとしているような姿勢を見せてはいても、彼らの基本的な姿勢はプーチンを思想的・政治的モデルとしており、彼の民族主義的主張に共鳴する部分を持っていることを忘れてはなりません」 極右(マリン・ルペン候補)は過去にクリミア半島の併合を容認しており、現在はロシア侵攻を非難している立場をとってはいるものの、この3首脳は、「今、彼女がロシアから距離を置こうとする姿勢をみせていても、過去の発言を決して忘れてはいけない」と警告しています。 「これらの要素を考慮すると、フランス大統領選挙の第2ラウンドは、私たちにとって、他の選挙とは異なるものです。フランス国民が直面している選択は、フランスと欧州のすべての人々にとって極めて重要です。強力で自立した欧州連合(EU)においてフランスはより強くなると信じる民主的な候補者と、フランス啓蒙主義から直接もたらされた基本的価値である自由と民主主義を攻撃する人々の側に公然と立つ極右の候補者の間の選択です」 「フランスは欧州プロジェクトの中核を担う国であり、民主主義の旗手となり、常にリーダーシップを発揮してきました。近年のパンデミックにおいて、さらに強化されたヨーロッパ全体の連帯は、現在、ロシアのような権威主義的な国の侵攻を許さないために、国家主権を制限することなく、各国が繁栄し、さらに強力な統一が求められている重大な局面にあります」 「我々は、フランスを必要としています。我々の共通の民主的な共通の価値を守るフランスは、我々が自らを認める欧州において、自由で世界に開かれ、主権があり、強く、同時に寛大な国です」とし、「フランス国民がこのヨーロッパ共通の価値を守る選択をしてくれることを望んでいます」と締めくくっています。 EU(欧州連合)加盟国の首脳が他国の内政に干渉するような声明を発表することは、極めて異例なことで、現在、ロシアのウクライナ侵攻により、ヨーロッパ全体が極めて重大な局面に置かれているかということが、フランスの大統領選挙を目前にして、3国の首脳が他国の大統領選挙に口を出すという声明発表に現れています。 現在、フランスはEUの議長国でもあり、それがもしも、極右の大統領が取って代わるとなれば、ヨーロッパ全体の連帯が揺らいでしまうことに繋がりかねないと彼らは非常に懸念しているのです。 今回のウクライナ戦争に際しても、プーチン大統領ともゼレンスキー大統領とも頻繁に連絡を取り続けてきたマクロン大統領に対して、ゼレンスキー大統領は、一昨日行われた仏BFMTVのインタビューで、「マクロン氏とルペン氏のどちらの大統領を望みますか?」という質問に対して、これは私が決めることではないと苦笑いしながらも「マクロン大統領との良好な関係を失いたくない」と答えています。 どうやら、海外においては、決して他人事としては、捨ておけず、マクロン大統領を望む声が多い様子のこの大統領選挙。 フランス国民はどんな選択をするのでしょうか? 選挙権がないことをこれほど残念に思うのは、初めてです。ドイツ・ポルトガル・スペイン3国首脳 フランス大統領選挙<関連記事>「フランス大統領選挙目前のエマニュエル・マクロン...

2022年4月21日木曜日

フランス大統領選挙目前のエマニュエル・マクロン VS マリン・ルペンの討論会

    フランス大統領選挙・最終投票を目前に控えて、最終候補に残った2名、エマニュエル・マクロンとマリン・ルペンが直接対決する討論会が行われました。 これは、フランスでは以前から大統領選挙の前には必ず行われている伝統的なもので、5年前にマクロン氏が当選した際の選挙前にも、同じ2人がこの討論会に参加。5年の歳月を経て、奇しくも同じ2人が再び対決することになりました。 前回の大統領選挙の際には、パンデミックも戦争もなく、現在の世界状況と比べてみれば、格段に平和だった時で、正直、私はそれほど注目していませんでしたが、今回、同じ2人が再び対決するにあたって、5年前の討論会の映像が流されるのを見るにつけ、マクロン大統領は若かったんだなぁ〜と、逆に言えば、歳とったなぁ〜と思うのです。この5年間の彼の苦労がスベスベだった顔に皺を刻み、顔つきも厳しくなった気がします。 今回の討論会は、前回に比べると、途中、数回、緊迫し、語気を荒げる場面はあったものの、比較的穏やかに進んだような印象を受けました。実際に討論会の中で本人同士がそんなことを呟きあっている場面もありました。 討論の内容は、現在のインフレに対応する購買力問題について、ウクライナ戦争を中心とする国際外交について、財政問題について、環境問題について、定年の年齢設定・年金問題について、安全保障について、国際競争力について、移民問題について、教育問題について、環境問題についてなど多岐にわたり、とても2時間50分の討論では語りきれない内容で、司会者が途中で話題を遮り、進行していきましたが、全体的には、マリン・ルペン氏は、国民が喜びそうな減税や定年の年齢の前倒しなどの抱負を語ったものの、一体、そのお金はどこから出てくるのか?と素人の私でさえ感じてしまうものでした。 具体的な数字の提示も曖昧で不明瞭なものが多く、たびたびマクロンが厳しく訂正する場面が見受けられ、逆にそれが、マクロンの現職の大統領としての説得力を際立たせ、これまでの功績をアピールさせるきっかけとなる感じでした。 この討論会は、生放送で放映され、この中継は、両者が会場に到着する前から、カウントダウンされ、まるで、この放送で大統領が決まるかのように盛り上げるように演出されていましたが、実際に相当の視聴率をとっているものと思われます。 この討論会の始まる直前の世論調査によると、すでにどちらに投票するかを決めているという人が87%、まだ検討中という人が13%と発表されていましたが、この放送直後の視聴者の支持率は、エマニュエル・マクロン59%、マリン・ルペン39%と発表されました。 フランスの厳しいところは、この放送直後から、すぐにこの討論会を振り返り、一言一句を検証しなおし、この討論会に臨んだ両者の態度、視線の送り方から、身振り手振りについてまで、厳しく評価し合うジャーナリストが再びこの討論会について、討論しなおすところで、そんなところは、議論好きのフランス人の様子がまざまざと見えるところ。この討論会についての討論会でも、誰もがよく喋ること喋ること・・。 最初は、今回は、相手を尊重しながら話を進め始めたな・・と思われたエマニュエル・マクロンも、途中から、話が白熱していくに従って、彼が一定の層に嫌われる「偉そうな感じ(傲慢な感じともとれないではない)」が現れ始め、「おまえ・・全然、わかってないな・・」とでも言いたげな感じでかなり強引な説明をし始める場面には、このマクロンを嫌う層には、ますます嫌われるように映ったのではないか?とも思われます。 フランス大統領選挙は、数日後。外国人である私には選挙権はありませんが、それでも、政権によっては、大きく状況は変わっていくので、この結果を見過ごすことはできません。 ましてや、ウクライナでの戦争中、フランスだけでなく、ヨーロッパ全体にも、国際的にも影響していくであろう大統領選挙です。 フランスは大統領選挙も国民投票で行われることもあると思いますが、この国民の政治に対する関心の強さ・・日本にも少しはあったらな・・と思うのです。マクロン...

2022年4月20日水曜日

海外在住者の日本での国民年金支払いについて私が勘違いしていたこと

    そもそも私が海外に出ても、日本の国民年金の支払いを続けてきたのは、「けっこう長い間、日本で会社勤めをしていた分の厚生年金を無駄にしてしまうのはもったいないわよ・・」という母の助言があったからで、しかし、後になって考えてみるとその後の支払いの方がずっと長かったわけで、今となっては、支払い続けた方がよかったのか?それとも、支払い続けていてやっぱりよかったのかは、よくわからないな・・と思ったりもします。 現在、すでに年金を受給できている人々はまだ、マシとしても、将来、年金をもらえる年齢に達した時には、一体、どれほどの年金がもらえることやら、この高齢化社会に拍車がかかっている日本で...

2022年4月19日火曜日

ウクライナに招待されているマクロン大統領 ジェノサイドという言葉

   フランス大統領選挙が間近に迫ってきて、一時はウクライナ戦争一色になっていたフランスの報道もさすがに大統領選挙に関わる報道も同時に報道されるようになってきました。 政治の話題が大好きなフランス人にとって、また国民投票で採択される大統領選挙は、本来ならば、もっと全面的に報道されているはずの話題です。 自らがロシアに出向き、プーチン大統領との直接会談に及んだにも関わらず、ウクライナ戦争が勃発し、その後もほぼ毎日のように、ロシアとウクライナ双方の大統領との電話会談を続ける中で、選挙の立候補の公示はギリギリまで行わず、書面にて立候補を表明したマクロン大統領は、このウクライナ戦争への外交対応が評価されたこともあり、当初は圧倒的に優勢な状況だと見られてきました。 ところが4月に入ってからは、対抗馬のマリン・ルペン氏の追い上げを受け、マクロン氏も、いよいよ本格的に最後の追い込みをかけ、現在のところ、依然としてマクロン大統領が優勢だと見られています。 2月末から3月にかけては、大統領のアジャンダ(議事日程)L'agenda...

2022年4月18日月曜日

海外に持ち帰れる、おススメ日本の食料品

  日本で買ってきたダシ類オンパレード ほとんどが乾燥ものなので重量も嵩まない  日本に一時帰国した際の重大任務の一つは、膨大な日本の食料品をフランスに持ち帰ることにあります。だいたいは、常日頃から、「今度日本に行ったら買ってくるものリスト」を書き留めておいて、最終的に帰国時にパリの家に残っている日本の食料品のストックと照らし合わせながら、日本に到着したその時から、徐々に買いだめが始まります。 今回の一時帰国は、その帰国自体がフライトが何度もキャンセルになったりして、いつまでもはっきりしなかったこともあり、その他に日本入国のための書類等を作成したりしなければならず、また、本当に行け...

2022年4月17日日曜日

コロナウィルス感染対策 フランス(ヨーロッパ)と日本の違いは大きくなった

   日本に一時帰国していて、しばらくフランスのニュースはほとんど見ていなかったので、フランスでのコロナウィルス感染の様子は、なんとなく感染者数がまた、少し増加しているな・・くらいには、見ていたのですが、詳しいニュースを見ることはありませんでした。 しかし、新型コロナウィルスに対する感染対策のフランス(ヨーロッパ)と日本の感染対策の違いについては、身を持って感じてきました。 まず、日本入国の厳しい入国の際の何重にもわたる書類チェックと空港での検査、その後の隔離措置などには、それにかけられている人員の多さや手続きの煩雑さに少々辟易していました。 いざ、日本の街中に出ても、屋外でさえもマスク率はほぼ100%で、2週間強の滞在期間中、マスクをしていない人を見たのは、片手で足りるほどで、パリでも「日本人だからマスクは苦にはならないだろうけど・・」などと言われてしまうだけのことはあり、本当にみんながマスクをしていることに正直、あらためて感心してしまったほどでした。 日本を出国する際、飛行機に搭乗する際には、PCR検査が求められるのかと思いきや、出ていく人には、関係ないとばかりに、あれほど厳しかった入国のためのチェックをよそに、ワクチン接種証明書が求められただけでした。 しかし、羽田空港のガランとした様子は、少なからずショッキングでもあり、渡航する人が格段に少ないのだということを思い知らされた気がしました。渡航したとしても、日本に帰国する際に、これだけ面倒な手続きがあったら、そりゃ、渡航は思い留まるよな・・とも思うのです。 今回は、ロンドン経由のフライトで、経由のために到着したヒースロー空港は、早朝というのに羽田とは別世界のなかなかな人出で、もう別世界、ロンドンに至っては、空港内でさえもマスクをしていない人もけっこう見られました。 そして、さらに驚いたのは、パリ・シャルル・ド・ゴール空港でフランスに入国した際には、さすがにマスク着用が義務付けられてはいましたが、入国手続きは通常と同様のもののみで、検査どころか、ワクチン接種証明書のチェックさえありませんでした。 日本からフランスへの入国はたしか、3回のワクチン接種証明書があれば、その後、検査も隔離もなし・・という話は聞いていましたが、まさかのワクチン接種証明書のチェックもなし・・アトランダムにはチェックはしているようではありますが、現実はほぼスルー。 まあ、飛行機に搭乗する際にワクチン接種証明書のチェックはされているので、その時点でチェックは済んでいるものとみなしているのか?だとすれば、合理的といえば、合理的ではあります。 感染対策規制は、その国の感染状況に準ずるものであることはわかりますが、パンデミック開始以来、2年以上が経過して、日本とフランス(ヨーロッパ)は、感染対策について、全く違う道を歩み始めていることを感じました。 現在のフランスの1日の新規感染者数は、13万5千人前後(ここ1週間の平均値)、日本は5万5千人程度で、相変わらずフランスでの感染状況は決して安心できるものではないのですが、コロナウィルスに対する危機感は、格段に薄らいでいます。 ウクライナ戦争が勃発して以来、すでにコロナウィルスのニュースはすっ飛んでいましたが、現在は、それに大統領選挙のニュースが加わり、とてもコロナウィルス感染に関するニュースが入り込む隙はありません。 あえて、コロナウィルスに関するニュースを探せば、ある程度は出てきますし、それなりにフランス公衆衛生局(SPF)の科学局長が、「我々は、長い流行を経て、SARS-CoV-2ウイルスの循環が非常に激しい、特別な時期にある」などと、依然として感染に関する警鐘を鳴らしているという報道も見つかるのですが、テレビのニュースなどの一般的なニュースでは報道されていません。 街中は、私が日本へ発った3月と比べると、気温も上がったこともあり、街中のマスク率も一段と低くなったようです。 しかし、コロナウィルスが絶滅したわけではないので、現時点では、どちらが正しい対応なのかは、わかりませんが、この感染対策に対する姿勢が全く異なる姿勢で動いていることだけは明白です。 ただ、全てのフランス人が緩んでいるのかといえば、そういうわけでもなく、先日、帰仏後に会ったフランス人は、自分も当初、感染して苦しい思いをしたこともあるせいか、「まだ、コロナは無くなったわけではない・・」などと言いながら、新しく改良されたマスクを自慢しながら、「4回目のワクチン接種をする機会があれば、自分はやるつもりだ・・」と言っていましたし、それなりに警戒している人もいるようです。 しかし、一般的には、気候が良くなっていることも手伝って、コロナウィルスに対する警戒は激減していると言わざるを得ない感じで、今後、再び壊滅的な被害が拡大しない限り、フランスでは、この緩んだ空気を引き締めることは難しそうです。 もっとも、フランスは12月末から1月にかけて、驚異的な感染者数を記録したために、これにより、かなり多くの人が免疫を持ったと考えることもできます。 それにしても、同じウィルスに対して、これだけ違う対応を取っていると言うこと自体が驚きで、この対応の違いにより、再びフランス(ヨーロッパ)が壊滅的な感染状況に陥ってしまうのか? はたまた、日本での経済停滞が進むばかりになるのか・・いずれにしても、コロナウィルスが消滅する兆しはまだまだ見えない中、どちらの心配も解消することはできません。コロナウィルス感染対策<関連記事>「羽田発ロンドンーパリのフライトと静まり返った羽田空港・ファーストクラスラウンジ」「海外からの入国者の濃厚接触者に対する行動制限について」「機内模様から垣間見えた国民性と感染対策・衛生観念」「入国後1日目、MY...

2022年4月16日土曜日

インフレも何も全然関係ないエルメスの絶好調

   考えてみたら、以前、パリのエルメスの本店に行ったのは、もう10年以上前のこと。空港内に入っているエルメスのお店などを通りかかったついでにふら〜っと覗くことはあっても、わざわざブランド物のお店に行くことはありません。 私も日本に住んでいた若かりし頃に、一時はブランド物に憧れた時期もありましたが、名だたるブランドものの本拠地でもあるようなパリに来てからは、逆に、およそ、そのようなものとは無縁な生活になり、だいいち、そんなものを持って歩けばたちまち危険な目に遭うことが目に見えている環境では、ブランドものにも興味が失せて、たまに通りかかってお店に入ってみることがあっても、ま...

2022年4月15日金曜日

エネルギー価格の高騰に伴うエネルギークーポンの配布

    昨年末の段階で、フランス政府は電力・ガスをはじめとする価格の高騰が続く対策として、100ユーロのインフレ補償手当を支給していました。 我が家も100ユーロを受け取り、「これなら、いつもの電気代を考えたら、今回の電気代の支払いにはおつりがくるくらいだな・・」と、ニンマリしていたら、なんと、100ユーロでは足りずに追加分を慌てて支払うハメになり、「やっぱり、電気代もずいぶんと値上げしているんだ・・」と、その時点でようやくインフレを実感するという私のボンヤリ具合を自覚したくらいでした。 私は車を持っていないので、ガソリンの価格が高騰したといっても、あまり実感はなく、食料品などの価...

2022年4月14日木曜日

日本帰国時、帰仏時のダブル時差ボケの苦しみ 超長距離フライトの後遺症

    なんだかんだいっても、日本への一時帰国は楽しいことに溢れています。限られた滞在期間にやらなければならないことは山積みで、その中でのキツキツのスケジュール調整にちょっとウンザリすることもあるし、1日くらい家でダラダラとボーッとしたいな・・などと思っても、すかさず「ゆっくりするのはパリに帰ってからにすればいいでしょ・・」などと娘に言われて、「それもそうだ・・」と思い直して、結局、ギッチリと予定が埋まっていきました。 それでも楽しい日本での滞在期間が苦しくなってしまう一因には、「時差ボケ」という、どうすることもできない現象が大きく影響しています。 若い頃は、日本到着後も...

2022年4月13日水曜日

日本で見たフランス人モード全開の娘

   今回の日本への一時帰国は、何かと忙しく過ごしましたが、その間、娘のフランス人モードが垣間見えるできごとがいくつかあって、あらためて、彼女がフランス人であることをちょっと、面白く、ちょっと頼もしいような気もして、また、明らかに同年代の日本の女の子とも違うことを再確認させられたのです。 フランス人といっても様々なので、一概に全てのフランス人に通ずるわけではありませんが、概して、フランス人は締まり屋で無駄なお金は使いません。DIYなど、家の中の手入れなども、自分たちの手でできることは自分でするのが、一般的です。 今回、長いこと日本へ行けなかったために、誰も住んでいなかった実家はあち...

2022年4月12日火曜日

羽田発ロンドンーパリのフライトと静まり返った羽田空港・ファーストクラスラウンジ

 深夜便で機内食サービスが1回のみのためにファーストラウンジが使えました 前代未聞の長距離フライトで、日本へ一時帰国をしていましたが、 とうとうフランスへの帰国の日が近づいてきたと思ったら、予約していたフライトがキャンセルになり、1日前倒しの経由便に変更になり、最後の最後までバタバタと日本滞在の日を過ごすハメになりました。 それでも、前日に繰り上がったとはいえ、夜遅くのフライトだったため、出発当日は、ほぼまるまる使え、きっちりと荷造りをして、羽田空港に向かいました。 フライトは、ロンドンまではJAL、ロンドンからパリはエアフランスの経由便でした。 あらかじめ、羽田からロンドン、パリ行きの場合...

2022年4月9日土曜日

日本のお金・銀行事情に驚いた!

 日本の銀行のATMがこんなに混んでいることにビックリした・・  私が一時帰国をしている時に、しなければならない私的な用事の中に、銀行関係の用事があります。日頃は、日本の銀行口座もほとんどは、ネットバンキングで時々、パリの自宅からネットで確認したりしているのですが、今回は、そのうちの一つが暗証ナンバーを間違えたか何かでブロックしてしまい、「お取り扱い銀行の窓口までおいでください」と表示され、つながらなくなってしまったことによるものでした。 「窓口までおいでください」と気安く言われても、フランスからではそうそう簡単に窓口に行くこともできずに、次回の、一時帰国の際には行かなくちゃ・・と思っていました。 現在、フランスで口座を持っている銀行も、現在ではほぼ自ら出向くということは、まずなくなり、もともと通帳というものがないフランスでは、ネットバンキングへの移行も早かったように感じています。 というわけで、それは、私に限ったことではなく、フランスの銀行に行っても、受付には一人か二人、お客さんもほぼ、予約制なので、あまり人が多くいることはありません。 ところが、久しぶりに日本の銀行へ行くと、けっこうな人。順番待ちの番号をとって、大勢の人々が待機しています。また、ATMにも結構な行列。現金を下ろしたり、振込をしたり、キャッシングまでできるようになっているので、ただお金を引き出すだけでも、久しぶりでちょっと戸惑ってしまいました。 日本で買い物をしたり、食事に行ったりしていると驚くのが、日本では、カードは使えない・・というお店もけっこうあるし、しかも、結構、私の周囲には、カードを使える場所でも現金を使って生活をしている人が多いということです。 最近、フランスでは、コロナウィルスの影響もあり、少額からカードを受け付けるお店が圧倒的に増え、あまりハイテク化の波にはのっていない私でさえも、フランスで現金をおろして使うということは、滅多になくなっていて、カードに頼り切った生活になっています。 だいたいパリは治安もあまり良くないので、高額の現金を持ち歩くということも、あまりしたくはないし、殊に、パンデミック以来は特に衛生面でもお金に直に触れるということにちょっと抵抗が生まれています。 それが、日本に来て、叔母二人と話していて、彼女たちが、一切クレジットカードの類を持っていないという事実が発覚して、驚愕!日頃の生活ぶりから見て、けっこうお金を使っている人たちです。それが、これまで一切現金でしか、生活していなかったと知ってびっくりしました。 彼女たちは、70代、私よりも少し上の世代とはいえ、頑なにその生活を貫いているあたり、この期に及んで、彼女たちが現金生活から脱却するとは考えづらく、もしかしたら、こんな人々が想像以上に多いのでは・・それが銀行の人の多さに繋がっているのか?と妙に納得させられた気もしたのです。 また、彼女たちは、誘い合わせたかのごとく、携帯もガラケーでスマホは使用していません。私とて、スマホを器用に使いこなせているとは言い難いとはいえ、今やどこかに出かけるにしてもスマホなしだとかなり不便を感じるようになりました。 フランスでのワクチンパスもスマホに読み込みだし(紙に印刷しても良いにはよいけど・・)、だいたい、今回の一時帰国にしても、日本入国に際しては、スマホにMy...

2022年4月8日金曜日

帰仏間近の切迫スケジュール 食事の回数がどう考えても足りない!

   ここのお寿司も美味しかった!ガリまで最高でした! 帰仏の日が迫って、気忙しいだけでなく、実際、忙しく毎日を過ごしています。やらなくてはいけないことは、リストアップしていたのにもかかわらず、そのリストを見ることも忘れていて、とはいえ、大まかには、どうしてもやらなければならないことは、一応、済ませているのに、ギリギリになって思いついたことなども間に割って入り、慌ててその用事を済ませたり、本当にいつもいつも日本への一時帰国の終盤戦は、目まぐるしくなってバタバタで、あいも変わらず、どうしてこう毎回、学習せずに、同じことを繰り返すことになってしまうのか?自分でも嫌気がさしてきます。 し...