24日にマルセイユで、22歳の警察官が自殺したというニュースで、俄にフランスでの警察官の自殺問題が取り上げられています。 マルセイユ北支部に駐在する22歳の警察官の自殺は、警察長官が前週、組合や協会と面会した数日後に起きたもので、彼は勤務中に携帯していた銃を用いて自殺(警察官の場合は、この勤務中に携帯している武器(銃など)によるものが多い)しています。 そして、彼の自殺により、フランスでは、24日の段階で、警察官の自殺が今年に入ってから9人目であることが表沙汰になり、警察組合は、「これは、3日に1人の割合で自殺者が出ている計算になり、非常に憂慮すべき問題であり、優先的に取り組む問題である」と声明を発表しています。 これらの事件は、リール、ストラスブール、ブザンソン、シャロン・シュル・ソーヌ(ソーヌ・エ・ロワール)、ノワジール(セーヌ・エ・マルヌ)、マルセイユと次々に起こっており、この自殺の波は、危機感を持っている同僚に不安を与えており、周囲の警察官からのSNSによる発信なども相次ぎ、問題視されています。 これまで、自殺は、「個人的な問題」として説明され、特に警察内では、問題を追求するのは、どちらかといえばタブー視され、見過ごされてきた問題を単に個人的な問題だけでなく、多様な原因が関わっていることを公にして、解決すべき問題があることを浮き彫りにしています。 悪化する治安、度重なる暴力事件や犯罪が絶えることのないフランスで、警察官(少なくとも一般的な警察官に関する限り)は、依然として低賃金であり、たやすくはない勤務体系、頻繁な暴力への対応、時には有害な物の管理などを伴う緊張感が絶えないこの職業においては、自殺と関連すると思われる多くの困難な問題を抱えるものであることは、容易に想像がつきます。 特にマルセイユの警察官の年齢が22歳であったということにも、メンタルヘルスを含めた警察学校での訓練で十分な武装ができているかどうかが問われています。現場の警察官であれ、捜査官であれ、彼らの肩には大きなプレッシャーがかかっており、現代の社会は、非常に複雑でもあります。 それに加えて、警察内の上下関係の圧力は、悩める警察官をさらに苦しめています。 2021年には、35人の警察官が自らの命を絶ったと言われていますが、まだ1月で9人とは、今年は、すごい勢いであることは、言うまでもありません。しかも、警察官の場合は、常に武器を携帯しており、それを自分に向けて使うことも容易で、昨年の警察官の自殺の半分は、この武器が使用されたものでした。Encore...
2022年1月31日月曜日
2022年1月30日日曜日
クラック(CRACK)ドラッグ常用者溜まり場 パリ12区への移転計画
ヨーロッパ最大の大麻消費国であるフランスにとって、最近、頻繁に問題視されているのは、クラック(CRACK)と呼ばれるコカインの一種のドラッグ(比較的安価なことから、貧乏人の薬などと呼ばれています)の急速な拡大で、当初はパリ北部(19区近辺)のスターリング広場がいつの間にか、クラックの聖地となり、クラックの売人や常習者の溜まり場になり、スターリンクラックなどと呼ばれるようになっていました。 これらのドラッグ常用者は、暴力行為・破壊行為を起こしたりして、近隣住民との摩擦が絶えず、フランス政府は、この状況を打開しようと、200人の警察官を動員し、この場所(エオール庭園やスターリングラード庭園)のクラック常用者を別の場所へ強制的に移動させました。 しかし、彼らを別の場所へ移動させただけでは、何の解決にもなっておらず、移動先でも再び問題となり、再度、移動を繰り返していましたが、今月25日、パリ警察は突如、プレスリリースで、ジェラルド・ダルマナン内務大臣の要請により、クラックの溜まり場をパリ12区にあるSNCF(フランス国鉄)所有の場所に移動させることを発表し、大騒動になりました。 この9ヶ月間で3回目の引越しとなるクラック常用者の移転は、「安全なフェンスを設置するための作業が行われた後」に行われるとされていたものの、この発表は、地元の政治家や住民を驚かせました。「事前に何の相談も通告もない決定に愕然とした!この一方的な決定は、断じて受け入れることはできない!」とパリ12区や12区に隣接するベルシー・シャロントン市も大反発。 この政府の決定は、国が地域の議員・議会を蔑ろにしていることも露呈した結果となりました。 同時にパリ市長であるアンヌ・イダルゴが「パリ北東部からベルシーにある鉄道用地へ麻薬使用者を移動させるという警察庁長官の計画に対し、欧州人権裁判所(ECHR)に提訴する意向である」と発表。 また、彼女は同時に、「これはクラック常用者の苦しみを解決するものではなく、パリにはいかなる居住地からも隔離された場所は存在しません。これは、近隣地域全体の平和と安全を乱すことになります。このプロジェクトには大きな問題がある。不安定な人々を鉄条網の後ろに移すことは、公衆衛生対策にはならず、何の効果もなく、何より非人道的です。」と述べています。 この大反発の結果、パリ警察は、28日のプレスリリースで、このクラック常用者の移動を断念したことを発表しました。 12区に近隣するベルシー・シャロントン市からは、ことさら反発が強く、パリ警察の発表から72時間、市議会総動員での激しい抗議活動の結果、断念という決断を得たことに安堵、満足していると発表しています。 しかし、計画がはっきり中断したとの確証が得られず、不安が残る中、市民の署名活動が続いています。昨日、出かけた際に、我が家からもそう遠くない場所で「クラック移転反対」のビラ配りをしながら、署名を求めている人々に遭遇しました。クラック常用者移転反対のビラ 結局、解決策は、移転ではなく、必要なのは、薬物のケア施設で、それをせずにただ、彼らを移転させ、たらい回しを続けるだけでは、なにも改善しないのです。 長引くパンデミックで新型コロナウィルスの感染蔓延がおさまらないだけでなく、蔓延するクラックというドラッグ問題、もはやドラッグの蔓延する場所では、ウィルスの感染などとは、別世界のようでもありますが、しかし、同じパリの住民でもあります。 パンデミックという抑鬱された状況がさらにクラックを蔓延させたという見方もできないではありませんが、これはウィルスのように目に見えない感染ではありませんが、同じ土地に蔓延する社会問題のひとつです。 この移転プロジェクトには、それ相応の資金が費やされているにもかかわらず、何の解決にもなっていないことや、これらの計画が当該地域の市に何の打診も相談もなく行われようとしたことに薬物だけではない不安を感じた出来事でもありました。 また、警察の弁明もお粗末で、この現在のところやり場のない移転計画の断念で、今後も現在の場所でのクラック常用者による占拠状態が長引くことに対して、遺憾の意を示し、パリ市長であるアンヌ・アンヌ・イダルゴを避難することで責任転嫁しようとしているのも情けないことです。 フランスは、ワクチンセンターだけでなく、薬物治療センターを作らなくてはならないのです。クラック CRACK...
2022年1月29日土曜日
日本の水際対策 海外からの入国・隔離期間7日間に短縮も外国人入国は停止のまま
日本の「水際対策に係る新たな措置について」という文面をパンデミック以来、一体、どれだけ見たかわかりません。 今回のお知らせは、「1月29日午前0時より、水際対策強化に係る新たな措置に基づき、オミクロン株が支配的となっている国・地域(現時点では全ての国・地域)から帰国・入国する全ての方について、入国後の自宅等待機、健康フォローアップ、公共交通機関不使用の期間が10日間から7日間に変更されます。既に入国済みの方に対しても同時刻から適用されます」という内容のものでした。厚生労働省 水際対策に係る新たな措置について これだけなら、若干、隔離期間が短縮されるのですから、日本への一時帰国を希望する海外に在住する日本人にとっては、朗報といえば、朗報ですが、問題なのは、相も変わらず、「外国人の新規入国は停止」という部分です。 いい加減、いつまでも外国人であるというだけで入国を制限する日本のやり方は、全く理解ができません。私は日本人ですが、「日本人だけ・・」という日本人さえよければいいだろうというやり方は、実は日本人の首を絞めていることにも繋がっていると思うのです。 今や蔓延するウィルスの性質も変化し、世界中が対策を変更している中、なぜ?日本は、2月末までの鎖国延長を緩和しないのでしょうか? 日本に住む多くの日本人にとっては、鎖国状態の日本は、現在の自分たちの生活には、直接関係のないことかもしれませんが、外から見れば、異常な対応です。パンデミックが終息しない段階で、リスクを冒しながら、多くの国が規制を緩和し始めているには、理由があるからです。 多くの企業がいつまでも鎖国している日本に業を煮やして、他国に乗り換えることを考え始めています。それも当然でしょう。こんなにいつまでも鎖国をされていては、仕事がやりにくくて仕方ありません。他の国は、そんなことしていないのですから、他をあたるのは、当然です。 留学生とて、いつまでも入国させてくれない日本に見切りをつけ、日本留学は断念するか、他の国に留学先を変更し始めています。 このままでは、本当に日本は世界から、取り残された状態になります。 先日、「日本が鎖国状態を2月末まで延長する」と発表した際に、フランス紙に「グローバル化しながらも内向きな国、日本」「このパンデミックは、この列島がいまだに孤立主義を培い、外国人を統合しようとしないことを明らかにした。」などと書かれたとおりのことを日本は続けようとしているのです。 日本のように資源のない国は、世界と関われなければ、どうにも立ち行かなくなることは、明白です。 長引くパンデミックに、いつまでも、「今は、とにかく感染を抑えることが最重要課題」などとは、言ってはいられない状況です。広い視野で、同時にいくつもの対策を次々に対応させていかなければなりません。 いつまでも、「外国人は入国させない」と言い続ける国に、いつまでも、他の国々が辛抱強く待ってくれるわけはありません。他の国々は、ものすごい勢いで動き始めているのです。 そのうち、日本が開国した頃には、誰も見向きもしなくなっているかもしれません。 先日、マクロン大統領が、APCEでの講演で「私たちは...
2022年1月28日金曜日
パリのメトロのプロブレム・テクニック
メトロのトンネルを歩くハメになった・・動揺していたためブレブレ フランスに来てから、20年以上が経ちますが、パリのメトロの不通は、日常茶飯事のことで、最近は、パンデミックの影響もあり、以前と比べれば、めっきりメトロに乗ることも減ったので、そんな不具合を感じる機会からも遠のいていました。 しかも、フランスに来たばかりの頃は、パリ近郊の郊外にしばらく住んでいたので、通勤には、郊外線から、パリ市内のメトロに乗り換え、45分程度かかっていたので、通勤距離が長いほど、問題に直面することは、多く、たびたび起こるストライキは、問題外としても、何かといえば、止まって、「プロブレム・テクニック...
2022年1月27日木曜日
フランスの高齢者施設オルペア Orpéa の実態暴露の大スキャンダル
ビクトール・カスタネというフリーのジャーナリストが出版した、『Les Fossoyeurs』(墓掘り人という辛辣な風刺をこめたタイトル)というフランスの高齢者施設「オルペア(Orpéa)」の惨状の暴露本が今、フランスで大スキャンダルとして取り上げられています。 この本の著者は3年間、関係者250人にインタビューを行い、あらゆる圧力に耐え、信じられないような調査の糸を手繰り寄せながら、ようやくこの出版に漕ぎ着けたと説明しています。 世界23カ国に65,500人の従業員を擁するオルペアグループは、フランス国内に372の事業所を有し、そのほとんどが高齢者施設です。中には、ヌイイ・シ...
2022年1月26日水曜日
フランスの1日の新規感染者数50万人突破とオミクロンBA2
フランスの1日の新規感染者数は、18日に 46万人を突破して以来、若干ではありますが、減少傾向にあり、1週間のうちには、40万人台を切る日もあったので、ヤレヤレ、ようやく下がり始めたか・・と思っていたら、週明けには、再びリバウンド?で、「なんと50万人を突破(501,635人)」、集中治療室の患者数も少しずつ減少していたものの、どうやら、3,700人前後で下げ止まりの状態です。 本当に、身近なところにも、あっちもこっちも感染者、もう私も、いつ感染しても、何の不思議もないと思い始めています。 入院患者数は着々と上昇を続け、同日、3万人を突破(30,189人)、1日のコロナウィルスによる死亡...
2022年1月25日火曜日
パリで今、人気の雑貨屋さん 「フルー 」 Fleux Paris
パリで今、人気急上昇中の雑貨屋さんがあるというので、覗きに行ってみました。 「フルー」「Fleux」というお店です。 面白いことに、その店舗は、パリ4区の Rue Sainte-Croix de la Bretonnerie という小さな通り沿いに、ジャンルごとに5店舗を設けています。 パリ市庁舎、マレ地区の近くのパリの新しい創造的なファッションが続々と登場する界隈でもあります。 単なる雑貨屋さんとは、一線を画しており、家具から室内装飾品、照明器具、食器、文房具、スキンケアー用品、ベビー用品などなどの広範囲の商品を扱いながら、その一つ一つの店舗は、こじんまりとしていて、別々の店舗になっていることが、かえって、見やすくさせている印象があります。 どちらかといえば、マドレーヌにあるIKEA...
2022年1月24日月曜日
日本はなぜ、ブースター接種を急がないのか?
パンデミックが始まって以来、ニュースをチェックするのは、欠かせない作業になりました。状況はどんどん変わるし、それにつれて、ルールもどんどん変わるので、ただでさえ、色々スムーズに事が運ばないことが多いフランスのような国に住んでいれば、ニュースで知っていれば、早めに準備したり、対処したりすることができるからです。 それだけでなく、やはり、現在の状況を知らずにいることが、不安でもあります。 正直なところ、一番、気になるのは、今、住んでいるフランスの状況ですが、やはり日本人の私としては、日本のことも常に気になっています。 1月に入ってからというもの、日本の感染は、あっという間に広がり...
2022年1月23日日曜日
WHO(世界保健機構)「海外渡航制限の解除・緩和」の勧告に日本はどう対応するのか?
WHO(世界保健機構)が新型コロナウィルスをWHOの最高警戒レベルである「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」と宣言したのは、2020年1月30日のことでした。 それから、今まで、発表されたWHOの新型コロナウィルスに関する見解や勧告は、どちらかといえば、後出しジャンケンのような気がするものが多かった印象があります。 しかし、今回、WHOが発表した勧告は、世界中で感染の度合いが違うとはいえ、オミクロン株という、これまでとは桁違いの感染力や特異な特性を持つウィルスの拡大により、世界各国がそれぞれの感染対策をとり、また、感染対策を移行しつつある中で、一つの指標となり得るものであったので...
2022年1月22日土曜日
学校の検査と隔離と子供のワクチン接種 子供もワクチンしないと結構、ややっこしい
学校は、できる限り閉鎖せずに、検査と隔離を繰り返しながら、継続しようとしているものの、感染者数や教員の欠員のために、現時点で、19,000近いクラスが学級閉鎖になっています。これは、全国の学校の3.56%に相当します。 そして、全国の学校の0.25%に相当する152校が休校となっています。 先日のカステックス首相のワクチンパススタートとともに、いくつかの感染対策の制限解除の日程が発表されましたが、学校については、冬休みのバカンス明けに、(冬休みの期間は、3つの地域ゾーンごとにずらされて設定されています)、この時間を利用して状況を確認し、全ての地域のバカンスが終わる頃に再び保健当局と連絡を取り、どの程度までシステムを適応させることができるか確認する...
2022年1月21日金曜日
1月24日ワクチンパススタートと感染対策規制緩和の日程
カステックス首相は、20日、ワクチンパスによる制限を1月24日からスタートすることを発表しました。これにより、ワクチン未接種者は、これまでヘルスパスでアクセスできていた場所には、入場できなくなります。 しかし、ワクチンパス自体よりも、それと共に発表された他の制限解除の日程の方に注目が集まり、ワクチンパスによるワクチン未接種者への締め付け(締め出し)には、これまでさんざん議論が続けられてきたこともあるのか、同時に発表されたその他の規制解除の日程と内容に注目が集まりました。 締め付けとともに、規制解除を発表するのは、前日のイギリス首相の「多くの感染対策に関わる規制を終了...
2022年1月20日木曜日
ヘルスパスの評価と自動的に有効期限切れになり失効するワクチンパス
ワクチンパスが議会で多くの議論を呼び、自由剥奪の声が途絶えない一方で、ワクチンパスの兄貴分である「ヘルスパス」が今、評価され始めています。 Conseil d'analyse Economique(CAE)(経済分析諮問委員会)が発表したOECDとブリューゲル研究所の協力による調査によると、ヘルスパスによって、フランスでは4,000人、ドイツでは、1,100人、イタリアでは1,300人が死亡せずに済んだとしています。 この研究では、同じような状況にありながら、ヘルスパスの導入の時期、またヘルスパスの導入をしなかった国、フランス、イタリア、ドイツの3カ国を分析、比較し...
2022年1月19日水曜日
フランスの1日の新規感染者数46万人突破と子供の検査を放棄し始めた保護者
一昨日のニュースでは、いくつかの地域では、どうやら、感染が下降し始めたので、どうやらピークを越えたかもしれない・・とか、どこかのラボ(検査施設)では、おそらく1月13日がピークだったようだ・・などと言いつつも、全国的には、決して減少しているわけではなく、ただ、上昇が緩やかになってきている・・と感染のピークはいつか?という話ばかりしているような気がします。 日曜日はラボも休みのところが多く、月曜日の数字はいつもかなり少なくなるのですが、それでも10万人超え、逆に、その分が若干のっかる感じで、火曜日の数字が少し多くなる傾向があるのですが、それにしても火曜日の1日の新規感染者数は、...
2022年1月18日火曜日
ワクチンパスポート施行とコロナウィルス感染証明書
毎週のようにデモが起こり、反対の声は常にある中、フランスは国会でワクチンパスポート法案を採択、憲法評議会の承認を経て、今週末にもワクチンパスは施行されることになりました。 ヘルスパスとアクセスできる場所は、基本的には変わらないものの、これまでヘルスパスでは、PCR検査・抗原検査の陰性証明書が使用できたものの、これが一切、通用しなくなります。 このワクチンパスは、16歳以上の全国民に対して適用されることになります。ですから、ワクチン接種をしない限り、レストラン・カフェ、文化施設、娯楽施設、スポーツ施設、イベント会場へのアクセス、長距離電車やバス、(家族以外の相乗りなどの特定の...
2022年1月17日月曜日
フランスで継続するアンチワクチンパスデモとジョコビッチの全豪オープンからの強制退去
ワクチンパス施行を目前とするフランスでは、相変わらず、ワクチンパス反対のデモが続いています。とはいえ、前回のデモに比べると、デモ参加者は大幅に減少し、内務省の発表によると、前回の約105,200人に対して、今回は、約54,000人に減少しています。 彼らのデモでの訴えは、「ワクチンパス反対」「ワクチン接種そのものに反対」「自由」「政府の強行策に反対」など、毎週のことで、掲げられているプラカードや訴えの内容は、ほぼ同様の内容です。 しかし、今回のデモで気になったのは、そのプラカードの中に「ジョコビッチは私たちの旗手である!」というものが、混ざっていたことでした。 このデモが行...
2022年1月16日日曜日
いつまでもフランスで感染がおさまらない理由を見た1日
先週末にパリ郊外で会合があり、この感染が蔓延するさなかに、嫌だなと思いつつ、「リモートにすることはできないのですか?」と聞いてみたのですが、「リモートは不可能」と却下され、渋々、参加してきたのです。 もともとその会合は、1月5日の予定だったのですが、それが感染対策を考慮して延期され、結局のところ、その時点よりも悪化している状況で開催、これ以上、待っても感染はおさまらないという判断なのでしょうか? そもそも会合というのは、実際に顔を突き合わせて話し合いができれば、それに越したことはないのですが、実際に行ってみると、どうしてもそれが必要なのかは、甚だ疑問で、しかも、昼食...
2022年1月15日土曜日
前代未聞の歴史的規模の学校の感染対策への教職員組合のデモとストライキ
IFOP(L'Institut Francaise d'Opinion Publique・フランスの世論調査会社)の調査によると、66%のフランス人(フランス人の約3分の2)がパンデミック発生当初から学校をできる限り閉鎖しなかった行政の選択は正しかったと支持していると発表しています。 ところが、現在の感染爆発状態のフランスでは、学校を閉鎖しないことには賛同しているものの、学校を継続するための感染対策としての週数回にわたる検査に次ぐ検査、そして隔離、クラス内で感染者が出るたびに、また検査。 そして感染した教員の代理要員の手配等々、学校の授業を維持するための感染対策のための業務は煩雑を極め、それを繰り返す学校は、「筆舌に尽くし難い大混乱」と悲鳴をあげ、ストライキ・デモを決行するに至りました。 この全国の教職員組合のデモには、77,500人が参加し、小学校最大の教職員組合であるSNUipp-FSUは、75%がストライキを行なったと報告しています。 感染対策に振り回される煩雑すぎる作業の繰り返しに加えて、ワクチン接種があまり進んでいない小学生以下の学校教員には、感染のリスクも大きく、また、この煩雑さは、学校教員だけでなく、子供の検査・隔離の繰り返しには、保護者をも巻き込んでいるために、もはや周知の事実で多くの人がこれを認めるところ。 「このままの状態を続けることはできない」「昨年のようにクラスに1人でも感染者が出た場合は学級閉鎖にするというルールに戻してほしい」「教員の安全を確保してほしい」などの要求をかかげて、デモ・ストライキを決行したのです。 日常から、学校のストライキは少なくないフランスですが、今回ばかりは、FCPE(Fédération...
2022年1月14日金曜日
「ワクチン接種拒否なら集中治療辞退を!」医療従事者の叫び
フランスでは、「オリヴィエ・ヴェラン保健相がコロナウィルス感染」というニュースがセンセーショナルに報じられています。 昨日、朝、閣僚会議に出席していたヴェラン氏は、午後に感染者追跡アプリ(TousAntiCovid)を介して、感染者と接触していることを警告され、最初のテストを受けましたが、陰性であることが証明されました。しかし、昼過ぎに軽い症状が出たため、再度検査したところ、今度は陽性だったそうです。 1日のうちに2度の検査を行なって、陰性であった結果が陽性になるということにも、ちょっと驚きです。側近によると、「彼は自己診断で抗原検査も陽性であることを確認した」ということで...
2022年1月13日木曜日
日本の鎖国延長についてのフランスの報道の中で気になったこと
フランスの新型コロナウィルス感染は、とどまることを知らず、2日連続、1日の新規感染者数は、36万人を突破しています。それでもフランス政府報道官ガブリエル・アタルは、「ウィルスが蔓延していても、できるだけ、普通に生活を送ることができることを目標としています」と語っています。 そのため、「特に学校は閉鎖しない」ことを目標に、非常に厳しい検査と隔離の方針を立ち上げ、このあまりの煩雑さに音を上げた教職員組合がこれまでに例のないほどの規模でのストライキを予定していたりしますが、基本的な「普通に生活を送ることができることを目標とする」姿勢は、摩擦は起こっているものの、このなんとかして学...
2022年1月12日水曜日
2ヶ月以内にヨーロッパの半数以上が感染する フランスの1日の新規感染者数36万人突破
世界保健機構(WHO)のヨーロッパ支部長のハンス・クルゲ氏は、「現在の世界的な感染率からすると、(Institute for Health Metrics and Evaluation(IHME)の分析)、今後、6〜8週間以内にヨーロッパの人口の50%以上がオミクロン変異種に感染すると予想される」と発表しました。 感染力の強い変異型の潮流が高速で拡散する中、新規感染者の急増は、すべての大陸で加速しており、パンデミック開始以来の水準に達しています。 この2週間、米国で新たな感染者数の増加がめまぐるしいですが、欧州でも非常に強い感染者を記録しています。 医療体制については、入院...
2022年1月11日火曜日
ワクチンパス反対デモの拡大とデモ過熱によるサンピエール・エ・ミクロンでの代議士個人攻撃
先週末は、フランス全土で、ワクチンパス反対、ワクチン反対などを訴え10万5000人がデモに参加しました。 今回のデモは、ワクチンパスが施行される直前ということもあり、また、マクロン大統領がこの数日前にワクチン非接種者についての過激な発言をしたこともあり、年末年始にかけては、少しずつ減少していたデモ隊が再び、増加し始めています。 パリでは3つのデモ隊に分かれて18,000人が参加しています。デモに参加している人々の主旨は様々で、ワクチン接種そのものに反対している者、ワクチンパスに反対している者、政府の強引なやり方に抗議する者、自由を制限されることに対して抗議する者、マクロンの過激な発言に対して抗議する者などがごちゃ混ぜになっています。 もともと、フランスのこのヘルスパスやワクチン接種に関するデモは、もうずっと途切れることなく続いており、特にヘルスパスの施行が発表された直後は23万人以上が集まる大変な盛り上がりを見せていましたが、ワクチン接種が進み、ヘルスパスが浸透するとともに少しずつ縮小していたので、フランス全土で10万人超えのデモは久しぶりのことです。 いつものことですが、警備にあたる警察との衝突もいくつか起こっており、パリ市内では、逮捕者10名、軽傷者3名、他の地域では24名の逮捕者、軽傷者7名が発生しています。 これらのデモは時には暴徒化することあっても、街中を練り歩いて行進して歩くのが普通ですが、このデモが、フランス領サンピエール・エ・ミクロンで、ワクチンパス反対のデモ隊が過熱し、代議士の個人宅を攻撃するという事態にまで陥る事件が発生しました。L'agression...
2022年1月10日月曜日
IHU変異種とデルタクロン 新しい変異種の出現のニュースの信憑性
昨年の12月の段階から、世界では騒がれ始めているのに、なぜか、フランスでは、あまり報道されていない新しい変異種があるというのを小耳に挟んでいて、気になっていました。 それは昨年12月初旬にマルセイユの大学病院の感染症専門医ディディエ・ラウルト教授のチームが新しい変異種を発見したと発表したことから「IHU変異種」と呼ばれ、世界の一部の科学者を心配させているのだそうです。 実際に「French variant」と検索すると、このIHU変異種について書かれた数百件の記事がヒットします。時には、「この変異種はオミクロンよりもさらに多くの変異がある」とか、「フランスの科学者が警鐘を鳴らす」といった記事にも遭遇します。 しかし、実際にフランスでは、この「IHU変異種」については、あまり報道されていません。 この新しい変異種は「IHU型」と呼ばれ、昨年10月にフランスとコンゴで発生した別の型と関連があり、12月中旬に発表されたフランスの公衆衛生局による最新の調査では、その後300人強の陽性例を出しています。 しかし、「この変異種はフランスにおける感染者の1%未満以下であり、これは非常に少ない症例数、解釈には慎重であることが望ましい」と公衆衛生局は指摘しています。この変異種については、変異種をリストアップしているWHOの定義によると、リスクがあると疑われているものではありますが、必ずしも危険というわけではありません。 この変異種の発見が、他の科学者によるレビューや検証がまだ行われていない段階で発表され、それが以前にクロロキン(本来は、マラリアの治療薬)を使ってのコロナウィルスの治療に成果をあげて、一躍、ヒーローのような存在になったディディエ・ラウルト教授のチームによるものであったことが、誇大広告の引き金となったと現段階では、言われています。 IHU変異種が検出されたのは、フランスでオミクロンが広がり始める前の段階であったことから、新しい変異種であり、その存在は事実ではあるものの、オミクロンほどの警戒をすべきものとは、考えられないとされ、むしろ、イギリスのインペリアルカレッジなどは、必要以上に危機感を煽る報道は避けるように戒め、騒ぎを沈静化するために、「このIHU変異種の発見は、南フランスでの症例の急増を説明するものではない」、「フランスで何百人もの人々をICUに送ったわけではない」などとの、この騒ぎを鎮静化させる声明を発表しています。 クロロキンを使ってのコロナウィルス治療の研究成果を発表したラウルト教授は、一時、救世主のようにマスコミを賑わせたものの、結果的に1年以上経った現在、この治療法が浸透していないことからも、これは、結局、お騒がせ・・というか、マスコミが勝手に騒いだだけだった・・と思わせられます。 そんな経緯もあり、フランスでは、あまりこの「IHU変異種」については、騒ぎにはならず、それどころか、デルタ変異種がおさまらないうちにオミクロンの驚異的な感染拡大で、それどころではない状況です。 そして、昨日、「キプロス大学生物学教授のLeondios...
登録:
投稿 (Atom)