2022年11月30日水曜日

フランスを襲うコロナウィルス、細気管支炎、インフルエンザの呼吸器系トリプル感染症

   すでに11月の初旬に問題視されていた細気管支炎の流行による、特に小児科病棟の圧迫は、この約1ヶ月の間もとどまる様子をみせずに満床状態が続き、コロナウィルス感染も再び増加傾向に転じ、冬に向けての強いインフルエンザの流行も予想され、コロナウィルスだけではないこの三つの感染症が同時に蔓延することで、感染症専門家は再び警鐘を鳴らしはじめています。 このような病気の組み合わせは「フランスでも前例がないことである」と感染症専門医は危機感を露にしています。 パリ近郊のある病院では、先週末から記録している入院はすべて、呼吸器感染症に罹ったもので、この急性ウィルス性感染症の蔓延は、今年に入って...

2022年11月29日火曜日

中国のゼロコロナ政策反対のデモを天安門事件以来のターニングポイントと見ているフランス

    先週、在中国フランス大使館が「中国のゼロコロナ政策」を「不必要で過剰な制限である」とSNS上で批判したことが、中国国民の大きな賛同を得て盛り上がったことが話題となっていましたが、先週末は大規模なデモが中国各地で起こり、このデモは、政権を直接標的とした政治的な方向に進み始めており、フランスでは、習近平政権が揺らぎ始めたと注目しています。 デモ隊の怒りに火をつけたのには、中国通信によると、中国北西部ウルムチの住宅で火災が発生し、10人が死亡、9人が負傷する致命的な事態となったことも原因の一つであり、地域がゼロコロナ政策のために封鎖されると、至るところに障壁が設置され、消防車までもが燃える建物に近づくことができなかったためでもあると言われています。 この地域隔離や工場閉鎖など、もうそろそろパンデミックが始まって以来3年が経とうとしている今、あらゆる階層の人々が、あまりに厳しい隔離や検査にうんざりして鬱憤がたまりきっており、その爆発の仕方が半端ないものになっており、また、このデモに参加したのか、取材中だったのか、イギリスのBBCのジャーナリストが警察に暴力を受けながら逮捕されたりしたことも、イギリスも容認できないとしています。 コロナは関係なくとも、四六時中、毎週のようにどこかでデモをやっているフランスにとって、デモをする権利というのは、尊重しすぎるほど尊重されているもので、それが暴徒化しないように、間近にするとちょっと引くぐらい、これでもかというほど、警察や憲兵隊がガードしてまで行うデモでも、警察側から暴力をもってデモを阻止することなど、もってのほかで、はたから見ても、自由の侵害は許せない!という気持ちになるのでしょう。 フランスのデモが暴徒化した場合でも、重装備した警察官や憲兵隊も武器を使ったりすることは、よほどのことがないとありえないことで、せいぜい催涙ガスか、水を撒いて応戦する感じなのです。 中国から比べたら、今から思い返せばフランスのロックダウンなど短かったわけで、最初の1カ月強はほぼ、外に誰も出られない完全なロックダウンでしたが、その後、少しずつ、外出できる時間も距離も広がり、営業できる種類の店舗も拡大し、様々な種類の規制がしばらく続いていたものの、そんな中でもデモは行われていて、私などは、逆に「へんなの・・」と思っていたくらいです。 ロシアの言論統制にしても、今回の中国のゼロコロナ政策にしても、不自然なかたちで政府が国民を抑えつける体制は、全くフランスとは相容れない国であるのがわかります。 それにしても、中国人のデモというのもなかなか迫力のあるもので、それを阻止しようとしている中国の警察の圧力のせいもあるかもしれませんが、例えば日本のデモなどの様子を映像で見たときに、フランスのデモを見慣れている私にとっては、「なんとおとなしい!これは本当にデモなのだろうか?」と思うのに比べて、中国のデモは、なかなか迫力のあるデモで、なかなか中国人、発火した場合はすごいパワーになりそうです。 とにかく、フランスでは、今回の中国のゼロコロナ政策反対デモは1989年の天安門事件以来の歴史的なムーブメントになるのではないか?と見ており、習近平政権が揺らぎ始めるきっかけになるのではないか?と見守っているのです。 また、この中国での騒動については、今回は、国連も「平和的抗議の権利の尊重」を求め、「平和的に意見を表明しただけで恣意的に拘束されることがあってはならない」「国際的な人権法と基準に従ってデモに対応するよう求める」と警告を発しています。中国ゼロコロナ政策反対デモ<関連記事>「在中国フランス大使館が中国のゼロコロナ政策を批判」「フランスは、いつも誰かが何かを訴え、戦っている フランスは、デモの国」「「デモ禁止」がさらにデモをエスカレートさせたパリの「イスラエルとパレスチナ紛争」に関するデモ」「自由の輸送団(Convoi...

2022年11月28日月曜日

パリのメトロ・Navigoパス 2023年1月1日から値上げ

   すべての価格が上昇する中、仕方ないとは思うもの、パリのメトロのチケット・Navigoパスが大幅に値上げされるそうで、うんざりしています。 現在1枚 1.90 ユーロのチケットは、2.10 ユーロになり、カルネと呼ばれる10枚綴りのチケットは、カードにチャージする場合だと16.90ユーロ(現行14.90ユーロ、つまり+2ユーロ)、紙のチケットでは、19.10ユーロ(現行16.90ユーロ、+2.2ユーロ)に値上がり、現行75.2ユーロ(月額)(約10,900円)のNavigoパスは84.10ユーロ(12,500円)になります。 私は、通常はNavigoパスを使っていますが、毎年、...

2022年11月27日日曜日

在中国フランス大使館が中国のゼロコロナ政策を批判

   大使館は外地においても、その国の治外法権と言われますが、在中国フランス大使館が中国がいまだに取り続けている厳しい「ゼロコロナ」政策をソーシャルネットワークWeiboの公式アカウントに中国語でで公開された異例のメッセージの中で、「不必要で過剰な制限」であると厳しく批判したことが大きな反響を呼んでいるようです。 いつまでも外国人を締め出して、鎖国状態をとり続けていた日本も、ようやく外国人を受け入れるようになり、それまでは、外国人をシャットアウトしている国として、世界地図の中で日本は中国と同じ色に塗りつぶされていて、「うわっ!中国と同じ扱いにされている!」と残念な気がした覚えもあります。 しかし、実際には、中国国内の「ゼロコロナ政策」は、日本の比ではない厳しさで、患者が出るとすぐに監禁を課し、陽性反応が出た人をセンターに隔離し、公共の場に出るにはほぼ毎日PCR検査を義務付けるような、しかも、その強制的かつ時には暴力的にも見える拘束の仕方は、度々、フランスのメディアでも、その映像が流されていました。 今回の在中国フランス大使館のメッセージは、「このゼロコロナ政策は不必要で過剰な制限であり、中国に存在するフランス企業に影響を与えるものであり、中仏間の貿易・投資を維持・発展させるためには、透明で予測可能かつ公正なビジネス環境が不可欠である」と訴えています。 中国は、ゼロコロナ政策の緩和を発表し、特に中国到着時の検疫期間を短縮し、渡航を容易にするとしていますが、フランス大使館は、中国側の緩和措置は「期待に応えていない」と、中国側に「不必要で過剰な制限を排除する」ように求めているものです。 このフランス大使館のSNSでのコメントの3日前に、中国政府はコロナウィルス感染者の急増を理由に、巨大なiPhone工場がある中国中部の都市、鄭州市のロックダウンを宣言したばかりでした。 本来ならば、他国の政策に口を出すことは、あまり歓迎されるべきものではないとは思われますが、このメッセージに関しては、このゼロコロナ政策にうんざりしている中国の人々から広く歓迎され、あっという間に8万5000回以上「いいね!」が付き、1万件以上の好意的なコメントが寄せられ、大変な盛り上がりを見せているようです。 「フランスは本当に革命の国だ!」と感謝する人や、「ありがとう、フランスがワールドカップで優勝することを願うよ!」「企業資本主義...

2022年11月26日土曜日

パリ市内のバス RATP(パリ交通公団)キセル乗車の取り締まり

  数ヶ月前だったと思いますが、バスを降りたところで、RATP(パリ交通公団)のコントロール(検札)の人が待ち構えていて、乗車券のチェックに遭ったことがあり、なるほど、降りたばかりの人を待ち構えていれば、逃げられないだろうな・・RATPもなかなか試行錯誤しているのだな・・コントロールも進化しているんだ・・と驚いたというか、感心したことがありました。 バスにしてもメトロにしても、キセル乗車をあたりまえのようにしている人は、けっこういるもので、メトロの場合は平然と改札を飛び越えていったり、時には、あなたが改札を通る時に一緒に通らせてくださいと頼まれることさえあります。 バスの場合は、一...

2022年11月25日金曜日

パリの公立病院の救急治療室で起こった強姦事件

   パリの治安の悪さは承知しているつもりでも、まさかの救急搬送された病院で強姦事件が起こるとは、まさに世も末としかいいようがありません。 事件は10月末に起こっていたようですが、この強姦事件について、被害者の34歳の女性が「生命の危険に晒された」と病院を告訴したことから、この事件が公になりました。 事件当日夜、セーヌ川沿いのバーで過ごしていた女性は気分が悪くなり、バーを後にして外へ出て、ふらついて転倒し、地面に頭を打ち付けてしまったようです。ここまでならば、酔っ払いの女性がふらついて転んで怪我をしたのですから、自業自得と思われても仕方ないことです。 しかし、この女性は転倒後、反応がなく、頭に怪我を負っていたために、午前1時20分に救急隊によって救助され、パリ市内の公立病院に運ばれ、個室に収容されました。 女性は気を失ったまま、病院の個室に寝かされていましたが、午前4時頃、暴行を加える加害者に与えられた痛みで目を覚まし、悲鳴をあげたために、看護師がかけつけたのを機に、犯人は病院から逃走しました。 この犯人の犯行は、ある程度、計画的だったようで、現場での目撃者の証言によると、女性が最初に体調を崩したバーの近辺をうろついており、地面に倒れた女性を飢えた目をして、執拗に眺めていたと言われており、バーのオーナーは警備員の一人にこの男を追い出すように依頼したと証言しています。 しかし、驚くことに、この男は、1時間後にアルコールで昏睡したふりをして、救急車を呼んで、救急隊はこの男を彼女と同じ病院に搬送し、歩けないと言いながら、看護師に車椅子に乗せられて、被害者の病室と同じ廊下沿いの部屋に連れていかれました。 容疑者はまんまと被害者のいる病院に潜り込んだのです。 看護婦が立ち去ると、この容疑者は部屋を出て、個室から個室へと移動して彼女を探し回り、途中で看護師に遮られていましたが、結局、彼は看護師の目を縫って、犯行に及んでしまったのです。 しかし、その後、被害者が驚いて悲鳴をあげたことによりかけつけた看護師に見つかり、逃走したのです。 病院は直ちに警察に通報し、容疑者は、逃走する際に盗んだ被害者のクレジットカードで1時間後に食料品の買い物をしたところで逮捕されました。 逮捕後、警察の留置場で行われた検査の結果、容疑者からはアルコールは検出されなかったかわりに、大麻とコカインの陽性反応が出たと言われています。 この容疑者は非正規滞在者(不法移民)で22歳のヨルダン人であると名乗っているそうですが、彼は窃盗、盗品受け取り、薬物使用などで何度も逮捕されており、IDをいくつも(少なくとも13の身分を持つ)持ちながら、違法滞在を続けてきたようで、2020年に未成年者を強姦した容疑をかけられていたものの、事件は未解決のまま放置されたと言われています。 容疑者の供述によると、2019年にフランスに不法入国し、すでに3回のフランス領土からの退去命令(OQTF)を受けており、最後のものは、昨年7月であったものの、この3つのOQTFは、それぞれ別のIDで発行されたもので、追跡されていなかったようで、昨年9月からは、亡命申請を行ったため、追放の可能性が保留されていたということです。 この事件は、単なる強姦事件には留まらず、病院の安全管理に対する問題や不法移民の退去命令(OQTF)の管理の難しさなども含まれており、多くの問題を投げかけています。 もちろん、一番、罪があるのは、この不法滞在の容疑者であるには違いありませんが、普通、病院に搬送されれば、ひとまず安心するのが普通で、病院でこのような危険な目に遭うとは思いもよらないことです。 被害者の女性の弁護士は彼女は強姦されたという事実とともに、安全なはずの病院でこのような被害に遭ったという二重のトラウマを抱えてしまったと訴えています。 ただでさえ、人手不足の病院で、病院内で看護師が警察の警戒のような役割まで果たさなければならないことには、閉口してしまいますが、現在のところ、Assistance...

2022年11月24日木曜日

いつのまにか、また感染増加 フランスのコロナウィルス第9波

  パンデミックが始まって以来、もう大小さまざまの波が訪れて、なんとなく定期的にコロナウィルスの感染者数をチェックする習慣がついてしまいました。当初は毎日のように仰々しく感染者数がテレビでも発表されていたりしましたが、今やもうそんな報道もなくなり、自分から探しにいかなければ現状は把握しにくくなりました。 私はこれまで15万人以上のコロナウィルスによる死亡者を叩き出しているフランスで生活しながら、今まで、一度も感染せずに生き延びてきました。コロナウィルスによるパンデミックが騒がれ始めたのは、2020年の2月頃のことでした。 それから3月にあっという間にロックダウンという前代未聞の事態に陥りまし...

2022年11月23日水曜日

子どもの学校のバカンスの多さに追いまくられるフランスでの子育て

   「家族で旅行に行きたいけれど、平日に小学生の子どもを1日だけ学校を休ませて行ってもいいものだろうか?」という疑問を投げかけている人がいて、ヤレヤレ・・子どもの学校とバカンス問かか・・と、子育てが終わった今でも、思い出すたびに、ウッとくる気持ちです。 私は日本で子育てをしたことがないので、今の日本の事情はわかりませんが、私が子どもの頃は、母も日常的に通勤が必要な仕事はしていなかったので、特に学校がお休みであっても、母が子どもの処遇に苦労していた記憶はありません。 しかし、そういえば、私には、田舎というものがなく、夏休みにはおじいちゃん、おばあちゃんのいる田舎に行くという友達をう...

2022年11月22日火曜日

パリオリンピック オフィシャルショップ オリンピックオフィシャルグッズと値段

  2024年パリオリンピックのマスコットキャラクターが発表され、オリンピックオフィシャルショップがパリにオープンしたというので、見てきました。  ショップは、パリ1区のレ・アール フォーラムの一画にあり、マスコットキャラクター「フリージュ」のぬいぐるみをはじめ、Tシャツ、トレーナー、キャップ、キーホルダー、マグカップ、ピンバッチなど、様々な商品が陳列されています。 レ・アール、シャトレの駅からすぐのところにあるので、雨に濡れることもなく、迷うこともなく容易に行くことができます。 見ようによっては、パリにあるお土産屋さんと変わらないような気もしますが、商品の一つ一つには、オリンピックの公式マークが入り、中には、数量限定のプレミアがつきそうなものもあるのは見逃せません。 そんなに広いお店ではありませんが、一つ一つの商品を丁寧に見ていくと、なかなか工夫されたものなどもあり、楽しく過ごせますし、これからオリンピックまでの間という期間限定、今だけのものでもあり、パリのお土産としたら、なかなかお手頃な値段のものもあるので、記念に買っておきたいものなどもあるかと思うので、見てきた商品とお値段をご紹介します。  まずは、マスコットキャラクターのぬいぐるみは、小、中、大、特大(13€、30€、50€、150€)の4種類で特大は抱き抱えるほどの大きさです。 Tシャツ25€、子供用Tシャツ20€、トレーナー45€、キャップ25€             また、記念コインなどは、Monnaie...

2022年11月21日月曜日

2022年のシャンゼリゼのイルミネーションは節制モード Sobrillance(ソブリランス)

   毎年、ノエルの時期には、一度は見に行くシャンゼリゼのイルミネーションですが、今年は、去年までの赤いイルミネーションと打って変わって、シャンパンをイメージしたという黄金色に輝いています。 今年は、エネルギー危機、節電が叫ばれている中、さすがにシャンゼリゼのイルミネーションは中止ということはないだろうと思っていましたが、時間・期間ともに短縮になったようです。 とはいえ、凱旋門を中心に広がる沿道の400本の木々が数百万のLEDで華やかにライトアップされて飾られる風景は、やはり、毎年のことながら、息をのむ美しさです。 それでも、今年は節電の必要性から照明の数を大幅に減らしているため、...

2022年11月20日日曜日

離婚率も高いが再婚率も高いフランス 子育て期間も長くなる

   フランス人の友人、知人、同僚などには、子供の年齢が結構、離れていることがある場合があって、私とそんなに年齢が変わらないと思っていた人に意外とまだ小さい子供がいたりして、驚かされたりすることがあります。 彼女たちと世間話をしていると、子供の話題になることも少なくないのですが、そんな子供の話になって、「えっ?まだ、そんなに小さい子がいたんだ・・」と驚くと、「私だって、ほんとは、もう子供はいらなかったんだけど・・」などと、こちらが恐縮するようなことを言い出したりするので、びっくりさせられるのです。 また、そこまで詳細な家族構成がわからずにいて、子供は現在、同居している子供だけだと思...

2022年11月19日土曜日

原子力発電所の生産量低下で、極寒の1月には停電のリスク 

    フランスの送電システム運用会社であるRTEは、この冬は、フランスの原子力発電所が歴史的な原子力発電の生産量低下などにより、寒さが厳しくなると見られる1月には、停電のリスクがあることを発表しました。(例年、電力消費のピークは寒波時1月前後に集中) RTEと環境エネルギー管理庁(Ademe)は消費者が国内の電力供給量や必要に応じて停電のリスクをリアルタイムで参照できるようにするために「エネルギー天気予報」として考案された「Ecowatt」(エコワット)ツールを共同開発しています。 ここのところ、なにかといえば、天気予報のようなマップ・・コロナウィルスマップ、ガソリンマップ・・そして、今度はエネルギーマップ・・それだけ、わたしたちの生活がリスクに見舞われているということです。 このエコワットでは、グリーン「通常の消費」、オレンジ「緊迫した電力システム、エコアクション歓迎」、レッド「非常に緊迫した電力システム、消費を抑えなければ停電必至」の3段階のグラデーションが予定されています。 RTEは、この停電のリスクを回避するために、「利用可能なすべての生産手段を用いる」と断言し、環境汚染度の高い石炭火力発電所重要な役割を果たすことになると説明しています。 これまでも、政府は国民や企業に向けての10%の節電目標をかかげ、夜間の電気広告を禁止したり、エッフェル塔のライトアップの時間短縮をしたり、暖房の温度は19℃までなどと呼びかけ、中には、冬の2週間を臨時休校にしたり、マクロン大統領自らタートルネックを着てアピールしたりと、節電を呼びかけてきました。 私などは、停電のリスク以前に電気・ガス料金の値上げにより、値上がりしている分は、電力消費を抑えなければ・・と細かな努力ですが、こまめにコンセントを抜いたり、冷凍庫の霜取りをしたり(フランスの冷蔵庫は霜取りが必要な場合が多いのです)、暖房はできるだけ使わないようにしたりしていますが、そもそも大した電力消費をしていない我が家にとっては、これ以上、節電のしようがない感じもします。 これから、12月の冬至までは、日に日に日も短くなり、電気をつける時間も長くなるので、これ以上節電するとしたら、早寝するくらいしかありませんが、残念ながら、朝、明るくなる時間も遅いので、夏に日が長い反面、冬はとても暮らしづらいところです。 しかし、この停電のリスクは、この冬、電力需給が不均衡になった場合、家庭向け電力削減が行われる場合の具体的な停電対策が発表されていることから、ますますこの危機が現実感をもってきました。 なお、エコワットシグナルがレッドサインを示した場合でも、病院、警察、研究所、安全上必要不可欠とみなされる公共道路信号および照明設備、特定の産業施設(特に国防関連の施設)は、停電の対象とはなりません。 また、自宅療養中の生命に危険のある病人のいる世帯に対しては、PHRV登録(資格)を地域保健医療機関(ARS)に申請していれば、停電時の具体的な情報提供通知、停電予定日時の5日前に情報を得ることが可能になり、停電時に機器を動作させるための自律的な電力供給(発電機やバッテリーなど)の手配をすることができるとしています。 停電といっても、計画的に電力消費負荷分散のために、地域ごとに、時間帯を区切って(朝8時〜13時、夕方18時〜20時)停電させるということで、この計画停電の情報を的確に得るためには、ECOWATTのアプリを入れ、アラートをセットすれば、通知を受け取ることができるので、ある程度は、備えることはできるのかもしれません。 しかし、ひと月まえくらいまでは、このまま節電していけば、停電は避けられるということだったのに、まさかのこの事態・・。「例外的な状況を除き、夜間は決して行わない」としていますが、混乱は必須です。 我が家のアパートはガスはなく、オール電化、停電は本当に困るのです。 フランス1月停電<関連記事>「エネルギー危機が疑問を投げかけるクリスマスのイルミネーションの是非」「この冬の暖房費節約努力を示すシンボル タートルネック タートルネックは今年のモード?」「ストラスブール大学 節電のためにこの冬の15日間の臨時休校を決定」 「電気料金値上げによるエネルギークーポン再び配布」「ロシア...

2022年11月18日金曜日

ボジョレーヌーボーと日本の関係

   ボジョレーヌーボー解禁の日だと、朝、気がついて、今年はどんな具合だろうか?とスーパーマーケットをのぞきに行ってみました。ここ数年、パンデミックの影響も多少はあったとはいえ、年々、衰退していくボジョレーヌーボーを「あ〜あ・・」という感じで、見ていました。 もともと、ボジョレーヌーボーは、フランスでは、そんなに人気があるわけでもなく、私自身も特に飲みたいと思うわけでもないのですが、一応、11月の第3週目の木曜日と日付が決められていることで、なんか、季節感を感じる気がする程度です。 とはいえ、一応は、解禁日からしばらくは、ボジョレーヌーボーのコーナーが設けられ、低価格(5〜10€程...

2022年11月17日木曜日

ポーランドに落下したミサイルとNATO条約第5条 よもや第三次世界大戦の危機

   ウクライナがロシア軍から激しい砲撃を受ける中、ポーランドにミサイルが直撃し、一昨日は、フランスにも大きな波紋が広がりました。 NATO加盟国であるポーランドがロシアからの攻撃を受けたとなれば、NATO条約第5条により、集団的自衛権を行使することに繋がる可能性があるのです。 この第5条には、「NATO加盟国が武力攻撃の被害を受けた場合、他の加盟国はこの暴力行為を全加盟国に対する武力攻撃とみなし、攻撃された国を支援するために必要と認められる措置を講じる」と記されています。 ウクライナのゼレンスキー大統領は、まもなく、このポーランドへのミサイル攻撃を「これはロシアの攻撃だ!インドネ...

2022年11月16日水曜日

10ユーロから45ユーロの電気・電子機器 家電製品修理ボーナス導入

   2022年12月15日から、フランスは、電気・電子機器に修理ボーナスの導入をスタートさせます。これは、2020年、循環型経済法で規定された修理基金で、機器の長寿命化と廃棄物削減を目的としたもので、この基金には6年間で4億1千万ユーロが割り当てられる予定です。 現在、約15億点の電気・電子機器が流通するフランスでは、年間約1,000万件の修理が行われていると推定されていますが、この修理ボーナス導入により、この修理量を20%増加させることを目標としています。 つまりは、「捨てずに修理して使おう! そのために、一部は負担するよ!」ということです。 この修理ボーナスは製品の種類により、金額は10ユーロから45ユーロに分類されています。 ・10€ コーヒーメーカー、アイロンなど ・15€ 掃除機、DVDプレーヤー、ホームシアター、楽器、自転車、スクーターなど ・20€ ゲーム機、スピーカーなど ・25€ ワインセラー、洗濯機、冷蔵庫/冷凍庫、タブレット、携帯電話など ・30€ テレビ、ビデオプロジェクターなど ・45€ ...

2022年11月15日火曜日

2024年パリオリンピック・パラリンピック マスコットキャラクター フリージュ

  2024年パリオリンピック・パラリンピックのマスコットキャラクターが発表されました。 「フリージュ」と名付けられたこのキャラクターは、フランスの精神を具現化したもので、トリコロールとフランス革命とフランスの象徴であるフリジア帽をモチーフにしていると言われています。そういわれてみれば、たしかに、あの帽子です。 このキャラクターの選択は、6歳から14歳の子どもたちにサンプルを使ってテストして、検証された結果、選ばれたもので、赤いフリジア帽がマスコット化したもの。それぞれの靴はトリコロールの赤・青・白でデザインされていて、ご丁寧なことに目そのものもトリコロールカラー、目尻につけられたリボンまでトリコロールで足さえもブルーと白で、双子のうち1人は義足をつけています。 彼らの使命は「フランスとフランス人を動かし、スポーツを紹介・再導入すること」であり、「完璧なサポーターの精神」を広めることだそうで、「スポーツはすべてを変えることができ、私たちの社会で重要な位置を占めるに値することを証明することを目的としている」と重大な任務を負っています。 この二つのキャラクターには、ストーリー性のあるキャラクター設定もされており、オリンピックのフリージュは「賢い人であり、すべてを計算せずに物事に着手することはなく、少し狡猾で誘惑的な面もあるが、非常に感情的でもある」一方、パラリンピックのフリージュは、「無限のエネルギーを持つ外向的なパーティーガールで、自発的で、少し熱血漢、常に新しい経験を求めている」のだそうです。 他の国のオリンピックのマスコットキャラクターに関しても、こんなに詳細なキャラクター設定がもされているのかどうかはわかりませんが、とかく、なにかと理屈をつみあげて、仰々しく語りたがるフランス人らしいような気がします。 とはいえ、このマスコットキャラクター販売は、オリンピックのライセンス収入の25%にのぼり、総額は1億2700万ユーロとと見積もられています。 フランスの中小企業メーカーGipsy...

2022年11月14日月曜日

スティーブン・スピルバーグ「ターミナル」にインスピレーションを与えた伝説のホームレスCDGで死去

   スティーブン・スピルバーグ監督の映画「ターミナル」にインスピレーションを与えたイランの政治亡命者、メヘラン・カリミ・ナセリ氏が彼が長年過ごしたホームであるパリ・シャルル・ド・ゴール空港で亡くなりました。 彼は、母親を探してロンドン、ベルリン、アムステルダムと旅をした後、1988年11月にパリ北部のロワシーに居を構えるようになりました。彼は、自分のホームに選んだ空港という場所で、好きな音楽を聴き、新聞や小説を読み、自分の思いを書き綴りながら、空港という公共の施設で静かに暮らし続けていましたが、ついには、1999年、フランスで難民認定を受け、滞在許可証を取得しています。 そんな彼をどうやって発掘したのかは謎ですが、彼の哲学的?な生活からヒントを受けてスティーブン・スピルバーグ監督が制作した映画「ターミナル」が公開された当時、彼は世界中からのジャーナリストの注目を集め、1日に何本ものインタビューを受けるほどの有名人になり、シャルル・ド・ゴール空港では、空港職員の顔として親しまれ、伝説的な存在になっていたのです。 サンドイッチ屋とマクドナルドに挟まれた数平方メートルの三角形が彼の日常生活の中心で、空港のトイレがバスルームになっており、上着やズボンは定期的にクリーニングに出していて、決して問題は起こさず、静かな人で、他のホームレスが助けを求めてきたり、食べ物を求めてきたりしても、彼は何も言わず、何も要求せず、お金も出さず、他とは一線を画す存在で、彼を知る人々は、「素直だけど口下手で正直者だが口数の少ない人」「彼は仙人だ、現代社会の僧侶を思わせる...

2022年11月13日日曜日

モンパルナスにできた新しいコマーシャルセンター Les Ateliers Gaîté とモンパルナス駅のM&Sとカヌレ

   パリ・モンパルナス界隈に新しいコマーシャルセンター Les Ateliers Gaîté ができたというので、覗きに行ってきました。ちょっと、他の出先からだったので、バスで出かけたのですが、モンパルナス駅からもそんなに遠くはありません。 この新しいコマーシャルセンターはアトリエと名前に入っていることからも、一般的なコマーシャルセンターに入っているような店舗(Truffaut、Nature & Découvertes、Mr. Bricolage、Go Sport、Bo Concept、PoltroneSofà、Darty)、衣料品店(Naf Naf、Okaïdi、Courir、Claire'sなど)から古着屋さんなども入っていますが、とりたてて、もの珍しくもなく、個人的には、あまり興味が湧かず、強いていうなら、フードコートが比較的広く、DJなども入るようにできているので、おそらく夜、若者たちにとっては、楽しい空間になるのかもしれません。フードコート入り口 ところどころにピンボールなどのゲーム機が置かれているのにも遊び心が感じられます。 しかし、このコマーシャルセンターは、ショッピングエリアだけではなく、最終的なプロジェクトとしては、社会住宅、託児所、オフィス、ホテル、市立図書館を含む複合施設になることになっており、また、このアトリエのコンセプトは、この地域が、劇場、芸術家のアトリエ、文壇などの娯楽の場であったことを喚起させ、DIYのトレンドに乗り、お客様がワークショップに参加することで交流し、学び、単なる購買行為を超えた体験をする場にすることをうたっています。 そういえば、昨年、16年ぶりに再開したパリ・サマリテーヌもショッピングエリアとともに、同様の社会住宅や託児所、オフィス、ホテルなどを併設した形で完成すると言われていますので、複合的な総合施設というのは、現在のトレンドなのかもしれません。 コマーシャルセンターだけでは、もはや人を惹きつけられず、プラスアルファが求められているのかもしれません。 しかし、はっきり言って、私にとっては、少々、期待ハズレで、あまり来ることのないモンパルナス界隈、せっかく来たのだから、モンパルナス駅に寄って、カヌレを買って帰ろう・・とモンパルナス駅に向かったのでした。 滅多に来ることがないモンパルナス駅ですが、去年、久しぶりにTGVに乗るために駅を利用し、びっくりするほど綺麗になっているのにビックリしたのですが、旅行の通過点にすぎず、あまり駅の中をゆっくり歩くことはありませんでした。 今回、じゃあカヌレを買いに・・と思ったのは、ボルドーの有名な...

2022年11月12日土曜日

1686年創業のパリ最古のカフェレストラン ル・プロコープ Le Procope

   パリの街の美しいところは、近代化されていく中でも歴史が脈々と残されているところにあると思っています。とはいえ、場所によっては、「ここは、本当にパリ?」と思うほど劣化して、スラム化しているような場所もあるのですが、そういう場所は危険も伴うので、たまに出くわすことがあってもあまり近寄ることはありません。 パリに来たばかりの頃は、「きっとパリってず〜っと変わらないんだろうな・・」と思っていたのですが、ここ10年ほど、特にパンデミックを境に大きく変わってきた気がします。 パリの中でも、私が最も好きなの場所のひとつは、サンジェルマン・デ・プレ界隈で、おそらく日本の人がイメージしているであろうパリが楽しめる場所です。 サンジェルマン大通り沿いのパッサージュの入り口付近 そんなサンジェルマン・デ・プレを散歩していて偶然見つけたのが、パリで最古といわれるル・プロコープ Le...