2022年9月30日金曜日

定年退職年齢延長反対と賃上げ労働条件改善のデモ・ストライキ

   マクロン大統領が、「誰もがもっと長く働かなければならない」として、法定退職年齢の引き上げや、年金の拠出期間を43年に延長することを提案したことから、フランスでは、大規模なデモが巻き起ころうとしています。 29日には、パリだけでも少なくとも4万人が集結し、この定年退職年齢引き上げと賃上げ・労働条件改善を訴えるためのデモを行いました。フランス全土では、少なくとも200ヶ所で25万人を動員したなかなか大規模な動きです。 現行ではフランスでは、法定退職年齢は62歳と定められていますが、これを2023年には62歳4ヶ月、2024年には62歳8ヶ月、2025年には63歳、そして最終的に2...

2022年9月29日木曜日

パリでお気に入りの生ハム屋さん ヴィアンダス デ サラマンカ VIANDAS de SALAMANCA

  私は子供の頃から、断然、和食党だったので、特にフランスに来て、食事に期待はしていませんでした。むしろ、パリは日本食材を扱うお店が他の海外都市よりも多いので、そういう面ではありがたいな・・くらいに思っていました。 しかし、それとて、どこででも簡単に手に入るわけでもなく、最近こそ、普通のスーパーマーケットでも日本食材は少しずつ置かれるようになり、お寿司などはどこのスーパーでも置いてあるようになったものの、そのクォリティーと値段のバランスはどうにも悪すぎて、とても食指がうごくものではありません。 となると、日ごろ簡単に手に入るものの中で美味しいものを探し出すわけで、フランスで美味しいと再確認したのは、パンとバター・チーズ、チョコレート、ケーキ・・、そしてもう一つが生ハムです。 生ハムは、日本でも食べたことはありましたが、私にとっては、あまり身近な食品でもなく、それほど価値を見出してもいませんでした。 しかし、フランスに来て以来、目醒めてしまったのが生ハムで、シャルキュトリー(Charcuterie)と呼ばれるソーセージ、ハム、サラミ、パテ、テリーヌなどが食文化の大きな位置を占めるフランスで、このシャルキュトリーの中で私が最も魅せられたのは生ハムだったのです。 普通のスーパーマーケットにも生ハムはたくさん置いてありますが、一旦、深みに入り出すとより美味しい生ハムを求め始めるのです。 そして、その結果、現在のところ、私のお気に入りの生ハム屋さんは、サンジェルマンデプレにあるヴィアンダス...

2022年9月28日水曜日

体調不良で一気にダウン・・インフルエンザかコロナか? まずはコロナの検査から・・

 薬局内の一角にある小部屋の検査用スペース 先週は、日本にいる娘がコロナウィルスに感染して、高熱が出たり、咳が止まらなかったすると聞いて、心配な1週間を過ごし、いざという時には、日本にかけつけようか?などと、私にしては珍しく、毎日、娘に電話をして、安否?の確認をしたりしていました。 しかし、まあ、幸いにも彼女は順調に回復し、その間、東京都からの食糧支援物資などを送ってもらったり、何より、隣に住んでいる私の従姉妹が食事をピンポンダッシュのように届けてくれたりしてくれたようで、まだ全快とはいかないまでも、無事に隔離期間を終了し、ヤレヤレ・・どうやら、私が日本に出向くまでもないな・・と安心したところでした。 それが、今朝、起きたらどうにも具合が悪い私、明らかに熱があり、頭も痛くて、全身がだるく、身体のふしぶしが痛くて、一気に病人になっていました。...

2022年9月27日火曜日

ドクターストップの制度にメスが入る リモート診療でズル休みが増えた

    フランスの病欠には、医師のドクターストップの書類があれば、3日間の待機期間を経て(何のための待機期間なのかは不明)4日目からは、病欠の間の日当が国民健康保険から補償されます。 そのため、有給休暇を無闇にやたらに消化してしまいたくない人は、ズル休みのために、このドクターストップの制度を利用する人もけっこういるようです。 もちろん、本当に深刻な病気で長期間病欠しなければならない時、また子供が病気の場合などにも子供の看病のためにこのドクターストップの書類を書いてもらうこともできます。特に病欠が長期間に及ぶ時などは、経済的にも生活が脅かされることになるし、無理して子供を置き去りにし...

2022年9月26日月曜日

パリのクラック(ドラッグ)常用者の溜まり場からの立ち退き要求デモ

   週末はいつも、なんらかのデモが行われていることが多いパリで、今回のデモは、クラック(コカインを含んだ違法薬物)の常用者の野営地の立ち退きを要求するデモが行われていました。約500人のデモ隊が、パンタンとオーベルヴィリエ(セーヌ・サン・ドニ県・パリ近郊)の通りを行進し、警察当局にクラック使用者の避難と保護を求めて、1年以上も放置されたまま泥沼化している事態を非難しました。 クラックは特にここ数年で、爆発的にフランス国内で拡大しているコカインの一種(中毒性が高く、喫煙可能なコカインの派生物)で、比較的安価に出回っていることから、貧乏人のドラッグなどとも呼ばれています。 パリ北部(...

2022年9月25日日曜日

日本の外国人観光客入国制限解除について

    日本の岸田文雄首相はニューヨーク証券取引所で、「10月11日から日本は国境管理を緩和し、再びビザなし渡航と個人旅行を可能にする」と発表しました。たしか、今年の5月の日本への入国制限緩和を発表したのも海外でのことで、G7のためにヨーロッパを訪問中、ロンドンのシティでの講演でのことでした。 わざわざ、海外訪問中にこれを発表するというのは、世界に向けての発信力を意識してのことなのでしょうか? しかし、前回の発表はほんとうに肩透かしをくった感じの内容でした。 というのも、5月の段階では、「G7(主要7カ国)並みに円滑な入国がとなるようにさらに緩和していく」「日本は今後とも世界に対してオープンだ」「みなさん日本にお越しください。最大限のおもてなしをします。」と宣言したにもかかわらず、実際には、全くG7並みの円滑な入国どころではなく、外国人に対しては、グループ(団体)での旅行のみという外国人からしたら、意味のわからない制限付き、個人旅行の場合は、ビザの申請が必要という状態で、日本へ行くという人の話は、ほとんど耳にすることはなくなっていました。 フランス人からしたら、バカンスに行きながら、旅行会社の見張り付きなどということは、考えられないことで、この規制緩和を楽しみにしていた人も、「グループ旅行なんて、ありえない・・だったら、日本へは行かない・・」というフランス人の話も聞こえてきていました。 パンデミック前の2019年には、日本は約3,190万人という過去最高の外国人観光客の受け入れと、それに匹敵する経済効果(同年は4兆8000億円)を記録し、フランス人にとってもアジアで最も人気のある旅行先の一つになりました。 世界第3位の基軸通貨である日本円は、悪い方向に進み、1年間でドルに対して30%以上価値が下がり、日本は、停滞している景気回復のためにも、この円安がメリットになる外国人観光客の入国制限解除によって、財政的な恩恵に預かることができるかもしれません。 しかし、フランスの業界専門家は、日本の観光業界が復活するには、まだまだ時間がかかるという見方をしています。日本でのパンデミック前の国際観光客による経済的スピンオフのほとんどは、大量の中国人観光客が、日本の電気製品や化粧品を持ち帰るために多額のお金を落としたためで、中国国内ではコロナウィルス対策の大幅な規制が続いているため、当面は日本への大量渡航は見込めません。 フランス(欧州)からの観光客に関しても、30%円安になろうとも、それ以上に航空運賃が大幅に値上がりしているうえに、バカンスシーズンはすでに終わっているという間の抜けたタイミングです。 それに加えて、一応、フランスからの入国は、ブースター接種をしていれば(3回のワクチン接種の証明書があれば)検査は免除ということになっていますが、フランスで最も多くの人がブースター接種を受けたのは、昨年の12月から1月にかけてのことで、ほとんどの人がワクチン接種の有効期間が下がっている状態に加えて、フランスでは、気温の低下とともに第8波が始まろうとしている感染者が再び拡大しているタイミングです。 それでも、気にせずバカンスにはでかけるフランス人ではありますが、これまで、ひたすら厳しいことを言って、外国人の入国制限をしてきた日本にとって、なんとも微妙なタイミングでの観光客の入国制限解除です。 とはいえ、フランスをはじめとして、ヨーロッパのほとんどの国では、とっくに入国制限など、ほとんどないも同然の状態なので、日本もこれで5月の段階で岸田首相が宣言していたG7並みの円滑な入国を受け入れてくれることになりますが、どうにもやっていることに一貫性が感じられずに、今まで、何をしたかったのか?と、首を傾げたくなります。 しかも燃料サーチャージがさらに値上げされた10月というタイミング。感染が持ち込まれることを過剰に心配しなくても、ヨーロッパからの観光客が簡単に復活することはないでしょう。外国人観光客入国制限解除 <関連記事>「中国とともに赤塗りされた日本の鎖国 6月にはようやくG7並みに水際対策緩和と発表」「日本の鎖国延長についてのフランスの報道の中で気になったこと」「パリーロンドン経由日本行きの超長距離フライトの今」「フランス発の航空運賃 1年間で...

2022年9月24日土曜日

娘がコロナウィルスに感染しました

   朝、起きると、とりあえず、携帯をチェックするのが朝一番の日課です。まあ、そんなに急用はないのですが、なんとなく一応、チェックしてからおもむろに、少しずつ目が覚めていくのを待っている感じです。 娘が日本で就職してから、日本にいる娘とは、時々、連絡はとっていますが、そんなに毎日のようにではないので、朝、携帯のメッセージに娘から連絡が入っているのを見て、「へっ?なんだろう?朝から・・」(朝からと言っても、日本時間では朝ではないけど・・)と思ってメッセージをあけると、なんだか携帯のスクショ画面が送られて来ていて、すぐには読めずに、「ん??」となりました。 メガネを手探りで探して、ふむ...

2022年9月23日金曜日

フランスには王室がないのだと実感したマクロン大統領夫妻のロンドン散歩

   先日のエリザベス女王の国葬に参加したマクロン大統領の服装がちょっとした話題を呼んでいます。正確に言えば、国葬に参加した際の服装ではなくて、前日に前乗りでロンドンに到着したマクロン大統領夫妻がお忍びでロンドンの街を歩いていた際の服装についてです。 これは、一瞬、デマ情報まで流れ出し、あたかもマクロン大統領夫妻がこの様相で国葬に参列したかのごとく、ネットを駆け巡りました。 実際には、前日、ロンドン到着後にエリザベス女王の棺とウェストミンスターで対面するまでの短時間にロンドンの街をお忍びで歩いていた時の映像です。お忍びとはいえ、SPを従えて、全世界に顔を知られているマクロン大統領は、サングラスをしているとはいえ、一目瞭然のうえ、記者にマイクを向けられて、彼はイギリス国民が行列している横で、「イギリス国民の悼みを分かち合う」と答えています。Emmanuel...

2022年9月22日木曜日

フランスのコロナウィルス第8波の始まり

   フランスのコロナウィルス感染者数は、夏の間は、減少を続け、むしろ、日本の方が酷いかも・・と思われる状況が続いていました。もはや、フランス人の生活は、ほぼほぼ、かつての日常に戻り、マスクをしている人も、あまり見かけなくなりました。 先日のエリザベス女王の国葬でも参列者はノーマスクでしたが、さっそく国葬に参列したデンマーク女王がコロナウィルスに感染したというニュースも流れてきています。 それでもその直前、WHO(世界保健機構)も「パンデミックの終焉は手の届くところにある」などと、かなり楽観的な声明を発表したりして、パンデミックもヤレヤレ・・ようやく一息つけるかと思いきや、今度はエ...

2022年9月21日水曜日

ストラスブール大学 節電のためにこの冬の15日間の臨時休校を決定

  ストラスブール大学の学長は、エネルギー価格の高騰に伴い、この冬の2週間を臨時休校とすることを発表しました。 一昨日、ストラスブール大学学長は、エネルギー価格上昇のためのコスト削減のために、1月初旬に3週目のクリスマス休暇(通常、クリスマスの休みは2週間)、そして、さらに、2月に1週間のリモートワーク期間を設けることを説明したビデオをYouTubeで公開しました。 「政府の発表を受けて、エコロジーへの移行において、大学もその役割を果たす必要がある」と述べ、「大学の機能をできるだけ維持しながら、エネルギー消費を10%削減する方法を模索しました」と学長はビデオの中で語り、これを正当化しようとしています。 同大学では、エネルギーコストが爆発的に上昇しており、電気、ガス、暖房費は2021年の1000万ユーロから、補正予算で150万ユーロが追加で認められ、2022年には1300万ユーロに上昇し、2023年には、2000万ユーロの予算が計上されています。 ちょっと一般的な家庭の金額とは規模が違うためにピンとこないのですが、大学がそもそもの本来最も優先すべきである授業を休講にしてしまうのは、ちょっと違ううえに、かなり乱暴な方法ではないかと思います。 案の定、さっそく、これには、組合から反対の声が上がっており、組合は声明で、「行政閉鎖は公共サービスの継続性の原則に違反するものである」と述べ、「この措置により研究室へのアクセスが減少し、研究活動に支障をきたす可能性がある」 そして、「この措置は学生や一部の職員に対する「リモートワークの押しつけ」に相当し、「雇用主が負担すべき暖房費と電気代」を学生や職員が負担することにつながる、「国が自らの雇用主の費用(暖房、(インターネット)接続、照明、ケータリングなど)を職員や学生に転嫁することは全く受け入れられない」と訴えています。 パンデミックのために、かなり普及したリモートワーク、リモート授業の習慣ではありますが、パンデミックの場合は、感染対策のためであり、まだ合点もいく話ですが、今回のエネルギーコスト削減のための場合、リモートワークによる個々人の家庭の電力消費に負荷がかかるわけで、負担を個人に押し付ける結果になるのは納得がいきません。 同大学組合はさっそく、「緊急の投資計画」を要求し、9月29日にストライキとデモを予定しています。また、デモです。 中には、休みが長くなるのを喜ぶ学生もいるかもしれませんが、学生にとっての本業である講義を犠牲にしてまでの節電はお門違いで、大学側は、他の方法を模索する必要があるような気がしています。ストラスブール大学節電のための臨時休校<関連記事>「電気料金値上げによるエネルギークーポン再び配布」「エネルギー危機が招くデュラレックスなどの工場での冬の間の時短勤務と部分的失業手当」「「私たちは豊かさの終焉の時を生きている」マクロン大統領閣僚理事会での厳しめのスピーチ」「省エネ対策のため、エッフェル塔のライトアップ時間短縮」「ロシア...

2022年9月20日火曜日

完璧だったエリザベス女王の国葬は世界中にイギリスを再評価させた

   エリザベス女王の国葬の日は熱狂し続けているフランスの報道も、いよいよピークを迎え、早朝6時過ぎからイギリスでの国葬の生中継が始まりました。「今世紀最大のセレモニー」と言われていたエリザベス女王の国葬は、どこを切り取っても完璧で美しい葬儀でした。 イギリスの威厳と品格をこれでもかと感じさせるセレモニーのどの場面も、どこを切り取っても美しい素晴らしい国葬でした。      そして、これを一層盛り上げたのは、数えきれないほどの一般市民で、それぞれに女王を見送る姿は、故意に演出しようとしても成し得ないものでした。 これを相変わらず、我が国のことのように前のめりに報道し続けるフランスは、報道だけではなく、この日は、パリのメトロの駅...

2022年9月19日月曜日

日本の天皇皇后両陛下のエリザベス女王国葬参列は別格扱いの報道

   フランスは9月8日のエリザベス女王ご逝去からの一連の流れに釘付けのような騒ぎようですが、いよいよ国葬の日を迎えるにあたって、脅威的な盛り上がりを見せています。 エリザベス女王のご逝去からイギリス王室の伝統的な一連の儀式や、どれほど、イギリス国民にとってエリザベス女王がどんなに大きな存在であったか、棺と対面するためにウェストミンスターから、ベッカムでさえも12時間並んだとか、今は16時間待ちだとか、夜通し行列する人々の声などを届けながら、今世紀最大の葬儀の様子をフランスは、もう一週間以上も熱狂的に報道し続けています。 そんな報道を見ていると、これまで取り立てて考えることもなかっ...

2022年9月18日日曜日

フランス人の衣替えの素早さにはいつも驚嘆させられる

    ここ数日でパリはあっという間に寒くなってきました。つい数日前までは、30℃超えのちょっと動くと汗ばむような気候だったのに、あっという間に朝晩は10℃を切る寒さに突入しました。 日中と朝晩の寒暖の差が激しいのには、さすがにもう慣れましたが、この季節の変わり目の衣替えのタイミングというものは、未だに出遅れそうになります。 とはいえ、さすがに、出かける前には、天気予報を見て、お天気や気温を見るくらいの習慣はついたものの、その変わり目となると、どうにも、その気温の感覚が選ぶ服装と直結せずに、なんとなく、こんな感じでいいかな?と思っていくと、少し肌寒かったり、逆に暑すぎたりとどうにも...

2022年9月17日土曜日

WHOが発表 パンデミックの終焉は手にとどくところにある 

   「世界はパンデミックを終わらせるためにかつてないほど良い状況にある」「まだそこには到達していないが、終わりは手の届くところにある」コロナウィルスの出現から約3年、WHOのトップは世界的なパンデミックの将来について楽観的な見解を発表しました。 WHOの最新のレポートによると、先週、コロナウィルスによる週間死亡者数は2020年3月以来、最低に減少したと報告しています。 ワクチン接種の拡大により、大幅に重症化する患者数やそれに伴う死亡者数も確実に減少した結果であるとはいえ、2020年3月以来、最低の死亡者数までになたたということは、ようやく振り出しに戻っただけであるということもできます。 このパンデミックによって、世界経済は長期間にわたり麻痺し、ワクチン接種の開発と浸透により、多くの人々の命が救われたと同時に、このワクチン接種を含む世界規模の不平等を露呈させたとも言われています。...

2022年9月16日金曜日

子供の「はじめてのおつかい」も時代が変わったことにしみじみする

   この間、スーパーマーケットに買い物に行ったら、レジで私の前に5歳くらいの男の子が並んでいて、気がつけば、彼は一人でレジに並んでいました。彼がレジのベルトコンベアーの前に置いているのは、数個のパンが入った袋だけでしたが、手にはゴールドカードを1枚、握りしめていました。 スーパーマーケットのレジの近くには、つい追加してしまいそうになるガムやキャンディ、チョコレートなどが置かれているのは、どこの国も一緒で彼もまた、その中のチョコレートバーに魅了され、手にとって、それをしばらく見つめていました。 パリで小さな子供が一人で買い物に来ているということは、非常に稀なことで、そもそも一人で外出させるということはあまりないのです。 家庭によっても多少は差があるとは思いますが、小学校卒業までは、学校の送り迎えをするのが普通で、我が家の場合、朝学校に送って行って、仕事が終わって学校に迎えに行って帰ってくると、もう夜7時過ぎくらいにはなってしまうので、学校が終わって友達と遊ぶということもなく、学校がお休みの日はお稽古事などに追われているわけで、それも全て送り迎えが必要で、一人で出歩くということはまずなかったのです。 たまにお友達のお誕生日会などに呼ばれてお友達の家に行く時も、必ずお友達の家まで送って行って、また終わる頃にまた迎えに行く、もしくは、招待してくれたおうちの人が家までおくってくれるという感じなので、一人で買い物に行くとか、寄り道をするとかいうことは、少なくとも小学生のうちは、ありませんでした。 なので、買い物に行くことはあっても、必ず家族の誰かと一緒なわけで、一人で買い物をするという、日本でいう「はじめてのおつかい」のような体験はありません。 しかし、娘が小さい頃に、一度、お店で何か一人で買い物をするということをさせてみたくて、一緒にパン屋さんに行った時に、1ユーロのコインを娘に渡して(あの頃は1ユーロでバゲット1本買ってもお釣りがきた・・)、「バゲット1本買ってきて!焼けすぎていないやつ(「Une...

2022年9月15日木曜日

電気料金値上げによるエネルギークーポン再び配布

    たまたま、昨日、EDF(フランス電力)から、請求書が届いて、今までになく、ドキドキして開封しました。電気料金の請求書は2か月に一度で、これまでは、毎回、似たり寄ったりの金額で、そんなに深く考えることもなく、支払っていたのですが、ここのところ、どんどん電気料金が値上がりしているというし、周囲からも「EDFの請求書を見てビックリした!」とかいう話も聞いていたので、ちょっと怖かったのです。 電気料金については、自分のアカウントがあって、調べれば、現在、自分がどの程度、電気を消費しているかは、ネットでいつでも見ることはできるのですが、さすがにそこまですることはなく、それでも今までよりは、使っていない電気製品のコードを外したり、こまめに電気を消したり、ある程度は気をつけてはいるものの、我が家の場合は冷房もなく、どうしても暑いときに扇風機を使う程度なので、今の時点でも、かなり節電しているつもりなので、請求書がくれば、その通りに支払うしかありません。 新年度が始まって、税金の支払いなど、出費がかさむ中、昨日、ボルヌ首相がエネルギー危機に関する政府発表を行いました。 首相は特に「今の我々の目的は、ヨーロッパ規模でのエネルギー価格の爆発を止め、より穏やかな価格に戻すこと」と述べ、2023年に向けてのエネルギー危機への対応とともにエネルギーに関する援助を延長することを発表しました。 この冬、フランス人が十分なガスと電気を使えるようにするために、ガス在庫の充填を加速(現在95%)、LNG基地の輸入能力の増強、再生可能エネルギープロジェクトを加速するという政府の方針です。 この発表の中で、最も驚いたのは、「誰もが自分の責任を果たし、必要な節度を保てば、冬場に停電は起こらないであろう」という部分で、逆に言えば、「皆がこれまでどおりに生活していたら、冬場には停電する」ということで、そこまで差し迫った状態であるということが、エネルギーに関する政府の発表があるたびに、明らかにされていく気がします。 彼女は、前回の発表の際に、エネルギー消費量を10%削減するという目標をかかげていましたが、混乱を抑えるためなのか、「節制とは、生産量を減らすことではなく、暖房を少し減らし、無駄な消費を抑えること」と説明しています。 フランス人はパニック状態になった場合、最も収拾がつかない状態に陥る可能性が高いことを考慮している発言であると思われます。 これにより、フランス高級ブランドグループLVMHは、10月からフランス国内の店舗で夜間照明を午後10時に消灯することを発表しています。 いつの間にかどんどん上昇している電気・ガス料金は、それでもEDF(フランス電力)などの電気・ガスの供給会社に値上げ分だけでは賄いきれない不足分を直接、電気・ガスの供給会社に不足分を政府が援助しながらも、これでもギリギリの値上げを続けているわけで、それでさえも、2023年には、電気・ガスともにさらに15%の値上げが見込まれています。 しかし、それでさえ、政府の介入がなければ、来年の初めには、電気・ガス料金は...

2022年9月14日水曜日

映画界の巨匠 ジャン・リュック・ゴダールの死と安楽死問題

    現代映画の礎を築いた最後の巨匠といわれ、世界三大映画祭の全ての最高賞を受賞しているフランスの映画監督ジャン・リュック・ゴダールが91歳で亡くなりました。 このニュースは、単に彼の死が悼まれるだけではなく、彼の死が自らスイスで安楽死の道を選んだものであったことが家族から発表されたことから、また別の意味でも注目されています。 2014年のインタビューにおいて、すでに彼は、自身が死について、安楽死(自殺幇助)に頼る可能性があることを「私は何が何でも生き続けたいという気持ちはない。あまりに具合が悪いと、一輪車で引っ張られ続けてまで生きるつもりは全くない」ときっちりと語って...

2022年9月13日火曜日

遺体を家に連れ帰る日本と家には連れ帰らないフランス

   日本では、一般的に、家族の誰かが亡くなった場合に、無言の帰宅などという言い方もするし、家に連れて帰ってあげたい・・というふうに思われる方もいて、自宅でお通夜をしたりするケースも多い気がしていましたが、フランスの場合は、家に遺体を戻すということは、あまり一般的ではありません。 現在では、一定の手続きをすれば、埋葬、あるいは火葬までの間、家で遺体を保管することは、可能ということにはなっているようですが、以前はこれは禁止されていたことで、家に遺体を連れて帰るということはあまり一般的ではありません。 日本で、母が亡くなった時、病院では、「解剖させていただけるのでしたら、葬儀までの間、...

2022年9月12日月曜日

省エネ対策のため、エッフェル塔のライトアップ時間短縮

   パリでは、省エネ対策のために、すでに、午前1時から午前6時までの間、電飾広告(広告看板の夜間照明)を禁止していますが、ついに、エッフェル塔のライトアップに関しても時間が短縮されることになりました。 エッフェル塔はフランスのシンボル的存在であり、また、そのライトアップは、最近では、国全体のメッセージを表現するツールとしての役割も果たしており、つい最近では、ウクライナでの戦争が始まった時には、ウクライナカラーに輝いていたり、つい先日、エリザベス女王がご逝去された日は、弔意を示すためにエッフェル塔は消灯されたりしました。 しかし、どんな時でも夜のパリには、エッフェル塔が燦然と輝いて...

2022年9月11日日曜日

エアフランス パリー羽田便運行再開と燃油サーチャージさらに値上げ

   しばらく運行停止になっていたエアフランスのパリ⇄羽田便が9月8日から運行再開になりました。これは、おそらく日本側が9月7日から日本への入国制限を1日2万人から5万人に拡大したことによるものだと思われます。 パンデミック前までは、1日2便はあったはずのエアフランスのパリ⇄羽田便がなくなり、パリ⇄成田便だけになっていました。そもそもどちらにしてもパンデミックから2年以上は、フライト以前に入国制限が厳しすぎて(入国前の検査提示、入国後の検査、入国後の隔離施設での隔離、公共交通機関の使用禁止など)、とても日本に行く気にはなりませんでした。 それでも、入国後の強制隔離施設での...

2022年9月10日土曜日

まだまだ続くフランスのイギリス王室フィーバー

   エリザベス女王の突然の訃報に、その日は1日中、想像以上に大騒ぎだったフランスに、ちょっとビックリしていたら、そのイギリス王室フィーバーはその翌日もまた、さらに続くことになりました。 気がつけば、各テレビ局のメインキャスターは、ほぼ、全てロンドン、あるいはスコットランドに飛び、イギリスから生中継。いくら遠くはないとはいえ、メイン級のキャスターがこぞって翌日には現地入りするとは、ものすごいテンションです。 また、フランス国内でも朝からマクロン大統領がパリのイギリス大使館に弔問に訪れ記帳する様子や在仏イギリス大使の発表を生放送で放送。その後、王位を継承したチャールズ3世がバルモラル城からロンドンに移動する様子を生中継。 また、バッキンガム宮殿に到着して、カミラとともに、国民から送られた花束や手紙を見て歩いたり、弔問に訪れてくる市民と親しく握手しながら、時にはハグをしたりする様子を流しながら、ずっとイギリス王室の模様を実況中継していました。 エリザベス女王が25歳で王位を継承したのとは対照的に、チャールズは73歳にして、ようやく王位を継承したのです。あらためて思うに在位70年の威力というのは、国内外ともに、大変な存在感のあるもので、少なくとも70歳以下の全ての人々にとっては、生まれた時から、イギリスの王はエリザベス女王しか知らないわけで、その間、フランスでは8人の大統領が交代し、本国イギリスではもはや歴史の教科書に登場するようなウィンストンチャーチルという歴史上の人物の時代から15人の首相が交代してきた長期間、彼女は王位に君臨し続けて来たのです。 これまでの世論調査でもチャールズは決して好感度が高くなく、母親のエリザベス女王は81%、息子のウィリアム王子77%にも大きく差をつけられている56%の支持率と王室の中でも最下位に近く、ダイアナ妃が抜群に人気があった分だけ、一連の不倫騒動、離婚、そして結果的にダイアナ妃が悲劇的に亡くなったことによって、彼はダイアナ妃を愛する国民の目の敵になっていた感もあります。 あまりの不人気に、一時は、チャールズをすっ飛ばして、エリザベス女王の後は、ウィリアム王子が王位を継承するのではないか?などと言われていた時期もありました。 フランスでも、エリザベス女王の在位中から、何度となく、彼のこれまでの行状をルポルタージュした番組で「残念な皇太子」のような報道が流され続けて、エリザベス女王が亡くなったら、イギリスはどうなってしまうんだろうか?と思わせられる感じでした。 おそらく、そんな経緯もあって、世界中から敬愛されていたエリザベス女王の後を彼がどのように受け継いでいくのかは、それが上手くいこうといくまいと、逆に上手くいかない可能性も高いと見られていたからこそ余計に注目を集めたのかもしれません。 だからこそ、チャールズ3世が王位に着任して以来、最初のスピーチは、なんとフランスのマスコミまでが、固唾を飲んで見守る感じでした。 その日のチャールズ3世の様子を現場で伝えているリポーターたちは、むしろ前のめり気味で、彼の王としての最初の1日を弔問に訪れた市民と距離を縮めて、スキンシップなども含めて触れ合う様子に、「彼のこれまでのイメージを払拭する第一歩を切った!」と興奮気味に伝えてもいましたが、紙面を見ると、「本来ならば、73歳という引退する年齢にようやく王位についたチャールズ3世は・・ようやく・・」などと初っ端からキツめの見出しをつけている新聞などもあります。 注目された彼のスピーチでは、「エリザベス女王へ女王として、また母親としての生涯への感謝、そして、ハリーやメーガンも含めた彼の家族への期待」を語りました。 誰が書いたスピーチ原稿なのかは不明ではありますが、これはまことに上手くできている原稿で、特に最後の一文には、ダイアナ妃へのメッセージも含まれていたことも話題になっています。 「天使の歌声があなたを安息に導いてくれますように・・」 「May...

2022年9月9日金曜日

エリザベス女王ご逝去のフランスでの報道

  「私は、長い短いにかかわらず、私の全生涯をあなたのために、そして私たちの属する偉大な王室のために捧げます」21歳のお誕生日の日に、そう宣言したエリザベス女王は、70年にわたり、王位を守り続け、2日前まで新首相に面会する映像が流されていた、ほんの数日後にご逝去されました。 フランスには皇室がないこともあってか、イギリス王室については、ことのほか、注目度が高く、スキャンダルも含めて、マスコミに取り上げられることも多く、この日も女王陛下の容態が悪いことを昼頃から騒ぎ始めました。 指摘されていた女王の右手の手の甲の青あざの確認できる写真 2日前に公開されたイギリスの新首相任命の映像を振...

2022年9月8日木曜日

恐怖の家 子供の児童手当を食い物にして子供に虐待を続けてきた親 逮捕

    私は日本で子育てをしたことがないので、日本の児童手当というものが、どの程度のものかはわかりませんが、時代が違うとはいえ、私が子供の頃に両親から児童手当の話というのは聞いたことがなく、そのようなものを国からもらっていたという話も聞いたことがないので、少なからず、育児に対する国の支援はフランスの方が手厚いような気がします。 フランスでは、子供を育てるにあたって大なり小なりの支援金が支払われます。その金額は、家族構成や親の収入や職業形態によって、支援の金額も方法もリソースも変わってきます。 たとえば、年度始めには、新年度のための準備費用が支給されたり、公立の場合は授業料は無料です...

2022年9月7日水曜日

ディオールギャラリーとアヴェニューモンテーニュのディオールショップ

     凱旋門がラッピングアートにデコレーションされていたのは、昨年の9月のことで、あれからもう、1年も経ってしまいました。 ラッピングされた凱旋門を見るために久しぶりにシャンゼリゼに行った時、シャンゼリゼの中腹あたりにあるルイヴィトンビルの正面あたりの建物の大きなスペースが工事中で、それこそ工事中用の美しいラッピングに包まれた建物全てが Dior(ディオール)になっていて、ディオールスゴいな・・と思いながら、凱旋門に向かってシャンゼリゼを上がっていきました。 すると工事中のディオールとは別に、ディオールのお店があって、普段は無縁のこういう高級品のお店を覗いてみるのもいいな・・と思って店内に入っていくと、まだそんなに観光客が戻ってきていない時期なのにもかかわらず、けっこうお客さん(観光客らしき人々)がいて、またまたびっくり!「いるところにはいる!」「売れているところは売れているもんだ!」と私にとっては、美術館を眺めるような気分でディオールのお店をぐるーっと見てきました。 近くにいた店員さんに、「あんなに広い工事中のスペースがディオールだっていうことは、工事が終わったら、このお店も向こうに引っ越すんですか?」と聞いてみたら、「いやいや、あれは事務所だから、このお店はこのままで・・」と言われてまたびっくり!こんな一等地にあんな規模の事務所!! お姉さんは、私の驚きをよそに「今、アヴェニューモンテーニュの方のお店が改装中で、来年春頃には、素晴らしいお店に生まれ変わるから、ぜひ、春には向こうのお店も見に行ってみてね!」と見学だけの私にそれはそれは愛想よく親切に教えてくれたのでした。 その後、そんなことは全然、忘れていて先月、偶然、バスでアヴェニューモンテーニュを通りかかり、一つの大きな角地にディオールのお店があるのをバスの中から見かけて、さすがにアヴェニューモンテーニュ!お店の前には、ヴォアチュリエ(正装をしたお車係)までいて、「お!これがあのお姉さんの言っていたディオールのお店だ!」と思いましたが、私はバスの中、わざわざ降りるのも面倒で、その日は、そのまま通り過ぎてしまいました。 後日、たまたま友人と久しぶりに会う約束をしていて、「どこか行きたいところある?」と聞いたら、彼女が「ディオールのギャラリーに行きたい!」と言うので、急遽、予約をとって、ディオールのギャラリーに行くことに・・。 当日、予約どおりにギャラリーに行くと、予約をとっているにもかかわらず、行列が・・しかし、さすがにそれほど待たされることはなく、中へ。   中に入ってすぐ、中央には螺旋階段があり、その周りを色とりどりのディオールの商品のミニチュアで囲まれているスペースはまさにインスタ映えしそうなスポット。展示場には、エレベーターで上がり、この螺旋階段は帰りに降りてくることになります。 中を進むと、ディオールの歴史を辿るドレスやアトリエ、ディオールにまつわる展示品の数々が続々と並びます。  数々の名作と言われる映画の中に登場していたドレスはその映像とともに楽しむことができます。  また、部屋ごとにドレスや展示品にあったように立体的にデコレーションされている様子は特にディオール好きというわけではない私も圧倒されました。  洋服はドレスが中心で、あまり現実的なファッションではないものの、その分だけ美しいドレスに囲まれた空間は、異次元の夢の中の気分を楽しませてくれます。 J'adore(ジャドール)の香水のCMで使用されたドレスなどもありました。  しかし、なんといっても圧巻だったのは、最後のクライマックスのポイントに用意された音楽とともに朝日から夜への時間とともに背景の変わるスペシャルポイントでした。     「ファッションデザイナーは、ある意味、夢の先導者」というディオールの言葉どおり、夢のひとときに誘ってくれる空間で、庶民の日常にはない贅沢な夢の中に身をおくのも、たまには、よい経験かもしれません。 このギャラリーから出ると、すぐのところにまた、例のアヴェニューモンテーニュのディオールの店舗があるのですが、これは、少し現実的といえば現実的ではありますが、これもまた、お店の中のカフェには、大きな陶器の動物園のような空間ができていて、ディオールってどんだけスゴい!!と思わせられる空間なのでした。 私にとっては、こちらもまた美術館と大して変わらないような、しかし、カフェでお茶を飲むくらいは参加できるかな・・と思う空間でした。 やっぱり、ディオール・・恐るべし・・です。 ディオールギャラリー ギャラリーディオール アヴェニューモンテーニュ11...