ラベル グルメ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル グルメ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2023年11月24日金曜日

完璧に壊れている私の満腹中枢

 


 日本に来る前から、私は食べる気満々で、日頃、パリでは簡単には手に入らない食材やお料理など、「日本に行ったら、あれを食べよう、これも食べよう、あそこに行ったら、これ・・、そうそう、あれも・・」などと、妄想は膨らみ、もう出発前から少なからず興奮気味ではありました。

 それは、いつものことではあるのですが、日本に行く前から、少し体重を落として・・などと思っていた結果、一時は胃が小さくなって、焦ったりもしていました。

 しかし、その小さくなっていた胃が元の姿を取り戻し、そして、あっという間に膨張していくのには、そんなに時間はかかりませんでした。

 日本に到着以来、毎日のように誰かに会っては食事をし、帰り道に夕食用の食べ物を調達して帰るわけですが、日本のデパートや専門店の食料品売り場などには、私の食欲を掻き立てるものが目白押しに並んでいるわけで、そのうえ、誰かに会うたびに、あそこの〇〇が美味しいのよ!などと言われれば、何が何でもそれを見つけ出し、それを買いに行って、またその先で、また別のものを見つけてしまい、到底、その日には、食べきれない量の食料を買って帰るわけで、その取り合わせがどうのこうのは、もう二の次で、ものすごい食料に囲まれているわけです。

 そんな状態で、今の段階ではダイエットなどというものは、パリに帰ってから・・ともうきっぱりと決めていて、どうすれば、色々なものを食べることができて、気持ちよくお腹がすいた状態になるのか? 食事のたびに、胃薬片手に奮闘しているわけです。

 しかし、今年の私の食い意地はちょっと自分でも常軌を逸している感じがあり、友人などと楽しくおしゃべりをしながら食事したりしていて、「あ〜もうお腹いっぱい!」などと、ギブアップしても、また、その瞬間に、友人がまた別の美味しそうなものを出してきたりすれば、その魅力的な食べ物を見ただけで、本当にお腹が空いたように感じてしまうところが怖いところで、もうお腹いっぱい・・から、お腹すいた・・という間隔が極端に短く、そのうえ、お腹がすいた・・から、お腹がぺこぺこのように感じる時間が短いことと言ったら、自分でも、苦笑を通り越して、ちょっとどうかしているのではないか?と思うほどです。

 まあ、そもそも、日常よりはずっと忙しく、飛び回っているうえに、時差ボケがまだすっきりとは治らず、ここ1週間以上、睡眠時間が4時間程度の超寝不足状態が続いており、「満腹中枢破壊」とググったら、その原因には、睡眠不足や生活習慣の乱れやストレス・・などとあったので、まさに、私の現在の状況はそれ・・。

 そもそもたくさんの美味しいものが日本にはあって、それが食べられるのは、期間限定であるという焦りのうえに、この時差ボケによる睡眠不足が原因となっているようです。

 現在、旅行に出ているのですが、その際も朝、早い出発便を選んでしまっていたため、これまた、えらい寝不足で、当日、家を出てからも、もう出発前に用意していた、日本にいる間に一度は食べておきたかった「まい泉のカツサンド」を用意していたのですが、そんなものは、飛行機に乗る前にあっという間になくなってしまい、空港で再びお弁当でも買おうかどうしようか?真剣に悩み、到着後に現地で食べる昼食に差し支えるから・・と自分に言い聞かせて、必死に思いとどまったのでした。

 どうにも詰め込みすぎている今回の日本滞在のスケジュールですが、詰め込みすぎているスケジュールとともに、私の胃袋には、想像を絶する量の食料がどんどん積み込まれ続けているのです。

 あ〜、ほんと、もういいかげん、やばいです・・。


満腹中枢 食欲 食い意地


<関連記事>

「脅威の時差ボケ 私は日本の食材の山を見ただけで時差ボケする」

「帰仏間近の切迫スケジュール 食事の回数がどう考えても足りない!」

「日本に帰ると猛然と食べまくる!帰国時の海外在住日本人の姿」

「一時帰国のためのダイエットの思わぬ誤算」

「日本人なのに日本語がほとんど話せない海外育ちの従弟の子供」


2023年11月20日月曜日

パリに持って帰りたい食材を買いたいお店の一つ 上野 吉池

 


 私の携帯のメモには、いつも「日本に行ったら買いたいものリスト」があって、何か思いつくたびに、それに追加していきます。

 一時帰国の日が近づくと、逆に友人や親戚へのお土産ものや頼まれものを買い集め、日本に来る時の私のスーツケースの大部分は、誰かにあげてしまうもので、日本にいる間に少しずつ会う人々に渡していくのです。

 しかし、日本に到着した途端に、お土産を渡して少しずつ持ってきた荷物が減っていくのと同時進行で、今度は、パリに持って帰るものの買い物がスタートするのです。

 こんなことをしていると、この期間は、常にスーツケースをつめ、それを空にして、また、別のものをつめていく、なんだか運び屋みたいだ・・と妙な気分にもなります。

 もちろん、パリにいる友人に頼まれているものや他人に渡すものも少しはあるのですが、フランスに戻るための荷物(買い物)は、ほぼ日常の私の食材などがメインで、それからしばらくの私の食生活に重大に関わってくるので、真剣味も違います。つまりは、日本に着いた瞬間から、もうパリに持ち帰るものを物色する毎日が始まるわけです。

 もう端的に言えば、ごくごく普通のスーパーマーケットでさえも、はっきり言って、正直、目に入るものは、次から次へと、全部欲しいのですが、持てる荷物には限度があり、その中から、選んでいかなければならないわけです。

 そして、こうなってくると、できるだけ持ち帰ることのできる他のお店では、あんまり見かけない、これはあったら、絶対便利だ!と思われる商品をたくさん扱っているお店に行くのが効率的ですが、その一つが上野(御徒町)の「吉池」というお店です。




 もちろん、このお店には、ふつうのスーパーマーケットにあるような食材もおいているのですが、特に海産物関係の乾物や缶詰、乾燥だし粉末、薬味系などが充実していて、ちょっとテンションがあがります。

 わかめやひじきなどのポピュラーな、わかりやすい乾物から鰹節なども種類が豊富で、特に私は、あさりやしじみ、カニやエビなどのエキスのパウダーやお魚のおせんべいなどが気に入っています。



 また、カニ缶やウニの瓶詰めなども、比較的、お手頃価格のものから、ちょっといいものまで置いていたり、行くたび(とはいえ、毎回、必ず行けるわけではないですが・・)に、「うわっ!こんなのあるんだ!」と、我を忘れてお店の中をウロウロしたり、気になった商品に釘付けになったり、食い意地の張っている私はしばし、時が経つのを忘れてしまいます。




 もちろん、鮮魚も充実しているので、海外に持って帰ることは不可能でも、日本滞在の間に食べることもでき、同列経営の食堂も同じビルの中に入っています。

 もともと、この界隈、あまり行かない場所ではあるのですが、それでも、何かにかこつけて、日本にいる間にできれば行っておきたい、そんなお店です。

 

吉池本店 東京都台東区上野 3-7-12 JR御徒町駅徒歩5分


<関連記事>

「海外に持ち帰れる、おススメ日本の食料品」 

「パリでのベランダ菜園 本格的な種まき開始 ベランダでの野菜の育て方」

「些細なもので、感動できる「海外生活のおタカラ」の日本食」

「脅威の時差ボケ 私は日本の食材の山を見ただけで時差ボケする」

「潤沢な日本食材を目の前にして思うこと 満ち足り過ぎると幸福に鈍感になる」

2023年11月14日火曜日

一時帰国のためのダイエットの思わぬ誤算

  


 日本の一時帰国には、一応、色々な用事はあるものの、やっぱり何よりも楽しみなことは、美味しいものをたくさん食べることで、この時ばかりは、ダイエットには、目をつぶり、胃薬片手に食べる気満々で臨みます。

 よって、フランスに戻った時には、体重が増加していることは、必須なのですが、それはあとで取り戻すとしも、少しでも、そのギャップを埋めるために、出発前から、準備段階として、少し食事を控え目にして、少しでも痩せてから日本へ行こうと、気持ち、控え目な食事を続けていました。

 とはいっても、お土産を買い集めている間、そのほとんどが食料品のために、行く先々で、試食したり、また

、日本には持って行けなさそうなものにもかかわらず、(つまり、本当ならば、試食する必要はない)「えっ?なに?これ?美味しそう!」、「こんなの初めて見た!」とかいうものにも次々と遭遇し、「やっぱり食べてみたい・・うん・・食べよう!」と、お土産とは関係のないものまで買う始末なので、そんなに厳しくダイエットしていたわけではありませんでした。

 でも、少し食事を控え目にするとか、夜中には食べないようにしようとか・・気持ち、気を付けるだけで、自分では、少しお腹のあたりがすっきりしてきたような気がしていました。

 そもそも少し痩せるとか言いながら、私は自分の体重というものを測ることはなく、大変、いい加減なものです。だいたい数字が見えるとその数字にしばられて、気になって仕方がなくなるので、図らないという、わけのわからない理屈なのですが、我ながら、本当に大雑把です。

 昨日、日本に持っていく買い物に友人が付き合ってくれるというので、じゃあ、そのまえに、ちょっとランチでもしようか?ということになり、「私、日本で思う存分食べるために、ダイエット中」といったら、まあ、じゃあさっぱりした軽いものにしようか・・ということになったのですが、結局のところ、食べたのはファラフェルのサラダでした。

 久しぶりのファラフェルに「外はカリッとして、中はふんわりしていて、やっぱりここのファラフェル、美味しい!」などと、ごきげんに食べ始めたのですが、友人と楽しくおしゃべりしながら、食べ進むにつれて、しばらくすると、なんだかお腹がいっぱいに・・。いつもなら、これぐらい、軽く食べて、えっとデザートどうする?なんて感じなのに・・。

 なんと、大して痩せたとも思えないにもかかわらず、少し食事を控えていたために、胃が小さくなってしまったみたいで、食事半ばでもうお腹がいっぱいになってしまったのです。ガ~~~ン!!!

 これは、なんたる誤算!これでは、日本で思いっきり食べられないではないか?と自分でも唖然となりました。

 これからは、日本行きの前は、胃の大きさを保ちつつ、痩せるようにしなければ・・と思ったのですが、今回は時、すでに遅しで間に合いません。

 これでは、日本で少しずつ大きくなるであろう胃の大きさがMaxの状態で、フランスに戻るという最悪の状況です。

 ほんとうにくだらないことに真剣に取り組んでいる挙句がこれですから、自分で自分が情けなくなりました。

 おまけに荷物の重さを測ろうと体重計に乗ったところ、なんと体重計は電池切れで、家では荷物の計量もできずに、でかけることになります。まったく我ながら、この無計画で土壇場に来て焦る(というほど焦ってもいない)感じ。私ってダメだな~とつくづく思います。


日本一時帰国


<関連記事>

「娘とのイタリア珍道中 最初からトラブル続きでも、美味しいものお腹いっぱいで超ご機嫌の二人」

「日本はとにかく美味しい」

「一時帰国の楽しみ 日本での食事 やっぱり日本は美味しい」

「帰仏間近の切迫スケジュール 食事の回数がどう考えても足りない!」

「日本に帰ると猛然と食べまくる!帰国時の海外在住日本人の姿」


2023年10月31日火曜日

サロンドショコラに行ってきました! サロンドショコラ2023パリ

  


 フランスに来て、四半世紀を過ぎたというのに、今まで行ったことがなかった世界のチョコレートの祭典、「サロンドショコラ」。

 「一度は行ってみようかな?」とず~っと思っていたのに、これまで一度も行ったことがなかったのは、意外と開催期間が短くて、広告が街中、あちこちに出ていたりして、「あ~今年もサロンドショコラの季節なんだな・・」などと、悠長に構えていると、気が付いたときには、終わっているという感じで毎年、行きそびれていました。

 今年は、たまたま急に思いついて、チケットをとろうかな?と思って調べたら、現地でも買えるというので、まぁ、当日、気が向いたら行くんでいいな・・と思って、ふら~っと行ってみました。


 会場はポルト・ド・ヴェルサイユEXPOというよく見本市などに使われる場所で、私にとってはあまりふだん行かないエリアではありますが、道すがら、この間、来たのは娘がコロナウィルスのワクチン接種の場所に指定されたために、その時に久しぶりに来たな~などと思っていました。

 以前は、職場の同僚などが、サロンドショコラに行ってきたから・・などと、ジャンポールエバンのチョコレートをくれたりしたので、なんとなく、有名な、いわゆるショコラティエのグランメゾンのようなイメージのショコラティエのブースが林立しているようなイメージでいたのですが、チョコレートがメインではあるものの、実際には、チョコレートではないものもけっこうあって、ドライフルーツとか、パンとか、ケーキ、カヌレ、パンデピス、ヌガーなど、あらゆるスイーツ類をひととおり網羅している感じもあり、中にはフォアグラやシャンパンまでもがある会場全体が甘い香りに包まれた空間でした。



 今年はなぜか日本の国旗がたなびくエスパスジャポンというスペースがあったりして、なぜかAKI(オペラ近辺にある人気の日本のパン屋さん)が大福などを売っていたりして、ビックリさせられました。正直、なんで?サロンドショコラに大福??と。

 とはいえ、どこかチョコレートにひっかけてあるものが多く、シャンパン(シャンパーニュ地方で作られたものではないので、シャンパンとは名乗れないと言っていましたが、)でもカカオが混ざっていて、試飲させてもらうと、ふんわりとカカオの香りのするものだったり、この試飲の前には、口をすっきりさせるためにと、イチゴを食べさせてくれたりするのに感動したりもしました。


 フォアグラのブースでは、チョコレートとイチジクのペーストのようなものとフォアグラを組み合わせるというのを食べさせてもらったり、とにかく、いくつものブースを廻るたびに、チョコレートの試食をさせてくれるので、色々と見て回ってから、最後に一番、食べてみたいものを買おうかな?などと思っているうちに、結局、試食しすぎて、口の中がもうわけわからない状態になり、チョコレートは、もういいかな?などと思ってしまいました。



 しかし、会場では、コンクール形式の実演デモンストレーションをやっていたり、チョコレートでできた衣装のファッションショーをやっていたり、パン・オ・ショコラのコンクールをやっていたりと、それぞれの場所で大盛り上がり。


 なにしろ、広い会場の1階と地上階の2フロアーに所せましとチョコレート屋さんをはじめとしたブースが並んでいるので、ひととおり歩き回って、もう足はガクガク、口の中はチョコレートだらけになりました。






 チョコレート好きで有名なフランス(私自身もフランスに来てからすごくチョコレートの消費量?が増えました)で、チョコレートで勝負するのは、かなりハードルが高く、厳しいものと思われますが、サロンドショコラはお祭りのようなもの、実際にパリにお店を出しているお店よりも、遠い国から(または、フランスでも遠い地方から)わざわざやってきているという本当に見本市のようなもの・・色々な国の人にも会えるし、なかなか楽しい祭典でした。

 さんざん、試食して歩いて、結局、戦利品はこれだけ・・クロワッサンの方は、クロワッサンショコラ・・と書いてあったので、パンオショコラとどう違うんですか?などと聞いていたら、パンオショコラとは、違うそうで、そんな話を聞いていたら、となりで買い物していたおばさんが、これ!絶対美味しいから買った方がいい!など力説するので、買っちゃいました・・。



サロンドショコラ2023パリ


<関連記事>

「バレンタイン前のメゾン・ド・ショコラでバラ売りのチョコレートに挑戦」

「フランスのショコラティエ ベルナシオンとメゾン・ド・ショコラ」

「フランスにホワイトデーはない」

「日本での「おフランス」の高級イメージ商法」

「マドレーヌ寺院界隈の移り変わり」

2023年10月30日月曜日

思わず伸びた手を引っ込ませるフランスの食品表示 NUTRI-SCORE ニュートリスコア

 


 フランスのスーパーマーケットで食品を選ぼうとする時、パッケージの前面に、緑、薄緑、黄色、オレンジ、赤に色分けされたA~EまでのNUTRI-SCOREなる食品表示を目にすることが多くなりました。

 この食品表示は、消費者が栄養の観点からより健康的な製品の選択を奨励するために、医療制度近代化法の一環として施行されているもので、2016年にフランス政府主導で進められ、その後、ベルギー、スペイン、ドイツ、オランダ、スイスなどの国でも導入され、国際ガン研究機関や世界保健機構(WHO)などの支援を受けながら、どんどん広まっています。

 私の場合、この表示には、ちょっと首をかしげることも少なくなく、今一つ、納得いかないこともありますが、このおかげで、手を引っ込めることになる機会が多いです。

 例えば、お菓子売り場などを歩くと、軒並み<E>の表示が並んでいて、ちょっと恐ろしくなるくらいで、この表示のために思わず伸ばした手を引っ込めることも少なくありません。

 これが表示されていることで、買うのをやめることはあっても、買うことにすることは、ほとんどありません。

 このシステムが導入されるにあたって、案の定、食品業界からは、大反対の声があがったと言われていますが、逆に消費者団体がこれを強く支持し、このシステムを推進するためのイニシアチブをとりました。

 生産者側の立場に立てば、明らかに不利だと思われる表示をメーカー側が自ら表示することは、大変、抵抗のあることは当然のことですが、同時に良心的である印象もあり、また、この表示を少しでも、良いものにしようとする開発努力が生産者側にも生まれる傾向にもあるかもしれません。

 現段階では、この表示は絶対的に義務付けられているものではなく、欧州連合の規制により、あくまでも、これを表示することが推奨されるというものに留まっていますが、ここ数年で、ずいぶんとこの表示が増えたような気がしています。

 子供に食べさせるにしても、大人が食べるにしても、<E>と表示されている商品に手をのばすのは、なかなか勇気がいるものです。

 しかし、この食品表示で、健康状態改善には一定の成果が見られていると評価されており、また、これを販売する側の大手スーパーマーケットチェーン(ルクレール、オーシャン、インターマルシェなど)は、自社ブランド製品には、全てこのニュートリスコアを表示することを宣言しています。

 肝心なのは、これがどの程度、正当性があるのかということで、この採点にあたっては、100gあたりのカロリー、糖度、飽和脂肪含有量、塩分含有量などがマイナスポイントとして換算され、逆に、果物、野菜、豆類、菜種油、オリーブオイル、食物繊維、タンパク質などの含有量はプラスに換算されるようです。

 しかし、チーズは、タンパク質、カルシウム含有量に重きを置いて考慮が加えられているようなところは、少々、都合のよい解釈のような気もします。

 私は、自分なりの食品についての知識と見解を持っているつもりでも、最近は、やたらと、この食品表示が気になって仕方なく、明らかに<E>・・そうだよな・・と思うことはともかくとして、予想外によかったり、悪かったりする場合に出くわして、モヤモヤします。

 たとえば、フランスの冷凍食品のお店 PICARD(ピカール)で見かけた鯖の切り身とゴルゴンゾーラとマッシュルームのタルトが同じ<C>! この鯖は私の大のお気に入りの商品で、私は、このためにピカールに行くといっても過言ではないほどで、しかも、これは、調理されたものではないため、素材そのもので油や塩分、糖分は加えられていません。日本人の私としては、青魚は身体に良いという認識が高いため、自分の中でのこの鯖の評価は間違いなく<A>で、思わず、「鯖を<C>扱いするとは、鯖への冒涜!」と大いに憤慨したのです。



 まあ、自分の判断で買い物をするのですから、これに振り回される必要はないと思いつつ、この時ばかりは、手を引っ込めるどころか、他のものにまで手をのばして、「鯖と同じなら、いいでしょ!」と、全然、買うつもりもなかったゴルゴンゾーラのタルトも一緒に購入してしまい、まったくこの食品表示が見当違いに作用してしまったのでした。


食品表示 ニュートリスコア NUTRI SCORE










2023年10月20日金曜日

エシレバターが小さくなった!

  


 日本に一時帰国することにしているために、そろそろ、買い物に行く度に、お土産に良さそうなものを物色し、値段をチェックしたりしています。

 一時帰国する際に、頭の痛いことは、お土産のことで、もう20年以上、数年、間隔があいてしまったこともありましたが、年に数回、行くこともあった年を入れれば、最低でも1年に一度の割合で日本に行っているわけで、少なくとも20回以上、ありとあらゆるお土産は持っていき尽くし、もうネタも尽きた感じで、おまけに近年は、生ハムなどの肉製品が持ち込めなくなってしまったので、最近は、めっきり、チーズやバターなどの乳製品を中心にもっぱら、食料品に偏りがち、時々、化粧品・・といった感じで落ち着いています。

 中でも、一番、みんなが確実に喜んでくれるのは、エシレバターで、日本では恐ろしく高く、また、誰でも使うものであり、あまり人を選ばないため、とりあえずは、毎回、少し多めに買っていきます。

 だいたい、モノプリ(Monoprix)などのスーパーマーケットならば、どこにでも売っているので、調達するのも楽ちんですが、お店によって、値段が違うので、一応、前もって、チェックしたりしているのです。

 なにせ、けっこうな量を買うために、一度、モノプリのレジで、バターを並べたら、レジをやっていた男の子に「バター好きなんだね・・」と呆れられたこともあります。

 そんなわけで、つい先日、モノプリに買い物に行った際に、お土産になりそうな食品を探しながら、ついでにエシレバターの値段をチェックしようとバター売り場を覗いてみたら、エシレバターの小さいサイズのものが、さらに小さくなっていて、「ちっちゃ!」と驚いてしまいました。

 インフレで、全ての商品が値上げしている中、容量を減らして、値段の上昇を抑えているという話は、聞いていましたが、まさかエシレバターまでとは・・。しかも、袋にガサッと入っているものなどなら、わかりにくいのですが、バターの場合は、内容物ピッタリに包装するため、容量を減らすと、ものすごく目立つわけです。なかなかインパクトのある大きさの変化です。

 通常のバターのサイズは250gのものがふつう、ハーフサイズのものは、125gですが、エシレバターの小さいサイズは、以前は125gだったものが100gとなっていました。表示に誤りがあるわけではないので、文句のつけようはありませんが、この内容量を減らして価格の上昇をおさえるやり方が、どの程度、効果があるのかは疑問などころですが、ちょっと衝撃的でした。

 ただちに、他のメーカーのバターのハーフサイズを見てみると、他のものは、通常どおりに125gのままで、なんで、エシレバターは、この方法をとったのか?疑問です。

一般的なバターはハーフサイズでも125gのまま


 そもそも、エシレバターは一般的にフランス人が買うバターよりも、ちょっと高価です。このエシレバターを購入する人々が25g分の値段の上昇を気にするかどうかは、非常に疑問ではあります。

 そのうえ、もともとハーフサイズは、通常サイズに比べて割高でもあり、割高なことを承知で買っているわけです。

 最近のハイブランドパティシエなどのインフレ全く関係なしの堂々たる価格設定を見ていると、なぜ?エシレバターたるもの、こんなセコい真似をするのか、少々、疑問でもあります。

 しかし、そもそも、エシレバターは、それほどフランスでは日本のように奉られているわけでもなく、意外と知らない人も多いくらいで、そんなに大勢に影響はない気もしますが、あまりに目立つ、内容量削減に、これからは、他のものの、内容量にも気をつけなければ・・と思ったのでした。


エシレバター


<関連記事>

「フランス人は、意外とエシレバターを知らない」

「日本での「おフランス」の高級イメージ商法」

「フランスから日本へのお土産で喜ばれるもの」

「モンブランってフランスではマイナーな存在  アンジェリーナのモンブラン」

「エシレのミルクは超絶、美味しかった・・」

「ずっと食べてみたかったバター Au Bon Beurre オー・ボン・ブール」

2023年10月17日火曜日

やっぱり私は日本人・・

  


 常日頃から、私には、「日本に行ったら、買いたいものリスト」があって、思いついたら、メモするようにしています。そのほとんどが食料なのですが、日本に行く予定が決まると、今度は、フランスの家に大事に備蓄してある日本食材を再チェックして、うんうん、これは、今度買ってくるから・・と、いつもよりは気前よく、消費し始めます。

 たいていの日本食は、パリでも手に入るので、何も日本に行かなければ手に入らないものばかりではないし、なくなると、パリで買い足したりすることもあるのですが、やっぱり日本で買うよりは、数段、高いのでケチ根性が働いて、「う~ん・・こんなにするんだったら、今度、日本に行った時に買ってくることにして、やめとこ・・」となるのです。

 パリにも日本食以外にも美味しいものは、たくさんあり、日本が遠くなればなるほど、パリで食べられる他の美味しいものを探して歩いたり、食べ歩いたりもするのですが、いざ日本行きの予定を決めると、フランスのものには、食指の動きがパッタリと止まるとまではいかなくとも、魅力が半減してしまうことを感じます。

 いくら、日本食屋さんもけっこうあるとか、他の美味しいものもたくさんあるとかいっても、結局は、日本で食べることができるたくさんの食べ物には、かなうわけもなく、極端な話、おにぎりと卵焼きとお味噌汁・・みたいな質素なものでも、本当は私は、こういうのが一番好きなんだな・・と思うと、つくづく私は日本人なんだな~と痛感します。

 もうフランスでの生活も長くなって、多少のトラブルは日常茶飯事だとしても、これといって、耐えられないようなこともなく、フランスも居心地がよくなっているのですが、現在のような世界情勢が不安な事態になってみれば、やっぱり、一番に守られるのは自国民なので、こういう事態になったら、自分の国(日本)にいた方がいいのかな?と思うこともあります。

 しかし、最近の日本を見ていると、フランスの方が全然、いいじゃん!と思うこともけっこうあって、以前ほどに、日本の方が絶対いいに決まってる!と思うことは少なくなっているのも事実です。

 しかし、今もなお、日本の方がぜったいいいに決まっているのは、食べ物で、「日本に行ったら、食べたいものリスト」と「日本に行ったら、行きたいお店(そのほとんどがレストラン)リスト」も同時に存在します。

 それは、私が日本で生まれ育った日本人で、私の味覚が日本仕様に育っているからなのかはわかりませんが、日本に行く気持ちになっているだけで、もうすでに、他のものへの魅力を失いかけているのは、本当に自分でもビックリするほどです。

 そんなに日本の食べ物が好きなら、日本に住んだらいいじゃないか?と言われるかもしれませんが、でも、それがあたりまえで、いつでも簡単に手に入るようになったら、それはそれで、魅力も半減するわけで、こんな感動を味わえなくなると思うと、今のこの日常があってこそ、大好きな日本の食べ物への感動があるとも思うのです。

 これを他のものに、置き換えて考えれば、あまり満ち足りすぎる生活は、感性を鈍らせ、感動することが少なくなるような気さえしてくるのです。


日本食 日本人


<関連記事>

「日本一時帰国の後遺症 マイおにぎりブーム」

「脅威の時差ボケ 私は日本の食材の山を見ただけで時差ボケする」

「些細なもので、感動できる「海外生活のおタカラ」の日本食」

「海外に持ち帰れる、おススメ日本の食料品」

「幸せの感受性 海外生活でみつけた幸せを感じる方法」


2023年10月16日月曜日

パリ・オペラ通りの3軒のパン屋さん 

  


 以前は、職場が近かったので、オペラ界隈は、自分のテリトリーというか、庭同然のような気分でいたのですが、かつては、日本人エリアなどと言われていたこともあり、日本食屋さんが多かったり、日本食材のお店が多かったり、日本の銀行などもあったし、日本人としては、便利な場所でもありました。

 しかし、オペラ通りという有名な通りの名前がついているわりには、なんだか、代わり映えのしない、正直、今一つパッとしない印象もありました。

 今では、日本食人気から、オペラ通りから一本入ったサンタンヌ通りなどには、軒を連ねているラーメン屋さんには、行列が絶えなくなり、別の意味で有名にもなりました。

 ただ、しばらく足が遠ざかっていて、数年たった今、少しずつオペラ通りも変化していて、特に、大人気パティスリー・セドリックグロレなどの進出に加えて、新しく、日本式チーズケーキのお店・匠(TAKUMI)などもできたりして、一気に高級な感じのお店が増えてきました。

 日本人からしたら、なにもパリで日本式チーズケーキを食べなくてもいいかな?と思いつつも、ちょっと覗いてみると、チーズケーキはもちろんのこと、日本のような食パンやお弁当やおにぎり、お弁当まで売っていました。

 日本のパン屋さんAKIが近く(サンタンヌ通り)に出店して、大人気を博して以来、AKIは店舗を広げ、今やサンタンヌ通りには、AKIカフェ、AKIもちなど、何店舗も販路を広げていますが、そのAKIの高級バージョンといった感じです。

 最近、甘いものを食べすぎているので、ケーキはやめておくけど、せっかく来たのだから、食パンくらい買って帰ろうかな?と思って、食パン1つを頼むとなんと1本10ユーロ(約1600円)と言われて、びっくり! よく見てみれば、1本というだけあって、およそ2斤分の大きさなのですが、それにしても、いくらなんでも高すぎないか?と、「では、半分で・・」というと、なんと半分だと6ユーロ。



 10ユーロの半分は5ユーロではないか?とセコい考えが頭をもたげたものの、まあ、一度は食べてみたいし、まあいっか・・と食パン半分を買って帰りました。

 同じオペラ通り沿いには、セドリックグロレがあり、そちらは、さらにいっそうお高いわけで、ちょっと金銭感覚がおかしくなりそうな感じですが、そのTAKUMIとセトリックグロレの間には、日本でもおなじみのPAULというパン屋さんがあって、そこは、通常運転というか、まあ通常価格でなんとなく、ホッとさせられたのでした。

 日本にもPAULのお店はあるようで、以前、日本に行った時、日本のPAULがあまりに高くてビックリしたことがありましたが、オペラ通りのPAULは、扱っているパンやケーキ、サンドイッチなどの種類も多くて、しかも、気持ちを平静に保てる範囲内のお値段。

 これまでは、正直、PAULでさえも、パリでも(日本ほどではないにせよ)、少々、ふつうのパン屋さんに比べてちょっと高めかも?などと思っていたのですが、このインフレで、一気に普通の他のパン屋さんも値上げしているせいか、そんなに高く感じなくなっているうえ、この常軌を逸した2軒のパン屋さんのお値段に挟まれていることを思えば、ずいぶんと庶民的なお店のような気もしてしまいます。


 中でもブリオッシュ2本で5ユーロ・・などと書かれているのを見て、思わず買ってしまいそうになりました。



 今までパッとしないと思っていたオペラ通りにこうした超高級店が並ぶようになって、なんだか、その華やかさが嬉しいような悲しいような・・。

 オペラ通りは、言葉どおりにオペラ座からも近くて、ルーブル美術館やチュイルリー公園、ヴァンドーム広場やコンコルド広場などにも歩いて行ける場所で観光地といえば観光地? ゆえに、高級なものでも、けっこう売れていくことに、驚かされているのです。

 そんな中でも懸命に頑張っているPAULが愛おしいです。

 ちなみにオペラ通りには、パリならどこにでもあるスーパーマーケット・MONOPRIX モノプリがありますが、ここのモノプリは観光客をターゲットにしているのか?おみやげにしやすいような、ちょっと可愛いパッケージのお菓子類など、他のモノプリにはないような商品も扱っています。


オペラ通り パン屋さん セドリックグロレ TAKUMI PAUL


<関連記事>

「超人気のセドリック グロレのクロワッサンを買うのは大変 Cédric Grolét Opéra」

「パンの国フランス・パリで大成功した日本のパン屋さん・ブーランジェリー AKI(アキ) Boulangerie AKI」

「パリの日本の食パンブームの波 Carré Pain de Mie カレ・パン・ドゥ・ミの日本の食パン」

「2023年パリ・バゲットコンクール グランプリ受賞のバゲット オー・ル・ヴァン・デ・ピレネー」

「パリの歴史的建造物でもある行列の絶えないパン屋さん メゾン・ベルジュロン Maison Bergeron」


2023年10月11日水曜日

パリの歴史的建造物でもある行列の絶えないパン屋さん メゾン・ベルジュロン Maison Bergeron

  


  パリには、パン屋さんが当然?のことながら、たくさんあります。パン屋さんは、一般的に、ブーランジェリー(パン屋)とパティスリー(ケーキなどのお菓子類)とに分類されますが、実際には、その両方を扱っているお店が圧倒的に多いです。

 しかし、どちらにしても、このパン屋さんの類がたくさんあるということは、それだけの需要があるということでもありますが、一方では、それだけ競争が激しいとも言うことができます。

 今回、ご紹介するお店は、パンもお菓子も扱っているという意味で、メゾンと名乗っていますが、このお店は、いつ通りかかっても、時間に関係なく行列ができています。

 大々的に広告をしているわけでもないにもかかわらず、また、同じ通りには、いくつものパン屋さんがあるにもかかわらず、このお店には、いつも行列ができているのには、いくつかの理由があると思われます。

 比較的、エッフェル塔というパリの一大観光地に近いということもあるとは思いますが、この通り沿いにあるパン屋さんは、ここだけではないので、必ずしもこの立地条件が人気の第一の理由とも思えません。

 私が思うにこのお店の人気の理由の一つは、このお店自体が歴史的建造物であることもあるような気がしています。店内に入るとそのクラッシックな華やかさに圧倒されます。店内の装飾や壁面や天井の壁画などは、なかなか見事です。


 そして、パンにせよ、ケーキ類にせよ、とにかく種類が多くて、どれも美味しく、美しく、また、回転が速いため、できたてのものを味わえるということ、そして、そのうえ、何よりも価格が適正、妥当であるということではないかと思います。

 あまり売れていないパン屋さんなどだと売れ残ったクロワッサンなどは、翌日加工して、クロワッサン・オ・ザマンド(クロワッサンにアーモンドやお砂糖をまぶしてある)になり変わっていたりするという話も聞いたことがありますが、このお店の場合は、そんなこともなさそうです。

 最近のパリのパン屋さん、特にパティスリー関係の有名店、人気店のお店は、とかく、ちょっと目を疑うような、にわかに信じがたい値段のお店が多くなっている中、これだけのクォリティでこのお値段、だからといって、すごくお安いというわけではありませんが、クォリティに見合った適正価格、これなら、この価格でも納得できるな・・というような感じです。

 また、サンドイッチ、ピザ、フガス、フォカッチャ、キッシュ、ハンバーガー、サラダなどの軽食になるようなものの品揃えも多く、また、ピザやフガス、ハンバーガーなどに関しては、オーブンで温めなおしてくれたり、フライドポテトなども頼めばついてくるという他のパン屋さんではあまりお目にかかれないサービス、心遣いがあります。




 もちろん、ドリンクとセット(サンドイッチとドリンクがセットで 6.2ユーロ~、デザートも追加で 9.5ユーロ)になっているものもあります。

 とかく外食は高めなパリで、10ユーロ以下での食事というのはなかなかありません。下手なレストランに行くよりも、ランチなどだったら、パン屋さんでパンやケーキを買って、緑の広がる公園などでピクニック気分で食べる方がよっぽどよかったりする場合も多々あります。







 とにかく、サンドイッチにしても何にしても、パン屋さんなので、まず何よりもパンが美味しく、サンドイッチの中身なども他のお店ではお目にかかれないような珍しいものもあるのも魅力です。しかも、けっこうお手頃価格で一食、楽しめると思います。

 私は、今回はジャンボン(ハム)のフガスを買って帰って、家で温めなおおして、食べましたが、しっかりたべごたえもあって、とっても満足でした!

 

サイズ感が伝わらなさそうですが、実はけっこう大きいです。


パリの美味しいパン屋さん メゾン ベルジュロン Maison Bergeron

Maison Bergeron 112 Rue Saint-Dominique 75007 Paris 


<関連記事>

「2023年パリ・バゲットコンクール グランプリ受賞のバゲット オー・ル・ヴァン・デ・ピレネー」

「ガレット・デ・ロワはカロリー爆弾」

「パリで最も古いパティスリー 「ストレー」Stohrer のババ・オ・ラムとピュイ・ダムール PATISSIER STOHRER」

「2022年パリ・クロワッサンコンクール優勝のお店 Carton カルトン」

「ファラフェル激戦区 パリ・マレ地区の美味しいファラフェルのレストラン2選」



 

2023年10月9日月曜日

露天のクレープの生地はマンホールに保管されていた・・

  


 パリのシャン・ド・マルス(エッフェル塔近くの広場)の露天商が販売していたクレープの生地がマンホールに保管されていたと聞いて、驚愕しています。

 そもそも、多くの露天商は無許可営業が大部分を占め、怪しい存在でもあり、ふつうの飲食店ならば、パリ市によって、定期的にアトランダム、あるいは、通報により行われている衛生検査は結構、厳しいものであると聞いていますが、無許可営業ゆえ、そのような食品管理の検査などを受けているわけでもなく、考えてみれば、なんでもありの状態で、そのようなことも充分、あり得るのだろうな・・と思うのです。

 食べ物に限らず、この手の無許可の露天商などは、警察の取り締まりが来ると、すぐに逃げられるように、下に布地を敷いていたりして、すぐにそれを抱えて逃げられるようにしているために、その場にそんなに大量のストックは抱えていないのです。

 私も以前にオペラ通りだったか?パリの街中を歩いていた時に、若い青年が走ってきて、おもむろにマンホールをあけて、ペットボトルの小瓶を大量に持っていくところを目撃したことがあり、こんな場所を勝手に保管場所に使っているのか?と仰天したことがありました。

 ふつうの日常生活ではあまり、お目にかかることがないマンホールですが、パリ市内?は、特に地下には、思いがけないような地下道(道というほどでもないかもしれない)が入り組んでいて、たしかに、気温も低いだろうし、ある意味、冷蔵庫のような役割を果たすということもあるのかもしれませんが、問題なのは、ネズミもここを行き来している・・というか、ネズミの大運動上でもあるわけで、衛生上は大いに問題があります。

 パリ市は、来年のオリンピックに向けて、この露天商の摘発に力を入れ始めたようで、これらの露天商はもちろんのこと、そのストックの保管場所として使用されているマンホールのチェックに警察が介入し始めているとのことです。

 ここ一ヶ月ほど、一回の警察の介入でおよそ、30キロの商品を押収して廃棄していると言われており、9月のある1週間には、マンホールから、水380本、ワイン50本、ビール200本、トウモロコシ90本を押収したと報告されています。

 これらの商品は衛生的に大変な問題を抱えているため、パリ市は、多くの消費者、観光客に露天商の飲食物への注意の呼びかけを始めています。

 考えてみれば、パリの街中には、びっくりするほど多くの露天商が存在し、ましてやクレープなどといえば、直接、口に入る食べ物。クレープの場合、その場で焼いてくれるものもあれば、冷凍の生地を温めなおしているだけのものもあり、マンホールの匂いをお砂糖や、チョコレートクリームなどで、ごまかしているとさえ言われているものもあります。

 パリの街をクレープ片手に歩く・・などと、若い女の子が憧れそうな絵ではありますが、ちゃんとしたお店で買わないと、マンホールで保管されていたクレープを食べるハメになる危険性があるようなので、充分にご注意ください。

 パリ市は来年のオリンピックに向けて、多くの観光客を迎える準備をあちこちで、していますが、このマンホールクレープの摘発もそのリストに加えられた模様です。


パリ露天商 マンホール クレープ


<関連記事>

「フランスの年末年始にかけての食事」

「クレープの本場フランス・パリにある原宿のクレープ屋さんをコンセプトにした逆輸入バージョンのクレープ屋さん」

「パリ・チャイナタウンの露天商摘発」

「マルセイユではパン・オ・ショコラを買うようにカラシニコフを買うことができる マルセイユ14歳少年銃殺事件」

「パリ市庁舎前のストリートフードフェスティバル」

2023年10月2日月曜日

健康志向がバゲットの味を変える! バゲットの塩分量制限

  


 WHO(世界保健機構)は、健康のために1日あたりの塩分摂取量は、5g以内に控えることを推奨しており、これにより、血圧を下げ、心血管疾患、脳卒中、心筋梗塞のリスクを下げる効果が期待できるとしています。

 しかし、現状、フランス人の一般的な塩分摂取量は、これを約2~3g超えていると言われています。

 そこで、注目されたのが、フランス人の主食とも言えるバゲットの塩分量で、フランス パン・パティスリー全国連盟は、すでに2022年の段階で、それまでバゲット100gあたり1.7gであった塩分量を1.5gにすると発表していましたが、2023年10月から、この1.5gからさらに下げて、1.3gにすることを発表しています。

 このバゲットの塩分制限については、フランス パン・パティスリー全国連盟と農業省が関わっているもので、本来ならば、厚生省あたりが関わっていそうなところを、農業省というところが生産者側の立場自らが動いている感じがします。

 また、公式にこれらの塩分量を定めるあたり、無形文化遺産として登録されているフランスのバゲットというものをフランスに正しく継承していこうとしている姿勢も感じられます。

 100gあたり0.2gの差が、バゲットの味にどの程度影響するものか?両方を同時に試したことがないので、わかりませんが、たしかにフランス人のバゲット消費量は、侮れないものがあり、フランスでは、年間100億本のバゲットが消費されていると言われており、これは、1秒あたり320本に相当するそうです。なので、少しずつの積み重ねを考える場合、きっと、少なくない塩分摂取量低減につながるのかもしれません。

 つまり、バゲットは、フランス人の1日あたりの塩分摂取量の20%が占められていると言われており、この分の塩分を下げることは、かなり確実な塩分摂取量の低減に繋がることになるというわけです。

 とはいえ、このことで、バゲットの味に変化があらわれることは必須で、減塩による味の低下を補うために、酵母に加えて活性サワー種や酵母エキスなどの代替物を取り入れるなどの工夫を加えていくと見られています。

 そこまで厳密なバゲットの味の変化をフランス人がどの程度、感じ取ることができるのかどうかはわかりませんが、知らず知らずのうちに減塩できていたら、それは、ありがたいことかもしれません。

 しかし、バゲット以上に気になるのは、フランス人の食卓に上ることが多い、ハム・サラミ・ソーセージ・パテ・テリーヌなどのいわゆるシャルキュトリーと呼ばれる食肉加工品。

 これらの食品の塩分は、ちょっと知るのも怖いほどの塩分が含まれていることは間違いなく、塩分摂取量を低減するためには、こっちを何とかする方が大幅に削減できそうな気もしないではありません。

 だいたい、一般的なフランス料理を思い浮かべるに、脂肪分の塊のようなバターやチーズ、生クリームたっぷりのフランス料理に使われるソース類など、決して身体によいイメージはなく、フランス料理で体調を整えるのは、大変な話ではないか?と思わないでもありません。

 しかし、実際には、フランス人は、結構、長寿で、逆にこれだけ、あんまり身体によくないと思われる食品を食べ続けているにもかかわらず、寿命が結構長いのには、この塩分云々以外に何か理由があるのではないか?と思ったりすることもあるくらいです。



バゲット塩分量制限


<関連記事>

「2023年パリ・バゲットコンクール グランプリ受賞のバゲット オー・ル・ヴァン・デ・ピレネー」

「フランスのバゲット ユネスコ無形文化遺産登録」

「バゲットの値上げとお金のない人のお金の使い方」

「チーズとバゲットが好き過ぎるフランス人の夫」

「ずっと食べてみたかったバター Au Bon Beurre オー・ボン・ブール」


2023年10月1日日曜日

インフレと食餌制限と商品価格の感覚の麻痺

  


 今年に入って、具体的に症状が何かあるわけではないのですが、たまたま、かかりつけのお医者さんに、「あなたは、ここ数年、心臓専門医の診察を受けていないから、そろそろ行っておいた方がいいわよ・・」と言われて、心臓専門医にかかる時に持参するために、今年の初め頃に受けた血液検査から、心臓だけでなく、肝臓にも問題があるかもしれないなどと言われて、肝臓の検査まで受けるハメになり、結果、現在のところ、深刻な状態ではないとはいえ、アルコールや糖分は控えるようにと言われて、食餌療法というほどではないにせよ、少々、食事には気を付けるようになりました。

 若い頃は、身体にいい食べ物・・などと言われると、それだけで、なんだかマズそうな気分になる、あまのじゃくな私でしたが、年齢を重ね、実際に、身体に異常が見られ始めたりすれば、気弱にもなり、少々、食べ物には気を付けるようになったのです。

 アルコールに関しては、若い頃から、もう酒瓶を見るだけでワクワクするほどのお酒好きで、ふつうの人の一生分の消費量をとうに上回っている量を消費してきたと思うのですが、どういうわけか、昨年末頃から、全くお酒が飲みたくなくなり、「飲みたいと思わないんだから、無理して飲むこともないな・・」と思って、全然、飲んでいないのですが、「この私がお酒を飲みたくないなんて、私、死ぬんじゃないかな?」と、ちょっと不気味でもあったのです。

 そんなわけで、「肝臓に異常があったから、飲みたくなくなっていたのか・・身体はうまくできてるもんだ・・」と妙に納得したりもしました。

 しかし、お酒を飲まなくなった代わりに、甘いものが食べたくなり、若い頃は見向きもしなかったスイーツ類をやたらと食べるようになり、ワインを買いだめするかわりに、家には、なんらかのスイーツがストックされるようになっていたのです。

 それを「糖分は控えなさい」などと言われて、全く、ゼロにしてしまうのも、あまりに寂しいので、スーパーマーケットで買えるような袋菓子のようなスイーツは一切、買わないことにして、たまに、特別に食べてみたいと思う特別なお店のものなら、まあ良しとしようとすることにしたのです。

 結果、お値段は、ケーキやタルト1個の値段が平均17ユーロとか、ヴィエノワズリーでさえも、1個5ユーロから10ユーロあたりという驚異的な価格で、まあ、それなりの有名どころのパティスリーなどでも、ケーキ1個10ユーロは当たり前の感じで、一度にそんなにたくさん買うわけではないにせよ、かなりのお値段で、値段的にも制限せざるを得ないような感じなのですが、同時に、だんだん、その値段にも麻痺してきてしまいました。

 ある日、あれ?こんな場所にブーランジェリーがあったっけ?と思って入ったお店で並んでいたケーキを覗いてみたところ、お値段が、半分どころか、3分の一くらいのお値段で、あれあれ?ケーキって、一体、いくらくらいのものだったんだっけ? と少なからず、自分でも動揺し、わけがわからなくなってしまいました。

 つまり、私の生活は、非常に偏っていて、日常の買い物は必要最低限のもので、特に夏の間などは、ベランダで野菜を育てて自分で作る質素な食事をし、ごくごく、たまに常識を超えた値段の贅沢なスイーツなどを食べてみるという奇妙なもので、インフレを感じつつも、もう物の値段がわからなくなりかけている奇妙な状態なのです。

 止まらないインフレで、スーパーマーケットに行って、「何でも高くなったなぁ~」と思うことにも慣れてしまっている今、「値上がりしている分だけ、消費を控えればいい・・」などと気安く考えていたのですが、そんな単純なことさえ、商品価格の感覚が麻痺してきていて、わけがわからなくなっているということは、さらに始末に負えないことになってしまっているということなのです。


インフレ 商品価格の感覚麻痺


<関連記事>

「やっぱり美味しかったマドレーヌ Le Comptoir ル・コントワール Ritz Paris」

「超人気のセドリック グロレのクロワッサンを買うのは大変 Cédric Grolét Opéra」

「パリのデパート 私はボン・マルシェを侮っていた・・」

「パリでお気に入りの生ハム屋さん ヴィアンダス デ サラマンカ VIANDAS de SALAMANCA」

「パリで食べられる世界一のピザ PEPPE PIZZERIA ピッツェリア・ペッペ」

2023年9月30日土曜日

ラデュレとカイリー・ジェンナーとのコラボでマカロン無料配布 LADUREE Champs Elysees

  


 たまたま、朝、インスタグラムを開いたら、広告だと思うけど、たまたまラデュレの写真が載っているのを目にして、私にラデュレの広告してもね~などと思いながら、見過ごしてしまいそうになったら、マカロンのコフレ(箱詰め)が無料配布!という文字が目に入って、えっ??となりました。

 場所は、シャンゼリゼのラデュレ、期間限定で毎日、100人にラデュレのコフレを配ります!合言葉は「パワープラッシュ」! 17時から100名様限定・・とあったので、これは、この100人に入るためには、どれだけ前に行けばいいのだろうか? こんなの、すぐに100人になっちゃうから、少なくとも、1時間前には行かなければ・・と16時に行くと、すでに行列が・・。

 昔は、フランス人というものは、行列が嫌い(誰でも嫌いだとは思うけど・・)で、入場制限をしているようなハイブランドのお店などは別として、(これとて、行列しているのは、たいてい観光客)行列してまで、何かを手に入れたりしようとすることはないんだな・・と思っていました。

 しかし、時代は変わったようで、フランス人も行列することを厭わなくなってきて、けっこう、人気のお店の前には、どこも行列ができているのを見かけます。

 少し前に軽い気持ちで訪れた大人気パティスリー・セドリックグロレなどでも、かなり行列に並ぶハメになったし、しかも、今度のラデュレは無料配布、しかも、誰もがニッコリしてしまうラデュレのマカロン、しかも、シャンゼリゼ・・一体、どんなことになるのか?興味もありました。

 今回のラデュレのマカロン配布は、カイリー・ジェンナーのカイリー・コスメティックス(Kylie Cosmetics)とのコラボで、カイリー・ジェンナー自身がチョイスしたフレーバーのマカロンが箱詰めされています。

 なぜ?マカロンとコスメのコラボ?と少々、不思議な気もしますが、ラデュレのお店や色とりどりのマカロンは、大変、フォトジェニックで、いわゆるインスタ映えそのもののような媒体。

 


 このマカロン目当てにラデュレに訪れた人々が、次々に写真に収めて、SNS上で拡散してくれれば、大変な好印象とともに、カイリーコスメティックスのPRにもなるわけです。

 奇しくも、シャンゼリゼのラデュレの正面には、ピエール・エルメがロクシタンとコラボしている店舗が存在し、まさに、マカロン+コスメのコラボが正面対決しているようでもあります。

 


 しかし、残念ながら、シャンゼリゼのラデュレのレストラン自体は、現在、改装中で、可愛く作りこまれたテラス席ならぬテラス上のショップができており、改装中の店舗自体も、インスタ撮影用と言わんばかりのスポットが出来上がっており、ラデュレとカイリーコスメティックスの目論見どおりに、マカロン目当てに訪れた人も、シャンゼリゼを通り過ぎていく人々も皆、写真撮影していきます。



 我が家も娘がいた頃は、彼女がけっこうマカロンが好きだったので、たまに買うことはありましたが、私自身は、それほどマカロン好きというわけでもなく、妙に可愛らしすぎるところも、ちょっと、こそばゆかったりもし、また、何よりもこんなちっちゃいのに、こんな値段!とバカらしい気もして、久しくマカロンを買うことはありませんでした。

 ピエール・エルメが幅を利かし始めてから、マカロン人気は、ラデュレとピエール・エルメで人気を二分するようになりましたが、さりとて、老舗感は圧倒的にラデュレの方があり、とにかく、街中にもけっこうお店はあるし、空港や駅などには、必ずと言っていいくらいラデュレのスタンドが存在します。

 しかし、一時は、ラデュレのマカロンはフランス製ではないことが暴かれたりして、「えっ?」とびっくりしたこともありました。

 今回、1時間くらい並んで、無事、マカロンをゲット!小さいサイズのマカロン8個が入った小箱を手にしながら、このサイズのマカロンは1個 2.5ユーロだから、ひと箱20ユーロ分だ!などと、せこい計算をしてニコニコしながら、家に帰りました。

 


 マカロンなど、もう何年も食べていなかったので、マカロン・・久しぶりだな・・と思いながら、今日は、夜だし、1個にしておこう!と食べると、思いのほか美味しくて、「えっ?マカロンってこんなに美味しかった?」「やっぱり、ラデュレ美味しい!」となり、今後、また、買いに行ってしまいそうで、ヤバい気持ちになりました。


ラデュレ マカロン カイリーコスメティックス


<関連記事>

「シャンゼリゼで起きていたマカロン戦争」

「ラデュレのマカロンはフランス製ではなかった!」

「パリに巻き起こる「エミリーパリへ行く」現象と経済効果 Emily in Paris」

「日本のピエールエルメのお店にビックリした! PIERRE HERMEとピエールエルメ」

「日本での「おフランス」の高級イメージ商法」



2023年9月25日月曜日

ワインの国フランスでのノンアルコールワイン市場拡大

  


 これまで私は、ノンアル、あるいは、ノンアルコールといえば、ビール・・かな?と思っていたのですが、どうやら、最近、フランスではノンアルコールワインなるものが市場を拡大しつつあるらしく、ノンアルコールのワインなんて、あるんだ??とちょっと驚かされました。

 そもそも私にとって、アルコール飲料は、その味はもちろんのこと、多少なりとも、酔い心地を楽しみたいというものでもあって、アルコールが入っていないなら、なにもそこまでして、ビールを飲みたいというものでもなく、私はこれまでノンアルコールビールですら、飲んだことがありませんでした。

 それが、ここのところ、ノンアルコールワインの市場が拡大していると聞いて、ノンアルコールワインなんてあるの?と驚いた次第です。

 ワインといえば、原材料はぶどうで、アルコールが入っていないならば、ぶどうジュース?と思ってしまいそうなところですが、ノンアルコールワインとは、正確に言えば、脱アルコールワイン、あるいは、非常に低レベルのアルコールのみを含むように作られたワインの一種であると言われています。

 そこでは、うんちくを延々と語りそうなフランスでは、そんなものを「ワイン」と呼んでいいのか?などと論争が起こりそうなところでもありますが、一応、欧州連合では、この「ワイン」という名称は、少なくとも7%のアルコールを含んだものに制限する法律があるそうなので、ノンアルコールワインをワインと呼んでよいものかはわかりませんが、現在、一般的に売られているノンアルコールワインのアルコール含有率は香りを保つための、せいぜい0.3%程度で、カロリーは一般的なワインの3分の1と言われています。

 カロリー3分の1というのは、ちょっと惹かれる気もしますが、ワイン好きのフランス人に言わせれば、アルコールの入っていないワインなど、「カカオの入っていないショコラみたいなもの・・」と、かなり邪道な扱いをする人もいます。

 当初は、糖尿病患者やスポーツ選手、妊婦を対象に作られていたこのノンアルコールワインは、現在ではアルコールを摂取したくない人すべてに市場が開かれつつあります。

 このノンアルコールワインは、アルコール入り?のワインからアルコールを除去して作られる製法が主流であると言われていますが、そもそも発酵をおさえて造る製法もあるようです。

 ぶどうを発酵させて、アルコール入り?のワインを作るところ、そこからアルコール分を除いてしまったら、一緒にワインの香りも飛んでしまいそうなところですが、そこを香りを損なわずに製造するところが、ノンアルコールワインの生産者の腕のみせどころのようです。

 実際にフランス人のワイン離れが語られるようになって久しく、特に若者たちの間でよく飲まれているのは、ビールやウォッカなどを使った別の飲み物に変化しつつあり、スーパーマーケットの売り場を見れば一目瞭然、かつて、広いスペースを割いていたワインのカーヴ(ワイン用のスペース)は縮小され、代わりにビールの棚がずっと拡大し、種類も大幅に増えました。

 そんなワインの人気停滞から、なんとか、別の顧客層を拡大しようとしているワイン市場、一部のワインの生産者は、ノンアルコールワインの生産を選択する人が増加していると言われています。

 実際にジロンド県(ランディラ(ボルドー地方))の大手ワイン輸出業者がこのノンアルコールワインのために、350万ユーロを投資して、ワインを約 40℃ に加熱する新しい工場を建設しています。

  この真空温度ではアルコールと香りが蒸発し、その後、香りのみが脱アルコールワインに戻るそうで、ワイン市場の客離れに貢献できるものであると期待されているそうです。

 個人的には、ノンアルコールビールと同じで、酔わないアルコールなしのワインは飲まなくてもいいかな?と思ってしまいますが、カロリー3分の1という点では、魅力的に感じるところもあるので、ノンアルコールワインという呼び方よりは、カロリーオフワインという方が、売れるのではないか?などとも思います。

 それでもフランスでは、秋になるとスーパーマーケットでは、ワインフェアなどをやっていて、カタログ片手にワイン好きのおじさんたちが集まってくるのですが、やはり、見渡す限り、どう考えても、年齢層は高め、「アルコールは控えて・・」などと言われる人も多いのだろうと思えば、このワイン離れの進むフランスでのノンアルコールワイン市場の拡大は、たしかに需要はあるかもしれません。


ノンアルコールワイン


<関連記事>

「フランス人のワイン離れ」

「ボジョレー・ヌーボーは、あまり注目されなくなった・・」

「日本の国税庁キャンペーン「サケビバ」にはフランス人も唖然」

「フランスの貧乏大学生の質素な生活」

「フランス人は辛いもの、熱いもの、かたいものが嫌い」


 



2023年9月24日日曜日

フランスのジャンクフードの広告についての警告

  


 フランス公衆衛生局は、最新の報告書の中で、ジャンクフード広告が子供や青少年に与える影響と、フランスにおける肥満の蔓延におけるジャンクフード広告の役割を明確に指摘しています。 

 同局は、ジャンクフードメーカーの無責任なマーケティング慣行を禁止する時期が来ていると、明確に企業名を挙げて、勧告しているのです。ジャンクフードメーカーは、子供たちをターゲットにして、脂肪分が多すぎたり、甘すぎたり、塩味が強すぎたりする製品を販売することを非難し、このような商品の広告の禁止を呼び掛けています。

 ジャンクフードといえば、いわゆるファストフードのようなものを思い浮かべますが、上の写真にあるような、お菓子、駄菓子の類、そして朝食用のシリアルなどまでが含まれていることにはちょっと驚きです。

 フランスは、もともと広告に対して、すでに、かなり厳しい規制があることも事実で、私の知る限りでも、アルコール飲料などに関してはテレビのコマーシャル、映画館、若者向けの雑誌、スポーツ関連、また若者向けのwebサイト上の広告は禁止されています。街中の、例えば、駅やバス停などに、この種のポスターが貼られたりすることがありますが、必ず、その広告の中には、必ず過度の飲酒は健康を害するとか・・1日〇杯程度にしましょうなどの注意書きが書き加えられています。

 つまり、ジャンクフードもこのような扱いにするべきであるという意味合いであると思われます。

 この呼びかけを行っている Foodwatch France という機関は、バーガーキング、ネスレ、コカ・コーラ、モンデリーズ、ユニリーバなどを名指しにして、これらのメーカーが健康対策にたいする自発的な取り組みが不十分で効果がないものであると、これらのメーカーの製品に対する厳格な広告禁止を呼び掛けています。

 現在、日本で話題沸騰中のジャニーズタレントによる広告の是非などという問題ではなく、製品そのものを広告することを禁止しようという声があがるということは、メーカーにとっては、大変な痛手であることに違いありません。

 販売を禁止するほど、毒扱いはしないまでも、製品自体は許可?しておいて、広告は禁止というのは、大変に厳しい措置です。

 日本はフランスなどと比べると、大変、健康志向の強い国で、健康に良いことをアピールすることが何よりの広告効果をもたらす気もしますが、フランスとて、健康志向がないわけではなく、やたらと bio とか、グルテンフリーとかの表示があるものが増えてはいます。

 私が思うに、フランスで一般的に言われている1日に5種類の野菜か果物を!などという呼びかけも5種類??さすがに、ずいぶんハードル低い・・などと思ってしまいます。

 しかも、一般的に思い浮かべられるフランスの美味しい食べ物(チーズやバター、生クリーム、パン、ケーキなどのスイーツ類など)は、決して身体によいものとは程遠いイメージがあります。

 しかし、このような広告禁止を呼び掛けることで、単に広告をしないというだけでなく、少しでも健康に害が少ないものをメーカー側も開発していこうとする努力を促すことになるわけで、少しでも国民を健康に導いていくきっかけになります。

 とはいえ、そもそもジャンクフードに、背徳感はつきもので、これらの食品は、そもそも健康には、あまりよくないと知りつつ、たまにはいいだろう・・と食べたくなってしまう魅惑的な食べ物であることも、魅力のひとつです。

 このような動きがあるせいかどうかはわかりませんが、マクドナルドフランスは、一時、フライドポテトの代わりに野菜サラダとか、フライドベジタブルなるものをメニューに加えたりしていましたが、やっぱり、圧倒的にフライドポテトが人気です。

 日本に一時帰国したりした際に日本のテレビをつけると、ビールのコマーシャルの多さにビックリさせられますが、それはそれで、さすがにそんなに違和感も感じず、「あ~美味しそう!」と思うのですが、どちらかというと、一緒に出てくる食べ物の方が気になる最近の私です。

 なぜか、フランスにいると、ビールというものは、全然、飲みたくならないのは、気候のせいでしょうか?食べ物のせいでしょうか?

 しかし、最近は、若者のワイン離れが叫ばれ、フランスでもビール売り場が拡大しています。これも、コマーシャルがほとんどない状態での動向なので、コマーシャル戦略に慣れている日本のビールメーカーなどは、このビール人気にどうやって対応していくのか?きっと難しい課題なのではないか?と思います。

 それにしてもフランスのテレビコマーシャルなどは、有名タレントがでてきてのコマーシャルってあんまり見ない気がするのも日本のCMと違うところかもしれません。

 

ジャンクフード コマーシャル規制


<関連記事>

「日本の国税庁キャンペーン「サケビバ」にはフランス人も唖然」

「ラグビーワールドカップとジャニーズ性加害スキャンダル」

「ボジョレーヌーボーと日本の関係」

「フレンチパラドックス 先進国で意外と肥満の少ないフランス」

「最近のフランスのケンタッキーフライドチキンはちょっと残念」

「フランスのCMと日本のCM・テレビコマーシャル」



2023年9月19日火曜日

やっぱり美味しかったマドレーヌ Le Comptoir ル・コントワール Ritz Paris

  


 前々から、「ここのマドレーヌは美味しい・・」という噂は聞いていました。しかし、わざわざ出向くほどに、特にマドレーヌが好きというわけでもなく、「Ritz(リッツ)でしょ!そりゃ、美味しいでしょ!それなりのお値段だろうし・・」と思っていました。

 まあ、機会があればね・・くらいに思っていたのですが、たまたま、何なのか?市内が異常に警戒態勢が敷かれていて、通ろうと思っていた道が閉鎖されていて、迂回しなければならなかったりして、たまたま近くを通りかかることになり、「そういえば、あのマドレーヌのお店(実際には、別にマドレーヌだけのお店ではない)、この辺だったかも??」と思いついたら、まさに、その通り沿いだったので、お店を覗いてみることにしたのです。

 お店のウィンドーには、まさに山積みのマドレーヌのオブジェが飾られていて、あ~ここだここだ・・と思って店内に入ると、甘い香りが・・。

 そんなに広くはない店内ではありますが、一応、イートインができるスペースもあって、お菓子が並んでいるケースの前には、行列ができていました。(といっても、セドリック・グロレのようなお店の外まで行列ができて、延々と並ぶ・・というような行列ではありません)


 マドレーヌがお目当てのお客さんが多いとはいえ、それ以外のケーキもしっかり売れています。しかし、まさに、もう拝むという表現がふさわしいようなケーキのお値段は、1個16ユーロ(約2,500円)とか18ユーロ(約2,800円)、少し大きめのものだったりすると、20ユーロを超えるお値段・・もはや、なんだか、国が違うというか通貨が違うのかと勘違いして、金銭感覚がちょっと麻痺してしまうような感じ・・一緒に並んでいるマドレーヌ(1個3.5ユーロ)(約550円)が安く感じてしまうから、おかしなものです。


この写真だと大きく見えるけど、ふつうのケーキの大きさです


 そもそも、マドレーヌは、フランス人にとっては、ほんとうに身近なお菓子のひとつで、スーパーマーケットなどで袋入りで市販されているものでも相当な種類があり、大手のスーパーマーケットではそれぞれが自社ブランドの製品を出しているくらいポピュラーなお手軽なお菓子。そんな一般庶民(私も含めて)が食べるマドレーヌ一袋(5~6個入り)は、ここのマドレーヌ1個のお値段か、それ以下です。

 


 マドレーヌも色とりどり、ナチュール、ショコラ、レモン、キャラメル、フランボワーズ、ピスタッシュ(これだけ1個5ユーロ)、パッションフルーツなどがありますが、たかがマドレーヌに3.5ユーロはやっぱり高い・・。

 しかし、せっかく来たのだから、まあ、ちょっとくらい食べてみたいな・・まあ、まずは基本・・とオリジナル(ナチュール)のマドレーヌ一つだけを買って帰りました。

 そもそも、どうしても、「たかがマドレーヌ・・」という気分が私の中には、あるせいか、どんなに高級なマドレーヌと言ったって、たかがしれている・・と思っていたので、そんなに期待もしていなかったのです。

 でも、値段が値段の高級マドレーヌ、一度で食べてしまうのはもったいないとせこい考えを起こして、半分にして、ひとくちパクッと食べたときの意外な驚き!「えっ?ふつうのマドレーヌと全然ちがう!」。

 そもそも、こんなに高いマドレーヌを買っておいて、期待していないのもおかしい話なのですが、どうせ、大したことない・・と思っていたものが、一口食べて、予想を超えた時に感動することは、そんなにあることではありません。

 思わず、目を大きく開いて宙を見つめてしまう感じです。

 何より、生地がなめらかで、上質なことに疑いの余地はなく、軽くて、やさしい味の今まで食べたことのないマドレーヌでした。

 こうなってくると、他のものにも期待できそうで、細長いクロワッサンやパンオショコラなども買ってくればよかったと悔やまれ、後日、買いにいったときには、すでに売り切れ。



 仕方なく、ショコラとキャラメルのマドレーヌを買って帰りましたが、これらは、中にクリームが入っていて、また、そのクリームが甘すぎず、キャラメルの方などは、キャラメルとはいえ、爽やかな味わいのキャラメルでこれまた別の感動でした。





 頼めば、お土産用に箱詰めしてくれるので、日本へのお土産にすることも可能です。

 ホテル・リッツの方は、ちょっと入りづらい、敷居の高い感じがしないでもありませんが、こちらのパティスリーは、それほど臆することなく入れる感じです。

 まあ、ホテルリッツに泊まることを考えれば、その一辺を味わえるとしたら、まあまあ納得できないこともありませんが、それにしても、この高級スイーツの値段の高騰ぶり、そしてまた、これらが飛ぶように売れているのも不思議な現象だなとも思います。


Ritz Paris Le Comtoir  ル・コントワール 

38 Rue Cambon 75001 Paris 

8:00~19:00 日休


<関連記事>

「超人気のセドリック グロレのクロワッサンを買うのは大変 Cédric Grolét Opéra」

「パリの老舗アイスクリーム屋さんといえば、ここ!サンルイ島 ベルティヨン

 Berthillon」

「パリで最も古いパティスリー 「ストレー」Stohrer のババ・オ・ラムとピュイ・ダムール PATISSIER STOHRER」

「パリで一番、美しいスターバックス Starbucks Boulevard des Capucines」

「割引、おまけ、それ、あげます・・最近の私のお買い物と食生活」