オリンピックの聖火がマルセイユに到着する!というのは、数日前から聞いていました。しかし、それは、想像を遥かに上回るお祭り騒ぎぶりで、あたかも、もうオリンピックの開会式?と思うほどの盛り上がりぶりでした。
それがマルセイユであったということもお祭り騒ぎぶりを大きくしているような気もしますが、その華々しい聖火到着のセレモニーは、さすがにこういった催し物を美しく盛り上げるのがフランスは上手い!と思わせられるものでした。
オリンピックの聖火リレーというものがあることは聞いたことがありましたが、そのオリンピックの聖火はこんなに華々しく迎えられるのを私は初めて見た気分でした。
ギリシャから地中海を横断して12日間を経て、オリンピック聖火は今週水曜日、5月8日早朝、マルセイユ港に到着。オリンピック聖火の到着式はまず、近港北部、南部の港でこれを護衛するために登録された1,024隻のボートによる大規模な海上パレードで始まりました。
これだけ大規模なパレードを海上で行う風景はさすがに圧巻で、お天気にも恵まれ、夕刻には、虹がかかる瞬間まで加わり、最高の盛り上がりを見せました。セレモニーは、長い時間続き、パリ祭さながらのトリコロールのひこうき雲をはいて飛行機が飛び、夜には見事な花火もあがり、マルセイユは大熱狂に包まれました。
マルセイユといえば、ふだんは事件がらみのニュースを聞くことが多いのですが、この日ばかりは、華やかな明るいマルセイユの光景が映し出され、空撮も含めて美しいマルセイユを見ることができました。
つい先日まで、マルセイユは、このオリンピック聖火の到着を前に、ゴミ収集業者が賃上げ要求のためにストライキを起こしており、街には、未回収のゴミが山積みになり、悪臭を放っているというニュースを見たばかりでした。
このゴミ収集業者のストライキはどうなったのか?全然、わかりませんが、このマルセイユ全体のオリンピック聖火到着の盛り上がりぶりを見ていると、そんなことは忘れてしまいそうです。
マクロン大統領もマルセイユにかけつけ、「長年、準備してきたオリンピックはもう始まった!」とかなり高揚した表情で語っていました。
マルセイユ市民のみならず、このオリンピック聖火到着の模様を見に、多くの地域から人々が集まり、熱狂的にこの聖火の到着を喜び、マルセイユ市民たちは、「世界の中心はマルセイユだ!」とでも言いたげに、「世界がマルセイユに注目している!」と興奮してインタビューにこたえている人もいました。
フランス人って、そんなにオリンピック好きだった?と思ってしまうほどの興奮ぶりで、私は、パリにいるので、周囲の人々を見ても、少々、マルセイユとは温度差は感じるものの、基本、お祭り騒ぎが好きな人たち、こういうお祭り騒ぎがあると、やっぱりラテン系の人たちなんだな・・と感じます。
これから、この聖火は7月26日パリのオリンピックスタジアムの聖火台に点火されるまで、ツールドフランスの3倍に相当する距離、60以上の県を通過しながら、その模様を中継し、フランス各地の美しい景色を全世界にアピールすると言われています。
オリンピック本番はもちろんのこと、この聖火の長距離の旅には、大変な警戒体制がとられることになっているそうで、すでに1月付けの内務省の機密文書には、「聖火リレーに係るリスク分析・評価」と記された15ページにもわたる文書が作成されており、聖火リレーの間に発生する可能性のある主な危険地域がリストアップされています。
オリンピックの聖火リレーの際には、毎度、これをなんとか消そうとする人が表れるようで、2021年7月、日本では茨城県での聖火リレー中に、デモ参加者が水鉄砲を使ってオリンピックの聖火を消そうとしたり、 5年前の2016年7月、ブラジルではサンパウロ近郊で、ある人物が消火器を使って車列を妨害し、2012年ロンドンで、群衆の中に水の入ったバケツを持った男性が登場したという記録も紹介されています。
こういっては、身もふたもありませんが、その第一に挙げられそうなマルセイユでの聖火到着は、無事終了し、真っ青な海に浮かぶ千隻以上の白い帆船が散らばる中、トリコロールの噴煙が上がる様子は絶景で、マルセイユの海ってこんなに青かった?とあらためて美しいところだな・・などと思いました。
これからオリンピックの開会式まで2ヶ月ちょっとの聖火リレーの旅ですが、このマルセイユでのセレモニーは、特別なのでしょうが、聖火が到着するだけで、この騒ぎ、このセレモニーですから、オリンピック本番ともなれば、きっとすごい盛り上がりになるのだろう・・とちょっと、怖いような、でも楽しみなような気もしてきました。
オリンピック聖火マルセイユ到着
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