
2人の死亡者と数十人の被害者を出したブイトーニの冷凍ピザの食中毒事件から、この工場の経営にあたるネスレ(Nestle)のコードリー工場は、長期間にわたり、閉鎖されていましたが、事件から9ヶ月後の昨年12月に衛生管理の改善や調理済みの生地を使用したピザのラインのみという条件付きで、一部の生産再開の許可が下りて、生産を再開したものの、ネスレは業績不振のために、今年3月上旬には、再び工場を閉鎖してしまいました。 食中毒による死亡事故まで引き起こした食品会社の工場は、実際の被害状況はもちろんのこと、その後の会社側の不誠実な対応なども乗じて、再起させることはできませんでした。 ただし、3月上旬の時点では、とりあえず工場は閉鎖するものの、正式な工場閉鎖の決定までは賃金は会社側が補償するということでしたが、今回、ネスレは正式にこの冷凍ピザ工場を閉鎖することを決定しています。 この工場の従業員は約140名、このネスレ(Nestle)・ブイトーニ工場の汚名は彼らの再就職にもついてまわります。CV(履歴書)に書かれたこのブイトーニー・コードリー工場勤務の経歴はどう考えてもプラスのイメージではありません。 元従業員が暴露した、あまりに不衛生な工場内のスキャンダラスな映像は、ちょっと食品工場としては信じられない状況で、従業員の責任は問えないとはいえ、この状態で食品を製造しつづけていた従業員と思えば、同種の職種での再就職はかなり困難と考えざるを得ません。 この従業員の再就職については、ネスレ(Nestle)は、誠意を持って対応すると述べていたものの、同社のシリアルなどの別の食料品工場にしても業績は思わしくなく、コードリー工場の従業員を社内での他部署へ異動することも難しいと言われています。 そもそも、止まらないインフレのために消費は低迷、しかも工場操業のための電気・ガス代などのコストもうなぎ上りしている中、スキャンダルとは無縁の普通の工場でさえ、存続は大変、厳しい状況です。 しかし、ネスレ(Nestle)は、とりあえず、2023年12月31日までは、従業員を解雇しないとしており、同グループは、工場閉鎖と同時に、工場の、確実で永続的な回復ソリューションを見つけるプロセスを開始することに並行して取り組み、140...