ニース・アルプ・マリティーム県(プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地域圏)とダンケルク(オー・ド・フランス地域圏)では、今週末から週末のみのロックダウンが始まりました。 平日の18時以降の夜間外出禁止に、週末のロックダウンが追加されて、完全なロックダウンにはならないまでも、この地域の人々は、かなり窮屈な生活を強いられることになりました。 中には、「平日をロックダウンして、週末は、ロックダウンをやめろ!」なんて言っている人もいて、いかにもフランスな感じだと苦笑してしまいました。 しかし、週末ロックダウンと正式に決まったこの地域は、さすがに人出もなく、しんとした感じでしたが、ロックダウンにはなっていないパリなどの週末は、晴天だったこともあって、うんざりするほどの人出でした。 しかも、もうすでに昨年に多くの人出で問題になった同じ場所で、同じような人出には、この人たちは、全く学習能力がないのか?と思わせられます。 まるで、この映像は、昨年のものを使っているのではないか?と錯覚するほどです。 長いことフランスでは、レストランもカフェも閉鎖されているため、人が集まって、気持ちよく過ごす場所といえば・・セーヌ川沿い(セーヌ川は、パリを横断して流れているため、パリ中どこでも、セーヌ川沿いはすぐそこ・・)、サンマルタン運河、グランパレ近くの広場、あちこちに散らばっている公園などなど、晴天も手伝って、もの凄い人・人・人・・・。 しかも、この期に及んで、マスクをしていない人が急増しています。 ...
2021年2月28日日曜日
2021年2月27日土曜日
混乱状態のフランスのワクチン接種 コロナウィルスワクチン接種の申し込みをした!

そろそろ、処方箋をもらって、いつも飲んでいる薬をもらっておかなければと、たまたま、私はかかりつけのお医者さんに予約をとっていました。 もう今の家に引っ越して以来のかかりつけの女医さんなので、私の健康状態はもちろんのこと、体調の変化や我が家の歴史などを全て知っていてくれて、気心も知れているし、特に今、体調が悪くて行くわけでもないので、本当に気楽にちょっと彼女の顔を見に行くような気分でした。 私の方もいつもお願いする薬は、リストを作っていて、血圧を測ったり、軽い診察をしてもらって、いつもどおりの処方箋をもらってくるだけのつもりでいました。 「今日はどうしたの?」「いつもの薬の処...
2021年2月26日金曜日
感染悪化し続けるフランス・20の地域における監視強化で3月6日まで様子見

これまで、感染悪化が続きながらも、1日の新規感染者は2万人台を行ったり来たりしていたフランスで、24日(水)には、ついに31,519人と3万人の大台を突破してしまいました。 ロックダウンは、あくまで最終手段としていた政府の方針から、フランス国民の間では、ロックダウンの話題も少し下火になり始めていました。 ところが、先週あたりから、ニース・アルプ・マリティーム県(プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地域圏)での記録的な発生率と前例のない集中治療室の占拠率の増加で、この地域では週末だけのロックダウンが発表され、今週の金曜日の午後6時から月曜日の午前6時まで、とりあえず2週間に渡って、週末...
2021年2月25日木曜日
美食の街・リヨンの学校キャンティーン(給食)の肉排除メニューの波紋

フランスの学校のキャンティーン(給食)のメニューは、たいてい、少なくとも2種類以上のメニューから選べるようになっています。これは、宗教上の理由や、ベジタリアンやアレルギーに対応するために、長いこと行われてきたフランスの学校のキャンティーンの方式です。 メニューだけ見ると、前菜、メイン、デザートのコースになっていて、栄養のバランス等が一応考えられた立派なメニューになっています。 フランスの学校は、日本のように教室で給食を食べることはなく、キャンティーン・食事の場に移動して、食事をするので、キャンティーンの混乱を避けるために、学年ごとに食事の時間がずらされて設定されています。 フランスの学校の先生は、授業を教えることだけが仕事なので、子供たちの食事の世話をしたりすることもありません。(保育園などは別) キャンティーンには、キャンティーンで働く人がいるので、子供の食事を監督する人は、別にいるのです。 しかし、当然、場所を移動して、それぞれにメニューを選んで食事をするのですから、時間もかかりますが、日本のように給食当番があったりして、子供たちが、食事を配ったりすることもないので、その分、時間的には、差し引きゼロというところでしょうか? ここに来て、リヨン市長が、コロナウィルスの感染対策のために、キャンティーンのサービスをスピードアップして、混雑状態を緩和するために、学校のキャンティーンのメニューから肉を排除し、単一メニューにすることを発表し、大きな波紋を呼んでいます。 感染対策のために、キャンティーンのサービスのスピードアップをして、混雑を防ぐために単一メニューにする・・そこまでは、わかるのですが、それが肉排除のメニューに直結するところに不自然さを感じるのです。 これがよりによって、フランス国内でも「美食の街」とされているリヨンでのことなので、特に波紋も大きいことなのかもしれません。 このメニューには、卵や魚まで排除するわけではないので、ベジタリアンメニューではないことや、通常からも肉のメニューよりもより多くの子供たちに受け入れられることで、肉を排除したメニューを選択したなど、理由を連ねていますが、エコロジストのリヨン市長は、かねてより、地球温暖化の原因の一つに肉消費が重く占めていることを主張し続けており、「美食の街で、エコロジストが健康危機を利用して、協議なしにイデオロギー的措置を押し通そうとしている」と、この対応に多くの避難の声が上がっています。 また、この「学校キャンティーンの肉排除メニュー」導入には、さっそく生産者・ブリーダーのデモも起こっており、ジェラルドダルマニン内務大臣は、ツイッターで「スキャンダラスなイデオロギー」とこの対策を非難。 「フランスの農民や肉屋に対する容認できない侮辱に加えて、...
2021年2月24日水曜日
グループ抗争による2件の乱闘事件で、中学生2名死亡 14歳は危険な年齢か?

犯罪の低年齢化は、どこの国でも叫ばれていますが、ここのところ、フランスでは、「14歳」という年齢を頻繁に耳にします。 一昨日、エソンヌ県(イル・ド・フランス地域圏)では、24時間以内に2カ所で、グループ抗争による乱闘が凶暴化し、サンシェロンに住む14歳の少女、ブシー・サンタントワンヌに住む13歳の少年が命を落とすという痛ましい事件が相次いで起こっています。 どちらも人口5,000人、10,000人の小さな街というより村のような一見のどかな場所での出来事、しかも犠牲者が13歳、14歳のティーンエイジャーであったことに衝撃が走っています。 最初に起こった14歳の少女の刺殺事件は、12人の若...
2021年2月23日火曜日
ニース・アルプ・マリティーム県 週末のみのロックダウン
ニース・アルプ・マリティーム県(プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地域圏)での記録的な発生率と前例のない集中治療室の占拠率の増加で、急激な感染悪化が注目され始めたのが、先週末のことでした。 それ以来、この地域をこのまま放置して良いものか? 少なくとも地域的なロックダウンが必要なのではないか? と、政府の発表を今か今かと週末の間中、皆が注目しながら待っていました。 この地域に対する措置は、遅くとも日曜日の夜には発表されているとされていましたが、とうとう発表は、週明けにずれ込むことになってしまいました。 週明けの正午近くに、アルプ・マリティーム県知事から発表された内容は、「今週の金曜日の午後6時から月曜日の午前6時まで、とりあえず2週間に渡って、週末のみのロックダウンを行う」「ロックダウンの形態は、10月の全国的なロックダウンの規則と同じ形態を取る」(外出は、生活必需品の買い物、通院、自宅から半径5...
2021年2月22日月曜日
マクロン大統領のユーチューバーとのチャレンジ企画 Mcfly et Carlito(マクフライとカーリト)
<彼らがマクロン大統領に依頼されて作った動画><Je me souviens> (clip gèstes barrieres) フランス政府は、「あくまでも、ロックダウンは最後の手段」「ロックダウンを回避するために、できる限りのあらゆる努力・試みを行う」という姿勢を貫き続けています。 それは、コマーシャルセンター内の生活必需品以外の店舗の営業停止であったり、夜間外出禁止や、日常生活においての行動制限に対する取締りの強化であったり、ワクチン接種のスピードアップであったりしてきました。 これ以上、何ができるのか?と思っていたら、マクロン大統領は、フランスの若者の間で、最も有名なユーチューバー Mcfly et Carlito(マクフライとカーリト)(登録者数630万人)に若者に向けてのソーシャルディスタンスの重要性を訴えかける動画の作成するように、協力を依頼しています。 当初、エリゼ宮のディレクターから連絡を受け取ったマクフライとカーリトは、よもや、イタズラかデマではないかと疑心暗鬼になり、ディレクターがここが私のオフィスであると、エリゼ宮内の景色を彼らに彼らとの会話中に写して見せている舞台裏の様子もユーチューブにあげられています。 そして、さらには、その後、彼らは、マクロン大統領自らが、彼らに語りかけている動画を受け取ったのです。「Mcfly...
2021年2月21日日曜日
ニースがヤバい 国内平均の5倍の感染値

先週は、大寒波が覆っていたフランスは、氷点下の世界から、今週に入って、気温も徐々に上昇し始め、週末には、パリでさえも最高気温が18℃、ビアリッツでは24℃と、春から初夏を思わせる気候となりました。 気温の上昇、お天気には、すぐに反応するフランス人ですが、久々にやってきたポカポカ陽気に誘われて、人出も多くなり、これまで「あったかい・・」と感じていたマスクが一気に「息苦しくて、暑くて邪魔」に感じられるようになり、マスク率も急降下している感じです。 営業停止のままのレストランやカフェなどは、お店の前に乗り出して、ビールやワインのテイクアウトを始め、テイクアウトした飲み物を持って、人が集まるという昨年にも見かけたような光景が広がっています。 昨年、問題になったサンマルタン運河なども川岸には、隙間なく大勢の若者が座り込み、まるで去年の映像を見ているようでした。 また、パリ6区、サンジェルマンデプレ界隈のRue...
2021年2月20日土曜日
メグジット ヘンリー王子とメーガン妃の王室離脱 フランス人はイギリス王室の話題が大好き

最近は、ずいぶん変わってきたけれど、例えば、駅などで英語でチケットを買おうとしている観光客が、「ここはフランスなんだから、フランス語で話せ!」などと駅員が冷たくあしらわれているのを何度か見かけたことがあります。 パリなど観光で多くの収入を得ている街、どこでも英語が通じるようにならなくてどうする?と思うのですが、残念ながら、そうではありません。 英語とフランス語を比べてみると、読み方が違うだけで、同じ単語も多いので、多分、日本人が英語を学ぶよりもずっと容易いことだと思うのに、なぜか英語を話したがらない人が多いのです。 彼らは、フランス語に誇りを持っていると同時に、英語...
2021年2月19日金曜日
長期コロナ感染症 症状の満ち引きを繰り返す症状 COVID LONG

コロナウィルスによるパンデミックが始まり、約1年が経とうとしています。その間、感染が拡大したり、ロックダウンや夏に向かう気候にも助けられて、一時は減少したりしましたが、秋から冬にかけて、気温の低下とともにウィルスは再び活発化して、感染が拡大し、第1波、第2波、第3波と何回もアップダウンを繰り返しながら、ウィルス自体も変化しながら拡大を続け、オリジナル?のコロナウィルスから、現在、フランスは、当初のコロナウィルスよりもイギリス、南アフリカ、ブラジルなどの変異種が確実に拡大し始めていることに脅威を抱き、警戒を緩めることはできない状態です。 しかし、ここへ来て、変異種の拡大とは、別に、コロナウィルスに感染した場合に症状が長期にわたって続いている症例が多く報告され、COVID...
2021年2月18日木曜日
フランス人は想像以上に日本を知らない

フランスの冷凍食品PICARD(ピカール)で売っているどう見てもフライな鳥の唐揚げ まさか、さすがにフランス人で「日本」という国を知らない人はいません。しかしながら、日本はアジアにある国の一つの島国で、ある程度、豊かな国であり、なんとなくのそれなりのイメージがあるだけで、実のところは、フランス人は一部の人(アニメ・漫画・YouTubeなどで日本の魅力に取り憑かれている人など)を除いて、日本のことは、よく知らないのが実際のところで、思った以上に日本のことは、知られていないんだな・・と思うことがよくあります。 最近は、コロナウィルスのおかげで、「みんながマスクをする習慣がある国・・」という印象が...
2021年2月17日水曜日
緊急事態宣言で感染が減少する日本と、より厳しい制限下でも変わらないフランス

はじめから、桁違いと言えば、それまでですが、日本も年末年始にかけて、感染状況が悪化し始めて、日本での2度目の緊急事態宣言が敷かれたのが、1月7日でした。 それからもしばらく感染状態は悪化していたものの、1月19日前後にピーク?を迎え、それ以降は順調に感染状況も減少し、ほぼ一ヶ月で、12月上旬程度の感染状況にまで戻っています。 それに比べてフランスは・・日本よりもずっと厳しい規制が続いているというのに一向に感染者は減りません。 減らないどころか、変異種がどんどん拡大し、先日、一週間で500件近くも南アフリカ・ブラジル変異種が検出されて、危機感が高まっているモゼル県(フラ...
2021年2月16日火曜日
パリ17区での塩酸による日本人襲撃事件に対するフランスの扱い

先週、パリ17区で在仏日本人が塩酸をかけられた事件は、フランスで起こったことなのに、大きく報道されることもなく、疑問に感じていました。 それが日本人だと知って狙われたものだったのか? アジア人だと思って狙われたものなのか? 個人的な恨みによるものだったのか? それとも無差別テロのようなものだったのか?は、わかりませんが、いきなり不審な人が近付いてきて、顔に塩酸をかけるというのは、いくら治安が悪化してきているパリとて、そうそうあることではなく、一般市民にとっても、恐ろしい事件であることに変わりはありません。 そんな事件がなぜ?騒ぎにならないのか不思議でなりませんでした。 それが...
2021年2月15日月曜日
フランス保健省 各病院に危機管理体制通告

年が明けて、クリスマス・年末年始の人が集まった結果を警戒していたフランスは、ビクビク怯えながら、年明け早々には、ワクチン接種が周囲の国々に比べて極端に遅れていることが発覚して以来、ワクチン問題で大騒ぎになっていました。 ワクチン問題とともに、感染の爆発状態には、ならないものの、毎日毎日の新規感染者は、25,000人前後、集中治療室の患者数は、3,300人前後とジワジワと増加を続け、政府からの会見があるたびに、いよいよ3度目のロックダウンか?とドキドキしながら過ごしてきました。 実際に感染症の専門家達は、ロックダウンの必要性を叫び続ける中、フランス政府は、頑として「あくまでもロ...
2021年2月14日日曜日
南アフリカ変異種による再感染患者の重症例が示しているもの

ここのところ、南アフリカ変異種の拡大がモゼル県(フランス北東部・グラン・テスト地域)での感染が多数検出されたことから、不安視されていますが、この南アフリカ変異種が恐れられている理由の一つに「再感染」が可能であることが挙げられていました。 これまでにも、イギリス、南アフリカ、ブラジルの変異種による再感染の症例はすでに科学文献に記載されていますが、ほとんどの場合、2回目の感染は最初の感染よりも重症度が低くなるというのが定説とされてきました。 ところが、フランスで、南アフリカ変異種に再感染した58歳の患者が重症化したケースが発表され、これまで「2回目の感染は、重症化しにくい」という...
2021年2月13日土曜日
パリ17区で日本人が塩酸を顔にかけられる傷害事件発生

「2月10日(水)夕刻、パリ17区の公共空間において、邦人被害者が友人と3人でいたところ、フードをかぶり、下を向いて歩いてきた3人組(男女不明)から、いきなり顔に向けて液体強酸をかけられるという傷害事件が発生しています」というメールが在仏日本大使館から届きました。 この事件は、現在のところ、フランスの一般メディアでは一切報じられていないので、詳細やその後の捜査については、わかりませんが、つい先日もパリ15区のボーグルネル(特に危険だと見られていなかった地域)で14歳の少年が10人前後の暴漢から酷い暴行を受けて重症を負うという事件が起こったばかりだったため、パリの治安の悪...
2021年2月12日金曜日
フランスが恐れるイギリス・南アフリカ・ブラジル変異種の拡大

フランスでは、イギリス変異種に引き続き、南アフリカ・ブラジル変異種の感染拡大が心配され始めています。 イギリス変異種は、その威力を拡大し続け、先週は、感染者全体の15%程度であったものが、今週には、20〜25%にまで拡大しています。 そして、さらにモゼル県(フランス北東部・グラン・テスト地域)では、ここ4日間に南アフリカ、ブラジル変異種が300件も検出されており、さらに過去を遡れば、これに加えて200件(つまり合計500件以上)が検出されています。 このモゼル県での変異種拡大については、ことに心配されているのは、この感染拡大が、海外旅行によるもの、あるいは旅行者からの感染でも...
2021年2月11日木曜日
娘の日本への留学・再びキャンセル 日本の国立大学は4月以降の留学生を受け付けない

本当なら、我が家の娘は、昨年の9月から、日本の国立大学の大学院に半年間、留学する予定になっていました。 彼女の通うグランゼコールの最後の1年間は、ほぼ、海外でのスタージュや留学での予定で埋められていました。ところが、このコロナウィルスによるパンデミックにより、予定は、大幅に狂ってしまいました。 海外留学を予定していた人の多くは、ここ1年間の世界の変わり様で、予定を変更せざるを得なくなった人が多いと思います。 留学といえば、人生においてのなかなかの重大イベントです。留学する決断をするということも、なかなか勇気のいる決断ですが、それを諦めなければならないというのも、なかなかショッ...
2021年2月10日水曜日
このままロックダウンせずに乗り切ることは可能なのか? コロナウィルスによる死亡者8万人突破
ワクチン接種よりも肉体美が話題を呼んだオリヴィエ・ヴェラン保健相 昨日のテレビ番組のインタビューに応じたオリヴィエ・ヴェラン保健相が、現在のフランスの感染状況や感染対策について、「現在も非常に危険な状況にあることに変わりはないが、現在は、コントロールが不可能な感染拡大や医療崩壊は起こっていない」「このまま、ロックダウンしないまま、乗り切れる可能性もある」と発言したことが、大変な反響を生んでいます。 また、ようやく承認され、接種が開始されたアストラゼネカのワクチンが南アフリカ変異種に対応しないために、南アフリカでのアストラゼネカのワクチン使用を停止になった騒ぎに対しては、自らがアストラゼネカの...
2021年2月9日火曜日
パリで、たまに見かける子供に日本語を教えようとしない日本人の親 バイリンガル教育

娘が生まれて以来、私は、何の疑問もなく、娘に日本語を教えることを自分の使命のように思っていました。日常では、私以外には、日本語を使う人がいない環境で、私が娘に日本語を教えることを諦めてしまえば、絶対に娘は日本語を話すことはできなくなってしまいます。 日本語ができないということは、日本の私の家族や親戚、友人たちとも関わりを持てない、日本人でありながら、日本人ではないような、日本から一枚の壁を隔てた存在になってしまうということです。 そして、私が娘にできる教育の中で、日本語を教えるということは、とりあえずは、私にしかできない、私ができることの中で、最も有意義な教育だとも思っていた...
2021年2月8日月曜日
冬休みのバカンスでスペインに出かけるフランス人

先週の冬休みのバカンス突入前のカステックス首相の会見では、バカンスに全く制限が敷かれなかったことには、私もとても、心配していました。 しかし、もともと、冬休みのバカンスは、クリスマスや夏のバカンスとは違って、バカンスに行かない人も多いため、わざわざ制限するまでもなかったのかな? とも思っていました。 ましてや、このシーズンのバカンスの一番人気であるスキー場も閉鎖されているままなので、例年に比べれば、格段にバカンスに出かける人は、少ないはずなのです。 実際にSNCF(フランス国鉄)は、バカンス突入時のタイミングで、例年のような混雑はなく、混乱もないことを発表していました。 フランス国内は、どこへ行っても18時の夜間外出禁止であり、レストランも、ほとんどの観光施設も閉鎖されているので、バカンスに出かけたところで、思うように楽しむことができず、移動でさえも、宿泊先に18時までに到着しなければならないわけで、制限が多くて、ハードルが高いのです。 ところが、そのハードルを超えて、スペインやイタリアへバカンスに出かけているフランス人が多いことが、問題となっています。本当は閉鎖されているはずの国境を超えてです。 スペインは、政府の方針の違いから、マドリッドなどは、レストランやバー、美術館等も営業していて、夜間外出禁止も21時までというフランスと比べると格段に緩い規制です。 前回、一回目のロックダウンの際もイースターのバカンスの時に国境を超えてスペインのリゾート地に出かけるフランス人が後を絶たずに問題となり、当時、スペインもロックダウン状態だったことから、スペイン人からのひんしゅくを買ったこともありました。 しかし、今回は、スペインでは、比較的、規制の緩い、自由な生活が許されており、普通の日常を求めてフランス人がやってくると言って、取り立ててスペインで問題になることはありません。 フランス人は、フランスでは長い期間営業されていないレストランやバーなどで普通に人と食事をする、かつて、当たり前であったはずの日常生活を楽しむためにスペインやイタリアに出かけているのです。 中でも、マドリッドのレストランなどは、お客さんのうちのかなりの割合はフランス人だと言います。 すでにEU圏内とはいえ、仕事や特別な理由以外で国外への出入国は禁止されているはずなのですが、公共交通機関を使わずに行ける地続きの国へ、車などでの国境突破は、最初のロックダウンの際にも問題になっていましたが、懲りずにバカンスに出かける人が後を絶ちません。 スペインのレストランなどで、インタビューを受けているフランス人は、悪びれることもなく、「これが本来の日常生活だ!」と満面の笑みで答えている様子にやるせない気持ちになります。 その多くは若者ですが、この期に及んで、まだ、「若者は大丈夫」という神話が根強いことを思い知らされます。 スペインは、フランスのような制限がないからとはいえ、感染自体は、実はフランスよりもさらに深刻な状況なのです。1日の新規感染者数は、ヨーロッパで一番多い状況がもう数週間も続いているのです。 もともと、フランス人にとって、スペインはバカンスに出かける場所としては、人気の国で、ちょっと余裕のある人などは、セカンドハウスをスペインに持っているという人も多いのです。 もっとも、スペイン側は、これらの観光客からの収入も含めての経済効果を見込んでの緩い制限を押し通しているわけですから、フランスからの観光客とてウェルカムなのです。 年末年始の制限に失敗した結果と言われているポルトガルの現在の悲惨な医療崩壊の状況が、この制限の甘いスペインに、果たしてはフランスまでやってきてしまう危険は、すぐそこにあるのです。 これらの束の間の、以前のような日常を求める気持ちはわかりますが、今、束の間の楽しみのために、どれだけの犠牲者を生み、今後、さらに長い制限下の生活が続くことになるのかを考えると許せない気持ちです。 バカンスが終わる2月後半から3月にかけての感染拡大が心配されています。 このタイミングは、まさに一年間、まるまるコロナ禍に飲み込まれ、ちょうど一周して、また元の1回目のロックダウンの時のような感染爆発が起こった時期と重なります。 <関連>「バカンス好きにもほどがある!フランス人の国をまたぐコロナウィルス外出禁止違反」https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/04/blog-post_96.html「バカンスを何よりも優先するフランス人 フランスに...
2021年2月7日日曜日
フランスの銀行と日本の銀行

私がフランスに来て以来、フランスの銀行口座は、フランスに到着してすぐに作った口座が一つのみで、ずっと20年以上、過ごしてきました。 私など、大してお金を持っているわけでもなく、いくつもの銀行にばらばらと口座を持っていても、私が死んだ時にできるだけ、面倒をかけないように、シンプルにしておこうと思っていたのです。 私がこれまで使っていた銀行は、いわゆるフランス大手の銀行ではなく、主人の仕事の関係で、外務省関係の人が多く使うという、ちょっと特殊な銀行で、パリにも店舗が一店舗しかなく、用があれば、そこまでわざわざ出向かなければならないので、ちょっと不便だな・・とは思っていたのですが、これまで長いこと、フランスにありがちなトラブルらしいトラブルもほとんどなく、これがフランス人かと思うくらい、対応も早く、いつも感じがよく、なんとなく、そのままにしていたのです。 わざわざ銀行に行くのは、面倒だとはいっても、振り込みや支払いもオンラインやカードで済むようになったし、フランスでは、最近、随分と下火にはなったとはいえ、振り込みの代わりに小切手で支払うことも多かったので(特に払った払わないといういざこざ対応のために、小切手の番号で、これで払ったという証明にすることが簡単なので、これまで私は、結構、小切手も使っていました)、実際に銀行に出向くというのは、クレジットカードの期限が切れて新しいカードを受け取りに行く時か、小切手が切れた際に受け取りに行くくらいしか、銀行に行くことは、ありませんでした。 それが一昨年あたりから、口座管理料(日本の銀行には、ないようですが、フランスでは、口座を持っているだけでお金がかかります)の値段がグングン上がり出したことが、気になり始め、わずかではありますが、一年分の利息が入った時点で、口座管理料がもっと安く、近所にも支店がある銀行に切り替えようと思っていたのです。 ところが、昨年から半年以上続いていた私のビザ(滞在許可証)書き換えがすんなり進まなかったことから、(ビザがないと公的な手続きは何もできない)銀行口座のことも伸ばし伸ばしになっていました。 今年に入って、銀行から送られてきた口座管理料は、年間で200ユーロ以上(約25,000円)、(クレジットカードの手数料等は別)大した金額を管理してもらっているわけでもないのに、こんなに取られるのか!と憤慨し、そこまでお金のかからない新しい銀行の口座開設を申し込んだところです。 そういえば、フランスの銀行には、通帳というものもありません。 クレジットカードにしても、フランスのカードは、日本のようにポイントを貯めるとか、買い物をした分でマイレージが貯まるとか、そんなお得なシステムもないのは、日本のシステムが恨めしい限りです。 日本の銀行も金利は、定期預金でも、普通預金でもほぼ変わらないほどの本当にほぼないに等しいくらいの金利ですが、(フランスの銀行の普通預金には、もともと金利というものは、ありません)フランスも金利がここ数年でグングン下り、比較的金利が良いと言われていたLivret...
2021年2月6日土曜日
オー・ド・フランスの高齢者施設で111人中106人感染のクラスターを起こした新しい変異種の出現

オー・ド・フランス、エーヌ県にある高齢者施設でクラスターが発生していたことが公表され、その感染率等のあまりの数字の高さから、心配する声が上がっています。 1月の初旬に最初の感染が確認されたこの高齢者施設では、すぐに衛生管理を強化し、隔離等の措置と取ったにもかかわらず、111人の居住者のうち106人が感染し、うち27人が死亡するという悲惨な状況を生んでいます。 この感染に関するサンプルを検査した結果、これまでにあまり普及していない変異種の存在が明らかになっています。この変異種は、昨年12月末から中東、アメリカで、1月からはスイス、フランス(ブルゴーニュ)で検出されているものと同種のものであると判明しています。 現在のところは、この新たな変異種がこれまでのコロナウィルス(オリジナル)と比べて、より伝染性、死亡率が高いものかどうかは確認されていません。 CNR...
2021年2月5日金曜日
ロックダウンは最終手段という姿勢は崩さないフランス カステックス首相の記者会見

昨夜、カステックス首相の記者会見が行われるというので、多くのフランス国民が注目していました。とはいえ、先週のような緊急会見ではなく、数日前から予定されていた会見、しかもカステックス首相の会見と聞いていたので、この会見がロックダウンに踏み切る会見とは思っていませんでした。 しかし、今週末から冬休みのバカンスに入るフランスは、バカンスに際して、何らかの制限が加わるのではないかとは思っていました。 18時という約束どおり、きっちり18時に始まった会見にカステックス首相は、なぜか、満面の笑みをたたえて登場し、依然として危険な状態ではあるものの極度の感染爆発は迎えておらず、現在...
2021年2月4日木曜日
「コロナがどういう形であろうと東京オリンピックは開催する」とは何と思いやりのない言葉なのか?
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これまで、東京オリンピックに関しては、これまでフランスでは話題に上ることもありませんでしたが、先日、ちらっとニュースでオリンピックに関するニュースをさらっているのを見かけました。 フランスのラジオ局RTLなどが実施した世論調査によると、今年夏のオリンピックの開催を望まない・開催されないだろうとの回答が多数を占めています。 当然です。世界はオリンピックどころではないのです。 つい先日、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長が「私たちはコロナがどういう形であろうと必ずオリンピックを開催する」「やるかやらないか?という議論を超えて、どうやってやるのか、新し...
2021年2月3日水曜日
コマーシャルセンターのロックダウンとバカンス容認のチグハグ
コマーシャルセンター内の通信関係の店舗も今回の制限で営業停止 滞在許可証の更新のいざこざで、印刷をしなければならない書類が立て込み、印刷用の用紙が一気になくなっていたことに気付いて、慌てて買いに行こうとして、「これは、食料品でもないし、生活必需品でもないから、スーパーマーケットの中の文具類を置いているコーナーも閉鎖になっているはずだから、もしかして、買えない??」と、ちょっとギョッとしながらも、前回のロックダウンの際も、閉鎖とはいえ、ゆるゆるにテープが張られているだけで、きっと買えるな・・と目論んで、近所のコマーシャルセンターに入っているスーパーマーケットに出かけました。 果たして、私の予想を超えて、スーパーマーケット内は、ゆるゆるのテープが張られることもなく、全く何の制限もされておらず、無事に?買い物はできたのです。恐らく、スーパーマーケット側も先週末に発表されたばかりの制限に、急ぐこともないと思っているのか? 注意されたら、テープを貼ればいいくらいに考えているのかもしれません。 しかし、目的の買い物を済ませて、スーパーマーケットを出て、あらためて、コマーシャルセンターの中を見回すと、ほとんどの店がシャッターをおろし、電気も消えてガランとしています。 10月末のロックダウンの時には、生活必需品を扱う店舗の枠には、通信機器を扱う店舗や電気製品を扱う店舗が含まれていたのですが、今回の制限では、それらの店舗は、コマーシャルセンター内では、営業許可になっておらず、全店閉店です。 ロックダウンをしない方向でとしていた政府の発表から、このコマーシャルセンター内の様子を見ると、これは、前回のロックダウン以上だと愕然としました。開いているのは、スーパーマーケットと薬局だけです。これでは、昨年3月の最初のロックダウンの時のようです。 もっともこれは、コマーシャルセンターのことで、一般の小規模の店舗は午後6時までは営業しているわけなので、ロックダウンとは違いますが、コマーシャルセンター内の光景は、ちょっとショッキングでした。 考えてみれば、政府の発表のとおりなのですが、この状況は、私の中で具体的にイメージできていませんでした。 今回の制限は、ロックダウンをしないで感染を抑えるということで、夜間外出禁止の取り締まりも、これまでの3割以上の人数を動員しての厳しいもので、取り締まりにより発生する18時前後の渋滞は、かなりのものです。 ロックダウンをしないとはいえ、かなり厳しい制限下になってきた感じがひしひしとしてきたフランスですが、どうにも解せないのが、今週末から始まる冬休みのバカンス中の制限が今のところ、全くなしで、「どうぞバカンスには、お出かけください」という姿勢です。 海外からの出入国に関しては、EU圏内の例外を除いては、禁止になっているものの、多くの店舗を営業停止にしながら、ここでまた、バカンスにより国内での感染を流通させてしまうことに歯止めをかけないのは、理解不能です。 まったく、フランス人のどこまでもバカンスファーストには、閉口してしまいます。 コマーシャルセンター内のメガネ屋さん(チェーン展開のお店)からは、「現在、コマーシャルセンター内の店舗は営業できませんが、店内には、係のものが待機しているので、営業している店舗との連携をご紹介できますので、お気軽にご相談ください」とSNSでメッセージが入っています。 こんな風に商売熱心なのは、フランスにしたら珍しいことで、度重なる営業停止による必死さが伝わってきます。こんな思いをして、店舗を閉鎖しているのに、「バカンスには、どうぞお出かけください」とするチグハグさには、甚だおさまりのつかない気分です。 昨夜、マクロン大統領は、テレビのインタビューで、夏の終わりまでには、希望者全員にワクチン接種が終了することを約束し、「現在の対応については、毎日、感染者数、病床占拠率(特に集中治療室)、感染率、変異種の拡大推移等を毎日分析して、その時に最も適した対応をしているので、現在の措置に関しては、自信を持っている」と語りました。 その、あまりに自信満々の様子に私は、呆気に取られた気分で、この自信満々でいられるところも一種の才能だと妙な感心をしてしまいました。 しかしながら、心配されるイギリス変異種は、1月1週目には、感染者の7%程度だったものが、現在は、20%にまで上昇しています。 ウィルスが活発になる気候も合間って、このままの感染状況が続けば、一歩でも間違えば、昨年の感染爆発と同じタイミングで2月末から3月にかけて、再び同じ時期に同じことが起こります。今やウィルスが気候の影響を大きく受けているということは、明白ではありますが、しかし、同じことを再び繰り返すのは、あまりに愚かしい気がするのです。<関連>「フランス人の金銭感覚 フランス人は、何にお金を使うのか?」https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/10/blog-post_62.html「バカンスを何よりも優先するフランス人 フランスに...
2021年2月2日火曜日
フランスの文化チャンネル カルチャーボックス Culturebox

フランステレビジョン(国営)は、2月1日から、文化チャンネル・カルチャーボックス(Culturebox)を開設し、コロナウィルス感染対策で文化施設が閉鎖されているため活動ができない状態のアーティストと一般の人々とのつながりを再構築するため、500万ユーロ(約6億4千万円)の予算を投入し、一般家庭の地上波テレビ・チャンネル19で、フランスのあらゆる文化的なプログラムを無料で見ることができるサービスを開始しました。 この無料チャンネルは、文化施設が再開されるまでの期間限定とされていますが、ひとまず、3ヶ月間は、24時間アクセス可能です。 月曜日は、劇場でのミュージカルや演劇など、火曜日は、クラッシック、バレエ、オペラなど、オランジュ音楽祭で歌われるカンタータ「カルミナブラナ」で始まり、レンヌのオペラハウスで行われた「白い貴婦人」なども見ることができます。水曜日はコンサートです。 このように曜日によってプログラムが組まれており、金曜の夜には、コメディの舞台、週末には、ドキュメンタリーや航空ショー、日曜日には、美術館などが見られるようになっています。 また、来週には、学校のバカンスが控えていることもあり、バカンス期間には、「私の最初の白鳥の湖」、「ピーターと狼」、「海中の20,000のリーグ」、「勝者を愛する」などの若者向け、家族向けのプログラムも用意されています。 ...
2021年2月1日月曜日
コロナ禍で、日本では可能でもフランスでは不可能なこと フランス人に黙食はあり得ない

3月からのパンデミックで、フランスで、一番、営業停止期間が長く、割りを食っている業種の一つは、レストラン業界です。3月から5月にかけてのロックダウン期間はもちろんのこと、ロックダウンが解除されても、レストランの営業は、すぐには許可されませんでした。 夏の間の数ヶ月は、営業できたものの、秋からはまた営業停止、昨年以来、営業できたのは、ほんの数ヶ月のみ、今後の営業再開の見込みも全く立っていない状態です。 本当にどうやって、乗り切っているのか、姿を消してしまう店舗もチラホラ目立ち始め、残念で、心が痛みます。 食事の際には、マスクを外さなければならないことから、一番、感染の危険性が高いとされ、...
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