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2023年8月22日火曜日

パリのデパート 私はボン・マルシェを侮っていた・・

 


 私はそもそも、ショッピングというものが、あまり好きではなくて、ましてやデパートで買い物をするなどということは、まずないことで、パリでも滅多にデパートに行くことはありません。

 それでも、ごくごくたまにノエルのデコレーションを見がてらだったり、近くまで行った時にチラッと寄るのは、デパートでも食料品売り場くらいなものです。

 つまり、私がたまにふら~っと見て歩くのは、ギャラリーラファイエットのグルメ館くらいなもので、本館の方は、グルメ館に行くまでの道すがら、外ではなく、本館の中を通り、名だたるブランド物のお店が並んでいる間を横目で眺めながら、相変わらず、ルイヴィトンはすごい行列だ・・とか、セリーヌは今年、こんな感じの新作を出しているのか・・とか思いながら、本当に通り過ぎるだけです。

 パリのデパートといえば、ギャラリーラファイエット、プランタン、そして、サマリテーヌ、ボンマルシェ・・くらいでしょうか?

 中でもやはり、知名度が高く、実際に店舗も多いのはギャラリーラファイエットやプランタンですが、その両巨頭でさえも、相変わらずの人出で賑わっているのは、パリのオスマン通りにある店舗くらいなもので、地方都市にある店舗は業績不振でパンデミック後にけっこうな店舗が閉店となり、縮小されています。

 そもそもGLFのグルメ館にしても、けっこう良い(値段も品物も)ものが集まっているので、効率よく買い物ができるし、また、これまで知らなかった美味しいものを新たに発見できる場所でもあり、たまに覗いてみようと思うのですが、それも、たまたま他のデパートよりも、場所的に我が家からは行き易いというだけの話です。

 先日、たまたまボンマルシェに行く機会があり、「まあ、たまにはいいか・・」くらいの気持ちで、やはりギャラリーラファイエットに行く時のように、グルメ館に行くまでの道をデパートの中を通った方が涼しいし・・くらいの気持ちで本館の方に入ったら、思いのほか、なんとなく、ギャラリーラファイエットよりも、多少、人出が少ないこともあるのか、店内もゆったりとしていて、見やすく、デパート自体のレイアウトやデコレーションを楽しむのであれば、若干、寂しい気もしないでもありませんが、ここはここなりの美しさがあり、なんか、あらためて、「ボンマルシェも悪くないな・・」という気になったのです。



 グルメ館の方へ行くと、なんだか、今や、珍しく感じるようになった日本人観光客と数回すれ違い、「あらら、ここには、日本人がいるんだ・・」と思ったと同時に、なんだか、スターのパティシエのお店が全面に出ているギャラリーラファイエットのグルメ館よりも、スペースも広いこともあるのか、品揃えが多く、また、よりお土産に良さそうなものが多くて、なるほど、日本に住んでいる日本人の方がよくパリを知っているんだな・・と感心した次第です。


 私が、ちょっと嬉しかったのは、ギャラリーラファイエットのグルメ館からは、なぜか撤退して姿を消してしまったBellota Bellota(ベロータベロータ)の生ハムがこちらでは、まだまだ生き残って、イートインのスペースまであって存在していることでした。

 しかし、どちらにせよ、食料品とはいえ、高級品を中心に扱っているだけあって、なんだか、以前に来た時と比べると、値段の高騰がものすごい気がして、「え~?これって、こんなに高かったっけ?」とそれこそ目玉が飛び出る気がしたのでした。


オリジナルのエコバッグもけっこう可愛い


ちょっとおしゃれかも?と思ったキッチンペーパーホルダー


 それでも、食べることの大好きな私、山のような食料品を見て歩くのは、楽しいことで、見飽きることはなく、特に何を買おうというわけでもないのに、ぐるぐる歩き回り、お店を出た時には、身体が冷え切った気がしたくらいです。けっこうな時間、ぐるぐる歩いていたとはいえ、パリで身体が冷えるほどの冷房が効いている場所といのもそうそうあるわけではなく、夏の暑い間はここを散歩して歩くのも悪くないな・・などと、思ったくらいです。

 とはいえ、日常の食生活は、そんなに高級品を食べているわけでもなく、あまり縁がある場所とも思えないのではありますが、日本から友人が来ることがあったら、食料品関係のお土産を探すなら、ボンマルシェはいいかもよ・・とおススメしたい気持ちになりました。


パリのデパート ボンマルシェ


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2023年6月26日月曜日

ずっと食べてみたかったバター Au Bon Beurre オー・ボン・ブール

  


 「エシレバターを超える美味しいバター!」とか、「ボルディエなんて目じゃない!」とか、絶賛する人がいるバターがあって、美味しいものと言えば、食べてみたくなる私は、このバターをずっと探していました。

 そもそも、私は子供の頃はバターというものは、あまり好きではなく、特に嫌いと避けるほどでもないにせよ、パンを食べるときでも、「バターはあってもなくてもいいもの・・」くらいの存在でした。もっとも、私が子供の頃の日本のバターは、今から思えば、そんなに美味しいものでもなかったかもしれません。

 それが、バターが美味しいと思うようになったのは、やはりフランスに来てからのことで、もっとも簡単に美味しいものを・・と思えば、焼き立てのバゲットにエシレバターでもあれば、なかなか満足してしまうほどに、私の中でバターの位置づけは確実にランクアップしました。

 とはいっても、今でも、我が家ではそんなに大量にバターを消費する家ではありませんが、やはり、パンを食べるときには、バターは不可欠になりました。スーパーマーケットに行けば、バターだけでも、かなりのスペースをとっているフランスでは、ごくごくふつうのスーパーでも、常時、数十種類のバターがあります。


ぜ~んぶ、バター


 私はふだんは、このたくさんのバターを食べ比べする・・というほどの情熱はなく、日本でも有名なエシレバターの他にボルディエなども試してみましたが、結局、私にはエシレバターの方が私の好みにはあっているので、これまで、わざわざ別のものに手を出すことはしてきませんでした。

 もっとも、エシレバターは少々、高いので、お料理用には、もう少しお手軽価格のものを使っていますが、そもそも私はあまりバターを使うお料理というものをしないので、そんなには減りません。

 それでも、「このバターを一度食べたら、もう他のバターは食べられない!」などという話を聞けば、「ぜひ、機会があれば一度は食べてみたい!」と思っていたのが、「Au Bon Beuure(オー・ボン・ブール)」というバターで、パリの街を歩いていて、乳製品を扱っているお店があれば、必ず覗いて、そのバターをずっと探していました。

 ラファイエットグルメに行けば、あるかな?と思いつつも、あるかないかもわからないバターだけのために、わざわざラファイエットグルメに行くのもためらわれ、まあ、偶然、見つけたら、嬉しいくらいの感じで、このところずっと、気にかけていたところ、思いがけずに家からわりと近いマルシェにあったのです!




 「灯台下暗しとはまさにこれだわ!」と思いつつも、探して歩いた果てにようやく見つけた喜びは大きく、その日はバゲットもふつうのバゲットではなく、バゲットトラディショナルを買って帰り、このバターをお迎えしました。

 包みを開けると、ふわっと香るバターの香り、色はふつうのバターよりも黄色くて、牛の形のスタンプ?がバターの中央におされています。まず、バターの端っこをちょこっと削って、口に含むと、「味が濃厚・・」というよりも、「とにかく味が濃い・・」ドゥミ・セルという有塩の方を選んだので、すごく細かい塩の粒が時々、舌に触りますが、とても、まろやかで、なめらかです。



 エシレバターがさっぱり感じられるくらい、これは、なかなか濃厚ですが、決して、しつこい感じにならないところが不思議で後味もすっきりしています。

 このバターは、生バターで、長期間の保存ができないので、賞味期限内に食べられるだろうか?と思っていましたが、どうやら、恐ろしいことに、全く問題なさそうです。

 「バターの小さな塊を口に含んで味わいたい・・」、「バターのかけらを口に入れると思わず目を閉じて味わいたくなる」、バターを塗るというよりも「食べたいバター」です。

 これには、圧倒的にバゲットやハード系のパンが合うと思いますが、おかげで、買ってきたバゲットトラディショナルもあっという間になくなり、家にあった食パンを焼いて、このバターをつけて食べたところ、これとて、まずいはずはありません。

 健康のためには、あまりバターはよろしくないと思いつつ、また、危険なものを見つけてしまい、あんなに、あちこち探していたのに、よりによって、このバターを売っていたのが、家の近所のマルシェだったとは・・まるで、これからもこのバターを買うように運命づけられていた?と、嬉しいような、後ろめたいような複雑な気持ちです。

 しかし、美味しいものに出会うことは楽しいことです。

 美味しいものといえば、あっという間に火がつく日本、このバターはどうかな?と思ったら、なんと、楽天やアマゾンでも買えるようです(高いけど・・)。

 すごいな日本の市場!


Au Bon Beurre オー・ボン・ブール


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2023年6月7日水曜日

ユニクロがプリンセス・タムタムとコントワー・デ・コトニエの店舗を大幅閉鎖

  


 ユニクロ・フランスがプリンセス・タムタム (Princesse Tam Tam (ランジェリー)とコントワー・デ・コトニエ(Comptoir des Cotonniers (婦人服)の国内店舗を大幅縮小することを発表したというニュースを聞いて、最初は意味がわかりませんでした。

 この2つのフランスのプレタポルテのブランドは、ユニクロの子会社だということを私はこのニュースを聞くまで知りませんでした。

 ユニクロ・フランス本体は、街を歩いている人が持っているユニクロの紙袋の数や、お店に買い物に行った時の様子などを見るにつけ、どう考えても業績は悪くないと思うのですが、ここのところ、カマイユ、kookai、ピンキー、サンマリーナなどフランスの中堅どころのプレタポルテのブランドは、軒並み倒産が続いています。

 たしかに、フランスのファッション業界は、いわゆるハイブランドか、そうでなければ、かなり思い切った低価格帯のブランドか?両極化しつつある気がします。「フランス人はもはや中堅どころのブランドの名前では買い物をしなくなり、価格で買い物をするようになった・・」とも言われていますが、その中間のところを綱渡りしていけるブランドはそんなに多くなくなってきた気がします。

 今回、ユニクロ(ファーストリテイリング)は、「流通戦略の抜本的見直しプロジェクト」と「販売拠点ネットワークの再編計画」をかかげ、フランスにおける厳しい中堅どころのファッションメーカーのポジションを維持していくために、子会社の中でも、もはや回復の見込みのない、この2つのブランドの55店舗(136店舗中)の閉鎖を検討すると発表し、また、多くの雇用が失われると話題を呼んでいます。

 そもそも、ユニクロがなぜ?この2つのブランドのオーナーになったのか?ということも疑問といえば、疑問でもありますが、そもそもフランスにユニクロが進出した当時は、ユニクロは、その品質には、絶対的な人気があったものの、ファッション的、デザイン的には今一つという評判であったことも否めません。

 そんな中、これらのブランドを買いとることでデザイン性やフランスのファッションブランドの香りを吸収していくことは、彼らにとって一定の狙いがあったのかもしれません。

 しかし、ここ数年の中堅どころのファッションメーカーの急降下の勢いは想像以上に早く、業績不振にあえぐ中堅ブランドは、彼らの顧客層の認識の変化に追いつかず、気が付いた時には、店舗数だけがやたらと過剰に増えており、それと反比例するようにオンライン上での存在感が薄すぎて、それを凌駕する戦略を打ってこなかったことが敗因です。

 おそらく、今回の発表は、現時点では店舗縮小に留まっていますが、すでにユニクロ本体の足を引っ張る存在になりつつあったということだと思います。

 この子会社ブランドの縮小とともに、ユニクロは、パリ・リヴォリ通り店で、アフターサービス、カスタマイズ ワークショップ(リペア・カスタマイズ・リフォーム)を組み合わせた「お直しサービス」を開始すること(3ユーロからの価格で、ボタンの縫い付け、破れの修理、裾上げを依頼できる)、また、使用済のアイテムのリサイクルへの取り組みを開始することも同時に発表しています。

 ユニクロはさらに、NGOと協力して、状態の良い古着を世界中の困っている人々に配布するプロジェクトも開始しています。

 常に何か新しい試みを催し、他のブランドにはないサービスという付加価値をつけることで、他のブランドとの差別化をはかり、また、世界的にも環境問題に積極的に取り組む姿勢をアピールしているあたり、さすが!とうならせられます。

 労働組合が強いフランスでは、店舗の縮小、それに伴う解雇などは、生易しいことではありませんが、会社全体が生き残るためには、不要な人材や店舗を抱え続けるのは命とりです。

 ユニクロがフランスに進出したのは2007年のこと、ラ・デファンスに1号店ができると聞いて、日本人の私は、なんか嬉しくてワクワクしたのを覚えています。当初から、ユニクロは日本式に店員を教育するとかで、お客さんが手に取った洋服はすぐにたたんで棚に戻すとか、レジでは人を待たせないような工夫をするとか、日本人から見たら、当然のサービスを提供するために、フランスでも日本風の店員の教育をしていたため、フランス人がその厳しさに耐えられずに、人がすぐ辞めてしまい、常に求人広告が出ているようでもありましたが、それも店舗が増え、ユニクロがフランスに浸透していくにしたがって、そんな店員の教育も浸透していき、最近では人を待たせないレジどころか、レジ自体の多くがオートレジになってしまいました。

 世の中の変化や流行、人々のショッピングの形態の変化についていけない限り、企業も生き残れないので、ユニクロとしては当然のことをしていると思うのですが、中には、この縮小されるブランドの店舗贔屓の側からすれば、「ユニクロはなぜ、プリンセス・タムタムとコントワー・デ・コトニエを犠牲にするのか?」などという批判じみたタイトルをつける新聞もあったりで、全くそのあたりは、フランスだな・・とも思うのです。

 ただ、現時点では、店舗数縮小を検討するということで、対象店舗の実質的な閉店は2024年7月の予定と1年以上の猶予期間をとっているあたりも、フランスでの解雇の難しさを物語っています。

 それにしても、ユニクロがこんな世界的なブランドになるとは・・。


ユニクロ フランス プリンセス・タムタム  コントワー・デ・コトニエ


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2023年5月17日水曜日

パリのブックオフ BookOff は生き残っていた・・日本語の本、CD、DVDの買取

  


 留学ではなく、一応、期限なしに私が海外で生活することになった時、最初の国はコートジボアール(西アフリカ)だったので、一年中夏ということで、夏服しかいらず、もう家は家具などすべて揃っていたし、あまり物も必要ないと思って、スーツケース一つと大きなボストンバッグだけで日本を出国したのでした。

 今から考えると、全く考えられないことで、ほぼ日本の食べ物なども持たずにずいぶん身軽に出かけたものだと、最初はあんまり、海外生活が(しかもアフリカで)ピンと来ていなかったな・・と思います。

 ただ、その頃、仲良かった友人の一人が、海外で生活するには寂しいこともあるだろうから、自分の拠り所になり得るような自分のものをできるだけ持って行った方がいいよ・・と言ってくれたので、私は日本語の本を別送で段ボール4~5箱分くらい送ったのでした。

 私はとにかく本が好きで、本屋さんに入るとなんか安心する気がするほどで、自分の好きな作家の本などを大量に送ったのでした。アフリカですから、郵便事情もあまりよくなくて、送った段ボールのうち一つは紛失してしまいましたが、事前に送った本は私の到着後、数ヶ月たってから届き、私は大いに日本語の本に慰められたのでした。

 パリに来てからは、日本に帰るたびに、あらかじめ書き留めておいた自分が読みたい本を買い漁り、食料でいっぱいのスーツケースの中には、本にするか、食料にするかを泣く泣く悩みながら、いつしか、パリの家にも、かなりの本が溜まってきました。

 パリのオペラ座界隈にブックオフができたのは、もうかなり前のことで、一時はかなり人気だったと見えて、すぐ近くに2号店(日本語以外の本の扱い)もできるほどで、中古ながら割安な本を手に入れることができて、ずいぶんブックオフでも本を買っていました。

 しかし、そんなブックオフの隆盛も長くは続かず、今では縮小して2号店のみが残っており、その後はあまり頻繁にオペラ界隈には行かなくなったこともあって、パッタリ足が途絶えていたのです。

 それが、先日、たまたま近くを通ったので、懐かしくなって覗いてみたら、縮小されたものの、日本語の本も今でも扱っており、売るだけでなく買取もしてくれるということで、それならば・・と、断捨離中の私は、いよいよ家にたまりにたまった本を少しずつ処分していくことを決意しました。

 家にある日本語の本は、娘の絵本などを除けば、ほぼ全て私の本で、私が少なくとも一度は読んだ本で、どの本にも愛着があり、本当は本が並んでいるだけでも落ち着く感じがするものの、これでは、私がいなくなった後、娘がこれらの本を読むとは到底思えないし、中には、私だって、恐らく、もう二度と読まないであろう本もかなりあります。

 家の近くには、古本を置いておくと好きな人が持っていくスペースがあるのですが、さすがにそれはフランス語かせいぜい英語の本で、そこに私の日本語の小説などを置いたところで、誰も読むわけがありません。

 しかし、もう多分読まないとはいえ、「本を捨てる」ということは、私には、とても抵抗があって、買い取ってくれなくても、もしかしたら、再び誰かが読んでくれたら・・と思ってしまうのです。

 家のあちこちに収まっている本は想像以上にたくさんで、とりあえず、「これはもういいや・・」と思った本を袋に詰め始めると、あっという間に満杯で、車もなく、自分で運ぶことを考えて、持てる範囲でとりあえず一袋をまとめて持っていきました。

 これくらいなら、持てるだろうと減らしたにも関わらず、袋を持ってでかけてしばらくすると、腕が引きちぎれるかと思うほど重く、挙句の果てに駅についたら、「なんで今日に限って??」と駅のエスカレーターは止まっており、ブックオフに着いた時には、もう汗だくでした。

 店員さんが本をチェックして、状態のよい本しか買い取ってはもらえませんが、値段のつかない本に関しても引き取ってくれるところがあるとかで無駄になることはありません。

 本当にいくらにもなりませんが、本を捨てなくても済むというところが私にとってはとても大事。自分でも何でこんなに本に執着するのかわかりませんが、捨てられてしまう本というものが、とても切ないのです。

 それこそアフリカにいたころは、今のようにネットも繋がらず、送った日本語の本も全部読んでしまって、とにかく日本語の活字に飢えていて、意味不明な注意書きまで読んだりした記憶があるからかもしれません。

 最近は、日本の本は持って帰るのも思いし、始末が大変なので、もっぱら電子書籍を利用するようになり、これ以上、我が家には本は増えないであろうとは思いつつ、四半世紀を超える海外生活でたまりにたまった本の数は、半端ではなく、日本人の友人などが家に来ると、フランスにいるのに、こんなに日本の本持ってるの?と呆れられます。

 今日、少し持って行ったくらいでは、全く本が減った感じはなく、まだまだあと、何十回、通うかわかりませんが、これからしばらくは、オペラ界隈に行く度に少しずつ持っていこうと思います。

 最近は、時間が経つのが早くて、1日が24時間ではなく、20時間くらいになってしまったくらいの感覚で、なんだかんだと忙しく、以前に比べると圧倒的に読書量は減ったのですが、それでも本がないと寂しい私です。

 最初に海外に出る時に、自分が落ち着けるようなものを持って行った方がいいといってくれた友人の言葉はやっぱり正しかったなぁ・・と、本の山を見ながら思うのです。


☆BookOff Paris 11 Rue Monsigny, 75002 Paris


ブックオフ パリ BookOff Paris 日本語の本


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2023年5月13日土曜日

2023年パリ・バゲットコンクール グランプリ受賞のバゲット オー・ル・ヴァン・デ・ピレネー


 ここ30年間続いているパリ市が主催するバゲットコンクールですが、今年は30年目という節目の年を迎えて、今年2023年最高のバゲットが発表されました。

 バゲット(バゲットトラディショナル)といえば、昨年、ユネスコ無形文化遺産にも登録されたフランスの誇る食文化でもあり、フランスには数々の美味しい食べ物や料理があるものの、パン、バゲットは、結局、シンプルで手軽で、一番美味しいもののひとつであると私も思っています。

 正確に言えば、コンクールで競われるバゲットトラディショナルは、いわゆる一般的なバゲットとは区別されており、バゲットトラディショナルと称するためには、冷凍をせず、添加物を一切使わずにその場で調理するものに限られており、一般的なバゲットよりもお値段も若干高いのですが、ほんの少しの値段の違いで各段に味は違うので、せっかくならば、フランスでは、バゲットトラディショナルをお求めになることをお勧めいたします。

 今年のバゲットコンクールには、同時刻に176本のバゲットが出品され、その中から126本が選択基準にしたがって選ばれ、同じ条件のもとで審査されました。審査基準には、製品の外観、調理の質、パン粉の硬さ、重量、匂い、そしてもちろん味が含まれます。

 コンクールのグランプリ獲得者には、賞金4,000ユーロ(約60万円)と今後1年間エリゼ宮(大統領官邸)の公式サプライヤーを務めることになります。

 毎年行われているこのバゲットコンクールは、ここ数年の私の楽しみにもなっており、今年もさっそく、今年最高のバゲットを買いに行ってきました。

 グランプリ受賞直後ということで混雑が予想されたので、お昼時は避けて行ったにもかかわらず、お店の前には、行列ができていて、せっかく買いに来たのに、もしかして買えない?とちょっと焦りました。

 行列に並ぶ人々の中には「バゲットコンクールでグランプリ!」をとったのよ!と説明して歩く近所の住民ら式おばさんなどもいて、なんだかお客さんまでウキウキしている感じでした。

 ちょうど私のふたり前くらいでバゲットの入っていた籠が空になってしまったので、一瞬、呆然としたのですが、すぐに奥から焼き立てのバゲットを持ってきてくれて、おかげで正真正銘、焼き立てホヤホヤのバゲットをゲットすることができました。

 本当に手に持つのも熱いくらいホカホカの焼き立てのバゲットは家に帰るまで待っているのがもったいなくて、お店を出るとすぐに食べずにはいられませんでした。

 バゲットをちぎってみると、ほわ~んとした湯気があがるほどのホカホカぶりと、すぐに立ちのぼる香ばしい小麦の香りに大感激。

 すぐに口に運ぶと外はパリッとしていて、中はふわっとしながら、もっちりとした程よいねばりもあり、もう一人でバゲットをほおばりながらニッコニコしてしまいました。

 焼き立てというだけでもかなり、美味しさは倍増して感じられたとも思いますが、冷めてもなお、いや、冷めたら冷めたで余計に味わえる香ばしさと小麦そのものの味に大感激したのでした。

 


 食の好みは人それぞれなので、必ずしも、毎年選ばれるバゲットが最高に美味しい!と感じるわけではなく、「もしかして、去年のお店の方が美味しかったかも??」などと思ってしまうこともあるのですが、今年は文句なしに大満足したバゲットでした。

 今回、グランプリを受賞したのは、スリランカ出身のパン職人で2006年に来仏、その後、イタリアンレストランで仕事をしていたところ、彼の仕事ぶりやパンの味を見込まれてスカウトされてパン屋さんを任されたという人で、すでに2018年には、このグランプリの3位に入賞しており、今回の優勝は待ち焦がれていたもので、優勝の知らせを聞いて泣いてしまったとのこと。

 しかし、驚くことに彼は小麦アレルギーで医者から仕事を辞めるように言われたこともあると笑いながら語り、「とにかく、仕事、パンを焼くことが好きでたまらない!これが自分の趣味だ」という、とにかく真面目でよく働く、根っからの職人気質の人のようです。

 パリ20区は、普段、あまり行く地域ではないのですが、これならまた、バゲットを買うためだけにでも、私はまたきっと行くだろうな・・と思っているのです。美味しいものに出会えることは、本当に楽しいことです。


☆Au Levain des Pyrénées  44 rue des Pyrénées 75020 PARIS


2023年パリ・バゲットコンクール グランプリ オー・ル・ヴァン・デ・ピレネー

バゲットトラディショナル


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2023年5月5日金曜日

マドレーヌ寺院界隈の移り変わり

 


 先日、ある場所に行こうとして出かけたら、外出する前にチェックした時には、何ら問題はなかったのに、途中でメトロが止まっている線があって、急遽、行先を変更して、久しぶりにマドレーヌ界隈に行くことにしました。

 マドレーヌ寺院の界隈は、特によく行く場所というわけではないのですが、それでもぶらりと歩くには、なかなか楽しい場所でもあります。

 この辺りは、パリの中心地のどこからでも比較的アクセスしやすくて、きれいな街なみで、高級食料品店がたくさんある場所でもあるのです。

 以前は、この界隈のランドマーク的(といっても一番のランドマークはマドレーヌ寺院なのですが・・)存在だった高級食材のデパートのようなフォション(FAUCHON)やエディアール(HEDIARD)などは、日本から友人が来たりすると必ず寄ってみたりするお店でした。

 しかし、黄色いベスト運動やパンデミックによるロックダウンで大打撃を受けた後に破産申請して、この界隈を華やかにしていた、あの独特な黒地に白抜きの文字のロゴにピンクがあしらわれているお店の灯は消えてしまいました。

 フォションがなくなって、早や3年が経とうとしていますが、フォションの跡地は、まだ、次のお店が入っていないようでした。


フォションも小さいお店は残っている


 しかし、このインパクトのあるフォションが消えてなお(小さいお店は別の場所に残っています)、この界隈には、私の大好きなメゾンドショコラもあるし、マカロンで有名なラデ、トリュフ専門店、キャビアの専門店、マスタードのマイーユや紅茶のマリアージュフレールなどのお店があり、見るだけでも退屈しないお店がたくさんある場所です。


マリアージュフレール


 どのお店も他でも買える商品もありますが、お店ひとつひとつが趣のある店内のつくりで、マリアージュフレールなどはお店に一歩入ると紅茶の香りに包まれて幸せな気分になれます。

キャビア専門店KASPIA


メゾン・ド・トリュフ


 パンデミック(特にロックダウン)以来、かなりお店の移り変わりが激しいパリですが、老舗と言われるお店もこうして生き残っていてくれるのは嬉しいことでもあります。

 そして、この界隈にくればたいてい立ち寄ってみるイケア(IKEA)(スウェーデンの家庭用品を置いているお店)や以前はバカンス前には必ず行っていた気がするデカトロン(DECATHLON)(お手頃価格のスポーツ用品店)などもあり、高級食料品店とはちょっとは少々、毛色が違うものの、なかなか楽しいお店でもあります。

 しかし、残念なことに、このイケア(IKEA)に関しては、お店がつぶれるわけではありませんが、マドレーヌの店舗は来年(2024年)には、別の場所(イタリア広場 Place d'Italie)のショッピングセンターに現在のマドレーヌの店舗より広い場所に移転してしまうそうです。

 移転先のプラスイタリーの方が交通機関のアクセスもよく、より多くの顧客を見込める立地であるというのが理由だそうですが、個人的には、あまりイタリア広場に出向く機会がなく、マドレーヌ界隈の方がありがたかったので、とても残念です。

 とはいえ、この界隈の食料品店は楽しいとはいえ、高級すぎて、私が実際に買い物をするのは、たまにチョコレートをちょっとだけ買うか、または、キャビア専門店(KASPIA)で扱っているコルニッション(ピクルス)くらいなもので、大した買い物はしないのですが、何となく豊かな気持ちにしてくれる場所でもあります。


メゾンドショコラ



すごく美味しいキャビア専門店のコルニッション


 KASPIAは、キャビアを専門に扱うお店ではあるのですが、私はキャビアにはあまり興味がなく、ここのコルニッションは他ではあまり見かけることがなく、上品な香りで酸味も穏やかで、しかも、そこまで高くないので、わりとよく買います。

 フォションの跡地は他の店舗に比べて面積も広いので、あの場所であの広さの店舗の家賃といったら、なかなか借り手がつかないのかもしれませんが、それを細切れにして、貸さないところは、この街全体のプライドなのかもしれません。

 来年には引っ越してしまうというイケア(IKEA)もそこそこのスペースがあるため、また次の店舗は何になるのかはちょっと心配でもありますが、逆に考えればちょっと楽しみでもあります。

 先日、金持ち凶弾アクションとかで、ルイヴィトンが攻撃されたりしましたが、今、至るところに店舗が増えている感じのするLVMHグループの店舗で、彼らならすんなりは入れてしまいそうな気もするのですが、ここには、LVMHグループではなく、食料品のお店で埋めてほしいと願っています。


マドレーヌ寺院 高級食料品店


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2023年4月28日金曜日

割引、おまけ、それ、あげます・・最近の私のお買い物と食生活

  

マルシェで買ったイチゴとメロンとおまけの生姜 全部で6ユーロ


 最近の私の食生活はベジタリアンというわけではありませんが、野菜や果物を多く摂るようになりました。もともと、どうしてもお肉が食べたいというタイプでもなく、家の近所にマルシェが立つようになってからは、ことさら新鮮な野菜が比較的お手頃価格で手に入るようになったことが大きいかもしれません。

 我が家の近所にはカーフールという大きなスーパーマーケットがあるのですが、インフレのためか、以前のような勢いがなくなり、また、あからさまな値上げぶりと並んでいる商品も若干減り、魅力が一段と欠けた気がして、いつもいつも同じような商品に飽き飽きしてきた感じもしているのです。

 日本に一時帰国してフランスに戻ってきた後に、日本から大量の食料を持ち帰っても、やはり生鮮食料品が必要になって、スーパーマーケットに行った時に、全ての商品が色あせて見えて、物悲しくなる感じにちょっと似ています。

 もうフランスの食料品に嫌気がさしてきて、何をする気もおこらなくなると、バゲットなどのパンを買いにいくか(買い置きができないため、普段はあまりバゲットは買いませんが・・)、ピカールの冷凍食品(といっても主には素材)などに頼ってしまいます。

 このあいだ、たまには、バゲットでも食べようかな?と思い、夕方、「ドゥミバゲット(バゲット半分)ください~」とパン屋さんに行ったら、もうすぐ閉店時間?(といっても16時半くらいだったけど)なのか? たまたま半分にしたバゲットが残っていたからかわかりませんが、半分のバゲットを袋に入れてくれて、お金を払おうとしたら、「お代は結構ですよ!」と店員さんがにっこりパンの入った袋を渡してくれました。


なぜかタダでもらったバゲット


 えっ?売れ残っちゃうからかな?と思ったけれど、普通に売ればいいものをくれちゃうあたり、そんな緩い感じがフランスのいいところだな・・と思いながら、私はバゲットの入った袋をもらって、ごきげんになって家に帰りました。

 バゲット半分でごきげんになる私もずいぶん安いもんですが、ちょっとした優しさで、人は気分が明るくなったり、ほっこりしたりするものです。

 また、その翌日、マルシェで何か目ぼしいものはないかな?と覗いていると、きれいなイチゴが目に入り、「2パックで3ユーロにしとくよ!」と威勢のいいお兄さんに声をかけられ、おもむろにプラスチックの袋を渡されました。どういうわけか、今年はやたらとイチゴを食べることになっている年らしく、ここ1ヶ月ほどで、もうイチゴを一人で何パック食べたかわからないほど食べています。

 なぜか、今年のイチゴは甘くて美味しいです。

 昨年末あたりに、お気に入りのケーキ屋さんをみつけて、ひたすらケーキ屋さん通いをして、ひととおり、そのお店のほぼ全ての種類のケーキを食べつくした後は、なんだか甘いものを食べる習慣がついてしまっていて、「血糖値高めになったかも・・?」などと、今さらのようにちょっと反省して、お菓子はやめて、せめて果物にしようと思った結果、イチゴをやたら食べているのです。

 安い!と思いつつも、いじましくもできるだけきれいなイチゴのパックを選ぼうとイチゴの品定めをしていると、今度はそのお兄さん、「これ!食べてみて!」とメロンを切ってくれたのです。

 メロンは甘すぎて(さんざんケーキを食べておきながらおかしな話ですが・・)普段はあまり食べないのですが、お兄さんが切ってくれたメロンは香りもよく、想像以上に美味しくて、ちょっとびっくりして目を丸くしていたところに、お兄さんが「メロンも2個で3ユーロにしとく!」と言うので、思わずメロンまで買ってしまいました。

 2パックのイチゴと2個のメロンを抱えて、お金を払おうとしていたところに、ちょうどよく生姜が置いてあって、そういえば、生姜が切れてた!と思って、「この生姜いくらですか?」と聞いたら、「生姜はカドー(プレゼント)にする!」と、これまた威勢よく言われて、今度は生姜をタダでもらってきました。

 この間はバゲットをもらったし、今日は生姜をもらっちゃって、せこい話ではあるけど、なんか、最近、ついてるな・・などと、スーパーマーケットではありえない割引やおまけに恵まれるマルシェやお店での買い物を最近、ちょっと見直すようになった自分の単細胞ぶりに、ちょっと苦笑しながらも、今後はカーフールに行く機会はずっと減るだろうな・・となんだか、人が掛け合いをしながらする買い物が楽しくなっている今日この頃です。


パリのマルシェ おまけ


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2023年4月27日木曜日

ファミリーサイズ詐欺 大量パッケージは安いとは限らない

  


 フードウォッチ(Foodwatch)(消費者保護団体)の調査によると、ファミリーサイズなどの大きなパッケージの商品は実は既存のサイズのものよりも、割高の価格で販売されているケースが少なくないことを警告しています。

 一般的な消費者の心理としては、ファミリーサイズや大きなパッケージで同じ商品が大量に入っている場合、当然、お得で割安な印象を受けてしまうので、このファミリーパッケージは思わぬ落とし穴で、「ファミリーサイズ詐欺」などとも呼ばれています。



 これは、かなりショッキングというか、悪質なやり方で、このインフレで何もかもが値上げされている中、原料費、燃料費、人件費など全てが値上がりしているため、商品の値上げは必然だという話もよく聞きますが、このファミリーサイズ詐欺に関しては、全く違うものです。

 我が家は、大家族ではないので、ファミリーサイズなるものをほとんど買ったことはないのですが、そんな落とし穴があるとは知らずに、むしろファミリーサイズは多すぎて買えないな・・などと、ちょっと残念な気さえしていたのです。

 そもそも、スーパーマーケットなどには、他にも落とし穴があって、半額!などと書かれていても、その横に小さな文字で「2つ買うと3つ目が半額」などというのも結構あって、結局は、どの程度安くなっているんだか、すぐには、わからない感じの落とし穴もあります。

 もともと、そんなに大量に買っても仕方がないのですが、たまに買い置きをしておいても間違いなく消費するものなどの場合は、一瞬立ち止まって計算してみて、その結果、本当にお買い得の場合は買うこともありますが、迷った挙句に、結局レジでは、割引されていなかったりもするので、一応、表示してある価格の写真を撮って、レジで金額を間違えられた時のために備えたりするくらいです。(常に戦闘態勢)

 そもそも、フランスに来て以来、ほぼ全てのことに関して信用しておらず、トラブルに遭った場合に備える癖がついています。

 しかし、このファミリーサイズ詐欺は実は2020年から問題視されていて、フードウォッチが警告を続けていたそうなのですが、3年経った現在も現状は変わっていないようです。特に昨年から止まらないどころか加速を続けるインフレの中、消費者は一層、値段に対して注意深くなり、また、ファミリーサイズなどの商品を手にする大家族は、比較的、経済的にも弱い立場にある人々であることも多いことから、弱いものを獲物にした悪質な商売の仕方が非難の対象となりつつあります。

 これは食品メーカー側の卸価格によるものなのか?最終的な価格設定をしている小売店(スーパーマーケット)がやっていることなのかはわかりませんが、いずれにせよ、悪質なことにはかわりありません。

 スーパーマーケットが「アンチインフレバスケット」などと選定された商品に対して価格を値上げしない宣言をしたりしていますが、その陰でこんな詐欺まがいのことをしているとしたら、嫌悪感を感じずにはいられません。

 これは、表示している価格どおりに商品を販売しているわけで、厳密にいえば、これは違法ではありませんが、「ファミリーサイズなどの大きなパッケージは割安である」という消費者の先入観を利用した詐欺まがいの商法でこれに騙されるわけにはいきません。

 それが、しかも、あまり目にしないようなメーカーのものでもなく、むしろ、誰もが知っているようなメーカーの有名な商品であったりするのは、そんなやり方までして儲けようとするところがうんざりさせられるところです。

 そもそも、このインフレも恐らくインフレに乗じて上乗せ値上げをしている商品も少なくない感もしないではなく、こうなったら、マルシェのような売り手と買い手が直接、交渉しつつ買い物ができる場所の方がむしろ信用できるのではないか?と最近、思うようになりました。


ファミリーサイズ詐欺


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2023年4月1日土曜日

おしゃべり好きなフランス人とマルシェ

 


 我が家の、ごくごく近所には、これまでマルシェというものがなくて、近所にマルシェがある人をずっと羨ましく思っていました。

 それでも、コマーシャルセンターがごくごく近くにあるので、特に買い物に不便ということはなく、考えようによっては、マルシェがあるよりもコマーシャルセンターがあった方が広範囲にわたる商品があり、しかも、毎日、営業時間も長くて便利といえば便利でもあったのです。

 特に娘が子供の頃は、「急に学校で、明日○○を持ってきなさい!」などと言われて、「えっ??何?そんな急に言われても!?」という時などには、(学校が終わって、エチュードが終わって、迎えに行って、家に帰ってくるのは、もう午後7時近く・・)コマーシャルセンターがあってよかった・・と思うことも多かったのです。

 しかし、食料品、ことに魚屋さんに関しては、カーフールに入っている魚は、お世辞にも新鮮とは言い難く、しかも種類も限られているので、「マルシェがあったらな~~」とずっと思っていましたが、もはや魚に関しては諦めてもいました。

 でも、やはり日本人としては、魚が恋しくて、未練がましくカーフールに行くと魚屋さんは一応、覗いてみたりもして、時には「これなら、まぁいいっか!」と思って魚を買ったりすることもあるのですが、一度、食あたりでエライ苦しい思いをして以来、どうにも、躊躇うことが多くなり、魚というものを滅多に買うことはなく、もっぱら魚はピカール(Picard)の冷凍のお魚に頼っていました。

 それが、最近、どういうわけか、家のごくごく近所に週1ですが、マルシェが出ることになり、代わり映えのしない近所に新しい楽しみができました。



 マルシェといえば、新鮮な野菜、果物、魚、肉、お花、チーズと見ているだけでも、楽しいのですが、何と言っても人が人に直接、物を売るという、その間に生まれるフランスらしい和気あいあいとした雰囲気や会話も楽しいものです。

 フランス人にはツンとしたイメージがあるかもしれませんが(事実、私もフランスに来るまではフランス人をそんなイメージで見ていました・・)、実際のところは、フランス人はおしゃべり好きで、知らない人とも平気で話す人が多く、どこか下町のおじちゃん、おばちゃんみたいなところがあります。

 もっとも、これには個人差はあると思いますが、そんな下町のおじちゃんやおばちゃんみたいな、人と人の距離が近い感じを、ことさらマルシェでは感じることができます。

 このどこか暖かい感じの雰囲気が、私がフランスの好きなところでもあり、最近では特に心地よく感じるところでもあります。

 そもそも、私はどういうわけか、バス停などでも知らない人に話しかけられることが多く、当初はなぜ?外国人である私なんかに話しかけるんだろう?と思ったりしたこともあったのですが、そもそもパリは外国人だらけなので、そんなに外国人を特別視することもないのです。

 マルシェのおじさんたちは、商売ですから、話すことにも慣れていて、声も大きく、話も楽しく、ちょっとジョークを交えたり、オーバーアクションだったりして、楽しい人が多いのですが、それに加わるお客さんたちも、どこか、ほっこりしていて、スーパーマーケットで淡々と買い物をしている人々よりも、生き生きとしていて、楽しそうなのです。

 そこに流れる暖かい空気感が私は好きなのです。

 また、野菜や果物、魚などの並べ方も、彩り豊かで美しいのも楽しいです。

 マルシェには必ずお花屋さんもあって、けっこうお花屋さんに行列ができたりしているところもパリらしいところで、今日もお花屋さんで「ブーケを作ってくれる?」と頼んでいるおばちゃんがいて、「これは私のためのブーケなの・・」などと言いながら、ひとしきり話をしていく人を見かけました。

 


 デコレーションのつもりか?口の中に思いっきりレモンを突っ込まれているお魚も愛嬌があって可愛いけど、こんなこと、日本じゃ絶対やらないだろうな・・とニヤッとしてみたりもしてしまいます。

 最近、マルシェを出し始めたばかりだからなのか? マルシェの脇ではバンドミュージックのサービスつきで、それが若者ではなく、けっこうな年長者なのも、味わい深いです。

 私は間違いなく、このマルシェの常連になります。

 



マルシェ おしゃべり好きフランス人


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「MADE IN AFRICA」

2023年3月10日金曜日

フォーシーズンズホテルが始めた顧客向け高級ブランド品レンタルサービス

  フフォーシーズンズホテルが始めた顧客向け高級ブランド品レンタルサービス


 フォーシーズンズグループといえば、約36ヵ国に86以上のホテルを持つ高級ホテル業界の堂々たる一員ですが、独自の顧客獲得サービスの一環として、Vivrelle(高級ブランド品レンタルの会員制サービス)と提携して、プライベート レジデンスの顧客に対して、滞在中に高級ブランドのバッグ、アクセサリー、洋服などを共有ワードローブから無料でレンタルできるサービスを導入しています。

 フォーシーズンズホテルは、この新しいサービスについて、「ビジネスミーティング、ロマンチックなディナーなどの場に新しい表現のモデルの一部を提供するとし、あなたを輝かせるために必要なものを揃えてお待ちしております」とうたっています。

 ここで借りることができるのは、プラダ、エルメス、シャネル、ディオールのいずれかから、お客様は滞在中に着用したいハンドバックやジュエリーのモデルを共有ワードローブから無料で選択できるようです。

 プラダを除いて、すべて、フランスのブランドが勢ぞろいなところが、また・・と少々、閉口する感じでもありますが、ランダムに選ばれたブランドというわけでもないであろうし、いわゆる一般的に求められている高級ブランドがこれらのブランドだということなのでしょう。

 考えようによれば、旅先に自分の荷物をそんなに持っていく必要もないだけでなく、自分の持っていない豪華なアイテムを試したり、楽しんだりすることができる機会でもあり、このホテルに泊まれば、色々なファッションを楽しむオプション的な楽しみがついてくるのですから、最新のファッションを楽しみたい人には、なかなか魅力的な試みかもしれません。

 現在のところは、このサービスを行っているのは、ロサンジェルス(ビバリーヒルズ)とヒューストンの2ヶ所だけだそうですが、今後、このようなサービスが今後、他にも広がって行くかもしれません。


 また、今回、フォーシーズンズホテルと提携しているVivrelleは、2018年に設立された、月額料金で高級ブランド デザイナー ハンドバッグとジュエリーの共有クローゼットへのアクセスを提供するユニークなメンバーシップ クラブです。この高級ブランド品レンタルプログラムでは、アイテムとその価値に応じて 4 つの価格設定があり、プログラムによっては、返却期限なしの貸出も可能です。

 メンバーは割引アイテム (メンバー向けに特別に用意されたもの) を購入することもできます。

 そもそもフォーシーズンズホテルの顧客なら、レンタルせずとも高級ブランド品でもなんでも買ってしまいそうな気もしないではありませんが、旅先のフィッティングルームのような楽しみ方もあるのかもしれません。

 今のところ、パリのフォーシーズンズホテルでは、このサービスを行っていませんが、そんな煌びやかに着飾って出かけられるほど、パリは安全な場所でもありません。

 しかし、ホテルがレンタルサービスを提供するという新しいビジネスモデルとしては、全く同じものが対象でなくてもいいわけで、色々とヒントになることがあるかもしれません。

 

フォーシーズンズホテル 高級ブランド品無料レンタルサービス


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2023年3月6日月曜日

大手スーパーマーケットチェーン「カーフール」が提案する「アンチインフレバスケット」

  


 止まらないインフレに、「赤い3月」などと、さらなる価格の上昇が見込まれている中、大手小売業者は、消費者に対して、購買力をサポートするための措置を講じる準備をしています。

 大手スーパーマーケットチェーン「カーフール」は、3 月 15 日から6月15日まで、フランス国内の5,945店舗において、選ばれた200の商品価格をブロックし、固定価格として、値上げしないまま販売することを発表しています。

 2ユーロ未満で販売されるカーフールが選んだ200 の商品は、100の食料品と100の日用品の大きく2つのカテゴリーに分けられています。

 ヨーグルト、卵、新鮮な野菜、缶詰または冷凍野菜、パン、シリアル、牛乳など、リストは長く、このリストには、栄養スコア A または B、バランスの保証がついている製品であることという共通点を持っています。

 あらゆるものの価格が上昇する中、今までよりも食料品のランクを落として買い物をする傾向にある、国民が摂取する食料の質の低下が問題視されている中、これを十分に考慮に入れた選択がなされています。いわゆる「安かろう悪かろう」というわけではない、安いものを安くしているのではないという設定です。

 日用品については、赤ちゃんのおむつなどの衛生用品、スプレッド、小麦粉、さらにはクッキーなどを挙げています。

 具体的にその商品を見ていないので、あまりピンとこないところもありますが、とりあえずは、最低限必要なものが選ばれているとは思うので、ありがたいと言えば、ありがたい措置であるとは、思います。

 しかし、これを素直に受け取って安心しているわけにはいきません。

 このような200の商品の値上げしない宣言をする理由は、顧客を繋ぎとめておこうとする彼らの戦略にほかなりません。実際にカーフールなどの大手のスーパーマーケットが1店舗で扱う商品はおよそ、5万点と言われ、たとえ、200の商品が値上げしないとしても、残りの49,800の商品はこの200の商品の値上げをしない宣言を隠れ蓑にして、着々と値上げしていくのです。

 消費者は、その値上げしない200の商品のうちの何かを買いに行くと同時にしっかり値上げしている商品にも手をのばすことに繋がるのです。

 私などは、だいたい何か必要なものを買い物に行っても、結局は買い物の8割がたは当初予定していなかったものを結局、買ってきてしまうのであって、それを無駄にするわけではなくとも、差し迫って必要でもないものを買ってくるということをするのが常です。

 ということは、節約をするためには、少しでも買い物に行く回数を減らすことが一番よいのではないか?と最近では思うのです。

 いずれにしても、セイフティラインと言われるものの価格上昇を止めてくれるのはありがたいながら、それ以外は、確実に値上げするという宣言でもあるのです。

 残念ながら、現在のところ、価格が下がる要素は何もないのです。


カーフール アンチインフレバスケット 2ユーロ未満 200品目


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2023年3月5日日曜日

モンパルナス駅でお買い物 M&S カヌレ ヨーグルトソフトクリーム

  


 最近、私の個人的なお気に入りスポットの一つは、パリ・モンパルナス駅なのです。TGVも発着する大きな駅はパリには他にいくつかあるのですが、私が最近、時々、モンパルナス駅に出向くのは、いくつかの私のお気に入りのお店があるためなのです。

 お気に入りのお店といっても、それはすべて食料調達なのですが、他には、あまりないお店がどういうわけか、モンパルナスにはいくつかあることで、最近は、定期的に行っています。

 パリで買い物をしたいなら、総合的には、Chatelet(シャトレ)の駅に隣接しているショッピングセンターやその界隈に行けば、まぁまぁ、たいていのメーカーはほぼ全て網羅していると思われるほど、何でも揃うとは思うのですが、このシャトレは、規模も大きく、人も多くて、年齢層も比較的若くて、元気な時には、悪くはないのですが、個人的にはあまり好きではありません。

 若者が多いこともあるのか、近辺のお店、レストランなども比較的、リーゾナブルなお店が多いような気もします。

 しかし、私がモンパルナス駅に行くのには、正直、いくつかの私が行きたいお店があるからなのです。これまでは、駅というのは、旅行に行く際の通過地点でしかありませんでしたが、現在はちょっと違っています。

 まず、私がモンパルナス駅に行く理由の一つは、M&S(マークスアンドスペンサー)というイギリスのスーパーマーケットが入っていることです。以前は、パリ市内にいくつもあったM&Sは、ブレグジットとともに姿を消していきました。




 そんな中で、かろうじて店舗が残っている一つがモンパルナス駅なのです。現在は、MONOPRIX(モノプリ)とジョイントしているような感じ店内の一部でしかありませんが、M&Sの商品はクッキーやケーキなどのお菓子類、パン、紅茶類の一部だけです。

 クッキーなどは、私はフランスのものより、イギリスのものが好きで、これまでも定期的に買っていたもので、私にとってはテンションがあがるお菓子類です。(モノプリと提携しているだけあって、モノプリのポイントカードが使えます)



 そして、2つ目の理由は、「カヌレ」です。モンパルナス駅には、ボルドーでは有名な「La Toque Cuivree」というカヌレ屋さんのスタンドがあり、これがびっくりするほど安いのです。カヌレはフランスではポピュラーなお菓子で、どこのブーランジェリーやパティスリーなどでもたいていおいているものではありますが、これが中途半端に高いのです。



 例えばPAULなどで売っている1個2.4ユーロの大きさのカヌレはこのお店では0.70ユーロです。このお店はボルドーには何軒もある大人気のカヌレ専門店で、逆にパリで他のお店でカヌレをなぜ、こんな高い値段で売っているのか不思議なぐらいです。




 外側はカリッとしていて、中はもっちりしている独特の風味がたまらない逸品です。パリには、このお店はモンパルナス駅にしかないので、(ボルドーからのTGVがモンパルナスに入るからだと思いますが・・)ここでしか買えません。ちょっと、他のお店とは離れた場所にあるものの、知る人ぞ知るといった感じで、いつでもお客さんが並んでいます。

 そして、最近、もう一つ見つけたのが、「Yogurt FACTORY」というヨーグルトアイスクリーム?のお店で、ここのムースのようなソフトクリームのようなヨーグルトアイスクリームが感動的に美味しいのです。




 最初、私は、このお店を知らなくて、トッピングのために並べられているチョコレートやクッキーやマシュマロなどが、ヨーグルトのヘルシーさとは、かなり不釣り合いだなぁ~と思いながら眺めていたら、お店の人が「試食してみませんか?」とヨーグルトアイスを試食させてくれました。

 すると、これが感動的に美味しく、全く期待していなかっただけに衝撃も大きく、「えっ??美味しい~~!」と思わず声をあげてしまいました。

 こうして書いていると、若い頃は全くの辛党で甘いものはどちらかというと苦手だった私がパリに来て、すっかり甘いものが好きになったもんだ・・と我ながら、ちょっと信じられない気持ちではありますが、「美味しいものは甘くても辛くても美味しいのだ・・」と開き直りたくなります。

 この他にも、ちょっと可愛い小物を扱っているようなお店がピンポイントで入っているし、最近は日本のお菓子なども扱いだした「normal(ノーマル)」という日用品や化粧品などをメインにしたディスカウントショップなども入っています。



 駅といえば、単なる通過地点に甘んじてしまう傾向にありますが、最近、私はお買い物をしに、モンパルナス駅に時々、行っています。もっぱら、食べ物ばかりの買い物ですが、ここでしか買えないものが一同に会しているため、ごきげんで通っているのです。


パリ モンパルナス駅 M&S カヌレ ヨーグルトファクトリー


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2023年3月2日木曜日

ハードディスカウントショップの新ブランド「トゥージャスト」 



 

 止まらないインフレの中、これまであまり見ることのなかったハードディスカウントショップが続々と登場していますが、このハードディスカウントショップの中でも、新しいビジネスモデルを構築しようとしている新しいブランド「トゥージャスト」の1号店がアレス(ガール県・オクシタニー地域圏)にオープンしました。

 この新しいブランドは、「他の市場よりも10%安い」価格を提供することで、他のディスカウントストアと競争しようとしています。

 これまでハードディスカウントショップといえば、どちらかといえば、日用品をメインに取り扱っていたイメージがありましたが、今回は、スーパーマーケット寄りというより、まさしくスーパーマーケットです。

 また、それ以前からのディスカウントショップ(低価格帯のスーパーマーケット)としては、Lidl(リドル) や Aldi (アルディ)(ドイツ資本のスーパーマーケット)がありましたが、このリドルやアルディよりも少なくとも5%は安くなることを公言しています。

 このブランドの特徴は、できる限り仲介業者を省き、生産者と直接取り引きしています。

 例えば、このブランドで扱っているガスパチョなどを例に挙げると、通常は、生産者と流通業者の間に仲介業者が存在するために競合他社の間で6.5ユーロで販売されているものを彼らは「2.50 から 2.95 ユーロの間」で販売することができると説明しています。

 トゥージャストのもう1つの特徴は、利益の一部をサプライヤーに支払うことを約束していることです。これらの製品の大部分は消費者に知られていないホワイトラベルであり、あまり知られていない製品を扱うことは、店舗側にとってはある意味リスキーなことでもあるのですが、その代わりに製品の仕入れをギリギリの低価格に抑え、利益が上がった場合にその一部を支払うという新しいビジネスモデルになっています。

 ホワイトブランドにとっては、何よりも製品が売れて、消費者に少しでも知ってもらう機会にもなり、利益が出た場合に追加の報酬も得られるわけですから、生産にもより、真剣に取り組むことになるでしょう。

 また、日頃、食料品などに関しては、ついつい、決まりきった長いこと慣れ親しんでいるメーカー(ブランド)のものを選びがちなのですが、この止まらないインフレが、あまりこれまで見かけたことがなかったブランドのものに手をのばそうとするきっかけになりつつあるということでもあります。

 これまでフランスでは圧倒的に大きなブランド(認知度が高いメーカー)の製品がかなり独占して出回っているイメージがあって、逆に言えば、よく飽きないな・・と思うと同時に、彼らの好みがかなり保守的であることを感じていましたが、このインフレを機に、より多くの小さなブランドがこのようなお店を足掛かりに進出できるチャンスでもあるのかもしれません。

 このお店は、現在1号店をオープンしたばかりですが、2023年末までには、約40店舗に拡大される予定になっています。

 また、当然?割高なフランス産のものばかりではなく、スペイン産のオレンジ ジュース、ポーランド産の鶏もも肉、イスラエル産のクレマンチン(みかん)、さらにはケニア産のサヤインゲンなど、より低価格を追求するために海外からの輸入品も多く扱っています。

 このインフレを機にホワイトブランドに目をつけて、より低価格で仕入れるかわりに利益が出た場合にその一部をディストリビューターに支払うという新しいビジネスモデルがこの先、どう他のマーケットにまで影響するのかはちょっと楽しみなところです。

 今後、パリにもこの店舗ができるかどうかはわかりませんが、より低価格なのは嬉しい限りですが、それ以上に今まで目にしたことのない製品が並んでいるというだけでも、なんだか楽しそうです。

 これが成功すれば、今後、同等のお店ができていくと思いますが、すでに昨年末にオープンしているスペインのプリマプリ、春にはドイツのTEDi、9月にはカーフールの子会社でアタカドンがフランスに上陸する予定になっています。

 いつか日本の「業務スーパー」がフランスに来てくれるかも?と期待しています。


ハードディスカウントショップ トゥージャスト


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2023年2月25日土曜日

「赤い3月」3月にはさらに値上げ 2月のうちに買い物をしていた方がよいのか?

  


 今年に入って、すでに2ヶ月が過ぎようとしていますが、今、フランスでは、来たる3月を「mois de mars rouge」レッドマーチ(赤い3月)などと名付けられ、これまで続いてきたインフレがさらに悪化すると見る向きが多く、「2月のうちに買い物をしておいた方がよいのか?」などという話題が上がってきています。

 これに対し、財務相は、このレッドマーチ(赤い3月)のリスク(特にスーパーマーケットなどでの食料品や日用品に関して)を否定する心強い言葉を表明してくれてはいますが、彼が否定しようとしまいと、すでに、もう2月の段階で価格はかなり上昇しています。

 これまでに、食料品に関しては、この1年で平均13.2%の値上がりしていることが明らかにされていますが、これも、品物によって、かなり差も大きく、大きいものだと、小麦は40%、砂糖45%、ステーキ肉33%となっており、特に小麦を原料とするパンやパスタなどは、そこまで値上がりしているかというと、現在のところそこまでの印象はないものの、今後もこのままで据え置きになることは考え難く、徐々に値上がりすることはやむを得ないかもしれません。

 大手スーパーマーケットチェーンなどは、おおよその年間の仕入れ価格をできるだけ抑えるように交渉を進めるとしているものの、それ以上の努力は難しく、当然のことながら、仕入れ価格に見合った値上げは致し方ないものと半ば開き直っている感じで、品物により、10%~30%の値上げが予想されているようです。

 すでに、かなりの値上げに直面している国民は、4人に1人が食料品の買い物を抑えていると言われており(特に若い世代)、また、価格を抑えるために、これまでよりも食品のランクを下げて買い物しているために、必然的に身体によくないものを摂取する傾向にあり、健康問題にまで発展することが懸念されています。

 私も昨日、たまたまスーパーマーケットに買い物に行って、あまりの値上がりぶりにびっくり! これまで1ユーロで売っていたサラダ(レタス)が1.5ユーロになっていました。そもそも、そんなに高いものではないとはいえ、非常にわかりやすい1ユーロから1.5ユーロという1.5倍の値段に、せこいと思いつつも、なんとなくバカらしい気がして、手を引っ込めてしまったのでした。

 それで注意深く、他の野菜をチェックすると、どれも似たり寄ったりの値上がりぶりで、思わず、ため息が出てしまいました。

 野菜の値段は、これまでもシーズンに左右されることもあったものの、サラダとか、じゃがいも、玉ねぎ、にんじんなどの、比較的、あまり季節感がなく、いつでもお手頃価格なイメージの野菜がこんなに値上がりしているし、(私が今まで気が付かなかっただけで、いつからこの値段になっていたのかはわかりません)これよりさらに、赤い3月などと値上げが続くのかと思うと、この値段の上昇に気持ちもお財布も慣れていくのは大変かもしれません。

 気付いてみれば、コマーシャルセンター全体が低迷していて、テナントの店舗が次々と撤退して、空きスペースも目立っていたところ、さすがに食料品や生活必需品を扱うスーパーマーケットはかろうじて生き残っているものの、こうインフレが進んでは、厳しい状況になっていくかもしれません。実際、価格が上昇しているために売上高は増加しているものの、販売量は減少しているということで、これがインフレによる買い控え、消費低迷ということなのだと身をもって感じています。

 そんなインフレの影響からか、コマーシャルセンター内の撤退した店舗の空きスペースに新たにオープンするのは、2ユーロショップとか、Action(アクション)などのハードディスカウントショップなどの日本でいう100均のようなお店(100円ではないけど・・)で、これが、さすがに安いだけあって、けっこう人も入っていて、結構、売れているのです。

 とはいえ、このようなお店では、さすがに食料品もスナック類やお菓子、せいぜいジャムや乾物のインスタント食品で、生鮮食料品は扱っていません。

 長いこと、日本の100均のようなお店がフランスにも出来たらいいなぁと思っていた私ではありますが、こう続々と登場し、パリらしいお店が消えていくことはそれはそれで、寂しくもあり、まったく常にないものねだりなのかも?とも思うのでした。


mois de mars rouge レッドマーチ 赤い3月 インフレ


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2023年2月23日木曜日

ギャラリー・ラファイエット 26の店舗にセーフガード手続き申請 デパートに未来はあるか?

  



 ここのところ、中規模の服飾品メーカーが相次いで、管財人の管理下におかれ、事実上の倒産状態になったり、経営危機が露わになってきていますが、フランス最大手百貨店もその中に含まれているようです。

 競合他社であるプランタンが国内の7店舗を閉鎖する発表をしたのは、2020年11月のことで、パンデミックが始まった年でもありました。

 この時、すでにギャラリーラファイエットは大丈夫なんだろうか?という思いが、ふと頭をよぎったのですが、どちらにしても、パリの店舗はさすがに同社全体の象徴的な存在でもあり、影響は及ばなかったために、フランス国内の地方の店舗の事情もピンと来なくて、あまり深く考えることもありませんでした。

 今回のギャラリー・ラファイエットのセーフガード手続きというものは、こういう申請の仕方もあるのか?と思ったものの、経営が上手くいっていないことに違いはありません。

 財務省の説明によると、セーフガード手続きの目的は、経営難に陥った企業が負債を清算しながら活動や雇用を維持するために、組織再編を促進することとされており、キャッシュフローが債務を決済するのに十分ではなくなったものの、まだ支払いを停止していない企業を対象に、経済活動や雇用を維持し、確実に債務を返済できるようにするためのものだそうです。

 これにより、債務の利息(法定利息、遅延利息、延滞利息)および課徴金の支払いが停止されます。

 このセーフガード申請の対象には、アジャン、アミアン、アングレーム、バイヨンヌ、ボーヴェ、ベルフォール、ブザンソン、カーン、カンヌなどの店舗が挙げられています。

 どちらにしても、プランタンといい、ギャラリーラファイエットといい、各段に観光客の多いパリの店舗はすっかり復活した観光客に支えられえていると思われますが、どちらにしてもこのデパート、百貨店という営業形態がもはや成り立たなくなりつつあることも事実です。

 私自身、そもそも買い物をあまりしなくなったうえに、ギャラリーラファイエットへ行くのは、ノエルのデコレーションを見に行く時だけで、それ以外は、ごくごくたまに行く、ラファイエットグルメだけ。

 考えてみれば、何か探して買い物に行く際には、「まぁとりあえずデパートに行けばみつかるだろう・・」と思っていたのは遠い昔の話で、今でも広範囲の色々なブランドのものが、置いてあることには違いがないのでしょうが、どうにも、見づらく、また、中途半端に高いという始末の悪さに、デパートで買い物をしようとは思わないのです。

 今は何か欲しい商品があれば、ネットで調べて、ネットで買ってしまう方が簡単なうえに、実物を見て、自分の手で触れてみてから選びたいという場合でも、お店もそれぞれに、簡単に調べて出向くことができるので、わざわざ不特定多数のある程度の商品数がおいてあるデパートに行く必要はないのです。

 ラファイエットグルメなどは、美味しいものがたくさん厳選されておいてあり、たしかに、よくこれだけ集めているなぁと感心するものの、やっぱりお値段は、それぞれのお店よりも若干高めに設定されており、短時間に一度に美味しいものを手に入れるには便利なところではあるのですが、このインフレで商品の価格には、今まで以上に敏感になっている消費者にとっては、敷居が高くなっているかもしれません。

 しかし、パリの店舗を見る限り、店舗はいつもにぎわっている様子なので、大きな問題ではないのかもしれませんが、購買力の弱い地方の店舗にとっては、ギャラリーラファイエットとはいえ、デパートという存在自体が、生き残りが難しくなっているものなのかもしれません。


ギャラリーラファイエット セーフガード手続き申請


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2023年2月21日火曜日

フランスのポップな色合いの可愛い雑貨のお店 ピローヌ(PYLONES)

  


 パリと言えば、可愛い雑貨が溢れているようなイメージもあるかと思いますが、これがそんなに気の利いたものがなかなか見つかるわけでもありません。

 そんな中、ピローヌ(PYLONES)は、カラフルでポップな可愛い雑貨を扱う雑貨屋さんとして、わかりやすい可愛さにあふれるお店で現在、パリ市内には13店舗あります。

 このお店は正真正銘のパリ発祥のお店で、人間、動物、花のシルエットにカラフルなパターンを施した日用品やアクセサリーを中心にした作品を発表し続け、その独特なポップな色合いと華やかさ、便利さやちょっとしたいたずら心を兼ね備えた商品を前面にして、1987年にパリ・サンルイ島に1号店をオープンしたのが始まりです。

 このお店を最初に見つけたのは、もうかなり前のことになりますが、この手のお店にありがちな、可愛くて、ついつい欲しくなって買ってしまったものが家にも数点あります。

 でも、可愛いし、日本へのおみやげにもいいかな?と一瞬、思ったのですが、日本に行った時に、偶然、このお店を見つけて、「なんだ・・日本にもあるんだ・・」と思って調べたら、日本にも、10店舗ほどあるようです。しかし、パリにおいてあるものと、全く同じものが置いてあるのかどうかはわかりません。

 すでに、最近では断捨離もどきのことを始めているため、この手のお店はできるだけスキップして見ないようにしてきたのですが、先日、たまたま通りかかって、なんだか久しぶりに覗いてみようか?という気になり、久しぶりに店内に足を踏み入れました。

 こういうお店は見ているだけでも楽しいもので、なんだか私の場合、中高生くらいの頃に意味もなく、友達とぶらぶらとソニープラザ(今でもあるのかなぁ?)などを眺めて歩いた時のことを思い出します。

 

可愛いふくろうの眼鏡置き

 

てんとう虫のテーブルクリーナーと猫のキッチンタイマー

 

パズルのような鍋敷き

 

折りたたみ傘

 ここの商品は可愛いだけでなく、ちょっと便利ということも、つい手がのびてしまうのですが、この折り畳み傘などは、ちゃんと傘を畳めないフランス人の習性?をうまく利用しているようなところも笑えます。

 

犬や猫のスポンジホルダー

 

 

瓶の栓 ハメるとおぼれている人の足が・・

  

エッフェル塔のチーズおろし

 
猫のバターナイフとちょっとどうかと思う鍋敷き

 

手足が下り曲がる携帯ホルダー

 見ているうちに、なんだか年甲斐もなく一人ではしゃいでいる気分になってしまい、猫好きの私はついつい猫ものに、いちいち過剰に反応してしまいます。

 別に見るだけのつもりが、ついつい買ってしまったのがこちら・・


猫の携帯ホルダー

 しかし、携帯を置いてしまうと猫は見えず、あんまり猫の感じはしないのですが、まぁ、なんとなく、生活の中でにっこりしてしまう物があるのも、楽しいな・・と久しぶりに雑貨屋さんに入って、思ったのでした。

 パリ市内だと1号店のサンルイ島をはじめ、マレ地区やルーブル美術館の地下にもあり、また、東駅、サンラザール駅、モンパルナス駅の駅ビル内にもあります。

ピローヌ(PYLONES)

 ちょっと、楽しいお買い物、ウィンドーショッピングをしたい方には、ちょっと覗いてみたらいいかもしれません。


ピローヌ(PYLONES) パリの雑貨屋さん


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