2024年6月5日水曜日

シャルルドゴール空港の詐欺広告 ロストバゲージ販売

  


 インスタグラム(Instagram)を覗いていたら、CDG(シャルルドゴール空港)の広告サイトが出てきて、「BAGAGE PERDU」(ロストバゲージ)を売っているというCDG空港の広告で、「ロストバゲージになったまま放置されている荷物を1つ1.95ユーロで売ります!」というものがあって、いろいろと、突っ込みどころが満載だな・・と思いながら、見てみました。

 もともと「ロストバゲージでおなじみの・・」というか、ロストバゲージは珍しくはないヨーロッパの空港(個人的には、CDGで荷物がなくなったことはありません)で、昨年だったか、一昨年だったかの空港のストライキ、また、それに重なっておきた荷物輸送のベルト?機器の故障などで、夏のバカンスのはじめの頃だったと思いますが、荷物が空港に山積みになり、持ち主の手に戻るのに数ヶ月かかるとか、もう回収不可能だ・・なんて話もあったので、そういえば、常に空港には、ロストバゲージ・・持ち主の手に渡っていない荷物が恒常的にあるのだろうな・・などと思ったのです。

 日本でも鉄道の忘れ物などが、時々、チャリティみたいに売られているという話も聞いたことがあるので、CDG空港でも、こういうのってあるのかな?と一瞬、思いました。

 しかし、それにしても、誰のものか?中身は何なのか?もわからないままに、スーツケースごと売るってどうなのよ? 買うにしたって、気味悪いだろし・・などと、この小さなインスタの中の広告に、一瞬のうちに色々なことを考えました。

 結論を先に言えば、これは詐欺なのですが、この広告は、広告料を払って掲載してあるもので、Instagram側は広告料を取って、詐欺広告を流しているわけで、「なんで規制しないの??」と思いました。

 このロストバゲージ販売のサイトは、パリ・シャルルドゴール空港になりすましたサイトで、本物のシャルルドゴール空港のサイトではありません。

 この広告では、「私たちの空港には紛失した荷物を保管するスペースがなく、空港ではさまざまなアイテムや電子機器が入ったスーツケースをたったの1.95ユーロで販売している」というものです。

 調べてみると、これは、最近に始まったものではないらしく、以前にもFacebookでも同様の詐欺広告が流されて、警告が出されています。

 結局、この詐欺は、購入しようとした者の銀行データを回収して、その銀行からお金を抜き取るというものです。

 InstagramやFacebookなどのSNSで、意外な情報に出会えることもたくさんあるのですが、それに乗っかるカタチで、必ずこのような詐欺も登場するので、いざ、もしも、購入・・と思いきる段に、一度、冷静に考える必要があります。

 このシャルルドゴールの詐欺サイトによるロストバゲージ販売は、ご丁寧に実際にこれを利用した感謝と喜びに溢れる客を装ったコメントまでついています。

 個人情報をうるさく言うわりには、なにかを購入する際のカード情報などには、ついうっかりしがち・・SNSには、有用な情報とともに詐欺も溢れています。

 しかし、ロストバゲージを販売とは・・詐欺にしてもすごい発想です。


シャルルドゴール空港 ロストバゲージ販売


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2024年6月4日火曜日

健康サプリグミ市場の飛躍的な躍進に警鐘

 



 どんな業界にもトレンドというか、流行のようなものがありますが、ここ数年、フランスでは、健康サプリグミの売り上げが爆発的に伸びているそうで、その形状や効能、味、香りなどからも、たしかに流行りそうだな・・という感じはします。

 この健康サプリグミの売上は2021年に90%、2022年に131%、2023年に47%増加しているそうです。

 そもそも健康のためにとか、美容のためにという商品には、ついつい心を動かされがちなのは、人間の心情ではありますが、それが本当に良いのかどうか?は、正直、あまりわかっていないままに、「まぁ、なんとなく、使ってみよう・・とか、飲んでみようか・・」というような曖昧な理由であることも少なくありません。

 しかも、最近、大幅にその売上げを伸ばしているという「健康サプリグミ」の類は、一応、健康上や美容上の効能をうたっている薬の一種でありながら、ちょっと、アミューズ感覚のキャンディのようなお菓子のようでもあり、色といい、香りといい、なかなか魅惑的にできています。

 市場がのびればのびるほど、様々な効用のものが登場していますが、脱毛、睡眠障害、肥満、ストレス、活力の欠如などを解消すると言われているものが多く、価格も比較的、高価(15ユーロから30ユーロ以上の価格設定)なものが多いようです。

 これらは医薬品ではないので、ネット上でも多く出回っていますが、薬局で扱われているものも多く、心情的には薬局で買えば、少し安心だし、薬局で扱っているものの方がたしかなもので、よく効きそう・・という心理も働くかもしれません。

 しかし、冷静に考えれば、一般的な薬に比べて、効能がハッキリしないわりには、薬でもないために保険等のカバーはゼロ。まことに割に合わない気もします。

 まあ、一種の嗜好品のようでもあり、流行りというか、トレンドのようなところもあるので、それを楽しんでいると思えば、そういう性質のものかもしれませんが、この発売元などは、上手いやり方をしているな・・とも思います。

 もともと、健康のためとか、美容のためというのは、弱いところを突かれる感じがしますが、それが単なるサプリのカプセル錠などではなく、フランス人の国民食とも言えるようなグミに近づけたあたり、これは、人気を呼ばないわけはないな・・と思います。

 HARIBOなどのグミ?は、本当にフランス人のソウルフード?と言えるような駄菓子で、なにより彼らが小さいときから食べつけているもので、ついつい手がのびてしまうもののひとつです。

 このグミのキャンディーのようなもので内容量を健康サプリの中身をまぜて膨らまして高く売るのは、上手いやり方、売れないわけないな・・儲からないわけないな・・と思います。

 しかし、これらの過剰摂取による副作用も報告され始めており、専門家たちは、「栄養補助食品や植物サプリメントに含まれる多くの物質は、肝障害の原因になる可能性が高いため、一時的な摂取にとどめ、長期間継続しての服用には注意が必用である」と警鐘をならしています。

 私は、そうでなくとも飲まなくてはならない医者から処方されている薬が多いために、それ以外の薬はできるだけ減らしたい方で、サプリ?に近いものといえば、たまにビタミンCを思い出したように飲む程度。

 健康によいものは、できるだけ食品で美味しく摂取できるように、必要な栄養素が含まれた食品を探して、工夫して自分の好みに合うようにお料理したりしています。

 けっこうお高めのサプリを買うくらいだったら、けっこう良い食材が買えそう・・などと、食い意地満載の私であります。


健康サプリグミ 売上げ爆増


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2024年6月3日月曜日

セーヌ川に5万リットルの汚水流出 パリ市長とマクロン大統領はセーヌ川で泳げるか?

  


 パリオリンピックのトライアスロン等の水泳競技を行う予定であるセーヌ川の水質汚染については、この計画が発表されて以来、常に注目され続け、今年の4月初旬の段階で、未だセーヌ川の水質が水泳競技を行えるほどには改善していないことが指摘され、イル・ド・フランスは、「雨天時の衛生網を改善する作業が4月と5月に開始され、浄水場の消毒装置を稼働させることによりセーヌ川の水質はオリンピックでも維持される」と釈明していました。

 さらにはその後、その釈明を支えるかのごとく、マクロン大統領は、オリンピックの前には、「自分がセーヌ川に泳ぎに行く!」と公言したことが話題となっていました。

 また、5月初旬のセーヌ川の浄化のために落成したオーステルリッツの貯水池落成の前後には、これでセーヌ川の水質改善に大きな一歩が進んだとし、アンヌ・イダルゴパリ市長は、「私は、6月23日にセーヌ川で泳ぎます!」と、日にち指定で予告していました。

 この発言の際には、彼女より前にセーヌ川で泳ぐと宣言していたマクロン大統領は一緒に泳ぐのか?などという声も上がりましたが、この時には、マクロン大統領は、このセーヌ川での水泳大会?については、日程を発表することはありませんでした。

 オリンピック聖火がもう到着し、現在はフランス国内を周遊中であり、まさに、もうオリンピック開催までの導火線に火がつけられている感じの現在、パリ近郊イヴリーヌ県にある浄水場のポンプが故障し、5万リットルの汚水がセーヌ川に流出するという事態が起こりました。

 この故障の原因は堆積した廃棄物(天文学的な量のおしりふき、生理用ナプキン、タンポンなど)だそうで、この場所では年間1,400万立方メートルの廃水を処理しているところを今回の事故により、現段階では5万リットルの汚水がセーヌ川に流出してしまったことが確認されています。

 この5万リットルの汚水がセーヌ川全体の水質汚染にどの程度、影響するかは、わかりませんが、5月初旬に落成したと言われていたオーステルリッツの貯水池もまだ稼働していないそうで、控え目に言っても、現在のセーヌ川の水質は、2ヶ月前に比べて改善されている可能性は、かなり低いと考えざるを得ないのが、自然だと思われます。

 この水質の問題に関しては、天候もまた、大きく影響する(大会開催側は、オリンピックが開催される夏の期間は「強い日差し、少ない降水量、長い日照時間、少ない川の流れ」となる川の状況も異なるものであり、水泳は可能である)と釈明していましたが、あいにく、パリ近郊は、あいにくのいつになく雨の多い天気がずっと続いています。

 この大会をセーヌ川で行うためには、大腸菌と腸球菌の濃度が 1,000 コロニー形成単位、つまり大腸菌では 100 ml、腸球菌では 400 cfu/100 ml を超えないようにすることが不可欠で、さもなければ、水泳選手が結膜炎、胃腸炎、ブドウ球菌に罹患する危険があると言われています。

 この際、マクロン大統領やパリ市長が泳ぐかどうかではなく、オリンピック選手が泳げるかどうかという現実問題がすぐそこに差し迫っているのです。

 6月1日からは、毎日、水質検体が採取され、悪い結果が検出された場合はキャンセルされます。その場合、トライアスロンは水泳競技なしの「デュアスロン」となり、10キロ自由形は削除されることになると、選手らは懸念しています。

 まだ、結果が出たわけではありませんが、どうにもヤキモキさせるこの計画です。どちらにしても、このトライアスロンの選手には大変にお気の毒なことです。


セーヌ川に5万リットル汚水流出 パリオリンピックトライアスロン


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2024年6月2日日曜日

シトロエンの大規模リコール 原因は日本製のエアバッグ 

  


 フランス大手自動車メーカー「シトロエン」が5月初め以来、約24万5千台の車をリコールし、その対応に追われ、波紋が多岐に及んでいます。

 このニュースに目が留まったのは、この大規模リコールの原因が日本のメーカー「タカタ社」製のエアバッグが原因ということで、安心と安全、絶対の信頼性を誇る日本製品の欠陥問題ということでギョッとしたのでした。

 このリコール対象となっているのは、2009年から2019年にかけて生産された18万1,734台のC3と6万5,149台のDS3で、エアバッグを駆動するガスが原因で、湿気や熱でガスが劣化し、乗員に重傷を負わせる可能性があるということで、該当車両を保有している人に対して、機器を交換するまでは運転しないように呼び掛けています。

 運転しないようにと言われても、コレクションでもあるまいし、日常的に利用している車が使えなくなることは、ユーザーにとっては一大事。シトロエンは、代理店の人員を拡大して、代替車の手配および機器の交換対応にあたっているとのことですが、まるで対応が追い付かずに大混乱を起こしているようです。

 大手仏紙(ル・パリジャン)によれば、このエアバッグ搭載の車で起こった複数の自動車事故(重傷・致命的な障害とも)について、すでにいくつかの司法捜査が開始され、顔や腕に重度の切断を伴う数人の死亡と重傷が報告されていると報道しています。

 また、このリコールに関して、集団民事訴訟が準備中だということで、騒動は簡単にはおさまりそうもありません。

 この問題のタカタのエアバッグの問題は、急に浮上したものではないようで、この製品に関わる死亡事故が2014年にアメリカで、フランスの海外領土(グアドループ、レユニオンなど)では2019年に事故が発生していたにもかかわらず、これを問題視せずに今回の大規模リコールを行うまでにあまりにも時間がかかりすぎているシトロエン側にも非難の声が上がっています。

 おおもとの「タカタ」に関しては、この欠陥エアバッグのリコールで超多額の負債を負い、経営破綻しているようです。

 また、2023年に車を運転中だった息子が死亡した事件について、被害者家族は、この原因がエアバッグによるものであったと告訴し、司法捜査が開始されている例も紹介されています。事故発生時にこの息子が乗っていた車は現在、リコールの対象となっている車であり、車の中で発見された発射物によって即死。息子の目と脳に穴をあけたような記録があるとのこと。青年の家族は、この金属物体の発射は欠陥のあるエアバッグによるものであると訴えています。

 この問題のエアバッグは、エアバッグに含まれるガスや推進剤の劣化に関連しており、事故が発生した場合、エアバッグが作動すると、粒子や小さな部品がエアバッグとともに飛び散り、怪我をする可能性があると説明されています。特に、この劣化は、高温多湿の地域で多く起こっているということで、時速 300 km で金属部品を発射できる強力なガスである推進剤の爆発に繋がると言われています。

 犠牲者家族は、「2014年にはすでに、日本の下請け会社タカタ社が製造したエアバッグが米国とアジアで死亡事故を引き起こしていたにもかかわらず、なぜこれまで全容が明らかにされなかったのか、私たちには理解できません。責任者が処罰されるまでは、絶対にあきらめない!」と怒りをあらわにしています。

 そもそも事故の際に危険から身を守るはずのエアバッグから危険物が発せられていたという事実は、やるせないというより許せない気持ちであるのはもっともなことです。

 また、このリコール対応が長引けば長引くほど、問題が注目されていくわけで、シトロエンにとっては、ますます、より大きな問題を抱えることになり、6月中旬に新型電動シトロエンC3を発売する予定のシトロエンにとっては、最悪のタイミングになってしまったと言われています。


シトロエン大規模リコール エアバッグ


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2024年6月1日土曜日

パリ市内を爆音で低空飛行するオリンピック準備のヘリコプター

  


 ここ数日、家にいても、大型のヘリコプターが飛んでいく爆音が度々、聞こえてきて、最初は大して気にもとめなかったのですが、それが、あまりに度々なので、「あれれ?パリ祭のデフィレの予行演習???いやいや、まだちょっと時期が早いな・・」と不思議に思って、「なにか事故とか事件があったのかな?」と思っていました。

 家の窓から上空に飛んでいくヘリコプターを見ると、ふだん、なにかが起こった時に飛んでいくヘリコプターよりも少し大きめかな?と思ったのですが、それは、おそらく距離の問題で、そのヘリコプターはかなり低空を飛んでいるのであって、その理由はわかりませんでした。

 ただ、低空飛行をしている場合は、かなり音も近く聞こえるせいか、なかなかな爆音です。

 のちに報道を見ると、これはどうやら、パリオリンピックの運営準備を目的として、パリ市周辺の地図を作製するためのものだそうで、あらためてヘリコプターを飛ばしてこのために地図を作製するとは、大変なことだ・・と思いました。

 フランスでは、国内治安部隊が2000年代からジオマティクス(地理科学とコンピュータ科学の組み合わせ)を使用して大量のデータを組み込んだ正確な地図を作製し、実際の警備に国内治安部隊が警備体制の意思決定を容易にするためにデジタル地理データを収集、処理、分析して備えるとしています。この地図には治安部隊の位置、避難経路、危険な地域などが表示されるそうです。

 私は、これまで自分の住んでいる場所でオリンピックが開催されるという経験をしたことがないので、オリンピックの前ってこんな準備までするものなんだ・・ということは、驚きで、例えば、前回のオリンピックを開催した東京でもこういうことをやっていたのかな? 知らなかった・・と思いました。

 このオリンピックの準備のための大型ヘリコプターは、国家憲兵隊のもので、パリ市内、結構、広範囲、詳細にわたり網羅して飛んでいた模様で、とにかくその詳細を知るためなのかどうか、かなり低空を飛んでいたことが特徴で、極めつけには、エッフェル塔の真下も通過したということで、なかなかアクロバティックな感じで、間近にいた人にとっては、大迫力というか、ちょっと怖いくらいだったに違いありません。

 今年のパリ祭は、オリンピックとの融合を目指すと言われており、軍事パレードなども例年とは違うコースを取ることが発表されているので、パリ祭の花形のひとつである航空ショーの部分もルートが違うのかもしれませんし、また、オリンピックの開会式でもおそらく、別のカタチで航空機がトリコロールやオリンピックカラーの噴煙を撒きながら、飛んでいくような演出がされているのだと思います。

 細かいところを言えば、もうとっくに始まっているパリオリンピックの準備ですが、本格的な準備がこのヘリコプターの爆音とともに、スイッチが入った気がしています。

 これまで報道などで、何万人規模の警戒体制をとるとか、通行証がなければ、通行止めになる場所があるとか、閉鎖される駅がいくつもあるとか・・話では聞いていたのですが、具体的には、イメージできておらず、こうやってヘリコプターの爆音が聞こえてきたりすると、もっと実感として迫ってきた感じを受けています。

 このヘリコプターに加えて、現在、パリ12区には憲兵隊5,000人がオリンピック期間中に駐屯するためのキャンプが突貫工事で建設中とのことです。このキャンプに滞在するのは5,000人ですが、全国では国内治安部隊、警察、憲兵隊全てを含めると4万5,000人が警戒にあたるというのですから、凄いものです。


パリオリンピック ヘリコプター低空飛行


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2024年5月31日金曜日

チープフレーション、シュリンクフレーションに続いてストレッチフレーション

 


 インフレに加速がついてくるにしたがって、商品価格の上昇を少しでも抑えるために?、あるいは販売価格を据え置きにするために、パッケージの内容量を減らしたり、原料の質を落としたりするチープフレーションやシュリンクフレーションが問題にされ、フードウォッチ(食品分野の製品に対する安全で健康的で適正価格の透明化を求め、人にも環境にも害を及ぼさないために消費者への情報を提供し闘うNGO団体)が、問題のある商品、メーカーを名指しして、ピンポイントで、指摘し、製造元メーカーに異議を申し立てたりしていたことが一時、話題になっていました。

 チープフレーション、シュリンクフレーションなど、いつもは、そんなに内容量など注意して買い物していなかったので、それ以来、少しは気をつけるようになりました。

 あれ?なんか、これ小さくなってない?と目に見えるほど違っていることは、あまりないのですが(そもそも目立たないようにやっているのだろうけど・・)、エシレバターの小さいサイズのものが125gから100gに変わっていたのは、さすがに「ちっちゃ!」となり、苦笑しました。

 まさに手を変え品をかえ、製造元メーカーの騙し比べといった感じで、ウンザリしますが、どちらにしても、ごまかされる感じは消費者としては不愉快です。

 それがまた今度は、「ストレッチフレーション」というのを聞いて、手を変え品を変えのまた別パターンで、内容量を増やして、割引をするのですが、実質的には値上がりしているというもので、この「ストレッチフレーション」という言葉は今回初めて知りました。

 ファミリーサイズは実はお得ではないパターンがあるというのと一緒で、メーカーが店頭での価格引き上げを偽装するために、内容量を増やして、一見、余計に割引しているように見せて、実は着実に内容量より値上げ率の方がずっと高くなっているというやり方です。

 よく内容量「60g増!」などと大仰に赤文字がついていたりして、実際には内容量15%増で、価格は35%あがっているなどという、錯覚を利用した騙しのテクニックのようです。

 よくよく見れば、きちんと内容量も金額も記載されているどおりなので、騙しているわけではなく、よく見ていない方が悪いということになるのかもしれませんが、これらの手口は食料品では頻繁に行われていることのようです。

 最近、よく見るのは2個買うと3個目が半額とか無料とか、そういった類のものが多くなって、一人の私は、そんなにいらないので、この手の恩恵に預かることはありませんが、それでも、時々、買い置きできるものに関しては、この3個目が割引もしくは無料になった場合の1個あたりの金額を計算しなおし、1個の値段はこれだけだから・・これなら安いかも?と思えば、たまに買うことはあります。自分でもよくよく疑い深いと思います。

 そのうえ、必ずしもレジを通したときに、表示どおりに割引されていない場合もあるので、その表示の写真を撮り、苦情の準備までします。あるいは、セルフレジの場合などは、それだけ別会計にして、しっかり表示どおりの割引になっていなければ、キャンセルします。

 まったく、自分でも、ちょっとの買い物に執念深い嫌な客だと思いながらも、騙されるのは、悔しいのです。いったん、支払ってしまって、「ちゃんと割引されていない」などと苦情を言っても、返金はしてくれますが、「受付に行って手続きしてもらって!」などと言われて、すごく面倒くさいので、できるだけ被害は最小限にとどめたいのです。

 私はどちらかといえば、ざっくり勘定のタイプだったので、フランスに来て以来、しばらくは、まるでレジを信じ切っていたのですが、ある時から、スーパーで野菜を測りステッカーを自分で張るのにも、その出てくるステッカーのキロ当たりの値段が違っていることをそばにいたおばさんに気を付けて!それ値段違っているわよ!と注意されたり、また、割引と書いてあるから、当然、割り引かれていると思って支払っていたら、あとでレシートをよく見たら、全く割引になっていなかったりということがあってからは、もう全てに対して疑い深くなりました。

 結局、あとで、「え~?うそ?騙された~~!」と嫌な気持ちになりたくないので、自己防衛の一種の哀しいフランス生活の知恵です。


ストレッチフレーション


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2024年5月30日木曜日

子どものお稽古事 習い事

  


 絶賛子育て中の女性たちの会話を小耳にはさんで、特にまだ小さい子どもを持つママたちは、子どもに何をやらせてあげればよいのか?子どもにとって良い教育とはどんなことなのか? とっても一生懸命に話をしているのを聞いて、なんだか、昔の自分の子育てをしていた頃を思い出し、「私もなんかもう、無条件に必死だったな・・」と、なんか、そんなママたちを見て、「そうだよね・・子どもに少しでもよいことをさせてあげたいよね・・わかるわかる・・がんばれ!」という、なんかそのママたちがとても愛おしいような気持ちになりました。

 私の場合は、とにかく何よりも娘には日本語をしっかり身につけてほしかったので、娘に一番、最初に始めたのは日本語の教育でした。私の最優先事項は決まっていたので、とにかく私は娘には日本語のみで話し、日本語の絵本を毎晩、夜2冊を読み聞かせをし、日本語の単語のカードなどを自分で作ったりして日本語を教えていました。

 まずは、日本語の読み書きができるだけ億劫に感じにくくなるようにと、フランスの学校(実際には幼稚園ですが、フランスでは学校扱い)が始まるまえには2歳で公文に通い始め、えんぴつの持ち方から日本人の先生に(私以外の日本人の人からということも大切だと思って)日本語で教わり、最初は線を引くところから始まり、それから毎週1回、当時はシャンゼリゼにあった教室にしばらく通い、その後はオペラ座近辺の教室に通いました。公文は本当は週2回通えるのですが、スケジュール的に無理だったので、1週間分の宿題をもらって週1にしてもらっていました。

 送り迎えも大変でしたが、毎日の宿題をやらせるのがホント、大変でした。毎日、毎日の積み重ね・・我ながらよく続いたものだと感心します。これらのことは、私が子どもの頃に母から受けた英語教育にちょっと通ずるところもある気がしています。

 私が子どもの頃は、母が私に少しずつ英語を教えてくれていたので(これは外に習いに行ったわけではなく母がずっと教えてくれました)、毎晩、寝る前には英語のお話のテープを聞きながら、ベッドに入るようになっていたので、子どもの頃はそのお話を英語で暗唱できたりしました。小さい頃だったからこそ、できたことです。

 しかし、娘には私も少しだけ英語を教えかけたこともあったのですが、途中でギブアップ、ただし、夫が存命中は夫とは英語で話すようにしていたので、そこに娘がフランス語で割って介入してくることはあったので、ある程度は聞き取れていたかもしれません。

 そして、娘には、私の小さい頃の憧れもあり、バレエをやらせたいと思っていました。もともとは、ほんとに親の勝手な趣味的発想です。しかし、パリにいるからこそ、そんなに高くない月謝で、しかもラッキーなことに先生は、元オペラ座でソロで踊っていたバレエダンサーでした。

 パリで女の子のお稽古事といえば、バレエは定番なのですが、そんなこととは関係なく、これは、単に、私が子どもの頃にやりたかったのにできなかった・・という私の勝手な希望でした。最初、娘はあまり乗り気ではなく、「じゃあ、一回、行ってみて、嫌だったら、やめよう!」と連れて行ったら、娘はたった1回で「やっぱりやりたい!」と変わりました。

 それが4歳くらいだったと思います。当時、娘はピンクのお年頃で、もう何から何までピンクがいいという頃、ピンクのチュチュを着た、ちっちゃなナルシスト集団みたいなところでしたが、結局、彼女は高校に入るくらいまで続けていました。

 日本語はともかくバレエは特に将来なにかにはっきりと役立つというものでもないのですが、しいて言えば、バレエというものはあらゆるダンスの基本のようなものでやってみると地味にキツいもので、しいて言えば、体幹が鍛えられ、姿勢よく成長できたかもしれません。

 私はずっとフルタイムで働いていたので、とにかくどこへ行くにも送り迎えが必用なフランス(小学校卒業までは)で、彼女のお稽古事は私が送り迎えができる日に集中させる必要があり、これ以上は無理でした。

 水泳等は、休みの日、時間が空いていると近所の市民プールに連れていき、私が教えていたので、娘は、しっかり泳げるようになっていました。ただ、ある時、(8歳くらい?)夫が急に水泳をやらせたいと言い出し、自分が送り迎えをするからと、平日の夕方の時間で週1で水泳のクラスに通わせていたこともありました。

 その他には、学校の合宿等で、乗馬をやっていたこともあったし、これまた学校の中のアクティビティでフェンシングなどのコースを取っていたこともありました。フェンシングなどは、これは、性格的にも合ってるのでは?と私は思っていたものの、1年のみで、やっぱりあんまり好きじゃない・・と彼女はあっさりやめてしまいました。

 その後、夏休みや冬休みのコロニーでは春には乗馬の合宿、夏にはサーフィンやダイビングなどのマリンスポーツ、冬にはスキーと、お稽古事というわけではありませんが、色々なスポーツに触れさせることができました。

 これらのコロニー合宿は夫が亡くなってからの話で、長い夏休みをはじめとする学校のバカンスに私一人でお休みをとって付き合いきれなかった苦肉の策で、夫の元同僚だった人が、財務省(夫の勤務先)の職員の遺族補助が使えるから、通常よりもずいぶん安く行かせてあげられると紹介してくれたもので、まさに不幸中の幸いで、おそらく娘にとっては、私と過ごすよりも豊かな体験ができたのではないか?と思っています。

 ただ一つ、心残りといえば、心残りなことは、私が小さい頃からお稽古事としてやらせてもらってきたピアノをやらせてあげられなかったことで、当時、絶対音感は小さいうちに訓練しないと・・などと思っていたので、小さい頃に私自身が娘にピアノを教え始めていたのですが、どうにも彼女はピアノが楽しくないらしく、どんなに動いても決して音を上げない娘がピアノに関しては、すぐに「手が痛くなっちゃった・・」と言い始め、音に関しても、音ではなく、鍵盤の位置を数えて覚えようとする不思議な子で、他のスケジュールがキツキツだったこともあり、私は早々に「時間の無駄だ・・」と諦めてしまったのです。

 今から思えば、それをどう楽しく感じさせることができるのか?というのが親の力量だったのかもしれませんが、私には、当時、そんな余裕がありませんでした。

 後に「のだめカンタービレ」というドラマが流行ったときに、娘は「やっぱりピアノやりたかった・・」などと言っていたことがありましたが、結局、お稽古事とか習い事は、本人がやっていて楽しいかどうか?というのが続けられるかどうかの判断基準なのではないか?とも思います。

 「好きこそものの上手なれ」とか言いますが、なにをするにしても一定の努力が必用ですが、好きなこと、好きなものであれば、その努力がしやすいということで、それは、お稽古事に限らず、学業の専攻や職業を選択する際にも、よい判断基準なのかもしれないと思っています。

 その子どもの特性によって、合う合わないは色々あると思うので、一概にどのお稽古事がよいということも言えないと思いますが、とにかく少しでもとっかかりのあるものをとりあえず、やらせてみて、続けられるかどうか?本人が楽しんでできるかどうか?ということを試してみるのがよいかと思います。

 とりあえず、私が一番、優先的に考えていた日本語教育に関しては、小さい頃は、「日本語のできない子は日本に連れていけない」と言って、日本行きを餌にして、好き嫌いにうむをいわせない感じにして、とにかくやるのがあたりまえ・・という雰囲気になっていました。

 今となれば、私の念が通じ、彼女は日本でフランスの会社で日本語、フランス語、英語を使って仕事ができているので、結果的には、日本語教育はまことに頑張って続けた甲斐のあった習い事?となりましたが、結果として、はっきり見えるカタチではなくても、小さい頃に色々なことを経験し、一定の期間続けるということは、なんらかの意味があることだと思っているので、忙しい暮らしの中で送り迎え等、頑張っているママさんたちには、エールを送りたいと思います。

 本当に子どもの頃、スポンジのように様々なことを学習する、体験する時期をどのように過ごすかということは、その人の一生にとっても大きなことなのではないか?と思うのです。この時期を逃してしまうのは、本当にもったいないです。


子どものお稽古事 習い事


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