そもそも私が海外に出ても、日本の国民年金の支払いを続けてきたのは、「けっこう長い間、日本で会社勤めをしていた分の厚生年金を無駄にしてしまうのはもったいないわよ・・」という母の助言があったからで、しかし、後になって考えてみるとその後の支払いの方がずっと長かったわけで、今となっては、支払い続けた方がよかったのか?それとも、支払い続けていてやっぱりよかったのかは、よくわからないな・・と思ったりもします。
現在、すでに年金を受給できている人々はまだ、マシとしても、将来、年金をもらえる年齢に達した時には、一体、どれほどの年金がもらえることやら、この高齢化社会に拍車がかかっている日本では、期待ができないのが正直なところでもあります。
しかし、すでに、あまり考えることなく、自動引き落としにして、支払い続けてきてしまった私としては、これまで支払ってきた期間よりも、この先支払う期間の方が短いわけで、もうこの際、今さら支払いをストップするまでもないと思ってきました。
なんだか、エンドレスに支払いが続くように感じていた国民年金の支払いも60歳の誕生日の1ヶ月前には終了するという話を昨年、友人から聞いたので、それが終われば、すぐに受給できなくても、とりあえず支払いからは解放されるだけでもいいな・・などと、お気楽に考えていたのです。
しかも、フランスは日本と社会保障協定を結んでいるので、フランスでの就労期間分と合算して計算してくれるという話も聞いていたので、今回、日本に一時帰国した際に年金事務所に出向いて、色々と説明を受けてきました。
私が年金事務所に行ったのは、3月末で、まずは、見当たらなくなってしまった日本の年金手帳を再発行してもらい(今年4月からは年金手帳は不要になり、基礎年金番号さえ自分で控えておけばよいことになったらしい)、現在の私の年金の支払い状況やフランスとの合算の話を聞いてみました。
すると、それ以前にショッキングなことは、海外在住者の年金支払いの場合は、任意加入のために、そのまま放置しておくと支払いは65歳まで続いてしまうとのこと。もちろん、任意加入を停止すれば、その時点で年金の支払いは終わりますが、その分、受給額はそこまでの分で計算されるために、当然、65歳まで支払った場合と比べると年間にして10万円程度少なくなりますとのこと。
つまり、これまで海外に在住しながら年金を支払い続けてきた場合、60歳になった段階で、支払い停止の手続きをしなければ、自動的にさらに5年間の支払いは続くということです。
年金事務所の人の説明によると、「年金の支払いは年額約20万円、それを5年間続けて支払ったとすると100万円、その後、10年間受給できれば、元が取れます」「日本女性の平均寿命は87歳ですから、恐らくお支払いになっても元は取れるかと・・」「しかし、任意ですから、すでに最低期間はお支払いになっておられますから、ご希望になられれば、いつでもお支払いを停止することはできます」とのこと。
はっきり言って、そんなこと言われても、自分の寿命なんてわからないし、もともと、年間10万円増えたところで、どれほどのものなのかもピンとこないために、これについては、まだ先のことでもあり、保留することに・・。
次にフランスの就労期間分との合算については、「あなたの場合、日本の分だけで受給資格に達していますので、日本で受給することに関してはフランスの分を合算する必要はないので、フランスの方で受給期間が達していない場合はフランスの方でお問合せください」という、どうにも両国内での合算に関しては消極的な回答。
わかったような、わからないような、私自身もまだ先のことで、あまり具体的に考えていなかったこともあるのですが、それぞれに受給資格に達している場合は別々に受給して下さいということなのでしょうか?
日本もフランスも年金が受給できる年齢は年々、上がっていくので、一体、いつのことになるのやら・・。
フランスでは、大統領選挙を目前に控えていて、選挙前の大統領候補者の公約には、定年の年齢の設定が必ず入っていますが、私が定年を迎えるまでに、あと何回、大統領が変わるのかわかりません。フランスとて定年の年齢が早まることは考えづらく、どちらにしても、今から色々と考えても、結局は、どんどん制度は変わっていくし、なるようにしかならない・・という結論に達するのです。
「あなたの場合、この国民年金の受給額プラス厚生年金の分が加算されますよ」とのことでしたが、いずれにしても、日本の年金だけで生活できるような額になるとは到底、思えないわけで、今さら年金のことをあれこれと考えるよりも、その他の手段を考える方が賢明のような気がしてしまったのでした。
海外在住者の日本の国民年金支払い
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