2025年1月7日火曜日

キャンセルされたエアフランスの払い戻しに3年かかったという話

  


 今、フランスでは、昨年中に決まらなかった2025年の予算案が審議されている最中ですが、あの問題の航空券に課せられる連帯税の大幅値上げの話はどうなるのか?と調べていたところ、全然、違う話、「3年かかってエアフランスの払い戻し金をようやく受け取った人」の話をみつけ、「ヤレヤレ・・やっぱりこれは勘弁してほしい話だな・・」と思ってしまいました。

 事の発端は、2022年1月のことで、マダガスカルに行く予定だった男性は出発当日、空港にまで出向いていたにもかかわらず、直前になってフライトがキャンセルされたことを知りました。エールフランスは、このキャンセルに対して、代替便の提供もせず、払い戻しもしませんでした。

 そもそもこのキャンセルの理由がわかりませんが、払い戻し問題以前に当日の航空会社からのドタキャンって、「それはないでしょ!」という話です。

 ふつう、旅行先のホテルなどだって、予約してますよね・・それらのキャンセルにだって、当日となれば、キャンセル料がかかりますよね・・!!

 彼は、航空券の料金として、1200ユーロを支払っていましたので、当然、この金額の払い戻しを請求しましたが、エアフランスは、これを却下していました。

 ストライキやトラブルの多いフランスで、エアフランスなどは、当然、フライトのキャンセルや払い戻しに対しても、慣れていると思うのですが、なぜ、頑なにいつまでも、エアフランスが、この程度(大きな航空会社にとって)の金額の払い戻しを渋ったのか、腑に落ちません。

 このようなことも起こり得ないではないとは思うのですが、よっぽどたちの悪い、いい加減な、いじわるな人にあたってしまったのかな?(どんな業界でも、そういう人もどこでもいないわけではないというか、たまに遭遇します・・)とも思います。

 しかし、この男性は、決して諦めなかったようで、連邦消費者組合(UFC-Que Choisir)にこの手続きを支援してほしいと要請し、エアフランスはマルセイユ裁判所から、1,200ユーロ+遅延金600ユーロ=合計1,800ユーロの支払い命令を受け、この男性は3年がかりでようやく払い戻しを受けることに成功しています。

 この連邦消費者組合(UFC-Que Choisir)は、航空券のみならず、消費者に情報を提供し、適切なアドバイスを行い消費者保護を目的とした協会で、フランス全土に350ヶ所の受付ポイントがあります。

 フランス全土に4,500人のボランティアが定期的なサービスを提供し、憲法71-1130 第 63条に基づいた消費者へのアドバイスや専門家との紛争解決を支援してくれるそうです。

 できれば、お世話になりたくありませんが、いざというときに、このような協会があるということも知っていれば、なにかの手助けになるかもしれません。

 私自身、エアフランスのお世話になってきたこともあったのですが、一度、日本から帰ってくるフライトが前日にキャンセルされ、その時は、代替便を提供してくれたものの、半日、前倒しのフライトで、しかも直行便が経由便に変更され、焦ったことがありました。

 考えてみれば、直行便と経由便は、通常、値段は違うので、差額を請求してもよかったとも思うのですが、面倒で請求はしませんでした。しかし、それ以来、できればエアフランスは避けたい・・と思うようになってしまいました。

 やっぱり、こういうことに関しては、日本の航空会社の方が安心なのです。


エアフランス払い戻し


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2025年1月6日月曜日

1月8日キセル乗車の取り締まり強化

 

 


 UTPF(公共鉄道交通連合)によると、キセル乗車の未回収の罰金は、年間8億7,100万ユーロにものぼると言います。未回収分がこれだけあるということは、回収している分も併せると一体、どれだけキセル乗車をしている人がいるのかと、驚かされます。

 私は、ふだん、パリかパリ郊外しか移動していないので、ほぼRATP(パリ交通公団)しか利用していないのですが、その範囲内でも、ここ数年で、バスやメトロでのコントロール(検札)が増えた気がしています。

 このコントロールに遭遇すると、大概、誰かが違反切符を切られているのを見かけはするのですが、それでも、年間でここまでの金額に至っているのには、驚きです。

 そこで、UTPF(公共鉄道交通連合)は、1月8日から「Stop Fraude」と呼ばれる新システムを導入し、財務総局(DGFiP)のファイルにアクセスできるようになり、違反者の正確な住所情報をその日のうちに確認できるようになると言います。このシステムの導入により、罰金回収率の向上に繋げるとしています。

 このキセルの違反者がどういう経緯で罰金を払わないまま放置できるのか?この罰金切符と言われるものが、これまで本人に正確に届いていなかったのか?、コントロールで捕まった時に、偽の住所を提出しているのか?多くの場合は、IDカードを確認しているようなのに、これで罰金切符(罰金の請求書)が届かないというのは、どういうことなのか? また、長年、これを放置してきたのか?と実に疑問に思うことは多いです。

 私はキセルをしたことがないので、詳しい事はわかりませんが、特に旅行者などに対して、よく交通システムがわかっていないゆえに、正しいチケットを持っていないような場合でも容赦なく、罰金を徴収していたり、チケットやカードを持っていても、チケットを機械に通し損ねていたり、「チン!」というチェックをし忘れていたりする場合に罰金を請求されていたり、ほとんど「言いがかり」みたいなコントロールを見かけることもあります。

 ともかくも、この新しいシステムは、SNCF(フランス国鉄)、RATP(パリ交通公団、Keolis、Transdev、RTM(マルセイユ公共交通網)、Tisseo(トゥールーズネットワーク)の6社によってスタートします。

 他のネットワークも3ヶ月以内にこれがスタートする予定になっており、合計約150社の都市ネットワークオペレーターが集結するそうです。

 ただし、当面の間は、検察官自身がその場で違反者の住所を確認することはできないため、その確認作業は、「当日内に」ということになっています。

 しかし、罰金未払いが、果たして罰金切符(罰金の請求書)の未払いが本人に正確に届いていないという理由なのかどうかは、甚だ疑問に感じるところではあります。


キセル取り締まり強化


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2025年1月5日日曜日

リーダープライス(Leader Price) 宙ぶらりん従業員の悲劇

  


 リーダープライス(Leader Price)はフランスの低価格帯のスーパーマーケットチェーンのひとつでしたが、1997年にカジノグループ(スーパーマーケット・カジノ・モノプリ等)の子会社となりました。

 リーダープライスは、フランスでも有名なスーパーマーケットチェーンではありますが、私にとっては、近所に店舗がないため、あまり縁がないスーパーマーケットでした。

 ところが、リーダープライスはカジノグループ傘下になってもなお、業績不振が続いていたようで、カジノグループの資産処分計画の対象となり、2020年3月にカジノグループは、リーダープライス656店舗のうち、567店舗と同ブランドの3倉庫を7億3,500万ユーロでアルディ・フランス(ALDI France)に売却しています。

 カジノグループはその後も残りのフランチャイズの店舗と同様にリーダープライスブランドを維持し続けていましたが、2022年12月に、ノルマンディーとオー・ド・フランスにある残りの90店舗をLPブランドで再スタートすることを発表。同時に特定のリーダープライスの商品は同グループのスーパーマーケットカジノなどでも取り扱いを拡大することも発表していました。

 しかし、2024年上半期の業績の中で、フランスのリーダープライスのフランチャイズは、廃止されたと発表。

 紆余曲折を経て、どうにもこうにも改善できなかったリーダープライスは、悲惨な末路を迎え、中には、1ユーロという象徴的な価格で売り出される店舗まで登場していたようです。

 ところが、この1ユーロで売られた数店舗のオーナーが交代したのは、3月のこと、それから徐々にサプライヤーへの支払いも滞り、従業員への給与の支払いも遅れがちになり、直近3ヶ月~4ヶ月にわたって、給与が支払われなくなったということです。商品も入らず、お店の中はガラガラで開店休業状態。

 店舗の売却は、いわゆる「居抜き」の状態で売却されたために、本来ならば、従業員からしたら、オーナーが交代したとしても、そのまま働くことができるわけです。ところが、徐々に給与が支払われなくなって、お店にも商品が入らなくなり、開店休業状態になり、とうとう給与もストップ。

 給与の支払いなしに、3ヶ月も4ヶ月も放置されていることに業を煮やして、彼らは、CGT(組合)に通報したところ、同オーナーの所有する店舗5店舗が同様の状態にあることが発覚した模様です。

 彼らは、全員、病気休暇の手続きをとったものの、そんな状態を続けることは不可能で、解雇なら解雇で正式に手続きをとってくれれば、それなりに法的に保護された失業手当を受けることが可能であるのに、それもできずに宙ぶらりんの状態です。

 一部では、失業者天国とも言われるフランスで、こんな酷いことが起こり得るのか?と驚くばかりですが、彼らは訴えを起こし、1月16日にパリ商事裁判所で審問が行われることになっており、彼らの訴えが認められれば、ようやく彼らには正当な契約解除手続きが行われることになり、失業保険が受給できるようになります。

 このオーナーがどのような人で、どのようなつもりで店舗を購入したのかはわかりませんが、そもそも業界大手でも手におえなかった店舗の経営を甘く見ていたのかもしれませんが、従業員にとっては、大変な災難。解雇より酷い宙ぶらりん状態・・こんなことあるの?と思ってしまいました。


リーダープライス Leader Price


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2025年1月4日土曜日

パリにいると、お天気が良いだけでとりあえずとても嬉しい

  


 いつのまにか、お天気が良いと、とりあえずとても嬉しくて、気分が上がるようになっています。これがいつ頃からのことなのか?自分では自覚がないのですが、とりあえず、ここ数年は特に、お天気が良いと気分が全然、違います。

 以前もそうだったかどうかというと、仕事や育児に追われていたせいもあるかもしれませんが、お天気の良し悪しは、そこまで気にも留めていなかった気がします。さすがに雨が降っていると、嫌だな・・と思ったり、学校へのお迎えの時間(17時半から18時頃)に限って雨が降ってくるんだよな~~と思ったりすることはありました。

 しかし、何よりもここ数年は特に、相対的にお天気の悪い日が増えたし、以前は雨が降ることはあっても、さっと降ってさっとやんでしまう・・つまり、傘を持ち歩く必要がない程度の雨だったのに、近年は、一日中雨・・翌日もまた雨・・なんていう日も少なくありません。

 パリは、場所にもよりますが、街並みがきれいで、本当にお天気が良いと歩いているだけでも気分がよい街で、また、都会にもかかわらず高層ビルはあまりないので、空が広いのです。

 私は東京生まれ、東京育ちですが、お天気が良くて、今のようにウキウキした気持ちになることはありませんでした。

 なので、空が青ければ、よりインパクトが強く青く、逆に天気が悪ければ、くもり=グレーの空が広がります。

 冬の間は、とりあえず天気が良くても、むしろ天気が良い方が気温が低かったりもするのですが、寒くてもお天気の方が断然、嬉しい!そんな感じです。

 どちらかといえば、出不精で、家にいる時間はそれはそれで楽しめる私がお天気が良い日は出かけないと(といっても、特に特別な場所ではないけれど・・)損した気分になります。

 私がこんな風に変わったのは、(というよりパリに住んでいる人の多くが感じていることだと思いますが・・)それだけ、お天気が以前ほどには、あたりまえではなくなった・・貴重なものになった・・ということなのかもしれません。

 何ごとも、失くしてから、その貴重さを再確認するということがあると思いますが、まさに、パリのお天気の良い日は、全く失くしてしまったわけではないけれど、以前よりも少なくなったのだと思います。

 まったく人間とは、贅沢なものだと思うのですが、私はアフリカに住んでいた頃、それはもう、ほぼ一年中、暑くて暑くて、まさに灼熱地獄。ごくごくたま~に朝、起きて曇っていたりすると心の底からホッとしたことを時々、思い出すのです。


パリのお天気


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2025年1月3日金曜日

1月3日はフランスで最も死亡者の多い日

  


 「フランスでは、1月3日に死者数が年間最多になる」という話は、四半世紀近くフランスにいる私でも、今まで全然、知りませんでした。

 しかし、これは、どうやら紛れもない事実なようで、2004年から2023年の間、1月3日というこの日は、平均1,900人が命を落としています。

 この数字は、通常?平均1日1,600人の死者数を19%も上回っているという、ちょっと見過ごせない数字で、この不吉なデータは複数の要因が重なっていると考えられています。

 日本なら、毎年、毎年、必ずどこかから聞こえてくる、お正月にお餅を喉につまらせて死亡する事故がありますが、フランスの場合の原因は何なのでしょうか?

 その一つには、気温の低下が挙げられており、気温の低下とともにインフルエンザや新型コロナウィルスなどの季節性ウィルスの活発化するためと言われています。

 しかし、この気温が低下するのは、なにも1月3日に限ったことではなく、これが大きく起因していることは、紛れもない事実ではありますが、この日の死亡に直接、起因しているとは考え難いかもしれません。

 一番に考えられるのは、年末年始のお祝いの席、家族や友人たちとのパーティーで、中でもノエル・クリスマスのお祝いは、フランス人にとってのビッグイベントの一つ。家族によっては、人生の終焉を迎えつつある人が愛する家族と最後の時間を共有するために、なんとか命を振り絞って乗り越えようとすることを望み、このことが、驚くほど強力な生きる力を生み出し、最後の猶予期間を過ごす人も珍しくないようですが、これは、長く続くものではなく、その楽しい家族との時間ののち、力尽きるのが1月3日となる・・というシナリオは、起こり得るものです。

 それに加えて、この時期、過剰な食事、アルコール、またその準備のストレスも加わり、これらのすべてが心血管系に大きなダメージを与えます。慢性疾患、特に心臓病を患う人々にとっては、致命的な結果を招きかねないことになります。

 INSEE(国立統計経済研究所)によれば、1月3日にこの死者数のピークを迎えるのは、決して偶然ではないと分析しています。

 クリスマスがなければ、それまで生き延びられなかった人がこの日を目標に生き延び、命が尽きる場合や、この年末年始のお祝いの暴飲暴食やストレス、もしくは、この席でのウィルスの感染・・などなど、特に高齢者には、最も楽しく、また最も危険なタイミングなのかもしれません。

 また、若者にとっても、年末年始は、危険なタイミングでもあり、交通事故が急増(+23%)すると言われるのは、なんと1月1日で、その他、アルコール、疲労、長旅が重なる危険な季節でもあります。

 一方、一年で最も死者の少ないのは、8月のバカンスシーズンなのだそうで、近年の温暖化による熱波にもかかわらず、最近の予防対策のおかげで酷暑のために死亡にまで至るケースは減少しているようです。

 しかし、考えようによっては、最も大切にしたい家族との楽しい時間を過ごして、その後にあっという間に人生の終焉を迎える・・というのも、悪くない最期の迎え方なのではないか?と思わないでもないのです。


1月3日は最も死者の多い日


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2025年1月2日木曜日

2025年に向けてのマクロン大統領の演説

  


 ここ数年にわたって、新年を迎えるにあたっての大統領の演説は、だいたい聞く習慣がついているのですが、今年の演説は、大統領府の意向なのか?2024年を振り返る映像が組み込まれたりしていて、いつもとちょっと違う感じでもありました。

 ふつう映像込みで流されたりすれば、少し説得力が増す気もするのですが、私がひねているのか?なんだか印象操作をしようとしているというか?作られた感じがして、逆にすっと入ってこない気がしてしまいました。

 マクロン大統領は、この演説で、2024年の国民議会の解散はフランスにとって、解決策よりも多くの分裂を議会にもたらし、平穏よりも不安定をもたらしてしまったことを認め、これは自分の責任であったと述べています。

 それは、誰の目から見ても明らかなことであったとはいえ、大統領自らがこのような演説の機会に自身の口からそれを認める発言をしたことは、大きなことです。

 しかし、この先がさすがマクロン大統領のしびれるところで、「現在の議会は多様性において国を代表している」と説明。分裂を多様性に言い換えて、正当性を主張するあたり、さすがです。

 2024年の「ノルマンディー上陸80周年記念式典」や、「パリオリンピック・パラリンピック」、「パリ・ノートルダム大聖堂の再開」を振り返る映像を流しながら、「我々は共に、フランスには不可能なことはないことを証明してきた!」と述べ、2025年こそ、フランス人はさらに決意を新たに団結していかなければならない、「集団的回復の年でなければならない!」と呼びかけています。

 そして、彼はまた、「フランスが魅力的であり続けること!」、「より働き、より革新すること!」、「雇用を作り出し続けること!」、そして、「財政を維持することで成長を確実にすること!」を約束しています。

 しかし、現在のフランスは財政を維持するどころか、記録的な債務を抱えており、その債務は雪だるま式に増加しているわけで、「より働き」という部分は、フランス人にとっては、ハードルが高いことは、彼自身も重々承知してしかるべきで、そのうえ、より革新するための支出は、さらなる債務を膨れ上がらせる要因のひとつにもなっているわけで、この辺りが、国民とはかけ離れていると言われる所以ではないかと思われます。

 結局、彼が失敗を認めた国民議会の解散がもたらした不安定さの話から、一周まわって、結局、いつもと同じことを言っているにすぎず、分裂している議会からは、「傲慢で権威主義的」という酷評も飛んでいます。

 一方、これはEUメルコスールに関することを話しているのだと思いますが、「欧州は、世間知らずに終止符を打たなければならない覚醒の時でもある」とも述べています。

 「他者によって決められた法律(この場合は貿易法)に覚醒せよ!」、「補償もせず、将来の準備もせずに他人に依存させるすべてのものに「NO!」を突きつけよう!」と言っています。

 このマクロン大統領が言っているのは、メルコスールに関することですが、「この他者によって決められた法律に覚醒せよ!」という部分は、日本にも当てはまることではないか??などと思ったりもするのでした。

 しかし、総体的には、マクロン大統領の演説は以前のような力強さが感じられなくなっている気がしました。


マクロン大統領 年初演説


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2025年1月1日水曜日

年越しの一日 あけましておめでとうございます

  



 2024年もあと1日となった日、つまり大晦日の日に、私はギリギリまで仕事が終わっておらず、なんとか済ませたのが午後2時頃で、「はて?どうしよう?」と考えたところ、2025年のカレンダーが家には、全くないことに気が付いて、慌てて銀行にカレンダーをもらいに行きました。

 この間、美術館に行ったときに来年のカレンダーを買おうかな?と思ったのですが、いまいち気に入ったものがなくて、そのうち他で探そうと思っていたまま、忘れていました。

 銀行などでくれるカレンダーには、フランスの祝祭日はもちろんのこと、学校のバカンス期間なども書いてあるので、便利なのです。今となっては、私には、学校のお休みは直接には、関係ないのですが、旅行などに出かけるときには、その期間は避けるので、そのために便利です。

 本当は、いつもは、OVNIという日本人が作っているフリーペーパーがあって、OVNIの12月号についてくるカレンダーには、フランスの祝祭日と日本の祝祭日の両方が載っているので、とても便利なのですが、今年は、入手しそこないました。

 メトロもけっこう混んでいて、移動中らしい小型のスーツケースを持っている人もけっこういるし、スーパーマーケットに寄ってみれば、ノエルの食品が少しずつ値下げし始めていて、フォアグラなどが軒並み安くなっていました。

 そんなこんなで家に戻るともう夕方、簡単にお雑煮の下準備をしたりしているうちに、SNSをのぞいたりしていると、もう日本では、年が明けたらしく、日本の人たちはさかんに「あけましておめでとう!」と言っています。

 日本に続いて、シンガポールやオーストラリアなどの年越し花火が流れてきて、いつものことながら、ちょっと出遅れた気分になります。

 冬時刻では、日本とは8時間の時差があるので、フランス時間の午後4時に日本は年明けです。日本が年越しをしてからフランスでは、8時間後に2025年を迎えます。年が変わるたびに思うのですが、この「2025」という4ケタ数字がしばらくは慣れません。

 2024年になったばかりのときも、「2024」という数字がなんだかしっくりこなかったのですが、「2024」はオリンピックのおかげでふだんよりも余計に「2024」が強調されることが多かった気がするので、より刻み込まれている感じです。

 夜8時には、マクロン大統領の演説をテレビで見て、それからシャンゼリゼでのショーを見ながら、年越しそばを食べました。

 いつもの毎日と同じようなひとコマですが、年越しです。

 華やかで、なかなか騒々しいシャンゼリゼの様子を見ながら、年越しは、除夜の鐘を聞きながら過ごす日本の年越しの方が圧倒的に私の好みです。いつもなら、シャンゼリゼでのカウントダウンのショーを見るのですが、今年は、司会者が私の大嫌いな人だったので、あまりちゃんとは見ませんでした。

 小さい頃は午前0時まで起きていることが大変だったな~とか、年越ししてから、お風呂に入っていると、お風呂場の外、遠くから除夜の鐘が聞こえてきたな~とか、そんなことを思い出しています。

 しかし、最後のカウントダウンの凱旋門の花火だけは、見事できれいでした・・が、年々、激しい花火になっているような気もします。

 そんなこんなで年が明けました。みなさまあけましておめでとうございます。


大晦日 年越し


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