2025年5月9日金曜日

バチカンで白い煙があがった数分後にはパリ・ノートルダム大聖堂の鐘が鳴り響く

  


 バチカンのシスティーナ礼拝堂の屋根に設置された煙突から白い煙があがった数分後、パリではノートルダム大聖堂の鐘が鳴り始め、多くの観光客を驚かせました。

 これは、予告されていたことではなく、また、コンクラーベの2日目であったことから、大方の予想では、もう少し教皇選出には時間がかかるであろうと思われていたこともあり、これを期待して、パリのノートルダム大聖堂を訪れていた人は、ほとんどいなかったと思われます。


 これは、ちょうどパリのノートルダム大聖堂でもミサが行われていた最中だったようで、ちょうど、ミサが終わるころに教皇の名前も発表されました。

 しかし、もしも、この世紀の瞬間?バチカンで白い煙があがった数分後にパリのノートルダム大聖堂に鳴り響く鐘の音をオンタイムで同時中継していたら、なんとなく感動的な感じであったろうし、ましてや、そのどちらかの現場に居合わせたとしたら、信者ではなかったとしても、なんだかとても特別な感じのラッキーな瞬間に遭遇して立ち合えた、なんかハッピーな気分になるような気がします。

 この日はフランスの夜のニュース番組でも新教皇選出がトップニュースとなり、各局特番を組んで、この新教皇のニュースを取り扱っています。

 何よりも驚きだったのは、コンクラーベはもっと何日もかかると思っていたので、この新教皇の人となりよりも、選出が早かったというのがやはり多くの人の意見のようです。

 新しい教皇はアメリカ人だということも歴史的な出来事だと言っています。教皇だけあって、彼は多言語を話すということでしたが、どうもニュースによると彼はイタリア語は話さないらしい・・とも言っていて(真偽は不明)、ほんと?そんなことある?それ大丈夫?と思わないでもありません。

 日本では、どのくらい話題になっている話なのかわかりませんが、俗な言い方をしてしまえば、全世界にこれだけの影響力を持つ宗教、国境を越え、これだけの巨大組織が他にあるものだろうか?と思うと、同時に空恐ろしさも感じずにはいられません。

 番組によっては、プーチン大統領とゼレンスキー大統領とトランプ大統領の間に挟まれて置かれている新教皇の写真などを見ると、複雑な思いに駆られずにはいられない気持ちです。

 69歳の新教皇は、歴史上初のアメリカ人。シカゴ出身の彼は2023年から世界中の司教の任命を担当する強力な機関である司教庁の長官を務めており、長年、ペルーで宣教師として活動し、南米の国チクラヨの名誉大司教でもあります。

 また、彼はラテンアメリカ教皇庁委員会の委員長でもありました。

 新教皇はレオ14世と呼ばれることになったらしいです。


新教皇 レオ14世 パリ ノートルダム大聖堂


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2025年5月8日木曜日

パリのメトロで観葉植物の持ち込みに罰金150ユーロ

  


 日曜日に自宅のサロンに飾ろうと観葉植物を購入した女性が家に持ち帰るために、その鉢植え(高さ1.30メートル)をメトロで持ち帰ろうと、メトロの駅(レピュブリック駅)に入って、駅の通路内を歩いていると、コントロールの職員に呼び止められ「背の高い植物を運ぶのはかさばるので違法」であると言われ、罰金150ユーロを徴収されたと言います。

 彼女は憤慨しつつも、あまりに強く「違法である」ことを強調されたため、その場で150ユーロを支払いましたが、その後、彼女がSNS上にこの件「観葉植物をメトロで運ぼうとしたら、150ユーロも罰金をとられた!」と投稿した結果、その投稿はあっという間に40万回視聴と400件近くのコメントが寄せられました。

 彼女は投稿の中で、「地下鉄に植物を持ち込んだために、150ユーロの罰金を課せられるという不愉快な思いをしました」、「地下鉄でキセルなどの不正行為をするよりもコストがかかることを知って、とても驚きました」・・・・。

 彼女は70ユーロだったという観葉植物を運ぶために150ユーロ支払うことになったわけです。

 たしかに、RATP(パリ交通公団)では、運輸法典R2242-17条によると、「その性質、量、または不充分な梱包により、乗客に危険、妨害、または迷惑となる可能性のある物体を輸送または、運送する者が公共の旅客輸送に使用される車両に立ち入ることを禁止」しています。

 ただし、彼女が罰金を請求されたのは、駅の通路でのことで、メトロの車内どころか、駅のホームにさえも達していませんでした。

 しかし、RATPによれば、メトロで輸送できる荷物は最大2メートル、しかし、幅は20㎝を超えないもの(これはスキー板を想定したルールだと思われる・・が今どき、スキー板をかついでいる人はほぼほぼ見かけません)とされているので、この幅20㎝のところで、たしかにこの観葉植物は違反といえば、違反です。

 しかし、こんな杓子定規にルールをふりかざされるのは、フランスではめずらしいことで、どちらかといえば、緩くて臨機応変なところがよいところなのに・・。

 悪意が感じられるのは、それならば、駅に入る前の改札の時点で、「これはメトロには持ち込めませんよ・・」と注意してくれればよいものの・・、改札は通過させておいて、いきなり捕まえて罰金というのも意地悪な感じでもあります。

 なんなら、もっと邪魔な荷物を持っている人もいるし、ついこの間、自転車を引いている人を見かけて、メトロに自転車を持って乗る人って、久しぶりに見るな~と思ったばかりでした。

 しかも、彼女が植物を運ぼうとしていたのは、日曜日で明らかにウィークデーよりも人出が少ない日です。

 当初は、RATPも「この措置は妥当であった」、「一度支払った罰金に対しては異議は唱えられない」などと言い張っていたのですが、結局は、このSNS上での炎上に負けたのか?RATPはこの150ユーロを女性に返金することを約束したそうです。

 そもそも、このルール自体が少々、おかしいようにも思うのですが、なんなら、スキーの板の方がよっぽど怖い気もします。

 こんな騒ぎがあったせいか、メトロ等での大型荷物について、RATPはサイト上に詳細なルールを取りあげています。

 これによると、スーツケース、バッグ、各種荷物は最大寸法75㎝未満、長さが2メートルまでで、その寸法が20㎝を超えない荷物(例:スキー板)を垂直に持つ場合までが許可されているようです。

 これに比べるとバスは、少々、規則は緩く、他の乗客の妨げにならない限り、荷物は持ち込める・・となっています。

 しかし、住民はもちろんのこと、こんないちゃもんをいきなり突き付けられて、150ユーロも請求されるとなったら、特によく言葉もわからない観光客などには、たまったもんではありません。

 

パリのメトロ 大きな荷物罰金150ユーロ


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2025年5月7日水曜日

週末連休のSNCF(フランス国鉄)のストライキとRATPの線路に舞い降りた白鳥

 


 かねてから5月の週末連休(といっても飛び石)のストライキを予告していたSNCF(フランス国鉄)の運行に関して、SNCF社長は、「約9割の列車は運行できる」と発表しています。

 ということは、少なくとも1割の列車はキャンセルされるわけですが、今回は、ボランティア要員による欠員の補充により、かなりの部分が補えるものとしています。

 キャンセルされたチケットに関しては、「手数料なしで交換、払い戻し可能」と当然のことを堂々と述べ、このキャンセルされたチケットを予約していたお客様には、8月29日まで有効な50%割引券を配布する」とのことです。

 もう、こんなことなら、SNCFは嫌だ!という客離れを防ぐためとも見られます。

 しかし、これはSNCFのよくやる手の一つで、私は一度、ユーロスター(ユーロスターの経営もSNCF)の予約がキャンセルになって、そのまま返金してくれれば良いものの、返金ではなく、金券(しかも有効期限つき・・しかもパンデミックの最中)を戻されて、結局、使えないままで、捨てるハメになり、大変、憤慨した思い出があります。

 今回のストライキは、SNCFの定年間際の車掌が中心の賃上げ要求のストライキで、しかも、これは、年金増額につながる定年前6ヶ月間の給与が少しでも上がれば、年金の計算上、有利になるためという、本当に虫のいい話。

 そもそもオリンピックを盾に特別ボーナスや定年の年齢前倒しなど、すでにけっこうな利益を得ている彼らがまたストライキというのも益々腹立たしい話です。

 もとより、これらのSNCFとかRATPなどの公共交通機関の定年の年齢や年金などの制度や福利厚生などに関しては、一般社会人とはかけ離れた待遇で、ある種の特権ともいうべく対応がなされているにもかかわらず、彼らには、国民の足を人質にできるストライキという武器があり、この砦はなかなか崩されないようになっているのが腹立たしい話です。

 ならば、こんな交通機関はできるだけ利用したくない・・と私などは、連休やバカンス期間はまず、予定から外してしまうのですが、子どものいる人などにとっては避けようもないことです。

 そんな中、RER A線ビュシー・サン・ジョルジュ駅で白鳥が線路に舞い降り、悠々と線路を歩き始めたために、1時間半にわたって、交通が中断したという利用者にとっては、迷惑千万な話ながら、なんともほのぼのとしたニュースもありました。



 よく飛び込み事故などがあって、電車を停めると大変な賠償金の支払いを求められるなどという話を聞きますが、白鳥の場合には、請求しようもないし、多くの乗客の見守る中、線路を悠々と歩く白鳥には、なんとなくホッコリさせられます。


 白鳥は駅員によって無事、保護されています。


SNCFストライキ


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2025年5月6日火曜日

あっさり買えるものと、なぜかなかなか買えないもの

  



 そもそも私はあまりショッピングというものが昔から好きではないので、あまりショッピングを楽しむというタイプでもなく、私にとってはウィンドーショッピングというような習慣?は、ほぼほぼありません。

 それでも、最近は、街中を歩いていて、ふらっとお店の様子を見てみたりすること もないこともないのですが、まず何も買いません。

 買い物をするときは、ある程度、まとめて・・洋服などは、最近は日本に行ったときのユニクロくらいなものです。

 若い頃、本当に洋服が好きでおしゃれをしたくて、ほしいものがたくさんあった時期もあったのですが、見に行くのが買うときで、また、かなり好みもハッキリしているので、あまり迷うこともなく、第一印象と、ある程度の範囲内の価格であれば、あっという間に買い物は終了してしまうので、私の買い物はものすごく早いです。なので、自分のペースで買い物したいので、あまり人と一緒に買いものに行くこともありません。

 なのに・・そんな私が最近、とても迷っているのは、ベッドのマットレスで、これには、二の足を踏み続けています。実は今日もサイトで下見をしてから、お店に見に行ったのですが、まさかの店頭販売はない(サイトでは売っているのになんで???)とのことで、ガッカリ。

 日本に行ったときに、娘が友人からもらったというマットレスがびっくりするくらい寝心地がよくて、これはぜひ欲しい!特に現在、睡眠時に呼吸の問題がある病気の治療中ゆえ、睡眠に関して、とても真剣に取り組まなければ・・やっぱり寝具、マットレスって大事だと思ってフランスに帰ってきてから、探しています。

 日本の家にあったマットレスと同じものが買えれば簡単なのですが、これが日本製のもので、製造元なども調べたのですが、フランスで買うことはできません。まさか、日本で買って、フランスまで運ぶとなれば、大事なので、なんとかフランスで良いマットレスを探そうと最近、色々、見て歩いていますが、お店に行って、ちょっと寝転んでみるくらいはできるのですが、実際に眠ってみることはできないので、一体、どれがいいのか?決めかねています。

 以前、私が使っていたマットレスは今の家に引っ越してきたときに、夫がどこかから買ってきたもので、その後は、娘が使っていたベッドを使っています。

 おそらく、そんなに頻繁に買い替えるものではないので、私が自分で自分のために買う最初で最後のマットレスになるかと思うと、そんなにケチるつもりはないのだけど、まさにピンキリです。

 なによりも、寝心地が一番なのですが、あのマットレス(日本にあったもの)ほど、ちょっと横になってみただけで、「これは!」と思えるものに、まだ出会えていません。

 考えてみれば、これまでに私はあまり大きな買い物というものをしたことがなく、家を買ったこともなければ、車を買ったこともなく、私がフランスで一番、大きな買い物をしたのは、夫の墓石くらいなものです。

 しかし、墓石ですら、こんなに悩みはしませんでした。

 金額にしてみれば、なんとなく目をつけているマットレスは500ユーロ程度のものなので、金額的にということなら、日本に行くときのチケットや旅行のときのホテル代など、もっと高額な金額をあまり躊躇することなく消費しているのに、なんで私は、こんなマットレスごときで、こんなに迷ってしまうんだろうか?となんだか、自分でウンザリしてきます。

 なんだか、妙になかなか思い切りがつかないものってあるものだ・・と。

 思うに、家には、余分なスペースはないので、買ったものが気に入らなかった場合に始末に困る、そうそう簡単には捨てられないし、変えるのもなかなか大変なうえに、日頃、あまり買う習慣のない大きな買い物のために腰が引けてしまっているのだと思います。

 なんなら、睡眠グッズとして、日本にある抱き枕のようなもので良さそうなものも見つけたのですが、これもフランスでは買えません。

 どうせ買うなら、一日でも早く買って、早く、より心地よい眠りにつきたいと思うのですが、こうなったら、自分で期限を決めて、今月中にはなんとかしようと、思っています。

 一日の3分の1程度、毎日毎日使うもの、実はとっても大事なものです。もしも、良いマットレスがあったら、教えてください。


マットレス


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2025年5月5日月曜日

仮想通貨会社の社長の父親誘拐・監禁 指切断画像の脅迫

  


 5月1日午前10時半頃、パリ14区でフードをかぶった男たちが一人の男性を誘拐しました。この誘拐の様子は、かなり派手に行われたようで、この男性が配達用のバンで連れ去られるところを多くの人々が目撃しています。

 この男性は、莫大な資産を築いた仮想通貨会社の社長、いわゆるデジタル億万長者の父親で、誘拐されるとまもなく、この社長は身代金数百万ユーロ(500万~700万ユーロと言われている)が要求されました。

 そして、この誘拐犯たちは、身代金の要求にプレッシャーをかけるため、この父親の指を切断した画像を送っていました。

 この父親が誘拐された時点では、この社長はマルタにいたものの、この身代金要求を受けるとただちに警察に通報し、自分もパリに戻って、捜査官とともに警察に詰めており、父親の切断された指の画像を受け取ったときに、彼はすでに警察とともに、その脅迫状を見ていました。

 この捜査には、特別捜査隊が設けられ、この父親の捜索には、BRI(Brigarde de Recherche et d'Intervention)が介入し、誘拐から約60時間後にパレゾー(エッソンヌ県・イルドフランス地域圏)に監禁されているところを救助されました。

 誘拐された父親の年齢が50歳だった(若い)というのにも驚いたのですが、父親が50歳ということは、この億万長者の社長は何歳だったのでしょうか? そして、今回の事件で逮捕された7人の男たちも、1998年から2005年生まれの20歳から27歳の若者たち?ということで、その年齢層での集団誘拐・・恐ろしい話です。

 今回は、特別捜査のおかげで、監禁場所の特定ができ、比較的早くに救出することに成功しましたが、誘拐犯たちは、他にも、銃器、刃物、鈍器などを所持していたことがわかっており、これがさらに時間が経過していれば、指だけでは済まなかったかもしれない・・とも言われています。

 ここ数年にわたって、急速に拡大したこの仮想通貨システムにより、莫大な資産を築いた新たな富裕層が生まれ、彼らは非常に有名で、羨望の的となっていることから、この財産を狙った今回のような極めて暴力的な手段でそれを奪おうとする犯罪が増加しているようです。

 この社長は、脅迫を受けたのは今回が初めてでなかったようですが、誘拐(父親)、身代金要求を受けたのは、初めてのことで、彼の父親は身の安全を脅かされ、指を失っています。

 それでも、彼は身代金は全く支払わずに、父親を救出できたそうですが、仮想通貨で身代金が支払われた場合には、その後、仮想通貨の追跡が難しく、痕跡が残りづらいために、このような犯罪を企てるのではないか?とも言われています。

 巨額の富を得て、幸せだと思いきや、自らの、またその家族の安全な生活が脅かされるという恐ろしい事態。いったい、巨額の富は幸せなのか?と考えてしまいます。


仮想通貨会社社長の父親誘拐 指切断


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2025年5月4日日曜日

大きな雹(ひょう)が降る5月のパリ

  


 ここ数日、パリは30℃超えの暑い日が続いていて、それでも、比較的、湿度は低いので、木陰や日陰などに入れば、ホッとすっきりするのも助かるな・・と思いつつ、お天気が良いのはよいけれど、さすがに数日、この気温が続いていくと、もう締め切った空気でさえも、だんだんとどんよりしてきて、ちょっと身体がだるく感じるようになっていました。

 土曜日の午前中は、また晴天でしたが、それでも、昨日までほどの気温の上昇はないものの、お天気で、そこそこの気温でした。ところが、夕方になるにつれて、午後4時頃に急速に雲行きが怪しくなってきて、もしかして、雨が降るかも??と思っていました。

 その日、私は、家の中で掃除をして、ちょっといつのまにか溜まっていた雑誌などを山積みにしたりしながら、紙ってやたら重いものだな・・と思いながら、このゴミを捨てるのは明日でいいか・・と、玄関の扉の前に袋詰めにしたところでした。



 急にものすごい風・・というか、もう嵐のような突風が吹き始め、暴風雨??いやいや急いで、開いている窓を閉めなきゃ・・とキッチンの窓を閉めに行きました。

 ところが、これが、単なる暴風雨ではなく、この嵐には、大粒(粒とはいえないピンポン玉?ゴルフボール?くらい)の大きさの雹(ひょう)で窓ガラスに飛んでくる雹がパチパチというよりもカチカチ・・こつんこつんという感じに窓に吹き付けていました。

 また、風速もけっこうな強さのために、この大きさの物体が、頭や顔にあたったら、ちょっと痛そうかも?と怖くなるくらいのちょっと暴力的な感じの雹で、とりあえず、窓を閉めるのが大変なくらいの風速でした。(窓は引き戸ではなく、上の部分を手前に開閉するタイプの窓なために、外から吹き込んでくる風が強いと、全力で窓を支えても、完全に窓を閉めるのは、なかなか大変です。

 さすがに、これが長時間続くことはないだろうと思っていたら、案の定、これは、せいぜい15分~20分程度のことでしたが、ちょっと焦りました。しかし、家の中にいて、幸いでした。

 しかし、この突然の暴風雨と雹に、パリ市内は少々、混乱したようで、この異常気象に洪水のためにパリ市内の2・3・6・7・9号線のメトロの駅が閉鎖。


 パリのメトロの駅は、その駅にもよるのですが、その駅の出入り口は階段で少し降りていく程度の駅もけっこうあるのですが、(これが上がってくるときには、メトロの階段からパリの街の緑や青空が見える景色がきれい)このような突然の大雨などの被害には、めっぽう弱いつくりになっています。

 これまでも、パリに雹が降ったことはありましたが、今回のような、ちょっと危険を感じるような大きな雹を見たのは初めてのこと。

 この雹のために、パリの気温は数分で27℃から15℃まで下がったようです。

 これは、気をつけないと体調崩しそうです。


パリ 雹 ひょう


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2025年5月3日土曜日

仏大手製薬会社サノフィ 子会社オペラ(ドリプラン)の株式の50%を正式に売却

  


 昨年の10月に発表されたとおり、仏大手製薬会社サノフィは、子会社オペラの株式の50%をアメリカのファンドCD&Rに売却することを正式に決定しました。

 この発表がなされた当初は、今や子会社化しているとはいえ、サノフィの看板商品?とも言える「ドリプラン」の部門でもあり、この「ドリプラン」はおそらくフランスで最も有名な薬(鎮痛・解熱剤 パラセタモール)、フランスで最も売れている薬でもあり、毎年3億箱が販売されており、「フランス人の魂を売り払うのか?」というほどの勢いの世間からの反発、いわばフランスの国民的な薬の会社なのです。

 また、このドリプラン製造部門の工場がフランスから消えてしまうのではないか? それに伴い、この従業員の雇用問題は? などなど・・物議を醸していました。

 とにかく、フランスでは何でもかんでも、病気になれば、「とにかく、とりあえず、ドリプランでも飲んどけば・・」と言うほどの、とても身近な薬でもあり、実際にパンデミックの際もコロナウィルス感染しても、特効の治療薬はなかったために、この「とりあえず、ドリプランを飲んで様子をみてください」が横行していました。

 パンデミックの際は、多くの流通が世界的にもストップしたこともあり、このドリプラン(現在は海外で製造している分が多い)が不足する事態が起こり、大変なパニック状態に陥り、マクロン大統領までが出てきて、「これからは、非常時に備えてドリプランをできるだけ国内で生産するようにしていくようにする・・」などと発言していました。

 しかし、パンデミックがどうにか終息したかと思ったら、まさかのドリプランがアメリカのものになる?フランスから消える?などという話になり、余計に大騒ぎになったのです。

 実際のところ株式の50%はアメリカのファンドCD&Rが所有し、サノフィが株式の48.2%を所有し続け、残りの1.8%は、政府が絡んでBpi france(フランス公的投資銀行)が取得し、アメリカの言うがままにはさせない姿勢を保とうとしています。

 この子会社の株式50%売却により、サノフィは100億ユーロを得る見込みで、同社はこれを今後、免疫学のリーダーとなり、AIを原動力としてグループの成長に繋がる糧とするとしています。

 サノフィが具体的にどのような開発に取り組んでいるかは、わからないものの、ちょうど昨年の今ごろ、2024年5月にサノフィは、米国ノババックス社とライセンス契約を締結したことを発表しています。

 これは、新型コロナウィルス感染症ワクチンの販売とインフルエンザ及び新型コロナウィルス感染症ワクチンの開発に関するもので、アストラゼネカが新型コロナウィルス感染症ワクチンからの撤退を発表するなか、正反対の方向に進み始めたことでも注目を集めていました。

 そもそもこの新型コロナウィルス感染症ワクチンの開発については、サノフィは多額の研究費を投入しながら、実際にパンデミックの最中には完全に出遅れてしまった経緯がある中、今度は、たんぱく質ベースの非mRNAアジュバントワクチンへのアクセスとともに、同社のインフルエンザワクチンの混合ワクチンへの可能性も見込み、2025年からの販売を計画していました。

 サノフィがドリプラン売却を代償にして得る新しい開発は別にもあると思われますが、この100億ユーロが吉と出るか?凶と出るかは、まだまだ先にならないとわかりません。


サノフィ ドリプラン


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