2025年4月23日水曜日

地球温暖化とイワシ

  


 「地球温暖化による気候変動のためにイワシが不漁・・小型化している」という報道を見て、「そういえば、イワシくん・・君を忘れていましたよ・・」と思いました。

 フランスに来て以来、しばらくは、フランスの魚売り場に出回っているお魚を色々と食べてみていた時期もあったのですが、スーパーマーケットなどでは特に、その種類も減っているような気がするし、とにかく高いのに美味しくないというか、高いからといって美味しいとは限らないため、もう探すのもやめてしまった感じなので、たまにマルシェを覗いたりしたときに、「これは!」と思うものがあれば、買うこともあるのですが、フランスでは、すっかりお魚というものを食べる機会が激減しています。

 それに比べて、さすがに日本のお魚売り場の充実具合は素晴らしく、私の中では、魚は日本に行った時に思いっきり食べればいいか・・と、あとは、もっぱら、フランスでの私のお魚は、PICARD(ピカール)の冷凍のお魚(特に鯖の切り身など)に頼っています。

 そもそも、いつ行っても同じ魚が並んでいる感じのフランスのお魚屋さん・・レギュラーメンバーは、なんといっても、よっぽどフランス人は好きなんだなと思われるサーモン、そして、舌平目や鱸(スズキ)、タラなどの白身魚、茹で海老などでしょうか?

 その中に以前は、イワシもあった気がしますが、最近は、そういえば、あんまり目にしなくなっていました。イワシならば・・と以前は時々、買うこともあって、グリルしたり、から揚げにして、南蛮漬けにしたりもしたのですが、姿を消しても、そもそもそんなに存在感があったわけではないので、すっかりその存在自体を忘れていました。

 以前は、そんなイワシの中には、「これ?ほんとにイワシ?」と思うような大きなイワシも並んでいたりもしたのですが、今は市場にもあまり登場しないうえに、小型化が問題になっているようです。

 フランスでは、イワシが最も消費されるのは、いわゆるオイルサーディンのような缶詰めなのだそうで、特に年配の世代には、食べるものがなくなったとき、安全策としてイワシが常にあるようで、缶詰めのイワシは地味に売れ続けている商品なのだそうです。

 そういえば、フランス人の亡き夫も非常食のように、このイワシの缶詰とラタトゥイユの缶詰を常に買い置きしていたのを思い出します。

 遡って2000年から2010年の時点で崩壊の道を辿っていた地中海のイワシ漁では、すでにサイズの縮小が見られていました。これは、地球温暖化による魚の餌となる動物プランクトンの減少や変化によるものと言われてきました。

 このため、イワシはより温かく、酸素の少ない海で、小さく質の低下した獲物を食べるためにより多くの努力をしなければならず、そのためにより多くのエネルギーが必用となります。その結果、イワシは15年間で50%も小さくなっています。

 小さいイワシの場合、内臓を取り出すのも缶詰めにするのも手作業なのだそうで、労働集約度は2倍かかることになります。

 網を張り巡らせてイワシを量獲する巻き網漁師は、特にアジやサバの漁獲量が大幅に削減されて以来、この小魚?に大きく依存していたと言われていますが、このイワシ漁も成り立たなくなりつつあり、漁業から離れる若者が急増しているとか・・。 

 不漁に加えて、このコスト高でイワシの缶詰めは品薄状態なのだそう・・。

 私の場合、缶詰めも含めてイワシの存在自体を忘れていたくらいなので、イワシの缶詰め売場もあまり見ていないので、正直、品薄なのか気付かなかったくらいなのですが、その存在を思い出してみると、アレンジしてみれば、結構、食べられる食材だったのではないか?と、今度、買い物に行ったら、イワシの缶詰めを調達してこようと思っています。

 それにしても、海は繋がっているのに・・なんで、これしか魚がないの(魚の種類)?と恨めしく思った時期もありましたが、要は需要と供給の問題もあり、そもそも、魚は圧倒的に人気がないのです。


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2025年4月22日火曜日

ノートルダム大聖堂に鳴り響く88回の鐘の音 ローマ教皇ご逝去

  


 ローマ教皇といえば、全世界のカトリックの頂点であり、カトリック教徒にとっては、神のような存在であるとともに、大変な権力者でもあります。

 そのローマ教皇(フランスではパップ・フランソワと呼ばれている)のご逝去に接し、パリ・ノートルダム大聖堂では、彼の死を悼み88回の鐘が鳴らされました。

 宗教を否定するつもりはありませんが、どちらかといえば、派手なイメージのあるカトリック教会の在り方は、無宗教の私にとっては、宗教としては、あっさり受け入れ難い部分もありました。

 とはいえ、カトリックとは、ある種のご縁を感じないこともなく、私が大変お世話になった大学の恩師もカトリックの神父様でもありましたし、娘は小学校から高校までフランスの私立のカトリックの学校に通っていましたし、夫が突然、亡くなった後は、ただちにカトリックからご援助をいただき、学費はカトリックの教会(協会)が負担してくださいました。

 私も若い頃にその自分のお世話になっていた教授から、ずいぶんカトリックについての講義なども受けましたが、信仰には至りませんでした。私はその教授(研究)に神髄していたので、できるなら、教授の導かれる信仰を持ちたいと思ったこともあったのですが、どうにもそれ以上、踏み込むことはできませんでした。

 当時、そんな信仰にいたらない自分の気持ちを教授に一対一でお話したことがあったのですが、「大丈夫、信仰は無理に持つものではなく、必要なときは自然に訪れますから・・」と諭されたことを今でも覚えています。

 話は逸れましたが、恐らく多くの人々と同じように、ヨーロッパに長く住んで、どこかに旅行すれば、その地の大聖堂などを訪れたりもしましたし、昨年末に再開したノートルダム大聖堂にもたまに、思い出したように入ってみたりもしますが、私にとっては、観光地のひとつのようなもので、しかし、そのいくつかには、中で、突然、不思議な感覚に襲われることもありました。

 今回のローマ教皇のご逝去に関してのように、亡くなってから、多くの報道を見たりして、あらためて、「あ~こんな方だったんだ・・もっとご存命中に色々、知りたかった・・」と思うことは少なくありませんが、まさに今回、同じことを思いました。

 お加減が良くないことは、ここ数日、イースターを控えたミサの様子などで、聞いてはいたのですが、お辛そうではありながらも、前日まで公のミサでお話をしていたりされていたので、まさか・・と驚きました。

 彼は、カトリックの過度な権力支配的、腐敗した構造を嫌い、その改革に取り組み、もっとも貧しい人々に手を差し延べ、移民の運命や環境問題についても、強い問題意識を持ち、極めて人道的なヒューマニストであったそうで、没後すぐに、彼の功績を讃える声が多くあがっています。

 思えば、昨年12月のパリ・ノートルダム大聖堂の再開セレモニーには、カトリックの大司教として当然、参加すると思いきや、「自分は社交行事の教皇ではない」と、マルセイユとコルシカ島を訪問していたというのですから、ここにも、彼の強い意志と毅然とした態度が表れており、私は、このことにもっと注目すべきだったと今になって思っています。

 ノートルダム大聖堂は、あなたはいったい何者?と思うほどに、マクロン大統領が前面に登場し、ウクライナからゼレンスキー大統領や就任直前のトランプ大統領まで招いて、まさに政治・外交の場と化していました。多くの政治的だったり、商業的な思惑が見え隠れし、ノートルダム大聖堂の入場料を取るなどという話まで浮上し、この際も「祈りの場であるはずのカトリックの大聖堂で入場料などもってのほか!」とパップ・フランソワが大反対していると聞いていました。

 無信仰者が増えたとはいえ、それでも29%近くはカトリック教徒(多宗派を含む)というフランスでは、この大教皇のご逝去のニュースはその日のトップニュースで大変、大きな扱いでした。

 奇しくも、彼の命日になったのは、イースター(復活祭)の祭日だったのは、なにか、とてもドラマチックであったような気もします。

 その日は、パリ・ノートルダム大聖堂では、夜通し祈祷が行われました。


ローマ教皇逝去 フランシスコ大教皇 パップフランソワ


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2025年4月21日月曜日

政府も警鐘を鳴らすSNS上の危険な極端な痩せを推奨する「Skinny Tok」スキニートックの流行

   


 夏に向けて、真剣にダイエットに取り組もうと思うのは、女性ならば、誰でも経験があるとも思われますが、現在、問題視されているのは、単にほっそりしたいとかいう程度のダイエットではなく、「極端に痩せたボディ」への推奨動画です。

 これは、主にTikTokを中心に若い女性の間でトレンドとなりつつある拡散を示しており、これを見ると、明らかに病的とも思えるような痩身の女性が「痩せること」への崇拝を促し、太ることへの嫌悪感を増長させるような内容のものになっています。

 TikTokの#SkinnyTokのトレンドは、極端に痩せているという理想を追い、個人の健康状態や体型に関係なく、モデルのような体型を実現させるために体重を減らすことをユーザーに推奨しています。これらの怖いことには、SNS上ではアルゴリズムが自動的に機能して、ひとたび、これを見たり、反応したりすれば、それが正しいことであれ、間違ったことであれ、次から次へと同様の映像が流れ続けることで、ますます洗脳され、最悪は「摂食障害」への扉が開かれることになります。

 正直、そんな映像を見ても、およそ魅力的とは感じ得ず、むしろ、病的な痩せ方なのですが、これらの映像には、「あなたは醜いのではなく、ただ太っているだけ・・」とか、「痩せれば、この美しい顎のラインが強調されます」とか、「この鎖骨がポイント!」などと語っているものもあれば、「あなたはおやつを食べたいですか?おやつになりたいですか? 痩せていると感じることほど美味しいものはありません!」など、叱咤激励しています。

 また、これらの映像に反応して1ヶ月で10㎏痩せたという女性は「唯一の確実な解決策は食べるのをやめること!」、あなたのお腹がグーグー鳴ったとしても、それは、あなたへの拍手喝采であり、激励してくれているのです」などという内容を投稿していたりします。


   


 これら「Skinny Tok」のトレンドがここ1ヶ月程度でフランスでも急上昇していることに、懸念を示し、フランスの国会議員は、3月初旬、TikTokが子どもや青少年に及ぼす心理的影響について調査する委員会の設置を承認しました。

 また、デジタル相は、TikTok上での極端な痩せを推奨する「Skinny Tok スキニートック」の流行は容認できないとして、メディア規制局と欧州員会に連絡をとったと伝えられています。

 ダイエットに関しては、若い女の子の場合、全然、太っていない女の子に限って、やたらとダイエットしたがるような気もします(きれいな女性ほど何回も整形を繰り返すような気もするし・・)。

 しかし、今回の場合は単なるダイエットの域を超えており、極端な痩せ体型を推奨していることが、これまでのダイエットとは違うところ・・。

 全然、美しくないし、全然、魅力的じゃない。

 もはや、捨て置けない問題として、テレビのニュースなどでも、ジャーナリストたちが顔をしかめて、「これは絶対によくない!ティーンエージャーを持つ親御さん、ご注意を!」などと呼びかけています。


Skinny Tok  スキニートック TikTok


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2025年4月20日日曜日

オリンピックの影に泣いた人々への補償は置き去りのまま・・

  


 パリオリンピックが終わって、早や8ヶ月以上が経過し、華やかにオリンピック仕様に飾られていたパリの街にオリンピックの痕跡はほぼほぼ残っていません。ついこの間、まだ、フリージュ(パリオリンピックのマスコット)がペイントされたゴミ収集車を見かけて、「あれ!まだ、あったんだ・・」と思ったくらいです。

 本当にパリは、このオリンピックのために長いことメトロの工事をしたり、オリンピック会場になるスタジアム近辺の駅を改装したりと準備をしていました。しかし、依然として14号線の拡張工事が続いているのを知って、必ずしもオリンピックのためだけでもなかったんだな・・とも思いましたが・・。

 オリンピックともなれば、大変な観光客が舞い込んでくると誰もが思っていましたし、私自身も、近所にわりと大きめなホテルがあるために、「このホテルもオリンピックのときには、満員になるんだろうな・・」となると、近所のバス停などは、えらいことになるだろう・・どうしよう?などと思っていました。

 このオリンピックで大混雑になるパリを見込んで、パリおよびパリ近郊のホテルは1年前からオリンピック期間中の値段を爆上げし、結果、蓋をあけてみれば、予約が埋まらない状態になりました。

 また、このホテル価格の爆上げに加えて、セーヌ川でのオリンピック開会式に向けてのパリ市内、広範囲にわたる通行止め(歩行者も含めて)状態にオリンピック開会式前後などは、前代未聞のガラ空きのパリ・・こんな空いているパリ、滅多にない・・状態でした。

 私などは、いつもは混雑している場所を軒並み渡り歩いて空いているパリを満喫しましたが、オリンピックの観光客で売上げ倍増!と目論んでいたパリの商店・レストラン(特に通行禁止に指定された地域の商店・レストラン)は、軒並み閑古鳥が鳴く状態になりました。

 つまり、この地域の商店・レストランなどの経営者は、特にオリンピック開会式の前後、1ヶ月近くは売上げが激減し、補償を求める声が強く上がっていました。

 この声が大きくなることを恐れた政府は、オリンピック開会式直後、2024年8月1日付で、経済産業省が補償についての説明の書簡を出しています。

 「2024年パリオリンピック・パラリンピックをフランスで開催することは、我が国にとって大きなチャンスであると同時に行政機関にとって大きな挑戦でもあります。すべてがスムーズに進み、全ての人の安全が保証されるためには、特定の場所、エリア、ルートへのアクセスを制限または禁止する必要がありました。このエリアには、経済的な損失を被るケースが生じる場合は、補償が可能となります。ただし、補償の対象となるのは、政府が行った制限的な決定に関連する経済的損失に限られます」

 おそらく、欲張って価格を高騰させた結果に顧客に逃げられたホテルなどは、補償の対象にはならないということだと思いますが、とにかく、少なくとも、この通行止めのエリアの商店やレストランに関しては、彼ら自身には、何の咎もなく、本当に遠くから眺めるにも、お気の毒な気がしたものです。

 ところが、この補償、オリンピックが終わって8ヶ月以上が経過したというのに、まだ支払われていないどころか、補償委員会さえも設立させていないそうで、さすがに「ふざけんな!」との声が上がり始めているようです。

 2024年を通しての売上げがすでに出ている中、これに該当するエリアの店舗は、年間売上げが10%~12%減少しています。

 個人的には、ノートルダム大聖堂近辺の商店などは、2019年の大聖堂の火災以来、まさに踏んだり蹴ったりだったと思います。

 当然、火災により、ノートルダム大聖堂への観光客は長期間にわたり激減、それでも、さすがにノートルダムだけあって、焼けた跡でさえも、観光客の足が全く途絶えることはなかったとはいえ、さすがに修復中の間は観光客は少ないことはたしか。

 せめて、オリンピック期間には!と観光客を期待していたところが、まさかの通行止めに・・。

 オリンピックが済んでしまえば、オリンピックのことは、もうすっかり忘れて・・となりがちなところに、この補償問題は置き去りにされてきたようです。

 奇しくも、フランスは、オリンピック後に政権が2度も変わったこともあったりして、終わったことに関しては、置き去りにされてしまったのもわからないでもないのですが、当事者にとっては、死活問題です。

 税金などは、滞納したりすれば、追徴金が加算されたりもしかねないわけですから、この補償に関しても、速やかに対応すべきだったと思います・・が、補償委員会も設立されていないというのですから、払う気がないと思われても仕方ありません。

 「いいかげんにしろ!」と声をあげ始めた約100人の店主は、被害者委員会を設置しました。

 これに対し、パリ警察署長とイル・ド・フランス(パリ近郊)地域圏知事は、ようやく4月末までにこの補償委員会を設立することを確約しました。

 ここで、ようやく補償に向けての動きがスタートする兆しが見え始めたところです。

 取り立てるときは、強引なのに、支払う段になると、ものすごく時間も手間もかかるのは、世の常とはいえ、あまりに気の毒な話です。


オリンピック被害の補償


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2025年4月19日土曜日

ペリエ ナチュラルミネラルウォーターラベル剥奪の危機

  


 「ペリエを生産しているヴェルジェーズのガール工場で、ペリエの75clボトルの炭酸水に病原性の腸内細菌が検出され、生産ラインが停止、369パレット、すなわち約30万本のボトルが廃棄された」という報道に、正直、「また、ペリエ・・まだ、改善されていなかったのか・・」とガッカリというか、ウンザリしました。

 ペリエに関しては、過去に何度もその品質汚染についてが問題視され、その度に、大騒ぎになるものの、問題のあったボトルに関しては廃棄、改善命令・・という動きが何度も続いてきました。

 ペリエをはじめとした「ネスレグループ」のナチュラルミネラルウォーターについては、私の知る限りでは、2021年から問題が大きく取りあげられて問題視され、それは水源から汲み上げた水のフィルター処理の問題も浮かび上がり、水質汚染とともに、ナチュラルミネラルウォーターとしての製品には、認められていないフィルターを使用していたことなどもわかっていました。

 問題提起は政府のトップにまで上がっていたにもかかわらず、エリザベス・ボルヌ政権は、ネスレグループとの間にこれを認めて、このフィルター規制を免除しており、後に、トップ同士(ボルヌ元首相とネスレグループ)での密談が行われていたことまで明らかになっていました。

 その際にも指摘されていたのですが、要は、このペリエ(ネスレグループ)の水源は、もはやナチュラルミネラルウォーターの水源としては、成り立たないほどに汚染が悪化してしまったということで、これをなんとか、使い続けるためにペリエ工場は、本来はナチュラルミネラルウォーターには使用できないフィルターを使ったり、それを使っていたとしても、さらに病原性の最近が混入してしまうという事態に陥っているのです。

 ところが、今回もペリエ側(ネスレグループ)は、「水源の水質とは無関係で単なる工場内の品質管理処置に問題があったため」と答えています。

 これに対して、この工場のあるオクシタニー地方保健局は、「ネスレウォーターズとの協議が予定されているものの、ナチュラルミネラルウォーターとしての資格剥奪、完全な製造停止勧告にまで及ぶ可能性もある」ことを表明しています。

 ラジオフランスの取材によれば、オクシタニー地方保健局・事務局長は、ヴェルジェーズにおけるナチュラルミネラルウォーターの生産を今後、一切、認可しないことを勧告しており、これは、採掘している全ての水源に適用され、具体的には、このペリエが消滅することを意味しています。

 食品メーカーにとって、その衛生管理・品質管理に関するスキャンダルは致命的と思われるところを数年にわたり、問題視されているにもかかわらず、不誠実な対応とそれを容認していた政府には憤りを感じざるを得ません。

 2022年の段階で、IGAS(社会問題総監察局)が当時の経済相に提出していた報告書では、問題のフィルターの使用を含めて、現在の精密濾過システムではすべてのウィルスを濾過するには充分ではなく、特定の細菌が通過してしまうリスクの可能性について警告しています。

 にもかかわらず、どういうわけか、それがそのまま見過ごされ続けていることは、どうにも歪な政府の対応とネスレグループの舐め切った対応です。

 ペリエというブランド・・ネスレグループという巨大グループ、ペリエという名前があるからこそ、消費者は一定の安心を買っているようなところがありますが、このグループが巨大であるゆえに、問題を改善せずに、政府さえも丸め込んでしまう力を持ってしまうことも皮肉なことです。

 ネスレウォーターズは、現在、市場に出回っている製品に関しては、一切問題はないとしていますが、こんな話を聞いてしまった今は、どうにものばそうとしていた手が引っ込みそうです。


ペリエ汚染水問題


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2025年4月18日金曜日

「孤独のグルメ」に登場するレストランに行ってきました! Le Bouclard Paris

  


  「孤独のグルメ」という番組は、長く海外に住んでいる私でも、いつの間にか、なぜか知っている日本の人気番組で、食べることが好きな私は、好きな番組でもありました。主人公の五郎さんが美味しそうに食べる食事に「ほ~っ!美味しそう!食べてみたいな~、このお店、行ってみたいな~」と思うことも少なくありません。

 これまでは、日本のお店だったので、日本に一時帰国した時に行ってみたいな~と、思ったりもしていたのですが、日本に行ったら行ったで、他にも食べたいものは、たくさんあるし、東京とは限らず、なかなかチャンスがなくて、実際に行ってみたことはありませんでした。

 それが、最近、「孤独のグルメ」の映画が出て、五郎さんがパリにやってきた!という話を聞いて、「五郎さんがパリで行ったお店!行ってみたい!」と野次馬根性で行ってきました。

 しかし、私は実際には映画は見ていないので、どのように美味しそうだったのか?どんな風に描かれていたのかは、全くわからないので、ミーハーもよいところなのですが、サイトを見てみると、メニューは、まあまあ、なかなかのフレンチで、昼、夜のフォーミュルならば、アントレとメイン、もしくはメインとデザートをいくつかのメニューからそれぞれ選べるようになっていて、それにグラスワイン(赤か白)とコーヒーがついて、30ユーロとまあまあ良心的なお値段だったので、これならいいな・・と行ってみました。

 場所はパリ19区、クリッシー広場から歩いて5分くらいのところにあります。

 大きな通り沿いではないし、外観もそんなに目立つ感じでもなく、外から見ると、「えっ?今日やってないの?」と一瞬、思ってしまう感じだったのですが、扉を開けると、そこには、独特な味のある感じの空間が広がっていました。



 店員さんは、とても親しみのある感じの人々で、暖かく迎えてくれました。

 私は、フォーミュルのメニューの中から、アントレにエスカルゴ、メインにロニョン・ド・ヴォー(子牛の腎臓)を選び、それに五郎さんが食べたと聞いていたオニオングラタンスープを追加して注文しました。

 近くには、老夫婦が和やかに食事をしていて、まさに同じフォーミュルから私と同じものを食べていらっしゃいました。時々、様子を見に来てくれるお店の給仕の人と、なにやら、他の臓物料理の話をしていて、「ロニョンやトリップなど、私たちはふだんから、色々、食べているし、自分でも料理するけど、ここのは最高!」と絶賛していました。

 このご夫婦、今年でちょうど?結婚59周年だそうで、デザートのアイスクリームとマカロンにろうそくをたてて、お祝いしてもらっていました。

 私は、ロニョン・ド・ヴォーというものは、これまで食べたことがなく、一度は食べてみたいと思っていたので、今回は良い機会だと思って頼んでみたところ、店員さんは、「これが何だか?わかって注文していますか?」とちょっと心配してくれました。私は苦笑いしながら、「大丈夫、ちゃんとわかっていますよ・・」と言いながら、「でも、どんな感じに出てくるかはわからないけど・・」と内心、思っていました。



 注文が終わると、アペリティフの温かいチーズ入りのシューを二つ持ってきてくれました。中身のチーズは「コンテ」ということでしたが、これが軽くてちょっとかじるとチーズの香りがふわっとして、とっても美味しかったです。




 次に出てきたのが「エスカルゴ」・・陶器のエスカルゴ用のお皿にグツグツいいながら、出てきます。多くは、エスカルゴの殻ごと焼いたものが出てくるのですが、ここのものは、殻から出したものを焼いてくれるので、食べやすく、あっという間に完食。塩味はわりと薄めでした。



 次は私が追加で注文していた「オニオングラタンスープ」こちらも、当然のことながら、焼き立ての熱々、ぐつぐつ状態ですが、これがまた、絶品でした。 ここのオニオングラタンスープは30ヶ月もののコンテを使用しているということで、チーズもたっぷり、もっちりしていて、もうお餅くらいにたっぷりしていて、ぐわ~~んと伸びます。スープ全体の味ととてもよくマッチしていて、もちろん玉ねぎもたっぷりどろどろ入っていて、とても濃厚なスープで、見かけは小さく見えますが、実はとても食べでがあり、もしかして、もうここまででよかったかも?と思うほど、かなりのボリュームがあります。




 そして、その後に登場したメインの「ロニョン・ド・ヴォー」ですが、マスタードソースで、プルロット茸(日本語ではヒラタケというらしい)が入っています。マスタードとクリームのソースがとてもよくマッチしていて、何よりもどこかサックリ、どこかふわっともっちりとした食感がなかなか見事でした。

 マッシュポテトが添えられており、このマッシュポテトもさすがプロが作るものは、違うな・・と感心しました。




 最後に可愛いタスにコーヒーが出てきますが、コーヒーはもちろんですが、それに添えられていたヌガーがとても美味しく、普段、ヌガーなど、ほとんど食べないのですが、甘さがかなり抑えられていて、とても食べやすい軽いヌガーでコーヒーのお供には、なかなか優れものだと思いました。

 このお店、初めて訪ねていくにあたって、少しネット等で見てみたのですが、けっこう知る人ぞ知る有名店のようで、色々な紙面(誌面)に紹介されていますし、いくつかの映画のスタジオやレコード会社が近くにあったこともあり、美食家のセレブが訪れるお店でもあるようで、ある誌面では、「ここのゲストブックは社交界の名簿のようだ」と書かれています。



 そこまでフォーマルな感じというよりも、むしろ独特世界観のあるレトロな雰囲気も併せたユニークなお店ですが、妙にとても落ち着く感じもあります。

 店内にも「パリジャン紙」に紹介された記事などが飾られていましたが、残念ながら、「孤独のグルメ」については、影も形もない・・と思っていたら、数々の展示品の中にフワッと「五郎さん(松重豊氏)」の絵葉書が一枚ありました。




 こんなさりげない置かれ方もまた、「なかなかカッコいいな!」と思ってしまうのでした。

 偶然、ふらっと見つけて入るような感じの場所でもなく、一瞬、ちょっと入りづらい(高級すぎる感じで腰が引けるとか、そういう感じではない)感じもするけれど、独特な世界観があり、落ち着いた良い感じのお店です。

 今回、私が頂いたのは、3種類だけでしたが、おそらく、どれを食べても美味しいのではないかと思われます。

最寄り駅 Place de Clichy


 しかし、パリでまで、「五郎さん」にお店を教えていただけるとは・・まったく恐れ入ります。

 ところで、この映画、なかなかのヒットのようで興行収入10億円を突破したらしいです。


🌟Le Bouclard 1Rue Cavallotti 75018 Paris 


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2025年4月17日木曜日

3夜連続のフランス各地の刑務所襲撃 刑務官たちの車が燃やされ、刑務所に銃撃弾の異常事態

  


 まだまだ・・というか、知らないフランス語がたくさんある中で、「DDPF」というのを初めて聞きました。「DDPF」は、「Defense des Droits des Prisonniiers Français」の頭文字を重ねたもので、「フランスの囚人の権利」という意味です。

 これまで多くの場面で様々なフランス人の「権利の主張」を目にして、当然の権利だろうと思われるものから、中にはビックリするような権利の主張を見てきました。

 今、思い出すちょっとビックリした権利は、行方不明で捜索願いがでていた人に対して、ニュース番組で、ああでもない・・こうでもない・・こんな可能性などもある・・などと警察関係者?や専門家たちが何やら喧々囂々と議論しているときに、その中のある人が「でも、人には、失踪する権利、いなくなる権利・・というものがあるから・・」と言い出したのに、とても驚いたことがありました。

 今回の「フランス囚人の権利」というのも、なかなかびっくりしました。囚人といえども人権はある・・ので、ある程度の人権は保護されるべきだとは思いつつ、それがふつうの人のようにはいかず、多くの行動において制限されるのが刑務所だとも思うのです。

 もっとも、今回の「DDPF」は、大雑把にいえば、囚人たちの仲間が同時多発的にフランス各地の刑務所をこれで3日連続、襲撃している事件で、この襲撃している者たちが、スローガンのように刑務所や、刑務学校などを狙って襲撃と同時に「DDPF」と車や建築物、刑務所の壁面などに、落書きしまくっているようで、さすがにこの襲撃を襲撃する権利とまでと言っているわけではありません。

 このフランス各地の刑務所を中心とした襲撃事件は、トゥーロン、マルセイユ、ヴァランス、ナンテール、ムラン、ヴィルパント、アジャンなどなど、今週明けくらいから、毎晩のように起こっているようで、組織的なテロ行為と見られています。

 これは、とても偶然に刑務所および刑務学校ばかりが同日、連日、起こっていると考えるのは、むしろ不自然で、中には、刑務所にカラシニコフの銃弾が撃ち込まれたり、刑務官たちの車が燃やされたりすることがかなりの規模で行われているのは、不気味な動きでもあり、恐ろしいことでもあります。

 これら全ての襲撃は、今年になって発表された「麻薬密売人専用の厳重警備刑務所」や「刑務所警察部隊」の設立をはじめとする組織的な麻薬密売組織への厳しい処遇などに反発する組織的なムーブメントであるとも言われています。

 これは、昨年5月に起こった囚人護送中に起こった「刑務官射殺のうえの囚人逃亡」事件以来、刑務所の中でも携帯電話使い放題問題、刑務所内から外に向けて新たな犯罪を指揮する組織の問題などが次々と明らかになって、この刑務所内の管理体制が少しずつ強化されているもので、これらの事態に麻薬密売組織がある種の暴力的、破壊的な抗議行動に出ているものと見られています。

 また、この動きを組織的に指示して、統括しているのが、刑務所内にいるのか、外にいるのかはわかっていませんが、いずれにしても、相当な大規模な組織であるということは、同時に広範囲の刑務所に向けて行われていることからも明らかです。

 車を燃やされたり、命の危険に晒されている刑務官からしても、たまらない・・というか、やってられない事態でもあります。

 国家テロ対策検察庁(Pnat)は、この事件の捜査を担当し、司法のテロ対策副局(Sdat)、国家警察の関連地域局および国内治安総局(DGSI)に捜査を委託すると発表しています。

 それにしても、刑務所まで警備が必用とは・・ため息も出ない気持ちです。


フランス各地刑務所襲撃 DDPF


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