2026年1月9日金曜日

フランス大手スーパーマーケットチェーン「オーシャン Auchan」グループ リストラ計画控訴で無効

  


 フランスの大手スーパーマーケットチェーン「オーシャン Auchan」グループが大規模な人員削減を含むリストラ計画が発表したのは、2024年11月のことでした。経営陣のこの発表に対して、組合側がこれを不服として控訴しており、この度、行政控訴裁判所は、オーシャングループの雇用保護計画(リストラ計画)の無効を支持しました。

 これは昨年9月の段階の一審ですでに却下されていたのですが、オーシャンの経営陣は、引き続き、この人員削減計画(一部配置転換を含む)を要求していたようです。

 ここ数年?大手スーパーマーケットチェーンはどこも業績悪化やセルフレジの普及などで人員削減しているところが多いのです。

 細かな経営状況はわかりませんが、なにも経営陣とはいえ、好き好んで人員削減したいわけでもなかろうに・・、このままの状態が続いたら、より窮地に陥ることを見込んで人員削減計画を実行しているであろうに・・、それを裁判所が却下するってどういうこと?だったらどうすればいいの?と思ってしまいます。

 組合側は「従業員にとっての大きな勝利!」と言っているようですが、だからといって、これは必ずしも、リストラが全面的に不可能というわけではないようです。

 フランスは従業員、雇用されている側の権利というものは、かなり厳しく守られており、リストラというものが簡単ではないことでは有名な国です。

 以前、最も衝撃的だったのは、日本企業のブリヂストンが工場を閉鎖する際の大変な反発は、ちょっと恐ろしいほどで、終いには政府の大臣級の人まで出てきて、マスコミまで巻き込んでの大騒動となりました。

 今回は、ブリヂストンほどの騒ぎにはならないとは思いますが、裁判沙汰になるということはやはりなかなかです。

 これは、業績悪化にもかかわらず、リストラができないというわけではなく、今回の話は、簡単にいえば、「手続きの問題で無効になった」ということで、地方裁判所が「従業員代表組織との協議手続きに重大な手続き上の瑕疵(かし)(法律上において意図された効果欠けている状態)がある」として無効にしたもの(つまり、リストラ計画の「承認・協議」プロセスが適切ではなかったということ)のようです。

 とはいえ、フランスにおいては、従業員を解雇するということは、非常にハードルが高く、従業員の勤続年数や契約形態によっても違いますが、最低ラインでも、法律で定められた金額を支払わなければ、解雇することはできません。

 また、この条件についての話し合いが難航すれば、今回のような裁判にもなるわけですが、解雇が不当と判断されれば補償が発生するという厳しいルールになっています。

 なので、業績が悪くても、社員を解雇できないわけではありませんが、フランスの解雇は法的条件・手続きを満たさないと無効になるということの一例でもあります。

 このような解雇のニュースが出るたびに、フランスで人を雇うということは、つくづく大変だな・・と、むしろ、なぜか経営者側が気の毒に感じることが多く、雇用するにあたって、社会保障や税金等、従業員に対してかかる税金も非常に高く、そのうえ、なにかと言えば、すぐストライキ、バカンスはガッツリ1ヶ月、業績悪化しても、簡単には首も切れずに、辞めさせるためにまた、莫大な支払いが待っているのです。

 こんな様子では、なにか、事業を起こしたい人は、やっぱり余程の覚悟がなければ、フランスで・・とはならないのでは??と思ってしまいます。


「オーシャン Auchan」グループ リストラ計画控訴で無効


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