2020年9月30日水曜日

パリは最大警戒地域に指定されるのか?

  フランスのコロナウィルスの感染拡大により69の地域が警戒地域に指定され、13ヶ所のパリ、ボルドー、リヨン、ニースなどの地域が特別警戒地域に指定され、さらにマルセイユ、グアドループが最大特別警戒地域に指定されてから、一週間も経たないうちに、パリ(イル・ド・フランス)の感染状況に赤信号が灯り始めました。 先週末から最大特別警戒地域に指定されたマルセイユでは、レストランの営業が禁止になり、パリでも22時以降の営業が禁止になりました。 政府からのお達しにも関わらず、大人しく従う人ばかりではないのがフランスです。それでも強引に営業を続けるレストランの様子が報道されていました。 先週の段階では、フランス本土内では、最悪の感染状況だったマルセイユですが、今週に入って、パリ(イル・ド・フランス)の感染状況がマルセイユを上回っています。 感染発生率(10万人あたりの感染者数)がパリを含むイル・ド・フランス地域で、レッドゾーンのライン250例を超え、259.6例に突入しました。これは、警戒基準の5倍、フランスの全国平均の2.5倍の数字です。病院でも、この地域だけで、現在、2000人以上(2064人)がコロナウィルスのために入院しており、集中治療室でのコロナウィルスの患者の割合が32.1%を超え、増加が止まりません。 先週、政府が出した指標により、レストランの全時間帯営業停止に追い込まれたマルセイユの例に習うならば、パリのレストランもいつ営業停止になってもおかしくない状況です。 現在のところは、パリでは22時までの営業は認められていますが、22時閉店でさえも、受け入れられないと、一部のレストランのオーナーが集まって、お鍋を叩きながら、営業時間制限反対を訴えるデモが起こっています。 感染状況から見ても、営業停止になっても不思議はない状態で、22時閉店に抗議するデモ。どうにも危機意識にズレがあるように思えてなりません。 AP-HP(パリの病院の統括部門)は、先週末から、通常の病院操作プログラムを解除し、コロナウィルス患者増加への対応との調整に取り掛かり始めました。ロックダウン時にはなかった交通事故や他の病気の患者に加えて、これからインフルエンザの季節が到来すれば、コロナウィルスの患者と相まって、再び、一気に医療崩壊が起こってしまうことも大いにあり得ることなのです。 現在のところ、フランスでのクラスターの発生している場所の一位は会社、次いで学校とされていますが、それは、レストランやバーでの感染者の追跡ができていないからです。 コロナウィルスとの共存していくには、徹底的に検査を続けることと、感染源を追跡して、感染の拡大を防ぐしかありません。ロックダウン後には、治まりかけた感染が再びこのように悪化してしまったのは、この検査の徹底と感染者の追跡、隔離ができていないからです。 感染が増えたからといって営業停止やロックダウンを繰り返すのは、愚かです。 今ほどの感染状況になってしまえば、一時的にでも、感染を抑えるために、営業時間の制限や停止もやむを得ないかもしれませんが、本来ならば、感染の危険が考えられ、しかもマスクという武器が使えないレストランやバーの営業にあたっては、感染者の追跡が可能になるようにレストランを利用するお客さんに対して、利用した時間帯とともに連絡先を控える等の対策がなされるべきなのではないかと思います。 それができれば、実際にどの程度、飲食店で感染が起こっているのかも測定することができるし、感染者を追跡できれば、むやみやたらに営業を停止する必要もありません。 ただ、ソーシャルディスタンスを取れとか、マスクをしろとか、手を洗えとか、それだけをがなりたてても、フランスでのコロナ感染は止まりません。 3月〜4月のような医療崩壊が起こるようなギリギリの状態にならなければ、フランスはロックダウンをすることはないように思います。ならば、感染者を徹底的に追跡できるシステムを作っていかなければなりません。せっかくお金をかけて作ったコロナウィルス感染者追跡アプリ「STOP...

2020年9月29日火曜日

コロナウィルスの煽りを受けて、急遽、フランスの田舎暮らしが始まった娘

  10月からの娘の日本への留学が、コロナウィルスのために、ドタキャンになったのは、9月に入ってからのことで、私としては、日本への渡航のチケットがパーになってしまったことに憤慨していましたが、娘としては、10月から半年間の予定が急にパーになってしまったわけで、9月は、その留学するはずだった期間に入れるスタージュ(企業や大学での研修)探しに躍起になっており、その後の予定も含めて大幅に変更しなければならなくなったために、落ち込んでばかりもいられませんでした。 10月からのスタージュを9月に探している人など、ほとんどなく、10月からのスタージュはすでにほとんどが決まってしまっているわけで、かと言って、それでも何もせずに半年間過ごすのは、あまりにもったいないことで、彼女の専門分野の研究をしている会社の募集を見ては、CVを10ヶ所以上も送り、ようやく正式にスタージュ先が決まったのが一週間ほど前のことでした。 「最初から10月からのスタージュを探していれば、もっと理想的な会社が見つかったのに・・」と、こぼしながらも、会社もフランス国内では業界最大手、研究自体も興味深い内容なのだとかで、やれやれ、この土壇場の職探しの中では、上出来と言えるものなのかもしれません。 しかし、問題は、その会社の研究所がパリではなく、自宅からは通えないブルターニュのど田舎にあることで、そのど田舎での半年間のアパート探しをしなければなりませんでした。 彼女は、昨年までの2年間、ボルドーにあるグランドエコールに通うために、一人暮らし(といっても、シェアハウスでしたが・・)をしていましたが、それでもボルドーは、地方とはいえ、大都市で、田舎・・という感じではありませんでした。 今回の研究所のある街は、Google...

2020年9月28日月曜日

死にたいと思う時に・・

   私が娘を産んだ時、分娩台の上で赤ちゃんを見せてもらった時に、これは大変なことをしてしまった・・一人の人間が私から誕生してしまった・・これは、大変な責任だ!と改めて思ったのと同時に、この子がなんとか無事に育つまでは、何があっても死ぬわけにはいかない・・と思ったことを、なぜかその瞬間を切り取るようにハッキリと覚えています。 その後、アフリカからフランスに引っ越し、フランスでの生活が落ち着くまでには、色々なことがあり、主人も仕事のことなどで、うつ状態になったりして、にっちもさっちも行かずに、まだ、赤ちゃんだった娘を抱えて、私にとっても、とてもしんどい時期がありました。 心配した母が...

2020年9月27日日曜日

ジャック・シラク元大統領の一周忌

   私がフランスに来た頃のフランスの大統領は、シラク大統領でした。まだ、フランスという国をよく知らなかった私にも、シラク大統領のカリスマ的な存在は、とても頼もしく、また長身で、スマートでどこかエレガントな姿も、フランスの大統領として、どこか誇らしく、たまに目にする彼の演説を大統領というものは、さすがに話も上手で説得力のあるものだなぁと感心しながら聴いていました。 彼は、フランス国民に絶大な人気の大統領で、官僚出身のエリートでありながら、気取らず、庶民的な一面も見せつつも、威厳と気品の感じられる圧倒的なオーラがある人でした。 一般庶民に嫌われている現在のマクロン大統領と違って、下層階級の人に...

2020年9月26日土曜日

シャルリー・エブド元本社前でのテロ事件でパリ11区、俄かロックダウン

  警察はおろか、軍隊が出動する光景は、パリでは見慣れた光景になりました。テロ・デモの暴動化・コロナウィルス・・その度に警察、消防、救急、軍隊とが出動し、街中に物々しいテープが貼られ、厳戒態勢が敷かれるのがさほど珍しくなくなっていることにパリ(フランス)が異常な状況であることを実感させられます。 25日(金)の昼ごろ、パリ11区にあるシャルリー・エブド(風刺週刊紙)の元本社前で、休憩中であった数名がナイフで襲われ、うち2名が重傷を負うテロと思われる事件が起こり、フランスは、大騒動になっています。 パリでは、社員が建物の前で数人がたむろして、休憩時間にタバコを吸っている様子は、どこで...

2020年9月25日金曜日

新規感染者1万6千人超えのフランス 全仏オープン・ローランギャロス2020は継続されるか?

 フランスの新規感染者数が1万人を突破したのは、9月12日(土)のことなので、それから、約一週間後に1万3千人を突破し、また一週間も経たないうちにさらに3千人増加の1万6千人も突破しました。 一週間弱の間に3千人ずつ増えていく感染者数に、もはや、数字の感覚が麻痺してきました。昨日は、新規感染者数の大幅増加だけでなく、ICU(集中治療室)の患者数も1000人を突破し、ロックダウン解除以降の記録を伸ばしています。 一昨日に政府から発表された69の地域の警戒地域指定や、特別警戒地域、最大特別警戒地域に対する行動制限政策は、大きな波紋を呼び、特に飲食店閉鎖が決まったマルセイユでは、飲食店経営者の怒りや、顧客側もレストランが閉鎖される土曜日の前に駆け込みで外食を楽しむ人が増加しています。 ロックダウンが決まった際にも前日の夜には、まるでカウントダウンを楽しむかのように、レストランやバーなどが異常に賑わった時と同じ状況が再び起ころうとしています。 思えば、ロックダウン解除後も最後まで、なかなか営業を許可されず、テラスのみの営業からようやく開店できるようになっていた飲食店が、どこよりも先に再び営業停止になることは、大変な憤りであり、大打撃であると思われます。 ジャン・カステックス首相は、この飲食店の経営者の怒りと、なぜ?レストランだけが営業停止になるのかという質問にテレビ番組で、「公共の場所でどうしてもマスクをすることができない場所であるから・・」との理由を述べていましたが、駆け込みで外食を楽しんでいる人々は、レストランが閉鎖されれば、別の方法を探すしかない・・と、なんとか人と集おうとする懲りない様子をうかがわせていました。 そんな中、フランスでは、9月27日(日)には、全仏オープンテニス・ローランギャロスが始まります。例年は5月末から6月の初旬に開催されるこの大会もコロナウィルスの影響で、延期されていました。 すでに予選は、始まっていますが、27日(日)からのトーナメントは、今のところ、開催予定に変わりはありませんが、大会の行われるイル・ド・フランスの警察からの勧告で、トーナメント中のローランギャロスのスタジアムにアクセスできる観客の数を1000人に制限しています。 5月末に延期した段階で、全仏オープンテニス協会は、強固に観客を入れての開催にこだわっており、チケットは、すでに7月からオンライン予約が開始され、今年は、当日券は発行されない予定です。 一度、錦織選手を応援に行こうかと、チケットを取ろうとして、びっくり!ローランギャロスのチケットは、155€〜190€・・高いものだと300€を超える高額で、断念しました。 協会は万全の対策を取っていることをアピールしており、選手は到着時及び72時間後にPCR検査を行うことが義務付けられ、以後5日おきに検査、指定されたホテルで隔離されています。 つい先日、延期されていたツールドフランス(自転車のロードレース)が開催されて、終了したばかりですが、同様に延期されていたローランギャロスの開催。両者とも、当初の予定の日程時以上に感染状態が悪化した状態での強行開催に結果論ではありながら、より悪い結果をもたらすことばかりのタイミングの悪さがもどかしいばかりです。 おまけにローランギャロスは長いこと、屋根の無い、クレーコートで雨が降るたびに試合が中断する事態に悩まされてきましたが、皮肉なことに今年からセンターコート「フィリップ・シャトリエ」には、開閉式屋根が設置されたばかり・・。 ...

2020年9月24日木曜日

フランスの感染拡大対策 69の地域を警戒地域に指定 マルセイユはレストラン・バー営業停止へ

        フランスでは、ここ数週間のコロナウィルスの感染急拡大を受けて、ようやく政府が、具体的な対策を開始することを発表しました。 フランスの新規感染者数は、昨日も1万3千人超え(13072人)、死者、入院患者、ICUの患者も確実に増加し、地域によっては、集中治療室の占拠率が危うくなり、病院内での他の病床との調整を開始している状況です。 昨日、厚生大臣のオリビエ・ベランは、ロックダウンの第一段階とも見える感染拡大を阻止するための地域ごとの行動制限政策を発表しました。 感染発生率(1週間での10万人あたりの陽性症例数)、陽性率、クラスター、有効R(感染した個人が感染する人数)、コロナウィルス患者による集中治療室の占拠率等を考慮して、フランス全土のうち、69の地域を警戒地域に指定しました。 さらに、これらの数値からみて、より深刻な状況に至っているパリ、ボルドー、リヨン、トゥールーズ、ニース、サンテティエンヌ、レンヌ、モンペリエ、リール、ルーアンとグルノーブルの11の地域を特別警戒地域に指定しました。 特別警戒地域では、今週の土曜日から1000名以上の集会禁止、地域の主要イベント禁止、ジム等のスポーツ施設の閉鎖、公共スペースでの10人以上の集まり禁止(冠婚葬祭、家族・友人の誕生日、パーティー等)そして、来週の月曜日からバーの22時閉店が義務付けられます。 そして、さらに感染状況の深刻なマルセイユ、グアドループは、最大特別警戒地域に指定され、特別警戒地域での制限に加え、レストラン・バーの営業停止が義務付けられました。 これには、マルセイユのレストラン経営者たちは、大変な怒りと憤りを示しており、「自分たちは、最大限、衛生管理をしながら営業しているし、感染拡大は、レストラン・バーだけから、起こっているわけではない!これは、市民全体の習慣や危機意識の問題で、公共交通機関や他の商店が営業しているのに、レストランやバーだけが営業停止になるのは、納得いかない!」と、突然の政府の発表に怒りを露わにしており、フランスのツイッターのトレンドには、一気に「マルセイユ」が上位に上がりました。 実際に、一般の商店、博物館、映画館、教会等は、閉鎖の対象にはなっていません。しかし、これらの施設に関しても、厳重な衛生管理がされていない場合は、閉鎖とされています。 これまでのコロナウィルスに関しての報道を見ていると、クロロキン(マラリアの治療薬)をコロナウィルスの治療薬に有効であることを発表し続けて、一時、ヒーロー扱いされていたマルセイユ大学のラウルト教授の影響もあり?やたらとマルセイユは、パリと張り合っているようなイメージがありましたが、ここにきて、マルセイユが格段に感染状況が悪化してしまいました。(多くのパリジャン・パリジェンヌがバカンスで南方に行ったことも影響していると考えられます。)  ロックダウン解除以来、「コロナウィルスと共に生きる!(Vivre...

2020年9月23日水曜日

最近のパリのメトロ

  コロナウィルスの感染拡大が始まって以来、パリのメトロ、バスには、できるだけ乗らないようになりました。ロックダウンが解除になって以降ですから、5月からの夏にかけての気候の良い時期でもあり、それなら、それで、なんとかなるもので、できる限り、移動は、自転車か徒歩で、かなりの長距離でも移動するようになり、いたって健康的な生活になりました。 それでも、どうしても自転車や徒歩では厳しい時には、メトロに乗るのですが、今日、久しぶりにメトロに乗って、ロックダウン解除当時の緊張感がなくなっていることに気付いて、びっくりしたのです。 ロックダウンが解除になって、初めてメトロに乗った時は、私自身もド...

2020年9月22日火曜日

ブリヂストン・フランス・べチューン工場閉鎖 ②

 ブリヂストンがフランス・べチューン工場閉鎖を発表して、1週間が経ちました。 ブリヂストンの発表同日にフランスのボルヌ労働相とパニエリュナシェ経済閣外相は連名で、「ブリヂストンは、欧州内の別の工場のためにべチューン工場への投資を長年怠ってきた、工場閉鎖は全く同意できない」と発表し、その姿勢を継続し、マスコミを巻き込んで、なんとか、工場閉鎖を回避する圧力ともいえる態度で従業員を守ろうとする姿勢を示しています。 彼らが偽善ではなく、このようなことを主張し続けるのであれば、正気を疑いたくなるような内容です。 ブリヂストンのこの工場は、自動車用の小口径タイヤを生産しています。10年間で40%生産性が低下したこの工場は、ヨーロッパの中でも最も効率の悪い工場なのです。付加価値の高い大口径タイヤを製造するための投資をこの工場ではなく、同社がポーランドの工場に行ったことをフランス政府は避難しています。 そして、これから、フランス政府の援助を受けて、工場に再投資し、人を再教育し、工場存続することを要求しています。 普通、会社が投資を考える場合、最もその効率の良い場所を選ぶのは、当然のこと、フランスのべチューン工場が投資対象に選ばれなかったのには、それなりの理由があってのことです。 ヨーロッパのタイヤの品質は、格安なアジアの製品には決して劣ることはないなどと言っていますが、実際に売れないのだから、仕方がありません。極端に上質な製品は別として、この工場の製品が格段、アジアで作られる製品に比べて圧倒的に秀逸なものであるわけでもなく、コストや生産性を考えれば、工場は、より安くより良い製品を作れる場所にシフトしていくのは、当然のことです。 ヨーロッパのタイヤ産業は、長いこと窮状に瀕しています。フランスでは、過去10年間に、Clairoixにあるコンチネンタルの工場、アミアンにあるGoodyearの工場、昨年には、La...

2020年9月21日月曜日

週末のパリ ジョルネ・ド・パトリモアンヌとツール・ド・フランス ファイナル

                                              新規感染者数が1万3千人を超えたフランス・パリの週末は、いつもの週末以上に人出が多く、街中も賑わっていました。 というのも、この週末は、毎年9月に行われているJournées du patrimoine(ジョルネ・ド・パトリモアンヌ)といって、フランスの国家遺産、公共施設の裏側など、日頃、足を踏み入れることができない場所を一般公開する週末で、エリゼ宮や大統領官邸、オテル・マティニョン(首相官邸)、パリ市役所、パレロワイヤル、ソルボンヌなどの大学などなど多くの施設が無料で解放される週末であった...

2020年9月20日日曜日

娘の留学ドタキャン コロナウィルスによる被害

  娘の留学が決まったのは、昨年末のことでした。グランゼコールの2年目が終わると、3年目の彼女の予定は、海外でのスタージュや留学で、1年間が、びっちり埋まっていて、本体の学校へは、もう行かないことになっていました。 彼女は理系専攻のため、エンジニアの資格取得のためには、一定期間のスタージュ(研修)が、必須で、今年の夏も彼女のクラスメートは、皆、漏れなくスタージュの予定が入っていました。 スタージュ自体は、個人がそれぞれに興味のある会社や大学に申し込み、契約をするので、フランス国内だけでなく、ヨーロッパやアメリカなど、個人の希望で先方が受け入れてくれさえすれば、特別な縛りはありません。 ところが、コロナウィルスのおかげで多くの学生がスタージュが取りやめになったり、行き先がアメリカだったりした人は、断念せざるを得なくなり、慌てて別のスタージュを探し回り、中には、コロナウィルスの検査を請け負っている会社でスタージュをしたり、それでも見つからなかった学生には、学校側がスタージュに代わる特別なプログラムを用意して、それを消化することで、その期間、スタージュをしたことにするという異例の措置が取られたりしました。 娘は、夏の間は、イギリスの大学でのスタージュが決まっていましたが、結局、イギリスに行くことはなく、しかし、幸いにも先方がリモートワークで受け入れてくださったので、夏の3ヶ月間のスタージュは、予定どおり?に終えることができました。 そして、9月の一ヶ月間をあけて、10月からは、今度は、スタージュではなくて、半年間、日本の国立大学の大学院に留学する予定になっていました。この留学は、こちらのグランゼコールからの留学なので、直接、日本の大学とも連絡が取れずに、しかも、このコロナ渦の中、どうなるかわからないまま、時間が過ぎて行きました。 コロナウィルスでフランスがロックダウンになって以降は、日本の大学からも、航空券の予約は、ギリギリまで、しないように・・との連絡が来ていましたが、8月の半ばになって、急に日本の大学の方から、10月からの滞在場所、寮の申し込みをしてくださいという連絡があり、到着日、到着便なども記入しなければならないことになっていたので、慌てて、日本行きの便を探し始めました。 彼女は、日本人なので、日本に入国することはできるのですが、留学先の大学が地方のため、パリからは直行便はなく、羽田での乗り換えの際に、そのまま乗り換えができるかどうかを悩んだ末、日本到着後の2週間の自粛は、東京の私の実家でおとなしく、引きこもり生活をし、2週間後に地方へ発つという方法を考えていました。 羽田からも公共交通機関は使えないということで、親戚や友人にも高齢者である家族を抱える人が多いので、迷惑をかけることは、絶対に避けたいので、彼女は、羽田から、荷物は、配送を頼んで送り、自分は、家まで歩いて行くと言っていました。 彼女は、運転免許を持っていないので、私が一緒に付いて行って、レンタカーを借りて、空港から実家まで送るという手も考えましたが、それも、あまりにバカらしく、彼女の健脚に任せることにしていたのです。 寮に入れるかどうかの返事が来るのは、9月に入ってからということだったので、もし、それがダメな場合は、別の滞在先を探さなくてはいけないから、ダメだった時は・・と、見当をつけたりもしていました。 ところが、9月に入って、こちらのエコールから転送されてきたのは、一ヶ月近く前に日本の大学から来ていた留学延期、あるいは、中止のどちらかを選んでくださいというメール。慌てて、日本の大学に確認のメールを送ったところが、検討の結果、渡航を伴う留学は、今期は受け付けられないとのこと。 8月の段階で、日本の大学から来ていたメールをバカンス中だったために、こちらのエコールの担当者にスルーされていたのは、フランスなら、大いにあり得ること、そのメールになぜ?Cc.をつけてくれなかったのか?...

2020年9月19日土曜日

新規感染者数1万3千人突破のフランス

     ここ数ヶ月のフランスは、少なくとも週に1回は、思わず変な声をあげてしまうほど、夜に新規感染者数が発表されるたびに驚かされます。昨夜もその1日でした。 前日には、1万人を超えていたものの、その数日前にも1万人を超えた日があったので、数日間、土日が入ったりして、検査数や検査の結果が出るまでの時間差で、減少してたものの、再び、1万人に達した時は、さすがに、また、戻っちゃった・・と思ったくらいで、もはや驚きませんでした。 しかし、一日あけて、1万3千人(13215人)という数字を聞いて、再び、息を呑みました。1日で、3千人増加とは・・さすがに、フランスは、本当に大丈夫だろうか?と、不安になってきました。 ラボ(検査所)に長蛇の列ができるほど、検査数が増えてはいますが、それは、検査の受け付け方が悪いので、悪目立ちしていますが、他のヨーロッパ諸国、ドイツ、イギリス、イタリア、スペインなどと比べてみると、この一ヶ月間のフランスの検査数は、フランスは、むしろ少ない方で、感染者数だけは飛び抜けているというのは、明らかにフランスの感染状況が飛び抜けて悲惨な状況であることを示しています。 はっきり言って、これだけ急激に感染者が増加している国とは思えないほどに、街の中には、危機感がまるでなく、義務付けられているので、マスクをしているものの、家族で集まったり、友人と食事をしたりすることに躊躇がまるでなく、緊張感のかけらもありません。 フランスでは、これまでに...

2020年9月18日金曜日

フランスで今、一番、行列ができる場所

 今、フランスで、一番の行列ができる場所は、ラボラトワ(試験所、検査所)で、いくつもの街で、マスクをした人たちが路上に長い行列を作っています。 最大限の検査を可能にして、感染者を隔離するという方針をとり、症状のある人はもちろんのこと、会社からの要請や、渡航に際しての証明書が必要だったりで、検査所の行列は、早朝5時、6時から行列が始まって、検査を受けるまでの待ち時間がひどい場所では3時間から4時間もかかかっている状況なのだそうです。 行列嫌いのフランス人が、コロナ以来、ロックダウン中などは、入場制限がされていたスーパーマーケットに入る時にさえ、行列を作らなくてはならず、それまでは、ちゃんと列を作って並ぶということがあまりなかったフランスで、行列は、フランスに新しくできた習慣でもあります。 しかし、症状のある人も混じえて、行列を作って、長時間、中には、路上に座り込む人まで出てきて、(このご時世に路上に座り込むことが不潔だと考えないことに唖然とする)その行列を見込んで、飲み物、食べ物を売る人たちが登場したり、これでは、検査所がクラスターになるのでは・・?と、思ってしまいます。 そもそも、これらのラボは、日常は、他の病気、怪我等の検査を行う場所であり、血液検査、レントゲン、CTなどの他の検査を行う場所です。これでは、とても、他の検査のためにラボに行くことは、よほど緊急でない限り、躊躇われますし、ラボの業務自体もいっぱいいっぱいで、職員たちは、悲鳴を上げ始め、ストライキも厭わないと訴え始めています。 ラボの職員とはいえ、フランス人、ラボの職員によるストライキで検査がストップする・・なんてこともありえない話ではありません。 この検査と隔離の政策がスムーズに運ばない中、フランスの感染状況は、日々、深刻化しており、昨日も1日の感染者数は...

2020年9月17日木曜日

ブリヂストン・フランス・べチューン工場閉鎖 ①

   私は、今日まで、ブリヂストンの工場がフランスにあることを知らず、娘は、ブリヂストンが日本の会社であることを知りませんでした。「だって、日本語っぽくない名前じゃない?」という娘に、創業者の石橋さんという人の名前をとって、STONE BRIDGEの語呂をよくするために、前後をひっくり返してできた名前らしいよ・・と言うと、なるほど・・と彼女も納得していました。 つまり、ブリヂストンは、どこの国の会社かどうかは別として、その名前は、フランスでも多くの人に知られている会社なわけです。 ブリヂストンが欧州内の乗用車用タイヤ市場の収益構造悪化のため、フランス・べチューン工場を閉鎖することを...

2020年9月16日水曜日

幸せの感受性 海外生活でみつけた幸せを感じる方法

  昨晩は、なぜか、明け方まで寝付かれずに、朝、早くには、起きれずに、起きる前から背中の全面が痛くて不調そのもの、なんか1日のサイクルも狂ってしまいました。 朝ごはんも食べたような食べないような・・いつもなら、午前中に済ませるはずのことが立て込んで、なんだか逆にバタバタで、お昼を食べようかと思っても、なんだか何にも食べたくなくて・・なにも作る気がしなかったのです。 夜だったら、買い置きの生ハムやチーズとちょっとサラダでも作ってワインで終わり・・にしてしまうところですが、昼間から飲むというのも何だかなぁ・・と考えていたら、そうそう酢飯だったら、ちょっと食べたいかも・・と冷凍してあった...

2020年9月15日火曜日

宗教に傾倒しすぎる義理の息子 フランス人の宗教

  私が彼に最初に会ったのは、彼が高校生の時で、真面目で、まっすぐな好青年といった印象でした。ちょうど、「バカロレアの試験に通ったよ・・」という報告に、主人が大げさに喜んでいるのに対して・・「C'est normal・・あたりまえだよ・・」と、笑っていたのが、つい少し前のことのように感じられますが、あれからもうずいぶんと時間も経って、あの時に想像していた彼の将来とは、全く違う道を進んでいます。 彼は、主人の前の奥さんとの間の長男で、お母さんの影響を誰よりも強く受けて育っています。 というのも、主人が離婚した最たる理由は、彼の前妻の度が過ぎる宗教への傾倒で、新興宗教ではないようですが...

2020年9月14日月曜日

フランスでの日常の食料品の買い物 ② フランスのチーズ等 料理せずに簡単に食べられる食品

  食べることが大好きながら、断然、日本食党の我が家は、普段からあまり外食をしないのですが、ロックダウンに引き続き、ロックダウンが解除になっても、圧倒的に家で食事をすることが多く、限られた食材で、色々と工夫しながら、食事の支度をしているのですが、さすがに、もう自分の作るものにも飽きてきて、お料理にも飽き飽きしてきて、そうなってくると、フランスで簡単に買えて、簡単に食べられるもの・・を買ってくることが多くなってきました。 フランスで美味しいものといえば、パン、チーズなどの乳製品が一番、お手軽で簡単に食べられる食品ですが、今日は、お料理をしたくない時のために我が家で買いおきをしているフランスならどこでも買えるだろう食品をご紹介します。 パンは、バゲットが一番、シンプルで食べやすいのですが、長期保存ができないため、買い置きはできません。そこで、我が家の買い置きのパンの代用品は、こちら↓です。  左は、全粒粉のハードタイプのパンでうっすら自然の甘みが感じられて美味しいです。中央は、スウェーデンのクリスプブレッドで素朴でシンプルな味、物足りないと感じられる方もいるかもしれませんが、スモークサーモンやタラマなどとよく合います。右は、まさにクラッカーですが、このTUCのチーズ味は不思議なことに日本のスナック菓子カールのチーズ味の味に似ています。 これらのパンに塗って食べるのが、こちら↓です。         左がタラマといって、魚卵(鱈)の塩漬けを菜種油やクリーム、物によってはカラスミ等を混ぜて作られたディップのようなもので、簡単に言うなら、たらこクリームのようなものです。パスタに混ぜたり、茹でたジャガイモと和えてサラダのようにもできます。 右は、コンコイヨット(カンコイヨット)という常温でもとろーっととろけた状態のチーズで、比較的、しつこくない、日本人にも食べやすいチーズです。これには、ナチュールとガーリック風味のものがあります。私のオススメはナチュールです。 そして、肉類は、こちら↓             左は、生ハムの塊(少しずつ削りながら食べるので切ったものよりも経済的だと思ったら、この間、あっという間に娘に食べられてしまったので、実際のところは経済的かどうかは検討中)、中央は、ソフトサラミソーセージのようなもので、これも少しずつ切ってサンドイッチなどにもできるので、便利で美味しいです。また、このソフトサラミ(に限ったわけではありませんが)によく合うマイーユのバルサミコ味のマスタードが私は、好きです。 そして、保存食の野菜はこちら↓          左のピクルスは、日本でも売っているのを見かけましたが、酸味がキツ過ぎずに歯ざわりも良いので気に入っています。右のブラックオリーブは、缶詰の物の中では、クレスポのタネを抜いていないブラックオリーブが塩味が濃過ぎず、実もしっかりしていて、グニョグニョになっていないので、美味しいです。 チーズのお気に入りはこちら↓   左が、カマンベール、中央はコンテ(本当は、18ヶ月が好きです)くせがあまりないわりにはコクのあるとても美味しいチーズです。右は、ミモレット、ハードタイプの味の濃いチーズで、熟成具合にもよりますが、カラスミのような味のものもあります。 他にも、常備食は、まだまだありますが、とりあえず、目についたものをご紹介しました。私がお料理をしたくない時には、これらのものをちょっとずつ、つまみながら、ワインを開けて、食事がわりです。 これらの食品は、フランスでは、特別に高価なものではなく、どこのスーパーマーケットでも、普通に売っているものばかりです。 もしも、フランスに来られることがあれば、(当分、無理そうですが・・)お料理する必要のないものばかりなので、ピクニックのような食事をしてみてはいかがでしょうか?<関連>「フランスでの日常の食料品の買い物...

2020年9月13日日曜日

新規感染者1万人突破・フランス人のコロナウィルスへの危機意識が低いのはなぜか?

  すでに、先週の段階で、1日の新規感染者数が9000人を超え、限りなく1万人に近づいていたフランスでは、この週末、夏のバカンスの間の約2ヶ月間、中断していた黄色いベスト運動が再開を宣言し、土曜日のデモには、6000人が参加。うち2500人はパリ。300人が逮捕、165人が拘留されました。 それでも、午前中の段階から、デモで23人逮捕・・と報じられていたので、どうなることやらと思っていたら、デモに乗じての暴徒化を防ぐための早い時間からの警察の取り締まりは、かなり厳しかったようで、シャンゼリゼ(今週末は、デモ禁止になっていたけれど・・)をはじめとする、これまでデモから参考にした被害が大きくなる危険性の高い地域では、通行人に身分証明書の提示を求めるなどの警戒体制が敷かれ、大きな被害は、避けられたようです。 バカンス明けの最初のデモということで、盛大に盛り上がることが予想されたデモも厳重な警察の警戒により、甚大な被害にはならず、(とはいっても、燃えている車も2台は見ましたし、催涙ガスの応酬の現場もなかったわけではありませんが・・)人数も全国で6000人、パリで2500人のデモというのは、フランスのデモとしては、それほど多くの人出ではありません。 しかしながら、昨夜には、とうとう新規感染者数も1万人を突破し、10561人とコロナウィルスが蔓延し始めて以来(ロックダウン時の最悪の状態も含めて)最高記録を更新しています。 現在、フランスでは、ツール・ド・フランスというフランス全土にわたる23日間に及ぶ自転車のロードレースが開催中で、フランス全土に渡り、ツール・ド・フランスの通過地点には、多くの人が沿道に集まり応援する、フランスでは、大きな行事の一つでもあります。 本来は、毎年7月に開催されるレースですが、今年は、コロナウィルスの影響で9月に延期されていました。結果的には、7月の感染状況よりもずっと悪化した現在にこのレースが開催されていることは、なんとも皮肉な愚策であったと言わざるを得ません。 このツール・ド・フランスには、多くの企業がスポンサーとして参加しており、経済復興の意味もあったと思われますが、屋外とはいえ、多くの人が集まり、歓声をあげて応援するような行事の開催になぜストップをかけなかったのかは、甚だ疑問です。 実際に、このツール・ド・フランスの視察に行ったカステックス首相は、このツール・ド・フランスの幹部と車に同乗し、後日、その幹部がコロナウィルスに感染していたことがわかり、現在、自粛を余儀なくされ、毎日のように検査を受けています。(現在のところ、首相の感染は認められていませんが・・) 昨日、急激な感染拡大の対応策として発表された項目の一つにあった、なぜかこの時点で、無症状感染者や感染者との接触があった者に対する自粛期間を2週間から1週間に短縮したのも、実際には、その必要がないということよりも、2週間の自粛では長すぎて国民が規則を守らないからという、「子供かよ!!」という理由であり、本当に開いた口が塞がらないとはこのことです。 また、フランス人は、家族、親族、友人間では、まるで感染しないかの如く勘違いしているかのように、友人、家族間の集まりを避けません。私は、個人的には、フランスでは、実は、この比較的、小さな集まりの間での感染が少なくないのではないかと思っています。 自分の主張はしたいだけして、義務を果たさないのが、フランス人ですが、マスクを義務かといえば、家計を逼迫するなどと言って騒ぎ、今やマスクは、さすがのフランスでもどこでも手に入り、バカンスに出かけるお金はあっても、マスクは家計を逼迫するという甚だ身勝手な理屈を振りかざすのです。 自分がしたいようにするために、それを正当化するために屁理屈をこね、いちいち抵抗する。駄駄を捏ねるできの悪い子供を甘やかす親・・禁止して罰金・罰則を設けなければ言うことを聞かない子供に手を焼く親・・。 国民を褒めることが大好きで、「我々は、マスクもしているし、手も洗っている!すごく努力をしている!」とテレビで大威張りのジャーナリストを見ると、「それ、威張るところ?」と、もはや、ため息も出ません。 そんな国民と政府の関係がコロナウィルスの感染拡大を深刻にしているような気がしてなりません。 「パニックを起こさないで!」と盛んに言うマクロン大統領を見て、「パニックを心配してロックダウンのタイミングが遅れて、どれだけ被害が大きくなったと思ってるの?少しは、危機感を持てよ!」と言う私に、フランス人社会の中で育ってきた娘は、「フランス人が本当にパニックを起こしたら、どうなると思ってるの?」と娘は言います。 検査数が増えているから、感染者数も増加しているとも言えますが、フランスの検査数は、他のヨーロッパ諸国と比べても、決して飛び抜けて多いわけではなく、感染者数だけが飛び抜けている事実は、深刻な現実として受け止めなければなりません。 ダメな子供に甘々な対応をいつまで許しているのか?...

2020年9月12日土曜日

新規感染者が1万人に限りなく近づいたフランスの政府の対応

 一昨日のフランスの新規感染者数は、9843人と限りなく1万人に近づき、当日夜には、マクロン大統領は、「感染拡大回避の対策案を翌日、発表します。くれぐれもパニックは起こさないでください」とだけ声明を出していました。 まさか、再びロックダウンということはないにせよ、何らかの措置が発表されるものと私も注目していました。ところが、感染拡大回避の対策発表は、大統領からではなく、カステックス首相からのもので、しかも、思ったほどのインパクトのあるものではありませんでした。 内容は、 ●パリ・イル・ド・フランスを始めとする42の地域がレッドゾーンに指定されたこと ●逼迫してきた検査体制に関して、症状が出て...

2020年9月11日金曜日

海外生活と兄弟関係

  私の両親は、兄弟姉妹が多く、父は4人兄弟の末っ子で、母は、5人兄弟の長女でした。両親ともに、結婚後も兄弟とは、それぞれの兄弟は、とても仲が良く、自ずと私は、小さい頃から親戚づきあいがとても多い家に育ちました。 私の実家は、同じ敷地内に2軒の家が建っていて、隣には、父の兄家族が住んでいました。なので、隣には、従姉妹も二人いて、そのうちの一人は、私と同い年だったので、小学校までは、毎日、一緒に学校に通いました。 母の実家も車で10分くらいのところにあり、そこにも祖母をはじめ、2軒の家が同じ敷地内に建っていて、母の兄弟、2家族が住んでいました。私は、祖母が誰よりも好きだったので、運転...

2020年9月10日木曜日

フランスのインターネット・携帯電話の乗り換え

  我が家のインターネットを引いてから、かれこれ15年(いや、もっとかも??)くらいが経つのですが、その時は、どこの会社のインターネットにしようかと、当時、会社に出入りしていたネット整備をしてくれていたエンジニアの人に、「どこの会社のものがいいですか?」と、聞いたら、「少し高いけど、一番、故障やトラブルが少ないのは、圧倒的にフランステレコムのやっているオランジュ(Orange)」だというので、トラブルはごめんだ!と思って、それ以来、ず〜っと我が家はオランジュを利用してきたのです。 フランスでは、何かの修理とか工事などを頼んで予約しても、まず、時間どおりに来てくれるか? たとえ時間どおりではないとしても、来てくれるだけまだマシで、時には、すっぽかされることもあり、さらに来てくれた人がちゃんと仕事ができるかというリスクもあるので、できるだけ、故障等のトラブルは少ないに限るのです。 たしかに、この15年間で故障は一度だけ、それも、ほぼボックスの寿命のようなものだったので、致し方なく、その一度でさえ、1回目に来てくれた人は、問題が何かがわからず、結局、2回分の時間を割くことに・・。 それでも、故障はその一回だけだったので、マシな方だったのだと思います。 ところが、ロックダウン中に一度、ネットが繋がらなくなったのですが、問い合わせの電話さえ留守電のメッセージのみで、一体、いつ復旧するのやら、途方にくれました。 まあ、2日ほどで、いつの間にか復旧したのですが、それ以来、「ん〜〜??」と思うようになったのです。 だいたい、トラブルがないから少々高めなのはわかっていたのに、そのまま継続してきたのに、同じようにトラブルがあるのでは、あまり意味がありません。 この15年の間に随分と色々なインターネットサービスの会社もでき、後続のネット会社のシステムもサービスも向上し、ほとんど、フランスでは先発で、独占状態であったオランジュとも遜色のない状態になってきました。 しかも値段は、圧倒的に安く、これでは無駄な高額を支払う必要はなく、娘が一人暮らしをしていた際に使っていたSFR(フランスの携帯・インターネットの会社・フランスではオランジュに次いで国内シェア第2位に成長している会社)に乗り換えることにしました。 今のネットは、家の電話・インターネット・テレビサービス・携帯と全てが連携しており、これまで私は、ネット会社を変えることは、家の電話番号から何から全てが変わることで、それはそれで、厄介なことと尻込みをしてきました。 正直、家の電話はいらないも同然なのですが、住所の証明の他、すでに色々な機関に家の電話番号で登録している機関がたくさんで、ほとんど使わないながらも、なぜか、家の電話を全く、切ってしまうのもちょっと躊躇われるのです。 ところが、現在は、携帯もネットも乗り換えても、電話番号をキープすることも可能で、しかも、ネットを通じての電話なので、家の電話からなら、フランス国内はもちろんのこと、国際電話でも(どこの国でもというわけではありませんが、主要な国・例えば日本への固定電話への電話料金などは、)無料なのです。 今は、電話自体をあまりすることもなく、LINEやWhat's...

2020年9月9日水曜日

娘には幼少期の記憶がほとんどない! 小さい頃は可愛かったのに・・

              ペコちゃんと同じサイズだったのに・・ 最近、このコロナ渦の中、娘もスタージュがリモートワークになったりして、彼女とこんなに一緒にいるのは、幼少期の頃以来のことです。私は、娘が1歳になると同時に仕事を始めたこともあり、彼女の幼少期には、仕事以外の時間は、ほとんど彼女と一緒の時間を過ごしてきました。 私にとっては、初めての子育て、しかも海外で仕事をしながら・・。私のような人間が、子供を持ってしまった・・出産の時に、まさに赤ちゃんの頭が出ようにもなかなか出なかった時くらいから、もしかしたら、私は、大変なことをしてしまった・・一人の存在しなかった人間が私から生ま...

2020年9月8日火曜日

恩師との別れ 死生学のすすめ アルフォンス・デーケン教授

        偶然、その前日に、普段はあまり思い出すこともなくなっていたのに、ふと、デーケン先生に、「使命感を持って頑張ってください!」と言われた時のことを思い出していました。あの頃の私は、先生がおっしゃっていた本当の意味の「使命感」ということを全然、わかっていなかったなぁ・・と、なぜか、ふと先生の言葉が心に浮かんで、ぼんやりとその時のことを考えていたのです。 そんなことを考えていた翌日に、先生の訃報を目にすることになるとは、なんだか虫の知らせとでもいうのか、とても不思議な気持ちでした。 アルフォンス・デーケン先生は、日本で、死を忌み嫌うものとしてではなく、死ぬことを見つめて、生きることを学ぶ、「死生学」を広め、「死の準備教育」を提唱し、当時、日本では数少なかったホスピスを広めていった上智大学の教授でした。 おそらく彼は、私の人生に最も大きな影響を与えてくれた恩師でした。 私は、ちょうど、初めて身近な人を亡くしたばかりの頃で、それまで人の死に接したことがなかった私は、死について、考えるようになりました。世の中に絶対ということはない・・絶対おこることは、誰もがいつかは必ず死ぬということ、人間の死亡率は100%です・・・言われてみれば、当然のことなのに、当時の私は、大発見をしたような気分になったものです。 いつか訪れる死をどうやって迎えるかを考えることは、とても大切なことですし、死について考えることは、生きることについて考えることでもあるのです。死は恐れるものではないことも彼の講義から学びました。 死についての話となると、どこか怪しげな宗教と誤解されがちなこともあり、実際に先生は、大学の教授であったとともに、カトリックの神父様でもあったのですが、死生学の講義では、宗教色を強く出すことはありませんでしたし、彼の講義は、ところどころに必ず、ユーモアが組み込まれていて、思わずクスッと笑ってしまうようなジョークまでが含まれているのです。 私は、どの宗教にも属していませんが、デーケン先生にかなり傾倒して、彼のキリスト教の講義も受講しました。若かった私は、今よりもずっと繊細?で、迷うことも多く、何かを信じることができたら、どんなに楽だろうか?と思ったこともあったのです。 当時、日本では、オウム真理教などの新興宗教が拡大していた時期でもあったので、私が持っていた漠然とした不安も、当時の若者の多くが抱えていたものと似ていたかもしれません。私は、先生の講義を聞いたり、本を読んだり、実際に先生とお話ししたりすることで、ずいぶんと救われていました。 先生は、忙しい中、個人的に面談の時間も設けてくださり、漠然とした私の悩みなどもずいぶん聞いて下さいました。キリスト教を信じたくても、信じられない・・という私に、先生は、「大丈夫、自然に信じられる時が来るまで、無理に信じようとしなくても良いのです」と優しくおっしゃり、張り詰めていた私を静かに抱き寄せて下さいました。 私は、キリスト教を信じることはできませんでしたが、デーケン先生は信じることができる・・今は、それで、充分ではないか?...

2020年9月7日月曜日

フランスのPCR検査 感染者を責めないフランス人のラテン気質

  フランスの新規感染者数は、8月に入って以来、ウナギ登りに上昇し、9月に入ってからは、さらに拍車がかかり、先週末には、9000人に迫る勢いになっています。毎日、8000人、9000人の新規感染者がいれば、自ずと身近なところにまで、感染の渦が迫ってきていることを感じずには、いられません。 実際に、友人が・・または、友人の家族が・・などと言う話を頻繁に聞くようになってきました。このウィルスの厄介なところは、感染しても、最低5日間は、待たなくては、検査に陽性として表れずに陰性として判定されてしまうことが多く、例えば、自分の友人が感染したとして、その友人に会っていたとしても、一定の期間がたたなくては、検査を受けても無駄なわけで、その整合性も決して高くはないところです。 フランスでは、PCR検査を広範囲で行うようになってからは、予約なしで費用もかからないことから、比較的、積極的に検査を受けようとする人が増えたため、パリ市内でも検査をしている試験場では、どこも長蛇の列で、検査が間に合わずに、本当に検査が必要な人が検査ができなくなっている状況が起こっています。 ロックダウン中ならば、いざ知らず、通常の社会生活を送っていれば、今、感染していなくても、もうその次の日には、感染している可能性もあるわけで、それでも、このキリがないような検査をずっと続けなくてはならないことには、もどかしさを感じますが、それでも、検査を少しでも多くして、感染者を隔離していく以外は、方法がないのです。 フランスでは、ここまで感染状況が悪化しているわりには、全体的に危機感が薄く、ここのところは、さすがにほとんどの人がマスクをするようになりましたが、それは、マスクが義務化され、マスクをしていないと罰金を取られるからであり、こんな状況になっても、まだ、マスクの必要性の有無を語り続けています。 この時期の感染拡大の大きな原因は、バカンスであるのは、間違いないのですが、皆がバカンスに出ていたために、バカンスに出ていたことを非難するような風潮は全くなく、したがって、感染したからといって、感染した人を責めるようなことも全くありません。 どんなに気をつけていても(大して気をつけていない人が多いのも問題ですが)、かかる時にはかかるもの・・長期戦になることを考えれば、息抜きは必要だから、バカンスにも行くし、カフェにも行く。ポジティブにコロナと付き合って行くしかない・・と、深刻になりすぎることは、ありません。 良くも悪くもコロナによる閉塞感というものも、あまりありません。 今回のコロナウィルスの大災害のさなかにフランスにいて、フランス人を見ていると、改めて、彼らはラテン気質の人たちなんだということをつくづく思い知らされます。 3月から4月にかけての大惨事を経てきたにも関わらず、これだけ、切り替え?が早く、バカンスに出かけられるのも、ある程度、気をつけて、それでも感染してしまったら、その時は、その時のことだと思っているようなところがあり、たとえ感染してしまったとしても、それは、その人のせいではないと鷹揚な態度なところも、彼らの根っこには、ラテン気質が備わっていることをまざまざと感じるのです。 これまで私は、ラテン系というと、どちらかといえば、イタリアとかスペインとか、南米とかのイメージがあり、フランス人は、ちょっと格好つけたがりで、一見、小難しいことを理屈っぽく、滔々と語って、ラテン系ど真ん中の感じとは、少し違うように感じていたのですが、今回のパンデミックを見ていると、この深刻な状況でも、お祭り騒ぎをしたり、怒りに震えてデモに集合したり、しかも、その感情の発散の仕方がまさに血が騒ぐという感じの桁違いのものであったり、なるようになるしかないと、深刻になりすぎることなく、あくまでも緩い感じでいるのも、彼らの根っこには、ラテンの血が流れていることを感じずにはいられません。 フランス人は、よく、「C'est...

2020年9月6日日曜日

娘のフランス人のDNAが活性化するとき・・生ハムの塊が消えた・・

消えた生ハムの塊  冷蔵庫・冷凍庫というのは、厄介なもので、中のものが減ってくると、補充しなければと思うし、満杯になっていれば、なんとか、消費していかなければと食材に追い立てられるような気持ちになります。 我が家の冷蔵庫は、きれいに整頓されてはおらず、そもそも冷蔵庫には、調味料に近い瓶詰めの調味料やお味噌、ピクルスやお漬物、佃煮等、また、冷凍庫にも日本から持ってきている大切な日本食の一部など(明太子や塩辛、しらす、うなぎなどなど)の長期保存の食料がかなりの割合を占めていて、まずまず大きな冷蔵庫でありながら、少し買い物をすれば、あっという間に満杯状態になってしまうのです。 特に肉類などは、まとめて買って、小分けにして冷凍したり、作り置きしたお料理を冷凍してあったり、おまけに、たまにPICARD(ピカール・冷凍食品店)に行ったりすれば、場所を取ることはわかっていても、ついつい買ってしまうと、かなり、満杯状態であることが多いのです。 約2年間、時々、バカンスの時期には、帰ってくることはあっても、しばらく家を出て、一人暮らしをしていた娘が帰ってきて、しかも、リモートワークで一日中、家にいて、我が家の食料のサイクルが大幅に崩れ、なんだか、冷蔵庫の中身を満たしたり、減らしたりするペースがせわしなくなって、日頃から乱雑な我が家の冷蔵庫は、ここのところますます酷いことになっていました。 そんな言い訳をしつつ、我が家の冷蔵庫の中は、とても人様には、お見せできるような状態ではなく、しかも、夏の終わりに、ベランダで育てていたきゅうりも、もうそろそろ終わりに近づいて、去りゆく夏の日本のきゅうりを惜しむ気持ちから、パンとビールと昆布を使ってぬか床などまで作ったことから、ますます冷蔵庫は、混雑状態なのです。 現地の食材をできる限り使いつつも、和食に偏りがちな我が家の食卓ですが、フランスのものが、全く嫌いなわけでもなく、ここのところ、しばらく食べていなかった18ヶ月のコンテ(チーズ)やカマンベール、ミモレット、サラミなどを買ったりしていました。 そんな、俄かに起こっている我が家のフランス食品フェアの中でのハイライトは生ハムの塊でした。 いつもは、生ハムは、薄切りになっているものを買うのですが、大きな生ハムの原木に憧れがあったものの、さすがにまるまる原木を買うのは少々ためらわれ、単行本ほどの塊を買ってきたのです。 少しずつ自分で削るように切って食べる生ハムは、赤ワインにもよく合い、切りたてのものを食べられるので、風味もよく、しかも、薄切りのものを買うより、結局は割安なのではないか?と大変、満足していました。 毎日、食べたくなる気持ちを抑えつつ、(ということは毎日、飲むことになるので・・)今日は、もう夜は、お料理したくないから、冷凍のピザでも焼いて、あとは、生ハムとサラダ、あとは、ミモレットがあったね・・と言いながら、ごちゃごちゃの冷蔵庫の中、生ハムの発掘作業に取りかかったのです。             久しぶりのミモレット・・美味しい 切りかけの少し小さくなった生ハムの塊は、ラップに包んで、ジップロックに入れて、冷蔵庫に入れておいたのです。ところが、どこに埋まってしまったのか? いくら探しても見つかりません。とにかく、満杯の冷蔵庫、もしかして、場所がなくて、野菜室に入れてしまった? と野菜室まで探しました。(だいたい、自分の記憶にも自信がない) まさか??と思って、娘に問いただしたところ、あの生ハムの塊は、いつの間にか全部、彼女が食べてしまったとのこと!「えっ??全部??」「ソースィソン(サラミ)もあったよね!...

2020年9月5日土曜日

新規感染者が9000人に迫るフランス フランスにやってきたバカンスのツケ

  昨日のパリは、マスクをしていると、少し汗ばむくらいの晴天で、朝のうちは、それでも涼しいので、今の季節は、真夏のようなサンダル履きの人から、早々にマフラーをしたり、ダウンを着ている人までいる、多分、一年のうちで一番、街を歩く人のファッションがちぐはぐで、様々な格好をしている人がいる季節です。 銀行から頼んでおいた小切手ができたという連絡をもらったので、銀行の用事に加えて、いくつかの用事を済ませるために、久しぶりにパリの中心に出かけてきました。私もすっかり、最近は、今までバスに乗っていた区間も歩くようになり、メトロに乗らなければ行けない最低限の区間だけに限って、メトロを利用するようになりました。 久しぶりのパリの街は、お天気がいいこともあってか、とてもきれいで、街中には、本当に自転車やトロチネット(キックボード)などがどこに行っても置いてあって、すっかり交通手段の一つとして、定着したな・・そして、ものすごく増えた・・しかも電動のものも増えた!!すごい!!と思いました。 ...

2020年9月4日金曜日

日本は海外に住んでいても教科書を無料でくれる

  新年度に入って、学校が始まれば、フランスの学校でも、一年の始めには教科書が配布されます。しかし、それは、ほとんどの場合、一年間、教科書を借りるということで、新年度には、その一年間お借りする教科書のブックカバーをする仕事が待っています。 借り物なので、汚したり、破損したり、紛失したりした場合は、弁償しなければなりません。一年の始めには、学校からクラスごとに揃えなければならないノートやファイル、ペン、定規、計算機などの細かいリストが配られ、そのリストに従って、一通りの買い物をしなければなりません。 ノートの大きさ、ページ数、様式など、細かい指定で、だいたいカーフールなどのスーパーマ...