2022年2月21日月曜日

マクロン大統領とプーチン大統領の電話会談の内容 ウクライナ問題の行方

  


 マクロン大統領とプーチン大統領は、1時間45分にわたる電話会談の結果、「停戦に向けた努力」、「現在の危機に対して外交的解決を優先し、すべての関係者から接触線上の停戦約束を得ることを目的とした3カ国接触グループの会合が数時間以内に開催できるよう集中的に取り組む」ことで合意したと、エリゼ宮(フランス)とクレムリン(ロシア)の双方が発表しました。


 

 また、フランス大統領府は、この電話会談の合意により、ジャン・イヴ・ルドリアン外相が数日間のうちに、ロシア側のセルゲイ・ラブロフ氏に会うと明言しています。

 そして、ウクライナの要請により(ウクライナは「即時停戦」を要求している)、欧州安全保障協力機構(Organisation for Security and Co-operation in Europe)は月曜日に常任理事会を開催し、危機の解決策を見出すための会議を開催することになりました。OSCEの監視員によると、ここ数日、親ロシア派の反政府勢力とウクライナ軍の戦闘が増加し、迫撃砲や大砲による攻撃が数百回行われたといいます。

 クレムリンは、2月10日から軍事演習のためにベラルーシに滞在している約3万人(米国調べ)のロシア軍を、日曜日の演習終了時に撤退させると発表しており、エリゼ宮によると、プーチン大統領は電話会談で、ベラルーシから「現在の演習の終了時に」軍隊を撤退させる意向をマクロン大統領に確約したと言われていますが、フランス大統領府は、「これらすべてを検証する必要があり、少し時間がかかるかもしれない」とも述べています。

 この両大統領府の発表にもかかわらず、世界の緊張状態は全く緩む兆しはありません。それだけ、プーチン大統領が油断ならない存在であると誰もが認識しているということでもあり、また、今や、多くの国を巻き込んだ状態から、些細なきっかけで一触即発の状態になりかねない事態であるということです。

 かねてよりのアメリカからの戦闘体制とも、威嚇とも思える発信はもちろんのこと、イギリスのボリス・ジョンソン首相はBBCとのインタビューで、ロシアが「1945年以来ヨーロッパで最大の戦争になるかもしれない」準備をしていると述べています。

 しかし、不思議なことに、当のウクライナとロシア、ロシアとアメリカは、話し合いをしている様子が聞こえてきません。

 ウクライナの大統領ウォルディミル・ゼレンスキーは、マクロン大統領との電話会談で、モスクワが支援する反政府勢力の「挑発的な砲撃」を非難し、プーチン大統領はこの砲撃の発生をウクライナの「挑発行為」のせいだと非難しています。

 これでは、マクロン大統領も子供の喧嘩の仲裁をしているようなところもあります。

 ここへ来て、ジョー・バイデン米大統領は、ロシア側と「いつでも、どんな形式でも、会う用意がある」と述べ、国務長官はCNNに対し、「戦車が本当に動き出し、飛行機が空を飛ぶまで外交ルートはまだ可能である」ことを再確認しています。

 しかし、アメリカとロシアの話し合いが必ずしも平和をもたらすどころか、最悪の結果をもたらすきっかけにもなりかねません。

 そんな懸念も感じているのか、バイデン大統領は、ロシア側と会う用意があると同時にマクロン大統領と話す必要があると述べています。

 マクロン大統領は、イギリスのボリス・ジョンソン首相とも電話会談を行い、今後数日間、外交の道を開き、優勢を保つためにあらゆる適切な行動をとるということを確認しています。

 マクロン大統領は、アメリカとロシアの首脳会談を提案し、日程調整ののち、この会談が実現されるものとみられています。

 今回のマクロン大統領の仲裁は、大統領選挙のための点数稼ぎという見方をしている人々もいますが、それにしても、あまりに荷が重い選挙活動に違いありません。


マクロンとプーチン 電話会談 ウクライナ問題


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2022年2月20日日曜日

フランス政府 ウクライナへの渡航回避から在ウクライナ フランス国民避難勧告と航空会社の対応

  


 緊迫状態が続くウクライナ問題に関して、これまでフランス政府は、「ウクライナへの渡航はすべて延期し、回避するように」と勧告するにとどまっていました。

 しかし、昨日(2月19日)、フランス外務省は、ウクライナ東部の最も危険な地域、「ハリコフ州、ルハンスク州、ドネツク州」およびドニプロペトロフスク州にいるフランス国民に対し、「直ちに退避する旨の避難勧告」を発令、同国東部の最も戦争の危険性が高い地域にいる人々に対して「遅滞なく」脱出するよう呼びかけています。

 これは、ロシアの攻撃への懸念が熱を帯びる中、フランスが単なる渡航回避勧告からウクライナに在住するフランス国民の退避勧告は、この緊張がさらに高まっていることを表しています。

 同日、ウクライナ東部の最前線を移動中だったデニー・モナスティルシキー内相及び政府関係者の近くで迫撃弾が爆発、この襲撃で、少なくとも2人のウクライナ人兵士が死亡、4人が負傷しています。

 ロシアからウクライナへの襲撃は、ドネツクで591回、ルハンスクで975回も確認されているようですが、今回のこの襲撃は、ロシア側の「停戦違反」の最も象徴的な出来事として、多くの国の非難の対象となっていると同時に危機感を一層、煽られる結果となっています。

 先んじて、すでに全ての国民に対して避難勧告を発令していたドイツも「緊急に」「遅滞なく」出国することを呼びかけ、ドイツの航空会社ルフトハンザは、21日から2月末まで、キエフとオデッサ(ウクライナの地域)への定期便を運休すると発表しました。


 つまり、ドイツは20日までに避難するように勧告しているということです。これは、北京オリンピックの閉会式の日程とも重なっています。

 これに対し、フランスの航空会社エールフランスは、当面の間、フライトを維持するとしています。これは、ギリギリまで粘り、退避しようとする国民を守ろうとするフランスの姿勢が感じられます。

 このルフトハンザとエールフランスのとりあえずの対応に、私は、オミクロン株が流行し始めた頃に、日本がただちに、日本国民さえ締め出す結果になる国際便の新規予約を停止した(その後、すぐに条件つきで解除されましたが・・)ことを思い出し、もしも、これが日本であったなら、どちらかといえば、日本はドイツに近いのではないだろうか?と思ったりもしました。

 EU(欧州連合)は、依然として、戦争回避のために、手を差し延べ続けると同時に、あらゆるシナリオに対応可能なウクライナを支援することを目的としたウクライナへの人道支援物資の搬入を調整しています。

 また、ウクライナの大統領ウォルディミル・ゼレンスキーは、ミュンヘン安全保障会議での演説で、欧米諸国に対し、ロシアへの宥和(ゆうわ)政策をやめるように求め、自国のNATO加盟について「明確かつ達成可能な」タイムテーブルを要求しています。

 マクロン大統領は、19日にウクライナ大統領との電話会談の後、20日、再び、プーチン大統領と会談する予定になっています。この電話会談は、フランス大統領府が「最悪の事態を避けるための話し合い」に言及したものだ発表しています。

 結果的にあまり効果が見られなかった、5時間にも及ぶマクロン大統領とプーチン大統領の直接会談から、マクロン大統領は、なんらかの方策を見出しているのでしょうか?


在ウクライナ フランス国民非難勧告 エールフランス ルフトハンザ


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2022年2月19日土曜日

3月中旬の屋内でのマスク着用義務撤廃の基準

 


 すでに数日前から話題に上がっている「屋内でのマスク着用義務の撤廃」について、オリヴィエ・ヴェラン保健相は、マスク撤廃に踏み切る具体的な基準値を発表しました。

 ワクチンパスの施行とともに始まった感染対策規制の緩和は、1週間後には、屋外でのマスク着用義務化とリモートワークの義務化が撤廃され、さらに、つい先日、ディスコやナイトクラブが再開され、カフェやバーでの立ち飲みの解禁と着々と進められてきました。

 フランスの感染状況は、劇的に改善し始め、1ヶ月前には、40万人を超えていた1日の新規感染者数も10万人を切り、現在は、8万人前後になりました。病院の集中治療室の占拠状態も非常に緩やかではありますが、減少し始め、一時は4,000人近かった集中治療室の患者数も3,000人を切り2,970人までになっています。

 この状況を受け、フランス政府は、3月中旬には「屋内でのマスク義務化」を撤廃できるかもしれない・・と言い始めていたのですが、今回は、コロナウィルスによる集中治療室の患者数が1,500人以下になったら・・」という、より具体的な数字をマスク撤廃の条件として発表したのです。

 元来は、大のマスク嫌いのフランス人にとって、これは朗報に違いありません。

 オリヴィエ・ヴェランは、「この3月中旬というタイミングは、決して無作為に選択された日程ではなく、現在の感染の減少の状況とリズムをもとに考慮されたものであり、無駄に過剰な目標を設定するのは意味がない」と説明しています。

 屋外でのマスク義務化が撤廃された後も、屋外でもマスクを着用している人が意外と多いことなども、現在の感染減少を後押ししているような気もします。

 彼は、「今後もウイルスはできるだけ循環させないようにしなければならないが、発症率は毎週ほぼ半減しており、このままの状態が続けば、4週間後には極めて低い発症率に戻り、流行が再燃するリスクを負うことなく、最後の手段を講じることができる」と述べています。

 これまで、フランスは、数ヶ月間にわたって、15日単位で段階的に感染対策を解除してきており、この段階的な対応は、感染にブレーキをかける対策の解除による悪影響がないことを確認するために必要な時間であったし、今後もそれだけの時間をかける必要があるということを説明しているのです。

 3月中旬の屋内でのマスク着用義務化撤廃には、病院が通常通り運営されていること、ウイルスの流行が非常に弱いことを条件にしています。

 そして、さらに次の段階では、ワクチンパスの解除が検討されるのですが、このワクチンパスの解除に関しても、一気に全廃という形をとらずに、特定の感染リスクの高い場所を最後まで残しつつ解除するという、もう一段階のステップを検討中のようです。

 いずれにしても、本当に一時は、ちょっと外出するだけでも、すぐに感染者追跡アプリのアラームが点灯し、「あなたは、感染者と接触しています。ただちに検査を行い、陽性の場合は、隔離してください」というメッセージが入り、その度にドキドキしながら検査に行くことを考えると、外出するのもちょっとウンザリしていたことを思えば、現在の感染状況の劇的な改善はうそみたいです。

 この現在の感染減少の状況がブースター接種によるものなのか?もしくは、もうひととおりの人々が感染して免疫を得たためなのかはわかりませんが、屋内マスクが撤廃されるという事実よりも、それだけ自由が戻ってくるという意味では、私にとっても嬉しい状況です。

 今や過去の映画などの映像を見ていても、マスクをしていない群衆などを見ると、思わずギョッとしてしまう奇妙な自分を発見したりもするのですが、一方、一部のメトロの駅や電車の中では、思わず「マスクがあってよかった・・」別の意味でマスクに助けられる(アンモニア臭など、あまりに匂いがキツいため・・)という場所もあるのが、パリでもあります。

 政府が屋内でのマスク義務化を撤廃しても、しばらくは、私は、やっぱり怖くてマスクをすぐには外せないような気がしています。そして、「やっぱり日本人は・・」などと言われるかもな・・と、そんなことまで考えています。


屋内でのマスク義務化撤廃


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2022年2月18日金曜日

2024年に延期されたパリ中心部の自動車交通規制 

   


 2022年半ばまでに、パリ中心部に「交通規制区域」を導入するとパリ市長アンヌ・イダルゴが発表したのは、2021年5月のことでした。この計画で、パリの中心地(1~4区とサンジェルマン大通りとセーヌ川の間に位置する5、6、7区の一部)において、現在の交通量の50%を占める通過交通を禁止することにより、車の交通量を劇的に減らすことを目標にしていました。

 しかし、この計画は、ある一定の人々には、熱狂的に支持されたものの、彼女が想像していた以上に困難が立ちはだかり、パリ市は交通規制区域設定前に、警察と、一般市民に加え、交通機関、小売店、デパートなどが参加公開質問に準じた影響調査を実施しなければならず、この計画を2024年のパリオリンピックの前の2024年初頭までに延長することを発表しました。

 パリ市は、この「交通規制区域」を「静穏化ゾーン」と改名し、あらためて、パリ1〜4区と5、6、7区の一部を対象とするこのゾーンでは、通過交通(停車せずに通過する車両)をなくすことを発表しています。

  



 パリ市は、この区域を住民、商店主、移動に不自由のある人、この地域で働く従業員、緊急車両、バス、自転車、タクシー、VTC、カーシェアリング車両など通行できる特定のカテゴリーを設定し、ランダムチェックを実施する予定の他、カメラで住民のナンバープレートを読み取るなど、自動チェックも可能なシステムを検討しています。

 だいたい狭いパリの街のさらに限られた中心地域、車で出かけようものなら、駐車スペースを確保するのも、駐車料金を考えるのも、さらには、駐車した車が破壊されたり、盗難にあったりするリスクが高いことを考えれば、メトロやバスの交通網が網羅したこの地域へ車で出かけること自体が私には、考えられないことですが、かといって、車に慣れ切った人から上がる反対の声を鎮める具体的な調査とその結果を提示することが想像以上に時間がかかる模様です。

 もともと、このパリ中心部の自動車交通規制は、パリ市長選挙における大きな目玉施策の一つでもありました。このプロジェクトは自動車に対する行動の象徴的なものでもあり、特に右派からは批判が多く、専門家の中には、規制区域の外側に大量の交通量が移動し、そのために新たな交通渋滞が発生したり、公害が移動したりすることや経済に影響を及ぼす危惧も指摘されています。

 いずれにせよ、2024年のパリオリンピックは、様々な面での一区切りになっており、パリは、このオリンピックという一大イベント前までに、生活の質を向上させるためのイノベーションを起こしています。

 しかし、このようなイノベーションを起こそうとするたびに、「私たちには、運転する権利がある!交通手段を選ぶ権利がある!友人に会う権利がある!人と語り合う権利がある!」などなど、権利を主張する人がたちまち溢れかえるのもフランスです。

 フランス人が何かに一致団結した時のチカラには凄まじいものがありますが、果たしてパリオリンピックがこれを推進するためのきっかけになるかどうか、どうやって、このプロジェクトを推進させていくのかは、興味深く見守りたいことでもあります。


2024年パリ中心部自動車交通規制


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2022年2月17日木曜日

マリアンヌの切手の買い置きとパリでの戦闘体制の日々

   


 私は、かつて、常に切手の買い置きをしていました。それほど、切手を使う機会が多かったのです。フランス国内の郵便で20g以内のものは、たいてい金額が記載されていない「マリアンヌ」の切手で済むので、そのカルネ(切手が12枚セットのシールになっているもの)を常に買い置きをして、いつも、手帳かお財布の中に入れていました。

 マリアンヌの切手は、金額が切手に記載されていないために、たとえ、その後に郵便料金が値上げしても、そのまま同じものを使うことができる利点もあります。

 フランスに来たばかりの頃(20年前)には、私は、フランスでの自動引き落としというものを信用できず(桁を間違えられて引き落とされた経験あり、その後、返金してもらうまでに大変だった・・)、電気料金から、家賃、娘の学費などの支払いなどを小切手を使って支払っていたこともあり(小切手は自分で金額を確認して記入できるうえに、ナンバーと支払い先、金額などを記録できて、払った払っていないなどの問題に小切手の控えで対応できるためです)、それらの支払いの度に小切手を郵送することが多かったのです。

 なので、それらの支払いの度に切手が必要で、常にマリアンヌの切手のカルネは常備していました。

 おまけに、様々なお役所の手続きなどは、一度、送ったはず(下手をすると手渡したはず)の書類を失くされて、何度も同じ書類を送るハメになったり、切手は生活必需品のひとつでもあったのです。

 考えてみれば、いつでもトラブルにあった時のために、自分がやったこと(特に支払い)に関しては、それを証明できるためのものを用意しておかなければならず、常にそれを携えて苦情を申し出る戦闘体制でした。

 書類を送る時には、失くされることを前提に必ずコピーを保管しておくのがフランス生活の常識。常に信用しないこと前提の生活を送ってきたことを今さらのように思うのです。

 しかし、いつの間にか、それらの支払いも自分でネットで振り込むことができるようになり、たま〜に送らなければならない書類は、重さを郵便局で計ってその分だけの料金の切手を買って送るようになっていたため、久しくマリアンヌの切手のお世話にならない生活になっていました。

 先日、あるお役所の手続きに、書類を郵送しなければならない用事ができて、大した重さでもないようなので、これはマリアンヌで行ける!と思い、買い置きしてあったはずの切手を探したのですが、どこにしまい込んだか見つからず、そういえば、長いことマリアンヌのお世話にならなくなっていることに気がついたのです。

 自分でネットで振込ができるようになっただけでも、人の手を介すことが減り、それだけミスも少なくなり、おまけにネット上で振込の記録が残るので、小切手を使うこともほとんどなくなりました。

 お役所関係の書類に関しても、ずいぶんネットで書類を送ったりすることもできるようになりましたが、依然として、書類を印刷して、記入して、郵送して・・ということが、時々、勃発します。その最たるものは、10年に1回のビザ(滞在許可証)の申請です。フランスのお役所の手続きの中で、あれほど嫌なものはありません。

 人が関われば関わるほど、ミスは増え、先方にミスがあっても決して謝られることはなく、ミスをミスとして認めないところは、以前とあまり変わりません。謝らないということは、反省もなく、その手の手続きのシステムは一向に改善されないということでもあります。

 変わったのは、私の方で、書類を送って、返答がないと「失くされたかな?」と普通に考えるようになり、以前ほどは怒りまくらなくなったことです。失くされた場合も、連絡を再度取って確認し、淡々と、コピーしていた書類を探し出して、「しょうがないな・・」と思いながら、再び送るようになりました。

 久しくお世話にならなかったマリアンヌの切手を家中探し回っても見つからず、「たしか、まだあったはずなのに・・」などと思いながらも、自分の記憶にも自信が持てなくなってきて、探しているうちに、思わぬ写真が出てきたり、なぜだか、しまい込んでいた50ユーロをみつけたりしながら、あたふたして、汗だくになり、がっくりしたところで、なぜか、お財布の中では??と思って引っ張り出してきたお財布を、気がつけば冷蔵庫にしまおうとしている自分に呆然。もはや自分すら信用できなくなってきました。

 マリアンヌの切手は、今、いくらになっているのだろうか?とサイトを見ると、切手はサイトで買えるようになっていましたが、どうやって受け取るのかと思いきや、「配送無料」の記載が・・どうやら、ネットで買った切手は郵便で配達してくれるようです。(自分で印刷することもできるらしいけど)

 配送無料でも、この郵便そのものも信用できず、一体、いつ届くのか?下手をすると無事に受け取れるかどうかも不安で、結局、翌日、郵便局に行くことにしました。

 結局のところ、依然として、あらゆるところに信用できないことが待ち受けており、私のフランスでの戦闘体制の生活は、マリアンヌの切手の使用頻度ほどに、以前よりは、楽になったものの、結局のところは、信用しないことが前提で、そのトラブルをいかに回避し、戦うかが根底にあり続けるのです。


マリアンヌの切手


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2022年2月16日水曜日

次のステップに進むフランスの感染対策規制緩和 ディスコ・ナイトクラブ再開

   


 フランスでワクチンパスがスタートしたのは、1月末のことで、ワクチンパススタートの発表時には、同時にその後の段階的な感染対策緩和のスケジュールが発表されていました。

 それまでも、フランスでは、すでにヘルスパスによる制限が定着していたこともあり、その後の感染対策緩和の方に注目が集まっていました。

 その時の予定どおり、フランスは、ワクチンパスの施行の1週間後には、屋外でのマスク義務化やリモートワークの義務化を撤廃しています。

 1月末の段階では、1日の感染者が40万人前後もいた状態で、その後の感染対策の緩和については、正直、「本当に大丈夫なんだろうか?」と不安で、特にさらにその2週間後の「ディスコ、カフェやバーでの立ち飲み、スタンディングコンサートを解禁」という予定には、その時点では、私は、「とんでもない!」と思っていました。

 しかし、2月に入って少し経つと、フランスの1日の新規感染者数は、急激に減少し始め、いつの間にか、薬局での検査のために、あんなに行列していた人々も消え(セルフテストの拡大もある)、今週に入ってからは、なんとか、1日の新規感染者数も10万人前後にまで下がっています。もともとが酷すぎたこともありますが、この感染の急降下には、ちょっとびっくりしています。

 政府報道官ガブリエル・アタルは、15日、現在の状況を「ようやく光が見えてきたようだ・・」と表現し、「最後の制限を解除し、かねてよりの予定どおり感染対策制限を緩和することができる」と発表しました。

 2月16日からは、ディスコ・ナイトクラブが再開され、カフェやバーでの立ち飲みが許可され、スタジアム、映画館、公共交通機関での飲食が可能になります。

 そして、2月28日からは、交通機関を除くワクチンパス対象のすべての閉鎖空間でのマスク着用の義務化が撤廃されます。

 しかし、彼の発表は、感染対策規制の緩和に終始することはなく、現在の状況は、決して安心できる状態ではなく、「規制の緩和・撤廃は、警戒・注意の終了を意味するものではない」と述べています。

 実際に新規感染者数は減少しているものの、コロナウィルスによる入院患者数は、31,500人以上、病床を圧迫し続けていることに変わりはありません。新規感染者の減少は、今のところ病院の状態改善までには影響を及ぼしてはいないのです。

 予定どおりなのは、感染対策の緩和だけではなく、2月15日からは、2回目のワクチン接種から4ヶ月後にブースター接種をしない場合は、ワクチンパスが無効になるというルールもスタート。現段階では、400万人のワクチンパスポートが無効になってしまったと言われています。

 ここまでフランスの感染者数が減少してきたのは、ワクチン接種、ブースター接種の効果が大きいことは言うまでもなく、現在では、フランスのブースター接種率は、55%まで上昇しています。

 ところが、ここに来て、先日のカナダのワクチン接種義務化に反対する大規模なデモ「自由の車列(Freedom Convoy)」に触発されたフランス版ワクチンパス反対+もろもろの抗議デモ「Convoi de la Liverté」を警戒した政府が「ワクチンパスポートは3月末から4月には解除できる可能性がある」と発言したことから、もう少しだけ我慢すれば、ワクチン接種は必要なくなる・・とワクチン接種をしない方向に傾き始める人も出始め、ワクチン接種・ブースター接種率の上昇はスピードが低下しています。

 戦車までが登場する異様とも言える警戒体制のため、このフランス版の自由の車列デモは、大事には至りませんでしたが、思わぬところで、違う影響が出ています。

 引き続き、フランス政府は、ワクチン接種の拡大に努め、「偽のワクチンパスポートを所持しながらも、ワクチン接種を希望する人は、起訴されるリスクなしにワクチン接種を受けることができる」と、(悔い改めようとする人には鷹揚な対応)思わず唸ってしまうようなルールまで提示しています。

 いずれにせよ、未だ綱渡りの状況が続きますが、先日発表された「3月末か4月初めに解除される可能性がある」ワクチンパスポートも現段階では、考えられず、「この最終的な措置は、病院の状況が十分に緩和され、正常化された時点で緩和する予定」としています。

 この件(ワクチンパスポート解除)に関してインタビューを受けたカステックス首相も「科学的な見解を得ることが必要である」と答えています。

 暦は立春を過ぎ、春はそこまで来ていますが、パンデミックの終わる本当の春が来るのは、まだまだ先かもしれません。


フランス感染対策規制緩和 ディスコ・ナイトクラブ再開


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2022年2月15日火曜日

フランス入国規制措置緩和 日本からのワクチン接種済みの旅行者は検査なし


 フランス政府は、世界の多くの国々でオミクロン変異種が優勢であることやワクチン接種のレベルが上昇した上でのパンデミックの新しい局面を考慮し、入国管理システムを緩和することを発表しました。

 政府は、この決定を「パンデミックが始まって以来、国境における入国管理システムは、私たちの健康を守り、心配な特性を持つウィルスが国内に侵入するのを遅らせることを可能にしてきました。このシステムは、毎週約6,000人の市民警備隊員を動員して検査を実施し、国境警備隊は旅行者の感染対策関連の書類をチェックし、国内治安部隊は地域が決定した隔離・検疫措置を監視し、感染状況の変化や地域ごとの規則に合わせて定期的に調整されてきました」と説明の始めています。

 どんな時にも「俺たちはよくやってきた」という自画自賛を忘れない説明もフランスらしいところです。

 今回の政府の決定により、世界の国々を緑(懸念される新興の亜種が存在せず、ウイルス流通がごくわずかまたは中程度の国または地域)とオレンジ(ウイルスの循環が活発で、懸念される新興の変異型がなく、ワクチンや免疫の逃避先がない国または地域)に色分けしています。

 緑の国からの入国に関しては、ワクチン接種済みの旅行者は、フランス入国の際にワクチン接種証明書(ヨーロッパの規定するワクチン)の提示があれば、検査の陰性証明書の提示は必要がなくなりました。

 ワクチン未接種の旅行者については、引き続き、陰性証明書の提示は必要ですが、到着時の措置(検査・隔離)は、解除されます。日本は緑の国に分類されています。

 欧州の規制に従ってワクチン接種を受けた旅行者は、フランス出国時に検査は必要ありません。(受け入れ国に関しての規制は別として、とりあえず出国の際)

 ワクチン未接種の旅行者については、フランスへの入国時に陰性結果を提示する義務は残りますが、ウイルスの循環が穏やかな「グリーン」リストの国から渡航する場合は、到着時の措置(検査、隔離)が解除されます。

 緑に指定されているのは、欧州連合加盟国、アンドラ、アイスランド、リヒテンシュタイン、モナコ、ノルウェー、サンマリノ、スイス、バチカンです。バーレーン、ホンジュラス、香港、インドネシア、日本、クウェート、ニュージーランド、カタール、ルワンダ、サウジアラビア、セネガル、韓国、台湾、アラブ首長国連邦です。

 また、オレンジに指定されている国からの入国に関しては、フランスに入国する必要性を正当化する説得力のある理由を提示する必要があり、ワクチン接種済の旅行者は症状がないこと、及び14日以内に感染者と接触していないこと、ワクチン未接種者は、到着時検査を承諾することなどに関する承諾書が必要で、到着時にランダム検査を受ける可能性があります。陽性と判定された旅行者は、隔離されることになります。

 日本は緑の国に指定されており、大々的に入国措置が緩和されるような印象もありますが、上に添付した世界地図からもわかるとおり、緑の国は一部であり、大部分の国からの入国は、依然として警戒している状態ではあります。

 とはいえ、入国措置が緩和されていく方向であることには、違いはありません。

  



 一時、あまりに酷すぎたこともありますが、ここのところ、フランスの感染状況は、急降下といえるほどに減少しつつあります。

 この感染減少の現状からも、フランス人の日常の生活ぶりからも、政府の今回の判断は、妥当なものである気がしています。依然として、すっかり解放してしまわないのも理解できますし、かといって、あまりに普通の日常を送っているフランス人の様子をみても、必要以上の水際対策は、バランスが取れない感じです。

 しかし、再び感染力の強い免疫不全のリスクを高める可能性のある変異種が出現した場合には、緊急停止措置が発令されることになっています。現在の色分けの分類は、一時的なものであり、定期的に見直され、随時、状況に応じて変更されるということです。

 いずれにせよ、ウィルスの性質もどんどん変化していく状況で、その状況に応じて迅速に入国管理対策を変更するという姿勢は、フランスだけでなく、どの国にも求められている必要な措置なのではないかと思います。

 逆に言えば、またいつ新しい強力な変異種が出現するかもしれない状況、緩和できる時には、少しでも緩和しておかなければ、いつまた国際間の流れがストップしてしまうかもしれないのです。


フランス入国規制措置緩和


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