2024年6月30日日曜日

イタリアとフランス それぞれのどこがいい?

    


 私は、旅行に行くときは、半分は食べることが目的でもあるので、旅先を選ぶときには、美味しいものが食べられそうな場所を選ぶので、イタリアを選ぶことが多くて、イタリア料理が私の好みと言ってしまえば、それまでなのですが、旅先でレストランを選ぶとしても、イタリアならば、ハズれる可能性が低く、自分で勝手に必要以上に盛り上がってしまうところもあるのですが、テンション爆上がりで、驚嘆し、感激できるレストランに出会える可能性も高いのです。

 シンプルな材料で、これだけ美味しいのは、その素材が新鮮であることや、その組み合わせや火の入れ方や材料同志の組みあわせの相性などのセンスがよくて、旅行中、和食やましてやフレンチが恋しくなるということもないどころか、その土地で食べたかったものを食べつくせないことも少なくないくらいです。

 これがフレンチとなると、それぞれの食事は充分に美味しくても、もう2食、3食と続くとなると、もうたちまちゲッソリしてきて、なにか別の料理を挟みたくなってしまいます。これは、単に私の食の好みなのかもしれませんが、そんな気がします。

 そういえば、イタリア・・といっても南イタリアですが・・いわゆるマクドナルドとかKFCとかのファストフードを全然、見かけません・・そして、どこの国に行ってもありがちなチャイニーズなどのいわゆるイタリア料理以外のお店も見かけません。まあ、イタリア料理だけでも全然、飽きないし、食べたいものを食べつくせていないくらいなので、全然、よいのですが・・。

 そんなイタリアでも、一つ残念なのは、パンがいま一つなことで、パンはまず間違いなく、フランスの方が美味しくて、ここにフランスの美味しいパンがあれば・・と思うことはあります。

 よく、フランスはパンが美味しくていいね・・などと言われますが、いま一つ自覚に欠けていて、別の国に行ってみれば、「いつもあたりまえのように食べているフランスのパンって、やっぱり、かなり美味しいものなんだったわ・・」と、あらためて思います。

 もっとも、私が最近、行っているイタリアは南イタリアばかりなので、ミラノとかローマなどの都会ならば違うのかもしれませんが・・。

 なので、これは特に南イタリアでは・・ということなのかもしれませんが、パン屋さんなどを覗いても、圧倒的に甘いものが多くて、クロワッサンに甘いクリームやジャムが入っていたりして、「なるほど、これがフランス人がバカにする甘いクロワッサンなどのヴィエノワズリーか・・」などと思ったり・・。

 しかし、最近はパリでもチョコレートがかかったクロワッサンなども置いているお店もあったりして、フランスのヴィエノワズリーも最近は新しいタイプのものも登場しています。(でもクロワッサンの中にジャムはないかな?・・)

 ただし、パンやヴィエノワズリー本体の生地の味は、フランスの方が美味しい気がします。私の私見ですが・・。

 また、一般的な傾向として、フランス人はどこかイタリアを下に見ているところがある印象ですが、そんなフランス人を嫌っているイタリア人もいることを今回の旅行で発見しました。

 バカンス好きのフランス人、さすがにバカンスの地には、どこでもフランス人は少なくない(特にヨーロッパ内)らしいのですが、私たちが泊まっていたホテルの年配のスタッフとちょっと立ち話をしていて、私がフランスに今日帰ると話したら、とたんにフランス人の悪口を言い始め、「フランス人はどこに行ってもフランス語で通そうとする・・フランス語が話せない人をバカにする・・」などと言われ、「え~?イタリアに来てまでそんなことやっている人いるの?」と思いつつ、まあ、人によっては、あり得ない話でもないな・・とも思い当たり、なんとなく、苦笑い・・。

 パリでは、以前はよく、駅などで「ここはフランスなんだから、フランス語で話しなさいよ!」などとフランス語で言っている駅員などを見かけたりして、「パリなんて、観光で莫大な収入を得ているのだから、もうちょっとどうにかしたら? せめて英語で話してあげればいいのに・・」などと思ったりしたこともあったのですが、最近はずいぶん変わったと思っていました。しかし、イタリアでそんなにフランス人に悪い印象を持っている人もいるのには、驚きました。

 まあ、よそ者?(フランス人でもイタリア人でもない)からしたら、「どっちもどっちだな・・」という気がしないでもないのですが、概して、このような敵対心?というか、お互いに反感を持っているのは、フランスにしても、イタリアにしても、年配者に多い気もするし、若い世代の人々は、もっと鷹揚にお互いを尊重しているような気もします。

 お隣同志の国なのだから、仲良くすればいいのに・・などと思うのは、甘いのでしょうか? 


イタリアとフランス


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2024年6月29日土曜日

アマルフィーコーストにある美しい街 ラヴェッロ Ravello

  


 南イタリアの海沿いの街の中では、アマルフィがあまりにも有名で、その近辺では、かろうじてポジターノ、ソレントなどがよく知られる場所でもあり、私自身もごたぶんにもれず、そんな知識しかありませんでした。ナポリやソレント、アマルフィからは、それぞれの場所やカプリ島、イスキア島などを行き来する船が出ています。

 これまでに私は、ナポリから船でカプリ島やイスキア島に行ったこともありました。

 カプリ島は、かなり観光地色が強く、極端に言えば、その観光地っぽさはアマルフィとも通ずるところがあり、そこに集まる人の多さはもとより、そこで働く人々も、ちょっと失礼な言い方ではありますが、観光客ずれしている印象を受けるところもあります。

 そこへ行くと、イスキア島あたりは、若干、人も少ない印象でしたが、これも私が行ったのは、ずいぶん前の話なので、現在はどうなっているのかは、わかりません。しかし、このイスキア島は、海に温泉が湧く場所がある、ちょっとおもしろい場所でもあり、卵をかかえて海に温泉卵を作りに行ったりもしました。

 今回は、まさにアマルフィのあまりの観光地そのものの様子には正直、ちょっとガッカリで、近くの駐車場などは、都心の駐車場?と変わらないような駐車料金がかかり、それでさえも空き場所を見つけるのも至難の業です。

 旅先選びの好みはそれぞれなので、なにを良しとするのは、お好みによると思うのですが、私は、今回の旅行で、私は、あまり観光地化が過ぎる場所は好みではないことをあらためて自覚しました。




 なので、たまたまとっっていた宿泊先のホテルのあったプライアーノなど、知名度は比較的低いけれど、人は温かく、どこかホッとするような場所が好みで、もう一か所、アマルフィーからナポリに行く途中で寄ったラヴェッロという街がとても気に入りました。



 私は、今回、行ってみるまでは、このラヴェッロという街を知らなかったのですが、標高350mの高いところにあるこじんまり?とした街で、アマルフィやポジターノ、アドリア海が一望できる美しい街です。

 また、街全体のデザインやカフェやお店のテイストもちょっとフランスっぽい雰囲気もあり、田舎の街でありながら、なかなか洗練されているおしゃれな美しい街です。




 一度、その街に入ってしまえば、街の中を散歩して歩くのには、大きすぎず、素敵な陶器のお店などがたくさんあり、人も多すぎずにちょっとホッとできる場所です。




 私たちは、車で行きましたが、車がない人でもアマルフィからバスが出ているので、行くのが難しい場所ではありません。私は、むしろ、アマルフィーのゴミゴミした感じよりも、美しいこの街がとても気に入りました。

 もしも、アマルフィを訪れて、時間に余裕がある方は是非、おすすめです。

 教会の前の広場のベンチで休んでいたら、現地のおじさんが話しかけてきて、「この近くに日本人の奥さんがいるイタリア人が経営している良いホテルがあるよ!」と教えてくれました。

 最初は、英語で話しかけてくれたのですが、私がフランスに住んでいると知ると、「な~んだフランス語わかるんだ!!と・・。」フランス語になりました。どうにも、この辺りでフランス語が話せる人は、フランス語で話したがるんだな・・と妙なことを発見しました。


南イタリア ラヴェッロ


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2024年6月28日金曜日

イタリア プライアーノの超おすすめホテル HOTEL PELLEGRINO PRAIANO

  


 今回のイタリア旅行は、ずっと行ってみたいと思っていたアマルフィーを中心に計画したもので、岸壁に連なる家並み?と自然の産物として、美しすぎる岩肌、そしてその岸壁沿いの道路、いわゆるアマルフィーコーストを海を眺めながらドライブしたい!という思いから始まったもので、娘も昨年、免許をとったし、二人でアマルフィーコーストをドライブしよう!というものでした。

 娘がパリに来ている間の数日間だけなので、そんなに長期間ではありませんでしたが、まずは、ホテル探しをしてみたら、アマルフィーやポジターノは驚くほど高くて、また車を借りて行くためにパーキングがあるということが必須条件で・・パーキングがない場所にホテルをとってしまうと、ホテルとは別にけっこうなパーキング料金までかかってしまうので、なかなかハードルが高いものでした。

 そんな感じだったので、そのあたりで一番値段の高いアマルフィーやポジターノは避けて、逆に車があるんだから、移動は比較的しやすいので、アマルフィーやポジターノに車で30分程度で行くことができるプライアーノというところにホテルを取りました。

 ソレントにも行ってみたかったので1日目はソレントにホテルをとったのですが、そこは大失敗で、ホスピタリティのかけらもなく、レセプションもないようなホテルで、部屋も狭く、アメニティなども、ほぼゼロで大失敗でした。

 2日目から滞在したプライアーノにとったホテルはソレントのホテルとは天と地ほども差がある感じのとても素敵で心地よいホテルで、チェックインして部屋に案内してもらって、部屋から見えるベランダからの外の景色を見て、思わず二人で歓声をあげてしまったくらいでした。


ベランダからの景色 これが窓ごしにも見える


 ホテルのスタッフもとても親切で感じがよく、泳ぎに行きたいんだけど・・とか、○○に行きたいんだけど、こんなものを食べたいんだけど・・なんていうこと、本当に何から何まで、快く教えてくれて、相談に乗ってくれて、おまけに、たいていの場所には、ホテルのスタッフが車で送り迎えしてくれるのです。

 いつでも、スタッフとWhat's up で連絡が取れるようになっていて、本当にこの人たち、いつ寝てるんだろうか?と思うくらい・・。

 お部屋ももちろんゆったりしていて、きれいで快適で、シャワーなど浴室もすばらしい!、ベッドも寝心地最高、なんといってもベランダが広く、部屋からすぐのベランダはもちろん、その脇には、また別の寝そべることができるカウチが二つ並んでいて、そのどちらからも美しい海と空が広がる光景に日除け?をかねた花棚がカバーしていて、もう美しすぎる景色の中に浸ることができます。






 今まで、日本人のお客さんは来た事がない・・と言っていましたが、その全てに行き届いたスタッフのサービスは、充分に日本人のサービス水準に匹敵するもので、絶対に日本人が来ても、満足するだろうものだと思いました。


 




 朝食は、3階(といっても山の上にあるので、辺りの海が一望できる絶景)のテラスで供され、フルーツ、いくつものペストリー、ヨーグルト、フレッシュジュース、卵料理(オムレツやスクランブルエッグ、目玉焼きなど好きなものを注文すると、すぐに作ってくれて、アツアツなものを持ってきてくれます。

 また、連泊する人を想定してのことが、ペストリーやクレープなども、同じものが続くことのないようになっていて、すごい心配りだな・・と感心し、ついつい食べすぎてしまいます。

 コーヒーや紅茶などの飲み物もふつうのコーヒー、エスプレッソ、アメリカン、カフェオレなどなど、注文通りのものを持ってきてくれます。

 ほぼ、全てのスタッフが英語を話してくれますが、一人、フランス語が話せる若い男性がいて、私たちがフランスから来ているからなのか?英語で話しても、フランス語で話してくれるので、その人とはフランス語で話しました。

 このホテルは三ツ星ホテルで、「このホテル、ものすごく素晴らしいサービスや素敵なお部屋なのに、なんで三ツ星なの?おかしくない?」と聞いたら、「ありがとう!」と言いつつ、一応、それ以上の星を獲得するためには、プールなどの施設が必用だとか、そういう規定があるのだそうです。

 アマルフィはあまりに有名ですが、むしろ、アマルフィーはあまりに立て込んでいて、人も多いので、このプライアーノあたりにホテルを取るのがむしろ、正解なのではないか?と思うのです。

 その土地を訪れるまでは、まったく地理的なこともピンときていなくて、具体的にイメージできていなかったのですが、このあたりを訪れるときに、まず考えるのが、行ってからの移動、交通手段をどうしよう?と考えると思うのですが、けっこうアマルフィーやポジターノ行きのバスは頻繁に出ているし、ここのホテルのようにあちこち送り迎えしてくれるのならば、全然、心配なく、むしろ、ゆったりと美しい光景を楽しめるのです。


ベランダからの夜景


 フランス語を話すのが好きなお兄さんに、「ものすごく忙しそうだけど、週に何時間、働いているの?」と聞いてみたら、4月から10月までは、毎日、休みなしとのことでした。

 しかし、このホテル、中規模のホテルなのですが、家族でやっているそうで、メインのスタッフはご家族なのだそうで、忙しくない時期には、ある程度、自由が利くのだそうです。




 家族経営にしては、かなり徹底して、きっちりやっている感じ、むしろ、家族の絆が固いのかな?などと想像しました。

 メインスタッフの一人の女性にブログで紹介したいけど、良いですか?と伺ってみたら、もちろん!よろこんで!ということで、送迎サービスについても確認してみたら、あらかじめ、連絡をくれたら、空港への送迎もアレンジできるとのことでした。

 そういえば、最初にホテルに着いたとき、「こちらは、初めてですか?」と聞かれたので、「プライアーノに初めて来たのか?」と言う意味かと思ったら、「このホテルに初めてですか?」ということだったらしく、逆に考えれば、ということは、けっこうリピーターがいるということで、このホテルに滞在してみれば、リピーターがいるということもうなずけるな・・と思ったのでした。

 アマルフィーやポジターノは、あまりにも有名ですが、それ以外にも知る人ぞ知る・・と言った感じのそれらに負けない美しいビーチなども近くにあるので、この界隈、そしてこのホテルはとてもおススメです。

 もしもこのあたりに行ってみたい方がいれば、とってもおススメな素敵なホテルでした。

 先日、ご紹介したとっても美味しいレストランもこのホテルの近く、歩いて15分くらい?ですが、車で送ってくれて、食事が終わって連絡したら、迎えにも来てくれます。もっとも、私たちは少しでも美味しく食べられるように、また食べすぎたために翌朝の朝食に備えるためにレストラン、行きも帰りも歩きました・・。

 

イタリア プライアーノ ホテル 

🌟HOTEL PELLEGRINO PRAIANO

    Vis G.Capriglione,190 84010 Priano(SA)Italy





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2024年6月27日木曜日

近いはずのイタリアが・・気が遠くなるほどのフライトの遅延

  


 本当は、イタリアのことをもっと色々と書いておきたいことがあったのですが、とりあえず、それは後回しにするとして、あっという間のイタリアでのプチバカンスが終わってしまいました。

 今回のイタリア滞在中は、レンタカーを借りていたので、ずっと車で移動して、車が入れない場所については、山?の中腹くらいに車を停めて、延々と入り組む階段を降りて海岸に行ったりはしましたが、公共交通機関は全く使うことがありませんでした。

 ソレント、ポジターノ、プライアーノ、アマルフィー、ラヴェッロ、そして帰りはナポリに向かう山道は、崖の上の海岸線の路駐の車、大型バス、そして歩行者が行き交う超難関度が高いうえにナポリに向かう高速に乗るまでの山道は、まさに峠を越える感じでこれはこれでまた恐ろしく、本当に何事もなく、レンタカーを返却した時には、心底、ホッとしました。

 数日間滞在したイタリアが名残り惜しい感じもあり、またパリへ帰れるホッとするような気持ちが入り混じっていました。

 レンタカー屋さんから空港までは、車屋さんのスタッフが送ってくれて、ほぼ予定どおりに空港に到着しました。

 出発ゲートのある空港の入り口は、わりときれいで、あれ?到着時と随分、感じが違うな・・と思いつつ、フライトスケジュールを見てみると、なんだか軒並み遅延・キャンセルばかりで、オンタイムで出るものなど、ほとんどありません。嫌な予感・・。

 今回は、車を自分で運転していたので、時間がギリギリになって、焦って危険な運転をしたくなかったので、早めに空港に到着するつもりにしていましたが、結局、途中、渋滞したりもして、まあまあの頃合いの時間になっていました。夜20時25分発予定のフライトで空港に到着したのが18時30分頃でした。

 この遅延だらけのフライトスケジュールを見て、娘と二人で、「さすがイタリア、さすが、ナポリ・・来る時も飛行機だけでも1時間遅れだったので、(実際には、もっと遅れた結果になりましたが・・)最低でも1時間の遅れくらいは覚悟しなくては・・と言っていたら、まさかの2時間遅れ以上らしいうえに、情報がなかなか出ない。

 出ないうえに、なぜかオルリー空港に到着するはずだったフライトなのに、いつのまにかCDG(シャルル・ド・ゴール空港行き)になっている・・もう、「なんじゃそれ?」という感じ。

 そもそもオルリーに到着予定が22時50分頃だったのに、2時間以上遅れて、しかもCDG空港へ行っちゃうって、そんな時間にCDGに着くなんて、もう電車もないし、怖いし、どうするの??これがもし一人だったら、どんなに心細かったかと思うと一人でイタリアへの旅をすることは躊躇してしまいます。

 しかし、飛行機等の遅延に関しては、たしか2時間以上ならば、そのためにかかった費用、例えば、夜電車が無くなってタクシーに乗らざるを得なかったり、また、食事時間が挟まった場合の食事費用など、請求することができるはず・・。

 ナポリを出発する前から、航空会社には、遅れて申し訳ないという姿勢は全くなく、しかも到着地が変更になって、必要な人にはオルリーまでのシャトルバスに乗せるから・・と恩着せがましいことこのうえありません。

 だいたい午前零時すぎにオルリー空港という中途半端な場所に連れて行かれたところで、一体どうしろというのでしょうか?もう意味がわかりません。

 ナポリに行く時も遅延、帰りも遅延、プラス到着地変更。オルリー空港はCDG(シャルル・ド・ゴール)空港に比べて空港を使える時間が短いらしく、そのためにさらに遠いCDG到着となってしまうのでしょうが、はっきり言って、イタリアは大好きなのですが、いい加減、もう少しまともに物事が進むようにしてくれなければ、もうしばらくイタリア行きも考えてしまいます。

 結局、飛行機が離陸したのは夜23時15分、CDGに到着したのは、午前1時5分、それからまた再び滑走路付近から空港へのバスを待ってCDG空港に入れたのが1時40分、当然、公共交通機関は何も動いていないため、オルリー空港とパリの中心部(ポルトドオルレアンかポルトドバニョーレ)までシャトルバスが出ます・・ということでシャトルバスがCDGを出発したのが午前2時。

 シャトルバス到着が午前2時45分。そこからタクシーを拾って家についたのがもう午前3時半ころ・・。実にナポリの空港から9時間かかってようやく家に戻り、ようやく眠りにつけたのは朝方4時半頃で、もうクタクタです。

 シャトルバスはとてもきれいで快適なバスだったし、さすがにそんな時間、空港からの道はスイスイでしたが、何と言ってもこの真夜中の、移動はこたえます。

 本来ならば2時間のフライトでラクラクなはずのイタリアプチ旅行でまさかの時差ボケみたいな状態。気の毒なことに娘は翌朝、日本との仕事のため朝6時半起きでした。

 前回、日本に行ったとき、日本の国内線はなんでこんなに遅れるんだろう?と思ったけれど、今回は行きも帰りも遅延、しかも遅延の仕方も桁外れ・・これではせっかく大好きなイタリアも、これからはちょっと二の足を踏んでしまいそうです。


イタリア フライトトラブル 遅延 キャンセル


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2024年6月26日水曜日

イタリアに来たら一食たりともおろそかにしてはならない! プライアーノ ラ・ストラーダ La Strada Praiano

  


 イタリア3日目はアマルフィコーストを気持ちよくドライブするつもりでした。ホテル近くのプライアーノ近辺のビーチで泳いでから、アマルフィに行くつもりが、お天気が悪く、気温も昨日とは打って変わって泳ぐようなお天気ではなく、今にも雨が降ってきそうな感じだったので、ビーチへ行く予定はすっ飛ばして、アマルフィまでのドライブに切り替えました。

 ところが、その途中、かなり本格的に雨が降り出し、ただでさえ山沿いの海岸線の道路は狭いうえに、大型のバスやバイク、そのうえ、路肩駐車している車に歩行者までけっこういるために大緊張。

 前日に衝突事故を目撃していたこともあり、もうどんなに煽られても我関せずで安全重視の運転でした。そのうち雨も止むかと思いきや全く雨は止む気配がないどころか、かなり本格的な大雨・・。そのうえアマルフィがこんなに観光客が多いかとビックリ! なんだか街も観光客に媚びた印象(車の中から見たところだけですが・・)で、とりあえず、かなりのざーざー降りの雨の中を高い駐車料金を払って雨の中を歩いて回る気がしなくて、また明日、寄ってみることにして、この日は、買い物(食べ物)をしようということにしました。

 トイレに行きたくなって寄ったカフェで聞いたスーパーマーケットの場所とこの土地の美味しいチーズとハムを書いてもらい、イタリアのチーズと生ハムなどを買いに行き、遅めの昼食をとりに行きました。

 その日は、ホテルの朝食がなかなか豪華で、ついつい食べすぎて、あまりお腹が空いていなかったのですが、とりあえず、食べたいものを一つずつ制覇していきました。

 遅めの昼食をとっても雨は止まず、陶器のお店をひやかしたりしながら、ホテルに戻るともう夕方。「夕食はどうしようか? もうあんまりお腹もすいていないので、買ってきたチーズやハムを少しずつ食べるくらいでよいかな?」と思ったりもしたのですが、そこはやっぱり「イタリアで、やっぱり美味しいものに出会うチャンスを1回でも逃したくない!」ということで、近くの街まで歩いて行って、それでもお腹がすかなかったら、適当に済まそうとホテルのフロントに降りて行ったら、フランス語を話してくれるフロントのお兄さんがいたので、このへんで美味しいレストランありますか?と聞いてみたら、「本当に歩いて5分くらいのところに美味しいレストランがあるよ!」と教えてくれたので、そこへ行ってみました。

 それでも、そのレストランはあまりに近かったので、一度、街中まで歩いて行って、他のレストランも覗いてみたりして、けっこう歩いてから、「やっぱりあそこに行ってみよう!」ということになりました。

店内を入るとこんな階段を登ってテラス席へ


 地上回は、ごくごくシンプルな感じのお店なのですが、上の階がテラス席でなかなかいい感じでした。周囲の人々が食べているものを観察しながら、ああでもないこうでもないとメニューを見ながら決めるまでが長いこと長いこと・・




 このレストランで注目すべきことの一つは、ウェイターやウェイトレスなど、従業員があまり若くなく、しっかりと腰を落ち着けて長く働いているベテランな感じの人が多いことで、それがおばちゃんであれ、おじちゃんであれ、プロ意識が垣間見られて、安定感があり、なんだかそんなところもこのお店に期待できそうな気がしました。




 結局のところ、さんざん迷った挙句に、私たちは、イカ、エビ、あさり、たこ、ムール貝などを使ったサラダとタリアテッレとピザを注文しました。ピザとパスタに関しては、ものすごくたくさん種類があるので、真剣勝負の一苦労。ここが私たち一族が共通して食べ物に対して真摯に向き合う姿勢で、他人から見れば笑っちゃうところでしょうが、本人たちはそれが楽しみでもあるのです。

 このシーフードサラダに関しては、たまたまテラス席の特等席で食事していたおじさんが注文していたのをみかけて、「あれ食べたい!」となったもので、結果的に大当たりでした。



 注文の品がやってくるまでは、まず運ばれてきたパンをかじってみたり、置いてあるオリーブオイルやバルサミコを味見してみたりして、いちいち大感激。美味しいお店というものは、おいてあるオリーブオイルやバルサミコまでもがパリでもなかなかお目にかかれない逸品であることが多いのです。



 案の定、ここのフルーティーで香りのよいオリーブオイルと、甘すぎず、しかもコク深さのあるバルサミコも絶品でした。

 なんといっても感激したのは、ここのシーフードサラダで、地のものと思われるイカやエビやタコなどの火の通し加減が絶妙で、しゃぶしゃぶちょっと手前くらいの火の入り加減が最高。新鮮なため、ガーリック等は使わずとも臭みというものが全くなく、レモンとオリーブオイルと塩でルッコラとプチトマトと和えてあるものですが、これが最高に感激でした。



 このサラダで爆上がりした私たちは、その後のお子ちゃまメニューかと思われそうなミートボールのタリアテッレとモッツアレラとペペロンチーノ、ガーリック、オレガノを使ったウェイターのお兄さんおすすめのピザをシェアしながら、大感激で食べ尽くしました。




 ミートボールと侮るなかれ、味わい深い、どの味も勝ちすぎていないハーブのきいたミートボールとトマトソースにパルミジャーノ、そしてピザは、なぜかシンプルなのにジューシー・・きっとトマトソースの質と量が絶妙でまたそのうえ、モッツアレラチーズのバランスが最高!かつ、もっちり感もちゃんとあり、生地も軽めで食べ応えと満足感たっぷりです。




 ピザやパスタを食べながら、終わり頃まで、デザートを注文するかどうかを悩んでいたのですが、結局、ティラミスまであっという間に食べ尽くし、大満足で帰ってきて、初日から、このお店に通いつめなかったことを後悔したくらいでした。

 お値段もお手頃価格で決して高いお店でもありません。

 例えば、誰かがレストランを勧めてくれたとしても、知らない人であれば、味覚をどこまで信用してよいものかわからないので、実際に食べてみるまではホテルのお兄さんのおすすめをあんまりそのまま間に受けてよいものか迷っていました・・が、基本、自分たちもよく行くお店だということだったので、もっと早くから信用して、行ってみればよかったのです。

 滞在していたホテルも大満足のホテルでしたが、私にはまだまだ行きたいけれど、行っていない場所がたくさんあるので、同じ地に再び来るということは、あまりないと思うので、これが最初で最後であった可能性が大きいのですが、それこそ、イタリアに行く時に従姉妹がくれた本「食べるためだけにイタリアに行く」ような機会が本当にあるのであれば、このお店のために来てもいいくらいです。

 まったく、メジャーな場所でもなく、有名なレストランでもありませんが、もしもプライアーノに行く予定がある方がいらっしゃるのであれば、このレストラン「ラ・ストラーダ」は、強くおすすめしたいレストランです。特にシーフードサラダは是非是非!

 そもそもその日の夕食は、「もうあまりお腹が空いていないから、買ってきたチーズと生ハムくらいでいいかな?」などと言っていたのに、「頑張って歩いて、そしてやっぱりちゃんと食べよう」ということになって、出会ったとっても美味しいレストランでした。

 「やっぱりイタリアに来たら一食たりともおろそかにしてはならない!」というのが私たちの今日の教訓でした。


プライアーノ ラ・ストラーダ La Strada Praiano


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2024年6月25日火曜日

イタリア プチバカンス2日目ソレントからポジターノ バカンス味わわずにいるなかれ・・

  


 初日は、まさに罰ゲーム?のような一日で、最後の締めくくりは、頼みの綱のホテルのFreeWifiが途切れて、ブチギレそうになりながら、それでも一応の要件は片付けましたが、怒りが心頭に達して、眠れないかと思いきや、やはり疲れていたのか、案外すんなり眠れました。

 ベッドだけは良いベッドですこぶる寝心地のよいベッドでした。しかし、翌朝は早々にホテルのおじさんが請求書を持って集金にくるために朝、比較的早くに起き、早くにチェックアウトしてしまいました。

 昨夜の段階で、私たちはソレントに着いていたのですが、朝食がてらに港(マリーナグランデ)に歩いて行ったのですが、こちらは、まだ、時間が早く、何も食べられるようなところはなく、少し上がって行ったところに地元民が買い物に集うような地域があったので、そこで、イタリアならではの、マリトッツォとアーモンドとピスタチオの甘い朝食とエスプレッソをいただきました。


 このあたりから、私たちもすっかり機嫌をとりなおし、いつものバカンスの調子に戻りはじめ、小さな地元民御用達のような八百屋さん中心の食料品店でおやつがわりにプチトマトと水を買い、車をスタートさせました。

 本日の予定は、ソレントからポジターノからプライアーノまででした。ソレント、ポジターノは、まだバカンスシーズン本番に入っているわけでもないので、すごい人で、正直、私は、こんなに人気の場所だとは思っていませんでした。

 色々な言語・・といってもイタリア語、英語を話す人が多いのですが、バカンスといえば、やはりフランス人、どこに行ってもフランス人は必ず一定数、というより結構いる印象です。

 意外に多くて驚いたのが韓国人で、日本人などほぼ見かけませんでした。

 その日のメインはポジターノのビーチだったのですが、これまた大変で、パーキングというものがあまりないうえに結構、高額で、その他大勢は、路駐です。この路駐のスペースを見つけるのでさえ、奇跡的な状態のうえ、フランス人とどっこいどっこいの路駐のレベル・・要は、ギリギリのスペースで駐車しています。




 また、この山道の海岸線は、この路駐の車とバイク、山道という三重苦が重なる大変なドライブでしたが、かなりの上の路上にどうにかギリギリのスペースを見つけて車を停め、そこから、細々と入り組んだ階段を足をガクガクさせながらおりていきます。

 しかし、ちょっと先を見渡せば、青く光る海に何隻もの白い船が行き来しており、道なりには、美しい花が咲き乱れ、まさしく絶景以外のなにものでもありません。

 なんとかビーチまでおりると、もうそこは夏そのもので、多くの人がビーチで寝転んだり、海に入って泳いだり、多くの人々で賑わっています。ちょっと前までいつまでもお天気が悪く寒かったパリが嘘みたいです。

 この美しい空間とゆったりと流れる時間とに浸りながら、やっぱり人生はこうして楽しまなくちゃいけないな・・よく仕事が楽しいとか言う人もいるし、やりがいのある仕事を楽しいと思うことは、事実だけど、それは、やっぱり違うかな? 仕事の楽しさもあって、そして、バカンスを楽しむこともできなきゃいけない・・忙しがって仕事ばかりしているのは、ある種の逃げでもあり、やっぱり人生もったいないよな・・と、弟のことを考えながら思ったりもしました。



 ランチは、下調べしてあったレストランに行き、新鮮な魚介類のフリットやパスタを食べ、大満足、朝、覗いた魚屋さんで新鮮ないわしやイカを見たので、ぜひ、この二つを食べようと思ったのです。魚介のフリットに濃厚なトマトソースがついてきたのにはびっくりしましたが、これが相性よくてビックリ! しかし、私はレモンだけの方が好きです。



 さんさんとふりそそぐ太陽の下でしばらく寝っころがったりしながら娘ととりとめのないおしゃべりをして過ごし、その後は、おりてきた階段を永遠と思われるくらい休み休みのぼって車に戻りました。私自身、こんなに歩いた・・というか山道の階段を登ったのは、生まれて初めてかもしれません。

 しかし、今夜も美味しく夕食が食べられるようにと自分に思いきかせながら頑張りました。

 ホテルは、ポジターノから車で30分ほどのプライアーノという場所にとっていたので、次はそこに滞在します。車をホテルにつけると今度のホテルは昨日とは天と地ほどの差がある感じで、至極、感じのよい人ばかり。

 おまけに案内されたお部屋の眺望は美しい限りで二人とも大感激。今夜は安らかに眠れそうです。


ソレント ポジターノ


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2024年6月24日月曜日

さっそく立て続けにトラブル続出のイタリアプチバカンス

  


 娘が日本からパリに行こうかな?と電話で言い出した時、「来れるなら、おいでよ!パリに来るなら、その間、ちょっとでもいいからイタリアに行こうよ!」と、あっさり決めたイタリア行きは、今回は数日間、ちょっとだけ南イタリアをドライブすることにしました。

 パリに来てから、かなりビッチリ仕事続きだった娘はようやく時差ボケから回復しつつある段階の、お疲れモードです。

 パリからイタリアへの便は、オルリー空港から出る便が多く、今回もオルリーからのフライトでした。

 パリからイタリアへの便は、同じヨーロッパ間ということもあって、ほぼ国内線のような感じの扱いで、セルフチェックインをして、入口を通過する際もチケットの確認のみで、パスポートのチェックもなく、パスポートチェックは飛行機に乗る際のゲートでチラッと見せただけです。

 荷物検査を通るとき、係員の人がフランス語を話しますか? 英語を話しますか?と、フランス語で尋ねるところは、「フランス語のわからない人には、わからないではないか?」とふと思ったのですが、お客さんのリアクションを見て、フランス語にするか英語するかを判断しているようで、それはそれでなんとかなっているところは、面白いです。

 今回は予約を全て娘に頼んでおいたら、私のお財布に気を遣ってくれたのか?トランザビアという格安航空会社の便で、前回、急遽、イタリアからの帰りに取り直した便で1回乗ったことがありました。

 ところが、飛行機はオンタイムとなっていたにもかかわらず、結局、なんだかんだで1時間遅れ、(2時間のフライト予定で1時間遅れは、大きい)、仕方ありません。飛行機は1時間遅れでナポリに到着し、まあ1時間遅れで出たのだから、1時間遅れで到着するのは、ふつうです・・が、到着後、飛行機が空港と通路で繋がっていないため、滑走路付近からバスで空港に向かうのですが、そのバスが来ず、30分待ち。30分ほど経ったところで機長のアナウンスで、「ただいま、バスの運転手を待っておりますので、もう少し・・もう少しだけお待ちください・・」と。やっぱりイタリアだ・・。と思ったところで、ようやく運転手が来て、バスが来たと思ったら、1台では乗り切れずにさらに待つこと合計50分ほど。

 結局、2時間近く遅れて、そこからレンタカー会社までテクテクと二人で歩いていくと、今度は、レンタカー会社が何やら、大賑わい・・というより、大変な喧騒状態で、大人数の家族連れがなんだか文句をつけていて、車を替えてもらう交渉中、ようやく、別の車に落ち着くかと思いきや、今度は、体格のいいおばちゃんのお客さんが値切りはじめ、もう収集がつかない感じ。

 これまでにすでに大幅に飛行機が遅れているし、バスまでこなくて、イライラし、そのうえ、レンタカー屋でさらに延々と待たされて、とにかく、レンタカー屋さんも要領悪く、仕事が円滑に回るようになっていないために、「この人たちには、時間という概念が欠けている・・生産性悪すぎる・・」、娘と顔を合わせて、思わず、「これだから、フランス人がイタリアを下に見るわけだね・・」などといいながら、あまりイライラしても仕方ないし、もういい加減、疲れてきてしまって、呆然としていました。

 予約していたホテルには、チェックインの時間が決まっていて、夜20時をすぎるとサーチャージがかかるとかで、もうこれでサーチャージ確定です。

 それでもようやく車が借りれて、久しぶりのイタリアでの運転をドキドキしながら、始めると、まあ、なんと二人乗りのバイクが多くて、怖い怖い・・高速道路でもバイクがいっぱいです。そのバイクがけっこう無謀な運転で反対車線をセンターラインを超えて、車を追い越して通っていくのが恐ろしいです。

 でも、予定を大幅に遅れて、ホテルに着くと、受付というものがホテルと同じ場所にはなく、翌朝、鍵は、部屋に置いて行ってください。すでに予約時にネットで支払いは済ませているので、サーチャージ分と地方税?だかなんだかいうのを別に現金で支払えというので、なら、領収書を出してくださいと頼んだら、領収書は出せませんとゴネはじめ、翌日になって、そんなものはもらっていないと言われても困るので、こちらもつっぱねて折れずにいると気まずい感じ・・というか、こちらもどんどん疑心暗鬼になり、お金を受け取りながら、領収書は出せないってどういうこと?と完全にムッとしていると、相手も「自分だって、あなたたちが遅くなるのをずっと待っていた・・」などと言いはじめ、完全に「留守番を頼まれたおじさんのぼやき」しかし、それは、オーナーとあなたの話で、私たちには関係のない話です。

 結局、じゃあオーナーのところまで、一緒に行くなら・・、とオーナーの人が領収書は出してくれましたが、地方税の方は、明日にならないと領収書が出せないと言い張り、翌日、出発前に再び、そのおじさんがやってくることになりました。

 なんだかんだで、ようやく自由の身になったのは、夜遅くのことで、二人ともお腹がペコペコでしたが、もうあまりレストランを探し歩く元気もなかったので、とりあえず、なんとなく、ここでいいっか?という感じのレストランで食事をして、帰りにジェラートを食べて帰りました。

 部屋に帰ると、なんだか隣のホテルで大音量でのパーティーをやっていて、ええ??っとウンザリ・・。本当にさんざんな一日でしたが、明日からは気持ちを切り替えて、楽しく美味しく過ごそうと思います。ヤレヤレ・・。


イタリア トラブル


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2024年6月23日日曜日

食品廃棄物を救うスーパーマーケット お財布にも優しい Nous Anti Gaspi ヌ・アンチガスピ

  


 フランスで本格的に食品廃棄物への取り組みが開始されてから、もう4年以上が経ちますが、一般のカーフールなどのスーパーマーケットなどでも、賞味期限が迫った商品などには、「アンチガスピヤージュ(無駄廃止)」のオレンジや黄色いラベルが貼られて、価格を下げて売り切ろうとする試みが始まったり、Too Good Too Goなど、その日、売れ残った商品を格安で販売したりするアプリなどが出現したりしています。

 しかし、スーパーマーケットに関しては、私見ではありますが、当初に比べるとこのラベルが貼られている商品は減ったような気もするし、この食品廃棄物問題は、少しずつは改善されてはいるかもしれませんが、依然として大きな課題が残されているような気がします。

 先日、たまたま、SNSの広告で、この食品廃棄物を救おうという試みの「Nous Anti Gaspi」(ヌ・アンチガスピ)というお店がパリに何軒もきていることを知り、さっそく行ってみました。


 このお店は食品廃棄物として撥ねられる食品に目を向け、カタチの悪いふぞろいの野菜や小さい卵、パッケージがわずかに破損している商品などを地元の農家、卸売業者から買い取り、適正価格で販売しています。現在パリには、10店舗以上、全国展開もしています。

(Nous Anti Gaspi)



 「へっ??エシレバターなんかもあるんだ??たしかに安いけど、なんで?」と思って、よく見てみれば、なんとなく、通常のエシレバターと少々カタチが違う・・でも中身はエシレバターだから、全然、OKです。



 様々な取り組みにもかかわらず、フランスで廃棄処分になっている食料品は年間1,000万トン以上にも達するということで、これを少しでも改善しようと、このチェーンの各店舗は、月に10万食、一週間で12トン以上の食料品を販売しているとのことです。

 私のような消費者の立場からすれば、、カタチの悪い野菜などは、全然問題なく、しかも安く手に入るとなれば、このようなお店は願ったり叶ったり。

 行ってみると、野菜や果物をはじめとして、お菓子類、パスタ、肉類、乳製品(特に乳製品が充実している感じ)など、それなりに、ひととおりのものは揃いそうです。しかも、お手頃価格で・・。

 野菜が少しくらい曲がっていようと、小さかろうと、これが廃棄処分になりかねない食品だったのかと思うと、これを救済してくれるお店はありがたい限りです。思わぬ掘り出し物も見つかるかもしれないというなんか宝探しみたいな楽しみもあります。

 私は、この日は、少し育ちすぎ?な感じの大きな赤かぶの束二束(1,5ユーロ)と少し細めのアスパラガス(1,5ユーロ)とマドレーヌとクスクスを買いました。ところが、途中で店員さんと会員登録の話を始めたりして、お金を支払ったにもかかわらず、野菜だけ持って、マドレーヌとクスクスは忘れてきてしまいました。

 後で気が付いて、お店に取りに戻ったら、ちゃんとお店の人がとっておいてくれました。私の顔を見るなり、「ヴォアーラ!(ほ~ら!)」とにっこり。「こっちもあとで気が付いて、追いかけたんだけど、もう見えなかったから、戻ってくるだろうと思ってた・・」と、とっても気の優しいお兄さんでした。

 会員登録(無料)をすれば、ポイントがたまっていき、割引にもなるので、おススメです。

 私は大量の赤かぶでお漬物を作りました。1,5ユーロで大量のお漬物・・お漬物好きの私は、なかなか満足です。ちなみに、このお漬物、塩、ほんのちょっとだけのお砂糖、顆粒の昆布だし、お酢で簡単にできます!赤かぶからは赤い色がでて表面がピンクになり、適度に味が沁みたらOK!一晩、瓶詰にして一晩、冷蔵庫に寝かせて置けばできあがりです。


食品廃棄物取り扱い店 Nous Anti Gaspi 


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2024年6月22日土曜日

ポニョお医者さんに連れていかれて大激怒

 


 我が家には猫がいます。夫が突然亡くなって、半年くらいした頃に、娘と二人きりになり、どうにも、沈みがちだった我が家に夫の元同僚だったフランス人の女性が「近所で猫が生まれたんだけど、もし、子猫が欲しかったら・・?」 と声をかけてくれました。

 以前、実家でも猫を飼っていたことがあったし、アフリカにいた時も自由にでかけられない私を不憫がって、夫が家にいたボーイさんに頼んで猫を探してきてくれました。

 ボーイさんによると、アフリカでは、現地の人は、猫も食べてしまうとかで、あまり街中に猫がいることもなく、いくらかお金を支払うつもりが、生きているニワトリ3羽と交換してほしいということで、マルシェで生きているニワトリ3羽をボーイさんが買って、子猫と取り換えてきてくれました。

 わずか2年ほどのアフリカ滞在でしたが、フランスに来るときは、娘が生まれたばかりであったうえに、家も見つかっていなかったような状態だったので、泣く泣く、猫好きのフランス人の家族にもらってもらいました。

 そして、フランスに引っ越して、しばらくしてから夫という家族の一人が亡くなってしまったことで、再び、家族に猫が加わることになりました。

 子猫が数匹生まれた中から、事前に娘が猫を見に行って、自分の気に入った猫を連れてきました。それ以来、我が家の中にはホッコリと暖かい空気が流れ始め、娘とは姉妹のように育ってきました。名前も当時、流行っていた映画から、娘がポニョと名付けました。

 ポニョは家の中だけで暮らし、外出を極端に嫌うので、滅多に外に出ることもありません。たまに散歩に連れ出しても、強烈に嫌がるので、もう諦めました。一度、友人の別荘のあるニースに連れて行ったことがあったのですが、ポニョにとっては地獄のような数日だったと思います。

 とにかく気性が激しい猫で、嫌いな人には、遠慮なく「シャー!」と、うなって怒るので、扱いにくいのですが、ツンデレでありながらも家族にはとてもやさしく、少し落ち込んでいたりする時は、黙って心配そうに寄り添ってくれていたりもします。

 特に娘に対しては、自分の妹のように思っているようで、娘が独立してからも、娘が家に来たときは、心底、穏やかな顔になり、とてもうれしそうにしています。

 そんな娘が、久しぶりにポニョに会って、「なんか、ポニョ痩せたんじゃない?どこか悪いのかも?」と医者の予約を入れました。私は、毎日、会っているので、特に変化は感じなかったのですが、娘が「絶対おかしいよ!」などと言い、医者に連れて行ってくれました。

 しかし、ポニョは外出が嫌いなうえに、医者はもっともっと嫌いで、一度、家に来て間もない頃になにか、食べてはいけない(舐めてはいけない)ものを口にしたらしく、みるみる立ちあがれなくなり、動かなくなってしまったので、慌てて夜中に二人でお医者さんに連れて行って、この病院では何もできないからとヴァンセンヌにある24時間対応の動物病院に連れて行ったことがありました。

 もうその時には、ポニョは怒るもなにも、そんな元気すらなくて、グッタリしていたのでおとなしかったのですが、点滴をしてとりあえずは入院ろいうことになり、数日間は様子を見ましょうということになりました。娘は、泣きながら、「パパがいなくなった時より悲しい・・」とまで言い出し、二人で眠れない夜を過ごしました。

 翌日、面会ができるという時間に病院を訪れたら、点滴のおかげでポニョはすっかり元気になっていたのには、ホッとしましたが、もう怒り爆発で、獣医さんも手が付けられないと言わんばかりに、「もう大丈夫そうだし、連れて帰ってください!とにかく、すごく怒ってますから・・」と半ば追い出されたような感じでした。

 その後、避妊手術のために半日、入院?したことがありましたが、その時も同じような感じで、ポニョはとにかく病院が大嫌いなのです。

 今回は、娘が一人で連れていくというので、私はポニョが怒り狂うのを見たくないので、娘に任せてしまいました。案の定、ポニョの怒りは相当なもので、たしかに痩せているので、血液検査をしたところ、異常なし。「これだけ暴れられるなら、元気なんでしょう・・」ということで、帰ってきました。

 ポニョは今年15歳。人間で言えば、70代後半だそうで、高齢ではあるのです。

 スリムだとはいえ、食い意地は我が家の家系を引き継いでいるのか、相当なものです。キャットフードは、常に補充してあるのですが、それは彼女にとっては非常食のようなもので、私たちが食べるものを常に狙っています。

 塩分があるものはいけないので、ポニョのために味をつけずに肉を焼いて、細かく切ったものをあげたりもしているのですが、電子レンジやオーブンをつけると、それこそ真剣なまなざしで見守り、お鍋を火にかけていたりすると、それをしっかりしまっておかないと、お鍋をあけて、食べようと常に食べ物を狙っています。

 そんな感じなので、食欲は旺盛なのに、キャットフードを満足に食べないので、いつの間にか痩せてしまうような気がします。

 私自身、加齢とともに体調管理のためにタンパク質が足りないだろうとか野菜を多めにとか、最近は、とても食べるものに気を使っているのですが、これからは、ポニョの食事ももう少しカロリーがとれるものを考えなければならないようです。

 しかし、これだけガッツいているのに、勝手にキャットフードでおなかを満たしたくないポニョには参ります。

 昔、娘が小学生の頃、コロニー(合宿)などに行って、嫌いなものしか出てこないと、水だけ飲んで頑として嫌いなものを食べない(フランス料理全般が嫌い)娘がゲッソリ痩せてコロニーから帰ってきたのを思い出します。

 ふつう、お腹がすけば、あまり好きではなくても、一応、食べると思うのですが、娘はそうではなかったのです。考えてみれば、ポニョはそんな娘に少し似ています。

 病院から戻っても、ポニョの怒りは収まらず、いつもは喜んで食べるごはんをあげても、「シャー!」と声をあげて唸っています。

 とりあえず、血液検査までして、「健康」だと太鼓判をおされたので、そんなに心配はしていませんが、この性格が災いしていることは間違いありません。


猫 動物病院


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2024年6月21日金曜日

パリ市長のセーヌ川での水泳デモンストレーション ギリギリ7月15日の週へ

  


 パリオリンピックのトライアスロン等の水泳競技を行う予定のセーヌ川の水質問題に警告が発せられ続けてきたことにより、パリ市長は、その安全性をアピールするために、自身がセーヌ川で泳ぐことを宣言していました。

 当初の予定では、6月23日と日にちを決めていたものの、6月7日の段階で、「5月の大雨」と「非常に強い川の流れ」のために延期されていました。

 ところが、パリ市長のセーヌ川での水泳デモンストレーションは、いつの間にか、選挙のために延期されたことになっており、「いやいや、違うでしょ!」と一人で勝手に思っています。

 たしかに、6月23日という日程が延期になって、次の候補日(パリ市長のセーヌ川での水泳デモンストレーション)が6月30日となっていた場合には、まさに選挙の第一ラウンドの投票日にあたるために、それが原因と言えないでもありませんが、どちらかと言えば、それが決まったのはごくごく最近のことで、後付けの理由な気がしてしまいます。

 とはいえ、選挙の投票日が6月30日と7月7日という日を除き、そのあととなれば、オリンピックまでには、もう1週間という7月15日の週にしかチャンスがないことになります。

 今度こそ、延期は許されないギリギリのタイミングになります。

 そもそものこのパリ市長のセーヌ川での水泳デモンストレーションが延期になったのは、雨つづきで水質が改善されず、川の流れが速すぎるという理由だったわけで、選挙があろうとなかろうと、この天候だけは、如何ともしがたく、この水質や水流を変えることはできません。

 にもかかわらず、パリ市長、パリ市は、議会選挙によって開会式、オリンピック競技は何もが変わることはなく、「プランBはない」と断言。かなり強引にこのセーヌ川でのオリンピックの水泳競技を強行する姿勢を崩していない様子で、どうにもその安全性には、疑問が残ります。

 正直、現在のフランスはオリンピックのことは、二の次で国民の関心事は、選挙一色になっているため、パリ市長のセーヌ川での水泳デモンストレーションの話など、あまり注目されていません。そのため、逆に考えれば、なにがなんでもセーヌ川で競技を行うことを強行突破するには、ハードルが下がっているかもしれません。

 しかし、実際に水泳デモンストレーション、そしてオリンピックが開催される頃には、選挙も終わっており、その結果如何では、また別の騒動が起こっているか?もしくは、オリンピックモードに一気に突入するか、現段階では、まったく予想がつかない状態です。

 問題のセーヌ川の水質は大腸菌と腸球菌という2つの細菌の糞便に基づいてヨーロッパの基準に適合していないという事実で、パリ市長が泳ごうが泳ぐまいが水質は変わらない、変わりようがないということです。

 今のところ、それどころではないというのがフランスの正直なところ。マクロン大統領にしても、このオリンピックの前には、セーヌ川で泳ぐことを宣言していたのですが、彼こそ、まさにそれどころではないのでしょう。

 まったくオリンピックだけでも大変なことなのに、その前に選挙とは・・大変な事態です。また今のところ、セーヌ川を見る限り、そこで泳ぐことになるトライアスロンの選手たちには、同情の念をおさえられません。


パリ市長 セーヌ川水泳デモンストレーション 7月15日


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2024年6月20日木曜日

マクロン大統領の国民議会解散と選挙の危険な賭けの裏にあった別のシナリオ

  


 マクロン大統領の国民議会解散、選挙という衝撃的な発表以来、フランスはパリオリンピックがもう目前に控えているというのに、選挙一色になっています。

 来る日も来る日も選挙関連のニュースばかりで、目が離せない気持ちと、もうちょっと飽きてきた・・と思ってしまう日々が続いています。

 しかも、もう選挙はオリンピック以上に目前に控えているので、どの政党も必死で、それぞれを支持する国民の熱も高まる一方で、この期間の短さがその勢いに拍車をかけている感じです。

 政治家はもちろんのこと、一般市民もテレビの討論番組に登場したり、怒ったり、時には涙したりしながら、かなり強い語調で意見を交換しています。

 そもそもは、欧州議会選挙の結果が極右勢力の圧勝だったという話から起こっていることですが、この状態で選挙を行った場合は、マクロン大統領にとっては、現状よりも悪い結果になる可能性もあるわけで、危険な賭けだと言われてきました。

 しかし、ここへきて、「憲法第16条」という法令の存在がクローズアップされ始め、「選挙の結果、どの政党も絶対多数を獲得しないケースが考えられ、この場合には、大統領に全権を与える憲法第16条を発令する可能性があり、この仮説について、マクロン大統領はすでに側近と話し合いを済ませている」とヨーロッパ1(フランスの総合ラジオ局)が報じています。

 この件については、現在のところエリゼ宮は否定していますが、それはそうでしょう・・と言う感じで、なにも、選挙結果が出る前から混乱を引き起こすようなことをエリゼ宮が公表するはずはありません。

 この憲法第16条というものが発令されたのは、これまで一度きりのことで、しかも60年以上も前の1961年ド・ゴール将軍によるものでした。フランス領アルジェリア放棄政策とみなした当時の政府の方針に反対した将軍らが主導したクーデター未遂事件であり、 この騒動は9か月続き、彼は国家を秩序立てようとしますが、実際の政治的統制なしに、かなり裁量的な方法であらゆる措置を講じた際に用いられたと言われています。

 この憲法第16条は、いわば禁じ手のようなもの、憲法の核ボタンとも言われており、これを発令することは、別の意味で大変なリスクを伴います。

 この憲法発令は、憲法評議会が管理するものではあり、上院議長、首相に相談しなければならないという形式的な条件があるだけで、基本的には大統領の裁量で決めることができると言われてます。

 ただし、条件として、フランスが「領土の健全性、国家の独立、またはフランスの国際公約の履行に疑問を投げかける可能性、また深刻かつ差し迫った反乱の脅威、またはその後の公的機関の通常の機能の中断が考えられる場合」とされており、現状をどのように判断するかは、大統領が判断することになります。

 しかし、すでに年金改革の際に発令された憲法49.3条(議会で採決をとらずに法案を採択する)を発令し、ゴリ押しした際には、大変な暴動が起こり、パリだけでなく、あちこちで怒りの炎が燃え上がり、大混乱に陥りました。

 憲法49.3条は、一応、たてつけは首相の権限においてということだったので、当時のボルヌ首相が矢面に立っていましたが、今度は、大統領が発令するもの・・本当になったら、もう大混乱になることは、間違いありませんが、フランスの未来を大きく左右する話で、誰も躊躇うことはないと思われ、オリンピックどころではなくなる可能性もあります。

 オリンピックの際のテロが異様に警戒されていますが、その前に大暴動が起こる可能性が出てきました。まあ、それもこれも選挙の結果によるのですが・・。


憲法第16条 大統領全権掌握


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2024年6月19日水曜日

食べるためだけに・・

  


 今回、娘がパリに来るにあたって、パリに来ている間に一緒にイタリアに旅行することにしているので、日本にいる従姉妹たちにも声をかけて、「娘がパリに来るときに、イタリアに旅行することにしてるんだけど、よかったら、彼女と一緒にパリに来て、一緒にイタリアに行かな~い?」と従姉妹たちに声をかけていました。

 うちの家系は本当に食べることが好きな家系で、彼女たちの日頃の食べ物へのこだわりや執着を知っているし、食の好みも一緒なので、一緒にイタリアに旅行して一緒に美味しいものを食べる旅行ができたら、どんなに楽しいだろう?と思ったからでした。

 残念ながら、あまりに急なことで、二人とも、都合がつかずに、まったく無理だったのですが、娘が日本を出るときに、素敵な本を持たせてくれました。

 もちろん?他に、色々な食料もおみやげに持たせてくれたのですが、なにせ、この本のタイトルには、痺れました!「食べるためだけにイタリアに行く!」

 なんと私たちにとって、ダイレクトに響くタイトルなのでしょう!

 もちろん、私たちがイタリアが好きなのは、その美しい景色だったり、海だったり、その独特な文化だったりもあるのですが、その大きな目的のひとつ・・というか、大部分は、「食べること」でもあるのです。

「イタリアならば、間違いない!」、「どこに行ってもまずハズレがない!」、もちろん、ホテルの人や地元の人の評判などを聞いたり、Googleのお世話になったりもするのですが、それにしても、これまで幾度となくイタリアに行っていますが、ハズしたことは、ほとんどありません。

 それどころか、毎回毎回、満腹で大満足で、興奮して食事をしながら、次は何を食べようか?と相談しているくらいです。

 そのうえ、イタリアは場所にもよるでしょうが、たいていの場所はパリに比べて物価も安くてお値段もリーズナブルです。

 前もっての下調べもしながら、今は、ブログやYouTubeなどのSNSで情報はかなり集まり、滞在中の食事の回数が足りないくらいです。

 そこへもってきて、この本です。もうすでにこのタイトルだけで、「さすが!よくわかってくれている!」と一人で大変、盛り上がりました。

 そんな従姉妹なので、本当にいつか、一緒にイタリアに行くことができたら、どんなに楽しいだろうか?と思います。

 食事は、美味しいものは、一人で食べても美味しいし、パリなら、私は、一人ででもどこへでも出かけて行って、大感激したり、逆にイマイチだとガッカリしたりしています。

 それも、充分に楽しいのですが、美味しいものを探して、ああでもない、こうでもないと食の好みの合う人たちとワイワイしながら食事することは、何よりも楽しいことで、私など、本当に「食べるためだけにイタリアに行く!」どころか、「食べるためだけに生きている」感じでもあります。

 イタリアに行く度に、思うのですが、これでイタリア語ができたら、もっともっと周囲の人々と話ができて、楽しいだろうに・・と、帰る時には、いつも「イタリア語勉強しよう!」と思うのですが、未だにちっともできていません。

 もう食べ物に前のめりになるその度合いが年齢や体力と反比例していて、自分でも怖いくらいです。

 私はたまに旅行に行くくらいなので、イタリア料理については、詳しくは書けませんが、パリの美味しいものを紹介できたらな・・と思っています。でも、やっぱりパリよりもイタリアの方が断然、テンションが上がるのは、正直なところなのです。


食べるためだけにイタリアに行く 


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2024年6月18日火曜日

娘はけっこうなハードワーカー??

  


 「パリ行きの安いチケット見つけた!」と、かなりフットワーク軽くパリにやってきた娘は、現在、家で仕事をしています。

 6月末までにとりきらなければならないお休みが残っているから・・と聞いていたのですが、それは、今回の彼女のパリ滞在まるまるの日程の分のお休みをとっているわけではなく、最初の一週間は、ほぼほぼリモートワークで通常どおりの仕事をしているようです。

 彼女の仕事は、リモートワークが中心なので、日本にいても会社に行くのは、せいぜい週1~2日くらいなもので、行っても行かなくてもいいけど・・という私にはよくわからないもので、私が日本に行っているときも、彼女は家で仕事をしていたり、たまに会社に行くことがあったりするし、私が日本に行くときには、私の方は、かなりスケジュールがキツキツで彼女の仕事の様子は、あまり気に留めていませんでした。

 今回、彼女が今の仕事についてから、初めてのパリでのリモートワークの様子を見ていて、朝は日本時間にあわせて、朝6時頃に起きて会議などに臨み、その後も、自分自身の仕事をしながら、次の会議はドイツと・・その次はアメリカと・・などと、結局、ものすごく長時間、仕事をしています。

 パリにいても、私は私のスケジュールで動いているのですが、意外にもリモートワークというものは、どこにいてもいい代わりに、どこにいてもいいからこそ、世界のそれぞれの時間にあわせていると、結局、かなりの長時間労働になるわけで、この国際間のリモートワークをしている人々の仕事ってどうなってるの?とちょっとビックリしています。

 リモートワークというと、なんだか、通勤しなくていいので、楽な気もしていたのですが、これがけっこう大変そうです。彼女は、けっこうなサラリーを頂いているようなので、やはり、それなりにすごく仕事しているのだな・・と、あらためて、娘の仕事ぶりに驚いているのんきなママです。

 私も以前は、パリで日本の会社と連絡をとらなければならない仕事をしていたことがあり、しかし、その頃は、リモートなどではなく、日本に電話しなければならないから、午前中の比較的早い時間に電話しないといけない・・などということもあったのですが、それは所詮、電話だけの話で、ずいぶん、世の中変わったな・・としみじみ思ったりもしているのです。

 しかし、そんなことにも全然、めげずにそれを利用してパリに来ているのですから、若いエネルギーってすごいものだと思います。

 そのうえ、これだけハードに働きながら、ほとんど動いていないのに、私があれもこれもとここぞとばかりに色々買い込んでくるものを食べているので、これはヤバい!とひととおりの仕事が終わると夕方には、1時間くらい走りに行くので、もう帰ってきて食事をすると、ふわふわあくびをしだして、もう電池が切れたように寝そうになっています。

 しかし、大いに仕事をし、大いに遊び、健全だな・・と思います。これも、この先、子どもを持ったりしたら、さすがにできないことで、今のうちだからできること・・できるときに、できるだけ人生を謳歌してほしいな・・と思っています。


リモートワーク


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2024年6月17日月曜日

パリ市内での車の運転と駐車

  


 私は、フランスに引っ越してきたばかりの頃は、パリ郊外に住んでいて、娘も小さかったので、たまに運転することもありました。なによりフランス人の夫が車が好きな人で、どこへ行くのも車を使いたがり、娘も2歳になるまでメトロはもちろんのこと、電車というものに乗ったことがありませんでした。

 なので、私としては、ほとんどその自覚がなかったのですが、初めて一人で娘をパリに連れていくときに電車で行こうとしたら、なんと娘が電車を怖がって乗るのをためらうという場面に遭遇し、「そういえば、これまでこの子は電車に乗せたことがなかったかも・・」と自分でもびっくりしたくらいです。

 パリに引っ越してきてからは、もちろん、大幅に通勤も楽になり、メトロやバスでどこへでも行けるので、私自身が運転してどこかへ行くということはなくなりましたが、夫は相変わらず、ほんの少しの距離でも車、娘を学校に送っていくのも車、家から徒歩1分のところにバス停があり、職場までバスで1駅というのに、車で通勤しようと職場のあるビルの駐車場を確保するということをしていたくらいなので、本当に彼にとって車なしの生活は考えられなかったようです。

 私は、夫が亡くなってしまった後は、家の車は処分してしまいました。

 パリ市内を車で移動するということは、行った先々での駐車スペースを探し回らなければならないということで、パーキングメーターで駐車料金を支払えば、路上駐車ができるとはいえ、そのスペースを見つけるのに一苦労。しかも、運転は皆、けっこう荒いです。

 そんな労力を考えるくらいだったら、バスやメトロの方が全然ラク。しかも路上駐車のスペースは限られているうえ、ギリギリのところを、よくこんなところに停められるな・・と思うくらいギチギチに停めており、時には、明らかに前後の車にぶつけてスペースを無理矢理こじ開けたような停め方をしている車もあり(車のバンパーはそのためについていると公言する人もいるくらいです)、車が傷ついたり、へこんだりするリスクがあるうえに、車上荒らしや酷いときには、デモの煽りを食って燃やされる危険だってあるわけで、まったくリスクしかないと思うのです。

 身体が不自由であるとか、高齢者を連れているとか、小さい子どもを何人も連れているという以外は、そこまでしてパリに車ででかける意味が私には、わかりません。

 最初にフランスに来た頃は、フランスの車って汚れている車が多いな・・と思い、今では慣れてしまいましたが、やはり日本に行った時には、日本の車って、どれもピカピカに磨いていてきれいだな・・と思うし、傷がついている車を見かけることはあまりなく、そういえば、父などは、車をちょっとでもこすってしまったりすると、すぐに修理に出したり、その傷が目立たないように、ペンキを自分で塗ってみたりしていたので、車の傷に対しては、とっても気にしていたので、フランス人の少しくらいの傷なら全く意に介さない様子を見たら、仰天するだろうな・・などと思います。

 先日、たまたま通りかかった路上で、よくもこの間隔で駐車できたな・・というより、もう衝突したまま駐車している車があって、久しぶりにさすがにビックリしましたが、明らかにもうこれは衝突しているな・・と思う駐車の仕方は、なぜなんだろう?少しは下がって、ほんのちょっとでも前をあけたらいいのに・・と思ったら、他のフランス人がこのままにしておいた方が前の車が出るときに、さらにぶつけられることがないから・・というので、そのマインドに驚いた次第です。

 いずれにしても、私にとっては、こんなもろもろのリスクを負ってまでパリで運転するのは、ゴメン被りたいわけで、私はNavigo(パリ市内のメトロやバスが使える定期券のようなもの)をフルに活用し、毎日、バスやメトロで移動しているのであります。


パリ市内の路上駐車


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2024年6月16日日曜日

娘の来仏で早々に食べすぎの日々

  


 2~3週間前頃に、私は体調を崩していて、どうにも具合が悪い日が続き、しかもお天気もあまり良くない日が続いて、あまり外出もできずに鬱々としてきて、なんか、つまんな~い!誰かとおしゃべりしたい!と友人に電話をかけたりしていました。

 普段は、日本とは(現在はサマータイムなので7時間)時差があるために、電話できる時間帯というのも限られていて、電話しようかな?とか思っていても、結局、まだ、ちょっと早い?とか思っている間に出かけたりしているうちに、ああ~もう日本は遅い時間だ・・電話は無理・・とかなるので、なかなか、日本に電話をすることはありません。

 そんなわけなので、日本にいる娘とも、そんなに頻繁に電話で話すことはないのですが、今回は、なんとか、ちょうどいい時間に電話ができて、「久しぶり!元気にしてるの?」などと話しはじめ、「今度はどこに行くの?」などと話を始めたら、娘の方が、実は、「パリ行の安いチケットを見つけたからパリに行こうかどうか迷っている・・」というので、「へっ?」となりました。

 ふつうパリ⇔日本のチケットは夏の期間は高くて、今年はオリンピックがあったりもするので、夏は無理そうだから9月くらいに行こうかな?と言っていたのに、なんと6月に700~800ユーロくらいのチケット見つけちゃって・・しかも6月中に使いきらなきゃならないお休みが残っているし・・」と言い出すので、6月にそんなに安いチケットあるなら、来れば?・・と言ったら、じゃあ、ちょっと待って!今、チケットとるから・・とその場でチケットをおさえて、急遽、パリに来ることになったのです。

 だいたい、四六時中、旅行をしている娘がなんでまだ有給が残っているのか?というのは、今の時代のリモートワークのなせる業で、私の若い頃には考えられなかったこと。まったく、羨ましい限り・・いい時代になったものです。

 彼女は、旅先でも、時差を乗り越えて、ちょこちょこ仕事をしながら旅行もし、有給をセーブしながらいた結果、あんなにしょっちゅう旅行してるのに、まだお休みがあるの!という感じになっています。

 私としては、私自身も諸事情があって、昨年は11月、そして、今年の3月に日本に行っているので、娘にはわりと最近、会ったばかりなので、もう少し先でもよかったくらいなのですが、まあ、また9月に来れれば来たらいいじゃん!と本当に軽く適当な感じで、電話で決めてから、彼女は、あっという間にやってきました。

 こうフットワークが軽い感じだと日本がなんだかすぐ近くな気がしてきます。

 季節的には、本来ならば、6月のパリは日も長く、最高の気候の時期です。(実際には、今年はなんだかいつまでも寒くて雨も多くてすっきりしないのですが・・)

 娘がパリにやってくると決まって、それじゃお誕生日のお祝いをしよう!とケーキを探し回ったり、慌てて彼女の部屋を片付けたりしているうちに、あっという間に、彼女はパリにやってきました。

 どうやら、今回もなんだかんだいっても、仕事をしながら、お休みも何日か使ってパリに滞在し、途中、どっかに一緒に旅行でもしよう!ということになっていて、早くも美味しいものを食べに行ったり、また、美味しい食材を買ってきては、二人でああでもないこうでもないと食べ比べをしたり、楽しい時間を過ごしていますが、2日目にして、もうかなり食べすぎで、お腹が苦しい・・を連発・・。まったくイカれているDNAです!

 彼女の方は、体重増加を少しでも抑えなければ・・と夕方、走り込みに行ったりして(また、さらに食べるために)、時差ボケの中、頑張っています。

 おもしろいのは、猫のポニョが娘の帰国がなんだかとっても嬉しいみたいで、もうふだん、ツンデレで寝てばかりいるくせに、どこかウキウキして、満足気な様子なことです。

 彼女が小さい頃から姉妹のように育ってきたので、本当に自分の妹が帰ってきたような気分でいる感じです。

 私としては、娘の帰国もうれしいのですが、娘にあれ買ってきて、これも・・などと頼んで持ってきてもらった日本の食料品がたくさん家に届いたことにも、すごくウキウキで、自分が行かずして、これだけの日本食が手に入るなんて、こんなにうれしいことはありません。

 じゃあ、自分で日本にもっと行けばいいという話なのですが、やはり長距離フライトと時差が辛くて、なかなかそうそう重い腰はあがりません。

 これからしばらくは、娘の日本時間にあわせての仕事などに振り回されることになりますが、ふだん、私が一人だと、なかなか色々なものを食べてみることができきれずにいるものに娘をつきあわせることになります。

 どちらにしても、独立した娘がたまにパリに帰ってきて、その仕事ぶりや生活などの話を聞きながら、一緒に過ごす時間はなんとなく、せわしいながらもかけがえのない楽しい時間です。


娘の来仏


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2024年6月15日土曜日

フランス人の在外選挙と日本人の在外選挙の違いにビックリ!

   


 日本にいるフランス人と話していて、フランスの選挙の話になり、フランス人の在外選挙について、初めて知って、海外にいる日本人の在外選挙とはえらい違いだと思って驚きました。

 私は、数年前にフランス(パリの日本大使館)で在外選挙登録申請をして「在外選挙人証」というものをようやく手にしたのは申請から約3ヶ月くらいたってのことで、それ以来は、在外選挙がようやく可能になりました。

 海外にいるフランス人には、在外選挙登録という特別なものはなく、例えば日本にいるなら日本にいるという在留届を日本にあるフランス大使館に登録すれば、自動的に投票ができるようになるそうで、選挙のタイミングがやってくると、フランスにいる場合と同じような候補者のチラシのようなものと投票用紙が送られてきて、在留地のフランス大使館で投票できるのだそうです。

 もともと政治に積極的に参加するフランス人のこと、在外とはいえ、当日はフランス大使館は投票に訪れる人でけっこうな行列ができるほどだそうで、フランスに住んでいなくても、フランス人の投票率は、日本人よりもずっと高いのだなぁと感心しました。

 考えてみれば、海外に住んでいようと、自国に住んでいようと、国民が選挙に投票に行く権利があることには、代わりなく、在留先が確認されていれば、国民として投票できるのは、当然のことで、なんで?日本の場合は、在外選挙人証なるものが別にあって、その申請にこんなに時間がかかるのか?と思います。

 ただし、日本の選挙はフランスのように国民投票という例は稀であるため、自治体に依存する場合が多いことが起因しているとは思うのですが、どうにも、この違いに、なんかモヤモヤします。

 今回のフランスの欧州選挙や、その結果、急遽、決まった6月末と7月初めに行われる選挙に関しては、急に決まったことでもあり、また、かねてから、検討されていたことだとは思うのですが、在外(フランス以外の国に住んでいるフランス人)の人々に限っては、ネット投票が可能になるということで、この選挙制度の進歩の差がますます日本とはかけ離れることに、羨望を感じずにはいられません。

 フランス本土全体でのネット投票に至るには、そのセキュリティ管理などで、まだハードルが高いようですが、在外の人に限ってというある程度、限られた範囲でネット投票に踏み切るということは、とりあえずのテストケースとしても意味のあることだと思います。

 長く海外で生活している間に、いつの間に日本はこんなに時代に遅れてしまったのか?と思うことが増えていますが、今回の在外選挙に関しても、大きく差をつけられた気がしています。

 この話を教えてくれたフランス人は、「候補者リストや投票用紙」が紙で送られてきたということに、呆れていましたが、在留届だけで、選挙に投票できるということだけでも、日本人の私から言わせてもらえば、すごいこと。

 この分で行くと、フランスでは、国内でも、そのうちネット投票が可能になる日が来るのではないか?などと思います。

 それにひきかえ、日本の投票率はフランスだったらスキャンダルなみに低いうえに、ネット投票など夢のまた夢。日本もネット投票になれば、ずいぶんと投票率もあがるだろうし、結果もずいぶんと違ってくるだろうにな・・などと思うのです。


在外選挙登録 在外選挙


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2024年6月14日金曜日

ファストフードの激安メニュー競争

  


 少し前のExpensyaプラットフォームが実施した調査によると、仕事をしているフランス人がもっとも好むレストランの第一位はマクドナルドが堂々1位の座を勝ち取り、マクドナルドって、そんなに人気だったんだ~と驚いたばかりです。

 たしかに、このようなアンケートとなれば、絶対的に店舗数の多いマクドナルドのようなチェーン店にとっては、有利な結果に繋がりやすいとは思いますが、逆に考えれば、チェーン店とはいえ、それだけ店舗数が増えているということは、また、人気のある所以でもあります。

 個人的には、マクドナルドなどのファストフード店は、ごくごく、たま~に、なぜか無性に食べたくなることもあるのですが、日常的には、あまり行かないので、あまりよく知らなかったのですが、以前に比べると、格段に種類も増え、また、その時々に流行りのものを取り入れたり、「エミリーパリに行く」が大ヒットした時など、「エミリーメニュー」なるものが登場したりと、色々と手を変え品を変え、工夫している様子は広告などで見ていました。

 先日、たまたま、レピュブリック広場の近くに行く機会があり、マクドナルド、KFC(ケンタッキー)、バーガーキングの大きな店舗が並んでいて、こんな大通りに横並びにファストフード店が並んでいるのか・・とビックリして何気に前を通ると、そのどの店舗も5ユーロ前後の格安メニューの看板が大々的に掲げられていて、「そんなに安いの?」とびっくりした次第です。

 少し前までは、ファストフードといっても、決して安くはないというイメージだったのに、こんな激安メニューができていることに驚いたのです。

 外食が決して安くはないパリで、5ユーロで食事ができるレストランなど、まず、あり得ない話です。ふつうのブーランジェリーなどでもサンドイッチだけでも5ユーロ以下というのは、恐らく難しいと思うし、カフェやブラッスリーなどなら、ランチメニューでもだいたい20ユーロ前後です。

 もちろん、ファストフードとはクォリティーが違うといえば、それまでなのですが、ランチなどを選ぶとき、その価格帯は大きな位置を占めます。

 それにしても、ビッグマックとポテトとドリンクで5ユーロとは、すごいです。

 となりに並ぶ KFC(ケンタッキー)には、似たようなメニューで 4.76 ユーロの看板が・・。ただし、これは学生価格ですが、それにしても学生ではなくとも 5.95 ユーロと6ユーロ以下。そのとなりのバーガーキングにも5ユーロメニューがありました。



 バーガーキングは、他のファストフードよりも若干高いイメージがあったのに、この5ユーロメニューには、ハンバーガー、ポテト(あるいはオニオンリング)、ドリンクの他、コーヒーあるいは、デザートまたはオニオンリングがつけられます。

 あまりに他の外食の価格と違い過ぎて、もうちょっとどうなってるの?という感じです。

 パリであまりに外食が高くてビビったら、1食くらいファストフードに頼るという手もあるかもしれません。


マクドナルド KFC バーガーキング

 

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2024年6月13日木曜日

マクロン大統領 解散・総選挙に関しての記者会見

  


 欧州選挙の極右勢力の圧勝を受けて、マクロン大統領が発表した国民議会解散・選挙は、フランス全土に衝撃を与え、もうあらゆる報道機関が、この話題に終始しているといっても過言ではありません。

 この解散・選挙への決断について、発表直後にマクロン大統領は、エリゼ宮のサイトでその経緯と理由を説明する文書を発表しています。

 この文書の中で、「欧州選挙の結果は、大統領多数派を含む欧州を擁護する政党にとって良い結果ではない」、「近年、経済回復、国境の共通保護、農民支援、ウクライナ支援など、欧州によって可能となった多くの進歩に反対してきた極右政党が前進を続けている」、「統一され、強く、独立したヨーロッパはフランスにとって良いことだと常に考えてきた私にとって、これは容認できない状況であり、国家主義者や扇動者の台頭は、我が国にとってだけでなく、ヨーロッパにとっても、ヨーロッパと世界におけるフランスの地位にとっても危険なことである」「極右はフランス人の貧困化であり、我が国の格下げでもある」とし、この状況を無視することはできないとしています。

 「解散・選挙という決断は重大で重いものですが、何よりも信頼に基づく行為です。親愛なる同胞の皆さん、フランス国民が自分自身と将来の世代のために最も公正な選択をする能力を信じています。私たちの民主主義への信頼。主権者である国民が示してください。これほど共和主義的なものはありません。これは、あらゆる取り決めやあらゆる不安定な解決策よりも優れています。これは正しいことを明確にするための重要な取り組みであり、そのタイミングです。厳しい時代に直面しても、あらゆるデマゴギーに後退したり屈服したりせず、未来を形作るために団結して抵抗する方法を常に知っているフランスへの自信と信頼を私は持っています」

 マクロン大統領は、「近日中に私は国家にとって正しいと信じる方向性を表明するつもりです」と文書で説明していましたが、その表明が今回の記者会見だったわけです。

 選挙を控えての記者会見ということで、大統領でありながら、彼の立場は、その大統領としての職務と混同することは許されず、立場は曖昧なものでもあり、事実、この記者会見が行われたのは、通常、彼が記者会見を行うエリゼ宮(大統領官邸)ではなく、パリのカンボン・カプシーヌ・パビリオンで行われています。

 エリゼ宮での記者会見というだけで、ある種、彼は鎧をまとっているようなところもあり、なんとなく、今回はいつもの威厳のようなものが薄らいで見えるのも不思議なことです。

 この長時間に及ぶ記者会見は、多くのメディア(テレビ・ネット)で生中継され、カフェや職場などでも画面を覗いている人が多いところは、さすがに政治に対して関心の高い国だと思います。

 会見での内容の大半は、すでにエリゼ宮のサイトで説明されているものではありましたが、今後の彼の具体的な政策についてもいくつか語っています。

 まず、「子どもたちと青少年を守る」という観点から、「強化された対応をとるべきである」とし、特に「スクリーン(携帯やタブレット、パソコン等)への依存はあらゆる問題の温床である」とし、「11歳までに電話の使用を禁止すること、そして何よりも15歳までにソーシャルネットワークへのアクセスとその使用を禁止すること」を政府が明確に決定することを約束。

 また、年金はインフレに連動し続けることを強調したうえで、労働時間の延長なくして奇跡のレシピは存在しないと断言した他、原子炉の増設についても語っています。

 この会見において、彼は、この事態を引き起こしたことについて、極右勢力台頭への懸念に対して十分な対応をしなかった自身の責任を認めたうえで、それでもこれは敗北ではないとし、RNとLFIの両方を巡る左右「両極端」の「不自然な」同盟を非難し、「悪魔の同盟」と過激な表現をしています。

 「極左が今日提案しているのは、共同体主義と緩みによる対応である」、そして「極右とその同盟者たちが提案しているのは、共和国、その価値観、その基盤そのものから離れることによる治安不安への対応である」と説明し、自身は、共和党の「価値観」を尊重しながら「あらゆるレベルでの共和党の権威」と「主権軸の強化」を約束しました。

 彼は、この選挙で、フランス人が惑うことなく正しい道を選ぶことを信じていると語り、この選挙は、「ビジネスを繁栄させることを選択する人々と、フランスを繁栄させたいと願う人々の間のリトマス試験紙である」とも語っています。

 このリトマス試験紙、日本の政治家にも使えないかな?とチラと思いました。

 しかし、この記者会見に対して、世間の目はけっこう厳しくもあり、「大統領には党のために選挙運動をする権利があるのか?」などという声も上がっています。

 だいたい、マクロン大統領の強引なやり方には、必要以上に国民を怒らせる場面が多くなっていることも事実で、荒れに荒れた年金改革問題の際に発令された49.3条問題も立て付け上は、首相の権限のもとでというカタチになっていて、当時のボルヌ首相がやり玉に挙げられましたが、事実上は、マクロン大統領の政策。

 今年初めに農民が暴動を起こした際にも、農民たちとの直接対面の会合に自分に有利な陣営を取り込んで丸め込もうとしたことで、さらに彼らを怒らせたりしたこともありました。

 正しいと信じ、国のために突き進んで行動しているのは理解できるのですが、彼のあまりに強権的なやり方自体に反発を感じている人も少なくないような気もしています。

 いずれにしても、当分、フランスは、落ち着かない日々が続きそうです。オリンピックはもうすぐなのに・・。


フランス国民議会解散 総選挙 マクロン大統領記者会見


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2024年6月12日水曜日

財務相 2025年2月電気料金10%~15%値下げを発表

  


 このところ、値上げの話しか聞いていなかったので、「2025年2月電気料金10%~15%値下げ」の発表を聞いて、ちょっと嬉しい驚きでした。

 政府が発表しているのだから、まあフランスの場合、間違いはないとは思うのですが、これを発表したのが、ブルーノ・ル・メール財務相で、まったく個人的なイメージと身びいきからの印象なのですが、この人の話はなんとなく素直に聞いてしまいます。(あくまでも、私個人の印象です)

 ほんの数日前の欧州選挙の結果のためにマクロン大統領が下した国民議会解散、総選挙という大事件?に現在、フランスは大騒ぎ。もうほぼ他の全てのニュースを吹っ飛ばして、この話ばかりしています。

 昨日は、ベルサイユ宮殿で火事があったというのに、すぐに鎮火されたこともありますが、そんな話は、全くスルーです。

 ブルーノ・ル・メール財務相は、この電気料金の値下げについて、「この値下げが可能になるのは、私たちが原子力発電の再稼働に投資してきたためであり、湾岸諸国とロシアの手に手足を縛られずに、フランスがエネルギーの自立を信じてきたためです」と説明しています。

 しかし、これは、間近に迫っている選挙対策のためであることは明白で、そもそも、2023 年 2月 には電気料金は15%上昇し、その半年後には 10%上昇しています。そして、その値上げの際には、他の欧州諸国に比べて、フランスの電気料金上昇がこれだけ抑えられているのは、実際の価格との差額を国が負担しているからだと説明し、徐々にこの国の負担は削っていく計画であると説明していました。

 要するに事情次第で、どうにでも調整がつけられるということです。その時々で、政府の都合のよい理由をつけて財政をコントロールしているということです。

 たしかに、フランスが様々な理由で停止されている原子力発電を再稼働させようと動いているのは、事実であるとは思いますが、まさか、このタイミングでその準備が整ったというのは、出来すぎな話です。

 一方、この欧州選挙の結果にまつわる一連の解散・総選挙の騒動が起こる直前に政府は、7月からのガソリン価格の12%値上げを発表してしまっています。今から考えれば、これは実に最悪のタイミングでした。

 さしずめ、2025年2月電気料金値下げは、とりあえずは、これを相殺する一手でしかありません。


2025年2月電気料金10%~15%値下げ


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