2024年6月25日火曜日

イタリア プチバカンス2日目ソレントからポジターノ バカンス味わわずにいるなかれ・・

  


 初日は、まさに罰ゲーム?のような一日で、最後の締めくくりは、頼みの綱のホテルのFreeWifiが途切れて、ブチギレそうになりながら、それでも一応の要件は片付けましたが、怒りが心頭に達して、眠れないかと思いきや、やはり疲れていたのか、案外すんなり眠れました。

 ベッドだけは良いベッドですこぶる寝心地のよいベッドでした。しかし、翌朝は早々にホテルのおじさんが請求書を持って集金にくるために朝、比較的早くに起き、早くにチェックアウトしてしまいました。

 昨夜の段階で、私たちはソレントに着いていたのですが、朝食がてらに港(マリーナグランデ)に歩いて行ったのですが、こちらは、まだ、時間が早く、何も食べられるようなところはなく、少し上がって行ったところに地元民が買い物に集うような地域があったので、そこで、イタリアならではの、マリトッツォとアーモンドとピスタチオの甘い朝食とエスプレッソをいただきました。


 このあたりから、私たちもすっかり機嫌をとりなおし、いつものバカンスの調子に戻りはじめ、小さな地元民御用達のような八百屋さん中心の食料品店でおやつがわりにプチトマトと水を買い、車をスタートさせました。

 本日の予定は、ソレントからポジターノからプライアーノまででした。ソレント、ポジターノは、まだバカンスシーズン本番に入っているわけでもないので、すごい人で、正直、私は、こんなに人気の場所だとは思っていませんでした。

 色々な言語・・といってもイタリア語、英語を話す人が多いのですが、バカンスといえば、やはりフランス人、どこに行ってもフランス人は必ず一定数、というより結構いる印象です。

 意外に多くて驚いたのが韓国人で、日本人などほぼ見かけませんでした。

 その日のメインはポジターノのビーチだったのですが、これまた大変で、パーキングというものがあまりないうえに結構、高額で、その他大勢は、路駐です。この路駐のスペースを見つけるのでさえ、奇跡的な状態のうえ、フランス人とどっこいどっこいの路駐のレベル・・要は、ギリギリのスペースで駐車しています。




 また、この山道の海岸線は、この路駐の車とバイク、山道という三重苦が重なる大変なドライブでしたが、かなりの上の路上にどうにかギリギリのスペースを見つけて車を停め、そこから、細々と入り組んだ階段を足をガクガクさせながらおりていきます。

 しかし、ちょっと先を見渡せば、青く光る海に何隻もの白い船が行き来しており、道なりには、美しい花が咲き乱れ、まさしく絶景以外のなにものでもありません。

 なんとかビーチまでおりると、もうそこは夏そのもので、多くの人がビーチで寝転んだり、海に入って泳いだり、多くの人々で賑わっています。ちょっと前までいつまでもお天気が悪く寒かったパリが嘘みたいです。

 この美しい空間とゆったりと流れる時間とに浸りながら、やっぱり人生はこうして楽しまなくちゃいけないな・・よく仕事が楽しいとか言う人もいるし、やりがいのある仕事を楽しいと思うことは、事実だけど、それは、やっぱり違うかな? 仕事の楽しさもあって、そして、バカンスを楽しむこともできなきゃいけない・・忙しがって仕事ばかりしているのは、ある種の逃げでもあり、やっぱり人生もったいないよな・・と、弟のことを考えながら思ったりもしました。



 ランチは、下調べしてあったレストランに行き、新鮮な魚介類のフリットやパスタを食べ、大満足、朝、覗いた魚屋さんで新鮮ないわしやイカを見たので、ぜひ、この二つを食べようと思ったのです。魚介のフリットに濃厚なトマトソースがついてきたのにはびっくりしましたが、これが相性よくてビックリ! しかし、私はレモンだけの方が好きです。



 さんさんとふりそそぐ太陽の下でしばらく寝っころがったりしながら娘ととりとめのないおしゃべりをして過ごし、その後は、おりてきた階段を永遠と思われるくらい休み休みのぼって車に戻りました。私自身、こんなに歩いた・・というか山道の階段を登ったのは、生まれて初めてかもしれません。

 しかし、今夜も美味しく夕食が食べられるようにと自分に思いきかせながら頑張りました。

 ホテルは、ポジターノから車で30分ほどのプライアーノという場所にとっていたので、次はそこに滞在します。車をホテルにつけると今度のホテルは昨日とは天と地ほどの差がある感じで、至極、感じのよい人ばかり。

 おまけに案内されたお部屋の眺望は美しい限りで二人とも大感激。今夜は安らかに眠れそうです。


ソレント ポジターノ


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2024年6月24日月曜日

さっそく立て続けにトラブル続出のイタリアプチバカンス

  


 娘が日本からパリに行こうかな?と電話で言い出した時、「来れるなら、おいでよ!パリに来るなら、その間、ちょっとでもいいからイタリアに行こうよ!」と、あっさり決めたイタリア行きは、今回は数日間、ちょっとだけ南イタリアをドライブすることにしました。

 パリに来てから、かなりビッチリ仕事続きだった娘はようやく時差ボケから回復しつつある段階の、お疲れモードです。

 パリからイタリアへの便は、オルリー空港から出る便が多く、今回もオルリーからのフライトでした。

 パリからイタリアへの便は、同じヨーロッパ間ということもあって、ほぼ国内線のような感じの扱いで、セルフチェックインをして、入口を通過する際もチケットの確認のみで、パスポートのチェックもなく、パスポートチェックは飛行機に乗る際のゲートでチラッと見せただけです。

 荷物検査を通るとき、係員の人がフランス語を話しますか? 英語を話しますか?と、フランス語で尋ねるところは、「フランス語のわからない人には、わからないではないか?」とふと思ったのですが、お客さんのリアクションを見て、フランス語にするか英語するかを判断しているようで、それはそれでなんとかなっているところは、面白いです。

 今回は予約を全て娘に頼んでおいたら、私のお財布に気を遣ってくれたのか?トランザビアという格安航空会社の便で、前回、急遽、イタリアからの帰りに取り直した便で1回乗ったことがありました。

 ところが、飛行機はオンタイムとなっていたにもかかわらず、結局、なんだかんだで1時間遅れ、(2時間のフライト予定で1時間遅れは、大きい)、仕方ありません。飛行機は1時間遅れでナポリに到着し、まあ1時間遅れで出たのだから、1時間遅れで到着するのは、ふつうです・・が、到着後、飛行機が空港と通路で繋がっていないため、滑走路付近からバスで空港に向かうのですが、そのバスが来ず、30分待ち。30分ほど経ったところで機長のアナウンスで、「ただいま、バスの運転手を待っておりますので、もう少し・・もう少しだけお待ちください・・」と。やっぱりイタリアだ・・。と思ったところで、ようやく運転手が来て、バスが来たと思ったら、1台では乗り切れずにさらに待つこと合計50分ほど。

 結局、2時間近く遅れて、そこからレンタカー会社までテクテクと二人で歩いていくと、今度は、レンタカー会社が何やら、大賑わい・・というより、大変な喧騒状態で、大人数の家族連れがなんだか文句をつけていて、車を替えてもらう交渉中、ようやく、別の車に落ち着くかと思いきや、今度は、体格のいいおばちゃんのお客さんが値切りはじめ、もう収集がつかない感じ。

 これまでにすでに大幅に飛行機が遅れているし、バスまでこなくて、イライラし、そのうえ、レンタカー屋でさらに延々と待たされて、とにかく、レンタカー屋さんも要領悪く、仕事が円滑に回るようになっていないために、「この人たちには、時間という概念が欠けている・・生産性悪すぎる・・」、娘と顔を合わせて、思わず、「これだから、フランス人がイタリアを下に見るわけだね・・」などといいながら、あまりイライラしても仕方ないし、もういい加減、疲れてきてしまって、呆然としていました。

 予約していたホテルには、チェックインの時間が決まっていて、夜20時をすぎるとサーチャージがかかるとかで、もうこれでサーチャージ確定です。

 それでもようやく車が借りれて、久しぶりのイタリアでの運転をドキドキしながら、始めると、まあ、なんと二人乗りのバイクが多くて、怖い怖い・・高速道路でもバイクがいっぱいです。そのバイクがけっこう無謀な運転で反対車線をセンターラインを超えて、車を追い越して通っていくのが恐ろしいです。

 でも、予定を大幅に遅れて、ホテルに着くと、受付というものがホテルと同じ場所にはなく、翌朝、鍵は、部屋に置いて行ってください。すでに予約時にネットで支払いは済ませているので、サーチャージ分と地方税?だかなんだかいうのを別に現金で支払えというので、なら、領収書を出してくださいと頼んだら、領収書は出せませんとゴネはじめ、翌日になって、そんなものはもらっていないと言われても困るので、こちらもつっぱねて折れずにいると気まずい感じ・・というか、こちらもどんどん疑心暗鬼になり、お金を受け取りながら、領収書は出せないってどういうこと?と完全にムッとしていると、相手も「自分だって、あなたたちが遅くなるのをずっと待っていた・・」などと言いはじめ、完全に「留守番を頼まれたおじさんのぼやき」しかし、それは、オーナーとあなたの話で、私たちには関係のない話です。

 結局、じゃあオーナーのところまで、一緒に行くなら・・、とオーナーの人が領収書は出してくれましたが、地方税の方は、明日にならないと領収書が出せないと言い張り、翌日、出発前に再び、そのおじさんがやってくることになりました。

 なんだかんだで、ようやく自由の身になったのは、夜遅くのことで、二人ともお腹がペコペコでしたが、もうあまりレストランを探し歩く元気もなかったので、とりあえず、なんとなく、ここでいいっか?という感じのレストランで食事をして、帰りにジェラートを食べて帰りました。

 部屋に帰ると、なんだか隣のホテルで大音量でのパーティーをやっていて、ええ??っとウンザリ・・。本当にさんざんな一日でしたが、明日からは気持ちを切り替えて、楽しく美味しく過ごそうと思います。ヤレヤレ・・。


イタリア トラブル


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2024年6月23日日曜日

食品廃棄物を救うスーパーマーケット お財布にも優しい Nous Anti Gaspi ヌ・アンチガスピ

  


 フランスで本格的に食品廃棄物への取り組みが開始されてから、もう4年以上が経ちますが、一般のカーフールなどのスーパーマーケットなどでも、賞味期限が迫った商品などには、「アンチガスピヤージュ(無駄廃止)」のオレンジや黄色いラベルが貼られて、価格を下げて売り切ろうとする試みが始まったり、Too Good Too Goなど、その日、売れ残った商品を格安で販売したりするアプリなどが出現したりしています。

 しかし、スーパーマーケットに関しては、私見ではありますが、当初に比べるとこのラベルが貼られている商品は減ったような気もするし、この食品廃棄物問題は、少しずつは改善されてはいるかもしれませんが、依然として大きな課題が残されているような気がします。

 先日、たまたま、SNSの広告で、この食品廃棄物を救おうという試みの「Nous Anti Gaspi」(ヌ・アンチガスピ)というお店がパリに何軒もきていることを知り、さっそく行ってみました。


 このお店は食品廃棄物として撥ねられる食品に目を向け、カタチの悪いふぞろいの野菜や小さい卵、パッケージがわずかに破損している商品などを地元の農家、卸売業者から買い取り、適正価格で販売しています。現在パリには、10店舗以上、全国展開もしています。

(Nous Anti Gaspi)



 「へっ??エシレバターなんかもあるんだ??たしかに安いけど、なんで?」と思って、よく見てみれば、なんとなく、通常のエシレバターと少々カタチが違う・・でも中身はエシレバターだから、全然、OKです。



 様々な取り組みにもかかわらず、フランスで廃棄処分になっている食料品は年間1,000万トン以上にも達するということで、これを少しでも改善しようと、このチェーンの各店舗は、月に10万食、一週間で12トン以上の食料品を販売しているとのことです。

 私のような消費者の立場からすれば、、カタチの悪い野菜などは、全然問題なく、しかも安く手に入るとなれば、このようなお店は願ったり叶ったり。

 行ってみると、野菜や果物をはじめとして、お菓子類、パスタ、肉類、乳製品(特に乳製品が充実している感じ)など、それなりに、ひととおりのものは揃いそうです。しかも、お手頃価格で・・。

 野菜が少しくらい曲がっていようと、小さかろうと、これが廃棄処分になりかねない食品だったのかと思うと、これを救済してくれるお店はありがたい限りです。思わぬ掘り出し物も見つかるかもしれないというなんか宝探しみたいな楽しみもあります。

 私は、この日は、少し育ちすぎ?な感じの大きな赤かぶの束二束(1,5ユーロ)と少し細めのアスパラガス(1,5ユーロ)とマドレーヌとクスクスを買いました。ところが、途中で店員さんと会員登録の話を始めたりして、お金を支払ったにもかかわらず、野菜だけ持って、マドレーヌとクスクスは忘れてきてしまいました。

 後で気が付いて、お店に取りに戻ったら、ちゃんとお店の人がとっておいてくれました。私の顔を見るなり、「ヴォアーラ!(ほ~ら!)」とにっこり。「こっちもあとで気が付いて、追いかけたんだけど、もう見えなかったから、戻ってくるだろうと思ってた・・」と、とっても気の優しいお兄さんでした。

 会員登録(無料)をすれば、ポイントがたまっていき、割引にもなるので、おススメです。

 私は大量の赤かぶでお漬物を作りました。1,5ユーロで大量のお漬物・・お漬物好きの私は、なかなか満足です。ちなみに、このお漬物、塩、ほんのちょっとだけのお砂糖、顆粒の昆布だし、お酢で簡単にできます!赤かぶからは赤い色がでて表面がピンクになり、適度に味が沁みたらOK!一晩、瓶詰にして一晩、冷蔵庫に寝かせて置けばできあがりです。


食品廃棄物取り扱い店 Nous Anti Gaspi 


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2024年6月22日土曜日

ポニョお医者さんに連れていかれて大激怒

 


 我が家には猫がいます。夫が突然亡くなって、半年くらいした頃に、娘と二人きりになり、どうにも、沈みがちだった我が家に夫の元同僚だったフランス人の女性が「近所で猫が生まれたんだけど、もし、子猫が欲しかったら・・?」 と声をかけてくれました。

 以前、実家でも猫を飼っていたことがあったし、アフリカにいた時も自由にでかけられない私を不憫がって、夫が家にいたボーイさんに頼んで猫を探してきてくれました。

 ボーイさんによると、アフリカでは、現地の人は、猫も食べてしまうとかで、あまり街中に猫がいることもなく、いくらかお金を支払うつもりが、生きているニワトリ3羽と交換してほしいということで、マルシェで生きているニワトリ3羽をボーイさんが買って、子猫と取り換えてきてくれました。

 わずか2年ほどのアフリカ滞在でしたが、フランスに来るときは、娘が生まれたばかりであったうえに、家も見つかっていなかったような状態だったので、泣く泣く、猫好きのフランス人の家族にもらってもらいました。

 そして、フランスに引っ越して、しばらくしてから夫という家族の一人が亡くなってしまったことで、再び、家族に猫が加わることになりました。

 子猫が数匹生まれた中から、事前に娘が猫を見に行って、自分の気に入った猫を連れてきました。それ以来、我が家の中にはホッコリと暖かい空気が流れ始め、娘とは姉妹のように育ってきました。名前も当時、流行っていた映画から、娘がポニョと名付けました。

 ポニョは家の中だけで暮らし、外出を極端に嫌うので、滅多に外に出ることもありません。たまに散歩に連れ出しても、強烈に嫌がるので、もう諦めました。一度、友人の別荘のあるニースに連れて行ったことがあったのですが、ポニョにとっては地獄のような数日だったと思います。

 とにかく気性が激しい猫で、嫌いな人には、遠慮なく「シャー!」と、うなって怒るので、扱いにくいのですが、ツンデレでありながらも家族にはとてもやさしく、少し落ち込んでいたりする時は、黙って心配そうに寄り添ってくれていたりもします。

 特に娘に対しては、自分の妹のように思っているようで、娘が独立してからも、娘が家に来たときは、心底、穏やかな顔になり、とてもうれしそうにしています。

 そんな娘が、久しぶりにポニョに会って、「なんか、ポニョ痩せたんじゃない?どこか悪いのかも?」と医者の予約を入れました。私は、毎日、会っているので、特に変化は感じなかったのですが、娘が「絶対おかしいよ!」などと言い、医者に連れて行ってくれました。

 しかし、ポニョは外出が嫌いなうえに、医者はもっともっと嫌いで、一度、家に来て間もない頃になにか、食べてはいけない(舐めてはいけない)ものを口にしたらしく、みるみる立ちあがれなくなり、動かなくなってしまったので、慌てて夜中に二人でお医者さんに連れて行って、この病院では何もできないからとヴァンセンヌにある24時間対応の動物病院に連れて行ったことがありました。

 もうその時には、ポニョは怒るもなにも、そんな元気すらなくて、グッタリしていたのでおとなしかったのですが、点滴をしてとりあえずは入院ろいうことになり、数日間は様子を見ましょうということになりました。娘は、泣きながら、「パパがいなくなった時より悲しい・・」とまで言い出し、二人で眠れない夜を過ごしました。

 翌日、面会ができるという時間に病院を訪れたら、点滴のおかげでポニョはすっかり元気になっていたのには、ホッとしましたが、もう怒り爆発で、獣医さんも手が付けられないと言わんばかりに、「もう大丈夫そうだし、連れて帰ってください!とにかく、すごく怒ってますから・・」と半ば追い出されたような感じでした。

 その後、避妊手術のために半日、入院?したことがありましたが、その時も同じような感じで、ポニョはとにかく病院が大嫌いなのです。

 今回は、娘が一人で連れていくというので、私はポニョが怒り狂うのを見たくないので、娘に任せてしまいました。案の定、ポニョの怒りは相当なもので、たしかに痩せているので、血液検査をしたところ、異常なし。「これだけ暴れられるなら、元気なんでしょう・・」ということで、帰ってきました。

 ポニョは今年15歳。人間で言えば、70代後半だそうで、高齢ではあるのです。

 スリムだとはいえ、食い意地は我が家の家系を引き継いでいるのか、相当なものです。キャットフードは、常に補充してあるのですが、それは彼女にとっては非常食のようなもので、私たちが食べるものを常に狙っています。

 塩分があるものはいけないので、ポニョのために味をつけずに肉を焼いて、細かく切ったものをあげたりもしているのですが、電子レンジやオーブンをつけると、それこそ真剣なまなざしで見守り、お鍋を火にかけていたりすると、それをしっかりしまっておかないと、お鍋をあけて、食べようと常に食べ物を狙っています。

 そんな感じなので、食欲は旺盛なのに、キャットフードを満足に食べないので、いつの間にか痩せてしまうような気がします。

 私自身、加齢とともに体調管理のためにタンパク質が足りないだろうとか野菜を多めにとか、最近は、とても食べるものに気を使っているのですが、これからは、ポニョの食事ももう少しカロリーがとれるものを考えなければならないようです。

 しかし、これだけガッツいているのに、勝手にキャットフードでおなかを満たしたくないポニョには参ります。

 昔、娘が小学生の頃、コロニー(合宿)などに行って、嫌いなものしか出てこないと、水だけ飲んで頑として嫌いなものを食べない(フランス料理全般が嫌い)娘がゲッソリ痩せてコロニーから帰ってきたのを思い出します。

 ふつう、お腹がすけば、あまり好きではなくても、一応、食べると思うのですが、娘はそうではなかったのです。考えてみれば、ポニョはそんな娘に少し似ています。

 病院から戻っても、ポニョの怒りは収まらず、いつもは喜んで食べるごはんをあげても、「シャー!」と声をあげて唸っています。

 とりあえず、血液検査までして、「健康」だと太鼓判をおされたので、そんなに心配はしていませんが、この性格が災いしていることは間違いありません。


猫 動物病院


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2024年6月21日金曜日

パリ市長のセーヌ川での水泳デモンストレーション ギリギリ7月15日の週へ

  


 パリオリンピックのトライアスロン等の水泳競技を行う予定のセーヌ川の水質問題に警告が発せられ続けてきたことにより、パリ市長は、その安全性をアピールするために、自身がセーヌ川で泳ぐことを宣言していました。

 当初の予定では、6月23日と日にちを決めていたものの、6月7日の段階で、「5月の大雨」と「非常に強い川の流れ」のために延期されていました。

 ところが、パリ市長のセーヌ川での水泳デモンストレーションは、いつの間にか、選挙のために延期されたことになっており、「いやいや、違うでしょ!」と一人で勝手に思っています。

 たしかに、6月23日という日程が延期になって、次の候補日(パリ市長のセーヌ川での水泳デモンストレーション)が6月30日となっていた場合には、まさに選挙の第一ラウンドの投票日にあたるために、それが原因と言えないでもありませんが、どちらかと言えば、それが決まったのはごくごく最近のことで、後付けの理由な気がしてしまいます。

 とはいえ、選挙の投票日が6月30日と7月7日という日を除き、そのあととなれば、オリンピックまでには、もう1週間という7月15日の週にしかチャンスがないことになります。

 今度こそ、延期は許されないギリギリのタイミングになります。

 そもそものこのパリ市長のセーヌ川での水泳デモンストレーションが延期になったのは、雨つづきで水質が改善されず、川の流れが速すぎるという理由だったわけで、選挙があろうとなかろうと、この天候だけは、如何ともしがたく、この水質や水流を変えることはできません。

 にもかかわらず、パリ市長、パリ市は、議会選挙によって開会式、オリンピック競技は何もが変わることはなく、「プランBはない」と断言。かなり強引にこのセーヌ川でのオリンピックの水泳競技を強行する姿勢を崩していない様子で、どうにもその安全性には、疑問が残ります。

 正直、現在のフランスはオリンピックのことは、二の次で国民の関心事は、選挙一色になっているため、パリ市長のセーヌ川での水泳デモンストレーションの話など、あまり注目されていません。そのため、逆に考えれば、なにがなんでもセーヌ川で競技を行うことを強行突破するには、ハードルが下がっているかもしれません。

 しかし、実際に水泳デモンストレーション、そしてオリンピックが開催される頃には、選挙も終わっており、その結果如何では、また別の騒動が起こっているか?もしくは、オリンピックモードに一気に突入するか、現段階では、まったく予想がつかない状態です。

 問題のセーヌ川の水質は大腸菌と腸球菌という2つの細菌の糞便に基づいてヨーロッパの基準に適合していないという事実で、パリ市長が泳ごうが泳ぐまいが水質は変わらない、変わりようがないということです。

 今のところ、それどころではないというのがフランスの正直なところ。マクロン大統領にしても、このオリンピックの前には、セーヌ川で泳ぐことを宣言していたのですが、彼こそ、まさにそれどころではないのでしょう。

 まったくオリンピックだけでも大変なことなのに、その前に選挙とは・・大変な事態です。また今のところ、セーヌ川を見る限り、そこで泳ぐことになるトライアスロンの選手たちには、同情の念をおさえられません。


パリ市長 セーヌ川水泳デモンストレーション 7月15日


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2024年6月20日木曜日

マクロン大統領の国民議会解散と選挙の危険な賭けの裏にあった別のシナリオ

  


 マクロン大統領の国民議会解散、選挙という衝撃的な発表以来、フランスはパリオリンピックがもう目前に控えているというのに、選挙一色になっています。

 来る日も来る日も選挙関連のニュースばかりで、目が離せない気持ちと、もうちょっと飽きてきた・・と思ってしまう日々が続いています。

 しかも、もう選挙はオリンピック以上に目前に控えているので、どの政党も必死で、それぞれを支持する国民の熱も高まる一方で、この期間の短さがその勢いに拍車をかけている感じです。

 政治家はもちろんのこと、一般市民もテレビの討論番組に登場したり、怒ったり、時には涙したりしながら、かなり強い語調で意見を交換しています。

 そもそもは、欧州議会選挙の結果が極右勢力の圧勝だったという話から起こっていることですが、この状態で選挙を行った場合は、マクロン大統領にとっては、現状よりも悪い結果になる可能性もあるわけで、危険な賭けだと言われてきました。

 しかし、ここへきて、「憲法第16条」という法令の存在がクローズアップされ始め、「選挙の結果、どの政党も絶対多数を獲得しないケースが考えられ、この場合には、大統領に全権を与える憲法第16条を発令する可能性があり、この仮説について、マクロン大統領はすでに側近と話し合いを済ませている」とヨーロッパ1(フランスの総合ラジオ局)が報じています。

 この件については、現在のところエリゼ宮は否定していますが、それはそうでしょう・・と言う感じで、なにも、選挙結果が出る前から混乱を引き起こすようなことをエリゼ宮が公表するはずはありません。

 この憲法第16条というものが発令されたのは、これまで一度きりのことで、しかも60年以上も前の1961年ド・ゴール将軍によるものでした。フランス領アルジェリア放棄政策とみなした当時の政府の方針に反対した将軍らが主導したクーデター未遂事件であり、 この騒動は9か月続き、彼は国家を秩序立てようとしますが、実際の政治的統制なしに、かなり裁量的な方法であらゆる措置を講じた際に用いられたと言われています。

 この憲法第16条は、いわば禁じ手のようなもの、憲法の核ボタンとも言われており、これを発令することは、別の意味で大変なリスクを伴います。

 この憲法発令は、憲法評議会が管理するものではあり、上院議長、首相に相談しなければならないという形式的な条件があるだけで、基本的には大統領の裁量で決めることができると言われてます。

 ただし、条件として、フランスが「領土の健全性、国家の独立、またはフランスの国際公約の履行に疑問を投げかける可能性、また深刻かつ差し迫った反乱の脅威、またはその後の公的機関の通常の機能の中断が考えられる場合」とされており、現状をどのように判断するかは、大統領が判断することになります。

 しかし、すでに年金改革の際に発令された憲法49.3条(議会で採決をとらずに法案を採択する)を発令し、ゴリ押しした際には、大変な暴動が起こり、パリだけでなく、あちこちで怒りの炎が燃え上がり、大混乱に陥りました。

 憲法49.3条は、一応、たてつけは首相の権限においてということだったので、当時のボルヌ首相が矢面に立っていましたが、今度は、大統領が発令するもの・・本当になったら、もう大混乱になることは、間違いありませんが、フランスの未来を大きく左右する話で、誰も躊躇うことはないと思われ、オリンピックどころではなくなる可能性もあります。

 オリンピックの際のテロが異様に警戒されていますが、その前に大暴動が起こる可能性が出てきました。まあ、それもこれも選挙の結果によるのですが・・。


憲法第16条 大統領全権掌握


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2024年6月19日水曜日

食べるためだけに・・

  


 今回、娘がパリに来るにあたって、パリに来ている間に一緒にイタリアに旅行することにしているので、日本にいる従姉妹たちにも声をかけて、「娘がパリに来るときに、イタリアに旅行することにしてるんだけど、よかったら、彼女と一緒にパリに来て、一緒にイタリアに行かな~い?」と従姉妹たちに声をかけていました。

 うちの家系は本当に食べることが好きな家系で、彼女たちの日頃の食べ物へのこだわりや執着を知っているし、食の好みも一緒なので、一緒にイタリアに旅行して一緒に美味しいものを食べる旅行ができたら、どんなに楽しいだろう?と思ったからでした。

 残念ながら、あまりに急なことで、二人とも、都合がつかずに、まったく無理だったのですが、娘が日本を出るときに、素敵な本を持たせてくれました。

 もちろん?他に、色々な食料もおみやげに持たせてくれたのですが、なにせ、この本のタイトルには、痺れました!「食べるためだけにイタリアに行く!」

 なんと私たちにとって、ダイレクトに響くタイトルなのでしょう!

 もちろん、私たちがイタリアが好きなのは、その美しい景色だったり、海だったり、その独特な文化だったりもあるのですが、その大きな目的のひとつ・・というか、大部分は、「食べること」でもあるのです。

「イタリアならば、間違いない!」、「どこに行ってもまずハズレがない!」、もちろん、ホテルの人や地元の人の評判などを聞いたり、Googleのお世話になったりもするのですが、それにしても、これまで幾度となくイタリアに行っていますが、ハズしたことは、ほとんどありません。

 それどころか、毎回毎回、満腹で大満足で、興奮して食事をしながら、次は何を食べようか?と相談しているくらいです。

 そのうえ、イタリアは場所にもよるでしょうが、たいていの場所はパリに比べて物価も安くてお値段もリーズナブルです。

 前もっての下調べもしながら、今は、ブログやYouTubeなどのSNSで情報はかなり集まり、滞在中の食事の回数が足りないくらいです。

 そこへもってきて、この本です。もうすでにこのタイトルだけで、「さすが!よくわかってくれている!」と一人で大変、盛り上がりました。

 そんな従姉妹なので、本当にいつか、一緒にイタリアに行くことができたら、どんなに楽しいだろうか?と思います。

 食事は、美味しいものは、一人で食べても美味しいし、パリなら、私は、一人ででもどこへでも出かけて行って、大感激したり、逆にイマイチだとガッカリしたりしています。

 それも、充分に楽しいのですが、美味しいものを探して、ああでもない、こうでもないと食の好みの合う人たちとワイワイしながら食事することは、何よりも楽しいことで、私など、本当に「食べるためだけにイタリアに行く!」どころか、「食べるためだけに生きている」感じでもあります。

 イタリアに行く度に、思うのですが、これでイタリア語ができたら、もっともっと周囲の人々と話ができて、楽しいだろうに・・と、帰る時には、いつも「イタリア語勉強しよう!」と思うのですが、未だにちっともできていません。

 もう食べ物に前のめりになるその度合いが年齢や体力と反比例していて、自分でも怖いくらいです。

 私はたまに旅行に行くくらいなので、イタリア料理については、詳しくは書けませんが、パリの美味しいものを紹介できたらな・・と思っています。でも、やっぱりパリよりもイタリアの方が断然、テンションが上がるのは、正直なところなのです。


食べるためだけにイタリアに行く 


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2024年6月18日火曜日

娘はけっこうなハードワーカー??

  


 「パリ行きの安いチケット見つけた!」と、かなりフットワーク軽くパリにやってきた娘は、現在、家で仕事をしています。

 6月末までにとりきらなければならないお休みが残っているから・・と聞いていたのですが、それは、今回の彼女のパリ滞在まるまるの日程の分のお休みをとっているわけではなく、最初の一週間は、ほぼほぼリモートワークで通常どおりの仕事をしているようです。

 彼女の仕事は、リモートワークが中心なので、日本にいても会社に行くのは、せいぜい週1~2日くらいなもので、行っても行かなくてもいいけど・・という私にはよくわからないもので、私が日本に行っているときも、彼女は家で仕事をしていたり、たまに会社に行くことがあったりするし、私が日本に行くときには、私の方は、かなりスケジュールがキツキツで彼女の仕事の様子は、あまり気に留めていませんでした。

 今回、彼女が今の仕事についてから、初めてのパリでのリモートワークの様子を見ていて、朝は日本時間にあわせて、朝6時頃に起きて会議などに臨み、その後も、自分自身の仕事をしながら、次の会議はドイツと・・その次はアメリカと・・などと、結局、ものすごく長時間、仕事をしています。

 パリにいても、私は私のスケジュールで動いているのですが、意外にもリモートワークというものは、どこにいてもいい代わりに、どこにいてもいいからこそ、世界のそれぞれの時間にあわせていると、結局、かなりの長時間労働になるわけで、この国際間のリモートワークをしている人々の仕事ってどうなってるの?とちょっとビックリしています。

 リモートワークというと、なんだか、通勤しなくていいので、楽な気もしていたのですが、これがけっこう大変そうです。彼女は、けっこうなサラリーを頂いているようなので、やはり、それなりにすごく仕事しているのだな・・と、あらためて、娘の仕事ぶりに驚いているのんきなママです。

 私も以前は、パリで日本の会社と連絡をとらなければならない仕事をしていたことがあり、しかし、その頃は、リモートなどではなく、日本に電話しなければならないから、午前中の比較的早い時間に電話しないといけない・・などということもあったのですが、それは所詮、電話だけの話で、ずいぶん、世の中変わったな・・としみじみ思ったりもしているのです。

 しかし、そんなことにも全然、めげずにそれを利用してパリに来ているのですから、若いエネルギーってすごいものだと思います。

 そのうえ、これだけハードに働きながら、ほとんど動いていないのに、私があれもこれもとここぞとばかりに色々買い込んでくるものを食べているので、これはヤバい!とひととおりの仕事が終わると夕方には、1時間くらい走りに行くので、もう帰ってきて食事をすると、ふわふわあくびをしだして、もう電池が切れたように寝そうになっています。

 しかし、大いに仕事をし、大いに遊び、健全だな・・と思います。これも、この先、子どもを持ったりしたら、さすがにできないことで、今のうちだからできること・・できるときに、できるだけ人生を謳歌してほしいな・・と思っています。


リモートワーク


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2024年6月17日月曜日

パリ市内での車の運転と駐車

  


 私は、フランスに引っ越してきたばかりの頃は、パリ郊外に住んでいて、娘も小さかったので、たまに運転することもありました。なによりフランス人の夫が車が好きな人で、どこへ行くのも車を使いたがり、娘も2歳になるまでメトロはもちろんのこと、電車というものに乗ったことがありませんでした。

 なので、私としては、ほとんどその自覚がなかったのですが、初めて一人で娘をパリに連れていくときに電車で行こうとしたら、なんと娘が電車を怖がって乗るのをためらうという場面に遭遇し、「そういえば、これまでこの子は電車に乗せたことがなかったかも・・」と自分でもびっくりしたくらいです。

 パリに引っ越してきてからは、もちろん、大幅に通勤も楽になり、メトロやバスでどこへでも行けるので、私自身が運転してどこかへ行くということはなくなりましたが、夫は相変わらず、ほんの少しの距離でも車、娘を学校に送っていくのも車、家から徒歩1分のところにバス停があり、職場までバスで1駅というのに、車で通勤しようと職場のあるビルの駐車場を確保するということをしていたくらいなので、本当に彼にとって車なしの生活は考えられなかったようです。

 私は、夫が亡くなってしまった後は、家の車は処分してしまいました。

 パリ市内を車で移動するということは、行った先々での駐車スペースを探し回らなければならないということで、パーキングメーターで駐車料金を支払えば、路上駐車ができるとはいえ、そのスペースを見つけるのに一苦労。しかも、運転は皆、けっこう荒いです。

 そんな労力を考えるくらいだったら、バスやメトロの方が全然ラク。しかも路上駐車のスペースは限られているうえ、ギリギリのところを、よくこんなところに停められるな・・と思うくらいギチギチに停めており、時には、明らかに前後の車にぶつけてスペースを無理矢理こじ開けたような停め方をしている車もあり(車のバンパーはそのためについていると公言する人もいるくらいです)、車が傷ついたり、へこんだりするリスクがあるうえに、車上荒らしや酷いときには、デモの煽りを食って燃やされる危険だってあるわけで、まったくリスクしかないと思うのです。

 身体が不自由であるとか、高齢者を連れているとか、小さい子どもを何人も連れているという以外は、そこまでしてパリに車ででかける意味が私には、わかりません。

 最初にフランスに来た頃は、フランスの車って汚れている車が多いな・・と思い、今では慣れてしまいましたが、やはり日本に行った時には、日本の車って、どれもピカピカに磨いていてきれいだな・・と思うし、傷がついている車を見かけることはあまりなく、そういえば、父などは、車をちょっとでもこすってしまったりすると、すぐに修理に出したり、その傷が目立たないように、ペンキを自分で塗ってみたりしていたので、車の傷に対しては、とっても気にしていたので、フランス人の少しくらいの傷なら全く意に介さない様子を見たら、仰天するだろうな・・などと思います。

 先日、たまたま通りかかった路上で、よくもこの間隔で駐車できたな・・というより、もう衝突したまま駐車している車があって、久しぶりにさすがにビックリしましたが、明らかにもうこれは衝突しているな・・と思う駐車の仕方は、なぜなんだろう?少しは下がって、ほんのちょっとでも前をあけたらいいのに・・と思ったら、他のフランス人がこのままにしておいた方が前の車が出るときに、さらにぶつけられることがないから・・というので、そのマインドに驚いた次第です。

 いずれにしても、私にとっては、こんなもろもろのリスクを負ってまでパリで運転するのは、ゴメン被りたいわけで、私はNavigo(パリ市内のメトロやバスが使える定期券のようなもの)をフルに活用し、毎日、バスやメトロで移動しているのであります。


パリ市内の路上駐車


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2024年6月16日日曜日

娘の来仏で早々に食べすぎの日々

  


 2~3週間前頃に、私は体調を崩していて、どうにも具合が悪い日が続き、しかもお天気もあまり良くない日が続いて、あまり外出もできずに鬱々としてきて、なんか、つまんな~い!誰かとおしゃべりしたい!と友人に電話をかけたりしていました。

 普段は、日本とは(現在はサマータイムなので7時間)時差があるために、電話できる時間帯というのも限られていて、電話しようかな?とか思っていても、結局、まだ、ちょっと早い?とか思っている間に出かけたりしているうちに、ああ~もう日本は遅い時間だ・・電話は無理・・とかなるので、なかなか、日本に電話をすることはありません。

 そんなわけなので、日本にいる娘とも、そんなに頻繁に電話で話すことはないのですが、今回は、なんとか、ちょうどいい時間に電話ができて、「久しぶり!元気にしてるの?」などと話しはじめ、「今度はどこに行くの?」などと話を始めたら、娘の方が、実は、「パリ行の安いチケットを見つけたからパリに行こうかどうか迷っている・・」というので、「へっ?」となりました。

 ふつうパリ⇔日本のチケットは夏の期間は高くて、今年はオリンピックがあったりもするので、夏は無理そうだから9月くらいに行こうかな?と言っていたのに、なんと6月に700~800ユーロくらいのチケット見つけちゃって・・しかも6月中に使いきらなきゃならないお休みが残っているし・・」と言い出すので、6月にそんなに安いチケットあるなら、来れば?・・と言ったら、じゃあ、ちょっと待って!今、チケットとるから・・とその場でチケットをおさえて、急遽、パリに来ることになったのです。

 だいたい、四六時中、旅行をしている娘がなんでまだ有給が残っているのか?というのは、今の時代のリモートワークのなせる業で、私の若い頃には考えられなかったこと。まったく、羨ましい限り・・いい時代になったものです。

 彼女は、旅先でも、時差を乗り越えて、ちょこちょこ仕事をしながら旅行もし、有給をセーブしながらいた結果、あんなにしょっちゅう旅行してるのに、まだお休みがあるの!という感じになっています。

 私としては、私自身も諸事情があって、昨年は11月、そして、今年の3月に日本に行っているので、娘にはわりと最近、会ったばかりなので、もう少し先でもよかったくらいなのですが、まあ、また9月に来れれば来たらいいじゃん!と本当に軽く適当な感じで、電話で決めてから、彼女は、あっという間にやってきました。

 こうフットワークが軽い感じだと日本がなんだかすぐ近くな気がしてきます。

 季節的には、本来ならば、6月のパリは日も長く、最高の気候の時期です。(実際には、今年はなんだかいつまでも寒くて雨も多くてすっきりしないのですが・・)

 娘がパリにやってくると決まって、それじゃお誕生日のお祝いをしよう!とケーキを探し回ったり、慌てて彼女の部屋を片付けたりしているうちに、あっという間に、彼女はパリにやってきました。

 どうやら、今回もなんだかんだいっても、仕事をしながら、お休みも何日か使ってパリに滞在し、途中、どっかに一緒に旅行でもしよう!ということになっていて、早くも美味しいものを食べに行ったり、また、美味しい食材を買ってきては、二人でああでもないこうでもないと食べ比べをしたり、楽しい時間を過ごしていますが、2日目にして、もうかなり食べすぎで、お腹が苦しい・・を連発・・。まったくイカれているDNAです!

 彼女の方は、体重増加を少しでも抑えなければ・・と夕方、走り込みに行ったりして(また、さらに食べるために)、時差ボケの中、頑張っています。

 おもしろいのは、猫のポニョが娘の帰国がなんだかとっても嬉しいみたいで、もうふだん、ツンデレで寝てばかりいるくせに、どこかウキウキして、満足気な様子なことです。

 彼女が小さい頃から姉妹のように育ってきたので、本当に自分の妹が帰ってきたような気分でいる感じです。

 私としては、娘の帰国もうれしいのですが、娘にあれ買ってきて、これも・・などと頼んで持ってきてもらった日本の食料品がたくさん家に届いたことにも、すごくウキウキで、自分が行かずして、これだけの日本食が手に入るなんて、こんなにうれしいことはありません。

 じゃあ、自分で日本にもっと行けばいいという話なのですが、やはり長距離フライトと時差が辛くて、なかなかそうそう重い腰はあがりません。

 これからしばらくは、娘の日本時間にあわせての仕事などに振り回されることになりますが、ふだん、私が一人だと、なかなか色々なものを食べてみることができきれずにいるものに娘をつきあわせることになります。

 どちらにしても、独立した娘がたまにパリに帰ってきて、その仕事ぶりや生活などの話を聞きながら、一緒に過ごす時間はなんとなく、せわしいながらもかけがえのない楽しい時間です。


娘の来仏


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2024年6月15日土曜日

フランス人の在外選挙と日本人の在外選挙の違いにビックリ!

   


 日本にいるフランス人と話していて、フランスの選挙の話になり、フランス人の在外選挙について、初めて知って、海外にいる日本人の在外選挙とはえらい違いだと思って驚きました。

 私は、数年前にフランス(パリの日本大使館)で在外選挙登録申請をして「在外選挙人証」というものをようやく手にしたのは申請から約3ヶ月くらいたってのことで、それ以来は、在外選挙がようやく可能になりました。

 海外にいるフランス人には、在外選挙登録という特別なものはなく、例えば日本にいるなら日本にいるという在留届を日本にあるフランス大使館に登録すれば、自動的に投票ができるようになるそうで、選挙のタイミングがやってくると、フランスにいる場合と同じような候補者のチラシのようなものと投票用紙が送られてきて、在留地のフランス大使館で投票できるのだそうです。

 もともと政治に積極的に参加するフランス人のこと、在外とはいえ、当日はフランス大使館は投票に訪れる人でけっこうな行列ができるほどだそうで、フランスに住んでいなくても、フランス人の投票率は、日本人よりもずっと高いのだなぁと感心しました。

 考えてみれば、海外に住んでいようと、自国に住んでいようと、国民が選挙に投票に行く権利があることには、代わりなく、在留先が確認されていれば、国民として投票できるのは、当然のことで、なんで?日本の場合は、在外選挙人証なるものが別にあって、その申請にこんなに時間がかかるのか?と思います。

 ただし、日本の選挙はフランスのように国民投票という例は稀であるため、自治体に依存する場合が多いことが起因しているとは思うのですが、どうにも、この違いに、なんかモヤモヤします。

 今回のフランスの欧州選挙や、その結果、急遽、決まった6月末と7月初めに行われる選挙に関しては、急に決まったことでもあり、また、かねてから、検討されていたことだとは思うのですが、在外(フランス以外の国に住んでいるフランス人)の人々に限っては、ネット投票が可能になるということで、この選挙制度の進歩の差がますます日本とはかけ離れることに、羨望を感じずにはいられません。

 フランス本土全体でのネット投票に至るには、そのセキュリティ管理などで、まだハードルが高いようですが、在外の人に限ってというある程度、限られた範囲でネット投票に踏み切るということは、とりあえずのテストケースとしても意味のあることだと思います。

 長く海外で生活している間に、いつの間に日本はこんなに時代に遅れてしまったのか?と思うことが増えていますが、今回の在外選挙に関しても、大きく差をつけられた気がしています。

 この話を教えてくれたフランス人は、「候補者リストや投票用紙」が紙で送られてきたということに、呆れていましたが、在留届だけで、選挙に投票できるということだけでも、日本人の私から言わせてもらえば、すごいこと。

 この分で行くと、フランスでは、国内でも、そのうちネット投票が可能になる日が来るのではないか?などと思います。

 それにひきかえ、日本の投票率はフランスだったらスキャンダルなみに低いうえに、ネット投票など夢のまた夢。日本もネット投票になれば、ずいぶんと投票率もあがるだろうし、結果もずいぶんと違ってくるだろうにな・・などと思うのです。


在外選挙登録 在外選挙


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2024年6月14日金曜日

ファストフードの激安メニュー競争

  


 少し前のExpensyaプラットフォームが実施した調査によると、仕事をしているフランス人がもっとも好むレストランの第一位はマクドナルドが堂々1位の座を勝ち取り、マクドナルドって、そんなに人気だったんだ~と驚いたばかりです。

 たしかに、このようなアンケートとなれば、絶対的に店舗数の多いマクドナルドのようなチェーン店にとっては、有利な結果に繋がりやすいとは思いますが、逆に考えれば、チェーン店とはいえ、それだけ店舗数が増えているということは、また、人気のある所以でもあります。

 個人的には、マクドナルドなどのファストフード店は、ごくごく、たま~に、なぜか無性に食べたくなることもあるのですが、日常的には、あまり行かないので、あまりよく知らなかったのですが、以前に比べると、格段に種類も増え、また、その時々に流行りのものを取り入れたり、「エミリーパリに行く」が大ヒットした時など、「エミリーメニュー」なるものが登場したりと、色々と手を変え品を変え、工夫している様子は広告などで見ていました。

 先日、たまたま、レピュブリック広場の近くに行く機会があり、マクドナルド、KFC(ケンタッキー)、バーガーキングの大きな店舗が並んでいて、こんな大通りに横並びにファストフード店が並んでいるのか・・とビックリして何気に前を通ると、そのどの店舗も5ユーロ前後の格安メニューの看板が大々的に掲げられていて、「そんなに安いの?」とびっくりした次第です。

 少し前までは、ファストフードといっても、決して安くはないというイメージだったのに、こんな激安メニューができていることに驚いたのです。

 外食が決して安くはないパリで、5ユーロで食事ができるレストランなど、まず、あり得ない話です。ふつうのブーランジェリーなどでもサンドイッチだけでも5ユーロ以下というのは、恐らく難しいと思うし、カフェやブラッスリーなどなら、ランチメニューでもだいたい20ユーロ前後です。

 もちろん、ファストフードとはクォリティーが違うといえば、それまでなのですが、ランチなどを選ぶとき、その価格帯は大きな位置を占めます。

 それにしても、ビッグマックとポテトとドリンクで5ユーロとは、すごいです。

 となりに並ぶ KFC(ケンタッキー)には、似たようなメニューで 4.76 ユーロの看板が・・。ただし、これは学生価格ですが、それにしても学生ではなくとも 5.95 ユーロと6ユーロ以下。そのとなりのバーガーキングにも5ユーロメニューがありました。



 バーガーキングは、他のファストフードよりも若干高いイメージがあったのに、この5ユーロメニューには、ハンバーガー、ポテト(あるいはオニオンリング)、ドリンクの他、コーヒーあるいは、デザートまたはオニオンリングがつけられます。

 あまりに他の外食の価格と違い過ぎて、もうちょっとどうなってるの?という感じです。

 パリであまりに外食が高くてビビったら、1食くらいファストフードに頼るという手もあるかもしれません。


マクドナルド KFC バーガーキング

 

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2024年6月13日木曜日

マクロン大統領 解散・総選挙に関しての記者会見

  


 欧州選挙の極右勢力の圧勝を受けて、マクロン大統領が発表した国民議会解散・選挙は、フランス全土に衝撃を与え、もうあらゆる報道機関が、この話題に終始しているといっても過言ではありません。

 この解散・選挙への決断について、発表直後にマクロン大統領は、エリゼ宮のサイトでその経緯と理由を説明する文書を発表しています。

 この文書の中で、「欧州選挙の結果は、大統領多数派を含む欧州を擁護する政党にとって良い結果ではない」、「近年、経済回復、国境の共通保護、農民支援、ウクライナ支援など、欧州によって可能となった多くの進歩に反対してきた極右政党が前進を続けている」、「統一され、強く、独立したヨーロッパはフランスにとって良いことだと常に考えてきた私にとって、これは容認できない状況であり、国家主義者や扇動者の台頭は、我が国にとってだけでなく、ヨーロッパにとっても、ヨーロッパと世界におけるフランスの地位にとっても危険なことである」「極右はフランス人の貧困化であり、我が国の格下げでもある」とし、この状況を無視することはできないとしています。

 「解散・選挙という決断は重大で重いものですが、何よりも信頼に基づく行為です。親愛なる同胞の皆さん、フランス国民が自分自身と将来の世代のために最も公正な選択をする能力を信じています。私たちの民主主義への信頼。主権者である国民が示してください。これほど共和主義的なものはありません。これは、あらゆる取り決めやあらゆる不安定な解決策よりも優れています。これは正しいことを明確にするための重要な取り組みであり、そのタイミングです。厳しい時代に直面しても、あらゆるデマゴギーに後退したり屈服したりせず、未来を形作るために団結して抵抗する方法を常に知っているフランスへの自信と信頼を私は持っています」

 マクロン大統領は、「近日中に私は国家にとって正しいと信じる方向性を表明するつもりです」と文書で説明していましたが、その表明が今回の記者会見だったわけです。

 選挙を控えての記者会見ということで、大統領でありながら、彼の立場は、その大統領としての職務と混同することは許されず、立場は曖昧なものでもあり、事実、この記者会見が行われたのは、通常、彼が記者会見を行うエリゼ宮(大統領官邸)ではなく、パリのカンボン・カプシーヌ・パビリオンで行われています。

 エリゼ宮での記者会見というだけで、ある種、彼は鎧をまとっているようなところもあり、なんとなく、今回はいつもの威厳のようなものが薄らいで見えるのも不思議なことです。

 この長時間に及ぶ記者会見は、多くのメディア(テレビ・ネット)で生中継され、カフェや職場などでも画面を覗いている人が多いところは、さすがに政治に対して関心の高い国だと思います。

 会見での内容の大半は、すでにエリゼ宮のサイトで説明されているものではありましたが、今後の彼の具体的な政策についてもいくつか語っています。

 まず、「子どもたちと青少年を守る」という観点から、「強化された対応をとるべきである」とし、特に「スクリーン(携帯やタブレット、パソコン等)への依存はあらゆる問題の温床である」とし、「11歳までに電話の使用を禁止すること、そして何よりも15歳までにソーシャルネットワークへのアクセスとその使用を禁止すること」を政府が明確に決定することを約束。

 また、年金はインフレに連動し続けることを強調したうえで、労働時間の延長なくして奇跡のレシピは存在しないと断言した他、原子炉の増設についても語っています。

 この会見において、彼は、この事態を引き起こしたことについて、極右勢力台頭への懸念に対して十分な対応をしなかった自身の責任を認めたうえで、それでもこれは敗北ではないとし、RNとLFIの両方を巡る左右「両極端」の「不自然な」同盟を非難し、「悪魔の同盟」と過激な表現をしています。

 「極左が今日提案しているのは、共同体主義と緩みによる対応である」、そして「極右とその同盟者たちが提案しているのは、共和国、その価値観、その基盤そのものから離れることによる治安不安への対応である」と説明し、自身は、共和党の「価値観」を尊重しながら「あらゆるレベルでの共和党の権威」と「主権軸の強化」を約束しました。

 彼は、この選挙で、フランス人が惑うことなく正しい道を選ぶことを信じていると語り、この選挙は、「ビジネスを繁栄させることを選択する人々と、フランスを繁栄させたいと願う人々の間のリトマス試験紙である」とも語っています。

 このリトマス試験紙、日本の政治家にも使えないかな?とチラと思いました。

 しかし、この記者会見に対して、世間の目はけっこう厳しくもあり、「大統領には党のために選挙運動をする権利があるのか?」などという声も上がっています。

 だいたい、マクロン大統領の強引なやり方には、必要以上に国民を怒らせる場面が多くなっていることも事実で、荒れに荒れた年金改革問題の際に発令された49.3条問題も立て付け上は、首相の権限のもとでというカタチになっていて、当時のボルヌ首相がやり玉に挙げられましたが、事実上は、マクロン大統領の政策。

 今年初めに農民が暴動を起こした際にも、農民たちとの直接対面の会合に自分に有利な陣営を取り込んで丸め込もうとしたことで、さらに彼らを怒らせたりしたこともありました。

 正しいと信じ、国のために突き進んで行動しているのは理解できるのですが、彼のあまりに強権的なやり方自体に反発を感じている人も少なくないような気もしています。

 いずれにしても、当分、フランスは、落ち着かない日々が続きそうです。オリンピックはもうすぐなのに・・。


フランス国民議会解散 総選挙 マクロン大統領記者会見


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2024年6月12日水曜日

財務相 2025年2月電気料金10%~15%値下げを発表

  


 このところ、値上げの話しか聞いていなかったので、「2025年2月電気料金10%~15%値下げ」の発表を聞いて、ちょっと嬉しい驚きでした。

 政府が発表しているのだから、まあフランスの場合、間違いはないとは思うのですが、これを発表したのが、ブルーノ・ル・メール財務相で、まったく個人的なイメージと身びいきからの印象なのですが、この人の話はなんとなく素直に聞いてしまいます。(あくまでも、私個人の印象です)

 ほんの数日前の欧州選挙の結果のためにマクロン大統領が下した国民議会解散、総選挙という大事件?に現在、フランスは大騒ぎ。もうほぼ他の全てのニュースを吹っ飛ばして、この話ばかりしています。

 昨日は、ベルサイユ宮殿で火事があったというのに、すぐに鎮火されたこともありますが、そんな話は、全くスルーです。

 ブルーノ・ル・メール財務相は、この電気料金の値下げについて、「この値下げが可能になるのは、私たちが原子力発電の再稼働に投資してきたためであり、湾岸諸国とロシアの手に手足を縛られずに、フランスがエネルギーの自立を信じてきたためです」と説明しています。

 しかし、これは、間近に迫っている選挙対策のためであることは明白で、そもそも、2023 年 2月 には電気料金は15%上昇し、その半年後には 10%上昇しています。そして、その値上げの際には、他の欧州諸国に比べて、フランスの電気料金上昇がこれだけ抑えられているのは、実際の価格との差額を国が負担しているからだと説明し、徐々にこの国の負担は削っていく計画であると説明していました。

 要するに事情次第で、どうにでも調整がつけられるということです。その時々で、政府の都合のよい理由をつけて財政をコントロールしているということです。

 たしかに、フランスが様々な理由で停止されている原子力発電を再稼働させようと動いているのは、事実であるとは思いますが、まさか、このタイミングでその準備が整ったというのは、出来すぎな話です。

 一方、この欧州選挙の結果にまつわる一連の解散・総選挙の騒動が起こる直前に政府は、7月からのガソリン価格の12%値上げを発表してしまっています。今から考えれば、これは実に最悪のタイミングでした。

 さしずめ、2025年2月電気料金値下げは、とりあえずは、これを相殺する一手でしかありません。


2025年2月電気料金10%~15%値下げ


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2024年6月11日火曜日

国民議会解散 マクロン大統領の驚きの決断に政治的激震

  


 マクロン大統領は6月9日日曜日、欧州選挙での極右勢力の圧勝を受けて国民議会の解散を発表し、国内外に大きな波紋を呼び起こしています。

 極右勢力が圧倒的な勝利をおさめたことも驚きでしたが、それに輪をかけた驚きです。


 エマニュエル・マクロン大統領は日曜日の演説で、「これは欧州を守る政党にとって良い結果ではない。したがって私は何事もなかったかのように振る舞うことはできない」と語っています。

 憲法第12条によれば、「共和国大統領は、首相および議会議長と協議の上、国民議会の解散を宣言することができる」とされているので、あくまでも合法的なことではあるのですが、それにしても、これは、欧州選挙の結果に対しての解決策としても、彼にとって、さらに悪い状況を生むリスクも充分に孕んでいる危険な決断でもあり、この解散総選挙が行われた後には、結果が彼の望まないものであったとしても、再び解散・・ということはできません。

 この国民議会解散と解散後、早期に行われるとされている選挙に対しては、国民から多くの抗議の声があがり、さっそくあちこちでデモが起こり始めています。なんと、あまりにも急な日程でこの選挙の第1ラウンドは6月30日、第2ラウンドが7月7日という、これまた驚きの急展開の日程が提示されています。



 このマクロン大統領の驚きの発表の翌日には、日中には、マクロン大統領の母校であるアンリーキャトル高校(パリでは超有名な名門校)には、100人以上の学生が集まり、抗議の声をあげました。

 「私たちはRNの成功に反対し、マクロン大統領が下した危険な解散決定に反対していると言うためにここに来た!バカロレアが迫った時期ではあるが、授業よりももっと重要なことだ!」と。さすがにエリート校、アンリーキャトルといえば、とてもふつうの高校生が行ける学校ではなく、本当に寝る間を惜しんでどころか、通学の時間さえも惜しんで勉強するために、わざわざ近所に部屋を借りてまで勉強するような学生たちです。

 また、夜には、レピュブリック広場で極右と左派の連合を求める数千人規模の集会がおこっています。


 

 政治の大きな決断に対して、決して黙ってはいないフランス人のこの大きな反応は、当然のこととはいえ、これが大きな社会的なうねりとなる可能性は少なくありません。

 ましてや、フランスは、その選挙のすぐあとにパリオリンピックを控えており、極度の警戒体制が敷かれている状態。現段階では、オリンピックムードなど吹っ飛んでしまった感じがあります。

 そもそも欧州選挙の結果は、全く予想していなかった結果であったとしても、マクロン大統領のこの国民議会解散、総選挙の決断は、あらゆる意味において、リスキーであるとしか言えません。

 どうにも、大統領として2期目に入ってからのマクロン大統領は、極端に強気な発言が多く、いちいち波紋を呼んでいる印象がぬぐえず、もう少しまるくおさめる方法はなにのだろうか?と思ってしまいます。

 とりあえず、この国民議会解散により、現在、国会で審議中の立法作業などは、全て中断されます。大統領の宣言により、国民議会は解散されますが、選挙結果が出るまでは、現閣僚が当面の時事問題を管理していくことになります。

 しかし、この国民の抗議の声がどこまで燃え上がるかは、予想がつかず、これ以上、騒ぎが広がれば、暴動に発展し、また街中が燃えることになりかねず、さっそく、内務相は、暴力的行為に走らないようにと呼びかけています。


欧州選挙 国民議会解散 選挙


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2024年6月10日月曜日

パリのB級グルメおススメのお店 クルドサンドイッチ URFA DURUM

 


 

 パリで美味しいレストランを探すのは楽しいのですが、一般的なフレンチのレストランやブラスリーなどは、まあまあ基本的には、どこに行っても同じようなメニューが中心で、それぞれに特色があるとはいえ、やはり、そうそう続けてとなると、やっぱり感動が薄れてきて、退屈になってしまいます。

 そんな中、最近、私が気になっているのは、ストリートフードに近いような、いわゆる日本でいうB級グルメのようなタイプの食べ物で、これは、異文化が混在するパリでは、今まで、私があまり注目していなかったけれど、探してみると、これまたけっこう色々あるので、最近、気になるところは行ってみるようにしています。



 今回、ご紹介するのは、知人がやたらと激押ししていた「クルドサンドイッチ」ですが、正直、私はこれまで「クルドサンドイッチ」なるものを知りませんでした。

 それがまた、全く観光客相手っぽい感じでもなく、煌びやかなお店でもなく、むしろ、どちらかというと小汚い(失礼)、まったく飾らないお店で、メニューも少なく、小さなお店というのに、常に繁盛しているという地元民に根付いている感じのお店であることにも興味をそそられたのです。



 私が、ふだん、あまり行く地域ではないため、地理にも疎く、恐る恐る探して行った感じなのですが、意外にもその周辺には、なかなか興味深いお店も多く、美味しいパン屋さんなども見つけてしまいました。



 看板はボロボロ、お店の間口も狭いのですが、食事時でもないのに、数人の人がサンドイッチができあがるのを待っていました。クルドサンドイッチは、要するにケバブのようなものなのですが、狭いお店の一画で、淡々と若者が二人で麺棒で生地を次から次へとのばしていて、黙々と生地を石窯で焼いています。



 その隣では、注文のあった分の肉を焼いてくれます。牛肉、地鶏肉、羊肉、ひき肉とメニューはそんなに多くはありませんが、その場で串に刺して焼いてくれるのであつあつでジューシーでしっとりとしていて、とても美味しいです。



 私が気に入ったのは、味付けがとてもシンプルなところで、ソースなどを一切使っておらず、肉そのものの味が素晴らしく、また肉と一緒になっている野菜(サラダや赤玉ねぎやトマトなど)とのバランスが最高で、飽きのこない味です。



 また、なによりもこの生地(ピタパンのような生地)が、のばしたばかりで焼いているため、しっとりしていてモチモチで外側の焼け目の部分とモッチリした感じが最高です。

 しかも出来立てが食べられるためにアツアツで美味しい・・そして、お値段がお手頃価格で、どれも10ユーロ以下です。なんなら、いくつか食べられちゃいそうです。

 お店のお兄さんたちも、感じよくて優しくて、まじめに淡々と楽しそうに仕事している感じも好感を持てます。

 こんなお店、近所にあったら、週1くらいで通いたいような、そんなお店です。

 わざわざ、パリに旅行に来て、行きたいと思うかどうかはわかりませんが、フレンチばかりでちょっと飽き飽きしてきたという方には、マクドナルドなどのファストフードではなくて、こんな感じのB級グルメのお店を味わってみるのも楽しいかもしれません。


🌟URFA DURUM

 58 Rue du Fauburg Saint-Denis 75010 Paris 日休


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2024年6月9日日曜日

突然の停電に一瞬、慌てるもそれなりに満喫する自分

  


 夜10時を少し過ぎたころ、突然、家の中の電気が消えました。「あれ?ブレーカー落ちた?」と思って、ボックスを見に行くと、たしかにブレーカーが落ちていました。ふつうは、このブレーカーを上げれば、電気はすぐにつくのですが、ブレーカーをあげても、すぐに落ちてしまいます。

 まあ、しばらくすれば、ブレーカーもあがるだろうとタカをくくっていたら、いつまでたっても戻らなくて、ちょっと焦り始めました。

 うちは、なにからなにまで電気なので、電気がないと何もできません。一応、管理人さんにSMSでメッセージを送ったものの、夜中のことで、返信なし・・それも仕方ありません。

 私は電気系統のことは、本当に弱くて、夫が存命中は、夫頼み・・、娘が成長してからは娘頼みにしていて、娘が独立して、私が一人暮らしになるときに、一番、心配だったのは、この電気系統のトラブルでした。

 当時、そんなに携帯電話は、どうしても持ちたいと思っていなかったのですが(今から考えると携帯なしは、考えられないけど・・)、もしも、電気が全てダウンした場合に、電話もネットで繋がっているために、携帯がない場合は、どこにも連絡がとれなくなってしまう・・と、やっぱり非常時の通信手段として携帯はいるな・・と大げさにも命綱のように考えていたのでした。

 昼間のことならば、管理人さんに電話して、きてもらえるのですが、夜中ではどうしようもありません。とりあえずは、もう今晩は何もできないから、もう早々に寝てしまおうと思ったのですが、唯一、気になるのは冷蔵庫です。

 夜の間は、もう冷蔵庫は絶対に開けないようにしようと思い、少しでも冷たい状態が長引くようにと、気安めと思いながらも、冷凍庫に入っている保冷剤やアイスノンを全て冷蔵庫に移しました。

 こんな時に限って、携帯の充電も充分ではなく、あまり無駄遣いはできません。

 もう今晩は、ジタバタしても仕方ないので腹をきめて、ろうそくを引っ張り出してきて、何本かのろうそくに火を灯しました。日頃、宵っ張りで夜中もわりと起きていて、常にパソコンとか、YouTubeなどをつけていて、音や映像に溢れているのですが、思いがけない静かな夜、風の音までが聞こえます。

 ろうそくの炎が暖かみのある優しい灯りであることも忘れていました。

 しかし、これで火事・・なんてことになっては大変なので、寝室ではろうそくは一本だけにして、読書をすることに・・。電子機器は苦手と言いながらも、実のところは、それにまみれて生活しているわけで、そう考えてみると、いつの間にか振り回されてる感がなきにしもあらずです。

 停電というハプニングに焦りつつも、こんなに静かな夜にどこかホッとする時間を過ごせて、こういう時間もいいな・・と思ったり・・。

 そして、同時に少々の停電でも、しっかり、その時間をそれなりに楽しめる逞しさというか、ずうずうしさが私の中でも定着してきたかな?と、なんとなく、そんなことを自分で嬉しく思ったりもしたのでした。

 昔の私だったら、不安で眠れなかったりしただろうな・・と。

 翌朝、起きると、いつの間にかブレーカーは戻せるようになっていて、結局、一晩だけのことでしたが、原因は何だったのかは、わかりません。


停電


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2024年6月8日土曜日

パリオリンピックの五輪 エッフェル塔に設置

  


 パリオリンピック開催の50日前、エッフェル塔にオリンピックの五輪が取り付けられました。この五輪の取り付け作業は、夜中に1時間半ほどかけて行われたということで、パリジャン・パリジェンヌたちが目覚めたときに、「いつのまにかオリンピックの五輪が掲げられたエッフェル塔に生まれ変わっていた・・!」と驚くように演出?、サプライズ的な感じにしたかったようですが、日中は、観光客がもっとも多い場所でもあるエッフェル塔で、夜間でなくては、取り付け作業は不可能です。

 「スペクタキュラー」と呼ばれるこれら 5 つの巨大なリングは、オリンピックの強力なシンボルであり、オリンピックごとに開催都市の象徴的な場所や建造物に設置されます。

 オリンピックを開催する都市は、その中でも、もっともシンボリックな場所にメインの五輪を設置するそうで、2012年のロンドンオリンピックでは、タワーブリッジに、2021年の東京大会では、お台場湾だったそうです。

 それにしても、パリの場合は、もう他にないでしょ!というくらい最もシンボリックなエッフェル塔に五輪が掲げられることは、その絵面からしても、ちょっと出来すぎ?という気もしてしまう感じで、もうさんざん、イメージ画像が出回っているせいもあるかもしれませんが、既視感さえ感じられるくらい、もしかして、もともとこの五輪のマーク、エッフェル塔についてた?と思ってしまうくらい、なんかピッタリな印象を受けました。

 

 エッフェル塔の 1 階と 2 階の間に設置された五輪は、幅約 30 メートル、重さ 30 トン、各リングは高さ 15 メートル、直径 9 メートルで、安全性はもちろんのこと、エッフェル塔やパリの光景の中でのバランスなども計算しつくされたものです。

 また、この五輪には、リサイクル鋼材が使用されているということで、しっかりエコアピールもしています。

 こうして見ると、やはり「今だけ!感」がありありで、実はその瞬間はいつでも今だけではあるのですが、五輪の設置されたエッフェル塔を一度は拝んで、記念に写真の一枚くらいはとっておこうかな・・と思ってしまうのですが、そんな風に思うのは、私だけではないようで、いつもにも増して、観光客は、この五輪のついたエッフェル塔をある種の特別感をもって、興奮して迎えているようです。

 いわゆる「期間限定」というやつには、みんな弱いのです。

 リングには 100,000 個の LED が付いており、日中はリングの色が維持されますが、夜になるとリングは白く点灯し、夜になってもリングは消えずに、浮いているように見えるようにデザインされています。この五輪は9月8日のパラリンピック閉幕までエッフェル塔に設置されています。

 しかし、エッフェル塔は治安の悪い場所でも有名、特に夜間などは、充分に警戒してお出かけになることをおすすめします。


パリオリンピックの五輪 エッフェル塔


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2024年6月7日金曜日

東京都のマッチングアプリと結婚感

 


 日本についてのニュースをフランスの報道で知ってびっくりすることも時々あるのですが、今回の「東京都のマッチングアプリ」についてもフランスの報道で知ったことのひとつです。

 フランスにもマッチングアプリはけっこうあるようで、時にはメトロの広告にズラーッと張り出されていたのを見たこともあり、「こんなの・・メトロにまで広告出すんだ!」と驚いたこともありました。

 フランスには、政府がこのようなアプリを立ち上げている例は現在のところはないために、物珍しさとともに、やはりフランスとて、少子化問題は捨て置けない問題のひとつであるため、興味をそそられたプロジェクトであったに違いありません。

 このフランスの「東京都のマッチングアプリ」に関する報道では、その背景にあるフランスよりもずっと深刻な日本の少子化問題についての説明が付け加えられており、それはそれで、「なるほど・・」などと妙に再認識させてくれたりもします。

 「2023年の日本の出生数は8年連続で減少、日本における死亡者数は出生者数の2倍となった。OECDの報告書によると、日本での法的婚姻外での出生率は依然として約2%と非常に低いため、日本の婚姻率の低下が日本の出生率低下の主要な要因とされている。」

 国民の高齢化の加速は、多くの活動分野における労働力不足など、ますます重大な問題を引き起こしている・・と、このアプリ設立の背景を説明。

 登録するには、法的に独身であることを証明する書類を提出し、結婚するパートナーを探しているという内容の書類に署名する必要がある。また年収を証明するために納税通知書も提出する必要があり、日本のマッチングアプリでは収入の申告が求められることが多い・・とも説明しています。

 また、「日本の女性の多くは一人暮らしを好む」と解説しているのにも、「へっ?」と思います。

 日本の出生数の減少を食い止めるため、東京都は今夏、独自の出会い系アプリを開始し、仲人役を務めようとしているが、SNS上では、アプリの開発資金を都民の税金で賄うことに否定的な意見も湧き上がっていると説明。

 実際には、どれだけの人が利用するかはわかりませんが、個人的には、プロジェクションマッピングなどよりは、ずっとマシ・・なかなか出会いの機会がない人にとっては、意外にこっそり使う人もいるかもしれないではないか?と思っています。

 結婚については、特に積極的に結婚したくない・・と思っているというより、あんまり積極的に考えずにズルズルしてきたら、結婚しなかった・・という人が多い気もするのですが(私の周囲にも多い・・)、だからといって、日本の少子化を食い止めるために結婚しよう!などと考える人もあまりいないだろうし、ほんのちょっとのキッカケがあったらいいかもしれないとも思うのです。

 また、親世代の意識の変化も影響しているような気がします。今の親世代(結婚適齢期の子どもを持つ親)はマイルド・・。自分が若い頃に受けた結婚への外圧を考えれば、やっぱり今の若者が結婚しなくなっているのもわかる気がします。

 私の親の世代は、やたらと適齢期のようなものを気にする感じもあり、私の母なども、「とにかく、一度でいいから結婚して!」とか、やたらと結婚をせかすようなことを言っていたし、20代半ばを過ぎると、どこからか次々とお見合い写真が回って来たりしていました。

 今から考えると、なぜ?そんなに「一度でいいから結婚して!」などと無責任なことを言っていたのか、私にはわからないのですが、いつまでも子どもを結婚させないでおいておくことに、まあ世間体が悪いという風潮があったのだと思います。

 しかし、現在、自分が親になって思うことは、娘には、良い人がいたら、結婚してもいいと思うし、できたら子どもを産んで育てるという経験はした方が良いとは思うけれど、「必ずしも結婚しなくても・・むしろ、クズと結婚するくらいなら、結婚しなくていい・・」と思っています。

 海外にいるから思うことなのかもしれませんが、とんでもない男につかまって、酷い目に遭っている人もけっこう見てきたからかもしれません。

 今の日本に、私のような考えの親が多いかどうかはわかりませんが、少なくとも、私の親世代よりも、世間体が悪いから結婚させなきゃ!と必死になっている親も少なくなっているのかな?とも思います。


東京都マッチングアプリ


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2024年6月6日木曜日

偽造食料品の急増に思うこと

 


 フランスでは、清涼飲料水、お菓子、スナック類、乳製品、調味料などなどの偽造食料品が急増しており、年間150万の偽造食品が押収されており、1年間で4倍も増加しているようです。

 これらは、有名な大手メーカーの正規の食料品のパッケージを真似て偽造しているもので、ロゴの文字が一文字違えてあったり、その商品の顔ともいうべくパッケージのキャラクターなどが一部、違うアクセサリーをつけていたりと、パッと見では、気が付かない場合も多いそうです。

 問題は、これらの商品は、成分リストについての表示が不十分で、品質が保証されたものではないため、Unifab (製造者組合)は、健康被害にもつながるため、これらの偽造食料品には注意しましょうと呼びかけています。

 そして、この見分け方の目安として「通常の市場で販売されている商品の価格を3で割った場合、商品の品質が変わっている場合、ラベルに誤字がある場合・・、販売されている商品は詐欺商品である可能性がある」としています。

 これらの偽造食料品は、一般的には、大手のスーパーマーケットなどでは、ほぼほぼ扱われていないようで(スーパー側の信用問題に関わる)、通常はネット上や露店などで販売されているとのことですが、そもそも、この消費者たちは、偽造食料品であることを承知で購入している感も拭えません。

 そもそも、ネットで購入する場合は、ある程度、まとまった量を購入(こういった極端に安い食料品などは)することが多く考えられるため、特に調味料(ケチャップ等)に関しては、レストランなどの業者で購入していて、二次的被害を広げている可能性も考えられます。

 しかし、ここまでの偽造食料品ではないにせよ、今年初め頃に問題になった「ネスレのミネラルウォーターがミネラルウォーターではなかった事件」など、大手ブランドでさえも、ごまかしの手口は政府がらみとも言えないようなカタチで水面下で動いていたりしたことを考えれば、世の中、大なり小なり騙し合いみたいな感じでウンザリしてきます。

 海外から入ってくることが多いこれらの偽造食料品について、取り締まりをしているから、これだけ押収されていることが発覚しているわけですが、言わせてもらえば、個人的に家族がほんのわずかばかり日本から送ってくれる荷物などへの規制は、やたらと厳しくなり、送ってもらうときにも税金を支払わせ、受け取るときにまで税金をとられるという、どうにも納得のいかない厳しさで、どうして、個人をこれだけ締め上げておいて、偽造食料品で金儲けをしている会社には、こんなに抜け道があって、フランス国内にちゃっかり入り込み、挙句の果てには消費者に対して注意して買わないようにしましょうとか、健康被害のリスクがありますとか・・まったく、そっちの方をもっとなんとかしてよ!とモヤモヤします。

 この偽造食料品は、少しでも疑いがある場合、騙された消費者は14 日以内に商品を返品し、「SignalConso Web」 サイトで報告を行うことができます。「そして何よりもその製品を消費しないでください」としていますが、そもそも、そんなことは承知で購入している人が大多数だと思うので、それよりも、偽造食料品販売サイトを摘発してよ!と思うのです。

 そして、個人が家族や友人から送ってもらう正規の食料品に関しては、もうちょっと優しくしてよ・・と思うのです。


偽造食料品


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2024年6月5日水曜日

シャルルドゴール空港の詐欺広告 ロストバゲージ販売

  


 インスタグラム(Instagram)を覗いていたら、CDG(シャルルドゴール空港)の広告サイトが出てきて、「BAGAGE PERDU」(ロストバゲージ)を売っているというCDG空港の広告で、「ロストバゲージになったまま放置されている荷物を1つ1.95ユーロで売ります!」というものがあって、いろいろと、突っ込みどころが満載だな・・と思いながら、見てみました。

 もともと「ロストバゲージでおなじみの・・」というか、ロストバゲージは珍しくはないヨーロッパの空港(個人的には、CDGで荷物がなくなったことはありません)で、昨年だったか、一昨年だったかの空港のストライキ、また、それに重なっておきた荷物輸送のベルト?機器の故障などで、夏のバカンスのはじめの頃だったと思いますが、荷物が空港に山積みになり、持ち主の手に戻るのに数ヶ月かかるとか、もう回収不可能だ・・なんて話もあったので、そういえば、常に空港には、ロストバゲージ・・持ち主の手に渡っていない荷物が恒常的にあるのだろうな・・などと思ったのです。

 日本でも鉄道の忘れ物などが、時々、チャリティみたいに売られているという話も聞いたことがあるので、CDG空港でも、こういうのってあるのかな?と一瞬、思いました。

 しかし、それにしても、誰のものか?中身は何なのか?もわからないままに、スーツケースごと売るってどうなのよ? 買うにしたって、気味悪いだろし・・などと、この小さなインスタの中の広告に、一瞬のうちに色々なことを考えました。

 結論を先に言えば、これは詐欺なのですが、この広告は、広告料を払って掲載してあるもので、Instagram側は広告料を取って、詐欺広告を流しているわけで、「なんで規制しないの??」と思いました。

 このロストバゲージ販売のサイトは、パリ・シャルルドゴール空港になりすましたサイトで、本物のシャルルドゴール空港のサイトではありません。

 この広告では、「私たちの空港には紛失した荷物を保管するスペースがなく、空港ではさまざまなアイテムや電子機器が入ったスーツケースをたったの1.95ユーロで販売している」というものです。

 調べてみると、これは、最近に始まったものではないらしく、以前にもFacebookでも同様の詐欺広告が流されて、警告が出されています。

 結局、この詐欺は、購入しようとした者の銀行データを回収して、その銀行からお金を抜き取るというものです。

 InstagramやFacebookなどのSNSで、意外な情報に出会えることもたくさんあるのですが、それに乗っかるカタチで、必ずこのような詐欺も登場するので、いざ、もしも、購入・・と思いきる段に、一度、冷静に考える必要があります。

 このシャルルドゴールの詐欺サイトによるロストバゲージ販売は、ご丁寧に実際にこれを利用した感謝と喜びに溢れる客を装ったコメントまでついています。

 個人情報をうるさく言うわりには、なにかを購入する際のカード情報などには、ついうっかりしがち・・SNSには、有用な情報とともに詐欺も溢れています。

 しかし、ロストバゲージを販売とは・・詐欺にしてもすごい発想です。


シャルルドゴール空港 ロストバゲージ販売


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2024年6月4日火曜日

健康サプリグミ市場の飛躍的な躍進に警鐘

 



 どんな業界にもトレンドというか、流行のようなものがありますが、ここ数年、フランスでは、健康サプリグミの売り上げが爆発的に伸びているそうで、その形状や効能、味、香りなどからも、たしかに流行りそうだな・・という感じはします。

 この健康サプリグミの売上は2021年に90%、2022年に131%、2023年に47%増加しているそうです。

 そもそも健康のためにとか、美容のためにという商品には、ついつい心を動かされがちなのは、人間の心情ではありますが、それが本当に良いのかどうか?は、正直、あまりわかっていないままに、「まぁ、なんとなく、使ってみよう・・とか、飲んでみようか・・」というような曖昧な理由であることも少なくありません。

 しかも、最近、大幅にその売上げを伸ばしているという「健康サプリグミ」の類は、一応、健康上や美容上の効能をうたっている薬の一種でありながら、ちょっと、アミューズ感覚のキャンディのようなお菓子のようでもあり、色といい、香りといい、なかなか魅惑的にできています。

 市場がのびればのびるほど、様々な効用のものが登場していますが、脱毛、睡眠障害、肥満、ストレス、活力の欠如などを解消すると言われているものが多く、価格も比較的、高価(15ユーロから30ユーロ以上の価格設定)なものが多いようです。

 これらは医薬品ではないので、ネット上でも多く出回っていますが、薬局で扱われているものも多く、心情的には薬局で買えば、少し安心だし、薬局で扱っているものの方がたしかなもので、よく効きそう・・という心理も働くかもしれません。

 しかし、冷静に考えれば、一般的な薬に比べて、効能がハッキリしないわりには、薬でもないために保険等のカバーはゼロ。まことに割に合わない気もします。

 まあ、一種の嗜好品のようでもあり、流行りというか、トレンドのようなところもあるので、それを楽しんでいると思えば、そういう性質のものかもしれませんが、この発売元などは、上手いやり方をしているな・・とも思います。

 もともと、健康のためとか、美容のためというのは、弱いところを突かれる感じがしますが、それが単なるサプリのカプセル錠などではなく、フランス人の国民食とも言えるようなグミに近づけたあたり、これは、人気を呼ばないわけはないな・・と思います。

 HARIBOなどのグミ?は、本当にフランス人のソウルフード?と言えるような駄菓子で、なにより彼らが小さいときから食べつけているもので、ついつい手がのびてしまうもののひとつです。

 このグミのキャンディーのようなもので内容量を健康サプリの中身をまぜて膨らまして高く売るのは、上手いやり方、売れないわけないな・・儲からないわけないな・・と思います。

 しかし、これらの過剰摂取による副作用も報告され始めており、専門家たちは、「栄養補助食品や植物サプリメントに含まれる多くの物質は、肝障害の原因になる可能性が高いため、一時的な摂取にとどめ、長期間継続しての服用には注意が必用である」と警鐘をならしています。

 私は、そうでなくとも飲まなくてはならない医者から処方されている薬が多いために、それ以外の薬はできるだけ減らしたい方で、サプリ?に近いものといえば、たまにビタミンCを思い出したように飲む程度。

 健康によいものは、できるだけ食品で美味しく摂取できるように、必要な栄養素が含まれた食品を探して、工夫して自分の好みに合うようにお料理したりしています。

 けっこうお高めのサプリを買うくらいだったら、けっこう良い食材が買えそう・・などと、食い意地満載の私であります。


健康サプリグミ 売上げ爆増


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2024年6月3日月曜日

セーヌ川に5万リットルの汚水流出 パリ市長とマクロン大統領はセーヌ川で泳げるか?

  


 パリオリンピックのトライアスロン等の水泳競技を行う予定であるセーヌ川の水質汚染については、この計画が発表されて以来、常に注目され続け、今年の4月初旬の段階で、未だセーヌ川の水質が水泳競技を行えるほどには改善していないことが指摘され、イル・ド・フランスは、「雨天時の衛生網を改善する作業が4月と5月に開始され、浄水場の消毒装置を稼働させることによりセーヌ川の水質はオリンピックでも維持される」と釈明していました。

 さらにはその後、その釈明を支えるかのごとく、マクロン大統領は、オリンピックの前には、「自分がセーヌ川に泳ぎに行く!」と公言したことが話題となっていました。

 また、5月初旬のセーヌ川の浄化のために落成したオーステルリッツの貯水池落成の前後には、これでセーヌ川の水質改善に大きな一歩が進んだとし、アンヌ・イダルゴパリ市長は、「私は、6月23日にセーヌ川で泳ぎます!」と、日にち指定で予告していました。

 この発言の際には、彼女より前にセーヌ川で泳ぐと宣言していたマクロン大統領は一緒に泳ぐのか?などという声も上がりましたが、この時には、マクロン大統領は、このセーヌ川での水泳大会?については、日程を発表することはありませんでした。

 オリンピック聖火がもう到着し、現在はフランス国内を周遊中であり、まさに、もうオリンピック開催までの導火線に火がつけられている感じの現在、パリ近郊イヴリーヌ県にある浄水場のポンプが故障し、5万リットルの汚水がセーヌ川に流出するという事態が起こりました。

 この故障の原因は堆積した廃棄物(天文学的な量のおしりふき、生理用ナプキン、タンポンなど)だそうで、この場所では年間1,400万立方メートルの廃水を処理しているところを今回の事故により、現段階では5万リットルの汚水がセーヌ川に流出してしまったことが確認されています。

 この5万リットルの汚水がセーヌ川全体の水質汚染にどの程度、影響するかは、わかりませんが、5月初旬に落成したと言われていたオーステルリッツの貯水池もまだ稼働していないそうで、控え目に言っても、現在のセーヌ川の水質は、2ヶ月前に比べて改善されている可能性は、かなり低いと考えざるを得ないのが、自然だと思われます。

 この水質の問題に関しては、天候もまた、大きく影響する(大会開催側は、オリンピックが開催される夏の期間は「強い日差し、少ない降水量、長い日照時間、少ない川の流れ」となる川の状況も異なるものであり、水泳は可能である)と釈明していましたが、あいにく、パリ近郊は、あいにくのいつになく雨の多い天気がずっと続いています。

 この大会をセーヌ川で行うためには、大腸菌と腸球菌の濃度が 1,000 コロニー形成単位、つまり大腸菌では 100 ml、腸球菌では 400 cfu/100 ml を超えないようにすることが不可欠で、さもなければ、水泳選手が結膜炎、胃腸炎、ブドウ球菌に罹患する危険があると言われています。

 この際、マクロン大統領やパリ市長が泳ぐかどうかではなく、オリンピック選手が泳げるかどうかという現実問題がすぐそこに差し迫っているのです。

 6月1日からは、毎日、水質検体が採取され、悪い結果が検出された場合はキャンセルされます。その場合、トライアスロンは水泳競技なしの「デュアスロン」となり、10キロ自由形は削除されることになると、選手らは懸念しています。

 まだ、結果が出たわけではありませんが、どうにもヤキモキさせるこの計画です。どちらにしても、このトライアスロンの選手には大変にお気の毒なことです。


セーヌ川に5万リットル汚水流出 パリオリンピックトライアスロン


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2024年6月2日日曜日

シトロエンの大規模リコール 原因は日本製のエアバッグ 

  


 フランス大手自動車メーカー「シトロエン」が5月初め以来、約24万5千台の車をリコールし、その対応に追われ、波紋が多岐に及んでいます。

 このニュースに目が留まったのは、この大規模リコールの原因が日本のメーカー「タカタ社」製のエアバッグが原因ということで、安心と安全、絶対の信頼性を誇る日本製品の欠陥問題ということでギョッとしたのでした。

 このリコール対象となっているのは、2009年から2019年にかけて生産された18万1,734台のC3と6万5,149台のDS3で、エアバッグを駆動するガスが原因で、湿気や熱でガスが劣化し、乗員に重傷を負わせる可能性があるということで、該当車両を保有している人に対して、機器を交換するまでは運転しないように呼び掛けています。

 運転しないようにと言われても、コレクションでもあるまいし、日常的に利用している車が使えなくなることは、ユーザーにとっては一大事。シトロエンは、代理店の人員を拡大して、代替車の手配および機器の交換対応にあたっているとのことですが、まるで対応が追い付かずに大混乱を起こしているようです。

 大手仏紙(ル・パリジャン)によれば、このエアバッグ搭載の車で起こった複数の自動車事故(重傷・致命的な障害とも)について、すでにいくつかの司法捜査が開始され、顔や腕に重度の切断を伴う数人の死亡と重傷が報告されていると報道しています。

 また、このリコールに関して、集団民事訴訟が準備中だということで、騒動は簡単にはおさまりそうもありません。

 この問題のタカタのエアバッグの問題は、急に浮上したものではないようで、この製品に関わる死亡事故が2014年にアメリカで、フランスの海外領土(グアドループ、レユニオンなど)では2019年に事故が発生していたにもかかわらず、これを問題視せずに今回の大規模リコールを行うまでにあまりにも時間がかかりすぎているシトロエン側にも非難の声が上がっています。

 おおもとの「タカタ」に関しては、この欠陥エアバッグのリコールで超多額の負債を負い、経営破綻しているようです。

 また、2023年に車を運転中だった息子が死亡した事件について、被害者家族は、この原因がエアバッグによるものであったと告訴し、司法捜査が開始されている例も紹介されています。事故発生時にこの息子が乗っていた車は現在、リコールの対象となっている車であり、車の中で発見された発射物によって即死。息子の目と脳に穴をあけたような記録があるとのこと。青年の家族は、この金属物体の発射は欠陥のあるエアバッグによるものであると訴えています。

 この問題のエアバッグは、エアバッグに含まれるガスや推進剤の劣化に関連しており、事故が発生した場合、エアバッグが作動すると、粒子や小さな部品がエアバッグとともに飛び散り、怪我をする可能性があると説明されています。特に、この劣化は、高温多湿の地域で多く起こっているということで、時速 300 km で金属部品を発射できる強力なガスである推進剤の爆発に繋がると言われています。

 犠牲者家族は、「2014年にはすでに、日本の下請け会社タカタ社が製造したエアバッグが米国とアジアで死亡事故を引き起こしていたにもかかわらず、なぜこれまで全容が明らかにされなかったのか、私たちには理解できません。責任者が処罰されるまでは、絶対にあきらめない!」と怒りをあらわにしています。

 そもそも事故の際に危険から身を守るはずのエアバッグから危険物が発せられていたという事実は、やるせないというより許せない気持ちであるのはもっともなことです。

 また、このリコール対応が長引けば長引くほど、問題が注目されていくわけで、シトロエンにとっては、ますます、より大きな問題を抱えることになり、6月中旬に新型電動シトロエンC3を発売する予定のシトロエンにとっては、最悪のタイミングになってしまったと言われています。


シトロエン大規模リコール エアバッグ


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2024年6月1日土曜日

パリ市内を爆音で低空飛行するオリンピック準備のヘリコプター

  


 ここ数日、家にいても、大型のヘリコプターが飛んでいく爆音が度々、聞こえてきて、最初は大して気にもとめなかったのですが、それが、あまりに度々なので、「あれれ?パリ祭のデフィレの予行演習???いやいや、まだちょっと時期が早いな・・」と不思議に思って、「なにか事故とか事件があったのかな?」と思っていました。

 家の窓から上空に飛んでいくヘリコプターを見ると、ふだん、なにかが起こった時に飛んでいくヘリコプターよりも少し大きめかな?と思ったのですが、それは、おそらく距離の問題で、そのヘリコプターはかなり低空を飛んでいるのであって、その理由はわかりませんでした。

 ただ、低空飛行をしている場合は、かなり音も近く聞こえるせいか、なかなかな爆音です。

 のちに報道を見ると、これはどうやら、パリオリンピックの運営準備を目的として、パリ市周辺の地図を作製するためのものだそうで、あらためてヘリコプターを飛ばしてこのために地図を作製するとは、大変なことだ・・と思いました。

 フランスでは、国内治安部隊が2000年代からジオマティクス(地理科学とコンピュータ科学の組み合わせ)を使用して大量のデータを組み込んだ正確な地図を作製し、実際の警備に国内治安部隊が警備体制の意思決定を容易にするためにデジタル地理データを収集、処理、分析して備えるとしています。この地図には治安部隊の位置、避難経路、危険な地域などが表示されるそうです。

 私は、これまで自分の住んでいる場所でオリンピックが開催されるという経験をしたことがないので、オリンピックの前ってこんな準備までするものなんだ・・ということは、驚きで、例えば、前回のオリンピックを開催した東京でもこういうことをやっていたのかな? 知らなかった・・と思いました。

 このオリンピックの準備のための大型ヘリコプターは、国家憲兵隊のもので、パリ市内、結構、広範囲、詳細にわたり網羅して飛んでいた模様で、とにかくその詳細を知るためなのかどうか、かなり低空を飛んでいたことが特徴で、極めつけには、エッフェル塔の真下も通過したということで、なかなかアクロバティックな感じで、間近にいた人にとっては、大迫力というか、ちょっと怖いくらいだったに違いありません。

 今年のパリ祭は、オリンピックとの融合を目指すと言われており、軍事パレードなども例年とは違うコースを取ることが発表されているので、パリ祭の花形のひとつである航空ショーの部分もルートが違うのかもしれませんし、また、オリンピックの開会式でもおそらく、別のカタチで航空機がトリコロールやオリンピックカラーの噴煙を撒きながら、飛んでいくような演出がされているのだと思います。

 細かいところを言えば、もうとっくに始まっているパリオリンピックの準備ですが、本格的な準備がこのヘリコプターの爆音とともに、スイッチが入った気がしています。

 これまで報道などで、何万人規模の警戒体制をとるとか、通行証がなければ、通行止めになる場所があるとか、閉鎖される駅がいくつもあるとか・・話では聞いていたのですが、具体的には、イメージできておらず、こうやってヘリコプターの爆音が聞こえてきたりすると、もっと実感として迫ってきた感じを受けています。

 このヘリコプターに加えて、現在、パリ12区には憲兵隊5,000人がオリンピック期間中に駐屯するためのキャンプが突貫工事で建設中とのことです。このキャンプに滞在するのは5,000人ですが、全国では国内治安部隊、警察、憲兵隊全てを含めると4万5,000人が警戒にあたるというのですから、凄いものです。


パリオリンピック ヘリコプター低空飛行


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