2025年3月26日水曜日

統一教会解散命令 フランスでの統一教会についての報道は安倍元首相襲撃事件とセット

  


 統一教会はフランスでは、Secte Moon(セクト・ムーン)と呼ばれていますが、先日の「日本の司法が統一教会に解散命令を出した」というニュースは、フランスでも、もっと大々的に扱われるかと思ったら、新聞各紙は一応報道しているものの、ほんとに「まあ、一応・・」といった感じで、あんまり大きくは扱われていません。

 そもそも、フランスでは、皆無とまではいかないまでも、そこまで浸透していないというか、反セクト法のおかげで、日本ほどの悲惨な被害が出ていないこともあって、あまり知名度はないかもしれません。

 統一教会といえば、最近で、最もその名を知らしめたのは、安倍首相がこのセクトを応援していたことにより、一家が崩壊してしまった家族の一員がその恨みを持って、公衆の面前で銃撃?したという事件によるもので、今回も統一教会解散の報道は、この「安倍元首相銃撃事件をきっかけに、統一教会は解散になった・・」というような説明の仕方です。

 まあ、この暗殺事件がなければ、未だに解散命令という運びにはなっていなかったかもしれないので、この暗殺事件がきっかけになったことは、事実だと思うのですが、私個人としては、「反セクト法」を制定しているフランスとしては、統一教会がこの「反セクト法」にばっちりひっかかる宗教団体であることが認められたために、解散命令が出たのだということ・・そして、フランスには、この「反セクト法」があるから、日本のように甚大な被害に拡大することがなかったんだよ・・ということを、しっかり説明してほしかったと思いました。

 まあ、あまり知名度のない団体に関しては、あまりニュースバリューもないのかもしれないので仕方ありません。

 ただ、ここのところ、あれから30年・・という話がよく出てくる気がするので、ついつい言いたくなるのですが、オウムの地下鉄サリン事件以降、それをきっかけにして、参考にして、議論されたセクト(新興宗教)についての問題に対応して、数年後に「反セクト法」を制定したフランスと違って、日本では、オウム真理教には、解散命令は出たものの、その他の新興宗教に関しては、特別な対応を取らずに放置した結果、被害者は増え続けてしまったのです。

 今回、ようやく解散命令が出たといっても、まだまだ実際に解散に至るのは、先のことでしょうが、まず、ようやく遠くに光が見えたというところかもしれません。

 ただし、信仰というものは、そう生易しいものではないはずなので、このおかしな資金の集め方や勧誘の仕方、政治とのかかわりなどとは、また別。

 そのうえ、あまりに長い年月が経過しているために、この信仰のもとに家族を育んで、育ってきた子どもたちも、もう大人になっているような複雑な問題(宗教2世の問題)になっています。

 信仰は尊重されるはずのものなので、この解散命令と信仰の心の問題は、同時にしっかりと対応し続けなければならない問題でもあります。

 そういう意味でも、この宗教がらみの問題は、他の詐欺事件などとはまた、別の意味でより罪深いものであったと思わざるを得ないのです。

 実態は、解散命令が出されるような団体に政治家がかかわり、相互に利用しあっていたことは本当に許されざることで、統一教会だけ成敗するのでは片手落ち、それを利用していた政治家も成敗してもらいたい気持ちです。


統一教会解散命令


<関連記事>

「地下鉄サリン事件から30年 フランスの反セクト法」

「マクロン大統領は安倍元総理の国葬には参列しない」

「安倍晋三の神話は崩壊した」

「フランスの報道機関が指摘する安倍元総理と統一教会についての日本での報道と警察と政府、報道機関の歪み」

「海外での新興宗教の勧誘」


2025年3月25日火曜日

SNCF(フランス国鉄)管制官 4月17日から6月2日までのストライキを警告

  


 SNCF(フランス国鉄)のストライキと聞いて、なんだか久しぶりな気がすると思いましたが、ストライキが行われなかったのは、ここ数ヶ月だけのことだそうです。

 それくらい、ストライキは頻繁にあること(特にSNCFやRATP(パリ交通公団)等の公共交通機関)なのですが、大概は、多くの人々がバカンスに出かけようとするタイミングで行われることが多いです。

 それこそ、ストライキをやるからには、もっともインパクトがあるタイミングを狙うのは、当然といえば、当然なのですが、今回は、4月、5月の週末と祭日ということで、この中には、パック(イースター)のバカンスの期間が入っています。

 日本でいえば、ゴールデンウィークの時期ですが、フランスは日本のようには連休とはなりませんが、祭日の多い月でもあり、いわゆるフランス人のいうところのPONT(ポン)をして(橋をかけるという言い方をする)、祭日と週末の間に橋をかけて休みを取って、ちょっとしたプチバカンスにしてしまうというやり方をする人も多く、とかくお休みが多い時期でもあります。

 今回、SNCF SUD(南) RAIL 労働組合は、4月17日から6月2日までの春休みの期間と5月の週末、祝日にストライキを行うと警告しています。

 彼らの要求は、賃金増額、労働ボーナス(最低100ユーロの増額)、および、「労働時間の尊重」を訴えていますが、彼らの代表によれば、「交渉はすでに開始されており、経営陣にはもう数週間にもわたり、訴え続けているにもかかわらず、彼らは私たちの訴えに耳を傾けず、要求には応じていない」、「我々は、痛いところを強く打つつもりだ!」と戦闘態勢を見せています。

 これに対して、経営陣は、比較的、現状では楽観的な態度を見せており、「すべてのストライキの警告が実行されるわけではない」としているものの、実は、今回のストライキの根源は、すでに2022年年末にストライキに動員されていた監査役の集団だそうで、時間を積み重ねている分、問題は根深く、訴えの根強さが感じがします。

 どちらにしても、私は、このストライキが嫌で、これまで子どものバカンス期間中にSNCFを利用する旅行というものをほとんどしたことがなく、ただでさえ、値段が高く、混雑し、スケジュールもずらしにくいタイミングでこのストライキに遭遇したら、わざわざ、大金を支払って、疲れに行くようなもの。たとえ、返金してくれるとしても、その手続きなどには、予約よりもずっと手間暇がかかり、戻ってくるまで、嫌な気分がずっと続くことになるのです。

 このため、子どもとバカンス期間には、その多くはコロニー(様々なアクティビティの合宿のようなもの)や、そうでなければ、飛行機でヨーロッパの近場の国に行くことが多かったです。

 子どものバカンス期間にバカンスに行かなくてもよくなった今は、個人で旅行などを計画する際には、このバカンス期間は極力避けるようにしています。

 

SNCFストライキ


<関連記事>

「クリスマスイブの衝撃のTGV運転手の飛び込み事故」

「SNCF(フランス国鉄)大規模ストライキ 50%のTGVがキャンセル」

「想像以上だったSNCF(フランス国鉄)のストライキに対する国民の怒り」

「パリ北駅に潜む「人命に対する大きなリスク」」

「 12年ぶりの労働組合統一戦線  年金改革抗議の強力なストライキの予定」


2025年3月24日月曜日

地下鉄サリン事件から30年 フランスの反セクト法

  


 日本で1995年3月20日に起こった地下鉄サリン事件から30年ということで、日本では、あの事件を忘れてはいけない、風化させてはいけない・・と振り返る番組や報道がなされていたようですが、フランスでもこの事件を振り返る報道が出ています。

「サリン」という、当時はあまり耳慣れなかった化学物質をあの東京の霞が関を中心とした地下鉄内の数ヶ所で散布されるという驚愕の事件は、平和で治安の良いはずの日本だからこそ、余計に海外諸国には、衝撃的だったと思います。

 当時、私は、まだ日本にいたので、その当時のフランスがどの程度、騒いで報道していたのかは、わかりませんが、30年経った現在でも、それを振り返る報道がなされている(しかも、写真が何枚も使われているけっこう長い記事)ということは、当時はそれなりの衝撃的なニュースだったことと思われます。

 私は、この恐ろしい宗教が拡大していった「新宗教ブーム」のようなもののすぐ隣にいた世代だったので、今とは、全く違うバブルに浮かれた人々が大勢いる中で、それに疑問を感じていた人々などが、宗教に意味や希望を繋ごうとした気持ちもわからないでもなく、未だにキッチリ解明されていないこの事件、事象には、興味を持ち続けています。

 当時、私は通信社にいたため、ニュースの一部始終を目にしていたし、今は亡きフランス人の夫も、当日、たまたま霞が関駅近辺にいて、何が起こったのか?野次馬で見に行こうとして警察に必死に止められたと言っていたので、なんだか全く他人事な気がしないのです。

 今回のフランスの記事では、当時の事件の概要を説明し、13人の犠牲者(2020年には14人目の犠牲者)と5,800人以上の負傷者が出て、負傷者の多くは後遺症に苦しんでいることを伝え、負傷者たちが「政府がこの事件の負傷者の後遺症の医療支援にもっと積極的に取り組んでほしい」と訴えていると伝えています。

 個人的には、安倍元総理暗殺事件の時に問題視された「統一教会問題」が浮上した際に書いた記事が最近、またけっこう読まれていたりするのを知って、そういえば、フランスがこの地下鉄サリン事件から得た教訓をきっかけに「反セクト法」に本格的に着手し始めるきっかけになったのがこの地下鉄サリン事件だったのだということを思い出しました。 

 この事件を機に反セクト法制定に着手し始めたフランスは6年後の2001年6月には、しっかり「反セクト法」を制定し、「宗教の自由は奪わずに、国民の精神の自由を守る」とし、「精神の不安定を導く行為」、「法外な金銭要求」、「本来の環境からの隔離」、「公権力への浸透の企て」などを禁止し、これに該当する団体(宗教に関わらず)に対しては、裁判所が団体解散権を持つようになっています。

 よって、統一教会は未だにフランスにも存在していますが、日本のような問題には、至らなかったと言われています。

 このフランスの「反セクト法」のきっかけとなったのが、オウム真理教の「地下鉄サリン事件」だったのですが、今回の「地下鉄サリン事件から30年を振り返る」記事では、フランスでも、そこまでは触れていないものがほとんどです。

 日本でも、「地下鉄サリン事件から30年 この事件を風化させてはいけない」などの記事が散見されますが、実は、何も解決していないままであることこそ忘れてはいけないのです。

 オウム真理教は、以前のような規模ではありませんが、名前を変えて、未だ存在しているし、解決しないどころか、未だに統一教会と関わっているであろう政治家が多数存在しているのは、本当に信じられないことです。


フランス  反セクト法


<関連記事>

「フランスの反セクト法は日本のオウム真理教事件を参考にして作られた」

「宗教の教育」

「なんだかオウムを思い出すような事件がパリ・サンラザール駅のマクドナルドで・・」

「フランス人の夫の元妻との離婚理由は宗教だった・・」

「統一教会はこんなところにもあった・・」

「ロシアとオウム真理教 独裁者の暴走」



 

2025年3月23日日曜日

午前5時 パリ市内でのカーチェイスの果ての衝撃的な車4台衝突事故

  


 事故後の写真を見ると、どうしたら、パリ市内で車がこんなカタチで衝突できうるのだろうか?と思うくらいの、なかなか衝撃的な事故でした。

 この事故により警察官10人を含む13人が負傷、死亡者が出ていないことが不思議なくらいの惨状です。

 事故が起こったのは、早朝5時45分、パリ11区で警察官が走行車両を止めようとしましたが、運転手がこれに従わず、逃走したために、それを追跡するカタチでカーチェイスが始まり、運転手は全速力で逃走を試み、これを諦めなかった警察車両がさらに追跡、この時に逃走車両や警察車両がどのくらいのスピードで走行していたかは、発表されていませんが、この衝突後の惨状を見れば、通常、想像できるスピードではなかったことは、明らかです。

 このカーチェイスは、11区から15区まで続き、途中、パリ7区と15区の警察官が動員されたと言われています。警察は盗難車の追跡のため動員されたと説明していますが、早朝5時という時刻であったからこそ、起こった事故でもあり、通常であれば、パリ市内をそんなスピードで逃走することは、不可能。逃走どころか、渋滞で車がなかなか進まないのがふつうです。


 警察発表によれば、この逃走車の同乗者、運転手3人は、ともにフランス国籍で、19歳、22歳、30歳の成人ということで、このうちの2人は、警察にマークされていた人物であったとのこと。事故後すぐに、彼らはまず、病院に搬送されましたが、命に別状はなく、アルコールや薬物反応の検査中とのことです。

 だいたい、警察と車のトラブルといえば、警察の停車命令の服従拒否が多く(というよりも取り上げられるニュースが派手に取り扱われやすいこの種のカーチェイスであったり、発砲事件)。早朝というよりも、この逃走犯?たちにとっては、おそらく、深夜時間帯の継続であったと思われますが、市内が空いていたために、かなりのスピードを出すことが可能となり、これだけの衝突事故に繋がったものと思われます。

 最終的には、15区の地点で逃走車が信号に追突し、追跡していた警察車両が急に停車した車に追突、その後に追ってきた警察車両が次々に停車しきれずに玉突きのように衝突したために、事故後の現場は、惨憺たる状況になりました。

 今回は、警察官が発砲しなかっただけマシというべきか、まさに車ごと体当たりで逃走犯を確保したというべきか、どちらにしても、軽く考えられがちな警察への停車命令の服従拒否に対して、意地を見せたような感じでもあります。

 しかし、夜、遅くの時間帯は言うまでもなく危険なパリですが、早朝だからといって、それもまた、必ずしも安全ではなさそうなパリなのです。


<関連記事>

「服従拒否で警察官発砲 17歳の青年死亡の後、警察官のウソがばれた・・」

「燃え上がる警察への怒り 燃える炎は全国に飛び火」

「手がつけられなくなっているフランスの暴動に巻き込まれて、しばし、お店に閉じ込められた・・」

「大惨事となっているフランスの暴動とSNSの関係」

「警察官6人が電磁パルス銃使用で30歳の男性死亡 電磁パルス銃ってなんだ?」

 

2025年3月22日土曜日

気が重かった医療機器の設置も日本好きのお兄さんのおかげで救われました!

  


 今週初めにやっと検査の結果が出て、やはり睡眠時の呼吸に大きな問題があることがわかり、主治医の先生に「これじゃ、体調が悪いのも当然だ・・」と言われ、即刻、睡眠時に着用するための医療機器を自宅に設置するように手配してくれました。

 「そんな、機械を自宅に設置??」と聞いて、ギョッとしましたが、反面、楽観的に考えれば、体調不良の原因がやっとわかって、この治療をすれば、改善されるのだ・・と思い、少しは身体が楽になるということだと思うので、よかった・・と思うことにしました。

 ただ、また、その機械の配達・設置となると、また、時間が大幅にずれたり、ヘタをすると決めた日に来てくれなかったりということは大いにありえるわけで、機械の設置をしてくれる人から電話があった時点で、日時を約束したものの、半分は、「どうせ、時間どおりには来ないよな・・」と、その日は一日、予定をあけて、待っているつもりにしていました。

 しかし、担当の人は約束どおりの時間にやってきて、本当に親切に説明しながら、機械を設置して、使い方なども丁寧に教えてくれました。

 全て、保険適用になるために、そのための書類をまず、作らなくてはならなくて、それも全部、その場ですぐにやってくれました。30代半ばくらいの男性だったのですが、向こうの方から、「どちらの方ですか?」と尋ねられたので、「日本人です」と答えたら、「僕、日本が大好きなんです!」と。

 もう、日中はけっこう暖かいこともあってか、そのお兄さんは半そで・・「いくらなんでも寒くないの?」と思って、Tシャツを見ると、なんと「ラグビーワールドカップジャパン2019」のロゴ入り・・。

 「なぜ?日本が好きなんですか?」と聞いてみたら、「僕は、ドラゴンボールで育ってきたから・・NARUTOも好きだし・・」と・・。日本が好きになったきっかけは、MANGAだったそうで、これらのMANGAのおかげで、日本にとても親しみを感じるようになったとのことでした。

 パリの街では、日本のマンガのキャラクターが描かれているTシャツなどの服を着ている人を見かけることも少なくはありません。

 一時、フランス政府が停滞したフランスの文化事業推進・支援と若者への文化と芸術への好奇心を喚起させるために若者向けに発行された「カルチャーパス」が、そのうちの4分の3が「MANGA」に費やされたという結果から、一時は「カルチャーパス」は「MANGAパス」と呼ばれるようになったこともありました。

 これは、当初から、文化的なものなら、何にでも使用することができる!とのことで、その中にもちろん「MANGA」も入っていたのですが、まさかこれほどフランスの若者の文化が「MANGA」で占められることになっているとは、開けてビックリ!の事態でした。

 今回、家に来てくれたお兄さんは「マンガパス」よりもう少し上の世代ですが、実にフランスでの「MANGA」人気の拡大?には、長い年月を経ていて、年齢層も幅広いのです。

 フランスは日本に次いで、世界第二のマンガ消費国で、そのおかげで、フランスには、日本を好意的に感じてくれている人が多いことは、フランスに住む日本人としては、本当にありがたいことです。

 今回のちょっと厄介に感じていた医療機器の設置という気が重かった出来事も、この日本好きのお兄さんのおかげで、とても親切に、丁寧に対応していただきました。

 とっても、優しい目をした人だったので、そうでなくても、誰にでも親切なのだと思いますが、やはり、日本人としては、初対面の人にでも「日本大好き!」と言ってもらえるのはとっても嬉しいことで、自然とうちとけられる気がしました。

 昨年の鳥山明氏の訃報はフランスでも大々的に報道され、多くの著名人、マクロン大統領までが弔意を表明していましたが、このフランスでのMANGA文化の浸透は、日本という国に大きく貢献し、幅広く浸透していることを、あらためて、身をもって感じ、それに深く感謝する気持ちになりました。


医療機器設置


<関連機器>

「フランス政府が若者に発行したカルチャーパスがMANGAパスになった!」

「パリに日本の駄菓子屋さんみたいなお店ができた!MANGA CAFE KONBINI」

「鳥山明氏の訃報が証明したフランスでのマンガ人気」

「パリでお花見 緑の芝生の中にあるソー公園の八重桜(Le parc de Sceaux)」

「日本はフランス人になぜ愛されるのか? フランス人は日本をどう見ているのか?」

2025年3月21日金曜日

BPIフランス(フランス公的投資銀行) フランスの軍事資金調達基金

  


 エリック・ロンバール経済財務大臣は、「BPIフランス(フランス公的投資銀行)から、防衛分野への投資を希望するフランス国民に新たなファンドを立ち上げること」を発表しています。

 大臣は、「不確実になった米国の傘に直面して、我々は、平和に備え、平和を保証するために欧州の防衛に投資するための組織化された取り組みが必用である」とこの基金を説明しています。

 詳細については、まだ発表されていませんが、防衛分野への投資を望む国民が、より単純なかたちで行えるように、この投資によって集められる資金をBPIフランスが民間の防衛関連企業との間に入って、投資されるもので、すでに投資家たちの間では、ここ数週間で株価が高騰しているような巨大企業やグループ企業だけでなく、比較的、中規模、小規模の防衛産業に携わる企業にもふりわけられるようになります。具体的には、フランスの防衛関連企業・大手グループ9社と4,500社への融資にふりわけられるようです。

 このBPIフランス(フランス公的投資銀行)というのは、フランス社会の変革を推進する機関として2012年に設立されたもので、日常では目に見えにくい機関ではあるものの、実は多くの場面で関わりのある機関、新しい起業家への支援のかけ橋になっていたり、フランスの未来に繋がる分野での中継など、様々な役割を果たしています。

 例えば、V.I.E(Volontariat international en entreprise)(フランスの若者の海外進出、また海外でのフランス企業のための支援システム)などにも、このBPIフランスが大きく関わっています。

 今回は、この世界情勢の変化により急速に軍事力強化に進んでいるフランスの軍事資金へ少し貯蓄のある人々をターゲットにしたもので、フランス国民が自発的に防衛活動に貢献することができるとしています。

 この商品?は、最低500ユーロから投資できるものではありますが、フランスでは、かなりポピュラーな Livret A(税金が控除される利息付預金口座・年利2.4%)などと比較すると、5年間は完全にブロックされてしまうということで、比較的余裕のある人向けではあります。

 これは、間接的にこれらの企業の株主になるという感じのものなので、利息?にあたるパーセンテージは企業の業績によって左右されるために、現段階では、固定されていないため、リスクがないわけではありません。

 とはいえ、これらの企業には、国が発注することは、もう確定しているも同然なわけで、個人的に一企業に投資するよりは、リスクは少ないかもしれません。

 しかし、これにより、国は軍事資金の一部を調達できるわけで、しかも利息にあたる部分も各企業が利益に準じて支払うわけですから、ムリのない合理的な方法であるのではないか?と思われます。

 しかも、これに投資する人は、国の防衛に参加したいという理由の人もいれば、単に投資目的、利益目当ての人もいるでしょうが、目的はいかにしても、あくまでも、自発的に投資したい人だけからお金を集めるわけで、国民からは受け入れられやすい形なのではないか?と思います。

 これは増税なしに軍事資金を増強すると公言していたマクロン大統領の政策のひとつであったと思われます。


BPIフランス 軍事資金調達基金


<関連記事>

「マクロン大統領の演説 明日の解決策は昨日の習慣であってはならない」

「フランス人の86%が兵役復活に賛成している?」

「マクロン大統領が34ヵ国を招集して行った非公開の会合」

「フランスは2030年までに現役軍人を21万人、予備兵を8万人にする」

「久しぶりのフランスのテレビは・・」

 

2025年3月20日木曜日

日本で非公開の映画 「Black Box Diaries 」を見てきました!

  


 私は、映画というものを見に行くということがほとんどなくて、映画館に行ったのは、もう何年ぶり?という感じでした。そもそも閉鎖された空間に大勢の人がいる場所というのがあんまり好きではないこともあるのですが、まあ、映画を見に行く習慣がないということかもしれません。

 今回の映画が私の重い腰を上げたのは、日本の映画なのに日本非公開だということで、しかも、海外ではけっこう評価されていると評判で、ドキュメンタリー映画のため、見る前からおおよその内容は知っていたものの、やはり、実際に見てみると、けっこうインパクトがあり、また、実際のやりとりなどが繋ぎ合わされているので、リアリティがあります。

 おそらく海外での上映は、どこも同じもので、主人公の彼女は英語で話している部分も多く、その他は日本語で、フランスでは当然、フランス語の字幕がつけられています。

 ただし、字幕の場合はどんな映画にもあることだと思いますが、微妙な日本語の表現をこう訳す?というところもあったりしました。

 まず、この映画を見たいな・・と思って、パリ市内の映画館を探したのですが、思っていたよりも上映しているところは多く、私が行ったのは平日の昼間だったので、満員とまではいかないまでも、けっこう人がいるんだな・・という印象でした。

 日本で非公開になっている理由は、裁判用に提出された映像を無許可で使用しているためということでしたが、これは、該当部分を修正してでも、ぜひ、日本でこそ公開すべき作品だと思いました。

 彼女が2015年に性被害に遭って以来、警察が被害を受け付けてくれなかった様子やそこから周囲の人々の力もあって、ようやく逮捕状が出たにもかかわらず、それが逮捕直前に取り下げられたこと、多くの人のバッシングに遭って、隠れるように生活している様子、にもかかわらず、自分たちで証言を取りに奔走する様子、刑事裁判に敗れたとき、民事裁判に勝訴したとき、また、加害者と言われる男性の会見の様子などなどが織り込まれています。

 中でも最後に登場する事件発生日にホテルのドアマンをしていた男性の思いやりに満ちた言葉とその言葉を受けて彼女が号泣する様子には、涙しました。

 証言をしていただくことで御迷惑をかけることになってしまうかもしれないと案ずる彼女に対して、このドアマンの男性は、「だいたい、この種の犯罪に対しては罪が軽すぎるし、あなたの苦しみに比べたら、私が証言をすることで被るかもしれない被害は大したことない、私が事件当日、勤務していてよかった・・」と話しているのです。

 この映画は性加害問題のみならず、簡単には被害届さえも受け付けてもらえなかった状態から、ようやく警察が逮捕状を取ったにもかかわらず、逮捕直前に取り消されるという権力によって犯罪が握りつぶされてしまうという恐ろしい現代の日本の状況を訴えている作品でもあります。映画の中にたしか、女性の方だったと思いますが、「逮捕状が出たからといって、全て逮捕されるというわけではありません」という全然、納得いかない説明がありました。

 犯罪が権力によって握りつぶされる・・そんなことがあっていいわけありません。

 この作品が多くの国で公開され、評価されていることは、素晴らしいことではありますが、この作品は、日本でこそ、上映されるべきものだと思います。

 この映画の中で、あるジャーナリストが、「ジャーナリズムというものは権力を監視しなければならない!そのために存在する!」と言っている部分があったと思いますが、まさに、私もそう思います。

 現在、映像を修正中とのことですが、一日も早く修正すべきところは修正して、日本で公開され、権力が犯罪をねじ伏せるようなことがない国になってほしいです。


Black Box Diaries


<関連記事>

「いい加減は、良い加減ということ 海外生活の秘訣は良い加減に生きること」

「フランス政府が若者に発行したカルチャーパスがMANGAパスになった!」

「映画界の巨匠 ジャン・リュック・ゴダールの死と安楽死問題」

「スティーブン・スピルバーグ「ターミナル」にインスピレーションを与えた伝説のホームレスCDGで死去」

「パリに巻き起こる「エミリーパリへ行く」現象と経済効果 Emily in Paris」